JP5270358B2 - 信号処理で時間遅延を補償する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、信号処理に関するものである。
多チャネルオーディオコーディング(一般的に、空間オーディオコーディングという。)は、多チャネルオーディオ信号の空間イメージを各空間パラメータの圧縮されたセットに捕えることができる。ここで、空間パラメータは、伝送されたダウンミックス信号から高音質の多チャネル信号を合成するために用いられる。
多様なコーディング設計が支援される多チャネルオーディオシステムにおいて、ダウンミックス信号は、信号処理(例えば、時間-周波数ドメイン変換)過程のために、他のダウンミックス信号及び/または対応する各空間パラメータに比べて時間的に遅延される。
本発明は、多チャネルオーディオ入力信号をダウンミキシングする段階と、前記多チャネルオーディオ入力信号から空間情報を抽出する段階と、前記ダウンミックスされた信号及び前記空間情報からエンコーディングされたオーディオ信号を生成する段階と、を含み、ダウンミックスコーディング識別子は、前記ダウンミックスされた信号のデコーディング方式を表す情報として、前記エンコーディングされたオーディオ信号に含まれることを特徴とするオーディオ信号生成方法を提供する。
以下、本発明の好適な実施例に対して説明するが、これら各例は、添付の図面に示されている。
オーディオ信号は、多様なドメイン上で信号処理が可能であり、特に、時間ドメイン上で信号処理されるので、オーディオ信号は、時間の配列を考慮して適切に信号処理する必要がある。
したがって、オーディオ信号のドメインは、オーディオ信号処理過程で変換される。前記オーディオ信号のドメインの変換は、時間/周波数ドメイン変換及びコンプレックスドメイン変換を含むことができる。前記時間/周波数ドメイン変換は、時間ドメイン信号の周波数ドメイン信号への変換、及び周波数ドメイン信号の時間ドメイン信号への変換のうち少なくとも一つを含むことができる。前記コンプレックスドメイン変換は、前記オーディオ信号処理動作でのコンプレックスによるドメイン変換を意味する。また、前記コンプレックスドメイン変換は、リアル周波数ドメインにある信号のコンプレックス(complex)周波数ドメインへの変換、及びコンプレックス周波数ドメインにある信号のリアル周波数ドメインへの変換などを含むことができる。オーディオ信号が時間配列を考慮せずに処理される場合、音質が低下するおそれがある。遅延過程は、前記配列過程で行われる。前記遅延過程は、エンコーディング遅延及びデコーディング遅延のうち少なくとも一つを含むことができる。前記エンコーディング遅延は、エンコーディング過程において考慮された遅延によって信号が遅延されることを意味する。前記デコーディング遅延は、デコーディングする間に表れた実際の時間遅延を意味する。
本発明を説明する前に、本明細書で使用される用語を次のように定義する。
本明細書で使用される「ダウンミックス連結ドメイン」とは、多チャネルオーディオ信号を生成する多チャネルデコーディング部で伝送を受けられるダウンミックス信号のドメインをいい、「レジデュアル連結ドメイン」とは、前記多チャネルデコーディング部で伝送を受けられるレジデュアル信号のドメインをいう。そして「時系列データ」とは、多チャネルオーディオ信号との時間同期化または時間の配列が必要なデータで、例えば、動画像、イメージ及びテキストなどがある。また、「リーディング(Leading)」とは、信号を特定時間だけ操り上げることをいい、「ラギング(Lagging)」とは、信号を特定時間だけ遅延させることをいう。また、「空間情報」とは、多チャネルオーディオ信号を合成するための情報を意味する。前記空間情報は、空間パラメータを含むことができる。例えば、前記空間パラメータは、二つのチャネル間のエネルギー差を意味するCLD(channel level difference)、二つのチャネル間の相関関係を意味するICC(inter channel coherences)、及び二つのチャネルから三つのチャネルを生成するときに用いられる予測係数であるCPC(channel prediction coefficients)などを含むことができるが、これに限定されることはない。
本明細書におけるオーディオ信号のデコーディングは、信号処理方法の一例になり得る。また、本発明は、他の種類の信号処理にも適用される。例えば、ビデオ信号の処理方法にも適用される。本明細書の各実施例は、多様な種類のドメインで表現可能な多様な信号を含むように修正される。前記ドメインは、時間、QMF(Quadrature Mirror Filter)、MDCT(Modified Discreet Cosine Transform)、コンプレックスなどを含むことができるが、これに限定されることはない。
本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理方法は、ダウンミックス信号と空間情報とを結合して多チャネルオーディオ信号を生成する方法を提供することができる。この場合、複数個のダウンミックス連結ドメイン(例えば、時間ドメイン、QMF、MDCT)が存在しうる。各ドメイン間の変換は、ダウンミックス信号の処理過程で時間遅延を発生させるおそれがあるので、ダウンミックス信号と前記ダウンミックス信号に対応する空間情報との間の時間同期差を補償する段階が必要となる。時間同期差を補償する段階は、前記ダウンミックス信号及び前記空間情報のうち少なくとも一つを遅延させる段階を含むことができる。以下、図面に基づいて、二つの信号間の時間同期差及び/または各信号と各パラメータとの間の時間同期差を補償するための多様な実施例を説明する。
ここで、装置は、ハードウェアの実施例に限定して解析されてはならない。本発明の各実施例は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェアまたはこれらの結合などに用いられる。
本発明の各実施例は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体の命令で行われる。プロセッサ(例えば、コンピュータプロセッサ)によって行われるとき、プロセッサは、本発明の多様な面を提供する各動作を行うようになる。前記コンピュータで読み取り可能な記録媒体とは、遂行のためのプロセッサに命令を提供する媒体を意味する。例えば、前記媒体は、非揮発性媒体(例えば、光または磁気ディスク)、揮発性媒体(例えば、メモリ)、伝送媒体などを制限なしに含むことができる。前記伝送媒体は、光ケーブル、銅ケーブル、光繊維などを制限なしに含むことができる。また、前記伝送媒体は、音波、光またはラジオ周波数ウェーブなどの形態にもなり得る。
図1は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置を示したブロック図である。
