JP5268131B2 - 固体酸化物形燃料電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内部に異なるガス(燃料ガス、酸化剤ガス)を導入し、固体電解質の特性を利用して発電を行う固体酸化物形燃料電池及びその製造方法に関するものである。
従来より、燃料電池として、固体電解質(固体酸化物)を用いた固体電解質型燃料電池(固体酸化物形燃料電池)が知られている。
この固体酸化物形燃料電池としては、例えば、固体電解質層の各面に燃料極と空気極とを備えた板状のセルを複数個使用したものが知られている。また、板状体以外に、円筒形状の空気極(内側電極)の外側に固体電解質層を形成し、更に固体電解質層の外側に燃料極(外側電極)を形成した円筒体のものが提案されている。
上述した固体酸化物形燃料電池では、燃料ガス(例えば水素)と酸化剤ガス(例えば空気)とを用いるため、それらのガスがリークしないように部材の接合部分などにガスシールを施す必要があるが、固体酸化物形燃料電池は、一般に800〜1000℃程度の高温で運転されることから、ガラスシールを考えた場合、ガラスの耐熱温度が不十分となることが多い。具体的には、ガラスの軟化点付近での運転となるため、ガラスの流動性が発生して形状維持することが困難であることが多い。
そのため、固体酸化物形燃料電池でガラスを用いてシールする場合は、セラミックス粉末やガラス繊維をガラスに混合して形状を保持する検討がなされている(特許文献1参照)。また、運転温度が高い固体酸化物形燃料電池は、起動、停止の際に、熱サイクルによってガラスが割れ易いことから、セラミックス粉末とガラス繊維を含有するガラスシートを使用してガスシールする技術も提案されている(特許文献2参照)。
一方、根本的に、固体酸化物形燃料電池のガスシールの長期安定性を確保しながら、起動、停止時の熱サイクルにも耐え得るようにするには、低温作動化することが最善の手段と考えられる。この低温作動化には、固体酸化物形燃料電池の体積当たりの電極面積を極限まで大きくすることが一つの手法であり、特許文献3に記載の様な微細円筒状の燃料電池を高集積する技術は、有効な手段である。
特開2006−185775号公報 特開2006−512543号公報 特開2005−166470号公報
しかしながら、上述した固体酸化物形燃料電池において、ガラスシールを行う方法として、ガラスペーストをシール部分に塗布する場合には、ガラスペーストをスクリーン印刷したり、ディスペンサーによって塗布することが考えられるが、突起物がある場合にはスクリーン印刷は不可能であり、また、微細円筒形状の燃料電池の間隔が狭い場合には、ディスペンサーによる塗布も不可能であった。
また、ガラスシートを作製してシールする手法の場合は、熱処理時にガラスシートに焼成収縮が生じたり、熱処理時に変形し易く、完全なガスシールを実現することは容易ではなかった。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的は、シート等を用いてガスシールを行う場合に、複雑形状な部材であっても、高いシール性を確保できる固体酸化物形燃料電池及びその製造方法を提供することにある。
(1)請求項1の発明は、固体酸化物形燃料電池を構成する燃料電池構成部材と、該燃料電池構成部材に接合されてガスのシールを行うガスシール層とを備えた固体酸化物燃料電池において、前記燃料電池構成部材は、筒状の内側電極と該内側電極の外周面に形成された固体電解質層とを少なくとも有する燃料電池チューブを備えるとともに、前記燃料電池チューブは、前記燃料電池構成部材から前記ガスシール層を貫いて外部に突出するように構成されており、更に、前記ガスシール層は、ガラスを主成分とする複数のシール層からなり、その複数のシール層のうち少なくとも1層はガラス相中に結晶相を含むシール層であって、前記複数のシール層は、前記燃料電池構成部材に接する第1シール層と、該第1シール層の表面に形成された第2シール層とを備えるとともに、前記第1シール層における結晶相の体積比が、前記第2シール層における結晶相の体積比より大であり、且つ、前記第2シール層の厚さが、20〜500μmであることを特徴とする。
本発明では、燃料電池構成部材は、筒状の内側電極と内側電極の外周面に形成された固体電解質層とを少なくとも有する燃料電池チューブを備えるとともに、燃料電池チューブは、燃料電池構成部材からガスシール層を貫いて外部に突出するように構成されている。
更に、本発明では、複数のシール層のうち少なくとも1層はガラス相中に結晶相を含む層であるので、その結晶相の存在により、熱処理時の焼成収縮が抑えられ、狙い通りの形状が得やすい。また、多層構造とすることで、熱膨張率を一致させるなど多くの機能を持たすことも可能である。
