JP5273122B2 - 電子部品及び電子部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、電子部品及び電子部品の製造方法に関する。
従来の電子部品として、一対の端面と、この端面同士を連結する4つの側面とから構成される略直方体の素体を有し、端面と、対向する一対の側面の片面又は両面に跨って形成された断面L字型又は断面コ字型をなす外部電極を備えるチップインダクタが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−29737号公報
ところで、近年では、電子部品を搭載する製品の多機能化や小型化に伴い、基板への部品搭載数の増大や搭載面積の縮小化が進んでいる。そのため、複数の電子部品を限られたスペースにおいて配置する必要がある。そこで、電子部品を近接させて配置することになるが、略直方体の素体の端面側において5面(端面、4側面)を覆う外部電極を有する電子部品の場合には、配置スペースをとるため搭載数が限定される。また、隣接する外部電極間においてはんだブリッジ等が生じ、実装に不具合が生じるといった問題がある。そこで、上記特許文献1に記載の電子部品のように、外部電極がL字型又はコ字型をなし、隣接する電子部品との間で外部電極が対向配置されない構成は、狭隣接配置に有効である。
また、外部電極の小型化を図るために、外部電極の厚みを薄く形成すると、素体の角部分からメッキ液等が浸入するおそれがある。そのため、素体の角部分からのメッキ液等の浸入防止や外部電極の小型化の観点からは、外部電極が緻密な金属薄膜にて形成されることが好ましい。しかしながら、外部電極をスパッタリング等により金属薄膜で形成すると、素体と金属薄膜との接合強度を確保することが困難である。そのため、素体から外部電極が剥離するといった問題が生じるおそれがあった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、実装性を維持しつつ、素体から外部電極が剥離することを防止できる電子部品及びその電子部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る電子部品は、互いに対向する一対の端面及び端面同士を連結する四つの側面を有すると共に、端面に露出する内部電極が配置された素体と、素体の端面側に形成された外部電極とを備える電子部品であって、外部電極は、素体の主成分を含有する第一電極層と、金属薄膜からなる第二電極層とを含み、第一電極層は、側面の少なくとも一面の端面側に素体と同時焼成されて形成されていると共に、その縁部と素体との間に隙間を形成しており、第二電極層は、第一電極層の縁部を挟むように、端面及び第一電極層上を覆うと共に隙間に形成されていることを特徴とする。
この電子部品では、素体の主成分を含有すると共に素体と同時焼成されて形成される第一電極層と、金属薄膜の第二電極層とにより外部電極が形成されている。このように、第一電極層が素体の主成分を含有し且つ素体と同時焼成されているため、素体と第一電極層との接合強度が確保されると共に、側面の少なくとも一面に形成することで、実装時の不具合を防止できる。また、金属薄膜の第二電極層により、素体の角部分からのメッキ液等の浸入を防止でき、且つ小型化が図れるため電子部品の狭隣接配置が可能となる。そして、第一電極層は、その縁部と素体との間に隙間を形成しており、第二電極層は、第一電極層の縁部を挟むように、端面及び第一電極層上を覆うと共に隙間に形成されている。これにより、素体との接合強度が確保された第一電極層と第二電極層とが強固に接合されるため、金属薄膜である第二電極層が素体から剥離することを防止できる。以上のように、本発明の電子部品では、実装性を維持しつつ、素体から外部電極が剥離することを防止できる。
第二電極層は、素体の端面と側面との間の角部分に対応する位置において、第一電極層を覆うように形成されていることが好ましい。このような構成によれば、メッキ液等が浸入し易い素体の角部分が緻密な金属薄膜の第二電極層にて覆われるので、メッキ液等の素体への浸入をより抑制できる。これにより、電子部品の信頼性の向上を図ることができる。
