JP5266697B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents
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Description
リニアアクチュエータとしては、具体的には、筒状に形成された固定子と、この固定子の筒孔に挿通されて往復動可能に支持された可動子と、起磁力を発生させるコイルと、筒孔の内壁に可動子を挟んで対向配置された永久磁石と、を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、このように往復動する可動子の変位を測定するためにリニアセンサが用いられる。リニアセンサとしては、例えば、可動部と検出部との相対変位をセンサコイルのインダクタンス変化として検出するものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
このような従来の構成では、リニアアクチュエータとリニアセンサとを予め別々に製作した後に、リニアアクチュエータにリニアセンサを組み込むことになるため、製作と組立に費用と手間がかかり、生産効率の向上に限界があるという問題があった。
また、近年リニアアクチュエータが小型化しており、そのようなリニアアクチュエータではリニアセンサを組み込むスペースが狭くなり、ネジによる組み付けが困難になるという問題があった。
さらに、リニアセンサで可動子の変位を測定するために、リニアセンサ用の可動子を別に設ける必要があり、リニアアクチュエータの小型化に限界があった。
可動子と、該可動子の周囲に配置された固定子と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、前記固定子の内側より突出させ、前記可動子を挟んで対向するように設けた一対の磁路形成突起と、各磁路形成突起を取り囲むように巻回したコイルとを備えるものであり、前記固定子の内側より前記磁路形成突起の延びる方向とは異なる方向に向けて突出させ、前記固定子と前記可動子との相対変位によって磁気抵抗が変化するセンサコア部と、該センサコア部の周囲に巻回され、前記可動子および前記センサコア部からなる磁気回路に交流磁界を発生するためのセンサコイルと、を備え前記可動子の変位量を検出可能なリニアセンサが組み込まれていることを特徴としている。
請求項1に係る発明によれば、リニアアクチュエータを駆動するための磁路をリニアセンサの磁路としても利用することができるため、リニアアクチュエータおよびリニアセンサを小型化することができる。また、リニアアクチュエータを製作すると同時にリニアセンサも組み付けられるため、生産効率を向上することができる。
請求項2に係る発明によれば、センサコイルの励磁電流周波数をバンドパスフィルタなどで分離するようにすることで、リニアアクチュエータを駆動することによる影響を低減することができる。
請求項3に係る発明によれば、リニアセンサをリニアアクチュエータの固定子にネジなどを用いずに一体化するように同時に組み付けることができるため、部品点数を少なくすることができる。つまり、リニアアクチュエータを製作すると同時にリニアセンサも組み付けられ、組み立てに要する時間を短くすることができるとともに、手間をかけずに製作することができ、生産効率を向上することができる。
請求項4に係る発明によれば、複数のリニアセンサの出力値の差動を取ることにより、ノイズ成分を除去した高精度な可動子の変位量を検出することができる。
請求項5に係る発明によれば、複数のリニアセンサの出力値の平均を取ることにより、例えば可動子が外力によって駆動方向以外の方向へ振動した場合など、外乱が発生した場合にも可動子の変位量を高精度に検出することができる。
請求項6に係る発明によれば、可動子を介して対向する一方のリニアセンサの出力値の平均と他方の対向するリニアセンサの出力値の平均との差動を取るか、あるいは軸方向に沿う一方のリニアセンサの差動と他方のリニアセンサの差動との平均を取ることによって、外乱に強く、かつ高精度な測定をすることができる。
請求項7に係る発明によれば、磁路形成突起における凹部の段差を利用してリニアセンサを構成することができるため、別途センサコア部を設ける必要がなくなり、より小型化することができる。
次に、本発明の第一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1〜図4に示すリニアアクチュエータ11は、固定子としての外形略矩形状のヨーク12と、このヨーク12の内側に軸方向に沿い往復動可能に設けられた可動子13と、ヨーク12の内側の左側に固定された永久磁石14、15と、ヨーク12の内側の右側に固定された永久磁石16、17とが備えられている。