特に、本発明では、第1シール層の結晶相の体積比が、第2シール層の結晶相の体積比より多いので、接着する側の第1シール層の焼成時の変形を抑制し易いと同時に、第2シール層は第1シール層と比較して変形し易いため、第1シール層に追従する形でのシールが容易であり、しかも第2シール層が破損しにくいという効果がある。従って、本発明の固体酸化物形燃料電池は、高いシール性を備えており、ガスのリークが効果的に防止できるという顕著な効果を奏する。
なお、ここで、ガラス相とは、ガラスの非晶質相のことを示しており、結晶相とは、ガラスが結晶化した相及びセラミックス相を示している。
また、燃料電池構成部品としては、例えば燃料電池本体を構成する多孔質の導電性部材(燃料電池チューブを囲む部分)を更に備えていてもよい。
しかも、本発明では、第2シール層の厚さが、20〜500μmである。
つまり、本発明では、第2シール層の厚さは、500μm以下であるので、熱処理時に第2シール層の第1シール層に対する追従性が良く、且つ、20μm以上であるので、第2シール層を形成する際、作製が容易となる。
)請求項の発明は、前記第1シール層と第2シール層とにおけるガラス相の構成元素が、同一であることを特徴とする。
本発明は両シール相の構成を例示したものであり、ガラス相が同一である場合には、元素の拡散が少なくなり長期安定性を確保しやすいという利点がある。ここで、ガラス相が同一とは、同じ組成であることを意味している。
(3)請求項3の発明は、前記各シール層に混合する少なくとも1種のフィラーの添加量の差により、前記第1シール層と第2シール層との結晶相の体積比を違えたものであり、前記フィラーは前記結晶相を構成する物質であることを特徴とする。
本発明では、フィラーの添加量を違えることにより、結晶相の体積比を違える手法を例示している。ここでは、フィラーとは例えばセラミックス粉末等の添加剤を示している。
)請求項の発明では、前記第1シール層のフィラーの添加量が、5〜40体積%であることを特徴とする。
本発明では、第1シール層のフィラーの添加量が5体積%以上であるので、焼成時の変形を抑制することができ、また、40体積%以下であるので、ガラス成分が多く、高いガスシール性を確保できる。
)請求項の発明では、前記第2シール層のフィラーの添加量が、0〜15体積%であることを特徴とする。
本発明は、第2シール層のフィラーの添加量が15体積%以下であるので、ガラス成分が多く、熱処理する際において十分な柔軟性を確保できる。
)請求項の発明では、前記ガラスの軟化点が、500℃以上であることを特徴とする。
固体酸化物形燃料電池のシール材料として、燃料電池の運転温度を考慮すると、最低でも400℃程度を想定しなければならず、それを考慮すると、500℃以上の軟化点を有するガラスを用いることにより、ガスシールの効果が得られる。なお、どの程度の軟化点のガラスを用いるかは、燃料電池の運転温度を考慮して、その運転温度より十分に高い軟化点(例えば100℃以上高い軟化点)を有するガラスを用いればよい。
)請求項の発明では、前記フィラーは、Al、Mg、Zr、Ce、Siの元素のうち少なくとも1種を含む酸化物、又はこれらの酸化物の混合物であることを特徴とする。
本発明は、フィラーの種類を例示したものである。これらの酸化物は、その融点が高く、ガラス相中に分散し易いという利点がある。
なお、酸化物としては、例えば、Al23、MgO、ZrO2、CeO2、SiO2、MgAl24、ZrSiO4などを用いることができる。
)請求項の発明は、前記請求項1〜のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、前記第1シール層形成用のペーストと前記第2シール層形成用のシートとを作製し、前記燃料電池構成部材の前記燃料電池チューブが突出する側の表面に前記ペーストを介して前記シートを密着させて熱処理して接合することを特徴とする。
本発明で用いる第1シール層用のペーストには、第2シール層用のシートより多くの結晶相となる物質(例えばセラミックス粉末)が含まれている。よって、ペーストの焼成時の変形を抑制し易いと同時に、シートは比較的変形しやすいため、ペーストに追従する形でのシールが容易である。よって、熱処理後の第2シール層にクラックが発生しにくいという効果がある。
従って、本発明は、例えば微細径の円筒型のセルを高密度で集積したような複雑形状を有する固体酸化物形燃料電池のガスシール部分に対して、ガスシールすることが容易である。また、このシート及びペーストを用いる方法は、大量生産に適した方法であり、複雑形状を有する固体酸化物形燃料電池のガスシールを、安価に行うことができる。
(9)請求項9の発明では、前記ガラス材料に前記結晶相となるフィラーを混合した材料を用いて、前記第1シール層形成用のペースト及び第2シール層形成用のシートを作製することを特徴とする。
本発明では、ペーストやシートの材料を例示したものであり、フィラーの添加量が多いほど、熱処理時の流動性を抑制することができる。
