しかしながら、上記の各方法にはいくつかの課題がある。
半導体装置のパッケージは、周囲の温度によって反り量が変動する。このため、半田を用いて半導体装置のパッケージを搭載する場合において、半田付けの際や半田が固まった後の周囲温度の変化によって、半導体装置のパッケージに反りが発生する場合があるが、こうした反りに対してプリント配線基板等の周囲の部材が十分に追随できないという課題がある。この課題においては、用いる半田の融点以下の温度領域、及び動作時の温度差によって発生する半導体装置のパッケージの反りが接続部分に残留応力として伝わり、接続部分の信頼性が低下する傾向となる。特に、近年、車載機器のように急激な温度変化がある環境下で使用される電子機器が増えており、製造後の半導体装置のパッケージの反りへの十分な追随が可能で接続信頼性の高い実装構造の開発が望まれている。
また、半導体装置のパッケージの反りは周囲温度に応じて変化し、反りの発生度合いをあらかじめ予測することが容易ではないので、半導体装置のパッケージの反りに応じて半田量を制御することや、設計段階でパッドの面積や形状を一義的に決めることが難しいという課題がある。さらに、半田量の制御やパッドの面積や形状の変更では、端子のピッチ制限等から大きな反り量を吸収することが困難という課題もある。このため、半田量の制御やパッド面積や形状の変更という方法では、近年の鉛フリー化による半田融点の高温化、及び半導体装置のパッケージの薄型化により大きくなってきた反り量に対応することができなくなっているのが実情である。こうした具体例についてさらに詳しく説明する。
図9は、関連技術の模式的な断面図である。図9に示すように、プリント配線基板90上に、半田ボール92を有するBGAの形態をした半導体装置のパッケージ94が搭載されている。半導体装置のパッケージ94は下に凸に反った形状である。同図の実装構造は、半導体装置のパッケージ94の反りを吸収するためにパッド91上に印刷する半田ペースト93の量を、半導体装置のパッケージ94の反りが大きい場所は多く、反りが小さい場所は少なく制御する構造である。しかし、温度によって変化する半導体装置のパッケージ94の反り量に合わせて半田ペースト93の量を決定することが困難で、かつ多量の半田ペースト93を用いた場合、隣接するパッド91間でのショート不良を引き起こす可能性もあり、大きな反りを吸収することが困難となる。また、半田による接続のため、半田が固まる温度より低い温度範囲での半導体装置のパッケージ94の反り変動を吸収することができず、半田接続部に残留応力をためてしまい、接続信頼性の悪化も招きやすい。
図10は、関連技術の他の模式的な断面図である。図10に示すように、プリント配線基板96上に、半田ボール97を有するBGAの形態をした半導体装置のパッケージ98が搭載されている。半導体装置のパッケージ98は下に凸に反った形状である。半導体装置のパッケージ98の反りを吸収するため、プリント配線基板96上のパッド99の面積を、半導体装置のパッケージ98の反りが大きい場所は小さく、反りが小さい場所は大きく制御している。しかし、温度によって変化する半導体装置のパッケージ98の反り量に合わせてパッド99の大きさを設計段階で決定することが難しく、かつパッド99のピッチ制限から大きな面積のパッド99を形成することも難しく、大きな反りを吸収することが困難となる。また、半田による接続のため、半田が固まる温度より低い温度範囲での半導体装置のパッケージ98の反り変動を吸収することができず、半田接続部に残留応力をためてしまい、接続信頼性の悪化も招きやすい。
図11は、関連技術のさらに他の模式的な断面図である。図11に示すように、プリント配線基板87上に、半田ボール88を有するBGAの形態をした半導体装置のパッケージ89が搭載されている。半導体装置のパッケージ89は下に凸に反った形状である。半導体装置のパッケージ89の反りを吸収するため、プリント配線基板87に、凹状に形成された凹状パッド95が設けられている。同図の実装構造は、半導体装置のパッケージ89の反りによって下に突出した半田ボール88を凹状パッド95で受ける構造である。しかし、温度によって変化する半導体装置のパッケージ89の反り量に合わせて凹状パッド95の深さを設計段階で決定することが難しく、かつ薄型化が進むプリント配線基板において深い凹状のパッドを形成することも難しく、大きな反りを吸収することが困難となる。また、半田による接続のため、半田が固まる温度より低い温度範囲での半導体装置のパッケージ89の反り変動を吸収することができず、半田接続部に残留応力をためてしまい、接続信頼性の悪化も招きやすい。
さらに、プリント配線基板上に、半導体装置の下段パッケージと上段パッケージを2段積み重ねてPoP(Package on Package)のパッケージ形態を構成する場合には、上記接続信頼性を確保することがさらに難しいという課題がある。より具体的には、半導体装置のパッケージの薄型化に伴って、下段パッケージのモールド上面と、上段パッケージ底面間のクリアランスが小さくなっている。このため、下段パッケージと上段パッケージとを半田で接続するだけでは、周囲温度によって反りが変動する環境下において上記のクリアランスを維持することが困難で、パッケージ間の接続信頼性が悪化しやすい傾向となる。
そして、半導体装置のパッケージとプリント配線基板との各接続端子において、隣接する端子間が、半導体装置のパッケージの反りによって短絡しやすくなるという課題もある。こうした隣接する接続端子間の短絡の発生により、接続端子間の距離を小さくした端子狭ピッチ化の実現が難しいという課題がある。
