JP5266653B2 - リニアアクチュエータ - Google Patents

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本発明は、可動子を往復動させるリニアアクチュエータに関する。
従来より、電磁作用により可動子を往復動させるリニアアクチュエータが利用されている。これらリニアアクチュエータの中には、円環状に形成されたヨークと、このヨーク内に往復動可能に支持された軸部と、この軸部に設けられたプランジャとを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。そして、ヨーク内には、永久磁石とコイルとが設けられている。
このような構成のもと、コイルに通電すると、コイルから発生した磁束が、ヨークから軸部の長さ方向に沿ってプランジャ内を通り、これによりヨークからプランジャにかけて磁束のループが形成される。そのため、軸部が軸線方向に往復動する。
また、他のリニアアクチュエータとして、ソレノイドなどの電磁石を備え、電磁石の吸引力により軸部を吸引するものも知られている。
実開昭57−52787号公報
しかしながら、上記のような特許文献1に記載のリニアアクチュエータでは、プランジャ内に往復動方向に磁束を通すことにより生じる推力のみによって軸部を移動させるため、軸部を適正に往復動させるためには大きなエネルギーが必要となってしまうという問題がある。すなわち、発生する力の大きさが小さく、磁極の位置変化にともなって推力が低下するので小形で大きな推力のものは実現することができない。磁気回路内に永久磁石を組み込んでコイル通電の向きを変え、推力発生方向を変えることができるものの、ストローク端での推力低下が大きいため、比較的大きな推力を利用しようとすると推力低下の無い範囲に限られるので、有効ストロークが短くなってしまう。
一方、上記ソレノイドタイプでは、大きな推力が得られるものの、移動した軸部を戻すために、複数の電磁石を設けるか、バネなどの弾性部材を設ける必要があり、全体として大型化してしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡易な構成により効率を向上させることができるだけでなく、可動範囲にわたって有効な推力を発生させることができるリニアアクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、固定子と、前記固定子に往復動可能に支持された可動子と、前記可動子を往復動させるための磁束を発生させるコイルと、前記固定子及び前記可動子の前記往復動方向の中央に設けられ、前記可動子に前記往復動方向の推力を発生させる推力発生部と、前記固定子及び前記可動子の前記往復動方向の両端のうち少なくとも一方に設けられ、前記可動子を前記往復動方向に吸引する吸引力を発生させる吸引力発生部とを備え、前記推力発生部は、前記固定子又は前記可動子のいずれか一方に設けられた永久磁石を備えたものであり、前記吸引力発生部は、前記固定子又は前記可動子の方の両端に設けられ且つ前記往復動方向から見て前記固定子又は前記可動子の前記一方と重なるように前記往復動方向に交差する方向に突出する一対の突出壁部を備えたものであり、前記コイルに所定方向の電流を流した場合に、前記コイルからの磁束及び前記永久磁石からの磁束が、前記固定子又は前記可動子の前記方のうち前記往復動方向の一方の端面及び前記一対の突出壁部のうち一方の突出壁部を通ることにより、これら一方の端面及び一方の突出壁部の間に磁極が形成されて吸引力が生じるとともに、前記コイルに前記所定方向とは逆方向の電流を流した場合に、前記コイルからの磁束及び前記永久磁石からの磁束が、前記固定子又は前記可動子の前記方のうち前記往復動方向の他方の端面及び前記一対の突出壁部のうち他方の突出壁部を通ることにより、これら他方の端面及び他方の突出壁部の間に磁極が形成されて吸引力が生じるように構成していることを特徴とする。
この発明においては、コイルに通電すると、推力発生部により可動子に対して往復動方向の推力が生じる。さらに、吸引力発生部により、可動子に対して往復動方向の吸引力が生じる。
これにより、推力だけでなく吸引力によっても可動子を往復動させることができる。
また、本発明のリニアアクチュエータでは、前記端面と前記突出壁部との接触面積が、前記永久磁石の磁極面積よりも小さく設定することができる。
また、本発明は、前記推力発生部が、前記固定子又は前記可動子のいずれか一方に設けられた永久磁石と、前記固定子又は前記可動子の他方に前記永久磁石に対向して設けられ、前記往復動方向に交差する方向に突出する突出部とを備え、前記吸引力発生部が、前記固定子又は前記可動子のいずれか一方に設けられ、かつ前記往復動方向から見て前記固定子又は前記可動子の他方と重なるように前記往復動方向に交差する方向に突出する突出壁部を備えていることを特徴とする。
この発明によれば、可動子に対する推力と吸引力とを確実に発生させることができる。
また、本発明は、前記突出壁部の内壁と、前記いずれか一方との間に、緩衝部材が設けられていることを特徴とする。具体的には、前記突出壁部又は前記端面の少なくともいずれか一方に緩衝部材が設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、可動子と固定子とが接触することによる騒音や振動を防止することができるだけでなく、耐久性を向上させることができる。
また、本発明は、前記永久磁石又は前記突出部の少なくともいずれか一方が、前記往復動方向に複数設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、可動子に対する推力を増大させることができ、効率をさらに向上させることができる。
また、本発明は、前記固定子及び前記可動子の前記往復動方向の両端に設けられ、前記吸引力発生部による前記可動子に対する吸引力を補強する吸引力補強部を備えることを特徴とする。
この発明においては、吸引力補強部によって、可動子に対する吸引力が補強される。
これにより、可動子に対する吸引力を増大させることができ、効率をさらに向上させることができる。
また、本発明は、前記吸引力補強部が、前記固定子又は前記可動子の少なくともいずれか一方に設けられた磁性体を備えることを特徴とする。
この発明によれば、可動子に対する吸引力を確実に補強することができる。