10)請求項10の発明では、ドクターブレード法により、前記第2シール層形成用のシートを作製することを特徴とする。
本発明では、ドクターブレード法により、容易にシート状にすることができ、しかも、シート状にすることで、ガスシール性が得やすいという効果がある。
11)請求項11の発明では、前記シート又は該シートの仮焼成体の表面に前記ペーストを塗布し、該ペーストにより前記シート又はその仮焼成体を前記燃料電池構成部材に密着させ、前記ガラスが軟化する温度で熱処理して、前記シート又はその仮焼成体を前記燃料電池構成部材の表面に接合することを特徴とする。
本発明では、シート又は仮焼成体にペーストを塗布して燃料電池構成部材の表面に密着させて熱処理するという手法により、容易に、シート(従って第2シール層)の熱変形を抑えたガスシールを実現することができる。
ここで、仮焼成体とは、熱処理における本焼成より低い温度(例えば50〜100℃程度低い温度)で焼成したものであり、これにより、焼成前のシートより硬質のシートが得られる。
12)請求項12の発明では、前記シート又はその仮焼成体は、筒状の内側電極とその外周面に形成された固体電解質層とを有する燃料電池チューブが貫通する貫通孔を有しており、該貫通孔に前記燃料電池チューブを通し、前記熱処理により、前記シート又はその仮焼成体を前記燃料電池構成部材の表面に接合することを特徴とする。
本発明は、燃料電池チューブの形状に合わせたシール方法を例示したものである。これにより、複雑形状であっても、容易に且つ確実にガスシールすることができる。
本発明により、筒状の内側電極とその外周面に形成された固体電解質層とを有する燃料電池チューブが、(例えば多孔質の導電性部材からなる)燃料電池構成部材の表面に形成されたガスシール層を貫いた構成が得られる。
以下、固体酸化物形燃料電池の各構成について詳細に説明する。
・内側電極及び外側電極は、それぞれ、燃料ガスと接触する燃料極、酸素源となる酸化剤ガスと接触する空気極として使用される。
・「燃料極」は、水素源となる燃料ガスと接触し単セルにおける負電極として機能する。
この燃料極としては、金属(特にNi)粒子とセラミックス粒子からなるサーメットを採用できる。金属としては、Ni以外に、Cu、Fe、Co、Ag、Pt、Pd、W、Mo、及びこれらの合金等を採用できる。セラミックスとしては、ジルコニア、YSZ、ScSZ、SDC、GDC、アルミナ、シリカ、チタニアなどが挙げられる。特に、YSZ、ScSZ、SDC、GDCが望ましい。これらは、酸素イオン導電性があり、燃料極の電気化学的活性を高めるからである。
・「空気極」は、酸素源となる酸化剤ガスと接触し、単セルにおける正電極として機能する。
空気極の材料としては、固体電解質形燃料電池の使用条件等により適宜選択することができる。この材料としては、例えば金属、金属の酸化物、金属の複合酸化物等を用いることができる。金属としては、Pt、Au、Ag、Pd、Ir、Ru、Ru等の金属又は2種以上の金属を含有する合金が挙げられる。
更に、金属の酸化物としては、例えば、La、Sr、Ce、Co、Mn、Fe等の酸化物(例えば、La23、SrO、Ce23、Co23、MnO2、FeO等)が挙げられる。また、複酸化物としては、La、Pr、Sm、Sr、Ba、Co、Fe、Mn等のうちの少なくとも1種を含有する各種の複合酸化物(例えば、La1-xSrxCoO3系複合酸化物、La1-xSrxFeO3系複合酸化物、La1-xSrxCo1-yFey3系複合酸化物、La1-xSrxMnO3系複合酸化物、Pr1-xBaxCoO3系複合酸化物、Sm1-xSrxCoO3系複合酸化物等)が挙げられる。
・「固体電解質層」としては、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)、ScSZ(スカンジア安定化ジルコニア)、SDC(サマリアをドープしたセリア)、GDC(ガドリアをドープしたセリア)、ペロブスカイト系酸化物等が挙げられる。これらは、単一膜でもよいし、2種以上の組成が積層構造となっている多層膜でもよい。多層膜としては、例えばYSZ+SDC膜、YSZ+GDC膜などが挙げられる。
この固体電解質層は、燃料電池の動作時に燃料極に導入される燃料ガス又は空気極に導入される支燃性ガスのうち一方の少なくとも一部をイオンとして移動させることができるイオン伝導性を有する。どのようなイオンを伝導することができるかは特に限定されないが、イオンとしては、例えば、酸素イオン及び水素イオン等が挙げられる。