こうした課題を解決するために、半導体装置のパッケージとプリント配線基板間に外部接続端子、カラム、ワイヤを挿入して熱応力や機械的応力を吸収する方法がある。
しかし、こうした方法は、半導体装置のパッケージとプリント配線基板間に端子等を組み立てることが容易でないという課題がある。また、こうした方法では、上述した半導体装置のパッケージの反りによる隣接する端子間の短絡の発生を十分に抑制できないという課題もある。
このため、端子等の組み立て性を向上させ、端子間の短絡を抑制するために保持部材等で端子を保持する構造も採用されている。しかしながら、こうした構造においては、保持部材が端子を完全に包み込むため端子本来の弾性が失われ、半導体装置のパッケージの大きな反りの変動に追随できないという課題が解決できていないのが実情である。また、上記の保持部材等の採用は、半導体装置のパッケージとプリント配線基板との間に端子と保持部材を介在させることになり、半導体装置のパッケージの実装高さが高くなり、薄型化が困難という課題もある。こうした具体例についてさらに詳しく説明する。
図12は、関連技術のさらに他の模式的な断面図である。図12においては、説明の便宜のために、保持部材124内部に存在するワイヤ123の外形を点線で示している。図12に示すように、同図の実装構造は、基板120上にチップ125が搭載されている構造である。基板120の表面には基板側電極パッド121が、チップ125の裏面にはチップ側電極126が形成されている。同図の実装構造は、基板120とチップ125の間には上部につば部128を備えるワイヤ123が位置し、基板側半田付け部122及びチップ側半田付け部127において半田付けすることで、基板120とチップ125間の接続を得る構造である。より具体的には、ワイヤ123が基板120とチップ125の熱的変動時における変形量を吸収する構造である。しかしながら、ワイヤ123は保持部材124によって固定されている。このため、ワイヤ123を保持部材124で包み込んでしまうためにワイヤ123本来の弾力性が失われ、大きな反りを吸収することが困難となる。また保持部材124がチップ125の配下全面に存在するため、保持部材124の特定部分に応力が集中し、ワイヤ123の変位を妨げる可能性もある。さらに、チップ125の配下全面に保持部材124が介在する構造のため、チップ125の搭載高さが高くなり、薄型化の実現も困難になる。
本発明の第1の目的は、上記課題を解決するためになされたものである。より具体的には、半田付け搭載時や動作時における周囲の温度変化によって発生する半導体装置のパッケージの大きな反り対しての追随が可能で、接続部分に残留応力をためることなく高い接続信頼性を実現でき、実装構造を製造する場合において複雑な製造プロセスを経る必要がなく、隣接する接続端子間の短絡が発生しにくく、半導体装置のパッケージの低い実装高さを実現できる、コンタクト支持体を提供することにある。さらに、PoPのパッケージ形態においても高い接続信頼性を確保できるコンタクト支持体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記課題を解決するためになされたものである。より具体的には、半田付け搭載時や動作時における周囲の温度変化によって発生する半導体装置のパッケージの大きな反り対しての追随が可能で、接続部分に残留応力をためることなく高い接続信頼性を実現でき、実装構造を製造する場合において複雑な製造プロセスを経る必要がなく、隣接する接続端子間の短絡が発生しにくく、半導体装置のパッケージの低い実装高さを実現できる、実装構造を提供することにある。さらに、PoPのパッケージ形態においても高い接続信頼性を確保できる実装構造を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明のコンタクト支持体は、プリント配線基板と半導体装置のパッケージとの間又は2つの半導体装置のパッケージの間に配置されるコンタクト支持体であって、支持体と、該支持体に設けられた複数のコンタクトガイド孔と、該コンタクトガイド孔内に配置された弾性を備えるコンタクトと、を有し、前記支持体に前記コンタクトの端部が固定され、該コンタクトが前記コンタクトガイド孔内で上下動可能となっている、ことを特徴とする。
本発明のコンタクト支持体の好ましい態様においては、前記支持体が、前記プリント配線基板と前記半導体装置のパッケージとの直接の接続、又は前記2つの半導体装置のパッケージの間の直接の接続を可能とする第1の貫通孔をさらに有する。
本発明のコンタクト支持体の好ましい態様においては、前記支持体が、複数の第2の貫通孔をさらに有する。
本発明のコンタクト支持体の好ましい態様においては、前記支持体が、前記プリント配線基板と前記半導体装置のパッケージとの接続端子毎、又は前記2つの半導体装置のパッケージの間の接続端子毎に設けられる第3の貫通孔をさらに有し、該第3の貫通孔により、前記プリント配線基板と前記半導体装置のパッケージとの直接の接続、又は前記2つの半導体装置のパッケージの間の直接の接続が可能となっている。
本発明のコンタクト支持体の好ましい態様においては、前記コンタクトが、端子接続部と、該端子接続部に接続して設けられるバネ部と、該バネ部に接続して設けられるプリント配線基板接続部と、を有する。
本発明のコンタクト支持体の好ましい態様においては、前記プリント配線基板接続部が前記支持体に固定されている。
上記課題を解決するための本発明の半導体装置の実装構造は、プリント配線基板と、該プリント配線基板の上に配置されるコンタクト支持体と、該コンタクト支持体の上に設置される半導体装置のパッケージと、を有する半導体装置の実装構造であって、前記コンタクト支持体が、支持体と、該支持体に設けられた複数のコンタクトガイド孔と、該コンタクトガイド孔内に配置された弾性を備えるコンタクトと、を有し、前記支持体に前記コンタクトの端部が固定され、該コンタクトが前記コンタクトガイド孔内で上下動可能となっている、ことを特徴とする。