なお、ヨーク12は、例えばケイ素鋼板を軸方向に複数枚積層することで形成され、可動子13も同一材質により同様にして形成されている。
図3に示すように、正面視においてヨークが左右に二分割されており、それぞれ分割されたヨーク片31,32が連結用コア33,34により接続されることで、上述したヨーク12と同一の外形略矩形状になるように構成されている。なお、ヨーク片31とヨーク片32とは、左右対称の形状に形成されている。また、ヨーク片31,32および連結用コア33,34はヨーク12と同様にケイ素鋼板で形成されている。
上記構造のリニアアクチュエータ11において、両側のコイル22,23に交流電流を同期して流す。ここで、図5〜図8において、双方のコイル22,23に通電することにより、矢印a又はb方向の磁路を形成し、これによって、可動子13を図6に示す矢印方向F又は図8に示す矢印G方向に前進・後退(往復動)させる。
このように構成したため、センサコイル36の励磁電流周波数をバンドパスフィルタなどで分離するようにすることで、リニアアクチュエータ11を駆動することによる影響を低減することができる。また、センサコイルの励磁電流は、リニアアクチュエータの駆動に影響を与えないように、微弱なものとすることが可能である。
このように構成したため、リニアセンサ37をリニアアクチュエータ11のヨーク12にネジなどを用いずに一体化するように同時に組み付けることができ、部品点数を少なくすることができる。したがって、リニアアクチュエータ11を製作すると同時にリニアセンサ37も組み付けられ、組み立てに要する時間を短くすることができるとともに、手間をかけずに製作することができ、生産効率を向上することができる。
さらに、ヨーク片31,32と連結コア33,34とを溶接により一体化したため、連結コア34に一体的に設けられたリニアセンサ37の位置も固定され、精度よく可動子13の変位量を検出することができる。
本発明の第二実施形態を図10に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とリニアセンサの設置形態が異なるのみで、他の構成は略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図10に示すように、リニアアクチュエータ111には、リニアセンサが可動子13の軸方向に沿う方向に2つ並べて配置されている。図10における左側のリニアセンサを第1リニアセンサ137A、右側のリニアセンサを第2リニアセンサ137Bとする。また、第1リニアセンサ137Aは、第1センサコア135Aと第1センサコイル136Aとで構成され、第2リニアセンサ137Bは、第2センサコア135Bと第2センサコイル136Bとで構成されている。なお、第1リニアセンサ137Aおよび第2リニアセンサ137Bの組み付け方法については、第一実施形態と同様である。
上記構造のリニアアクチュエータ111において、両側のコイル22,23に交流電流を同期して流すと、可動子13が軸方向に前進・後退(往復動)する。
このとき、第1センサコイル136Aおよび第2センサコイル136Bに交流電流を流すと、第1リニアセンサ137Aおよび第2リニアセンサ137Bの駆動磁束がそれぞれ形成される。可動子13が軸方向へ移動すると、第1センサコア135Aと可動子13との重なりδ1が変化し、第1センサコイル136Aのインダクタンスが変化する。同時に、第2センサコア135Bと可動子13との重なりδ2が変化し、第2センサコイル136Bのインダクタンスが変化する。例えば、図10において可動子13が+z方向(左方向)に移動すると、δ1が大きくなり、δ2が小さくなる。すると、第1センサコイル136Aのインダクタンスが増え、第2センサコイル136Bのインダクタンスが減る。そして、第1リニアセンサ137Aと第2リニアセンサ137Bとの出力の差動を取ることにより、ノイズ成分を除去した高精度な検出をすることができる。
このように構成したため、第一実施形態の作用効果に加えて、第1リニアセンサ137Aと第2リニアセンサ137Bとの出力値の差動を取ることにより、ノイズ成分を除去した高精度な可動子13の変位量を検出することができる。
本発明の第三実施形態を図11、図12に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とリニアセンサの設置形態が異なるのみで、他の構成は略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図11、図12に示すように、リニアアクチュエータ211には、リニアセンサが可動子13を介して対向する位置に2つ配置されている。図11における下側のリニアセンサを第1リニアセンサ237A、上側のリニアセンサを第2リニアセンサ237Bとする。また、第1リニアセンサ237Aは、第1センサコア235Aと第1センサコイル236Aとで構成され、第2リニアセンサ237Bは、第2センサコア235Bと第2センサコイル236Bとで構成されている。なお、第1リニアセンサ237Aおよび第2リニアセンサ237Bの組み付け方法については、第一実施形態と同様である。