・燃料電池構成部材のうち、例えば燃料電池チューブの外側の電極の周囲に配置される多孔質の導電性部材の構成材料としては、Ag、La、Sr、Mn、Co、Fe、Sm、Ce、Pr、Nd、Ca、Ba、Ni、Mg、Tiのいずれかの元素、又はこれらの元素を1種類以上含む酸化物を採用できる。例えば、La1-xSrxCrO3系材料(外側が燃料極及び空気極のどちらの電極でも可)、La1-xSrxCo1-yFey3系材料(外側が空気極の場合のみ可)、La1-xSrxMnO3系材料(外側が空気極の場合のみ)、Sm1-xSrxCoO3系材料(外側が空気極の場合のみ)等の通気性を有する材料を採用できる。
・「燃料ガス」は、水素、水素源となる炭化水素、水素と炭化水素との混合ガス、及びこれらのガスを所定温度の水中を通過させ加湿した燃料ガス、これらのガスに水蒸気を混合させた燃料ガス等が挙げられる。
炭化水素は特に限定されず、例えば、天然ガス、ナフサ、石炭ガス化ガス等が挙げられる。更に、メタン、エタン、プロパン、ブタン及びペンタン等の炭素数が1〜10、好ましくは1〜7、より好ましくは1〜4の飽和炭化水素、並びにエチレン及びプロピレン等の不飽和炭化水素を主成分とするものが好ましく、飽和炭化水素を主成分とするものが更に好ましい。これらの燃料ガスは1種のみを用いてもよいし、2種以上を併用することもできる。また、窒素及びアルゴン等の不活性ガスを含有していてもよい。
・「酸化剤ガス」は、酸素と他の気体との混合ガス等が挙げられる。また、この混合ガスには80体積%以下の窒素及びアルゴン等の不活性ガスが含有されていてもよい。これらの支燃性ガスのうちでは安全であって、且つ安価であるため空気(約80体積%の窒素が含まれている。)が好ましい。
以下、本発明の実施形態の例について説明する。
[実施形態]
ここでは、固体酸化物形燃料電池として、多数の固体酸化物形燃料電池セル(単セル)が集積されたキューブ状の固体酸化物形燃料電池スタック(以下単に燃料電池キューブとも記す)及びその製造方法について説明する。
a)まず、本実施例の燃料電池キューブの全体構成について説明する。
図1に示す様に、本実施例の燃料電池キューブ1では、多数の円筒状の燃料電池チューブ3が平行に配列された燃料電池層状部5、即ち、燃料電池チューブ3が軸方向に平行に配置されて左右方向に1列に並んだ燃料電池層状部5が形成されており、この燃料電池層状部5は、図の上下方向に平行に複数層形成されている。
また、燃料電池層状部5は、外側電極(空気極)7を介して多孔質の導電性板状体(集電体)9により、上下方向から挟まれた状態となっている。つまり、燃料電池層状部5は、外側電極7や導電性板状体9を介して積層された状態となっており、図の上下方向から空気極側の電気を取り出すことが可能となっている。
なお、ここでは、(燃料電池チューブ3が配列された)燃料電池層状部5と外側電極7と導電性板状体9からなる部材を燃料電池キューブ本体11と称し、燃料電池キューブ本体11から燃料電池チューブ3を除いた部分を導電性部材13と称する。
更に、本実施形態では、後に詳述する様に、燃料電池キューブ本体11の両端面、すなわち、円筒状の燃料電池チューブ3が突出する一対の端面には、各燃料電池チューブ3の軸方向の端部(開口を有する突出部分)4以外を覆う様に、ガスのリークを防止するガスシール層15が形成されている。つまり、キューブ状の導電性部材13において、燃料電池チューブ3の軸方向の両端面を覆うようにガスシール層15が接合されている。
以下、各構成について更に詳しく説明する。
図2に示す様に、燃料電池チューブ3は、燃料ガス(例えば水素)に接する円筒状の内側電極(燃料極)17と、その外周面に形成された酸素イオン導電性を有する固体電解質層19からなり、固体電解質層19の外周面に、酸化剤ガス(例えば空気中の酸素)に接触する外側電極7が形成されている。
尚、燃料電池チューブ3の本数は、説明が容易な様に各図では異なって記載されているが、当然ながら実際には同じ本数(例えば縦10本×横10本=合計100本)である。
前記外側電極7は、同図の横1列に配置された他の同様な燃料電池チューブ3(従って各固体電解質層19)の外周面に接触し、他の燃料電池チューブ3と共用されている。つまり、外側電極7は、各燃料電池チューブ3と導電性板状体9の間に配置されて、各燃料電池チューブ3と導電性板状体9とを接続(接合)している。
従って、内側電極17と固体電解質層19と(共用される)外側電極7とから、1つの燃料電池(セル)21が構成されていることになる。
前記燃料電池チューブ3は、図3に示す様に、外径が3mm以下の円筒であり、円筒状の例えば厚み50〜400μmの内側電極17の外表面のうち、その両端を除いて例えば厚み2〜30μmの固体電解質層19で覆ったものである。
また、導電性板状体9は、図4に示す様に、上下両側に、燃料電池チューブ3が嵌め込まれる断面形状が半円状の溝23が平行に形成されたものである。尚、燃料電池キューブ1の上端及び下端の導電性板状体9には、1面側のみに溝23が形成されている。