図1を参照すると、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100及び多チャネルデコーディング部200を含むことができる。
前記ダウンミックスデコーディング部100は、ドメイン変換部110を含むことができる。したがって、ダウンミックスデコーディング部100は、QMFドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XQ1をそのまま多チャネルデコーディング部200に伝送することもできる。さらに、前記ダウンミックスデコーディング部100は、QMFドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XQ1を変換部110を用いて時間ドメイン上のダウンミックス信号XT1に変換し、このダウンミックス信号XT1を多チャネルデコーディング部200に伝送することもできる。オーディオ信号をQMFドメインから時間ドメインに変換する技術は、既に知られており、公開的に利用可能なオーディオ信号処理標準(例えば、MPEG)で取り扱われてきた。
多チャネルデコーディング部200は、ダウンミックス信号XT1またはXQ1及び空間情報SI1またはSI2を用いて多チャネルオーディオ信号XM1を生成する。
図2は、本発明の他の実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置を示したブロック図である。
図2を参照すると、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100a、多チャネルデコーディング部200a及びドメイン変換部300aで構成される。
図示したように、ダウンミックスデコーディング部100aは、ドメイン変換部110aを備えている。したがって、ダウンミックスデコーディング部100aは、MDCTドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号Xmをそのまま出力することもでき、MDCTドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号Xmを変換部110aを用いて時間ドメイン上のダウンミックス信号XT2に変換し、このダウンミックス信号XT2を出力することもできる。
そして、タイムドメイン上のダウンミックス信号XT2は、多チャネルデコーディング部200aに伝送され、MDCTドメイン上のダウンミックス信号Xmは、ドメイン変換部300aを経てQMFドメイン上のダウンミックス信号XQ2に変換された後、多チャネルデコーディング部200aに伝送される。
そして、多チャネルデコーディング部200aは、伝送されたダウンミックス信号XT2またはXQ2及び空間情報SI3またはSI4を用いて多チャネルオーディオ信号XM2を生成する。
図3は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置を示したブロック図である。
図3を参照すると、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100b、多チャネルデコーディング部200b、レジデュアルデコーディング部400b及びドメイン変換部500bで構成される。
前記ダウンミックスデコーディング部100bは、ドメイン変換部110bを含むことができる。前記ダウンミックスデコーディング部100bは、QMFドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XQ3をそのまま多チャネルデコーディング部200bに伝送することもでき、QMFドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XQ3を変換部110bを用いて時間ドメイン上のダウンミックス信号XT3に変換し、このダウンミックス信号XT3を多チャネルデコーディング部200bに伝送することもできる。
エンコーディングされたレジデュアル信号RBは、レジデュアルデコーディング部400bに入力されて信号処理される。信号処理されたレジデュアル信号RMは、MDCTドメイン上の信号である。レジデュアル信号(例えば、予測誤差信号)は、通常、オーディオコーディングアプリケーションで用いられる。
そして、MDCTドメイン上のレジデュアル信号RMは、ドメイン変換部500bを経てQMFドメイン上のレジデュアル信号RQに変換され、多チャネルデコーディング部200bに伝送される。
一方、レジデュアルデコーディング部400bで信号処理されて出力されるレジデュアル信号のドメインがレジデュアル連結ドメインであると、信号処理されたレジデュアル信号は、ドメイン変換過程を経ずに多チャネルデコーディング部200bに伝送される。
また、図面によると、ドメイン変換部500bは、MDCTドメイン上のレジデュアル信号RMをQMFドメイン上のダウンミックス信号RQに変換するが、本発明は、これに限定されるものでない。すなわち、ドメイン変換部500bは、レジデュアルデコーディング部400bで出力されたレジデュアル信号RMをレジデュアル連結ドメインのうち何れか一つのドメイン上の信号に変換することができる。
上述したように、複数個のダウンミックス連結ドメインが存在することから、ダウンミックス信号と空間情報との間に時間同期差が発生しうるので、これを補償する必要がある。
以下、これに対して一層具体的に説明する。
本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理は、ダウンミックス信号及び空間情報が含まれたエンコーディングされたオーディオ信号をデコーディングし、多チャネルオーディオ信号を生成することである。
前記ダウンミックス信号及び前記空間情報は、デコーディング時に互いに異なる処理過程を経るので、互いに異なる時間遅延が発生する。したがって、前記ダウンミックス信号及び前記空間情報は、エンコーディング時に時間同期が合わせられてエンコーディングされる。
この場合、前記ダウンミックス信号及び前記空間情報は、ダウンミックスデコーディング部100,100aまたは100bで信号処理されたダウンミックス信号が多チャネルデコーディング部200,200aまたは200bに伝送されるドメインを考慮して、前記時間同期が合わせられる。
一例として、ダウンミックスコーディング識別子は、エンコーディングされたオーディオ信号に含まれることができ、前記ダウンミックスコーディング識別子によって、前記ダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられたドメインを把握することができる。この場合、前記ダウンミックスコーディング識別子は、ダウンミックス信号のデコーディング方式に対する情報を表す。
例えば、ダウンミックスコーディング識別子がAAC(Advanced Audio Coding)というデコーディング方式に対する情報を意味する場合、エンコーディングされたオーディオ信号は、エンコーディングされたダウンミックス信号がAACデコーダーでデコーディングされる場合を想定して設けたものである。そして、前記ダウンミックスコーディング識別子によって、ダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられたドメインを知ることもできる。