隙間は、角部分を含んで形成されている。これにより、素体の角部分において、第二電極層、第一電極層、第二電極層の順に電極層が多層に形成されるため、素体の角部分からのメッキ液等の浸入をより確実に抑制できると共に、素体の角部分に対応する外部電極の強度を向上させることができる。
また、本発明に係る電子部品の製造方法は、互いに対向する一対の端面及び端面同士を連結する四つの側面を有すると共に、端面に露出する内部電極が配置された素体と、素体の端面側に形成された外部電極とを備える電子部品の製造方法であって、素体の主成分を含有する第一電極層を形成する第一電極層形成工程と、金属薄膜からなる第二電極層を形成する第二電極層形成工程とを有し、第一電極層形成工程では、側面の少なくとも一面の端面側に素体と同時焼成して第一電極層を形成した後に、第一電極層の縁部と素体との間に隙間を形成し、第二電極層形成工程では、第一電極層の縁部を挟むように、端面及び第一電極層上を覆うと共に隙間に第二電極層を形成することを特徴とする。
この電子部品の製造方法では、上述の構成を有する電子部品を製造できるため、実装性を維持しつつ、素体から外部電極が剥離することを防止できる電子部品を製造できる。
第一電極層形成工程では、素体の主成分を含有する導電性ペーストを素体の側面の少なくとも一面の端面側に付与して第一電極ペースト層を形成し、素体と第一電極ペースト層とを同時焼成して第一電極層を形成した後に、バレル研磨によって素体と第一電極層との間に隙間を形成しつつ、素体と対向する第一電極層の表面の一部に空孔部を形成することが好ましい。これにより、素体との接合強度が高い第一電極層を形成できると共に、素体と第一電極層との間に隙間を形成できる。
本発明によれば、実装性を維持しつつ、素体から外部電極が剥離することを防止できる。
本発明の一実施形態に係る電子部品の斜視図である。 図1に示す電子部品の断面図である。 電子部品の製造方法を示すフロー図である。 積層体形成工程、第一電極層形成工程及び焼成工程の工程内容を示す図である。 第二電極層形成工程及びメッキ工程の工程内容を示す図である。 電子部品の要部を拡大して示す拡大断面図である。 電子部品の断面を示す写真である。 外部電極の組成分布を示す図である。 外部電極の組成分布を示す図である。 変形例に係る電子部品の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1及び図2を参照して、本発明の一実施形態に係る電子部品の構成を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品の斜視図であり、図2は、図1に示す電子部品の断面図である。
図1及び図2に示すように、電子部品1は、例えば、セラミックコンデンサなどの電子部品であり、複数の板状のセラミックグリーンシートを積層して一体化することによって略直方体形状に構成された素体2と、素体2の両端面側に形成された外部電極3,4とを備えて構成される。素体2は、素体2の長手方向に向かい合って互いに平行をなす一対の端面2a,2bと、一対の端面2a,2b間を連結するように伸び且つ互いに対向する一対の主面2c,2dと、一対の主面2c,2dを連結するように伸び且つ互いに対向する一対の側面2e,2fとを有する。外部電極3は、一方の端面2a及び端面2aと直交する二つの主面2c,2dの各縁部の一部を覆うように形成されている。また、外部電極4は、他方の端面2b及び端面2bと直交する二つの主面2c,2dの各縁部の一部を覆うように形成されている。電子部品1は、例えば、縦が1.9mm〜2.2mm程度に設定され、横が1.1mm〜1.3mm程度に設定され、厚みが1.1mm〜1.3mm程度に設定されている。
素体2は、図2に示すように、複数の長方形板状の誘電体層6と、複数の内部電極7及び内部電極8とが積層された積層体として構成されている。内部電極7と内部電極8とは、素体2内において誘電体層6の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)に沿ってそれぞれ一層ずつ配置されている。内部電極7と内部電極8とは、少なくとも一層の誘電体層6を挟むように対向配置されている。実際の電子部品1では、複数の誘電体層6は、互いの間の境界が視認できない程度に一体化されている。
