JP5270252B2 - 塗装方法 - Google Patents
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Description
例えば、各部を溶接して組立てられた車体に対して、下地塗料を電着する電着塗装工程と、電着塗装工程後、車体の所定箇所にシーリング剤を塗布するシーリング剤塗布工程と、車体の所定箇所のみが加熱されてシーリング剤が乾燥されるシーリング剤乾燥工程と、シーリング剤乾燥工程の完了後、車体に中間塗料を塗布する中塗り工程と、中塗りされた車体を乾燥させて中間塗膜を形成する中塗り乾燥工程と、中間塗膜が形成された車体に仕上げ塗料を塗布する上塗り工程と、上塗された車体を焼付け乾燥させて仕上げ塗膜を形成する焼付け工程とが実行される塗膜形成方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
そのため、上記の方法などでは、中塗り工程前に、塗膜表面に付着する塵埃などをウエスで拭き取る拭き工程を設けて、塗装不具合を抑制するようにしている。拭き工程では、自動車ボディの構成部材とウエスとが直接接触するので、シーリング剤乾燥工程前に拭き工程が設けられると、ウエスなどの接触によりシーリング剤が変形する場合がある。したがって、拭き工程は、シーリング剤乾燥工程後に設ける必要がある。
本発明の目的は、自動車ボディを構成する部材の塗装不具合を抑制しながら、塗装ラインで消費されるエネルギーを低減するとともに、塗装ラインの構築に要するスペースを縮小することができる塗装方法を提供することにある。
自動車ボディの下端部、特に左右両側のロッカー部分は、それ以外の部分よりも昇温させることが難しい。そのため、自動車ボディ上方からの加熱により乾燥させる方法では、自動車ボディの下端部とそれ以外の部分との間に昇温度合の差が生じる。このような乾燥方法において、下端部の昇温度合を基準にして自動車ボディを乾燥させようとすると、それ以外の部分の温度上昇が過度になり、塗装不具合を生じるおそれがある。
この方法では、第1乾燥ゾーンにおいて上方から熱を加えることにより部材を乾燥させ、さらに、第2ゾーンにおいて下方から熱風を供給することにより部材を乾燥させるので、部材全体を均一に乾燥することができる。
さらに、本発明の塗装方法では、前記塗装ラインには、前記塗布工程と前記中塗工程との間において、前記塗装ライン上を移送される前記部材に対して、シーリング材の形状が保持されるようにエアを噴射するエア噴射手段が設けられていることが好適である。
図1に工程図が示される塗装方法は、自動車ボディを構成する部材31(図2参照。)上に、下塗塗膜32、中塗塗膜33および上塗塗膜34を順に形成する塗装方法であって、流れ作業により塗装を行なう塗装ライン上で行なわれる。
この塗装方法では、例えば、鋼板などをプレスおよび溶接することにより自動車ボディを成形するボディ形成ライン(図示せず)から移送される部材31を、まず、前処理ブース2において前処理する(前処理工程)。
次いで、前処理された部材31を、電着塗装ブース3において、例えば、水性塗料により電着塗装する(電着塗装工程)。
電着塗装に用いられる水性塗料(電着水性塗料)は、特に制限されず、例えば、水溶性または水分散性の樹脂成分と、硬化剤とを含有する水性塗料が用いられる。
硬化剤としては、特に制限されず、例えば、メラミン樹脂、ブロックポリイソシアネートなどが挙げられる。具体的には、メラミン樹脂として、例えば、親水性メラミンが挙げられ、ブロックポリイソシアネートとして、例えば、ポリイソシアネートのイソシアネート基を、例えば、オキシム、フェノール、アルコール、ラクタム、メルカプタンなどのブロック剤でブロックしたものが挙げられる。これらは単独使用または2種以上併用することができる。また、これらのうち好ましくは、ブロックポリイソシアネートが挙げられる。
そして、上記の各成分を水とともに公知の方法によって配合して、樹脂成分を水溶化または水分散化することにより、例えば、その固形分濃度が15〜30重量%、好ましくは、18〜25重量%となるように、電着水性塗料を調製する。
電着塗装工程後は、電着塗装された部材31を、電着乾燥炉4において乾燥する(電着乾燥工程)。
なお、図3は、予備乾燥ゾーン13内を、部材31の移送方向下流側から見た概略構成図である。図4は、第1乾燥ゾーン14内を、部材31の移送方向下流側から見た概略構成図である。図5は、第2乾燥ゾーン15内を、部材31の移送方向下流側から見た概略構成図である。
電着乾燥炉4は、床22と、この床22と鉛直方向に対向する天井21と、床22と天井21とを連設し、部材31の移送方向と直交する幅方向に対向する1対の壁28とを備えている。