また、本発明は、前記吸引力補強部が、前記固定子又は前記可動子の少なくともいずれか一方に設けられるとともに、前記可動子の往復動の領域にオフセットして設けられ、かつ前記往復動方向に沿って延びる補助突出部を備えることを特徴とする。
この発明によれば、補助突出部により可動子に対する吸引力を確実に補強することができる。
本発明によれば、推力発生部による推力と、吸引力発生部による吸引力とによって、可動子を往復動させることができることから、簡易な構成により効率を向上させることができるだけでなく、可動範囲にわたって有効な推力を発生させることができる。
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施形態におけるリニアアクチュエータについて、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態としてのリニアアクチュエータを示したものである。
リニアアクチュエータ1は、図1(a)に示すように、円筒状に形成された固定子2と、長尺状に延びる可動子3とを備えている。固定子2及び可動子3は、磁性部材からなっている。
固定子2は、その内壁の全周にわたって径方向外方に向けられた凹部6a,6bがそれぞれ形成された一対の環状体7a,7bを備えている。すなわち、環状体7a,7bの断面は、コ字状に形成されており、凹部6a,6bは径方向内方に開放された状態になっている。これら一対の環状体7a,7bは、環状の永久磁石8を介して、連結されている。そして、一対の環状体7a,7b及び永久磁石8は、同軸上に配置されている。
永久磁石8の磁極は、軸線L方向に向けられており、固定子2の軸線L方向の一端側がN極となり、他端側がS極となっている。
また、凹部6a,6b内には、それぞれコイル11a,11bが設けられている。なお、コイル11a,11bは、通電の向き及び大きさを変えることで起磁力を変化させて、推力・吸引力の発生方向と大きさを変化させるものである。
固定子2の筒孔2aには、可動子3が挿通されている。そして、可動子3は、例えば、すべり軸受けや転がり軸受けなどの不図示の軸受け部材を介して、固定子2の筒孔内において軸線L方向に往復動可能に支持されている。
可動子3は、円柱状に延びる軸部9を備えている。軸部9の長手方向の両端には、軸線L方向に直交する方向に延在するフランジ(突出壁部、吸引力発生部)12a,12bがそれぞれ設けられている。フランジ12a,12bは、円板状に形成されており、互いに平行に対向配置されている。フランジ12a,12bの外縁部16a,16bは、固定子2の両端面の内縁部17a,17bよりも径方向外方に延在している。すなわち、フランジ12a,12bの外縁部16a,16bの内壁は、可動子3が往復動するときに、固定子2の内縁部17a,17bにそれぞれ接触するようになっており、これにより可動子3が固定子2から抜け出るのが防止されるようになっている。換言すれば、フランジ12の外縁部16a,16bは、図1(b)に示すように、軸線L方向から見て、内縁部17a,17bに重なるように、その全周にわたって軸線L方向に直交する方向に突出している。
可動子3の長手方向(軸線L方向)の中央部には、その全周にわたって径方向外方に延在する突出部(推力発生部)13が設けられている。突出部13は、断面が矩形状に形成されている。そして、突出部13の先端面14は、永久磁石8と、この永久磁石8を挟持する環状体7a,7bの突起部分の先端面とに対向配置されている。
次に、このように構成された本実施形態におけるリニアアクチュエータ1の作用について説明する。なお、ここではリニアアクチュエータ1の軸線L方向の一端側を、図2における左側の端とし、その方向を突出部13の位置を基準として、−x方向とする。また、他端側を、図2における右側の端とし、その方向を突出部13の位置を基準として、x方向とする。
まず、コイル11a,11bに通電しない自然状態において、可動子3は、永久磁石8の磁力によって、固定子2の両端のうちいずれかの端に固定されている。
ここでは、可動子3が他端側に固定されているものとする。
すなわち、図2に示すように、永久磁石8からの磁束は、N極から一方の環状体7bを通り、さらに突出部13、軸部9を通って、フランジ12aに到達する。さらに、フランジ12aの外縁部16aに到達した磁束は、外縁部16aに軸線L方向に対向配置された内縁部17aを通り、他方の環状体7a内において永久磁石8のS極に戻る。これにより、永久磁石8のN極から出てS極にもどる磁束ループM1が形成される。このとき、他端側において、外縁部16aから内縁部17aを通る磁束により、外縁部16aと内縁部17aとの間に磁極が形成される。そのため、外縁部16aと内縁部17aとを互いに引き付けあう吸引力が生じ、可動子3に対して一端側に向けられた−Fの力が加わることになる。なお、−x方向の力を−Fとし、x方向の力をFとする。そのため、フランジ12aの外縁部16aが内縁部17aに対して接近するように軸線L方向に吸引されて、可動子3が−x方向に向けて移動する。
これにより、他端側において外縁部16aと内縁部17aとが当接し、この状態で固定される。このときには、突出部13の先端面14は、永久磁石8と一方の環状体7bの突起部分とに対向した状態になる。
この状態で、コイル11a,11bに所定の方向の電流を流すと、図3に示すように、コイル11bからの磁束は、永久磁石8のN極から出た磁束とともに、一方の環状体7b内において固定子2の一端側に進み、内縁部17bから、一端側のフランジ12bの外縁部16bに到達する。そして、外縁部16bから軸部9、突出部13を通り、さらに突出部13から他方の環状体7aを通り永久磁石8のS極に戻り、これにより磁束ループM2が形成される。このとき、突出部13から他方の環状体7aに磁束が通ることにより、突出部13と他方の環状体7aの突起部との間に磁極が形成され、これにより、可動子3に対して、磁極のギャップ面に平行な軸線L方向のFの力(推力)が発生する。そのため、可動子3がx方向に移動する。
なお、磁束ループM1は、コイル11aからの起磁力によって弱められ磁束は減少する。
従来では、推力のみによって可動子を移動させていたが、本実施形態におけるリニアアクチュエータ1では、推力に吸引力が加えられる。