本発明の半導体装置の実装構造の好ましい態様においては、前記支持体が、前記プリント配線基板と前記半導体装置のパッケージとの直接の接続を可能とする第1の貫通孔をさらに有する。
本発明の半導体装置の実装構造の好ましい態様においては、前記支持体が、複数の第2の貫通孔をさらに有する。
本発明の半導体装置の実装構造の好ましい態様においては、前記支持体が、前記プリント配線基板と前記半導体装置のパッケージとの接続端子毎に設けられる第3の貫通孔をさらに有し、該第3の貫通孔により、前記プリント配線基板と前記半導体装置のパッケージとの直接の接続が可能となっている。
本発明の半導体装置の実装構造の好ましい態様においては、前記コンタクトが、端子接続部と、該端子接続部に接続して設けられるバネ部と、該バネ部に接続して設けられるプリント配線基板接続部と、を有する。
本発明の半導体装置の実装構造の好ましい態様においては、前記プリント配線基板接続部が前記支持体に固定されている。
本発明の半導体装置の実装構造の好ましい態様においては、前記半導体装置のパッケージの上に、第2の半導体装置のパッケージが第2のコンタクト支持体を介してさらに設けられ、該第2のコンタクト支持体が、第2の支持体と、該第2の支持体に設けられた複数の第2のコンタクトガイド孔と、該第2のコンタクトガイド孔内に配置された弾性を備える第2のコンタクトと、を有し、前記第2の支持体に前記第2のコンタクトの端部が固定され、該第2のコンタクトが前記第2のコンタクトガイド孔内で上下動可能となっている。
本発明のコンタクト支持体によれば、支持体と、この支持体に設けられた複数のコンタクトガイド孔と、このコンタクトガイド孔内に配置された弾性を備えるコンタクトと、を有し、支持体にコンタクトの端部が固定され、コンタクトがコンタクトガイド孔内で上下動可能となっているので、支持体に保護されたコンタクトがコンタクトガイド孔内において大きく上下動できるために、その結果、半導体装置のパッケージの大きな反りへの追随が可能で、高い接続信頼性を実現でき、複雑な製造プロセスを経る必要がなく、隣接する接続端子間の短絡が発生しにくく、低い実装高さを実現できるコンタクト支持体が提供できる。さらに、PoPのパッケージ形態においても高い接続信頼性を確保できるコンタクト支持体を提供することができる。
本発明の半導体装置の実装構造によれば、コンタクト支持体が、支持体と、この支持体に設けられた複数のコンタクトガイド孔と、このコンタクトガイド孔内に配置された弾性を備えるコンタクトと、を有し、支持体にコンタクトの端部が固定され、コンタクトがコンタクトガイド孔内で上下動可能となっているので、支持体に保護されたコンタクトがコンタクトガイド孔内において大きく上下動できるために、その結果、半導体装置のパッケージの大きな反りへの追随が可能で、高い接続信頼性を実現でき、複雑な製造プロセスを経る必要がなく、隣接する接続端子間の短絡が発生しにくく、低い実装高さを実現できる半導体装置の実装構造が提供できる。さらに、PoPのパッケージ形態においても高い接続信頼性を確保できる接続構造を提供することができる。
以下にこうした効果をより具体的に説明する。
まず、半導体装置のパッケージの実装において、本発明のコンタクト支持体及び半導体装置の実装構造を用いることで、動作時の周囲の温度変化による半導体パッケージとプリント配線基板の大きな反りの変動を、弾性力を失うことなく支持体に固定された多数のコンタクトが吸収し、半田接続部分に残留応力をためることなく、高い接続信頼性を維持しやすくなる。
また、半導体装置のパッケージの実装において、本発明のコンタクト支持体及び半導体装置の実装構造を用いることで、半導体装置のパッケージやプリント配線基板が、半田付け搭載時における温度変化によって反り量を大きく変動させても、弾性力を失うことなく支持体に固定された多数のコンタクトが反りを吸収し、かつ半田が固まった後の反りの変動も吸収するため、半田接続部分に残留応力をためることなく、接続信頼性の高い半導体装置のパッケージの搭載が実現しやすくなる。
さらに、半導体装置のパッケージの実装において、本発明のコンタクト支持体及び半導体装置の実装構造を用いることで、半導体装置のパッケージの反りに応じた半田量の制御やプリント配線基板のパッド形状の変更が不要で、一般的な半導体装置のパッケージ形状とパッド形状が採用でき、半導体装置のパッケージの搭載時に複雑な製造プロセスを踏むことなく大きな反り量を吸収しやすくなる。
さらに、半導体装置のパッケージの実装において、本発明のコンタクト支持体及び半導体装置の実装構造を用いることで、支持体が接続端子間に存在することから、隣接する接続端子間のショート不良を抑制しやすくなり、接続端子の狭ピッチ化が図りやすくなる。
さらに、プリント配線基板上に半導体装置の下段パッケージと上段パッケージを2段積み重ねてPoPのパッケージ形態を構成する場合において、本発明のコンタクト支持体及び半導体装置の実装構造を用いることで、下段パッケージのモールド上面と上段パッケージの底面とのクリアランスを確保しながら半導体パッケージを搭載することができ、接続信頼性の高い実装と低背実装が行いやすくなる。
以下、本発明の実施例につき説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変形して実施することができる。
