JP5273006B2 - ポリカーボネート樹脂の製造方法 - Google Patents
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特許文献2等には、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物との組成比を、原料調製槽において継続的に測定し、測定される値を予め設定された組成比と一致させるように、芳香族ジヒドロキシ化合物又は炭酸ジエステルの原料調製槽への供給量を連続的に自動制御する方法が開示されている。
合物との組成比の制御が重要である。
しかし、従来の方法では炭酸ジエステル及び/又はジヒドロキシ化合物が定量供給されているかを、検知する手法は開示されているが、定量供給する方法については記載がなく、充分ではなかった。
前記混合物をエステル交換反応によりポリカーボネートとする重縮合工程と、を含むポリカーボネートの製造方法において、
前記炭酸ジエステル及び/又は前記ジヒドロキシ化合物は、放圧管を具備したホッパーから、定量供給装置を介して、前記原料調製槽へ供給配管により定量供給され、
前記ホッパーと前記原料調製槽は均圧管で結ばれており、
前記放圧管の内径が、前記供給配管の内径に対して1/6〜1/2であり、
前記均圧管の内径が、前記供給配管の内径に対して1/5〜1/2であり、
且つ前記ホッパー内の前記炭酸ジエステル及び/又は前記ジヒドロキシ化合物の保有量を、前記ホッパーの有効容積の30%〜90%の範囲に維持することを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法に存する。
ここで、本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法において、前記定量供給装置が2以上であることが好ましい。
更に、本発明のポリカーボネート樹脂の製造方法において、前記ホッパーの頂角θが70度以下であることが好ましい。
又、本発明の製造法により得られたポリカーボネート樹脂は、粘度平均分子量に変化が無く、末端水酸基濃度の振れが少なく、色相が良好で安定しており、耐熱性に優れて変動
がなく、OA部品、自動車部品、建築材料等に幅広く適用できる。
(ポリカーボネート樹脂)
本発明のポリカーボネート樹脂は、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とをエステル交換反応することにより得られたポリカーボネート樹脂である。
本発明で用いられる炭酸ジエステルとは、下記一般式(1)で表される化合物である。
式(1)で表される炭酸ジエステルの具体例としては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−t−ブチルカーボネート又はジフェニルカーボネート若しくはジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート等が挙げられ、好ましくはジアリールカーボネートであり、さらに好ましくはジフェニルカーボネートである。これらの炭酸ジエステル化合物は、単独でも、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明で用いられるジヒドロキシ化合物とは、芳香族ジヒドロキシ化合物と脂肪族ジヒドロキシ化合物に大別される。これらジヒドロキシ化合物は前記芳香族ジヒドロキシ化合物及び前記脂肪族ジヒドロキシ化合物からなる群から選ばれる1種以上を単独で、又は混合して用いてもよい。
芳香族ジヒドロキシ化合物の具体例としては、下記一般式(2)で示される芳香族ジヒドロキシ化合物が好ましい。
上記一般式(2)で表される芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,4’−ジヒドロキシ−ジフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−5−ニトロフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−2,5−ジエトキシジフェニルエーテル、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ−2−メチル)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)フルオレン、4,4’−ビフェノール、3,3’, 5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオール、4,4’−(1,3−アダマンタンジイル)ジフェノール、4,4’−(オクタヒドロ−4,7−メタノ−5H−インデン−5−イリデン)ビスフェノール等が例示される。これらの中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下、「ビスフェノールA」と称する)が好ましい。