特に、本実施形態では、図5に示す様に、導電性部材13において、燃料電池チューブ3の軸方向の両端面を覆うようにガスシール層15が接合されており、このガスシール層15は、導電性部材13側の第1シール層25とその上に積層された第2シール層27とから構成されている。
第1シール層25及び第2シール層27は、ガラス相中に結晶相を含むガラスシール層であり、各シール層25、27においては、それぞれ結晶相の体積比が異なる。具体的には、第1シール層25は、例えば、Ba,Mg,Zn,Si,Alを含むガラスを主成分とし、結晶相として例えば、MgOからなるセラミックス成分を5〜40体積%含んでいる。一方、第2シール層27は、例えば、Ba,Mg,Zn,Si,Alを含むガラスを主成分とし、結晶相として例えば、MgOからなるセラミックス成分を0〜15体積%含んでいる。
つまり、第1シール層25及び第2シール層27は、共にガラス相中にセラミックス粒子(粉末)が混在した構成のガラスシール層であり、第1シール層25に含まれるセラミックスの含有量は、第2シール層27に含まれるセラミックスの含有量より多く設定されている。
ここで、第1シール層25と第2シール層27とにおける結晶層が同一の種類である場合には、元素の拡散が少なくなり長期安定性を確保しやすい。また、第1シール層25に第2シール層27に含有していない結晶層が含まれている場合、第2シール層を形成する熱処理時に、第2シール層が第1シール層に追従しやすい。
上述した燃料電池キューブ1では、導電性板状体9を介して、前記図1のX方向に空気を流し、Y方向に燃料ガスを流すことにより、発電を行うことができる。また、発電された電気は、例えば、内側電極(燃料極)17側の集電を燃料電池チューブ3の両端から、外側電極(空気極)7の側の集電を同図の上下平面から取り出すことができる。
また、前記燃料電池キューブ1は、例えば図6に示す様に、装置をコンパクトにして高い出力を得るために、例えば三段に積層した積層キューブ31として使用される。
この場合、燃料電池キューブ1の燃料ガスを供給及び排出するY方向の両側において、燃料電池チューブ3の開口を有する端部4を囲むようして、マニホールド33で覆う。即ち、積層キューブ31のY方向の両端面をマニホールド33、35で覆う。同様にして、燃料電池キューブ1の空気を供給及び排出するX方向の両側をマニホールド37、39で覆う。
そして、燃料供給側のマニホールド33のパイプ41を介して燃料ガスを供給すると、燃料ガスは燃料電池チューブ3の円筒内を通って反応した後、燃料排出側のマニホールド35のパイプ43を介して排出される。同様にして、空気給側のマニホールド37のパイプ45を介して空気を供給すると、空気は多孔質の導電性部材13を通って反応した後、空気排出側のマニホールド39のパイプ47を介して排出される。
b)次に、前記燃料電池キューブ1の製造方法について説明する。
(1)燃料電池キューブ本体作製工程
例えば平均粒子径0.1〜2μm(望ましくは0.1〜1μm、更に望ましくは0.3〜0.8μm)のNiO:50重量%、平均粒子径0.1〜2μm(望ましくは0.1〜1μm、更に望ましくは0.3〜0.8μm)のGd0.2Ce0.81.9:39重量%、セルロース系バインダ:7重量%を、乾式ミキサで1時間混合後、水を粉末に対して14外重量%添加して、更に30分混合した。
この混合物を3本ロールに通した後、作製した素地を1晩放置した。
その後、図7に示す様に、前記素地を一軸油圧シリンダ型押し出し成型機51にて、押し出し成形を行った。
また、Gd0.2Ce0.81.9に対し、ブチラール系バインダ:4外重量、メチルエチル
ケトン:100外重量%を加え、24時間混合してスラリー53とし、そのスラリー53中に、前記押し出し成形によって形成した燃料極成形体55を浸漬した。これによって、燃料極成形体55の表面に固体電解質の被膜57を形成した。
その後、被膜57を形成した燃料極成形体55を、大気中にて1400℃で1時間同時焼成して、燃料電池チューブ3を製造した。
一方、平均粒子径10〜60μm(望ましくは20〜50μm、更に望ましくは30〜50μm)のLa0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83(LSCF粉末)93重量%、セルロース系バインダ7重量%を、乾式ミキサで1時間混合後、水を粉末に対して14外重量%添加して、更に30分混合した。
尚、上記LSCF粉末の様な粗大粒子を得る方法としては、LSCF粉末(0.1〜2μm程度)を仮焼成した後、粒度調整して使用する方法、又は、LSCF粉末(0.1〜2μm程度)を転動造粒機やスプレードライなどを用いて球状粒子とし、仮焼後使用する方法がある。
そして、前記混合物を3本ロールに通した後、作製した素地を1晩放置した。
その後、前記素地をスクリュー型押し出し成型機(図示せず)にて、押し出し成形を行った。