本発明の一実施例に係るオーディオ信号処理方法によると、ダウンミックス信号は、時間同期が合わせられたドメインと異なるドメイン上で処理され、多チャネルデコーディング部200,200aまたは200bに伝送される。この場合、デコーディング部200,200aまたは200bは、ダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期差を補償し、多チャネルオーディオ信号を生成することができる。
以下、図1及び図4を参照して、ダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期差を補償する方法に対して説明する。
図4は、図1に示した多チャネルデコーディング部で信号処理される方法を説明するためのブロック図である。
図1及び図4を参照すると、本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理方法によると、ダウンミックスデコーディング部100で信号処理されたダウンミックス信号は、二つのドメインのうち何れか一つのドメイン上で多チャネルデコーディング部200に伝送される。本実施例において、ダウンミックス信号と空間情報は、QMFドメイン上で時間同期が合わせられたと仮定して説明するが、本発明は、これに限定されるものでなく、QMFドメインでない他のドメイン上でダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられたオーディオ信号を処理することもできる。
以下、QMFドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XQ1が多チャネルデコーディング部200に伝送されて信号処理される場合を説明する。伝送されたダウンミックス信号XQ1は、多チャネル生成部230で空間情報SI1と結合された後、多チャネルオーディオ信号XM1を生成する。この場合、空間情報SI1は、エンコーディング時に時間同期が合わせられた時間だけ遅延された後で結合される。前記遅延は、エンコーディング遅延でもある。また、空間情報SI1とダウンミックス信号XQ1は、エンコーディング時に時間同期が合わせられているので、特別に同期を合せる処理過程なしに多チャネルオーディオ信号を生成することができる。すなわち、前記空間情報SI1は、このような場合、デコーディング遅延によって遅延されない。
以下、時間ドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XT1が多チャネルデコーディング部200に伝送されて信号処理される場合を説明する。
QMFドメイン上のダウンミックス信号XQ1は、ドメイン変換部110を経て時間ドメイン上のダウンミックス信号XT1に変換される。時間ドメイン上のダウンミックス信号XT1は、多チャネルデコーディング部200に伝送される。
図4を参照すると、伝送されたダウンミックス信号XT1は、ドメイン変換部210でQMFドメイン上のダウンミックス信号Xq1に変換される。時間ドメイン上のダウンミックス信号XT1が多チャネルデコーディング部200に伝送されるとき、ダウンミックス信号Xq1または空間情報SI2のうち少なくとも一つは、時間遅延補償の遂行後に多チャネル生成部230に伝送されるべきである。そして、多チャネル生成部230は、伝送されたダウンミックス信号Xq1’と空間情報SI2’とを結合して多チャネルオーディオ信号XM1を生成することができる。
一方、ダウンミックス信号Xq1または空間情報SI2のうち少なくとも一つに時間遅延補償が行われるべき理由は、エンコーディング時に空間情報とダウンミックス信号との間の時間同期がQMFドメインで合わせられたためである。したがって、ドメインが変換されたダウンミックス信号Xq1は、信号遅延処理部220でずれた時間同期差だけ補償された後、多チャネル生成部230に入力される。
前記時間同期差を補償する方法は、ダウンミックス信号Xq1を時間同期差だけリーディングさせることである。ここで、時間同期差は、ダウンミックスデコーディング部100のドメイン変換部110で発生した遅延時間と、多チャネルデコーディング部200のドメイン変換部210で発生した遅延時間との合計になり得る。
また、空間情報SI2の時間遅延を補償することで、上述した時間同期差を補償することができる。これによって、空間情報SI2は、上述した時間同期差だけ空間情報遅延処理部240でラギングされた後、多チャネル生成部230に伝送される。
しかしながら、実際に遅延される空間情報の遅延値は、ずれた時間同期差と、既に時間同期が合わせられた時間遅延との合計になる。すなわち、前記遅延された空間情報は、エンコーディング遅延及びデコーディング遅延によって遅延されたものである。これは、ダウンミックスデコーディング部100で発生するダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期差と、多チャネルデコーディング部200で発生する時間同期差との合計でもある。実際に遅延される空間情報SI2の遅延値は、フィルタ(例えば、QMF、ハイブリッドフィルターバンク)の性能及び遅延を考慮して決定される。
例えば、フィルタの性能及び遅延を考慮した空間情報遅延値は、961タイムサンプルになり得る。前記空間情報の遅延値を分析してみると、ダウンミックスデコーディング部100で発生した時間同期差が257タイムサンプルで、多チャネルデコーディング部200で発生した時間同期差が704タイムサンプルである。上述した遅延値は、タイムサンプル単位で表現したが、タイムサンプルの他にタイムスロット単位で表現することも可能である。
図5は、図2に示した多チャネルデコーディング部で信号処理される方法を説明するためのブロック図である。以下、図2及び図5を参照して説明する。
図示したように、本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理方法によると、ダウンミックスデコーディング部100aで信号処理されたダウンミックス信号は、二つのドメインのうち何れか一つのドメイン上で多チャネルデコーディング部200aに伝送される。本実施例において、ダウンミックス信号と空間情報は、時間ドメイン上で時間同期が合わせられたと仮定して説明するが、本発明は、これに限定されるものでなく、時間ドメインでない他のドメイン上でダウンミックス信号と空間情報が合わせられたオーディオ信号を処理することもできる。