すなわち、コイル11bからの磁束と永久磁石8からの磁束とが、内縁部17bから外縁部16bに到達することによって、内縁部17bと外縁部16bとの間に磁極が形成され、これにより、内縁部17bと外縁部16bとの間に吸引力が生じる。そのため、可動子3に対して、Fの吸引力が加わる。そのため、突出部13と他方の環状体7aの突起部との間の磁極によって生じる推力に吸引力が加えられ、これら推力と吸引力により、可動子3がx方向に移動する。
そして、可動子3は、図4に示すように、固定子2に対して軸線L方向の中央に配され、さらにx方向に移動し続けると、図5に示すように、内縁部17bと外縁部16bとが当接し、可動子3の移動が規制される。吸引力は、内縁部17bと外縁部16bとの距離寸法に依存するため、この状態で吸引力は最大となる。
このとき、通電を止めても、図6に示すように、永久磁石8のN極からの磁束は、一方の環状体7b内を通って、内縁部17b、外縁部16b、フランジ12bの内縁部、軸部9、突出部13、他方の環状体7aを順に通ってS極に戻り、これにより磁束ループM3が形成される。そのため、内縁部17bと外縁部16bとの間の磁極によって生じる吸引力により、固定子2が一端側において固定される。
さらに、コイル11a,11bに、逆方向の電流を流すと、図7に示すように、永久磁石8からの磁束と、コイル11aからの磁束が、一方の環状体7bから、突出部13、軸部9、フランジ12aの内縁部、外縁部16a、内縁部17a(他方の環状体7a)を通って磁束ループM4が形成される。これにより、可動子3に対して、−Fの推力と吸引力が加わり、可動子3が−x方向に移動する。
これらが繰り返されて、可動子3が往復動する。
図8は、可動子3の位置と、可動子3に加わる発生力との関係を示すグラフである。なお、発生力Fとは、推力に吸引力を加えたものである。また、位置xは、可動子3が一端側で固定されたときの可動子3の位置を示し、位置−xは、可動子3が他端側で固定されたときの可動子3の位置を示すものである。さらに、グラフ内の(1)から(6)の数字は、図2から図7の状態をそれぞれ示すものである。
f1は、永久磁石8の磁力によって生じる吸引力の変化を示している。
グラフ内数字(1)に示すように、図2に示す可動子3は、他端側で固定されており、可動子3は、−xの位置に配されている。このときは、コイル11a,11bに通電されていないため、永久磁石8の磁力によって生じる吸引力が、可動子3に対して−Fの方向に加えられている。この−Fの吸引力は、マイナス方向に最大となる。永久磁石8の磁力によって生じる吸引力は、外縁部16a,16bと内縁部17a,17bとの距離寸法に依存しており、固定子2がx方向に移動して、外縁部16aと内縁部17aとの距離寸法が大きくなるにしたがって、−Fの吸引力は指数関数的に弱められていく。可動子3が、x方向に移動して固定子2の長手方向の中央部を越えると、外縁部16bと内縁部17bとの間の距離寸法が小さくなっていき、そのためFの吸引力が指数関数的に増大していく。外縁部16bと内縁部17bとが当接すると、可動子3が固定子2の一端側で固定され、グラフ内数字(5)に示すように、永久磁石8の磁力によって生じる吸引力は最大となる。
f2は、突出部13と環状体7aとの間の磁極によって生じるFの推力の変化を示している。なお、−Fの推力の変化は、原点Oに対してf2と点対称になるのは言うまでもない。
推力は、図2の可動子3が固定子2の他端側で固定されているときに最大となり、可動子3の移動に応じて、緩やかにかつリニアに減少していき、図5の可動子3が固定子2の一端側で固定されているときに最小となる。
f3は、外縁部16bと内縁部17bとの間の磁極によって生じるFの吸引力の変化を示している。なお、−Fの吸引力の変化は、原点Oに対してf3と点対称になるのは言うまでもない。
吸引力は、図2の可動子3が固定子2の他端側で固定されているときに最小となり、可動子3の移動に応じて、指数関数的に増加していき、図5の可動子3が固定子2の一端側で固定されているときに最大となる。
f4は、Fの推力と吸引力とを加えた発生力の変化を示している。
すなわち、発生力は、
f4=f2+f3
で表わされる。
なお、ここでは磁束の漏れなどは考慮しないものとする。
発生力は、図2の可動子3が固定子2の他端側で固定されているときに最小となり、可動子3の移動に応じて、指数関数的に増加していき、図5の可動子3が固定子2の一端側で固定されているときに最大となる。
なお、f5は、−Fの推力と吸引力とを加えた発生力の変化を示している。
以上より、本実施形態におけるリニアアクチュエータ1によれば、推力を発生させるためのエネルギーを利用して、吸引力をも発生させることができることから、少ないエネルギーで可動子3を適正に往復動させることができる。そのため、簡易な構成により効率を向上させることができるだけでなく、小型化を容易に図ることができる。
すなわち、可動子3のストローク端での推力低下を吸引力により補うことができる構成としているため、可動子3のストローク全域において大きな推力を発生させることができる。また、コイル11a,11bへの通電方向により、容易に推力発生方向を変えることができる。これは、電磁石の中央磁極にN極S極となるようにしたこと、それに対向した磁極(突出部13)を凸形状にしていることなどによるものである。
さらに、可動子3のストローク端では、永久磁石8の磁束により吸引力が生じるため、コイル11a,11bへの通電をやめて(電流0で)も、可動子3のストローク端での位置保持が可能となる。またこの力は通電することでさらに大きくなる。
ここで、自動車などでは油圧アクチュエータから電動アクチュエータへの置き換えなどが検討されているが、当然小形で大きな推力を発生させるアクチュエータが求められる。本実施形態に係るリニアアクチュエータ1のような磁気回路の構成であれば、小形大推力のアクチュエータを提供することが可能となる。ロック機構などでは、一方向へ可動子3を移動させた状態を保持しておく必要があり、リニアアクチュエータ1によれば無通電でもその位置を保持することができ、その保持力を増やしたいときはコイル11a,11bに印加する電流を増大させればよく、ロック機構を低消費電力で実現できる。
また、圧縮機やバルブの開閉などは、可動子3のストローク端で大きな推力を必要とすることが多く、リニアアクチュエータ1のように、可動子3のストローク端で大きな推力を発生させることができるアクチュエータを適用することで、これらの機器の効率改善や小型化に大きく貢献できる。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図9は、本発明の第2の実施形態を示したものである。