上記構造のリニアアクチュエータ211において、両側のコイル22,23に交流電流を同期して流すと、可動子13が軸方向に前進・後退(往復動)する。
このとき、第1センサコイル236Aおよび第2センサコイル236Bに交流電流を流すと、第1リニアセンサ237Aおよび第2リニアセンサ237Bの駆動磁束がそれぞれ形成される。可動子13が軸方向へ移動すると、第1センサコア235Aと可動子13との重なりδ1が変化し、第1センサコイル236Aのインダクタンスが変化する。同時に、第2センサコア235Bと可動子13との重なりδ2が変化し、第2センサコイル236Bのインダクタンスが変化する。例えば、図12において可動子13が+z方向(左方向)に移動すると、δ1およびδ2がともに大きくなる。すると、第1センサコイル236Aのインダクタンスおよび第2センサコイル236Bのインダクタンスがともに増える。そして、第1リニアセンサ237Aと第2リニアセンサ237Bとの出力の平均を取ることにより、可動子13が外力によって駆動方向以外の方向(x、y方向)へ振動した場合などでも、外乱に強い出力を得ることができる。
このように構成したため、第一実施形態の作用効果に加えて、第1リニアセンサ237Aと第2リニアセンサ237Bとの出力値の平均を取ることにより、例えば可動子13が外力によって駆動方向以外の方向へ振動した場合など、外乱が発生した場合にも可動子13の変位量を高精度に検出することができる。
本発明の第四実施形態を図13に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とリニアセンサの設置形態が異なるのみで、他の構成は略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図13に示すように、リニアアクチュエータ311には、リニアセンサが可動子13の軸方向に沿う方向に2つ並べて配置されており、かつリニアセンサは可動子13を介して対向する位置に2つ配置されている。つまり、本実施形態ではリニアセンサが4つ配置されている。図13における下側の左側のリニアセンサを第1リニアセンサ337A、右側のリニアセンサを第2リニアセンサ337Bとし、上側の左側のリニアセンサを第3リニアセンサ337C、右側のリニアセンサを第4リニアセンサ337Dとする。
上記構造のリニアアクチュエータ311において、両側のコイル22,23に交流電流を同期して流すと、可動子13が軸方向に前進・後退(往復動)する。
このとき、第1センサコイル336A〜第4センサコイル336Dに交流電流を流すと、第1リニアセンサ337A〜第4リニアセンサ337Dの駆動磁束がそれぞれ形成される。可動子13が軸方向へ移動すると、第1センサコア335Aと可動子13との重なりδ1が変化し、第1センサコイル336Aのインダクタンスが変化する。同時に、第2センサコア335Bと可動子13との重なりδ2が変化し、第2センサコイル336Bのインダクタンスが変化する。さらに、第3センサコア335Cと可動子13との重なりδ3が変化し、第3センサコイル336Cのインダクタンスが変化するとともに、第4センサコア335Dと可動子13との重なりδ4が変化し、第4センサコイル336Dのインダクタンスが変化する。
このように構成したため、第一実施形態の作用効果に加えて、可動子13を介して対向する第1リニアセンサ337Aと第3リニアセンサ337Cの出力値の平均と他方の対向する第2リニアセンサ337Bと第4リニアセンサ337Dの出力値の平均との差動を取るか、あるいは軸方向に沿う一方の第1リニアセンサ337Aと第2リニアセンサ337Bの差動と他方の第3リニアセンサ337Cと第4リニアセンサ337Dの差動との平均を取ることによって、外乱に強く、かつ高精度な測定をすることができる。
本発明の第五実施形態を図14に基づいて説明する。なお、本実施形態は第一実施形態とリニアセンサの設置形態が異なるのみで、他の構成は略同一であるため、同一箇所には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
図14に示すように、リニアアクチュエータ411は、永久磁石14、15が、ヨーク12の内側に設けられた磁路形成突起18の先端面に接着剤によって取り付けられ、また永久磁石16、17が、ヨーク12の内側に設けられた磁路形成突起19の先端面に接着剤によって取り付けられている。