内部電極7,8は、例えばNiやCuなどの導電材を含んでいる。内部電極7,8の厚みは、例えば1μm〜5μm程度である。内部電極7,8は、積層方向から見て互いに重なりあう領域を有するような形状であれば、特に形状は限定されず、例えば矩形状などの形状をなしている。内部電極7,8は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。内部電極7,8の端部は、素体2の端面2a,2bに露出している。内部電極7は外部電極3と電気的に接続されており、内部電極8は外部電極4と電気的に接続されている。
外部電極3,4は、断面コ字状を呈しており、素体2の端面2a,2bと積層方向において対向する一対の主面2c,2dの両面とに跨って形成されている。つまり、外部電極3,4は、側面2e,2fには形成されておらず、コ字型の三面電極となっている。外部電極3,4は、素体2の外面に電極層を形成し、更に電気メッキを施すことにより形成される。電気メッキには、Ni、Sn等を用いることができる。外部電極3,4の具体的な構成については、以下の電子部品1の製造方法にて説明する。
続いて、図3〜図6を参照して本発明の実施形態に係る電子部品1の製造方法について説明する。図3は、電子部品の製造方法を示すフロー図である。
図3に示すように、電子部品1の製造工程は、積層体形成工程S1から工程を開始する。この積層体形成工程S1では以下の処理がなされる。すなわち、誘電体層6となるセラミックグリーンシートを形成した後、当該セラミックグリーンシート上に内部電極7,8のパターンを導電性ペーストで印刷し、乾燥することによって電極パターンを形成する。このように電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートを複数枚重ね合わせ、図4(a)に示すように、セラミックグリーンシートの積層体10を形成する。
積層体形成工程S1の後、第一電極層形成工程S2が行われる。第一電極層形成工程S2は、積層体10の表面10a及び裏面10bをスクリーンメッシュ(図示しない)で覆ってスクリーン印刷することによって、素体2の主面2c,2dに該当する表面10a及び裏面10bに導電ペーストを付与して第一電極ペースト層11を形成する工程である。具体的には、図4(a)に示すように、表面10a及び裏面10bにおいて、内部電極7,8の端部に対応する所定位置に、第一電極ペースト層11をそれぞれ形成する。この第一電極ペースト層11の形成位置は、素体2の主面2c,2dの端面2a,2b側に該当する。導電性ペーストは、金属粒子と、積層体10、つまり素体2の主成分であるセラミック(共材)とを含有しており、金属粒子は電子部品1を構成する素体2の材料であるガラス系材料や誘電体材料等の焼結性に合わせてNi、Cu、Ag等から選択される。セラミックの含有量は、例えば5〜100php程度である。なお、第一電極層形成工程S2では、スクリーン印刷の他に、グラビア印刷によって第一電極ペースト層11を形成してもよい。そして、第一電極ペースト層11を形成した後、積層体10をそれぞれ素体2の大きさのチップとなるように切断することで、第一電極ペースト層11が形成されたチップ(素体2の未焼結体)を得る。
第一電極層形成工程S2の後、焼成工程S3が行われる。焼成工程S3では、チップと第一電極ペースト層11とを同時焼成する。具体的には、焼成工程S3では、チップ及び第一電極ペースト層11を例えば1200〜1300℃にて同時焼成する。これにより、チップが焼結されて素体2が得られると共に、第一電極ペースト層11が焼結されて第一電極層11aが形成される。その後、ポリエチレン等の材料からなる密閉回転ポットに水と複数の素体2と研磨用のメディアを入れて、この密閉回転ポットを回転させてバレル研磨を行う。このとき、第一電極層11aと素体2との間に後述する隙間Sが形成される。以上により、図4(b)に示すように、素体2において主面2c,2dの端面2a,2b側に、角部分に所定の曲率半径(R)を有する第一電極層11aが形成される。