図1は、本発明の半導体装置の実装構造の一例の模式的な断面図である。半導体装置の実装構造1は、第1プリント配線基板5と、第1プリント配線基板5の上に配置されるコンタクト支持体11と、コンタクト支持体11の上に設置される半導体装置のパッケージ16と、を有する。コンタクト支持体11は、図1に示すように、第1プリント配線基板5と半導体装置のパッケージ16との間に配置され、支持体6と、支持体6に設けられた複数のコンタクトガイド孔7と、コンタクトガイド孔7内に配置された弾性を備えるコンタクト12と、を有し、支持体6にコンタクト12の端部が固定され、コンタクト12がコンタクトガイド孔7内で上下動可能となっている。これにより、支持体6に保護されたコンタクト12a,12b,12cがコンタクトガイド孔7内において大きく上下動できるために、その結果、半導体装置のパッケージ16の大きな反りへの追随が可能で、高い接続信頼性を実現でき、複雑な製造プロセスを経る必要がなく、隣接する接続端子間の短絡が発生しにくく、低い実装高さを実現できるコンタクト支持体11が提供できる。こうしたコンタクト支持体11を用いた半導体装置の実装構造1についてさらに詳しく説明する。
半導体装置の実装構造1は、コンタクト支持体11を用いて、第1プリント配線基板5上に、半導体装置のパッケージ16を搭載している。
第1プリント配線基板5は、半導体装置のパッケージ16を接続し支持するために用いられる。第1プリント配線基板5上には、半導体装置のパッケージ16と接続するための複数のパッド9が形成されている。
コンタクト支持体11は、弾性を備える複数のコンタクト12a,12b,12cと、コンタクト12a,12b,12cが上下方向に自由に動作するのをガイドするとともにコンタクト12a,12b,12cを保護するコンタクトガイド孔7を備える支持体6と、を有する。より具体的には、コンタクト12a,12b,12cの端部は、支持体6に固定され、コンタクト12a,12b,12cはコンタクトガイド孔7内で上下動可能となっている。
支持体6は、第1プリント配線基板5と半導体装置のパッケージ16との直接の接続を可能とする第1の貫通孔8をさらに有する。第1の貫通孔8を設けることにより、半導体装置のパッケージ16の端子を選択的に第1プリント配線基板5と直接接続することができ、半導体装置のパッケージ16の多種の反り形状に対応することを可能とすると共に、半導体装置のパッケージ16を低背で実装しやすくなる。
半導体装置のパッケージ16は、第2プリント配線基板13と、半導体装置17と、これを封止するためのモールド18とを備え、底面には第1プリント配線基板5と接続するためのパッド14と半田ボール15を複数備えている。半導体装置のパッケージ16は薄く形成され、半田付け搭載時の高温環境下において、半導体装置のパッケージ16の上部と下部の熱膨張の差等に起因する反りが発生しやすい構造である。なお、図1においては、半導体装置のパッケージ16が下に凸に反った状態を示している。
半導体装置の実装構造1において、半導体装置のパッケージ16の最も下に突出した中央部の半田ボール15dは、コンタクト支持体11に設けた第1の貫通孔8を通過し、第1プリント配線基板5上のパッド9と直接接続する。半導体装置のパッケージ16の外周3列の半田ボール15a,15b,15cは、それぞれ弾性を備えるコンタクト12a,12b,12cを介して、第1プリント配線基板5上のパッド9と接続している。
半導体装置の実装構造1におけるコンタクト12a,12b,12cは、上部に半田ボール15a,15b,15cと接続する部分を備え、かつ下部に第1プリント配線基板5のパッド9と接続する部分を備える。コンタクト12a,12b、12cは、上下を半田19で接続されることで、半導体装置のパッケージ16と第1プリント配線基板5との接続中継の役割をはたす。但し、図1において、コンタクト12a、12b,12cの上部と半田ボール15a,15b、15cとを接続する半田は図示していない。コンタクト12a,12b,12cは、半導体装置のパッケージ16の反り量に応じて所定の縦寸法及び弾性力のものを選択することが可能である。こうしたコンタクトの詳細については後述する。
半導体装置の実装構造1のように、半導体装置のパッケージ16が下に凸の場合、最外周に位置するコンタクト12aほど変位量が小さく、最内周のコンタクト12cの変位量は大きくなる。外周から2列目のコンタクト12bは、その間の変位量となる。このように、弾性を備える複数のコンタクト12a,12b、12cが所定量に変位することで、半導体装置のパッケージ16と第1プリント配線基板5の反りの変動を吸収することが可能になる。特に、半導体装置のパッケージ16の半田付け搭載時以降、すなわち半田が固まってから以降に発生する半導体装置のパッケージ16の反りの変動も吸収でき、接続部分に残留応力を残しにくい効果をもたらす。また、中央部の半田ボール15dは第1の貫通孔8を通過して第1プリント配線基板5上のパッド9と直接接続できるため、半導体装置のパッケージ16の反り対策を考慮した上で、低背の半導体パッケージの実装高さを実現している。
図2は、本発明のコンタクト支持体の一例の模式的な平面図と断面図の一部である。より具体的には、図2(a)には、図1の半導体装置の実装構造1に用いているコンタクト支持体11の模式的な平面図が示され、図2(b)には、A−A’断面におけるコンタクト支持体11の模式的な断面図が示されている。
