JP5270939B2 - 燃料電池用膜電極構造体 - Google Patents

燃料電池用膜電極構造体 Download PDF

Info

Publication number
JP5270939B2
JP5270939B2 JP2008072793A JP2008072793A JP5270939B2 JP 5270939 B2 JP5270939 B2 JP 5270939B2 JP 2008072793 A JP2008072793 A JP 2008072793A JP 2008072793 A JP2008072793 A JP 2008072793A JP 5270939 B2 JP5270939 B2 JP 5270939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
catalyst
less
electrode structure
membrane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008072793A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009230950A (ja
Inventor
隆夫 福水
貴司 荒井
健多 浦田
洋之 小柳
昌昭 七海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2008072793A priority Critical patent/JP5270939B2/ja
Publication of JP2009230950A publication Critical patent/JP2009230950A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5270939B2 publication Critical patent/JP5270939B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Description

本発明は、燃料電池用膜電極構造体に関する。
燃料電池としては、固体高分子電解質膜の両面のそれぞれに電極触媒層およびガス拡散層を有する膜電極構造体が、反応ガスの流路を有する一対のセパレータで挟持されたもの(単セル)が知られている。この燃料電池では、カソード側の電極触媒層に供給される空気中の酸素と、アノード側の電極触媒層に供給される燃料ガス中の水素との電気化学反応によって発電が行われる。
従来、膜電極構造体の電極触媒層としては、カーボン粒子(担体)に触媒金属を担持させた担持触媒と、電極電解質とを含むものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、このような電極触媒層では、例えば、燃料電池に電圧反転が生じると、次式(1)に示すように、担体由来の炭素と、水(生成水および加湿水)との反応が進行し得る。
C+2HO→CO+4H+4e・・・(1)
そして、式(1)で示される反応が進行すると、触媒金属の担体であるカーボン粒子が消費されて触媒金属が電極触媒層から脱離することとなる。
そこで、このような触媒金属の脱離を防止するために、触媒金属を担体に担持させていない担体レスの電極触媒層が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
この担体レスの電極触媒層は、触媒金属としての白金黒と、電極電解質としての含フッ素イオン交換樹脂と、含フッ素化合物からなる溶媒との混合組成物を塗工し、前記溶媒を揮発させて形成されたものである。
このような担体レスの電極触媒層は、触媒金属が担体(カーボン粒子)に担持されていないので、担持触媒を含むものと異なって前記式(1)のような反応が進行することがなく触媒金属の脱離を防止することができる。つまり電極触媒層の耐久性が向上することとなる。
特開2005−294264号公報 特開2002−151088号公報
しかしながら、従来の担体レスの電極触媒層を備えた膜電極構造体では、前記したように、電極触媒層からの触媒金属の脱離を防止することができるものの、これを用いた燃料電池の発電特性が不充分であることから更なる発電特性の向上が望まれていた。
そこで、本発明は、耐久性に優れるとともに、燃料電池の発電特性を向上させることができる担体レスの電極触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体を提供することを課題とする。
本発明は、触媒金属と電極電解質とを含む担体レスの電極触媒層が固体高分子電解質膜の両面に形成された燃料電池用膜電極構造体において、前記電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、前記触媒金属1gあたり0.47mL以上、0.62mL以下であることを特徴とする。
この燃料電池用膜電極構造体によれば、電極触媒層中における反応ガス(水素および空気)のガス拡散性が向上するとともに、触媒金属の反応効率が高くなって、従来の燃料電池用膜電極構造体と比較して燃料電池の発電特性を向上させることができる。