以下、時間ドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XT2が多チャネルデコーディング部200aに伝送されて信号処理される場合を説明する。MDCTドメイン上のダウンミックス信号Xmは、ドメイン変換部110aを経て時間ドメイン上のダウンミックス信号XT2に変換される。変換されたダウンミックス信号XT2は、多チャネルデコーディング部200aに伝送される。伝送されたダウンミックス信号XT2は、ドメイン変換部210aを経てQMFドメイン上のダウンミックス信号Xq2に変換されて多チャネル生成部230aに伝送される。伝送されたダウンミックス信号Xq2は、多チャネル生成部230aで空間情報SI3と結合された後、多チャネルオーディオ信号XM2を生成する。
この場合、空間情報SI3は、エンコーディング時に時間同期が合わせられた時間だけ遅延された後、ダウンミックス信号Xq2と結合される。また、空間情報SI3とダウンミックス信号Xq2は、エンコーディング時に時間同期が合わせられているので、特別に同期を合せる処理過程なしに多チャネルオーディオ信号を生成することができる。すなわち、ここで、前記空間情報SI3は、デコーディング遅延によって遅延されたものでない。
以下、QMFドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号XQ2が多チャネルデコーディング部200aに伝送されて信号処理される場合を説明する。
MDCTドメイン上で信号処理されたダウンミックス信号Xmは、ダウンミックスデコーディング部100aから出力される。出力されたダウンミックス信号Xmは、ドメイン変換部300aを経てQMFドメイン上のダウンミックス信号XQ2に変換される。変換されたダウンミックス信号XQ2は、多チャネルデコーディング部200aに伝送される。
QMFドメイン上のダウンミックス信号XQが多チャネルデコーディング部200aに伝送されるとき、ダウンミックス信号XQ2または空間情報SI4のうち少なくとも一つは、時間遅延補償の遂行後に多チャネル生成部230aに伝送されるべきである。そして、多チャネル生成部230aは、伝送されたダウンミックス信号XQ2’と空間情報SI4’とを結合して多チャネルオーディオ信号XM2を生成することができる。
一方、ダウンミックス信号XQ2または空間情報SI4のうち少なくとも一つに時間遅延補償が行われるべき理由は、エンコーディング時に空間情報とダウンミックス信号との間の時間同期が時間ドメインで合わせられたためである。したがって、ドメインが変換されたダウンミックス信号XQ2は、信号遅延処理部220aでずれた時間同期差だけ補償された後、多チャネル生成部230aに入力される。
前記時間同期差を補償する方法は、ダウンミックス信号XQ2を時間同期差だけラギングさせることである。ここで、時間同期差は、ダウンミックスデコーディング部100のドメイン変換部110aで発生した遅延時間と多チャネルデコーディング部200aのドメイン変換部210aで発生した遅延時間との合計と、ドメイン変換部300aで発生した遅延時間との差をいう。
また、空間情報SI4の時間遅延を補償することで、上述した時間同期差を補償することができる。これによって、空間情報SI4は、上述した時間同期差だけ空間情報遅延処理部240aでリーディングされた後、多チャネル生成部230aに伝送される。しかし、実際に遅延される空間情報の遅延値は、ずれた時間同期差と、既に時間同期が合わせられた時間遅延との合計になる。すなわち、前記遅延された空間情報SI4’は、エンコーディング遅延及びデコーディング遅延によって遅延されたものである。
一方、本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理方法は、デコーディング方式が異なることから発生する遅延時間を補償し、オーディオ信号を処理する方法を含む。以下、これに対して具体的に説明する。
本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理方法は、エンコーディング時に特定のデコーディング方式を想定してダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられたオーディオ信号をエンコーディングし、このエンコーディングされたオーディオ信号をデコーディングする。デコーディング方式の例としては、音質に基づいたデコーディング方式及び電力に基づいたデコーディング方式がある。音質に基づいたデコーディング方式の例としては、高音質バージョンがあり、電力に基づいたデコーディング方式の例としては、低電力バージョンがある。高音質バージョンとは、低電力バージョンと比較して相対的に精練された音質の多チャネルオーディオ信号を出力するデコーディング方式をいい、低電力バージョンとは、相対的に高音質バージョンより低下した音質を有するが、高音質バージョンに比べて構成が複雑でなく、電力消耗が相対的に少ないデコーディング方式をいう。
以下、デコーディング方式を高音質バージョンと低電力バージョンを例に挙げて説明するが、本発明は、これに限定されるものでなく、より多様なデコーディング方式が存在しうる。
図6は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。
図6を参照すると、本発明に係るデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100c及び多チャネルデコーディング部200cを含むことができる。
図示したように、ダウンミックスデコーディング部100cで信号処理されたダウンミックス信号XT4は、多チャネルデコーディング部200cに伝送され、空間情報SI7またはSI8と結合されて多チャネルオーディオ信号M1またはM2を生成する。信号処理されたダウンミックス信号XT4は、時間ドメイン上の信号である。
符号化されたダウンミックス信号DBがダウンミックスデコーディング部100cに伝送されて信号処理され、信号処理されたダウンミックス信号XT4は、多チャネルデコーディング部200cに伝送され、二つのデコーディングバージョン(高音質バージョンまたは低電力バージョン)のうち何れか一つによって多チャネルオーディオ信号を生成する。
信号処理されたダウンミックス信号XT4が低電力バージョンでデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XT4は、P2経路に沿って伝送されてデコーディングされる。信号処理されたダウンミックス信号XT4は、ドメイン変換部240cを経てリアル(Real)QMFドメイン上の信号XRQに変換される。
そして、変換されたダウンミックス信号XRQは、ドメイン変換部250cを経てコンプレックスQMFドメイン上の信号XCQ2に変換される。コンプレックスQMFドメイン上の信号XCQ2は、多チャネル生成部260cで空間情報SI8と結合された後、多チャネルオーディオ信号M2を生成する。
以上のように、ダウンミックス信号XT4を低電力デコーディングバージョンでデコーディングするとき、別途の遅延処理手順が必要でない。その理由は、オーディオ信号のエンコーディング時に、既に低電力バージョンでダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられてエンコーディングされたためである。すなわち、前記ダウンミックス信号XRQは、デコーディング遅延によって遅延されていない。
