JP5267341B2 - シールドコネクタ - Google Patents
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Description
しかしながら、成形時には筒状部の外周に密着するようにシールドシェルが取付られていても、材料がわずかに加工前の形状に戻るいわゆるスプリングバックにより、シールドシェルの一部が筒状部の外面に対して浮き上がるおそれがある。この浮き上がりが生じると、シールドシェルの形状に応じて形成されている相手側コネクタとの嵌合に支障をきたすことが懸念される。
上記構成によれば、シールドシェルの浮き規制片がコネクタハウジングの筒状部に埋設されているため、シールドシェルが浮き規制片を介して筒状部に固定される。よって、コネクタハウジングに対するシールドシェルの浮き上がりを防止することができる。
(1)前記浮き規制片は、前記筒状部のうち、嵌合方向における中間部に埋設される。
このようにすれば、よりシールドシェルの浮きが生じやすい部分の浮きを防止することができる。
このようにすれば、よりシールドシェルの浮きが生じやすい部分の浮きを防止することができる。
本実施形態におけるシールドコネクタ(以下、コネクタ10という)は、図示しないモータを内部に収容した金属製のケース(図示しない)に取り付けられ、モータ側に電気的に接続されるとともに、モータに駆動電力を供給する図示しないECU(Engine Control Unit)側に電気的に接続されて使用される。以下では、上下方向については図2を基準とし、図2の左方を前方、右方を後方として説明する。
ハウジング20は、ECU側の電線の端末に備えられた電源側端末部(図示せず)と接続可能な接続部21と、図示しないケースの取付孔に挿入可能な取付部30と、接続部21及び取付部30とを連結する連結部27とを有する。
筒状部22は、4枚の壁面部22A〜22Dが連なって略正方形の角筒形に構成したものであって、下側の底壁部22Cの外面には、前後方向(嵌合方向)に延びるリブ23が形成されている。
筒状部22の内部には、各端子金具33がそれぞれ収容される端子収容室を区画する仕切り壁29が設けられている。
これら3つの端子収容室からは、それぞれ端子金具が33突出している。
嵌合凸部24は、正規嵌合状態にロックするために相手側コネクタに設けられるロック機構に係合するものであり、相手側コネクタのカムのカム溝に挿通されるカム軸部25と、相手側コネクタのロック機構におけるカムの内面に摺接するカム受け部26とを有する。
カム受け部26は、壁面部22B,22Dに対して膨らみを有する部分であり、カム軸部25を含むように形成される。
具体的には、図5に示すように、カム軸部25の後方にて平坦な面を有する平坦部26Aと、平坦部26Aの後方側にて傾斜状に低くなる傾斜部26Bとを有する。
そして、相手側コネクタ(図示しない)のカムに凹設されたカム溝がカム軸部25に挿通されると、カムの内面が平坦部26Aに摺接しつつカムが所定位置まで回転し、両コネクタ10が正規嵌合状態でロックされる。
取付部30は、取付孔の形状に沿う略円柱状をなしている。
取付部30の直上の位置には、ケースの外面に沿って張り出すフランジ部31が備えられている。このフランジ部31は、図3に示すように、ハウジング20の連結部27から左右両側および後側へ張り出した板状をなしている。フランジ部31には、フランジ部31を上下方向(厚さ方向)に貫通するカラー挿通孔が形成されている。
カラー挿通孔には、円筒形状で金属製のカラー32が挿通され、カラーの内周には、ネジ溝が形成されている。カラー32は、ハウジング20を取付孔に取り付けたときに、ケースの図示しないネジ締め孔の上側に配される。
そして、ハウジング20は、接続部21の軸線がケースの外面と略平行に配され、接続部21とケースとの間に所定の間隔が空けられた姿勢でケースに取り付けられるようになっている。
シールドシェル40の左右の平面部41B,41Dには、共に、筒状部22の嵌合凸部24が挿通される凸部挿通孔46が形成されている。
凸部挿通孔46は、嵌合凸部24を挿通可能な形状及び大きさで形成されている。
前方の浮き規制片42は、凸部挿通孔46の後端部から後方に延びる一対のスリット44,44の間に設けられており、シールドシェル40の面に面一に連なって凸部挿通孔46に向けて突出する基端部42Aと、この基端部42Aから段差状に内側に入り込む陥入部42Bと、陥入部42Bから前方に突出する埋設部42Cとからなる。
これにより、前方の浮き規制片42は、筒状部22の壁面部22B,22Dの中央部(前後方向の中間部)に埋設されるようになる。
この浮き規制片43は、シールドシェル40の面に面一に連なって後方に突出する基端部42Aと、この基端部42Aから段差状に内側に入り込む陥入部42Bと、陥入部42Bから後方に突出する埋設部42Cとからなる。