焼成工程S3の後、第二電極層形成工程S4が行われる。第二電極層形成工程S4では、内部電極7,8と接続されるように端面2a,2bを覆うと共に、第一電極層11aの端面2a,2b側の縁部11eを覆うように金属薄膜の第二電極層12を形成する工程である。具体的には、図5(a)に示すように、第二電極層形成工程S4では、スパッタリングによって素体2の端面2a,2bの全面と、第一電極層11aの端面2a,2b側の縁部11e、つまり素体2の角部分9に対応する位置とに成膜することで第二電極層12を形成する。第二電極層12は、例えばTi、Cr、Ni、Cu、Ag、或いはそれらの合金からなる膜で形成されている。そして、第二電極層12は、これらの金属のうちの一層の膜あるいはNi/Cr合金ターゲットによるスパッタ膜等を第二電極層12における下層膜として、この下層膜と下層膜の表面に形成されるCuスパッタ膜等からなる上層膜との組み合わせのような二層の膜で形成されていてもよく、更には三層以上の膜で形成されていてもよい。また、第二電極層12は、素体2の角部分9を含む主面2c,2dと第一電極層11aの端面2a,2b側の縁部11eとの間に形成された隙間S(図6参照)に入り込んで形成されている。
隙間Sについて、図6を参照しながら説明する。図6は、電子部品の要部(角部分)を拡大して示す図である。図6に示すように、隙間Sは、第一電極層11aの縁部11eと素体2の主面2c,2dの端面2a側との間に形成されている。この隙間Sは、第一電極層11aに含まれるセラミックがバレル研磨の処理に伴って脱落し、表面に空孔部Hが形成されることにより形成されている。
隙間Sの形成過程について詳細に説明する。まず、第一電極ペースト層11が形成されたチップの焼結時には、第一電極層11aへの焼結も同時に行われる。このとき、第一電極層11aが焼結していく過程において、第一電極層11a中の共材(セラミック)の多くは、第一電極層11aの表面側へ押しやられて、その表面に析出する。これと同時に、第一電極層11aと素体2とが接する面では、素体2と共材との焼結も起こる。これにバレル研磨処理を行うと、第一電極層11a表面に析出した共材が脱落し、表面に空孔部Hが形成される。これが素体2の角部では、非常にゆっくりと進行する。第一電極層11aの素体2と接していない表面(外表面)では、形成された空孔部Hが更に研磨されて比較的なだらかな面となる一方、素体2の角部分9では、第一電極層11aと素体2との界面において、それぞれが研磨されることによる隙間Sの部分的な形成と、隙間Sに露出した新たな第一電極層11a表面に空孔部Hの形成が行われる。ここで、隙間Sは、第一電極層11aと素体2との境界面部分の全周にわたって形成されているわけではなく、第一電極層11aと素体2との密着部分が隙間Sと混在している。
第二電極層12は、上記の隙間Sを埋めるように形成されている。つまり、第二電極層12は、第一電極層11aの縁部11eを挟むように、端面2a,2b及び第一電極層11a上を覆うと共に隙間Sに形成されている。隙間Sにおける第一電極層11aの表面、つまり素体2と対向する第一電極層11aの内表面は、空孔部Hによって凹凸状をなしている。第二電極層12は、凹凸状をなす第一電極層11aの表面(粗面化された表面)に入り込むように形成されており、第一電極層11aと密着に接合している。
第二電極層形成工程S4の後、メッキ工程S5が行われる。メッキ工程S5は、図5(b)に示すように、第一電極層11a及び第二電極層12の表面にNiメッキ層13及びSnメッキ層14をこの順番で形成する工程である。具体的に、このメッキ工程S5では、バレル内のメッキ液に素体2を浸漬させた後、バレルを回転させることでNiメッキ層13及びSnメッキ層14がそれぞれ第一電極層11a及び第二電極層12の表面に形成される。以上によって、図3に示す工程が終了し、電子部品1を得ることができる。
次に、上述の製造方法にて製造された電子部品1における外部電極3の組成分布について説明する。図7は、電子部品の断面を示す写真であり、図8及び図9は、外部電極の組成分布を示す図である。具体的には、図8及び図9は、図7に例示される電子部品において、矢印方向に沿った組成分布を示している。外部電極3,4の組成分布は、EDS(Energy Dispersive x-ray Spectroscopy:エネルギー分散型X線分析)により検出している。EDSは、電子ビーム等で物体を走査した際に発生する特性X線を検出し、X線から得られるエネルギーの分布から物体の構成物質(元素)を調べる分析手法である。