脂肪族ジヒドロキシ化合物の具体例は、下記一般式(3)で示されるジヒドロキシ化合物が好ましい。
ち、資源として豊富に存在し、容易に入手可能な種々のデンプンから製造されるソルビトールを脱水縮合して得られるイソソルビドが、入手及び製造のし易さ、光学特性、成形性の面から最も好ましい。
脂環式ジヒドロキシ化合物としては、特に限定されないが、通常、5員環構造又は6員環構造を含む化合物が挙げられる。脂環式ジヒドロキシ化合物が5員環、6員環構造であることにより、得られるポリカーボネート樹脂の耐熱性を高くすることができる。6員環構造は共有結合によって椅子形もしくは舟形に固定されていてもよい。
このような脂環式ジヒドロキシ化合物の具体例は、例えば、1,2−シクロペンタンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロペンタンジメタノール、1,3−シクロペンタンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、2−メチル−1,4−シクロヘキサンジオール、トリシクロデカンジオール、ペンタシクロペンタデカンジオール、2,6−デカリンジオール、1,5−デカリンジオール、2,3−デカリンジオール、2,3−ノルボルナンジオール、2,5−ノルボルナンジオール、1,3−アダマンタンジオール等が挙げられる。特に、シクロヘキサンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール類、アダマンタンジオール類、ペンタシクロペンタデカンジメタノール類が好ましく、入手のしやすさ、取り扱いのしやすさという観点から、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノールが好ましい。
このようなその他の脂肪族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、スピログリコール、ジオキサングリコール等が挙げられる。
炭酸ジエステル化合物とジヒドロキシ化合物との組成比は、所望するポリカーボネート樹脂の分子量や末端水酸基量等により設定される。ジヒドロキシ化合物1モルに対して炭酸ジエステル化合物の比率は、通常0.90モル〜1.30モル、好ましくは0.96モル〜1.20モル、さらに好ましくは1.00モル〜1.15モルの範囲で選択される。炭酸ジエステルの比率が過度に小さい場合には、得られるポリカーボネート樹脂の末端水酸基量が多くなる場合があり、ポリカーボネート樹脂の熱安定性や加水分解安定性、色相に大きな影響を及ぼす可能性がある。炭酸ジエステルの比率が過度に大きい場合には、エ
ステル交換反応速度が低下し、所望の分子量を有するポリカーボネート樹脂が得られない場合があり、ポリカーボネート樹脂中の残存炭酸ジエステル量が多くなり、臭気の原因となる可能性がある。
定量供給装置2より排出された、BPAは原料調製槽において、別途供給されるDPCとともに、所定のDPCとBPAとの組成比にて混合物が形成される。
7.6mm〜492.2mm、好ましくは、52.9mm〜492.2mm、特に好ましくは105.3〜390.6mmである。前記供給配管の内径が過度に小さい場合には、BPAが該供給配管内に閉塞し易くなり、定量的に供給できなくなる可能性がある。一方、該供給配管の内径が過度に大きい場合には、該供給配管内にBPAが残留する可能性がある。
また、本発明において前記BPAホッパーの円錐角θは通常70度以下であり、好ましくは50度以下、さらに好ましくは30度以下である。前記円錐角θが過度に大きい場合、BPAホッパー内でBPAが流動しにくくなり、滞留し、スケーリングを起こすため好ましくない。なお、本発明において円錐角θとは、ホッパーの傾斜面が為す角であり、図2に示すとおりBPAホッパーの傾斜面が鉛直方法に対して為す角をそれぞれθ1、θ2とすると、円錐角θはθ1とθ2の和である。
本発明において前記定量供給装置の形式は特に限定されないが、通常スクリュー式のような容量式やべルト式、ロスインウェイト式等の重量式を用いることができる。この中でも定量精度の点から、重量を計量する重量式であることが好ましく、中でもロスインウェイト式が特に好ましい。
更に、本原料調製工程は連続式であることが好ましい。
本発明におけるエステル交換反応はエステル交換触媒の存在下または非存在下で行われる。
エステル交換触媒を用いる場合は、通常、エステル交換法によりポリカーボネート樹脂を製造する際に用いられる触媒が選択され、特に限定されない。一般的には、例えば、アルカリ金属化合物、ベリリウム又はマグネシウム化合物、アルカリ土類金属化合物、塩基