一方、信号処理されたダウンミックス信号XT4が高音質バージョンでデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XT4は、P1経路に沿って伝送されてデコーディングされる。信号処理されたダウンミックス信号XT4は、ドメイン変換部210cを経てコンプレックスQMFドメイン上の信号XCQ1に変換される。そして、変換されたダウンミックス信号XCQ1は、信号遅延処理部220cでダウンミックス信号XCQ1と空間情報SI7との間の時間同期差だけ遅延される。そして、遅延されたダウンミックス信号XCQ’は、多チャネル生成部230cで空間情報SI7と結合された後、多チャネルオーディオ信号M1を生成する。
上記のように、ダウンミックス信号XCQ1が信号遅延処理部220cを経る理由は、低電力バージョンが使用されると仮定してオーディオ信号がエンコーディングされることで、ダウンミックス信号XCQ1と空間情報SI7との間に時間同期差が発生するためである。
時間同期差は、使用されるデコーディング方式による時間遅延差を意味する。例えば、時間遅延差は、低電力バージョンのデコーディング方式と高音質バージョンのデコーディング方式との差のために発生しうる。前記時間遅延差は、ダウンミックス信号と空間情報信号とが結合される時点まで考慮される。その理由は、前記ダウンミックス信号と前記空間情報信号とが結合される時点まで、前記ダウンミックス信号と前記空間情報信号とを同期化させる必要がない場合もあるためである。
低電力バージョンでデコーディングを行う場合にダウンミックス信号XCQ2と空間情報SI8とが結合される時点まで発生する遅延時間と、高音質バージョンでデコーディングを行う場合にダウンミックス信号XCQ1’と空間情報SI7とが結合される時点まで発生する遅延時間とが同一になるように、前記時間同期差が決定される。時間遅延の単位としては、タイムサンプルを使用することもでき、タイムスロットを使用することもできる。
一方、ドメイン変換部210cで発生する遅延時間と、ドメイン変換部240cで発生する遅延時間とが同一である場合、信号遅延処理部220cは、ドメイン変換部250cで発生する遅延時間だけダウンミックス信号XCQ1を遅延させればよい。
図面に示した実施例では、2個のデコーディング方式が多チャネルデコーディング部200cに存在する場合を例に挙げて説明したが、本発明では、多チャネルデコーディング部内に一つのデコーディング方式のみが存在することもある。
また、上述した実施例では、低電力バージョンでダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられた場合を例に挙げて説明したが、本発明は、高音質バージョンでダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられた場合も含む。この場合、低電力バージョンで時間同期が合わせられた場合と反対にダウンミックス信号をリーディングさせればよい。
図7は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。
図7を参照すると、本発明に係るデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100d及び多チャネルデコーディング部200dで構成される。
ダウンミックスデコーディング部100dで信号処理されたダウンミックス信号XT4は、多チャネルデコーディング部200dに伝送され、空間情報SI7’またはSI8と結合されて多チャネルオーディオ信号M3またはM2を生成する。信号処理されたダウンミックス信号XT4は、時間ドメイン上の信号である。
符号化されたダウンミックス信号DBがダウンミックスデコーディング部100dに伝送されて信号処理され、信号処理されたダウンミックス信号XT4は、多チャネルデコーディング部200dに伝送され、二つのデコーディング方式(高音質方式または低電力方式)のうち何れか一つによって多チャネルオーディオ信号を生成する。
信号処理されたダウンミックス信号XT4が低電力方式でデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XT4は、P4経路に沿って伝送されてデコーディングされる。信号処理されたダウンミックス信号XT4は、ドメイン変換部240dを経てリアルQMFドメイン上の信号XRQに変換される。そして、変換されたダウンミックス信号XRQは、ドメイン変換部250dを経てコンプレックスQMFドメイン上の信号XCQ2に変換される。前記ダウンミックス信号XRQの前記ダウンミックス信号XCQ2への変換は、コンプレックスドメイン変換の例として見なすことができる。
コンプレックスQMFドメイン上の信号XCQ2は、多チャネル生成部260dで空間情報SI8と結合された後、多チャネルオーディオ信号M2を生成する。
以上のように、ダウンミックス信号XT4を低電力デコーディング方式でデコーディングするとき、別途の遅延処理手順が必要でない。その理由は、オーディオ信号のエンコーディング時に、既に低電力方式でダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられてエンコーディングされたためである。すなわち、前記空間情報SI8は、デコーディング遅延によって遅延されていない。
一方、信号処理されたダウンミックス信号XT4が高音質方式でデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XT4は、P3経路に沿って伝送されてデコーディングされる。信号処理されたダウンミックス信号XT4は、ドメイン変換部210dを経てコンプレックスQMFドメイン上の信号XCQ1に変換される。
そして、変換されたダウンミックス信号XCQ1は、多チャネル生成部230dに伝送されて空間情報SI7’と結合された後、多チャネルオーディオ信号M3を生成する。空間情報SI7’は、空間情報SI7が空間情報遅延処理部220dを経ることで時間遅延が補償された空間情報である。
上記のように、空間情報SI7が空間情報遅延処理部220dを経る理由は、低電力デコーディング方式が使用されると仮定してオーディオ信号がエンコーディングされることで、ダウンミックス信号XCQ1と空間情報SI7との間に時間同期差が発生するためである。
時間同期差は、使用されるデコーディング方式による時間遅延差を意味する。例えば、時間遅延差は、低電力バージョンのデコーディング方式と高音質バージョンのデコーディング方式との差のために発生しうる。前記時間遅延差は、ダウンミックス信号と空間情報信号とが結合される時点まで考慮される。その理由は、前記ダウンミックス信号と前記空間情報信号とが結合される時点まで、前記ダウンミックス信号と前記空間情報信号とを同期化させる必要がない場合もあるためである。