床22には、部材31を移送するためのコンベア18が、1対の壁28とそれぞれ間隔を隔てて設置されている。部材31は、コンベア18上を移動自在に取り付けられた台車19に支持され、電着乾燥炉4内を移送される。
予備乾燥ゾーン13には、電着乾燥炉4の天井21と各壁28とが略直角に連続することにより形成される、略鉤形の電着乾燥炉4の上側角部に、幅方向に対向する複数対の予備熱風乾燥機20が設置されている。なお、図3では、複数対の予備熱風乾燥機20のうち、1対のみを表わしている。
予備加熱工程では、コンベア18上を移送される部材31に対して、その幅方向外側上方に位置する吹出口24から熱風を吹くことによって、例えば、部材31の側面に沿って熱風を吹き付けるとともに、その側面に形成された開口(例えば、サイドパネルに形成された窓など)を介して部材31の内面に熱風を吹き付けて、部材31を加熱する。
電着乾燥工程では、次いで、予備加熱された部材31を、第1乾燥ゾーン14において加熱する(第1加熱工程)。
第1乾燥ゾーン14には、予備乾燥ゾーン13と同様に、略鉤形の電着乾燥炉4の上側角部に、幅方向に対向する複数対の第1熱風乾燥機23が設置されている。なお、図4では、複数対の第1熱風乾燥機23のうち、1対のみを表わしている。
第1加熱工程においても、予備加熱工程と同様に、コンベア18上を移送される部材31に対して、その幅方向外側上方に位置する吹出口25から熱風を吹くことによって、例えば、部材31の側面に沿って熱風を吹き付けるとともに、その側面に形成された開口(例えば、サイドパネルに形成された窓など)を介して部材31の内面に熱風を吹き付けて、部材31を加熱する。
電着乾燥工程では、次いで、第1加熱された部材31を、第2乾燥ゾーン15において加熱する(第2加熱工程)。
第2乾燥ゾーン15には、電着乾燥炉4の床22と各壁28とが略直角に連続することにより形成される、略鉤形の電着乾燥炉4の下側角部に、幅方向にコンベア18を挟んで対向するように、複数対の第2熱風乾燥機27が設置されている。なお、図5では、複数対の第2熱風乾燥機27のうち、1対のみを表わしている。
第2加熱工程では、コンベア18上を移送される第1加熱された部材31に対して、その幅方向外側下方に位置する吹出口26から熱風を吹くことによって、例えば、部材31の底面に熱風を吹き付けて、部材31を加熱する。
そして、予備加熱工程、第1加熱工程および第2加熱工程が実行されることによって、部材31に塗布された電着水性塗料が乾燥して、部材31の表面に下塗塗膜32が形成される。
電着乾燥工程終了後は、例えば、部材31を留めておくための第1ストレージスペース(図示せず)に、下塗塗膜32が形成された部材31を、例えば、先行する部材31の電着検査工程が開始するまで留める。
そして、先行する部材31の電着検査工程が終了したときに、第1ストレージスペース内の部材31を、電着検査ブース5に移送し、電着検査ブース5において電着検査する(電着検査工程)。
なお、ブツとは、例えば、電着塗装工程前に部材31の表面に塵埃などが付着し、塵埃などが付着したままで電着塗装されたことにより、下塗塗膜32に生じる小さな粒のことである。また、タレとは、部材31における鋼板の合わせ部の隙間に残存した塗料が、乾燥工程において沸騰して部材31の表面に吹き出たもののことである。
電着検査工程終了後は、電着検査された部材31を、シーリング材塗布ブース6において、部材31の所定部分にシーリング材を塗布する(シーラ塗布工程)。
部材31の所定部分とは、例えば、上記ボディ形成ライン(図示せず)において、スポット溶接により鋼板と鋼板とを接合して部材31を成形したために生じる、部材31における鋼板と鋼板との合わせ目である。
そして、シーラ塗布工程では、当該合わせ目からの水や外気の侵入を防止する目的として、当該部分に、例えば、人手によりシーリング材を塗布し、必要により、ヘラなどでシーリング材の形状を整える。これにより、部材31の所定部分が、ウェット状態のシーリング材によりシールされる。
次いで、ウェット状態のシーリング材に対して乾燥炉などによる乾燥を行なわずに、シーリング材が塗布された部材31を、UBCブース7において、UBC(Under Body Coating)処理する(UBC工程)。
UBC工程に用いられるアンダーコート材としては、特に制限されず、例えば、アクリル系の樹脂などが挙げられる。
UBC工程終了後は、UBC処理された部材31を、例えば、部材31を留めておくことのできる第2ストレージスペース(図示せず)を通過させて、清浄工程を実行するための清浄ブース8へ連続的に移送する。