性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物又はアミン系化合物等の塩基性化合物が挙げられる。
エステル交換触媒の使用量は、通常、ジヒドロキシ化合物1モルに対して1×10−9〜1×10−1モル、好ましくは1×10−7〜1×10−2モル、更に好ましくは1×10−7〜1×10−4モルの範囲で用いられる。
アルカリ金属化合物の具体例として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、ビスフェノールAの二ナトリウム塩、二カリウム塩、二リチウム塩、フェノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等が挙げられる。また、水酸化セシウム、炭酸セシウム、炭酸水素セシウム等の無機セシウム塩、酢酸セシウム、ステアリン酸セシウム等の有機酸セシウム塩、セシウムメチレート、セシウムエチレート等のセシウムアルコラート、セシウムフェノレート、ビスフェノールAのジセシウム塩等のフェノール類のセシウム塩等が挙げられる。
前記エステル交換触媒は、先の原料調製工程にて添加してもよく、重縮合工程にて添加してもよい。また、その添加形態は、前記エステル交換触媒をそのまま添加しても、水などの溶剤に溶解し、溶液として添加してもよい。
ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応は次のように行うことが出来る。
エステル交換反応は、通常2段以上、好ましくは3段〜7段の多段方式で、エステル交換触媒の存在下または非存在下で行われる。各段の具体的な反応条件としては、温度:150℃〜320℃、圧力:常圧ないし減圧、平均滞留時間:5分〜150分である。
る。
[η]=1.23×10−4×(Mv)0.83 式(1)
前記重合工程より排出されるポリカーボネート樹脂は、押出機等で残存する原料の脱揮除去や、熱安定剤や離型剤、紫外線吸収剤、着色剤等の公知の添加剤を添加し混錬することも可能である。
(1)末端水酸基濃度
四塩化チタン/酢酸法(Makromol. Chem. 88 215(1965))
に従い、次のように実施した。
液とした。前記塩化メチレン溶液に、酢酸の塩化メチレン溶液(濃度:5容量%)を5mL、四塩化チタン溶液(塩化メチレン90mL、酢酸の塩化メチレン溶液(濃度:5容量
%)10mL、四塩化チタン2.5mL、及びメタノール2mLを混合した溶液)を10mL、更に塩化メチレンを添加し、総容量が25mLの測定溶液を調製した。
前記測定溶液を分光光度計を用いて、波長546nmにて吸光度を測定し、予め標準物質として、ビスフェノールA(BPA)を用いて検量線を作成することにより末端水酸基濃度を求めた。
原料調製槽12aに具備されたサンプリング口より8時間毎に混合物を採取した。採取した混合物を重アセトンに溶解後、日本電子(株)製NMR(AL−400)を用いて、パルス幅6.8μ秒、パルス間隔30秒の条件で1H−NMRを測定し、ビスフェノール
Aのメチル基の水素に基づくシグナル(1.8ppm付近)の面積強度を6としたときの、芳香族基の水素(6.4〜7.8ppm)によるシグナルの面積強度(Xとする)からジフェニルカーボネート(DPC)とビスフェノールA(BPA)のモル比を下記式(2)で求めた。
DPC/BPA=(X−8)/10 式(2)
製造されたポリカーボネート樹脂を8時間毎にサンプリングした。サンプリングしたポリカーボネート樹脂を塩化メチレンに溶解し、濃度C=6g/Lの塩化メチレン溶液とした。該塩化メチレン溶液をウベローデ粘度計を用いて、相対粘度(ηrel)を測定し、下記式(3)乃至式(5)より粘度平均分子量(Mv)を求めた。
ηsp=ηrel−1 式(3)
[η]=(ηsp×10/C)/(ηsp×0.28+1) 式(4)
Mv=51400×[η]1.205 式(5)
製造されたポリカーボネート樹脂を8時間毎にサンプリングした。サンプリングしたポリカーボネート樹脂を、射出成型機J100SS−2((株)日本製鋼所製)により、バレル温度280℃、金型温度90℃の条件下にて、厚み3mm、縦100mm、横100mmのプレートを射出成形した。この射出成形プレートについて、カラーテスター(スガ試験機株式会社製SC−1−CH)で、色の絶対値である三刺激値XYZを測定し、黄色度の指標であるYI値を下記式(6)より計算した。このYI値が小さいほど、色相が良好であることを示す。
YI=(100/Y)×(1.28X−1.06Z) 式(6)