また、このような燃料電池用膜電極構造体においては、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、前記電極触媒層1gあたり0.41mL以上であることが望ましい。
また、このような燃料電池用膜電極構造体においては、前記電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、前記電極触媒層1gあたり0.56mL以下であることが望ましい。
また、このような燃料電池用膜電極構造体においては、前記触媒金属の質量(M)に対する前記電極電解質の質量(E)の比(E/M)が、0.05以上、0.15以下であることが望ましい。
本発明によれば、耐久性に優れるとともに、燃料電池の発電特性を向上させることができる担体レスの電極触媒層を備える燃料電池用膜電極構造体を提供することができる。
次に、本発明の燃料電池用膜電極構造体の実施形態について適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は、燃料電池用膜電極構造体の断面を示す模式図である。
図1に示すように、燃料電池用膜電極構造体(以下、単に「膜電極構造体」という)10は、固体高分子電解質膜20と、この固体高分子電解質膜20の両面のそれぞれに設けられた電極触媒層12,12と、この電極触媒層12,12上に設けられたガス拡散層21とを備えている。ちなみに、この膜電極構造体10は、反応ガスの流路を有する一対のセパレータ(図示省略)で挟持されることで単セル(図示省略)を構成する。そして、この単セル(燃料電池)では、カソード側となる電極触媒層12に供給される空気中の酸素と、アノード側となる電極触媒層12に供給される燃料ガス中の水素との電気化学反応によって発電が行われる。
固体高分子電解質膜20としては、公知のものでよく、ペルフルオロスルホン酸ポリマ等からなるものが挙げられる。
ガス拡散層21,21は、反応ガス(酸素および空気)を電極触媒層12,12に向かって拡散させるものである。このガス拡散層21,21としては、公知のものでよく、カーボンペーパ等のガス透過性材料からなるものが挙げられる。
電極触媒層12,12は、触媒金属と電極電解質とを含んでいる。触媒金属としては、白金、パラジウム等が挙げられ、電極電解質としては、高分子電解質等のイオン導電性バインダ等が挙げられる。これらの触媒金属および電極電解質は、公知のものでよい。
そして、本実施形態での電極触媒層12,12は、担体レスであって、この担体レスの電極触媒層12,12は、周知のとおり、担持触媒を含むものとは異なって、カーボン粒子等の担体に担持されていない触媒金属を含むものである。つまり、この電極触媒層12,12では、触媒金属のそれ自体が電極電解質に分散している。
また、この電極触媒層12,12は、後記する製造方法を使用して製造することで形成された微細な細孔を有している。そして、電極触媒層12,12中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、触媒金属1gあたり0.47mL以上となっている。
また、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積は、電極触媒層1gあたり0.41mL以上であることが望ましい。
そして、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積は、触媒金属1gあたり0.62mL以下であるとともに、電極触媒層1gあたり0.56mL以下であることが望ましい。
また、このような電極触媒層12,12に含まれる電極電解質は、触媒金属の質量(M)に対する電極電解質の質量(E)の比(質量比(E/M))で、0.05以上、0.15以下となることが望ましい。
次に、本実施形態に係る膜電極構造体10の作用効果について説明する。
この膜電極構造体10では、前記したように、燃料電池(単セル)が構成されて発電が行われる際に、電極触媒層12,12中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積は、触媒金属1gあたり0.47mL以上となっているので、電極触媒層12,12中における反応ガス(水素および空気)のガス拡散性が向上するとともに、触媒金属の反応効率が高くなって、従来の燃料電池用膜電極構造体と比較して燃料電池の発電特性を向上させることができる。
また、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が電極触媒層12の1gあたり0.41mL以上となっている膜電極構造体10は、より確実に発電性能を向上させることができる。
そして、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、触媒金属1gあたり0.62mL以下であるとともに、電極触媒層12の1gあたり0.56mL以下となっている膜電極構造体10では、良好な発電性能を維持することができる。