コンタクト支持体11は、図2(a)に示すように、半導体装置のパッケージの外周3列分の半田ボールを受けるように弾性を備える複数のコンタクト12a,12b,12cを配列した構造を有する。コンタクト支持体11は、複数のコンタクト12a,12b,12cと、それを固定するために耐熱性を備えた絶縁体で構成した支持体6を備えている。また、コンタクト12a,12b,12cの回りには、コンタクト12a,12b,12cを保護しかつコンタクト12a,12b,12cが自由に変位できるようにガイドするコンタクトガイド孔7が形成されている。
コンタクト支持体11の中心部には、コンタクト12a,12b,12cを必要としないエリアとして、第1の貫通孔8を設けている。第1の貫通孔8は、半導体装置のパッケージの端子を選択的にプリント配線基板と直接接続することを可能にするために設けられるものである。第1の貫通孔8を設けることにより、支持体6の特定部分に応力を集中させることなく、コンタクト12a、12b,12cを半導体装置のパッケージ16の反りに良好に追随させやすくなる。
コンタクト12は、図2(b)に示すように、端子接続部27と、端子接続部27に接続して設けられるバネ部26と、バネ部26に接続して設けられるプリント配線基板接続部25と、を有する。そして、支持体6に設けられた固定部20において、プリント配線基板接続部25が支持体6に固定されている。コンタクト12の周りには、コンタクト12のバネ部26が上下方向に自由に変位できるようにガイドするコンタクトガイド孔7が形成されている。このように、コンタクト12の端部を支持体6に固定し、コンタクトガイド孔7によりバネ部26の上下動をガイドすることにより、コンタクト12がコンタクトガイド孔7内で上下動可能となるとともに、コンタクト12の大きな上下動が可能となり、コンタクト12の有する弾性力を良好に発揮できるようになる。また、支持体6に設けられたコンタクトガイド孔7により、コンタクト12同士が隔離されるので、コンタクト12の保護や隣接するコンタクト12とのショート防止の効果も備えることができる。上述のとおり、コンタクト12は、その上部に半導体装置のパッケージの半田ボールと接続するための端子接続部27を備える。そして、コンタクト12の下部に設けられたプリント配線基板接続部25は、プリント配線基板のパッドとの電気的な接続を確保するために、その一部が、固定部20を介して支持体6の下部に飛び出している。これにより、コンタクト12が、半導体装置のパッケージと第1プリント配線基板の接続中継の役割を果たすことになる。
図3は、本発明の半導体装置の実装構造の他の一例の模式的な断面図である。図3に示す半導体装置の実装構造2と、図1の導体装置の実装構造1と、の大きな違いは、コンタクト支持体21の構造にある。すなわち、コンタクト支持体21においては、支持体24が複数の第2の貫通孔29をさらに有する。第2の貫通孔29を設けることにより、半導体装置のパッケージ16と第1プリント配線基板5との間に挿入するコンタクト支持体21の支持体24がより変形しやすくなり、支持体24の特定部分への応力集中がより抑制されて、半導体装置のパッケージ16の反りにコンタクト22がより追随しやすくなる。以下、半導体装置の実装構造2について詳しく説明する。
半導体装置の実装構造2は、コンタクト支持体21を用いて、第1プリント配線基板5上に、半導体装置のパッケージ16を搭載している。第1プリント配線基板5及び半導体装置のパッケージ16は、図1に示す半導体装置の実装構造1と同様のものを用いればよい。このため、説明の重複を避けるため、第1プリント配線基板5及び半導体装置のパッケージ16についての詳細な説明は省略する。
コンタクト支持体21は、弾性を備える複数のコンタクト22a,22b,22cと、コンタクト22a,22b,22cが上下方向に自由に動作するのをガイドするとともにコンタクト22a,22b,22cを保護するコンタクトガイド孔23を備える支持体24と、を有する。より具体的には、コンタクト22a,22b,22cの端部は、支持体24に固定され、コンタクト22a,22b,22cはコンタクトガイド孔23内で上下動可能となっている。
支持体24は、第1の貫通孔28、第2の貫通孔29を有する。第1の貫通孔28は、第1プリント配線基板5と半導体装置のパッケージ16との直接の接続を可能とし、半導体装置のパッケージ16の多種の反り形状に対応することを可能とすると共に、半導体装置のパッケージ16を低背で実装しやすくするために設けられるものである。一方、第2の貫通孔29は、隣接するコンタクトガイド孔23の間に設けられている。第2の貫通孔29は、端子通過用でない貫通孔であり、支持体24の特定部分への応力集中を回避し、半導体装置のパッケージ16の反りにコンタクト22a,22b,22cが良好に追随できるようにするためのものである。
半導体装置の実装構造2において、半導体装置のパッケージ16の最も下に突出した中央部の半田ボール15dは、コンタクト支持体21に設けた第1の貫通孔28を通過し、第1プリント配線基板5上のパッド9と直接接続する。半導体装置のパッケージ16の外周3列の半田ボール15a,15b,15cは、それぞれ弾性を備えるコンタクト22a,22b,22cを介して、第1プリント配線基板5上のパッド9と接続している。
半導体装置の実装構造2におけるコンタクト22a,22b,22cは、上部に半田ボール15a,15b,15cと接続する部分を備え、かつ下部に第1プリント配線基板5のパッド9と接続する部分を備える。コンタクト22a,22b、22cは、上下を半田19で接続されることで、半導体装置のパッケージ16と第1プリント配線基板5との接続中継の役割をはたす。但し、図3において、コンタクト22a、22b,22cの上部と半田ボール15a,15b、15cとを接続する半田は図示していない。コンタクト22a,22b,22cは、半導体装置のパッケージ16の反り量に応じて所定の縦寸法及び弾性力のものを選択することが可能である。
半導体装置の実装構造2のように、半導体装置のパッケージ16が下に凸の場合、最外周に位置するコンタクト22aほど変位量が小さく、最内周のコンタクト22cの変位量は大きくなる。外周から2列目のコンタクト22bは、その間の変位量となる。このように、弾性を備える複数のコンタクト22a,22b、22cが所定量に変位することで、半導体装置のパッケージ16と第1プリント配線基板5の反りの変動を吸収することが可能になる。特に、半導体装置のパッケージ16の半田付け搭載時以降、すなわち半田が固まってから以降に発生する半導体装置のパッケージ16の反りの変動も吸収でき、接続部分に残留応力を残しにくい効果をもたらす。また、中央部の半田ボール15dは第1の貫通孔28を通過して第1プリント配線基板5上のパッド9と直接接続できるため、半導体装置のパッケージ16の反り対策を考慮した上で、低背の半導体パッケージの実装高さを実現している。さらに、コンタクト支持体21では、隣接するコンタクトガイド孔23の間に第2の貫通孔29を備えている。第2の貫通孔29を設けることにより、支持体24の特定部分に応力集中させることなく、半導体装置のパッケージ16の反りにコンタクト22a,22b,22cを良好に追随させやすくなる。
図4は、本発明のコンタクト支持体の他の一例の模式的な平面図と断面図の一部である。より具体的には、図4(a)には、図3の半導体装置の実装構造2に用いているコンタクト支持体21の模式的な平面図が示され、図4(b)には、B−B’断面におけるコンタクト支持体21の模式的な断面図が示されている。
コンタクト支持体21は、図4(a)に示すように、半導体装置のパッケージの外周3列分の半田ボールを受けるように弾性を備える複数のコンタクト22a,22b,22cを配列した構造である。コンタクト支持体21は、複数のコンタクト22a,22b,22cと、それを固定するために耐熱性を備えた絶縁体で構成した支持体24を備えている。また、コンタクト22a,22b,22cの回りには、コンタクト22a,22b,22cを保護しかつコンタクト22a,22b,22cが良好に変位できるようにガイドするコンタクトガイド孔23が形成されている。
コンタクト支持体21の中心部には、コンタクト22a,22b,22cを必要としないエリアとして第1の貫通孔28を設けている。第1の貫通孔28は、半導体装置のパッケージの端子を選択的にプリント配線基板と直接接続することを可能にするために設けられるものである。また、支持体24において、隣接するコンタクト22a,22b,22cの間には、分布して、第2の貫通孔29が複数配置されている。第1の貫通孔28と第2の貫通孔29を設けることにより、支持体24の特定部分に応力集中をさせることなく、支持体24内のコンタクト22a,22b,22cを半導体装置のパッケージの反りに良好に追随させやすくなる。特に、隣接するコンタクトガイド孔23の間に備えた第2の貫通孔29が、支持体24の特定部分への応力集中防止に寄与し、コンタクト22a,22b,22cが、半導体装置のパッケージ16の反りに対してより良好に追随しやすくなっている。
コンタクト22は、図4(b)に示すように、端子接続部32と、端子接続部32に接続して設けられるバネ部31と、バネ部31に接続して設けられるプリント配線基板接続部30と、を有する。そして、支持体24に設けられた固定部33において、プリント配線基板接続部30が支持体24に固定されている。コンタクト22の周りには、コンタクト22のバネ部31が上下方向に自由に変位できるようにコンタクトガイド孔23を形成している。このように、コンタクト22の端部を支持体24に固定し、コンタクトガイド孔23によりバネ部31の上下動をガイドすることにより、コンタクト22がコンタクトガイド孔23内で上下動可能となるとともに、コンタクト22の大きな上下動が可能となり、コンタクト22の有する弾性力を良好に発揮できるようになる。また、支持体24に設けられたコンタクトガイド孔23により、コンタクト22同士が隔離されるので、コンタクト22の保護や隣接するコンタクト22とのショート防止の効果も備えることができる。上述のとおり、コンタクト22は、その上部に半導体装置のパッケージの半田ボールと接続するための端子接続部32を備える。そして、コンタクト22の下部に設けられたプリント配線基板接続部30は、プリント配線基板のパッドとの電気的な接続を確保するために、その一部が、固定部33を介して支持体24の下部に飛び出している。これにより、コンタクト22が、半導体装置のパッケージと第1プリント配線基板の接続中継の役割を果たすことになる。
図5は、本発明の半導体装置の実装構造のさらに他の一例の模式的な断面図である。図6は、本発明のコンタクト支持体のさらに他の一例の模式的な平面図と断面図の一部である。より具体的には、図6(a)には、図5の半導体装置の実装構造3に用いているコンタクト支持体41の模式的な平面図が示され、図6(b)には、C−C’断面におけるコンタクト支持体41の模式的な断面図が示されている。
図5の半導体装置の実装構造3と、図1の導体装置の実装構造1と、の大きな違いは、コンタクト支持体41の構造にある。第1に、図1のコンタクト支持体11の第1の貫通孔8の代わりに、コンタクト支持体41においては、支持体44が複数の第3の貫通孔34を有する。第3の貫通孔34は、第1プリント配線基板5と半導体装置のパッケージ16との接続端子毎に設けられ、第1プリント配線基板5と半導体装置のパッケージ16との直接の接続を可能とするものである。第2に、コンタクト支持体41においては、第2の貫通孔46の断面が十文字の形状(「+」型)となっている。第3に、コンタクト支持体41には中央貫通孔45が設けられている。以上の相違点以外は、図1に示す半導体装置の実装構造1と同様のものを用いればよい。このため、説明の重複を避けるために以下では上記相違点についてのみ説明する。
コンタクト支持体41に備える第3の貫通孔34は、図5,6に示すように、半導体装置のパッケージ16と第1プリント配線基板5とを直接接続する半田ボール15dを囲むように設けられている。第3の貫通孔34を設けることにより、第1プリント配線基板5に直接接続する半田ボール15dの周囲に支持体44が存在することになり、隣接端子のショートをより抑制しやすくなる。
コンタクト支持体41に備える第2の貫通孔46は、図6(a)に示すように、その形状が+型となっている。第2の貫通孔46は、支持体44の特定部分への応力集中をより分散させるという第2の貫通孔46を設ける目的を良好に達成するために、+型といったような所定の形状のものを採用することができる。
コンタクト支持体41は、支持体44の中央部に中央貫通孔45がさらに設けられている。
図7は、本発明の半導体装置の実装構造のさらに他の一例の模式的な断面図である。図7には、2つの半導体装置のパッケージの間に配置されるコンタクト支持体が示されている。すなわち、半導体装置の実装構造4においては、半導体装置のパッケージ56の上に、第2のコンタクト支持体となるコンタクト支持体51を介して第2の半導体装置のパッケージとなる半導体装置の上段パッケージ77がさらに設けられている。より具体的には、半導体装置の実装構造4においては、2つのコンタクト支持体11,51を用いて、第1プリント配線基板5上に、半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)と、半導体装置の上段パッケージ77と、を2段積み重ねてPoP(Package on Package)のパッケージ形態を構成している。
半導体装置の実装構造4において、第1プリント配線基板5、コンタクト支持体11は、図1に示す半導体装置の実装構造1と同様のものを用いればよいので、ここでの詳細な説明は省略する。
コンタクト支持体51は、第2の支持体としての支持体76と、支持体76に設けられた複数の第2のコンタクトガイド孔としてのコンタクトガイド孔57と、コンタクトガイド孔57内に配置された弾性を備える第2のコンタクトとしてのコンタクト52と、を有する。そして、支持体76にコンタクト52の端部が固定され、コンタクト52がコンタクトガイド孔57内で上下動可能となっている。
コンタクト支持体51は、より具体的には、弾性を備える複数のコンタクト52と、コンタクト52が上下方向に自由に動作するのをガイドするとともにコンタクト52を保護するコンタクトガイド孔57を備える支持体76と、を有する。さらに、コンタクト52の端部は、支持体76に固定され、コンタクト52はコンタクトガイド孔57内で上下動可能となっている。そして、コンタクト支持体11が第1プリント配線基板5と半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)との間に、コンタクト支持体51が、半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)と半導体装置の上段パッケージ77との間に挿入されている。
コンタクト支持体51は、図7においては、第1の貫通孔、第2の貫通孔、及び第3の貫通孔のいずれも有していないが、こうした貫通孔を備えてもよいことは、プリント配線基板と半導体装置のパッケージとの間に設けられるコンタクト支持体と同様である。
半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)は、第2プリント配線基板53と、半導体装置47と、それを封止するためのモールド48と、を備え、底面には第1プリント配線基板5と接続するための半田ボール58を複数備えている。また、第2プリント配線基板53の表面における、モールド48の外周には、半導体装置の上段パッケージ77と接続するための複数のパッド74を備えている。
半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)及び半導体装置の上段パッケージ77は、その厚さが薄いために、半田付け搭載時の高温環境下において、各パッケージの上部と下部の熱膨張の差等に起因する反りが発生しやすい構造である。図7においては、半導体装置のパッケージ56及び半導体装置の上段パッケージ77が共に下に凸になった状態を示しているが、半導体装置の上段パッケージ77の方が、半導体装置のパッケージ56よりも反り量が小さくなっている。
半導体装置のパッケージ56において、最も下に突出した中央部の半田ボール58は、コンタクト支持体11に設けた第1の貫通孔8を通過し、第1プリント配線基板5上のパッド9と直接接続する。半導体装置のパッケージ56の外周3列の半田ボール58は弾性を備えるコンタクト12を介して、第1プリント配線基板5上のパッド9と接続する構造となっている。弾性を備えるコンタクト12は上部に半田ボール58と接続する部分を備え、かつ下部に第1プリント配線基板5のパッド9と接続する部分を備え、上下を半田19にて接続されることによって、半導体装置のパッケージ56と第1プリント配線基板5との接続中継の役割を果たす。但し、図7において、コンタクト12の上部と半田ボール58とを接続する半田は図示していない。コンタクト12は、半導体装置のパッケージ56の反り量に応じて所定の縦寸法及び弾性力のものを選択することが可能である。
半導体装置のパッケージ56が、図7に示すように下に凸の場合、最外周に位置するコンタクト12aほど変位量が小さく、最内周のコンタクト12cの変位量は大きくなる。外周から2列目のコンタクト12bは、その間の変位量となる。このように、弾性を備える複数のコンタクト12a,12b、12cが所定量に変位することで、半導体装置のパッケージ56と第1プリント配線基板5との反りの変動を吸収することが可能になる。特に、半導体装置のパッケージ56の半田付け搭載時以降、すなわち半田が固まってから以降に発生する半導体装置のパッケージ56の反りの変動も吸収でき、接続部分に残留応力を残しにくい効果をもたらす。また、中央の半田ボール58は第1の貫通孔8を通過して第1プリント配線基板5上のパッド9と直接接続できるため、半導体装置のパッケージ56の反り対策を考慮した上で、低背の下段パッケージの実装高さを実現している。
半導体装置の上段パッケージ77は、第3プリント配線基板75、半導体装置67と、それを封止するためのモールド68と、を備え、底面には半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)と接続するためのパッド78、半田ボール79を複数備えている。
半導体装置の上段パッケージ77においては、その底面に接続されている最外周列の半田ボール79aは、半導体装置のパッケージ56のパッド74と直接接続し、外周から2列目の半田ボール79bは、弾性を備えるコンタクト52を介して、半導体装置のパッケージ56のパッド74と接続している。弾性を備えるコンタクト52は、上部に半田ボール79と接続する部分を備え、かつ下部に半導体装置のパッケージ56のパッド74と接続する部分を備える。コンタクト52としては、上下に位置する半導体装置のパッケージ56及び半導体装置の上段パッケージ77の反り量に応じて所定の縦寸法及び弾性力のものを選択することが可能である。
半導体装置の実装構造4においては、図7に示すように、上下に位置する各パッケージが下に凸の形状となっており、かつ、半導体装置の上段パッケージ77の反り量の方が、半導体装置のパッケージ56の反り量よりも少ない。その結果、半導体装置の上段パッケージ77の外周ほど半導体装置のパッケージ56との間隔が狭くなる。そこで、外周から2列目に位置するコンタクト52が所定量に変位することで、上下の各パッケージの反りの変動を吸収することが可能になる。特に、半導体装置のパッケージ56及び半導体装置の上段パッケージ77の半田付け搭載時以降、すなわち半田が固まってから以降に発生する半導体装置のパッケージ56及び半導体装置の上段パッケージ77の反りの変動も吸収でき、接続部分に残留応力を残しにくい効果をもたらす。また、半導体装置の上段パッケージ77の最外周の半田ボール79aは、半導体装置のパッケージ56のパッド74と直接接続できるため、半導体装置の上段パッケージ77の反り対策を考慮した上で低背の半導体装置の上段パッケージ77の実装高さを実現している。
半導体装置の実装構造4においては、図7に示すように、コンタクト支持体11が中央部に第1の貫通孔8を備えており、コンタクト支持体51が中央部に中央貫通孔を有するので、半導体装置のパッケージ56(下段パッケージ)のモールド上面と、半導体装置の上段パッケージ77の裏面と、の間のクリアランスを確保できる構造となっている。これにより、薄型化が進む半導体装置のパッケージを積み重ねて搭載する場合の良好な接続信頼性が実現されやすくなる。
図8は、コンタクトの一例を示す模式的な斜視図である。コンタクト80は、端子接続部81と、端子接続部81に接続して設けられるバネ部84と、バネ部84に接続して設けられるプリント配線基板接続部86と、を有する。より具体的には、コンタクト80は、端子接続部81、バネ部84、ストレート部85、及びプリント配線基板接続部86を備える。バネ部84とプリント配線基板接続部86とはストレート部85によって接続されている。また、端子接続部81の外周は絶縁膜82で覆われている。これにより、半田がコンタクト80の下部へ移動するのを抑制される。また、端子接続部81上には予備半田83が備えられている。絶縁膜82は、プリント配線基板接続部86を残してバネ部84、ストレート部85も覆っている。これにより、コンタクト80をプリント配線基板上に半田付け実装する場合の半田吸い上がりが抑制される。
コンタクト80は、所定の導電性と弾性を備える材料であればよく、金属バネ材や有機弾性体に金属皮膜をした材料等も用いることが可能である。
以上、本発明のコンタクト支持体及びこのコンタクト支持体を用いた半田装置の実装構造の具体例を説明したが、本発明は上記具体例に限定されるものではない。例えば、コンタクトと貫通孔の配列を調整することで、任意の半田ボール端子を任意の弾性を備えるコンタクトで選択的に受けることが可能となる。また、サイズや弾性の異なるコンタクトを一つのコンタクト支持体内で使用することも可能であり、プリント配線基板やプリント配線基板に搭載する半導体装置のパッケージの反りが下に凸、上に凸の場合や、さらにうねりを持つような場合にも対応が可能となる。
また、支持体の材料は、所定の耐熱性を備える絶縁材料であればよく、例えば、有機樹脂モールド材等を用いることが可能である。
さらに、半導体装置のパッケージ以外の電気部品を本発明のコンタクト支持体に搭載してもよい。さらにこうした電気部品の形態は、BGAに限定されるものではなく、ピングリッドアレイ(PGA)やランドグリッドアレイ(LGA)等の他の形態の電気部品を搭載する場合全般に用いることが可能である。そして、コンタクト上下の接続に使用する半田は、上下間で融点を変えることも可能で、製造プロセスによって選択可能である。