図9において、図1から図8に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、フランジ12a,12bの内壁部に、ウレタン、ゴムなどの弾性部材(緩衝部材)20が設けられている。
このような構成のもと、可動子3が固定子2の端部に配されると、内縁部17a,17bは、フランジ12a,12bの内壁部にそれぞれ直接接触することなく、弾性部材20に接触する。
そのため、可動子3と固定子2とが接触することによる騒音や振動を防止することができるだけでなく、耐久性を向上させることができる。
なお、弾性部材20を、フランジ12a,12bの内壁部に設けるとしたが、これに限ることはなく、内縁部17a,17bに設けてもよいし、フランジ12a,12bの内壁部と、内縁部17a,17bとの両方に設けてもよい。
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図10は、本発明の第3の実施形態を示したものである。
図10において、図1から図9に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、内縁部17a,17bに、環状の永久磁石からなる補助磁石(磁性体)21a,21bが設けられている。補助磁石21a,21bの磁極は、永久磁石8と同方向に向けられている。
このような構成のもと、コイル11a,11bへの通電により、外縁部16a,16bと内縁部17a,17bとの間に磁極が形成されると、コイル11a,11bの磁束と永久磁石8の磁束に、補助磁石21a,21bの磁束が加わる。
これにより、可動子3に対する吸引力を増大させることができ、効率をさらに向上させることができる。
(実施形態4)
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
図11は、本発明の第4の実施形態を示したものである。
図11において、図1から図10に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、フランジ12a,12bの内壁部の内縁部に、段差部(補助突出部)24a,24bが設けられている。段差部24a,24bは、互いに軸線L方向の内方に向けて矩形状(階段状)に延在するものである。これら段差部24a,24bの頂点部25a,25b同士の間の軸線L方向における距離寸法は、固定子2の長手方向の長さ寸法と等しく設定されている。また、段差部24a,24bは、可動子3の往復動領域Sにオフセットして設けられている。そのため、可動子3の往復動において、可動子3が段差部24a,24bに接触することはない。
なお、往復動領域Sとは、外縁部16a,16bが、内縁部17a,17bに対して往復動する領域をいうものである。すなわち、往復動領域Sとは、外縁部16a,16bと内縁部17a,17とが、径方向に重なる領域であって軸線L方向に沿って延びる領域全体をいうものである。
このような構成のもと、外縁部16a,16bと内縁部17a,17bとが離れている状態においても、段差部24a,24bの頂点部25a,25bが、内縁部17a,17bに近づけられている(ギャップが小さくなっている)ことから、これら段差部24a,24bと内縁部17a,17bとの間で磁束が通り易くなり、頂点部25a,25bと内縁部17a,17bとの間にも磁極が形成される。そのため、外縁部16a,16bと内縁部17a,17との間に形成される磁極による吸引力に、頂点部25a,25bと内縁部17a,17bとの間に形成される磁極による吸引力が加えられる。
したがって、可動子3に対する吸引力を増大させることができ、効率をさらに向上させることができる。
なお、段差部24a,24bを設けることにより、図8に示すグラフ内数字(2)における通電時の発生力(f4)が増大する。すなわち、電流切換時の発生力が大きいので、より早い応答が求められる用途に向いている。
さらに、例えば、可動子3が固定子2の他端に配されている状態で、段差部24bが内縁部17bにより近くなるように適当に設けることにより、コイル11a,11bに通電したときの内縁部17bと外縁部16bとの間の磁束をより通り易くさせることができ、吸引力をさらに増大させることができる。
(実施形態5)
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
図12は、本発明の第5の実施形態を示したものである。
図12において、図1から図11に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、固定子2の両端面の径方向の中央に、互いに軸線L方向外方に向けられた外方突出部(補助突出部)27a,27bが設けられている。外方突出部27a,27bの断面は、矩形状に形成されている。これら外方突出部27a,27bの先端面同士の軸線L方向における距離寸法は、フランジ12a,12bの内壁部同士の軸線L方向における距離寸法と等しく設定されている。また、外方突出部27a,27bは、可動子3の往復動領域Sにオフセットして設けられている。そのため、可動子3の往復動において、可動子3が外方突出部27a,27bに接触することはない。
このような構成のもと、外縁部16a,16bと内縁部17a,17とが離れている状態においても、上記第4の実施形態と同様にして、外方突出部27a,27bの可動子3側の頂点部と外縁部16a,16bとの間に磁極が形成される。そのため、外縁部16a,16bと内縁部17a,17との間に形成される磁極による吸引力に、外方突出部27a,27bの頂点部と内縁部17a,17bとの間に形成される磁極による吸引力が加えられる。
したがって、可動子3に対する吸引力を増大させることができ、効率をさらに向上させることができる。
なお、上記第4及び第5の実施形態において、段差部24a,24b又は外方突出部27a,27bを設けるとしたが、これらの設置位置やサイズは、要求される可動子3の発生力や組み込みスペースなどに応じて適宜変更可能である。また、段差部24a,24b及び外方突出部27a,27bの形状も、可動子3の発生力などに応じて適宜変更可能である。例えば、図26及び図27に示すように、段差部24a,24b又は外方突出部27a,27bに、基端側に向かうにしたがって薄くなるようなテーパーを設けてもよい。
(実施形態6)