製造されたポリカーボネート樹脂を8時間毎にサンプリングした。サンプリングしたポリカーボネート樹脂を、射出成型機J100SS−2((株)日本製鋼所製)により、バレル温度350℃、金型温度90℃の条件下にて、厚み3mm、縦100mm、横100mmのプレートを30秒サイクルで20枚射出成形(以下、連続ショットと称することがある)した。更に前記バレル温度、前記金型温度の条件下にて、前記プレートを10分サイクルで7枚射出成形した。これらのプレートについて、カラーテスター(スガ試験機株式会社製SC−1−CH)を用いて、前記カラーテスターにより、YIを算出し、下記式(7)より滞留熱安定性の指標である、ΔYIを算出した。このΔYIの値が小さいほど、滞留熱安定性に優れることを示す。
ΔYI=[10分サイクルで成形した7枚のプレートのYIの最大値]−[連続ショットで成形した30枚のプレートのYIの平均値] 式(7)
図3に示す製造設備により、BPA、DPCを原料としてポリカーボネート樹脂を製造した。まず、BPAサイロ5にBPAを、DPC貯槽10に溶融DPCを貯蔵した。BPAサイロ5に貯蔵したBPAを移送配管を介してBPAホッパー7a及び7bにそれぞれ受け入れた。それぞれのホッパー内のBPA保有量はそれぞれのBPAホッパーの有効容積の30%〜65%の範囲に維持した。なお、定量供給装置8a及び8bは、ロスインウェイト式であり、それぞれ図1に示されるとおり、BPAホッパー1と定量供給装置2の出口とを結ぶ均圧管並びにBPAホッパー1の頂部に設けられた放圧管が具備されており、途中に図1に示されるとおり、フレキシブルな配管4が設置されている。均圧管と放圧管の配管の内径はそれぞれ、定量供給装置8a及び8bと原料調製槽12aとを結ぶ供給配管の内径305mmに対して、均圧管の内径は81mm(約1/4)であり、放圧管の内径は68mm(約1/5)であった。なお、前記BPAホッパーの円錐角θは10度であった。また、前記BPAホッパーの大きさは、最狭部の直径Dが500mmであり、高さHが1380mmである(H=1.38D)。加えて、BPAの受入口はBPAホッパー内にあり、上部から50mmの位置であった。
ムとして0.75μモルとなるように、第1竪型重合槽14aへ供給した。第1竪型重合槽14aから、第2竪型重合槽14b、第3竪型重合槽14c、第4竪型重合槽14d、第5横型重合槽16にて、下記に示されるような反応条件にて、重合反応を進め、副生されるフェノールは適宜溜出ラインより排出した。
(第1竪型攪拌反応器14a):220℃、常圧
(第2竪型攪拌反応器14b):220℃、13.3kPa
(第3竪型攪拌反応器14c):240℃、2kPa
(第4竪型攪拌反応器14d):270℃、67Pa
(第5横型攪拌反応器16):280℃、67Pa
第5横型重合槽より排出されたポリカーボネート樹脂は、送液ポンプ(図示せず)により冷却固化されることなくそのままベント式二軸押出機(図示せず)へと供給され、触媒失活剤としてp−トルエンスルホン酸ブチルを7.5ppmを前記ベント式二軸押出機内に添加混合し、脱揮押出し、前記ベント式二軸押出機よりストランド状に抜き出し、水にて冷却し、ペレタイザー(図示せず)にてチップ状のポリカーボネート樹脂とした。
BPAホッパー7a及び7b内のBPA保有量をホッパーの有効容積に対して30〜43%の範囲に維持した以外は、実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂を製造したが、その間のDPCのBPA1モルに対する比率は1.038モル〜1.042モルであり、粘度平均分子量は22,800〜23,200であり、末端水酸基濃度は580ppm〜620ppm、YIは1.2〜1.3、ΔYI=0.2〜0.5であった。
BPAホッパー7a及び7b内のBPA保有量をホッパーの有効容積に対して35〜74%の範囲に維持した以外は、実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂を製造したが、その間のDPCのBPA1モルに対する比率は1.037モル〜1.043モルであり、粘度平均分子量は22,700〜23,300であり、末端水酸基濃度は575ppm〜625ppm、YIは1.2〜1.3、ΔYI=0.2〜0.6であった。
BPAホッパー7a及び7b内のBPA保有量をホッパーの有効容積に対して17〜35%の範囲に維持した以外は、実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂を製造したが、その間、時折BPAの原料調製槽への供給に振れが生じ、DPCのBPA1モルに対する比率は1.03モル〜1.05モルとなり、粘度平均分子量は22,500〜23,500であり、末端水酸基濃度は400ppm〜800ppm、YIは1.2〜1.5、ΔYI=0.2〜1.0であった。
BPAホッパー7a及び7b内のBPA保有量をホッパーの有効容積に対して13〜30%の範囲に維持した以外は、実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂を製造したが、その間、時折BPAの原料調製槽への供給に振れが生じ、DPCのBPA1モルに対する比率は1.025モル〜1.055モルとなり、粘度平均分子量は22,400〜23,600であり、末端水酸基濃度は3