次に、この成形体を、大気中にて1200〜1500℃で1〜3時間焼成して、導電性板状体9を製造した。これにより、平均粒子径が大きな導電性板状体9が得られる。
その後、導電性板状体9の表面(燃料電池チューブ3を挟む溝23側の表面)に、外側電極7の電極材料を塗布した。具体的には、平均粒子径0.1〜2μm(望ましくは0.1〜1μm、更に望ましくは0.3〜0.8μm)のLSCF粉末に対して、バインダとしてエチルセルロース:5外重量%、分散剤:1外重量%、ブチルカルビトール:13外重量%を加え、3本ロールにて混合したペースト59をスクリーン印刷にて溝23が埋まるように塗布した。
そして、導電性板状体9の溝23上に、燃料電池チューブ3を設置し、他の導電性板状体9で挟み込み積層した。
その後、大気中にて1000℃で2時間焼成し、ブロック状の導電性部材13に多数の燃料電池チューブ3が貫挿された構造の燃料電池キューブ本体11を得た。
(2)ガスシール層形成工程
軟化点700℃、粒子径平均4μmのBa,Mg,Zn,Si,Alを含むからなるガラス粉末と、所定量(例えばガラスに対して20体積%)の粒子径平均2μmのマグネシア粉末とに、ポリビニルブチラール、アミン系分散剤、可塑剤を適量添加し、エタノールとトルエンを溶媒としてスラリーとした。
得られたスラリーを用いて、ドクターブレード法によりシートを形成して切断し、図8に示す様に、厚さ300μmのガラスシート61を得た。このガラスシート61に対して、打ち抜き加工により、各燃料電池チューブ3が貫挿される多数の貫通孔63を形成した。
これとは別に、前記ガラス粉末と、所定量(例えばガラスに対して5体積%)の前記マグネシア粉末とに、エチルセルロース、アミン系分散剤を適量添加し、ブチルカルビトールを溶媒としてペーストを作製した。
このペーストを、前記ガラスシート61の一方の面に塗布して、ペースト層65を形成した。
そして、このペースト層65を有するガラスシート61を、ペースト層65を導電性部材13側にし、貫通孔63に燃料電池チューブ3を通して、燃料電池キューブ本体11の端面(即ち導電性部材13の端面)に接合した。なお、ガラスシート61は、ペースト層65の粘着力により、燃料電池キューブ本体11の両端面に密着した。
なお、ガスシール層15から突出した各燃料電池チューブ3の根本部分には、ペースト層65を有するガラスシート61を接着する際に、ガスシール層15と燃料電池チューブ3との間隙から流出したガラス成分等が帯状に付着している。
その後、この燃料電池キューブ本体11を、ガラスの軟化点より高い、例えば700℃にて2時間加熱し、ペースト層65を軟化させて、ガラスシート61を燃料電池キューブ本体11に強固に接合した。
なお、ガラスシート61には、ペースト層65よりも多くのセラミックスが含まれているので、ペースト層65が軟化した場合でも、その形状は殆ど崩れない。
これによって、燃料電池キューブ本体11の端面にガスシール層15が接合された燃料電池キューブ1が得られる。
c)上述した様に、本実施形態の燃料電池キューブ1は、燃料電池キューブ本体11の端面に、(セラミックスの含有量が多い)ペースト層65を介して(セラミックスの含有量が少ない)ガラスシート61を密着させて加熱して接合するので、燃料電池キューブ本体11の端面から多数の燃料電池チューブ3が突出する複雑な構造であっても、高い気密性を実現できる。すなわち、ガスシール層15は、燃料電池チューブ3と隙間無く密着しているので、ガスシール層15を挟んで、導電性部材13側(内側)とその反対側(外側:燃料電池チューブ3が突出する側)との間でガスがリークすることがない。
従って、前記図6に示した様に、燃料供給側及び排出側をマニホールド33、35で覆った状態で、燃料電池キューブ1に燃料ガスを供給する場合には、燃料電池チューブ3の端部4の周囲に燃料ガスを充填するが、本実施形態では、ガスシール層15は、燃料電池チューブ3と隙間無く密着しているので、導電性部材13の内側とその外側との間でガスがリークすることがない。よって、非常に効率の良い装置となる。
(実験例1)
次に、本発明の効果を確認する実験例について説明する。
本実験例は、前記実施形態とほぼ同様な構成の試料を作製し、そのガスシール性を調べたものである。
<試料の作製>
・前記実施形態と同様にして、下記表1の各種の組成のガラスシートを作製した。
・前記実施形態と同様にして、下記表1の各種の組成のガラスペーストを作製した。
・テスト用多孔体を、下記の方法で作製した。
La0.6Sr0.4Co0.2Fe0.83(LSCF粉末)に対して、ポリメタクリル酸メチルのビーズを100外重量%混合し、更にLSCF粉末に対してセルロース系バインダ7重量%を、乾式ミキサで1時間混合後、水を粉末に対して14外重量%添加して、更に30分混合した。この様にして作製したはい土を一晩放置し、その後前記はい土をスクリュー型押出成形機にて平板状に押出成形し、正方形に切断し、この成形体を大気にて、1400℃で1時間焼成し、テスト用多孔体を得た。