例えば、第二電極層12がCrスパッタ膜の1層から形成されている場合、図8に示すように、EDSの結果、外部電極3においては、素体2側からCr、Ni、Crの順番で強い線強度が出現している。すなわち、外部電極3では、素体2側から第二電極層12(Crスパッタ膜)、第一電極層11a(Ni)、第二電極層12(Crスパッタ膜)の順に形成されていることが確認できる。つまり、第二電極層12は、素体2と第一電極層11aとの隙間Sに入り込んで形成されていると共に、第一電極層11aの端面2a側の縁部11e(素体2の角部分9)を覆っている。外部電極4についても、同様の構成となっている。
また、第二電極層12がTiスパッタ膜及びCuスパッタ膜の2層から形成されている場合、図9に示すように、EDSの結果、外部電極3においては、素体2側からTi、Cu、Ni、Ti、Cuの順番で強い線強度が出現している。すなわち、外部電極3では、素体2側から第二電極層12(Tiスパッタ膜、Cuスパッタ膜)、第一電極層11a(Ni)、第二電極層12(Tiスパッタ膜、Cuスパッタ膜)の順に形成されていることが確認できる。つまり、第二電極層12は、素体2と第一電極層11aとの隙間Sに入り込んで形成されていると共に、第一電極層11aの端面2a側の縁部11e(素体2の角部分9)を覆っている。外部電極4についても、同様の構成となっている。
以上説明したように、本実施形態に係る電子部品1では、素体2の主成分であるセラミックを含有すると共に素体2と同時焼成されて形成される第一電極層11aと、金属薄膜の第二電極層12とにより、コ字型の外部電極3,4が形成されている。このように、第一電極層11aが素体2の主成分を含有し且つ素体2と同時焼成されているため、素体2と第一電極層11aとの接合強度が確保されると共に、主面2c,2dに形成されることで電子部品1の実装時の不具合を防止できる。また、金属薄膜の第二電極層12により、素体2の角部分9からのメッキ液等の浸入を防止でき、且つ小型化が図れるため電子部品1の狭隣接配置が可能となる。
そして、第一電極層11aは、縁部11eと素体2との間に隙間Sを形成しており、第二電極層12は、第一電極層11aの縁部11eを挟むように、端面2,2b及び第一電極層11a上を覆うと共に隙間Sに形成されている。これにより、素体2との接合強度が確保された第一電極層11aと第二電極層12とが強固に接合されるため、金属薄膜である第二電極層12が素体2から剥離することを防止できる。以上のように、本発明の電子部品1では、実装性を維持しつつ、素体2から外部電極3,4が剥離することを防止できる。
また、素体2の角部分9において、素体2側から金属薄膜の第二電極層12、第一電極層11a、第二電極層12の順に多層に形成されているため、Niメッキ層13及びSnメッキ層14を形成する際に、角部分9からメッキ液が浸入することをより一層防止でき、信頼性の向上を図ることができる。また、素体2の角部分9に対応する外部電極3,4の強度を向上させることができる。
また、第二電極層12をスパッタリングにて形成した緻密な金属薄膜とすることにより、内部電極7,8との接続を良好なものとすることができ、電気特性の向上を図ることができる。
また、従来の電子部品には、略直方体をなす素体を有し、端面、一対の主面及び一対の側面の5面に外部電極が形成されているものがある。このような構成の場合、基板への実装時において、電子部品の側面に形成された外部電極にはんだが周り込むため、リフロー時のセルフアライメント性が悪くなる。これにより、高密度に電子部品を実装すると、実装位置のずれやチップ立ち等の実装不良が生じるといった問題があった。
これに対して、本実施形態の電子部品1では、外部電極3,4が素体2の端面2a,2b及び主面2c,2dに形成された3面電極となっているため、基板への実装時にはんだが側面に回り込むといった現象が生じない。そのため、セルフアライメント性を確保することができ、チップの外形寸法にも依るが例えば100μm程度の間隔で高密度に電子部品1を実装する場合でも、実装位置のずれやチップ立ち等の実装不良を防止できる。