低電力バージョンでデコーディングを行う場合にダウンミックス信号XCQ2と空間情報SI8とが結合される時点まで発生する遅延時間と、高音質バージョンでデコーディングを行う場合にダウンミックス信号XCQ’と空間情報SI7’とが結合される時点まで発生する遅延時間とが同一になるように、前記時間同期差が決定される。時間遅延の単位としては、タイムサンプルを使用することもでき、タイムスロットを使用することもできる。
一方、ドメイン変換部210dで発生する遅延時間と、ドメイン変換部240dで発生する遅延時間とが同一である場合、空間情報遅延処理部220dは、ドメイン変換部250dで発生する遅延時間だけ空間情報SI7をリーディングさせればよい。
図面に示した実施例では、2個のデコーディング方式が多チャネルデコーディング部200dに存在する場合を例に挙げて説明したが、本発明では、多チャネルデコーディング部内に一つのデコーディング方式のみが存在することもある。
また、上述した実施例では、低電力バージョンでダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられた場合を例に挙げて説明したが、本発明は、高音質バージョンでダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられた場合も含む。この場合、低電力バージョンで時間同期が合わせられた場合と反対に空間情報をラギングさせればよい。
また、図6乃至図7に示すように、多チャネルデコーディング部200cまたは200d内に信号遅延処理部220cまたは空間情報遅延処理部220dのうち一つのみがある場合を例に挙げて説明したが、本発明は、多チャネルデコーディング部内に空間情報遅延処理部と信号遅延処理部とが同時にある場合も含む。この場合、空間情報遅延処理部220dで遅延補償する時間と信号遅延処理部220cで遅延補償する時間との合計は、時間同期差と同一でなければならない。
以上、複数個のダウンミックス連結ドメインが存在することから発生する時間同期差補償方法と、複数個のデコーディング方式が存在することから発生する時間同期差補償方法に対して説明した。
以下では、複数個のダウンミックス連結ドメインが存在するとともに、複数個のデコーディング方式が存在することから発生する時間同期差補償方法に対して説明する。
図8は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。
図8を参照すると、本発明に係るデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100e及び多チャネルデコーディング部200eを含むことができる。
図示したように、本発明の一実施例に係るオーディオ信号の処理方法によると、ダウンミックスデコーディング部100eで信号処理されたダウンミックス信号は、二つのドメインのうち何れか一つのドメイン上で多チャネルデコーディング部200eに伝送される。本実施例において、ダウンミックス信号と空間情報は、QMFドメイン上で低電力バージョンに基づいて時間同期が合わせられたと仮定して説明するが、本発明は、これに限定されるものでなく、多様な変形が可能である。
まず、QMFドメイン上で処理されたダウンミックス信号XQ5が多チャネルデコーディング部200eに伝送されて信号処理される方法を説明する。この場合、前記ダウンミックス信号XQ5は、コンプレックスQMF信号XCQ5及び実際のQMF信号XRQ5のうち何れか一つである。前記コンプレックスQMF信号XCQ5は、ダウンミックスデコーディング部100eで高音質デコーディング方式によって処理された信号である。そして、前記実際のQMF信号XRQ5は、ダウンミックスデコーディング部100eで低電力デコーディング方式によって処理された信号である。
本発明の実施例において、前記ダウンミックスデコーディング部100eで高音質デコーディング方式によって処理された信号は、高音質デコーディング方式の多チャネルデコーディング部200eと連結されており、前記ダウンミックスデコーディング部100eで低電力デコーディング方式によって処理された信号は、低電力デコーディング方式の多チャネルデコーディング部200eと連結されていると仮定する。
図示したように、信号処理されたダウンミックス信号XQ5が低電力バージョンでデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XQ5は、P6経路に沿って伝送されてデコーディングされる。ここで、前記ダウンミックス信号XQ5は、リアルQMFドメインのダウンミックス信号XRQ5である。
前記ダウンミックス信号XRQ5は、多チャネル生成部231eで空間情報SI10と結合された後、多チャネルオーディオ信号M5を生成する。
以上のように、ダウンミックス信号XQ5を低電力デコーディングバージョンでデコーディングするとき、別途の遅延処理手順が必要でない。その理由は、オーディオ信号のエンコーディング時に、既に低電力バージョンでダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられてエンコーディングされたためである。
一方、信号処理されたダウンミックス信号XQ5が高音質バージョンでデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XQ5は、P5経路に沿って伝送されてデコーディングされる。ここで、前記ダウンミックス信号XQ5は、コンプレックスQMFドメインのダウンミックス信号XCQ5である。前記ダウンミックス信号XCQ5は、多チャネル生成部230eで空間情報SI9と結合された後、多チャネルオーディオ信号M4を生成する。
以下、時間ドメイン上で処理されたダウンミックス信号XT5が多チャネルデコーディング部200eに伝送されて信号処理される方法を説明する。
ダウンミックスデコーディング部100eで信号処理されたダウンミックス信号XT5は、多チャネルデコーディング部200eに伝送され、空間情報SI11またはSI12と結合されて多チャネルオーディオ信号M6またはM7を生成する。
ダウンミックス信号XT5は、多チャネルデコーディング部200eに伝送され、二つのデコーディング方式(高音質デコーディング方式または低電力デコーディング方式)のうち何れか一つによって多チャネルオーディオ信号を生成する。
信号処理されたダウンミックス信号XT5が低電力デコーディング方式でデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XT5は、P8経路に沿って伝送されてデコーディングされる。信号処理されたダウンミックス信号XT5は、ドメイン変換部241eを経てリアルQMFドメイン上の信号XRに変換される。
そして、変換されたダウンミックス信号XRは、ドメイン変換部250eを経てコンプレックスQMFドメイン上の信号XC2に変換される。前記ダウンミックス信号XRの前記信号XC2への変換は、コンプレックスドメイン変換の一例である。