<ガラスシートの熱処理時の収縮率の確認方法>
前記ガラスシートを1cm角(厚み50〜500μm)に切断し、その片面全面にスクリーン印刷法により、厚さ200μmとなるように前記ガラスペーストを塗布した。3分程度放置した後、ガラスシートに塗布したガラスペーストを接着剤として、2cm角のテスト用多孔体の表面に貼り付けて、700℃、2時間の条件で熱処理を加えた。そして、熱処理を加える前と加えた後のガラスシートの寸法を測定し、熱処理前と後とでどの程度収縮したかを算出し、収縮率(長さ方向)を求めた。その結果を、下記表1及び表2に記す。
<ガスシール性の確認方法>
前記収縮率の測定に用いた試料を利用し、図9に示す測定器具71を用いて、ガスシール性の確認を行った。
この測定器具71は、上下の環状のパッキン73、75の間に、(テスト用多孔体57の表面にガラスシール79を貼り付けた)試料81を、ガラスシール79を上側して挟み込み、上方治具83を図示しないネジにより締め付けてシールし、ガスボンベ85からガス(例えば、空気)を、測定器具71の中央の流路87に供給するものである。
具体的には、試料81の片面(上側)より0.2MPaのガス圧を加えた状態で、ガス供給バルブ89を閉め、ガス供給バルブ89を閉じたときから10時間後に、加えたガス圧がどの程度減少しているかをガス圧計91により確認した。その結果を下記表1に記す。
Figure 0005268131
Figure 0005268131
この表1及び表2から明らかな様に、実施例の試料No.1〜15は、ガラスシートに混合されているMgOの添加量が、ガラスペーストに混合されているMgOの添加量より少ないので、ガラスシートの熱収縮率が2%以下であり、10時間後のガラスリーク量が5%以下と少なく好適である。
また、この表1及び表2から、ガラスシートへのMgOの添加量が増加するにつれて、ガラスシートの収縮が大きくなることが分かる。更に、ガラスペーストへのMgOの添加量が増加すると、熱処理時のガラスシートの収縮量が少なくなることが分かる。また、ガスのリーク率については、ガラスシート及びガラスペーストへのMgOの添加量が増えれば増えるほど、ガスリークが大きくなることが分かる。
また、実施例No.2、13〜15を比較すると、第2シール層の厚さを変化させているが、シート厚さが薄くなるとともに、第2シール層の第1シール層への追従性が良くなり、ガラスシートの収縮率が小さくなることが分かる。
なお、比較例の試料No.1、3、6、12は、ガラスペーストへのMgOの添加量が多すぎたため、ガスリーク率が高くなってしまったと考えられる。比較例試料No.8〜12は、ガラスシート中へのMgO添加量が多すぎたため、ガスリーク率が高くなってしまったと考えられる。比較例試料No.2、4、5、7、8は、ガラスシートへのMgO添加量に対し、ガラスペーストのMgO添加量のほうが少なく、その結果、ガラスシートの収縮量が多くなってしまったと考えられる。
比較例No.13は、ガラスシートが15μmと薄く、シートの取り扱いが困難で試料が作製できなかった。また、比較例No.14はシートが600μmと厚く、第2シール層の第1シール層への追従性が悪く、ガラスシートの収縮率が大きくなったと考えられる。
尚、本発明は前記実施態様等になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば前記実施形態では、ドクターブレード法で作製したガラスシートを用いたが、このガラスシートに代えて、ガラスシートの仮焼成体を用いてよい。
この仮焼成体を用いる場合には、打ち抜き工程の段階で、仮焼成工程による収縮量を計算して、燃料電池キューブのチューブ配管に合わせて打ち抜き、650℃、1時間の条件にて仮焼成することにより得ることができる。ここでの熱処理温度は、本焼成の温度に対し、50〜100℃より低い温度を焼成することが望ましい。
固体電解質型燃料電池キューブを示す斜視図である。 図1のA−A断面の一部を拡大して示す断面図である。 固体電解質型燃料電池キューブに用いられる燃料電池チューブを示す斜視図である。 固体電解質型燃料電池キューブに用いられる導電性板状体を示す斜視図である。 固体電解質型燃料電池キューブのガスシール部分を拡大して示す説明図である。 複数の固体電解質型燃料電池キューブが組み合わされた装置を分解して示す説明図である。 固体電解質型燃料電池キューブの製造方法を示す説明図である。 固体電解質型燃料電池キューブのガスシール部分の形成方法を示す説明図である。 実験例の実験方法を示す説明図である。
符号の説明
1…固体酸化物形燃料電池スタック(燃料電池キューブ)
3…燃料電池チューブ
5…燃料電池層状部
7…空気極(外側電極)
9…導電性板状体
11…燃料電池キューブ本体