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
図13から図16は、本発明の第6の実施形態を示したものである。
図13から図16において、図1から図12に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、永久磁石8が軸線L方向に複数設けられている。これら複数の永久磁石8の磁極は、同方向に揃えられており、N極が一端側に向けられ、S極が他端側に向けられている。また、永久磁石8同士の間には、環状の磁性部材28a,28bが設けられている。
また、軸部9には、突出部13a,13bが、軸線L方向に所定の間隔を空けて複数設けられている。突出部13a,13bは、図15に示すように、可動子3が固定子2の長手方向の中央に配されたときに、両端の永久磁石8に対向配置されるようになっている。
このような構成のもと、コイル11a,11bに通電しない状態においては、可動子3は、例えば他端側に固定される。すなわち、図13に示すように、他端側の永久磁石8aのN極からの磁束は、他端側の磁性部材28a、突出部13a、軸部9を順に通り、フランジ12aに到達する。そして、その磁束は、外縁部16aから内縁部17aに到達し、他方の環状体7aにおいてS極に戻り、これにより、主磁束ループM5が形成される。このとき、外縁部16aと内縁部17aとの間の磁極によって−Fの吸引力が生じ、可動子3が固定子2の他端側で固定される。
なお、一端側の永久磁石8bのN極からの磁束は、一方の環状体7bから突出部13b、磁性部材28bを順に通り、S極に戻る。これにより、磁束ループM6が形成される。
この状態から所定の方向に電流を流すと、図14に示すように、コイル11bからの磁束は、永久磁石8bのN極からの磁束とともに、固定子2の一端側にいき、内縁部17bから一端側のフランジ12bの外縁部16bに到達する。さらに、その磁束は、軸部9、突出部13b、磁性部材28bを順に通って永久磁石8bのS極に戻り、これにより磁束ループM7が形成される。
また、コイル11aからの磁束は、他方の環状体7b(内縁部17a)、フランジ12a(外縁部16a)、軸部9突出部13aを順に通り、さらに環状体7bに戻ることにより磁束ループM9が形成される。
また、永久磁石8aのN極からの磁束は、磁性部材28a、突出部13a、他方の環状体7aを順に通ってS極に戻り、これにより磁束ループM8が形成される。
そして、突出部13a、13bにより、それぞれに磁極が形成され、可動子3に対してFの推力が発生する。さらに、一端側の外縁部16bと内縁部17bとの間の磁極により、可動子3に対してFの吸引力が発生する。これにより、可動子3がx方向に移動する。
可動子3がさらにx方向に移動すると、図15に示すように、可動子3は、固定子2の長手方向の中央に配される。さらに、図16に示すように、外縁部16bが内縁部17bに当接し、可動子3が、一端側で固定される。
以上より、本実施形態によれば、固定子2及び可動子3の軸線L方向に複数の磁極が形成されるため、可動子3に対する推力を増大させることができ、効率を向上させることができる。
(実施形態7)
次に、本発明の第7の実施形態について説明する。
図17から図20は、本発明の第7の実施形態を示したものである。
図17から図20において、図1から図16に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、永久磁石8が軸線L方向に複数設けられており、これら永久磁石8の磁極が、軸線L方向に直交する方向に向けられている。具体的には、他端側に配置された永久磁石8a−1のN極は、径方向外方側に向けられ、S極は、径方向内方側(可動子3側)に向けられている。その隣りの永久磁石8a−2のN極は、径方向内方側に向けられ、S極は、径方向外方側に向けられている。その隣りの永久磁石8b−1のN極は、径方向外方側に向けられ、S極は、径方向内方側に向けられている。その隣りの一端側の永久磁石8b−1のN極は、径方向内方側に向けられ、S極は、径方向外方側に向けられている。すなわち、隣り合う永久磁石8の磁極が異なるように、軸線L方向に交互になるように永久磁石8が配列されている。
また、軸部9には、複数の突出部13a,13bが設けられている。それぞれの突出部13a,13bは、図19に示すように、可動子3が固定子2の長手方向の中央に配されたときに、一端側の二つの永久磁石8a−1,8a−2及び他端側の二つの永久磁石8b−1,8b−2のそれぞれの境界部分に対向配置されるようになっている。
なお、環状体7は、一体成形されたものである。
このような構成のもと、コイル11a,11bに通電しない状態においては、可動子3は、例えば他端側に固定される。すなわち、図17に示すように、永久磁石8a−2のN極からの磁束は、突出部13a、軸部9を通り、フランジ12aに到達する。そして、その磁束は、外縁部16aから内縁部17aに到達し、環状体7の他端側において永久磁石8a−2のS極に戻り、これにより、磁束ループM11が形成される。このとき、外縁部16aと内縁部17aとの間の磁極によって−Fの吸引力が生じ、可動子3が固定子2の他端側で固定される。
なお、永久磁石8b−2のN極からの磁束は、突出部13b、軸部9を通り、フランジ12aに到達する。そして、その磁束は、外縁部16aから内縁部17aに到達し、環状体7において永久磁石8b−2のS極に戻り、これにより、磁束ループM10が形成される。
この状態から所定の方向に電流を流すと、図18に示すように、コイル11bからの磁束は、永久磁石8b−1のN極からの磁束とともに、固定子2の一端側にいき、内縁部17bから一端側のフランジ12bの外縁部16bに到達する。さらに、その磁束は、軸部9、突出部13bを通って永久磁石8b−1のS極に戻り、これにより磁束ループM12が形成される。
また、コイル11bからの磁束は、永久磁石8a−1のN極からの磁束とともに、固定子2の一端側にいき、内縁部17bから一端側のフランジ12bの外縁部16bに到達する。さらに、その磁束は、軸部9、突出部13bを通って永久磁石8a−1のS極に戻り、これにより磁束ループM13が形成される。
また、コイル11aからの磁束は、永久磁石8a−1のN極からの磁束とともに、固定子2の他端側にいき、内縁部17aから他端側のフランジ12aの外縁部16aに到達する。さらに、その磁束は、軸部9、突出部13bを通って永久磁石8a−1のS極に戻り、これにより磁束ループM14が形成される。