なお、後方の浮き規制片43は筒状部22の後端部に埋設されているが、この部分の筒状部22の内側は、奥壁部28及び連結部27の前端部となっており(図5参照)、後方の浮き規制片43の部分におけるハウジング20(筒状部22)は厚肉になっている。
なお、陥入部42Bが入り込む深さ(径)は、埋設部42Cの全体が筒状部22に埋設される深さであり、筒状部22の肉厚、埋設部42Cの板厚等に応じて、埋設部42Cが筒状部22の外部や内部に露出しない深さが設定される。
シールドシェル40は、一定の幅寸法で形成された金属板材を湾曲させて形成されており、例えば、打ち抜き加工を施した後に、浮き規制片42,43の部分に曲げ加工を施すことにより形成できる。
そして、図示しない金型内にこのシールドシェル40を屈曲(湾曲)させた状態で配置した後に、金型内に液状の樹脂を流し込む。なお、この金型は、シールドシェル40の凸部挿通孔46の部分については、凹部が形成されている。
そして、ハウジング20の連結部27の部分に図示しないシールドカバーを取り付けるとともに、取付部30がケースに取り付けられてシールドコネクタ10が固定される。このとき、シールドシェル40がシールドカバーを介して機器のグランドに接続される。
(1)シールドシェル40の浮き規制片42,43がコネクタ10ハウジング20の筒状部22に埋設されているため、シールドシェル40が浮き規制片42,43を介して筒状部22に固定される。よって、ハウジング20に対するシールドシェル40の浮き上がりを防止することができる。
実施形態2を図6〜図8を参照して説明する。
実施形態1のシールドシェル40に形成した前方側の浮き規制片42は、シールドシェル40の面から段差状に内側に入り込むように形成されていたが、実施形態2のシールドシェル140に形成した前方側の浮き規制片142は、図8に示すように、シールドシェル140の面と面一に連なるように形成されて嵌合凸部24の側面から陥入されるものである。以下、実施形態1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
浮き規制片142は、前後方向に長い長方形の板状をなし、その全体が平坦(シールドシェル140の面と面一)な形状となっている。
なお、後方側の浮き規制片43は、実施形態1と同様である。
浮き規制片42を筒状部22の内部に埋設する場合には、その分筒状部22の肉厚を厚くしたり、浮き規制片42の厚みを薄くする必要があるが、実施形態2によれば、浮き規制片142を筒状部22の内部ではなく、筒状部22から突出する嵌合凸部24に埋設するから、筒状部22の肉厚を厚くしたり、浮き規制片の厚みを薄くする必要をなくすことが可能になる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、金属板材に曲げ加工を施して浮き規制部42,43を形成することとしたが、これに限られず、図9に示すように、金属板材の厚みを薄肉とし、この薄肉になった部分を浮き規制部242,243として筒状部22に埋設させるようにしてもよい。
20…ハウジング(コネクタハウジング)
21…接続部
22…筒状部
22A〜22D…壁面部
24…嵌合凸部
25…カム軸部
26…カム受け部
26B…傾斜部
27…連結部
28…奥壁部
40…シールドシェル
41A〜41D…平面部
42,43,142…浮き規制片
42A…基端部
42B…陥入部
42C…埋設部
46…凸部挿通孔
Claims (4)
- 相手側コネクタとの嵌合方向に開口して前記相手側コネクタと嵌合する筒状部を有する合成樹脂製のコネクタハウジングと、
前記コネクタハウジングに保持される端子金具と、
前記筒状部の外周を覆うシールドシェルと、
前記シールドシェルに設けられ、前記筒状部に埋設されて前記シールドシェルが前記筒状部から浮くことを規制する浮き規制片と、を有し、
前記ハウジングは、前記シールドシェルを配置した金型内に樹脂を流し込んで固化させて形成されており、
前記筒状部の外面には、相手側コネクタとの嵌合の際に前記相手側コネクタのロック機構に係合する嵌合凸部が突出するとともに、前記浮き規制片は、前記嵌合凸部に陥入して埋設されるシールドコネクタ。 - 前記浮き規制片は、前記筒状部のうち、嵌合方向における中間部に埋設されることを特徴とする請求項1記載のシールドコネクタ。
- 前記筒状部は、4枚の壁面部により角筒形に構成したものであって、
前記浮き規制片は、前記壁面部の中央部に埋設されることを特徴とする請求項2記載のシールドコネクタ。 - 前記浮き規制片は、前記シールドシェルの面に面一に連なるように形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載のシールドコネクタ。
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