13…導電性部材
15…ガスシール層
17…燃料極(内側電極)
19…固体電解質層
21…燃料電池セル
25…第1シール層
27…第2シール層

Claims (12)

  1. 固体酸化物形燃料電池を構成する燃料電池構成部材と、該燃料電池構成部材に接合されてガスのシールを行うガスシール層とを備えた固体酸化物燃料電池において、
    前記燃料電池構成部材は、筒状の内側電極と該内側電極の外周面に形成された固体電解質層とを少なくとも有する燃料電池チューブを備えるとともに、
    前記燃料電池チューブは、前記燃料電池構成部材から前記ガスシール層を貫いて外部に突出するように構成されており、
    更に、前記ガスシール層は、ガラスを主成分とする複数のシール層からなり、その複数のシール層のうち少なくとも1層はガラス相中に結晶相を含むシール層であって、
    前記複数のシール層は、前記燃料電池構成部材に接する第1シール層と、該第1シール層の表面に形成された第2シール層とを備えるとともに、前記第1シール層における結晶相の体積比が、前記第2シール層における結晶相の体積比より大であり、
    且つ、前記第2シール層の厚さが、20〜500μmであることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。
  2. 前記第1シール層と第2シール層とにおけるガラス相の構成元素が、同一であることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。
  3. 前記各シール層に混合する少なくとも1種のフィラーの添加量の差により、前記第1シール層と第2シール層との結晶相の体積比を違えたものであり、前記フィラーは前記結晶相を構成する物質であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体酸化物形燃料電池。
  4. 前記第1シール層のフィラーの添加量が、5〜40体積%であることを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  5. 前記第2シール層のフィラーの添加量が、0〜15体積%であることを特徴とする請求項3又は4に記載の固体酸化物形燃料電池。
  6. 前記ガラスの軟化点が、500℃以上であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  7. 前記フィラーは、Al、Mg、Zr、Ce、Siの元素のうち少なくとも1種を含む酸化物、又はこれらの酸化物の混合物であることを特徴とする請求項のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池。
  8. 前記請求項1〜のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法であって、
    前記第1シール層形成用のペーストと前記第2シール層形成用のシートとを作製し、前記燃料電池構成部材の前記燃料電池チューブが突出する側の表面に前記ペーストを介して前記シートを密着させて熱処理して接合することを特徴とする固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  9. 前記ガラス材料に前記結晶相となるフィラーを混合した材料を用いて、前記第1シール層形成用のペーストと前記第2シール層形成用のシートとを作製することを特徴とする請求項8に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  10. ドクターブレード法により、前記第2シール層形成用のシートを作製することを特徴とする請求項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  11. 前記シート又は該シートの仮焼成体の表面に前記ペーストを塗布し、該ペーストにより前記シート又はその仮焼成体を前記燃料電池構成部材に密着させ、前記ガラスが軟化する温度で熱処理して、前記シート又はその仮焼成体を前記燃料電池構成部材の表面に接合することを特徴とする請求項8〜10のいずれか1項に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
  12. 前記シート又はその仮焼成体は、筒状の内側電極とその外周面に形成された固体電解質層とを有する燃料電池チューブが貫通する貫通孔を有しており、
    該貫通孔に前記燃料電池チューブを通し、前記熱処理により、前記シート又はその仮焼成体を前記燃料電池構成部材の表面に接合することを特徴とする請求項11に記載の固体酸化物形燃料電池の製造方法。
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