そして、突出部13a、13bにより、それぞれに磁極が形成され、可動子3に対してFの推力が発生する。さらに、外縁部16bと内縁部17bとの間の磁極により、可動子3に対してFの吸引力が発生する。これにより、可動子3がx方向に移動する。
可動子3がさらにx方向に移動すると、図19に示すように、可動子3は、固定子2の長手方向の中央に配される。さらに、図20に示すように、外縁部16bが内縁部17bに当接し、可動子3が、一端側で固定される。
以上より、本実施形態によれば、固定子2及び可動子3の軸線L方向に複数の磁極が形成されるため、可動子3に対する推力を増大させることができ、効率を向上させることができる。
(実施形態8)
次に、本発明の第8の実施形態について説明する。
図21は、本発明の第8の実施形態を示したものである。
図21において、図1から図20に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態においては、凹部6a,6bの軸線L方向の長さ寸法がコイル11a,11bの軸線L方向の長さ寸法よりも大きくなっている。コイル11a,11bは、それぞれ凹部6a,6bのうち長手方向の中央側に偏心して設けられている。そして、それぞれの凹部6a,6bの空いた領域に、フランジ12a,12bが配されている。
また、軸部9には、複数の突出部13a,13bが設けられている。
これにより、可動子3の長さ寸法を小さくすることができるとともに、複数の突出部13a,13bによって推力を増大させることができる。
(実施形態9)
次に、本発明の第9の実施形態について説明する。
図28は、本発明の第9の実施形態を示したものである。
図28において、図1から図27に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第1の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態におけるリニアアクチュエータ1aは、直方体形状かつ中空状のケース59を備えている。ケース59の長手方向の両端面の中央には、それぞれ貫通孔31a,31bが形成されている。これら貫通孔31a,31bには、柱状に延びるシャフト32が挿通されている。さらに、貫通孔31a,31bの縁部には、シャフト32を往復動可能に支持する軸受け33a,33bがそれぞれ設けられている。
シャフト32は、鉄などの金属からなるものである。なお、シャフト32は、特に金属でなくてもよい。ただし、円筒状のアクチュエータでは断面積が小さくなる内径側の方が磁気飽和し易くなるので、シャフト32を磁性体などにすることにより、飽和を低減することができる点で好ましい。
また、シャフト32には、円筒状の可動コア(可動子)36が設けられている。すなわち、可動コア36の筒孔36aにシャフト32が圧入されることによって、可動コア36がシャフト32の長手方向の中央部に固定されている。
可動コア36は、磁性部材からなっており、長手方向の両端面には、軸線L方向に直交する方向に延在するフランジ37a,37bが設けられている。フランジ37a,37bは、可動コア36の両端面の全周にわたって設けられている。また、フランジ37a,37bの縁部の表面側には、径方向外方にいくにしたがって、肉薄となるようなテーパー38a,38bが形成されている。
また、可動コア36の周囲には、固定コア(固定子)41が設けられている。固定コア41は、永久磁石8を挟む第一の環状体40a,40bを備えている。第一の環状体40a,40bは、断面L字状に形成されており、その底面部分が互いに対向配置されている。第一の環状体40a,40bの軸線L方向の先端には、断面L字状の第二の環状体46a,46bが設けられている。第二の環状体46a,46bの底面部分は互いに対向配置されている。そして、第一の環状体40a,40bの内側の面と、第二の環状体46a,46bの底面部とによって、凹部45a,45bが形成されている。
また、第二の環状体46a,46bの底面部に直交する垂直壁部は、軸線L方向の先端にいくにしたがって、肉厚となるようなテーパー50a,50bが設けられている。
このような構成のもと、上記と同様にして、可動コア36が往復動し、シャフト32が軸線L方向に往復動する。
これにより、可動コア36に対する吸引力を確実に増大させることができ、効率を向上させることができる。
また、テーパー38a,38b,50a,50bが形成されていることから、ギャップが急激に変化することなく、そのため、磁束の急激な変化を防止することができる。
(実施形態10)
次に、本発明の第10の実施形態について説明する。
図29は、本発明の第10の実施形態を示したものである。
図29において、図1から図28に記載の構成要素と同一部分については同一符号を付し、その説明を省略する。
この実施形態と上記第9の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは異なる点についてのみ説明する。
本実施形態におけるリニアアクチュエータ1bは、直方体形状かつ中空状のケース59を備えている。ケース59は磁性部材からなるものである。このケース59は、磁性部材からなる角筒状のケース本体部(固定子)60を備えている。
ケース本体部60の内周面のうち、軸線L方向の中央部には、径方向内方に突出する突出部(推力発生部)60aが設けられている。突出部60aは、断面矩形状に形成されており、その先端は平坦面とされている。ケース本体部60の両端には、磁性部材からなる凸形状の蓋部61a,61bが設けられている。
蓋部61a,61bは、互いに軸線L方向外方に向けられて対向配置されており、その底面部がケース本体部60の縁部に取り付けられている。蓋部61a,61bの底面部の中央には、それぞれ凹部74a,74bが設けられている。また、蓋部61a,61bの中央部には、貫通孔67a,67bが形成されており、その貫通孔67a,67b内には、シャフト32を往復動可能に支持する軸受け62a,62bが設けられている。
シャフト32の長手方向の中央部には、円筒状の可動コア(可動子)69と、同形状の永久磁石66とが同軸上に設けられて、磁石の着磁方向は軸線Lに沿った方向となっている。
可動コア69は、互いに軸線L方向外方に向けられて対向配置された凸形状の凸状半体部63a,63bを備えている。凸状半体部63a,63bは、円筒状の本体部75a,75bと、この本体部75a,75bの一端面の中央に設けられた凸部76a,76bとを備えている。