第2ストレージスペースは、加湿されていることが好ましい。具体的には、第2ストレージスペース内の温度(スペース温度)により異なるが、例えば、スペース温度が25〜35℃のときに相対湿度50〜90%になるように加湿されていることが好ましく、60〜70%になるように加湿されていることがさらに好ましい。また、スペース温度が5〜15℃のときに相対湿度50〜80%になるように加湿されていることが好ましく、60〜70%になるように加湿されていることがさらに好ましい。
そして、清浄ブース8において、部材31にエアを噴射するエアブロー処理を実行する(エアブロー工程)。
図6は、清浄ブース8内を、部材31の移送方向下流側から見た概略構成図である。
床41には、コンベア18が、1対の壁42とそれぞれ間隔を隔てて設置されている。部材31は、台車19に支持され、清浄ブース8内を、その前部を移送方向とする、いわゆる縦送り方式により移送される。
エアブロア44としては、好ましくは、移送される部材31表面の帯電量を測定可能な静電気センサなどを備える除電ブロアが用いられる。エアブロア44が除電ブロアであれば、エアブロー工程において、部材31から除去された塵埃が、再度部材31に付着することを抑制することができる。
また、エア配管29には、配管47が接続されている。配管47は、エア配管29に連通しているとともに、エアコンプレッサ(図示せず)などのエア供給装置に連通している。また、配管47の途中には、エアの供給を開閉するためのバルブ46が設けられている。
エアブロー処理の条件は、エアの噴射圧力が、部材31に塗布されたシーリング材の形状を保持する圧力、具体的には、そのゲージ圧が、例えば、0.05〜0.3MPaであり、好ましくは、0.05〜0.1MPaである。
なお、清浄ブース8では、工程の他、例えば、ワニスガーゼにより部材31の表面(シーリング材の塗布された部分を除く。)を拭く拭き取り作業が行なわれる。
次いで、エアブロー処理された部材31を、中塗塗装ブース9および上塗塗装ブース10において、中塗塗料および上塗塗料を連続的に塗布するウェット・オン・ウェット塗装を実行する。
中塗塗装に用いられる水性の中塗塗料(中塗水性塗料)は、特に制限されず、例えば、水溶性または水分散性の樹脂成分と、硬化剤と、顔料とを含有する水性塗料が用いられる。
硬化剤としては、特に制限されず、上記電着水性塗料に含有される硬化剤と同様の硬化剤が挙げられる。
顔料としては、特に制限されず、公知の着色顔料が挙げられる。具体的には、例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛、塩基性硫酸鉛、鉛酸カルシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウム、紺青、群青、コバルトブルー、銅フタロシアニンブルー、インダンスロンブルー、黄鉛、合成黄色酸化鉄、透明べんがら(黄)、ビスマスバナデート、チタンイエロー、亜鉛黄(ジンクエロー)、クロム酸ストロンチウム、シアナミド鉛、モノアゾイエロー、モノアゾイエロー、ジスアゾ、モノアゾイエロー、イソインドリノンイエロー、金属錯塩アゾイエロー、キノフタロンイエロー、イソインドリンイエロー、ベンズイミダゾロンイエロー、べんがら、透明べんがら(赤)、鉛丹、モノアゾレッド、モノアゾレッド、無置換キナクリドンレッド、アゾレーキ(Mn塩)、キナクリドンマゼンダ、アンサンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ペリレンマルーン、キナクリドンマゼンダ、ペリレンレッド、ジケトピロロピロールクロムバーミリオン、塩基性クロム酸鉛、酸化クロム、塩素化フタロシアニングリーン、臭素化フタロシアニングリーン、ピラゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンオレンジ、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレットなどが挙げられる。これらは単独使用または2種以上併用することができる。
ブロック剤の解離触媒としては、特に制限されず、例えば、オクチル酸錫、ジブチル錫ジ(2−エチルヘキサノエート)、ジオクチル錫ジ(2−エチルヘキサノート)、ジオクチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、モノブチル錫トリオクテート、2−エチルヘキン酸鉛、オクチル酸亜鉛などの有機金属化合物が挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、中塗水性塗料には、必要に応じて、光干渉性顔料、体質顔料、分散剤、沈降防止剤、有機溶剤、反応促進剤(例えば有機スズ化合物など)、消泡剤、増粘剤、防錆剤、紫外線吸収剤、表面調整剤など、公知の添加剤を適宜配合することができる。