コンプレックスQMFドメイン上の信号XC2は、多チャネル生成部233eで空間情報SI12’と結合された後、多チャネルオーディオ信号M7を生成する。
空間情報SI12’は、空間情報SI12が空間情報遅延処理部240eを経ることで時間遅延が補償された空間情報である。
上記のように、空間情報SI12が空間情報遅延処理部240eを経る理由は、低電力デコーディング方式でダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられたドメインをQMFドメインであると仮定して、オーディオ信号がエンコーディングされることで、ダウンミックス信号XC2と空間情報SI12との間に時間同期差が発生するためである。ここで、前記遅延された空間情報SI12’は、エンコーディング遅延及びデコーディング遅延によって遅延されたものである。
一方、信号処理されたダウンミックス信号XT5が高音質デコーディング方式でデコーディングされる場合、ダウンミックス信号XT5は、P7経路に沿って伝送されてデコーディングされる。信号処理されたダウンミックス信号XT5は、ドメイン変換部240eを経てコンプレックスQMFドメイン上の信号XC1に変換される。
そして、変換されたダウンミックス信号XC1と前記空間情報SI11は、それぞれ信号遅延処理部250eと空間情報遅延処理部260eでダウンミックス信号XC1と空間情報SI11との間の時間同期差だけ時間遅延が補償される。
そして、時間遅延が補償されたダウンミックス信号XC1’は、多チャネル生成部232eで空間情報SI11と結合された後、多チャネルオーディオ信号M6を生成する。
したがって、ダウンミックス信号XC1は信号遅延処理部250eを通過し、空間情報SI11は空間情報遅延処理部260eを通過する。その理由は、低電力デコーディング方式でダウンミックス信号と空間情報との間の時間同期が合わせられたドメインをQMFドメインであると仮定して、オーディオ信号がエンコーディングされることで、ダウンミックス信号XC2と空間情報SI12との間に時間同期差が発生するためである。
図9は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。
図9を参照すると、本発明に係るデコーディング装置は、ダウンミックスデコーディング部100f及び多チャネルデコーディング部200fを含むことができる。
エンコーディングされたダウンミックス信号DB1は、ダウンミックスデコーディング部100fに伝送されて処理される。前記ダウンミックス信号DB1は、二つのダウンミックスデコーディング方式を考慮してエンコーディングされた信号である。前記二つのダウンミックスデコーディング方式は、第1デコーディング方式及び第2デコーディング方式を含むことができる。前記ダウンミックス信号DB1は、ダウンミックスデコーディング部100fで一つのダウンミックスデコーディング方式によって処理される。前記一つのダウンミックスデコーディング方式は、前記第1デコーディング方式である。
前記処理されたダウンミックス信号XT6は、多チャネルオーディオ信号Mfを生成するために多チャネルデコーディング部200fに伝送される。
前記処理されたダウンミックス信号XT6’は、信号処理部210fでデコーディング遅延によって遅延される。前記ダウンミックス信号XT6’が遅延される理由は、エンコーディングで考慮されたダウンミックスデコーディング方式が、デコーディングで使用されたデコーディング方式と異なるためである。したがって、前記環境によって、前記ダウンミックス信号XT6’をアップサンプリングする必要がある。
前記遅延されたダウンミックス信号XT6’は、アップサンプリング部220fでアップサンプルされる。前記ダウンミックス信号XT6’がアップサンプルされる理由は、前記ダウンミックス信号XT6’のサンプル数が前記空間情報SI13のサンプル数と異なるためである。
前記ダウンミックス信号XT6の遅延処理と前記ダウンミックス信号XT6’のアップサンプリング処理の順序は、互いに変わり得る。
前記アップサンプルされたダウンミックス信号UXT6のドメインは、ドメイン処理部230fで変換される。前記ダウンミックス信号UXT6のドメイン変換は、周波数/時間ドメイン変換及びコンプレックスドメイン変換を含むことができる。
そして、前記ドメインが変換されたダウンミックス信号UXT6は、多チャネル生成部260dで空間情報SI13と結合され、多チャネルオーディオ信号Mfを生成する。
以上、ダウンミックス信号と空間情報との間に時間同期差が発生した場合、これを補償する方法に関して説明した。
以下では、上述した多様な方法によって生成された多チャネルオーディオ信号と時系列データとの間に時間同期差が発生した場合、これを補償する方法に対して説明する。
図10は、本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置を示したブロック図である。図10を参照すると、本発明の一実施例に係るオーディオデコーディング装置は、時系列データデコーディング部10及び多チャネルオーディオ信号の処理部20を含むことができる。
図示したように、多チャネルオーディオ信号処理装置20は、ダウンミックスデコーディング部21、多チャネルデコーディング部22及び時間遅延補償部23を含むことができる。
まず、符号化されたダウンミックス信号の一例であるダウンミックスビットストリームIN2は、ダウンミックスデコーディング部21に印加されてデコーディングされる。ここで、ダウンミックスビットストリームIN2は、二つのドメイン上でデコーディングされて出力される。出力されるドメインは、時間ドメイン及びQMFドメインである。参照番号50は、時間ドメインでデコーディングされて出力されるダウンミックス信号で、参照番号51は、QMFドメインでデコーディングされて出力されるダウンミックス信号である。本実施例では、二つの場合のドメインのみを言及したが、本発明は、これに限定されるものでなく、それ以上のドメインでデコーディングされて出力されるダウンミックス信号も含む。
また、上記のような方法でデコーディングされたダウンミックス信号50、51は、多チャネルデコーディング部22に伝送され、二つのデコーディング方式22H、22Lでデコーディングされる。参照番号22Hは高音質デコーディング方式で、参照番号22Lは低電力デコーディング方式である。
本発明の一実施例では、二つのデコーディング方式のみを言及しているが、本発明は、これに限定されるものでなく、より多様なデコーディング方式から選択することも可能である。
まず、時間ドメイン上でデコーディングされて出力されるダウンミックス信号50は、二つの経路P9、P10を選択してデコーディングされるが、P9は高音質バージョン22Hでデコーディングされる経路で、P10は低電力バージョン22Lでデコーディングされる経路である。