凸状半体部63a,63bの底面部(本体部75a,75bの他端面)は対向配置されており、それら底面部同士の間に、永久磁石66が設けられている。すなわち、凸状半体部63a,63bの底面部は、永久磁石66を介して互いに接合されている。なお、凸状半体部63a,63bの外径寸法は、永久磁石66の外径寸法と同一になっている。ただし、この径により吸引力発生部の面積が決定するので必要な吸引力に応じて決定すればよい。
そして、これら凸状半体部63a,63b及び永久磁石66の周面が、突出部60aの先端面と、軸線L方向に直交する方向に対向して配されている。
また、本体部75a,75bの周面には、径方向内方に没する半体凹部70a,70bが全周にわたって設けられている。
さらに、凸部76a,76bは、凹部74a,74b内にそれぞれ配されている。そして、本体部75a,75bの先端面(吸引力発生部)と、蓋部61a,61bの内縁部分の底面部(吸引力発生部)とが、それぞれ軸線L方向に対向して配されている。さらに、
凸部76a,76bの先端面(吸引力発生部)と、凹部74a,74b内の底面(吸引力発生部)とが、それぞれ軸線L方向に対向して配されている。
また、凸部76a,76bの周面には、先端にいくにしたがって径方向に肉厚となるようなテーパー71a,71bが形成されている。なお、凸部76a,76bは、電流切替時の発生推力を増やすために設けられており、図25のように、凸部76a,76bは無くても機能上は問題ない。また、テーパー71a,71bは、急激な磁束変化の防止と漏れ磁束低減のために設けられている。
このような構成のもと、コイル11a,11bに通電すると、凸状半体部63a,63b及び永久磁石66の周面と、突出部60aの先端面との間に磁極が形成され、これにより、シャフト32に軸線L方向の推力が働く。さらに、本体部75a,75bの先端面と、蓋部61a,61bの内縁部分の底面部との間に磁極が形成され、これによりシャフト32に軸線L方向の吸引力が働く。さらに、凸部76a,76bの先端面と、凹部74a,74b内の底面との間にも磁極が形成され、これによりシャフト32に軸線L方向の吸引力が働く。
以上より、本実施形態におけるリニアアクチュエータ1bによれば、本体部75a,75bの先端面に加えて、凸部76a,76bの先端面においても、シャフト32を吸引する吸引力を発生させることができることから、効率をさらに向上させることができる。
また、凸状半体部63a,63bの周面に、半体凹部70a,70bが全周にわたって設けられており、これら半体凹部70a,70bが磁気抵抗として働くことから、突出部60aと永久磁石66との間の磁束が、軸線L方向外方に向かうことなく、効率よく磁束ループを形成することができる。また、半体凹部70a,70bは設けなくてもよく、可動部の軽量化を考えたときなどに、磁気飽和を起こさない程度に設けることができる。
また、永久磁石66がシャフト32に設けられていることから、図28における永久磁石8と比べて、永久磁石66の径を小さくすることができることから、磁石の使用量をすくなくでき、さらにコストを削減することができる。
また、ケース本体部60と可動コア69とが、軸線L方向に重なっていないことから、ケース本体部60内に可動コア69を配し、蓋部61a,61bで蓋をするだけで、ケース59内に、可動コア69を容易にかつ迅速に組み込むことができる。
さらに、ケース59が固定子として兼用されていることから、フレームなどが不要となり、そのため部品点数を減少させ、構成を簡易にすることができる。
また、コイル11a,11bや可動コア69を軸線L方向に大きくすれば、高さ寸法H(図29(b)に示す)を維持したまま、損失の低減が図れるなど、性能を向上させることができる。また、コイル11a,11bを軸線L方向に大きくすれば、それらの断面積を一定にし、高さ寸法Hを小さくできるので、設計自由度を向上させることができる。
なお、本発明の技術範囲は上記第1から第10の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
例えば、図22に示すように、軸線L方向に直交する方向に磁極を向けた永久磁石8を二つ設けてもよい。
また、図23に示すように、一体成形された環状体7に径方向に延びる凹部31を設けて、この凹部31に永久磁石8を設けてもよい。
また、図24(a)及び(b)に示すように、固定子2及び可動子3を矩形状に形成してもよい。この場合、可動子3の往復動方向と直交する方向(矢印で示すN方向)にケイ素鋼板などを積層して固定子2を形成することができることから、損失を抑制することができる。
また、図25に示すように、コイル11a,11bを軸部9に設けてもよい。ただし、固定子2側にコイル11a,11bを設けた方が、可動による断線のおそれがない点で好ましい。
また、可動子3が、軸受け部材により支持されるとしたが、これに限ることはなく、コイルバネや板バネなどの弾性体で支持するようにしてもよい。
また、外側を固定子2とし、内側を可動子3としたが、これに限ることはなく、外側の部材を可動子とし、内側の部材を固定子としてもよい。
なお、上記第1から第8の実施形態と上記変形例を自由に組み合わせることができることは言うまでもない。
本発明に係るリニアアクチュエータの第1の実施形態を示す図であって、(a)は、固定子の半分を破断した様子を示す側面図、(b)は、軸線L方向から見た正面図である。 図1のリニアアクチュエータにおいて、コイルに通電していないときの磁束の様子を示す説明図である。 図2のコイルに一方向に通電したときの磁束の様子を示す説明図である。 図3の可動子が固定子の長手方向の中央に配された様子を示す説明図である。 図4の固定子がさらにx方向に移動して、固定子と一端側のフランジとが接触した様子を示す説明図である。 図5のリニアアクチュエータにおいて、コイルに通電していないときの磁束の様子を示す説明図である。 図6のコイルに反対方向に通電したときの磁束の様子を示す説明図である。 図1の可動子の位置と、可動子に加わる発生力との関係を示すグラフである。 