上記のように調製される中塗水性塗料の塗装方法としては、特に制限されず、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが挙げられる。これらのうち好ましくは、静電塗装法が挙げられ、具体的には、ベル塗装機を用いた静電塗装法(ベル塗装法)が挙げられる。
中塗工程において、中塗塗装ブース9内は、加湿されている。具体的には、中塗塗装ブース9の室内温度により異なるが、例えば、室内温度が25〜30℃のときに相対湿度50〜80%になるように加湿されており、60〜75%になるように加湿されていることが好ましい。また、室内温度が18〜25℃のときに相対湿度50〜80%になるように加湿されており、60〜75%になるように加湿されていることが好ましい。
中塗水性塗料が下塗塗膜32上に塗布されることにより、下塗塗膜32の表面にウェット状態の塗膜(中塗塗膜33)が形成される。
次いで、ウェット状態の中塗塗膜33に対して乾燥炉などによる乾燥を行なわずに、中塗りされた部材31を、上塗塗装ブース10において上塗りする(上塗工程)。
ベース塗装に用いられる水性塗料(ベース水性塗料)は、特に制限されず、例えば、水溶性または水分散性の樹脂成分と、硬化剤と、顔料とを含有する水性塗料が用いられる。
硬化剤としては、特に制限されず、上記電着水性塗料に含有される硬化剤と同様の硬化剤が挙げられる。
顔料の配合割合は、例えば、ベース塗装により形成されるベース塗膜35が透明性を有し、ベース塗膜35を介して中塗塗膜33の色彩を目視で認識できる程度の配合割合である。
そして、上記の各成分を水とともに公知の方法によって配合して、樹脂成分を水溶化または水分散化することにより、例えば、その固形分濃度が15〜30重量%、好ましくは、20〜25重量%となるように、ベース水性塗料を調製する。
ベル塗装法による塗装条件は、例えば、ベル回転速度が20000〜35000min−1であり、シェービングエア圧力が0.5〜3.5kg/cm2であり、ガン距離が20〜30cmであり、吐出量が150〜350mLである。
クリア塗装に用いられる塗料(クリア塗料)は、特に制限されず、例えば、公知のクリア塗料が用いられ、樹脂製分と、架橋剤とを含有する塗料が挙げられる。
樹脂製分としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
そして、上記の各成分を有機溶剤または水とともに公知の方法によって配合して、樹脂成分を溶解または分散させることにより、例えば、その固形分濃度が50〜70重量%、好ましくは、55〜60重量%となるように、クリア塗料を調製する。
上記のように調製されるクリア塗料の塗装方法としては、特に制限されず、例えば、エアスプレー法、エアレススプレー法、静電塗装法などが挙げられる。これらのうち好ましくは、静電塗装法が挙げられ、具体的には、ベル塗装機を用いた静電塗装法(ベル塗装法)が挙げられる。
ベース塗装工程および/またはクリア塗装工程において、ベース塗装ブース16および/またはクリア塗装ブース17内は、加湿されている。具体的には、ベース塗装ブース16および/またはクリア塗装ブース17の室内温度により異なるが、例えば、室内温度が25〜30℃のときに相対湿度50〜80%になるように加湿されており、60〜75%になるように加湿されていることが好ましい。また、室内温度が18〜25℃のときに相対湿度50〜80%になるように加湿されており、60〜75%になるように加湿されていることが好ましい。
そして、ベース水性塗料が中塗塗膜33上に塗布され、さらにベース水性塗料上にクリア塗料が塗布されることにより、中塗塗膜33の表面に、ベース塗膜35およびクリア塗膜36が積層されたウェット状態の積層塗膜(上塗塗膜34)が形成される。
上塗乾燥工程に用いられる上塗乾燥炉11としては、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などの加熱方法により被乾燥物を乾燥させることのできる、公知の乾燥炉が用いられる。
そして、上塗乾燥工程が実行されることによって、部材31に塗布された中塗水性塗料、ベース水性塗料およびクリア塗料が乾燥して、下塗塗膜32の表面に、乾燥状態の中塗塗膜33、ベース塗膜35およびクリア塗膜36からなる積層膜が形成されるとともに、部材31に塗布されたシーリング材が乾燥して硬化する。
最終検査工程では、部材31の塗装品質が所定の基準を満たしているか、例えば、上塗塗膜34にブツやタレなどの不具合が生じていないかを検査する(最終検査工程)。