また、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、触媒金属1gあたり0.62mLを超えるとともに、電極触媒層12の1gあたり0.56mLを超える膜電極構造体10を作製しようとすると、後記する触媒ペーストの調製時に、使用する混合機等で触媒、電解質等の原料に加える物理的エネルギーを可能な限り小さくする必要がある。その一方で、加える物理的エネルギーを小さくし過ぎると、触媒、電解質等の混合が不充分となる上に、脆い電極触媒層12しか形成されない恐れや生産性が悪くなる場合もある。つまり、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、触媒金属1gあたり0.62mL以下であるとともに、電極触媒層12の1gあたり0.56mL以下とすることによって、電極触媒層12の原料の混合を充分に行うことができるとともに、強度に優れ、生産性を向上させることも可能となる。
また、このような電極触媒層12,12に含まれる電極電解質が触媒金属に対する電極電解質の質量比で0.05以上となっている膜電極構造体10では、電極電解質がバインダとして作用するので電極触媒層12,12の成形性が良好となる。また、電極電解質が触媒金属に対する電極電解質の質量比で0.15以下となっている膜電極構造体10では、電極電解質中に分散する触媒金属に対する反応ガス(水素ガスおよび空気)の到達性が良好となって発電性能が向上する。
また、膜電極構造体10は、担体レスの電極触媒層12を備えており、触媒金属が担体(カーボン粒子)に担持されていないので、担持触媒を含む電極触媒層を備える膜電極構造体と異なって、前記式(1)のような反応が進行することがなく触媒金属の脱離を防止することができる。つまり、膜電極構造体10では、電極触媒層12の耐久性が向上することとなる。
次に、膜電極構造体10(図1参照)の製造方法について説明する。
この製造方法は、触媒金属と電極電解質と溶媒とを含む触媒ペースト(触媒組成物)を調製する工程と、この触媒ペーストを薄層化して電極触媒層12(図1参照)を形成する工程とを有している。この製造方法では、触媒ペーストに更に界面活性剤を添加することができる。
触媒金属および電極電解質としては、前記したものでよい。
溶媒としては、例えば、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、2−メチル−1−プロパノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、2−メチル−2−ブタノール、3−メチル−2−ブタノール、2,2−ジメチル−1−プロパノール等が挙げられる。
界面活性剤としては、低沸点を示す非イオン系界面活性剤が好ましく、更に好ましくは低沸点(180℃以下)を示すアルキレングリコール系界面活性剤である。具体的なアルキレングリコール系界面活性剤としては、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1−ブチン−3−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7ジオール等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
触媒ペーストは、これらの触媒金属と電極電解質と溶媒とを混合して調製される。ちなみに、前記した界面活性剤は、次に説明する触媒ペーストの混合程度を調整する際に必要に応じて触媒ペーストの調製時に使用される。つまり、触媒ペーストを調製する際に、混合程度が良好になるほど前記した特定の細孔径の細孔容積は小さくなっていく傾向にある。これとは逆に混合程度を抑えるほど前記した細孔容積は大きくなっていく傾向にある。
触媒ペーストの混合程度の調整は、混合機の種類や、混合機の運転条件を適宜に選定することで行われる。
触媒ペーストの調製に使用可能な混合機としては、公知のものでよく、例えば、3次元攪拌機、ボールミル、ビーズミル等が挙げられる。
なお、触媒ペーストの調製を行う際には、触媒金属は、予め純水と混合した後に、電極電解質、および溶媒、ならびに必要に応じての界面活性剤と混合することが望ましい。このように予め触媒金属と純水とを混合することによって触媒金属の燃焼を防止することができる。
電極電解質の配合量は、触媒金属に対する電極電解質の前記質量比(E/M)となるように設定されることが望ましい。
溶媒の配合量は、後記する塗工時における触媒ペーストの固形分濃度で15.0〜20.0質量%となるように設定すればよい。
次に、得られた触媒ペーストを使用して電極触媒層12(図1参照)が形成される。本実施形態では、転写法によって電極触媒層12を形成する方法について説明する。この工程では、まず、触媒ペーストが剥離シート上にドクターブレード等を使用した公知の方法で塗工される。この塗工工程によって、触媒ペーストは薄層化される。
剥離シートとしては、例えば、プラスチックフィルムの表面にフッ素樹脂加工を施した撥水性シートを好適に使用することができる。
触媒ペーストの塗工量は、剥離シートに塗工した単位面積あたりの触媒ペーストに含まれる触媒金属の質量換算で0.01〜1.50mg/cm程度が望ましい。