本発明に係るリニアアクチュエータの第2の実施形態を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第3の実施形態を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第4の実施形態を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第5の実施形態を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第6の実施形態を示す図であって、コイルに通電していないときの磁束の様子を示す説明図である。 図13のコイルに一方向に通電したときの磁束の様子を示す説明図である。 図14の可動子が固定子の長手方向の中央に配された様子を示す説明図である。 図15の固定子がさらにx方向に移動して、固定子と一端側のフランジとが接触した様子を示す説明図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第7の実施形態を示す図であって、コイルに通電していないときの磁束の様子を示す説明図である。 図17のコイルに一方向に通電したときの磁束の様子を示す説明図である。 図18の可動子が固定子の長手方向の中央に配された様子を示す説明図である。 図19の固定子がさらにx方向に移動して、固定子と一端側のフランジとが接触した様子を示す説明図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第8の実施形態を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第一の変形例を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第二の変形例を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第三の変形例を示す図であって、(a)は側断面図、(b)は軸線L方向から見た正面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第四の変形例を示す側断面図である。 図11に示す段差部の変形例を示す側断面図である。 図12に示す外方突出部の変形例を示す側断面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第9の実施形態を示す図であって、(a)は、リニアアクチュエータを側面から見た様子を示す断面図、(b)は、軸線L方向から見た正面図である。 本発明に係るリニアアクチュエータの第10の実施形態を示す図であって、(a)は、リニアアクチュエータを側面から見た様子を示す断面図、(b)は、軸線L方向から見た正面図である。
符号の説明
1,1a,1b リニアアクチュエータ
2 固定子
3 可動子
8,66 永久磁石
11a,11b コイル(推力発生部、吸引力発生部)
12a,12b フランジ(突出壁部、吸引力発生部)
13 突出部(推力発生部)
20 弾性部材(緩衝部材)
21a,21b 補助磁石(磁性体)
24a,24b 段差部(補助突出部)
27a,27b 外方突出部(補助突出部)
36,69 可動コア(可動子)
41 固定コア(固定子)
60 ケース本体部(固定子)
60a 突出部(推力発生部)

Claims (7)

  1. 固定子と、
    前記固定子に往復動可能に支持された可動子と、
    前記可動子を往復動させるための磁束を発生させるコイルと、
    前記固定子及び前記可動子の前記往復動方向の中央に設けられ、前記可動子に前記往復動方向の推力を発生させる推力発生部と、
    前記可動子を前記往復動方向に吸引する吸引力を発生させる吸引力発生部と
    を備え、
    前記推力発生部は、前記固定子又は前記可動子のいずれか一方に設けられた永久磁石を備えたものであり、
    前記吸引力発生部は、前記固定子又は前記可動子の方の両端に設けられ且つ前記往復動方向から見て前記固定子又は前記可動子の前記一方と重なるように前記往復動方向に交差する方向に突出する一対の突出壁部を備えたものであり、
    前記コイルに所定方向の電流を流した場合に、前記コイルからの磁束及び前記永久磁石からの磁束が、前記固定子又は前記可動子の前記方のうち前記往復動方向の一方の端面及び前記一対の突出壁部のうち一方の突出壁部を通ることにより、これら一方の端面及び一方の突出壁部の間に磁極が形成されて吸引力が生じるとともに、
    前記コイルに前記所定方向とは逆方向の電流を流した場合に、前記コイルからの磁束及び前記永久磁石からの磁束が、前記固定子又は前記可動子の前記方のうち前記往復動方向の他方の端面及び前記一対の突出壁部のうち他方の突出壁部を通ることにより、これら他方の端面及び他方の突出壁部の間に磁極が形成されて吸引力が生じるように構成していることを特徴とするリニアアクチュエータ。
  2. 前記端面と前記突出壁部との接触面積が、前記永久磁石の磁極面積よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のリニアアクチュエータ。
  3. 前記突出壁部又は前記端面の少なくともいずれか一方に緩衝部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のリニアアクチュエータ。
  4. 前記固定子又は前記可動子の前記他方に前記永久磁石に対向して設けられ且つ前記往復動方向に交差する方向に突出する突出部又は前記永久磁石の少なくともいずれか一方が、前記往復動方向に複数設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータ。
  5. 前記固定子及び前記可動子の前記往復動方向の両端に設けられ、前記吸引力発生部による前記可動子に対する吸引力を補強する吸引力補強部を備えることを特徴とする請求項から請求項4のいずれか一項に記載のリニアアクチュエータ。
  6. 前記吸引力補強部が、
    前記固定子又は前記可動子の少なくともいずれか一方に設けられた磁性体を備えることを特徴とする請求項5に記載のリニアアクチュエータ。
  7. 前記吸引力補強部が、
    前記固定子又は前記可動子の少なくともいずれか一方に設けられるとともに、前記可動子の往復動の領域にオフセットして設けられ、かつ前記往復動方向に沿って延びる補助突出部を備えることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載のリニアアクチュエータ。
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