そして、最終検査工程終了後、部材31を、エンジンやシートなどの部品を組み付ける組立工程に移送して塗装工程が終了する。
そして、第1加熱工程の後には、第2乾燥ゾーン15において、部材31の幅方向外側下方に位置する吹出口26から熱風を吹くことによって、部材31の底面に熱風が吹き付けられる(第2加熱工程)。
さらに、予備加熱工程(熱風吹出温度:70〜110℃)→第1加熱工程(熱風吹出温度:110〜150℃)→第2加熱工程(熱風吹出温度:130〜180℃)の順に段階的に熱風の吹出温度を増加させるので、部材31を段階的に加熱することができる。その結果、水性塗料に含有される水分を徐々に蒸発させることができるので、タレや、水性塗料に含有される水分が突沸することにより生じる突沸ハジキなどの不具合を抑制することができる。その結果、下塗塗膜32の塗装不具合を抑制することができ、さらには、下塗塗膜32の上に形成される中塗塗膜33および上塗塗膜34の塗装不具合を抑制することができる。
例えば、前述の実施形態では、電着乾燥炉4において、部材31は、縦送り方式により移送されながら加熱されるとしたが、例えば、部材31は、その側部を移送方向とする、いわゆる横送り方式により移送されながら加熱されてもよい。
また、前述の実施形態では詳説しなかったが、塗装ラインは、電着乾燥炉4と上塗乾燥炉11との間において、各種ブースが設けられていない場所においても、加湿されていることが好ましい。これにより、コンベア18での移送中、部材31に塵埃が付着することを抑制することができる。
6 シーリング材塗布ブース
9 中塗塗装ブース
10 上塗塗装ブース
14 第1乾燥ゾーン
15 第2乾燥ゾーン
31 部材
32 下塗塗膜
33 中塗塗膜
34 上塗塗膜
44 エアブロア
Claims (3)
- 自動車ボディを構成する部材を、流れ作業により塗装するための塗装ライン上で行なわれる塗装方法であって、
電着塗装された前記部材を乾燥させる電着乾燥工程と、
前記電着乾燥工程後、前記部材の所定部分にシーリング材を塗布する塗布工程と、
前記シーリング材が塗布された前記部材を水性塗料で中塗り塗装する中塗工程と、
中塗りされた前記部材を上塗り塗装する上塗工程と
を備え、
前記塗装ラインは、前記塗布工程、前記中塗工程および前記上塗工程において加湿されており、
前記塗装ラインには、前記電着乾燥工程において乾燥炉が設けられており、
前記乾燥炉は、前記塗装ライン上を移送される前記部材に対して上方から熱を加える第1乾燥ゾーンと、前記第1乾燥ゾーンよりも下流側に配置され、前記部材に対して下方から熱風を供給する第2乾燥ゾーンと備えていることを特徴とする、塗装方法。 - 自動車ボディを構成する部材を、流れ作業により塗装するための塗装ライン上で行なわれる塗装方法であって、
電着塗装された前記部材を乾燥させる電着乾燥工程と、
前記電着乾燥工程後、前記部材の所定部分にシーリング材を塗布する塗布工程と、
前記シーリング材が塗布された前記部材を水性塗料で中塗り塗装する中塗工程と、
中塗りされた前記部材を上塗り塗装する上塗工程と
を備え、
前記塗装ラインは、前記塗布工程、前記中塗工程および前記上塗工程において加湿されており、
前記塗装ラインには、前記電着乾燥工程において乾燥炉が設けられており、
前記乾燥炉は、前記塗装ライン上を移送される前記部材に対して上方から熱を加える第1乾燥ゾーンと、前記第1乾燥ゾーンよりも下流側に配置され、前記部材に対して下方から熱風を供給する第2乾燥ゾーンと備えており、
前記塗装ラインには、前記塗布工程と前記中塗工程との間において、前記塗装ライン上を移送される前記部材に対して、シーリング材の形状が保持されるようにエアを噴射するエア噴射手段が設けられていることを特徴とする、塗装方法。 - 自動車ボディを構成する部材を、流れ作業により塗装するための塗装ライン上で行なわれる塗装方法であって、
電着塗装された前記部材を乾燥させる電着乾燥工程と、
前記電着乾燥工程後、前記部材の所定部分にシーリング材を塗布する塗布工程と、
前記シーリング材が塗布された前記部材を水性塗料で中塗り塗装する中塗工程と、
中塗りされた前記部材を上塗り塗装する上塗工程と
を備え、
前記塗装ラインは、前記塗布工程、前記中塗工程および前記上塗工程において加湿されており、
前記塗装ラインには、前記塗布工程と前記中塗工程との間において、前記塗装ライン上を移送される前記部材に対して、シーリング材の形状が保持されるようにエアを噴射するエア噴射手段が設けられていることを特徴とする、塗装方法。
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