次に、剥離シートに塗工された触媒ペーストは、乾燥炉で80〜120℃で、5〜15分程度乾燥した後に、用意された固体高分子電解質膜20(図1参照)の両面に転写される。この転写工程は、具体的には、100〜180℃程度の温度で行うことが望ましい。また、この転写工程は、0.5〜5.0MPa程度の加圧下に行われる。そして、剥離シートを除去することによって固体高分子電解質膜20の両面には、電極触媒層12が形成されることとなる。
次に、電極触媒層12上にガス拡散層21(図1参照)が形成されることによって、膜電極構造体10が完成する。このガス拡散層21は、例えば、カーボンシート等のガス透過性材料を電極触媒層12側に100〜180℃程度の加熱下に0.5〜5.0MPa程度で加圧し、相互に接合させることによって形成することができる。
なお、本発明は、前記実施形態に限定されることなく、様々な形態で実施される。
前記実施形態では、薄層化した触媒ペーストを固体高分子電解質膜20に転写して電極触媒層12を形成したが、本発明は固体高分子電解質膜20に触媒ペーストを塗工して電極触媒層12を形成してもよい。
次に、本発明の膜電極構造体およびその製造方法を実施例に基づいて更に具体的に説明する。
(実施例1〜実施例4ならびに比較例1〜比較例3)
これらの実施例および比較例では、触媒と純水との混合物に、溶媒としての1−プロパノール(関東化学社製NPA、純度99.9%)と、電極電解質とを混合して触媒ペーストを調製した。触媒としては、Johnson Matthey社製の白金黒HiSPEC 1000(平均粒径11nm、比表面積27m/g(BET実測値))を使用した。
そして、電極電解質としては、デュポン社製含フッ素イオン交換樹脂溶液 ナフィオン(登録商標)DE2020CS(イオン交換容量1.06meq/g)を使用した。触媒の質量(M)に対する電極電解質の質量(E)の比(E/M)は、表1に示す割合とした。この比は、表1中、「触媒金属に対する電極電解質の質量比」として記す。
Figure 0005270939
また、実施例1、実施例2、比較例1、および比較例2では、更に界面活性剤(日信化学工業社製、サーフィノール61(3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール))を触媒ペースト中の固形分質量に対して1質量%となるように配合して触媒ペーストを調製した。表1中では、「界面活性剤の添加の有無」の欄で、「有」として記した。なお、前記した1−プロパノールは、後記する塗工時における触媒ペーストの固形分濃度が15.0〜20.0質量%となるように配合した。
表1に示した攪拌・粉砕条件としては、aは、3次元攪拌機でビーズやボールを入れずに10分間攪拌するものである。bは、ボールミルのテフロン(登録商標)容器に、10mmΦのテフロン(登録商標)コーティングの鉄心入りボールを入れて100rpmで2時間攪拌するものである。cは、ボールミルのテフロン(登録商標)容器に、3mmΦのジルコニアボールを入れて100rpmで2時間攪拌するものである。dは、0.3mmΦのビーズを用いたビーズミルで1時間攪拌するものである。eは、0.3mmΦのビーズを用いたビーズミルで3時間攪拌するものである。
次に、前記した触媒ペーストを剥離シート上に塗工した。このときの触媒ペーストの塗工量は、塗工した単位面積あたりの触媒ペーストに含まれる白金(Pt)の質量換算で0.5mg/cmとした。
そして、触媒ペーストを塗工した剥離シートを65mm×8mmに切り取ったものを13枚用意した。次いで、これらに塗工した触媒ペーストを100℃で10分、乾燥炉にて乾燥させた。つまり、次に説明する固体高分子電解質膜20に形成する電極触媒層12,12と同様のものを剥離シート上に形成した。この電極触媒層12について、細孔容積を全自動細孔分布測定装置にて測定した。全自動細孔分布測定装置としては、Quanta Chrome社製、Pore Master 60−GTを使用した。そして、この測定では、電極触媒層12中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積を求めた。その結果を表1に白金1gあたりの細孔容積(mL/Pt・g)、および電極触媒層12の1gあたりの細孔容積(mL/層・g)として示す。
次に、剥離シートに塗工した触媒ペーストを固体高分子電解質膜20の両面に転写して固体高分子電解質膜20と電極触媒層12,12との接合体(CCM)を作製した。この転写は、100℃で3.9MPa(40kgf/cm)の加圧下に行われた。このCCMの両面にガス拡散層21,21を形成することで膜電極構造体10を作製した。このガス拡散層21,21は、CCMの両面にカーボンペーパを接合することによって形成された。なお、このカーボンペーパの接合は、120℃で2.9MPa(30kgf/cm)の加圧下に行われた。
なお、固体高分子電解質膜20には、ナフィオン(登録商標)膜(デュポン社製、NRE-212)を使用した。
そして、前記した実施例および比較例ごとに作製された膜電極構造体10について燃料電池(単セル)を作製した。