ここで、磁路形成突起18及び19には、可動子13の周面に沿う方向に凹部450が形成されている。そして、凹部450と磁路形成突起19の外周面との間にセンサコイル436が巻回されている。このように構成することで、センサコイル436が巻回されている部分がリニアセンサ437として機能する。
なお、図14では一箇所のみにセンサコイル436が巻回されているが、第二実施形態〜第四実施形態と同様に複数箇所にセンサコイル436を巻回すると、第二実施形態〜第四実施形態と同様の作用効果が得られる。
このように構成したため、磁路形成突起18,19における凹部450の段差を利用してリニアセンサ437を構成することができ、別途センサコア部を設ける必要がなくなり、より小型化することができる。
例えば、本実施形態において、ヨーク(固定子)側にリニアセンサを一体化して配置した場合の説明をしたが、可動子側にリニアセンサを一体化して配置することもできる。なお、この場合、可動体にセンサコイルを巻き付けることになるため、非接触で通電しても良いし、可動子を往復運動可能に支持する部材に配線し通電しても良い。さらに、リニアセンサをヨーク(固定子)や可動子に一体化せず、別の係止方法でリニアアクチュエータ内に組み込んでもよい。
また、本実施形態において、リニアセンサを1つ、2つ、4つ配置した場合で説明をしたが、リニアセンサを3つ配置してもよく、数は限定しない。
さらに、リニアセンサを配置した箇所はヨーク片と連結コアで構成したが、ヨークとセンサコアを1つの部材で一体化してもよい。
そして、本実施形態においては鋼板を積層してヨークを構成する場合の説明をしたが、筒状の部材でヨークを構成し、リニアセンサも鋼板を積層して形成するのではなく連結用コアとセンサコアとが一体化された部材として筒状の部材からなるヨークに組み込むように構成してもよい。
Claims (7)
- 可動子と、
該可動子の周囲に配置された固定子と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、
前記固定子の内側より突出させ、前記可動子を挟んで対向するように設けた一対の磁路形成突起と、各磁路形成突起を取り囲むように巻回したコイルとを備えるものであり、
前記固定子の内側より前記磁路形成突起の延びる方向とは異なる方向に向けて突出させ、前記固定子と前記可動子との相対変位によって磁気抵抗が変化するセンサコア部と、該センサコア部の周囲に巻回され、前記可動子および前記センサコア部からなる磁気回路に交流磁界を発生するためのセンサコイルと、を備え前記可動子の変位量を検出可能なリニアセンサが組み込まれていることを特徴とするリニアアクチュエータ。 - 前記センサコイルの励磁電流周波数が、前記可動子の駆動周波数より高くなっていることを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
- 前記リニアセンサを構成する前記センサコア部が前記固定子の軸方向端部近傍に配置され、当該固定子と連結されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のリニアアクチュエータ。
- 前記リニアセンサが、前記可動子の軸方向に沿う方向に複数配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
- 前記リニアセンサが、前記可動子を介して対向する位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
- 前記リニアセンサが、前記可動子の軸方向に沿う方向に複数配置されるとともに、前記可動子を介して対向する位置にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のリニアアクチュエータ。
- 可動子と、
該可動子の周囲に配置された固定子と、を備えたリニアアクチュエータにおいて、
前記固定子の内側より突出させ、前記可動子を挟んで対向するように設けた一対の磁路形成突起と、各磁路形成突起を取り囲むように巻回したコイルとを備えるものであり、
前記固定子と前記可動子との相対変位によって磁気抵抗が変化するセンサコア部と、前記可動子および前記センサコア部からなる磁気回路に交流磁界を発生するためのセンサコイルと、を備え前記可動子の変位量を検出可能なリニアセンサが組み込まれており、
各磁路形成突起が、軸方向略中央に前記可動子の周方向に沿う方向の凹部が形成されており、当該凹部によって二分される磁路形成突起の少なくとも一方側の周面と前記凹部との間に前記センサコイルが巻回されていることを特徴とするリニアアクチュエータ。
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