また、第一電極層11aの内表面に形成される空孔部Hは凹凸状をなしているため、第二電極層12が第一電極層11aの空孔部Hに入り込むことで、第一電極層11aと第二電極層12とが密接接合されている。このように、素体2に強固に接合されている第一電極層11aに第二電極層12が密接接合されているため、素体2から第二電極層12が剥離することがより防止されている。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、外部電極3,4が端面2a,2bと一対の主面2c,2dとの3面に跨って形成されているが、例えば端面2a,2bと一方の主面2cの2面に跨って形成されてもよい。具体的には、図10に示すように、電子部品1Aにおいて、外部電極3A,4Aは、断面L字状を呈しており、端面2a,2bと一方の主面2d(片面)の2面に跨って形成されている。
また、上記実施形態では、第一電極層11aの縁部11eが素体2の角部分9の位置に形成されているが、第一電極層11aの縁部11eは、必ずしも素体2の縁部11eを含む位置に形成されなくてもよく、素体2の主面2c,2d又は側面2e,2fとの間に隙間Sを形成する構成であればよい。
1…電子部品、2…素体、2a,2b…端面、2c,2d…主面、2e,2f…側面、3,4…外部電極、7,8…内部電極、9…角部分、11…第一電極ペースト層、11a…第一電極層、11e…縁部、12…第二電極層、S2…第一電極層形成工程、S3…焼成工程(第一電極層形成工程)、S4…第ニ電極層形成工程。

Claims (5)

  1. 互いに対向する一対の端面及び前記端面同士を連結する四つの側面を有すると共に、前記端面に露出する内部電極が配置された素体と、
    前記素体の前記端面側に形成された外部電極とを備える電子部品であって、
    前記外部電極は、前記素体の主成分を含有する第一電極層と、金属薄膜からなる第二電極層とを含み、
    前記第一電極層は、前記側面の少なくとも一面の前記端面側に前記素体と同時焼成されて形成されていると共に、その縁部と前記素体との間に隙間を形成しており、
    前記第二電極層は、前記第一電極層の前記縁部を挟むように、前記端面及び前記第一電極層上を覆うと共に前記隙間に形成されていることを特徴とする電子部品。
  2. 前記第二電極層は、前記素体の前記端面と前記側面との間の角部分に対応する位置において、前記第一電極層を覆うように形成されていることを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  3. 前記隙間は、前記角部分を含んで形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の電子部品。
  4. 互いに対向する一対の端面及び前記端面同士を連結する四つの側面を有すると共に、前記端面に露出する内部電極が配置された素体と、
    前記素体の前記端面側に形成された外部電極とを備える電子部品の製造方法であって、
    前記素体の主成分を含有する第一電極層を形成する第一電極層形成工程と、
    金属薄膜からなる第二電極層を形成する第二電極層形成工程とを有し、
    前記第一電極層形成工程では、前記側面の少なくとも一面の前記端面側に前記素体と同時焼成して前記第一電極層を形成した後に、前記第一電極層の縁部と前記素体との間に隙間を形成し、
    前記第二電極層形成工程では、前記第一電極層の前記縁部を挟むように、前記端面及び前記第一電極層上を覆うと共に前記隙間に前記第二電極層を形成することを特徴とする電子部品の製造方法。
  5. 前記第一電極層形成工程では、前記素体の主成分を含有する導電性ペーストを前記素体の側面の少なくとも一面の前記端面側に付与して第一電極ペースト層を形成し、前記素体と前記第一電極ペースト層とを同時焼成して前記第一電極層を形成した後に、バレル研磨によって前記素体と前記第一電極層との間に前記隙間を形成しつつ、前記素体と対向する前記第一電極層の表面の一部に空孔部を形成することを特徴とする請求項4記載の電子部品の製造方法。
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