この単セルは、膜電極構造体10を一対のセパレータで挟持することで作製された。ちなみに、この単セルは、その縦横の寸法が4×12.5cmであって、その反応ガスの流路がラビリンス形状となっており、その電極面積が50cmとなっている。
次に、この単セルを使用して1A/cmの条件で発電を行った際のセル電圧を測定した。この単セルの運転条件としては、セル温度が80℃、水素極側の湿度が100%、空気極側の湿度が100%、水素利用率が50%、空気利用率が30%、水素圧が100kPa(G)、空気圧が100kPa(G)に設定された。
各実施例および各比較例での単セルのセル電圧を表1に示す。
(膜電極構造体の評価)
ここで参照する図2は、実施例および比較例で得られた膜電極構造体における電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積と、この膜電極構造体を使用した単セル(燃料電池)のセル電圧との関係を示すグラフであり、(a)は、横軸を触媒金属1gあたりの細孔容積(mL/Pt・g)とし、縦軸をセル電圧(mV)として表したものであり、(b)は、横軸を電極触媒層1gあたりの細孔容積(mL/層・g)とし、縦軸をセル電圧(mV)として表したものである。
図2(a)に示すように、触媒金属1gあたりの電極触媒層12,12の細孔容積と、セル電圧との関係において、細孔容積が0.47mL/Pt・gおよび0.62mL/Pt・gの位置で変曲点が見出された。具体的には、細孔容積が0.47mL/Pt・gないし0.62mL/Pt・gの範囲で、膜電極構造体10のセル電圧は、600mV程度にも及んでいる。そして、細孔容積が0.47mL/Pt・g未満の範囲、および0.62mL/Pt・gを超える範囲では、セル電圧が低下することが判明した。
そして、図2(b)に示すように、電極触媒層12,12の1gあたりの細孔容積と、セル電圧との関係において、細孔容積が0.41mL/層・gおよび0.56mL/層・gの位置で変曲点が見出された。具体的には、細孔容積が0.41mL/層・gないし0.56mL/層・gの範囲で、膜電極構造体10のセル電圧は、600mV程度にも及んでいる。そして、細孔容積が0.41mL/層・g未満の範囲、および0.56mL/層・gを超える範囲では、セル電圧が低下することが判明した。
(実施例5)
次に、本実施例では、触媒として、前記したJohnson Matthey社製の白金黒HiSPEC 1000を使用し、電極電解質として、前記したデュポン社製含フッ素イオン交換樹脂溶液 ナフィオン(登録商標)DE2020CSを使用した。触媒の質量(M)に対する電極電解質の質量(E)の比(E/M)は、表2に示す割合とした。この比は、表2中、「触媒金属に対する電極電解質の質量比」として記す。溶媒として、前記した1−プロパノールを使用し、界面活性剤として、前記したサーフィノール61を使用するとともに、前記した実施例と同様にして、触媒ペーストを調製した。そして、調製した触媒ペーストを使用した以外は、前記した実施例と同様にして膜電極構造体10を作製した。ちなみに、表2に示すように、触媒ペーストに電極電解質を含まないものでは、電極触媒層12,12の形成が困難となって膜電極構造体10を作製することができなかった。つまり、この実施例5で得られた膜電極構造体10の電極触媒層12,12は、表2に示す0.05〜0.20の質量比(E/M)で電極電解質を含むものとなった。この膜電極構造体10ごとに燃料電池(単セル)を作製した。
Figure 0005270939
この単セルは、膜電極構造体を一対のセパレータで挟持することで作製された。ちなみに、この単セルは、その縦横の寸法が6×6cmであり、その反応ガスの流路が直線溝状に形成されている。
次に、この単セルを使用して1A/cmの条件で発電を行った際のセル電圧を測定した。この単セルの運転条件としては、セル温度が72℃、水素極側の湿度が100%、空気極側の湿度が100%、水素利用率が18%、空気利用率が14%、水素圧が100kPa(G)、空気圧が100kPa(G)に設定された。測定した単セルのセル電圧を表2に示す。
表2から明らかなように、0.05、0.10、および0.15の質量比で電極電解質を含むものは、所期のセル電圧を示した。これに対し、質量比が0.20のものは、セル電圧が測定限界未満となった。
以上のことから、電極触媒層12,12に含まれる電極電解質の含有率は、5〜15質量%が望ましいことが判明した。
燃料電池用膜電極構造体の断面を示す模式図である。 実施例および比較例で得られた膜電極構造体における電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積と、この膜電極構造体を使用した単セル(燃料電池)のセル電圧との関係を示すグラフであり、(a)は、横軸を触媒金属1gあたりの細孔容積(mL/Pt・g)とし、縦軸をセル電圧(mV)として表したものであり、(b)は、横軸を電極触媒層1gあたりの細孔容積(mL/層・g)とし、縦軸をセル電圧(mV)として表したものである。
符号の説明
10 燃料電池用膜電極構造体
12 電極触媒層
20 固体高分子電解質膜
21 ガス拡散層