00ppm〜900ppm、YIは1.2〜1.8、ΔYI=0.2〜1.5であった。
BPAホッパー7a及び7b内のBPA保有量をホッパーの有効容積に対して43〜100%の範囲に維持した以外は、実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂を製造を試みたが、供給配管が3回閉塞したため、間欠的にポリカーボネート樹脂を製造した。時折BPAの原料調製槽への供給に振れが生じ、DPCのBPA1モルに対する比率は1.025モル〜1.055モルとなり、粘度平均分子量は22,400〜23,600であり、末端水酸基濃度は300ppm〜900ppm、YIは1.2〜1.8、ΔYI=0.2〜1.5であった。
BPAホッパー7a及び7bに均圧管を設置しなかったこと以外は実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を試みたが、定量供給装置8a及び8bよりBPAの供給がうまく行われず、製造を断念した。
BPAホッパー7a及び7bに放圧管を設置しなかったこと以外は実施例1と同様に製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂の製造を実施したが、時折BPAの原料調製槽への供給に振れが生じ、DPCのBPA1モルに対する比率は1.025モル〜1.055モルとなり、粘度平均分子量は22,400〜23,600であり、末端水酸基濃度は300ppm〜900ppm、YIは1.2〜1.8、ΔYI=0.2〜1.5であった。
BPAホッパー7a及び7bに設置された均圧管の内径が42mm(供給配管の内径の約1/7)であったこと以外は実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を試みた。ポリカーボネート樹脂の製造開始1週間後に均圧管内にBPAの微粉が付着し閉塞が起こったため、運転を中止した。
BPAホッパー7a及び7bに設置された放圧管の内径が42mm(供給配管の内径の約1/7)であったこと以外は実施例1と同様にポリカーボネート樹脂の製造を行った。1週間連続的にポリカーボネート樹脂の製造を実施したが、時折BPAの原料調製槽への供給に振れが生じ、DPCのBPA1モルに対する比率は1.02モル〜1.06モルとなり、粘度平均分子量は22,100〜23,900であり、末端水酸基濃度は200ppm〜1,000ppm、YIは1.2〜2.0、ΔYI=0.2〜2.0であった。
2 定量供給装置
3 動力モーター
4 フレキシブルな配管
5 BPAサイロ
6a,6b 均圧管
7a、7b BPAホッパー
8a、8b 定量供給装置(動力モーター含む)
9a,9b 供給配管
10 DPC貯槽
11a、11b、15a、15b 送液ポンプ
12a、12b 原料調製槽
13 原料フィルター
14a、14b、14c、14d 竪型重合槽
16 横型重合槽
Claims (5)
- 原料調製槽に炭酸ジエステル及びジヒドロキシ化合物を供給し、混合物とする原料調製工程と、
前記混合物をエステル交換反応によりポリカーボネートとする重縮合工程と、を含むポリカーボネートの製造方法において、
前記炭酸ジエステル及び/又は前記ジヒドロキシ化合物は、放圧管を具備したホッパーから、定量供給装置を介して、前記原料調製槽へ供給配管により定量供給され、
前記ホッパーと前記原料調製槽は均圧管で結ばれており、
前記放圧管の内径が、前記供給配管の内径に対して1/6〜1/2であり、
前記均圧管の内径が、前記供給配管の内径に対して1/5〜1/2であり、
且つ前記ホッパー内の前記炭酸ジエステル及び/又は前記ジヒドロキシ化合物の保有量を、前記ホッパーの有効容積の30%〜90%の範囲に維持することを特徴とするポリカーボネート樹脂の製造方法。 - 前記均圧管の一部がフレキシブルな配管であることを特徴とする請求項1に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記定量供給装置が2以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記ホッパーの円錐角θが70度以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
- 前記定量供給装置が重量式であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂の製造方法。
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