したがって、P9経路に沿って伝送されたダウンミックス信号50は、高音質バージョン22Hによって空間情報SIと結合された後、多チャネルオーディオ信号MHTを生成する。P4経路に沿って伝送されたダウンミックス信号50は、低電力バージョン22Lによって空間情報SIと結合された後、多チャネルオーディオ信号MLTを生成する。
また、QMFドメイン上でデコーディングされて出力されたダウンミックス信号51は、二つの経路P11、P12を選択してデコーディングされるが、P11は高音質バージョン22Hでデコーディングされる経路で、P12は低電力バージョン22Lでデコーディングされる経路である。
したがって、P11経路に沿って伝送されたダウンミックス信号51は、高音質バージョン22Hによって空間情報SIと結合された後、多チャネルオーディオ信号MHQを生成する。P12経路に沿って伝送されたダウンミックス信号51は、低電力バージョン22Lによって空間情報SIと結合された後、多チャネルオーディオ信号MLQを生成する。
上述した方法によって生成された多チャネルオーディオ信号MHT、MHQ、MLT、MLQのうち少なくとも一つは、時間遅延補償部23で時間遅延補償過程を経た後で出力される(OUT2、OUT3、OUT4、OUT5)。
本実施例において、時間遅延補償過程とは、例えば、時系列デコーディング部10でデコーディングされて出力される時系列データOUT1と、上述した多チャネルオーディオ信号MHTとの間の時間同期が合せられたと仮定するとき、時間同期がずれた多チャネルオーディオ信号MHQ、MLT、MLQを多チャネルオーディオ信号MHTと比較し、時間遅延の発生を防止することを意味する。もちろん、時系列データOUT1と、上述した多チャネルオーディオ信号MHT以外の他の多チャネルオーディオ信号MHQ、MLT、MLQのうち何れか一つとの間の時間同期が合せられたとき、時間同期がずれた残りの他の多チャネルオーディオ信号の時間遅延を補償し、時系列データOUT1との時間同期を合せることも含まれる。
一方、時系列データOUT1と多チャネルオーディオ信号MHT、MHQ、MLT、MLQが一緒に処理されない場合にも、時間遅延補償過程を行うことができる。例えば、多チャネルオーディオ信号MHTの時間遅延を補償し、多チャネルオーディオ信号MLTと比較した結果を用いて時間遅延の発生を防止する。もちろん、その他の形態にも多様化される。
本発明は、上述した実施例に限定されるものでなく、添付された特許請求の範囲から分かるように、本発明の属する分野で通常の知識を有する者によって変形が可能であり、このような変形は本発明の範囲に属する。
第1に、本発明に係るオーディオ信号の処理方法は、ダウンミックス信号と空間情報との間に時間同期差が発生した場合、これを補償して音質低下を防止できるという効果がある。
第2に、また、本発明に係るオーディオ信号の処理方法は、動画像、テキスト及びイメージなどの時系列データと一緒に処理される多チャネルオーディオ信号と時系列データとの間の時間同期差を補償できるという効果がある。
本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置のブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング装置のブロック図である。 図1に示した多チャネルデコーディング部で信号処理される方法を説明するためのブロック図である。 図2に示した多チャネルデコーディング部で信号処理される方法を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。 本発明の一実施例に係るオーディオ信号のデコーディング方法を説明するためのブロック図である。

Claims (6)

  1. オーディオ信号を処理する方法であって、
    ダウンミックスコーディング方式及び多チャネルオーディオコーディング方式を用いてエンコーディングされたダウンミックス信号並びに空間情報を含むエンコーディングされたオーディオ信号を受信する段階と、
    前記ダウンミックスコーディング方式を用いて前記ダウンミックス信号を処理する段階と、
    前記多チャネルオーディオコーディング方式を用いて前記の処理されたダウンミックス信号をデコーディングする段階と、を有し、
    前記デコーディングする段階は、
    時間ドメインの前記ダウンミックス信号をリアル直交ミラーフィルタ(QMF)ドメインのダウンミックス信号に第1の変換する段階と、
    前記リアル直交ミラーフィルタドメインの前記ダウンミックス信号を、コンプレックス直交ミラーフィルタドメインのダウンミックス信号に第2の変換する段階と、
    前記コンプレックス直交ミラーフィルタドメインの前記ダウンミックス信号と前記空間情報とを結合する段階と、を有し、
    前記空間情報は、前記オーディオ信号をエンコーディングするとき、前記第1の変換及び前記第2の変換の経過時間を含む時間量だけ遅延される、方法。
  2. 前記処理する段階は、直交ミラーフィルタドメインの前記ダウンミックス信号を前記時間ドメインの前記ダウンミックス信号に第3の変換する段階を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記空間情報の総遅延時間は961時間サンプルである、請求項に記載の方法。
  4. オーディオ信号を処理する装置であって、
    ダウンミックスコーディング方式及び多チャネルオーディオコーディング方式を用いてエンコーディングされたダウンミックス信号並びに空間情報を含むエンコーディングされたオーディオ信号を受信するオーディオ信号受信部と、
    前記ダウンミックスコーディング方式を用いて前記ダウンミックス信号を処理するダウンミックスデコーダと、
    前記多チャネルオーディオコーディング方式を用いて前記の処理されたダウンミックス信号をデコーディングする多チャネルデコーダと、を備え、
    前記多チャネルデコーダは、
    時間ドメインの前記ダウンミックス信号をリアル直交ミラーフィルタ(QMF)ドメインのダウンミックス信号に第1の変換する第1ダウンミックス信号変換部と、
    前記リアル直交ミラーフィルタドメインの前記ダウンミックス信号を、コンプレックス直交ミラーフィルタドメインのダウンミックス信号に第2の変換する第2ダウンミックス信号変換部と、
    前記コンプレックス直交ミラーフィルタドメインの前記ダウンミックス信号と前記空間情報とを結合する空間情報結合部と、を備え
    前記空間情報は、前記オーディオ信号をエンコーディングするとき、前記第1の変換及び前記第2の変換の経過時間を含む時間量だけ遅延される、装置。
  5. 前記ダウンミックスデコーダは、直交ミラーフィルタドメインの前記ダウンミックス信号を前記時間ドメインの前記ダウンミックス信号に第3の変換する第3ダウンミックス信号変換部を備える、請求項に記載の装置。
  6. 前記空間情報の総遅延時間は961時間サンプルである、請求項に記載の装置。
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