Claims (4)

  1. 触媒金属と電極電解質とを含む担体レスの電極触媒層が固体高分子電解質膜の両面に形成された燃料電池用膜電極構造体において、
    前記電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、前記触媒金属1gあたり0.47mL以上、0.62mL以下であることを特徴とする燃料電池用膜電極構造体。
  2. 前記電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、前記電極触媒層1gあたり0.41mL以上であることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用膜電極構造体。
  3. 前記電極触媒層中の細孔のうち、細孔径が0.05μm以上、1.0μm以下である細孔の細孔容積が、前記電極触媒層1gあたり0.56mL以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料電池用膜電極構造体。
  4. 前記触媒金属の質量(M)に対する前記電極電解質の質量(E)の比(E/M)が、0.05以上、0.15以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の燃料電池用膜電極構造体。
JP2008072793A 2008-03-21 2008-03-21 燃料電池用膜電極構造体 Expired - Fee Related JP5270939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008072793A JP5270939B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 燃料電池用膜電極構造体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008072793A JP5270939B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 燃料電池用膜電極構造体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009230950A JP2009230950A (ja) 2009-10-08
JP5270939B2 true JP5270939B2 (ja) 2013-08-21

Family

ID=41246131

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008072793A Expired - Fee Related JP5270939B2 (ja) 2008-03-21 2008-03-21 燃料電池用膜電極構造体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5270939B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5676907B2 (ja) * 2010-02-17 2015-02-25 石原産業株式会社 チタン酸リチウム粒子の処理方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0888007A (ja) * 1994-09-16 1996-04-02 Matsushita Electric Ind Co Ltd 固体高分子型燃料電池およびその電極
JP2002008678A (ja) * 2000-06-16 2002-01-11 Asahi Glass Co Ltd 固体高分子型燃料電池
JP4130792B2 (ja) * 2002-11-25 2008-08-06 本田技研工業株式会社 膜−電極構造体及びそれを用いる固体高分子型燃料電池
US20050266980A1 (en) * 2004-05-28 2005-12-01 Mada Kannan Arunachala N Process of producing a novel MEA with enhanced electrode/electrolyte adhesion and performancese characteristics
JP2006278022A (ja) * 2005-03-28 2006-10-12 Hitachi Maxell Ltd 燃料電池用発電素子とその製造方法、及びそれを用いた燃料電池
JP4999039B2 (ja) * 2005-09-30 2012-08-15 日立化成工業株式会社 イオン伝導性結着剤
JP5298405B2 (ja) * 2006-04-14 2013-09-25 トヨタ自動車株式会社 燃料電池用膜電極接合体の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009230950A (ja) 2009-10-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2006202740A (ja) 直接メタノール型燃料電池
WO2012057236A1 (ja) 燃料電池用アノード側触媒組成物およびこれを含んでなる固体高分子形燃料電池用膜電極接合体(mea)
WO2020059504A1 (ja) 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池
JPH0888007A (ja) 固体高分子型燃料電池およびその電極
JP2006019300A (ja) 燃料電池用電極,燃料電池,燃料電池用電極の製造方法
WO2020059503A1 (ja) 燃料電池用アノード触媒層及びそれを用いた燃料電池
JP2007214019A (ja) 燃料電池用膜電極接合体および燃料電池用ガス拡散層
JP5132699B2 (ja) 燃料電池用膜電極構造体及びその製造方法
JP2007209980A (ja) 金属触媒とその製造方法、電極とその製造方法、及び燃料電池
JP2006134752A (ja) 固体高分子型燃料電池および車両
JP5755833B2 (ja) 燃料電池用アノード触媒層
US20120183879A1 (en) Membrane electrode assembly and fuel cell using the same
JP2005294175A (ja) 電極触媒層およびその製造方法
JP5270939B2 (ja) 燃料電池用膜電極構造体
JP2007027064A (ja) 固体高分子形燃料電池用触媒層およびそれを備えた固体高分子形燃料電池
JP5805924B2 (ja) 電解質膜−電極接合体
JP2016085839A (ja) 触媒電極層、膜電極接合体、および、燃料電池
JP5270936B2 (ja) 燃料電池用膜電極構造体の製造方法
JP4665536B2 (ja) 燃料電池用電極触媒層の製造方法及び該電極触媒層を有する燃料電池
JP5092381B2 (ja) 燃料電池用触媒粉末、燃料電池用触媒粉末の製造方法および燃料電池
JP5989344B2 (ja) 燃料電池
JP2021190402A (ja) 触媒インク
JP2009146760A (ja) 燃料電池用電極触媒層及び燃料電池用電極触媒層の製造方法
JP2005339962A (ja) 高分子膜電極接合体、高分子電解質型燃料電池、および高分子膜電極接合体の製造方法
JP2006147345A (ja) 電極触媒層およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20121205

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121218

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130423

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130510

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5270939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees