JP5265088B2 - 外科用クリップ前進機構 - Google Patents

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Description

開示の内容
〔発明の分野〕
この発明は、広く外科装置に関するものであり、より詳細には、導管、血管、吻合部(shunts)等に外科用クリップを取り付ける方法および装置に関するものである。
〔発明の背景〕
近年、外科手術は、胆嚢摘出術、胃瘻造設術、虫垂切除術およびヘルニア修復術等の腹腔鏡検査的かつ内視鏡検査的な外科手法の実績を通じて著しく進歩してきている。これらの手法は、体腔に穿刺して使用される外科器具であるトロカールアセンブリを通じて達成される。上記トロカールは、典型的には、鋭利な先端部を有する栓塞子とトロカールチューブすなわちカニューレを含むものである。トロカールカニューレは、皮膚を貫通する先端部を有する栓塞子を用いて、皮膚内に挿入されて体腔に到達するものである。貫通後に、栓塞子は取り外されるが、上記トロカールカニューレは体内に残る。外科器具は、上記トロカールカニューレを通じて配置される。
トロカールカニューレと共に一般に使用される外科器具の1つは、術中に、血管、導管、吻合部、あるいは体組織の一部を結紮するための外科用クリップ取付具である。大半のクリップ取付具は、典型的には、長尺シャフトを備えたハンドルを有しており、上記長尺シャフトは、このシャフトの一端上に形成され、互いに対向する一対の可動顎部を有している。これら一対の可動顎部は、両者間で結紮用クリップを保持し形成するためのものである。一対の可動顎部は、血管または導管の周囲に位置決めされ、これらの顎部を閉じることによって上記結紮用クリップが上記血管上で押し潰されて、すなわち形成される。
先行技術における多くのクリップ取付具では、その補給・形成機構にとっては、作動させる部品の精確なタイミングと協同運動が不可欠である。この精確なタイミングと制御の必要性は、結果として複雑な機械的な設計を要求することになり、これによってクリップ取付具のコスト増を招くことになる。また、先行技術における多くのクリップ取付具は、装置の軸を経由して1つまたはそれ以上のクリップを前進させるスプリング式のクリップ前進アセンブリを使用する。結果として、上記顎部は、上記クリップを形成する前に、上記装置からのクリップの偶発的な射出を防止するための機構を含めなければならない。現在のクリップ取付具における他の欠点としては、種々の条件下での誘因によって上記顎部に対する過負荷に対処することができないことである。多くの装置では、上記顎部を完全に閉じることを要求しているので、上記顎部間に位置決めされる血管または導管が顎部を完全に閉めることを許さない程度に大き過ぎる場合、あるいは上記顎部間に異物が配されている場合に、上記顎部に対して過負荷が印加されることになる。
したがって、導管、血管、吻合部等に外科用クリップを取り付ける方法および装置には改善する余地がある。
〔発明の概要〕
この発明は、導管、血管、吻合部等に外科用クリップを取り付ける方法および装置を提供するものである。1つの例示的な実施の形態では、外科用クリップ取付具には、ハウジングであって、このハウジングに動作可能に接続されたトリガーを有するハウジングと、このハウジングから延在する長尺シャフトであって、この長尺シャフトの遠位端上に形成され、互いに対向する顎部を有する長尺シャフトとが備えられている。上記トリガーは、クリップを前進させて上記顎部間に上記クリップを位置決めすると共に、上記顎部を開位置から閉位置へ移動させて上記顎部間に位置決めされた上記クリップを加締めるように構成されている。
上記外科用クリップ取付具は、種々の構造を有することができ、外科用クリップの前進および形成を容易にする種々の態様を含めることができる。1つの実施の形態では、上記外科用クリップ取付具は、上記長尺シャフト内に摺動可能に配置され、かつ上記長尺シャフトを通じて少なくとも1つの外科用クリップを駆動するように構成されたフィーダーシューを含めることができる。1つの例示的な実施の形態では、上記フィーダーシューは、遠位側方向のみに移動し、これにより上記フィーダーシューの近位側への移動を実質的に阻止するように構成することができる。また、上記長尺シャフトは、この長尺シャフト内に配置され、かつ少なくとも1つの外科用クリップを取り付けるように構成されたクリップトラックを含めることができる。上記フィーダーシューは、上記クリップトラック内に摺動可能に配置されてもよい。
上記フィーダーシューの遠位側への移動を容易にし、かつ近位側への移動を阻止するために、種々の手法が使用可能である。1つの例示的な実施の形態では、上記フィーダーシューは、上記クリップトラックに係合して上記クリップトラック内のフィーダーシューの近位側への移動を阻止するが、上記クリップトラック内のフィーダーシューの遠位側への移動を許すように構成されたタングを含めることができる。上記クリップトラックは、上記タングを受け入れるために、クリップトラック内に形成され、かつ上記クリップトラック内のフィーダーシューの近位側への移動を阻止する数個の開口部を含めることができる。他の例示的な実施の形態では、上記フィーダーシューはタングを含めることができ、フィードバーは、このフィードバー内に形成され、かつ上記フィードバーが遠位側へ移動したときに上記フィーダーシューを遠位側へ移動させるために上記タングに係合する数個の移動止めを含めることができる。
他の実施の形態では、長尺シャフトは、上記トリガーの閉位置への移動がフィードバーを遠位側へ前進させるように構成され、これにより上記フィーダーシューを遠位側へ前進させることができるように、上記長尺シャフト内に摺動可能に配され、かつ上記トリガーに連結されたフィードバーを含めることができる。この発明を限定しない例として、上記フィードバーは、上記トリガーに結合したトリガー挿入部によって、および上記トリガー挿入部と上記フィードバーの近位端との間に延在するリンク機構によって、上記トリガーに連結可能である。上記フィードバーの近位端は、上記リンク機構の一部を受け入れるように構成されたカプラーを含めることができる。また、上記フィードバーは、最も遠位側クリップに係合し、かつ上記最も遠位側クリップを顎部内に送るように構成された前進機構(advancer)を有する遠位端を含めることもできる。特定の実施の形態では、フィードバーは、上記フィーダーシューの前進開始前に、最も遠位側クリップに係合し、かつ、上記最も遠位側クリップの上記顎部内への前進を開始させるように構成可能である。
他の実施の形態では、外科用クリップ取付具を通じてクリップを前進させるためのクリップ前進アセンブリが設けられている。このクリップ前進アセンブリは、この技術分野において公知の取付具を含む種々の外科用クリップ取付具と共に使用可能である。1つの例示的な実施の形態では、上記クリップ前進アセンブリは、少なくとも1つのクリップを取り付けるように構成されたクリップトラックと、このクリップトラックに摺動可能に結合し、かつ遠位側の方向へ移動して、上記クリップトラック内に配された少なくとも1つのクリップを遠位側の方向へ移動させるように構成されたフィーダーシューとを含めることができる。このフィーダーシューは、1つの例示的な実施の形態において、上記クリップトラックに係合するように構成されて、上記クリップトラック内のフィーダーシューの近位側への移動を阻止すると共に、上記クリップトラック内のフィーダーシューの遠位側への移動を許すように構成されたタングを含めることができる。上記クリップトラックは、上記タングを受け入れるために、クリップトラック内に形成され、かつ上記クリップトラック内のフィーダーシューの近位側への移動を阻止する複数の開口部を含めることができる。
また、上記クリップ前進アセンブリは、外科用クリップ取付具のハウジング上に形成された可動トリガーに連結するように構成され、かつ上記可動トリガーが閉じて上記フィーダーシューと上記クリップトラック内に配された少なくとも1つのクリップとを前進させるとき、遠位側へ摺動可能に移動するように構成されたフィードバーを含めることもできる。このフィードバーは、種々の構造を有することができ、1つの例示的な実施の形態では、このフィードバーの遠位端は上記クリップトラックから最も遠位側クリップを外科用クリップ取付具の遠位端上に形成された顎部内に移動させるために最も遠位側クリップに係合するように構成された前進機構を含めることができる。他の例示的な実施の形態では、上記フィーダーシューは、タングを含めることができ、上記フィードバーは、このフィードバー内に形成され、かつ上記フィードバーが遠位側へ移動したときに上記フィーダーシューを遠位側へ移動させるために上記タングに係合するように構成された複数の移動止めを含めることができる。使用される上記フィードバーの近位端は、このフィードバーを外科用クリップ取付具のトリガーに連結させるためのリンク機構を受け入れるように構成されたカプラーを含めることができる。
また、外科用クリップの長尺シャフトを通じて外科用クリップを前進させる方法の例も提供されている。1つの実施の形態では、フィードバーは、長尺シャフト内に配されたフィーダーシューを遠位側へ駆動させ、これにより少なくとも1つのクリップを遠位側へ前進させるために、外科用クリップの長尺シャフト内で遠位側へ前進可能である。このフィードバーは、例えば、上記長尺シャフトの近位端に結合するハウジングに連結されたトリガーを作動させることによって、遠位側へ前進可能となる。1つの例示的な実施の形態では、上記フィードバーが遠位側へ前進したときに、上記フィードバーの遠位端上の前進機構は、最も遠位側クリップに係合し、かつ上記長尺シャフトの遠位端上に形成され、互いに対向する顎部間に上記クリップを前進させることができる。また、この方法は、上記フィーダーシューが実質的に固定位置に維持されている間、上記長尺シャフト内の上記フィードバーを近位側へ後退させるステップを含めることができる。
他の例示的な実施の形態では、外科用クリップを取り付ける方法が提供されており、この方法は、ハウジングに連結されたトリガーを閉位置に向けて第1の距離を移動させて、上記ハウジング内に配されたクリップ前進アセンブリを作動させ、これにより上記長尺シャフトの遠位端上に形成された顎部アセンブリ内にクリップを前進させるステップと、上記トリガーを閉位置に向けて第2の距離をさらに移動させて、上記ハウジング内に配置されたクリップ形成アセンブリを作動させ、これにより上記顎部アセンブリ内に配された上記クリップを形成させるステップと、を含むものである。上記トリガーは、上記クリップ形成アセンブリの作動中に、上記クリップ前進アセンブリに適応する関係であることが好ましい。また、上記クリップ形成アセンブリは、上記顎部アセンブリの作動中に、上記顎部アセンブリに適応する関係とすることができる。
他の側面では、外科装置と共に使用される過負荷機構が提供されている。1つの例示的な実施の形態では、上記過負荷機構は、ハウジング内に旋回可能に、かつ摺動可能に配されると共に第1端部とこれに対向する第2端部とを備えた受力表面を有する受力部材と、上記ハウジング内に配され、かつ上記受力部材の移動に抗するように構成された付勢アセンブリとを含めることができる。例示的な実施の形態では、抗力は上記第1端部から上記第2端部に向けて増大していく。
上記受力部材は種々の構造を有することができるが、1つの実施の形態では、上記受力部材上に形成された上記受力表面は、上記ハウジングにおける開口部内に位置決めされている。上記受力表面は、上記ハウジング内の上記受力部材を旋回可能に移動させる力を受けるように構成された第1部と、上記ハウジング内の上記受力部材を摺動可能に移動させる力を受けるように構成された第2部とを含めることができる。また、上記付勢アセンブリは種々の構造を有することができるが、1つの例示的な実施の形態では、上記付勢アセンブリは、スプリング支柱の周囲に配されたスプリング部と、上記スプリング支柱に対して摺動可能に配されたプランジャーであって、このプランジャー上に形成され、かつ上記スプリング支柱に向けたプランジャーの摺動時に上記スプリング部を圧縮するように構成されたヘッド部を有するプランジャーとを含めることができる。
他の実施の形態では、上記ハウジングは、上記受力部材と上記付勢アセンブリとの間に連結された旋回アセンブリを含めることができ、この旋回アセンブリは、上記抗力に打ち勝つために上記受力部材に印加される力を上記付勢アセンブリに移すように構成されている。1つの例示的な実施の形態では、上記旋回アセンブリは、上記受力部材に旋回可能に連結されたトグルリンク機構と、このトグルリンク機構に旋回可能に連結された旋回リンク機構であって、この旋回リンク機構の旋回時に上記付勢アセンブリに力を印加するように構成された旋回リンク機構とを含めることができる。
他の実施の形態では、外科用クリップ取付具は、この外科用クリップ取付具の顎部に印加される閉止力の過負荷を阻止する過負荷機構を有する構成で提供されている。1つの例示的な実施の形態では、上記外科用クリップ取付具は、ハウジングであって、このハウジングに移動可能に連結されたトリガーを有するハウジングと、このハウジングから延在する長尺シャフトであって、この長尺シャフトの遠位端に形成され、かつ開位置と閉位置との間で移動可能で、互いに対向する顎部を備えた長尺シャフトと、上記ハウジングおよび上記長尺シャフト内に配され、かつ上記トリガーに連結されたカムアセンブリとを含めることができる。このカムアセンブリは、上記トリガーの作動中に、上記顎部に閉止力を印加して上記顎部を開位置から閉位置へ移動させるように構成することができる。上記カムアセンブリは、上記閉止力が上記カムアセンブリに印加される過負荷機構の抗力より大きい場合には、ハウジング内に配された上記過負荷機構に上記閉止力を移すように構成することもできる。例示的な実施の形態では、過負荷機構の抗力は、上記顎部を開位置から閉位置へ移動させるのに必要な力と相関関係を有している。
上記カムアセンブリを上記過負荷機構に連結するのに種々の技術が使用可能であるが、1つの例示的な実施の形態では、上記カムアセンブリが上記顎部を開位置から閉位置へ移動させるように上記トリガーが作動されるときに、上記カムアセンブリの閉止力が上記過負荷機構の受力表面に端から端まで印加されるように、上記カムアセンブリは上記過負荷機構の受力表面に対して移動する。上記過負荷機構の受力表面は、近位側の方向への移動に抗するように構成可能であるが、上記抗力は、上記トリガーが作動されて、上記カムアセンブリを上記受力表面に対して移動させ、かつ上記顎部を開位置から閉位置へ移動させるにつれて、増大させることができる。
他の例示的な実施の形態では、上記過負荷機構はハウジングを含めることができ、このハウジングは、このハウジング内に摺動可能に、かつ旋回可能に配されたプロファイルリンク機構であって、上記ハウジング上に形成され、かつ上記ハウジング内に形成された開口部近傍に位置決めされた受力表面を有するプロファイルリンク機構を含めることができる。上記受力表面は、上記ハウジング内の上記受力部材を旋回可能に移動させる力を受けるように構成された第1部と、上記ハウジング内の上記受力部材を摺動可能に移動させる力を受けるように構成された第2部とを含めることができる。上記過負荷機構は、上記プロファイルリンク機構に抗力を印加するように構成された付勢アセンブリを含めることもできる。1つの例示的な実施の形態では、上記付勢アセンブリは、上記プロファイルリンク機構の旋回時に旋回するように構成されると共に、上記プロファイルリンク機構の摺動時に摺動して上記抗力に打ち勝つ力を上記付勢アセンブリに印加するように構成された旋回アセンブリによって、上記プロファイルリンク機構に連結可能である。
過負荷機構を有する外科用クリップ取付具を取り付ける方法も提供されている。1つの例示的な実施の形態では、閉止力は、外科用クリップ取付具上に形成され、互いに対向する一対の顎部に印加可能である。この閉止力は、互いに対向する顎部を開位置から閉位置へ移動させるのに有効である。上記閉止力が過負荷機構の閾値力より大きい場合には、上記閉止力は上記外科用クリップ取付具内に配された過負荷機構に移される。例示的な実施の形態では、上記過負荷機構の閾値力は、上記顎部が開位置から閉位置へ移動するにつれて増大する。
上記過負荷機構は種々の構造を有することができるが、1つの実施の形態では、上記過負荷機構は、上記閉止力を受けるように構成された受力要素と、上記閉止力に対応する上記受力要素の移動に抗するように構成された付勢アセンブリとを含めることができる。上記外科用クリップ取付具は、上記閉止力を上記顎部に印加するように構成されたカムアセンブリを含めることができ、このカムアセンブリは、上記閉止力が上記顎部に印加されたときに上記受力要素の端から端まで転がるローラー部材を含むものである。上記過負荷機構の閾値力は、上記ローラー部材が上記受力要素の端から端まで転がるにつれて増大することができる。特に、上記ローラー部材が上記受力要素の第1部の端から端まで転がるときに、上記受力要素は、上記閉止力が上記閾値力より大きい場合に旋回することができ、上記ローラー部材が上記受力要素の第2部の端から端まで転がるときに、上記受力要素は、上記閉止力が上記閾値力より大きい場合に摺動することができる。1つの例示的な実施の形態では、上記受力要素を旋回させるのに必要な閾値力は、上記受力要素を摺動させるのに必要な閾値力より小さい。
他の側面では、トリガーに連結され、かつハウジングから延在する長尺シャフトを通じて少なくとも1つの外科用クリップを前進させるように構成されたクリップ前進アセンブリと、トリガーに連結され、かつ上記長尺シャフトの遠位端上に形成された顎部アセンブリを作動して外科用クリップを形成するように構成されたクリップ形成アセンブリとを含めることができる外科用クリップ取付具が提供されている。上記トリガーは、上記ハウジングに連結可能であり、上記クリップ前進アセンブリと上記クリップ形成アセンブリを作動させるように構成することができる。1つの例示的な実施の形態では、上記トリガーは、連続した2つの作動段階を有している。上記トリガーは、作動の第1段階中に上記クリップ前進アセンブリを作動させるのに有効であり、上記クリップ前進アセンブリに適応しながら、作動の第2段階中に上記クリップ形成アセンブリを作動させるのに有効である。
この発明は、添付図面と共に、次の詳細な記述から、より完全に理解されるはずである。
〔発明の詳細な説明〕
この発明は、概ね、外科手術中に、血管、導管、吻合部等に外科用クリップを取り付けるための外科用クリップ取付具およびこの取付具を用いる方法を提供するものである。例示的な外科用クリップ取付具は、この明細書に記述され、かつ図面に示されているように、外科用クリップの取付を容易にする種々の態様を含めることができる。しかしながら、この技術分野における当業者は、上記外科用クリップ取付具が上記態様の一部のみを含めることができ、および/またはこの技術分野において公知である他の種々の態様を含めることができるものと正当に評価するはずである。この明細書に記述された外科用クリップ取付具は、特定の例示的な実施の形態を表そうとしているに過ぎないものである。
図1Aは1つの例示的な外科用クリップ取付具10を示している。外科用クリップ取付具10は、図示されているように、概ね、固定握り14を有するハウジング12と、このハウジング12に旋回可能に連結された可動握り、すなわちトリガー16とを含むものである。長尺シャフト18はハウジング12から延在しており、長尺シャフト18の遠位端上に形成され、互いに対向し、かつ外科用クリップを加締めるための一対の顎部20を含むものである。長尺シャフト18は、ハウジング12に回転可能に連結可能であり、ハウジング12に対して長尺シャフト18を回転させるための回転ノブ22を含めることができる。図1Bは図1Aに示した外科用クリップ取付具10を分解した状態を示しており、種々の部品は以下に詳述される。
図2A〜図12は、外科用クリップ取付具10の長尺シャフト18における種々の部品の例示的な実施の形態を示している。図1Bを参照すると、概ね、長尺シャフト18は、顎部保持シャフト28を有する顎部保持アセンブリ26を含めることができるシャフト部品を収容する外チューブ24を含むものであり、上記シャフト部品の顎部保持シャフト28には、顎部保持シャフト28上に形成されたクリップトラック30およびプッシュロッド溝32が備えられている。顎部20は、クリップトラック30の遠位端に結合するように構成可能である。また、シャフトアセンブリ(長尺シャフト)18はクリップ前進アセンブリを含めることもでき、1つの例示的な実施の形態では、上記クリップ前進アセンブリは、フィーダーシュー34であって、クリップトラック30内に位置決めされた一連のクリップ36を前進させるためにクリップトラック30内に摺動可能に配されるように構成されたフィーダーシュー34と、クリップトラック30を通じてフィーダーシュー34を駆動するように構成されたフィードバー38とを含めることができる。フィードバー38は、このフィードバー38の遠位端に結合して最も遠位側クリップを顎部20内に前進させるように構成された前進機構アセンブリ40を含めることができる。また、シャフトアセンブリ(長尺シャフト)18は、クリップ形成、すなわちカムアセンブリを含めることもでき、このカムアセンブリは、1つの例示的な実施の形態では、顎部20に摺動可能に結合するように構成されたカム42と、このカム42を顎部20に対して移動させるためにカム42に連結できるプッシュロッド44とを含めることができる。また、シャフトアセンブリ(長尺シャフト)18は、手術部位に対する顎部20の位置決めを容易にするために、クリップトラック30の遠位端に結合できる組織止め46を含めることもできる。
1つの例示的なクリップ前進アセンブリの種々の部品は、図2A〜図5に詳細に示されている。まず、図2A〜図2Dを参照すると、外チューブ24に結合する近位端28aと、顎部20に結合するように構成された遠位端28bとを有する長尺で、実質的に平坦な顎部保持シャフト28を含む顎部保持アセンブリ26が示されている。顎部保持シャフト28の近位端28aを外チューブ24に結合するのに種々の技術が使用できるが、図示された実施の形態では、近位端28aは、この近位端28aの両側に形成され、かつ外チューブ24内に形成された対応の孔すなわち開口部(図示せず)内に受け入れられるように構成された歯列31と、近位端28a内に形成され、かつ近位端28aの両側を反らせる、すなわちばねを構成することができるカットアウト29とを含むものである。特に、カットアウト29は、顎部保持シャフト28が外チューブ24内に挿入されたときに、顎部保持シャフト28の近位端28aの両側が互いに圧縮されるようにすることができる。一旦、歯列31が外チューブ24内の対応の開口部と一列に並ぶと、顎部保持シャフト28の近位端28aは、圧縮されていない元の形状に戻り、これにより歯列31を対応の開口部内に延在して外チューブ24に係合させることができる。図4Aに関して、さらに詳述されるように、上記装置は、この装置の使用時において、顎部保持シャフト28の近位端28aの両側が圧縮されるのを阻止して、歯列31が外チューブ24から偶発的に外れる事態を阻止する態様を含めることもできる。
顎部保持シャフト28の遠位端28bを顎部20に結合するのに種々の技術が使用可能であるが、図示された実施の形態では、顎部保持シャフト28の遠位端28bは、この遠位端28b内に形成され、かつ顎部20上に形成された対応の突起部すなわち歯列94と噛合するための数個のカットアウトすなわち歯列78を含むものである。なお、歯列94は図7に関して以下にさらに詳述される。歯列78は、顎部20の近位部分を顎部保持シャフト28と実質的に面一とすることができる。
また、顎部保持アセンブリ26は、この顎部保持アセンブリ26上に形成され、かつ以下にさらに詳述されるように顎部20に対するカム42の前進に使用されるプッシュロッド44を摺動可能に受け入れるためのプッシュロッド溝32を含めることもできる。プッシュロッド溝32は、種々の技術を用いて形成可能であり、プッシュロッド44の形状および寸法に依存するすべての形状おおよび寸法を有することができる。図2Dに示されているように、プッシュロッド溝32は、例えば溶接によって、顎部保持シャフト28の上面に固定されており、実質的に矩形状を有し、顎部保持シャフト28を通じて延在する経路32aを画定する。また、プッシュロッド溝32は、顎部保持シャフト28の全部あるいは一部に沿って延在することもできる。この技術分野における当業者は、顎部保持アセンブリ26が外科用クリップ取付具10の長尺シャフト18内でのプッシュロッド44の移動を容易にするプッシュロッド溝32を含む必要がないと正当に評価するはずである。
また、図2A〜図2Dに示されているように、顎部保持アセンブリ26は、この顎部保持アセンブリ26に結合されるか、あるいはこの顎部保持アセンブリ26上に形成されるクリップトラック30を含めることもできる。クリップトラック30は、顎部保持シャフト28の下面に結合された状態で示されており、このクリップトラック30はクリップトラック30の遠位端30bが顎部20と実質的に一列に並べるように顎部保持シャフト28の遠位端28bを越えて延在している。使用時には、クリップトラック30は少なくとも1つ、好ましくは一列のクリップを内部に配置するように構成されている。したがって、クリップトラック30は、1つまたはそれ以上のクリップの対向する両脚を配置し、これによりクリップの両脚が互いに軸方向に位置合わせされるように構成された対向するサイドレール80a、80bを含めることができる。1つの例示的な実施の形態では、クリップトラック30は、製造中に、クリップトラック30内に予め配置された約20個のクリップを配置するように構成することができる。この技術分野における当業者は、クリップトラック30の形状、寸法および構造がこのクリップトラック30内に受け入れられるように構成されたクリップ、あるいはステープル等、他の縫合装置の形状、寸法および構造に依存して変更できるものと正当に評価するはずである。さらに、他の種々の技術は、長尺シャフト18を用いて補給用のクリップを保持するために、クリップトラック30に代えて使用可能である。
また、クリップトラック30は、以下にさらに詳述されるように、クリップトラック30内に配されるように構成されたフィーダーシュー34上に形成されたタング82aを受け入れるために、クリップトラック30内に形成された数個の開口部30cを含めることもできる。1つの例示的な実施の形態では、クリップトラック30は、少なくとも、外科用クリップ取付具10内に予め配され、かつ使用時に補給されるように構成されたクリップの数に対応する数の開口部30cを含むものである。開口部30cは、フィーダーシュー34が前進するごとに、フィーダーシュー34上のタング82aが開口部30cに係合することを保証するように、互いに等距離にあることが好ましい。図示されていないが、クリップトラック30は、開口部30cに代えて移動止めを含めるか、あるいはクリップトラック30がフィーダーシュー34に係合して、フィーダーシュー34の近位側への移動を許すものの、遠位側への移動を阻止する他の態様を含めることができる。また、クリップトラック30は、図2Bに示されているように、クリップトラック30上に形成され、かつ、さらに詳述されるように、最も遠位側の位置を越えるフィーダーシュー34の移動を阻止するために、フィーダーシュー34上に形成された対応の停止タングによって係合されるのに有効な停止タング118を含めることもできる。停止タング118は種々の構造を有することができるが、1つの例示的な実施の形態では、クリップトラックの一部を囲むように互いに向かって延在することで、クリップを通過させることができ、互いに隣接した2つのタブの形態を採っている。
例示的なフィーダーシュー34は、図3Aおよび図3Bにさらに詳細に示されており、クリップトラック30を通じてクリップを直接駆動するように構成可能である。フィーダーシュー34は種々の構造を有することができるが、クリップトラック30を通じてクリップを駆動するのに他の種々の技術を使用することができ、1つの例示的な実施の形態では、フィーダーシュー34は、近位端34aおよび遠位端34bを備えた、概ね長尺の形状を有している。遠位端34bは、クリップトラック30内の最も近位側のクリップを支えてクリップトラック30を通じて1つまたは複数のクリップを押し出すように構成することができる。図示された例示的な実施の形態では、遠位端34bは、クリップのV字形状の湾曲部を配置するために実質的にV字形状である。また、遠位端34bは、以下にさらに詳述されるように、前進機構40が最も遠位側クリップに係合し、かつ顎部20内に前進させるために、遠位端34b内に形成された矩形状のノッチ部34cを含むものである。勿論、遠位端34bは、クリップ、あるいは外科用クリップ取付具10と共に使用される他の縫合機構の構造に依存して変更できる。
他の例示的な実施の形態では、フィーダーシュー34は、クリップトラック30内でのフィーダーシュー34の遠位側への移動を容易にし、かつクリップトラック30内でのフィーダーシュー34の近位側への移動を実質的に阻止する態様を含めることができる。このような構造は、クリップトラック30内でのクリップの前進および適切な位置決めを保証するものであり、これにより最も遠位側クリップが、以下にさらに詳述されるように、トリガー16の各作動に伴って顎部20間に前進することができる。図示された例示的な実施の形態では、フィーダーシュー34は、このフィーダーシュー34の上面34s上に形成され、かつクリップトラック30内に形成された開口部30cの1つに係合するために近位側へ曲げられるタング82aを含むものである。使用時に、タング82aの曲げは、フィーダーシュー34がクリップトラック30内の遠位側へ摺動することを可能にする。フィーダーシュー34が前進するごとに、タング82aは、クリップトラック30内の1つの開口部30cから次の開口部30cへ遠位方向に移動することになる。クリップトラック30内の開口部30cへのタング82aの係合は、以下にさらに詳述されるように、フィーダーシュー34が近位側へ移動して以前の位置に戻ることを防止することになる。
クリップトラック30内でのフィーダーシュー34の近位側への移動を容易にするために、図3Bに示されているように、フィーダーシュー34は、このフィーダーシュー34の下面34i上に形成され、かつフィードバー38(図4A)が遠位側へ移動するときに、このフィードバー38によってフィーダーシュー34が係合されることを可能にするタング82bを含めることができる。下側のタング82bは、近位側への曲げが可能である点で、上側のタング82aに類似している。使用時において、フィードバー38が遠位側へ移動するごとに、フィードバー38内に形成された移動止め84は下側のタング82bに係合し、かつクリップトラック30内の所定距離だけ遠位側へフィーダーシュー34を移動させることができる。フィードバー38は、その後、近位側へ移動して、フィードバー38の初期位置へ戻ることができると共に、下側のタング82bの曲げは、そのタング82bがフィードバー38内に形成された次の移動止め84内に摺動することを可能にする。前述したように、タング82a、82b、および開口部30cまたは移動止め84に代わる他の種々の態様は、クリップトラック30でのフィーダーシュー34の移動を制御するのに使用可能である。
また、前述したように、フィーダーシュー34は、このフィーダーシュー34上に形成され、かつフィーダーシュー34が最も遠位側の位置にあると共に外科用クリップ取付具10内にクリップが残っていない場合にフィーダーシュー34の移動を停止させるように構成された停止部を含めることができる。上記停止部は種々の構造を有することができるが、図3Aおよび図3Bはフィーダーシュー34上に形成され、かつクリップトラック30上に形成された停止タング118(図2B)に係合するための下方向に延在する第3のタング82cを示している。第3のタング82cは、フィーダーシュー34が最も遠位側の位置にあるときに、第3のタング82cがクリップトラック30上に形成された停止タング118に係合し、これにより補給用のクリップが使い果たしたときに、フィーダーシュー34およびフィードバー38の移動を阻止することができるように位置決めされている。
図4Aは、顎部保持アセンブリ26のクリップトラック30を通じてフィーダーシュー34を駆動するための例示的なフィードバー38を示している。フィードバー38は、図示されているように、近位端38aおよび遠位端38bを備えた、概ね長尺の形状を有している。フィードバー38の近位端38aは、以下にさらに詳述されるように、フィードバーカプラー50(図1B)に結合するように構成することができる。フィードバーカプラー50は、トリガー16の作動時に、長尺シャフト18内で遠位方向にフィードバー38を摺動可能に移動するのに有効なフィードリンク機構52に結合することができる。フィードバー38の遠位端38bは、以下にさらに詳述されるように、図5Aおよび図5Bに示された例示的な実施の形態では、クリップトラック30内に配された最も遠位側クリップを顎部20内に駆動するのに有効な前進機構40、40´に結合するように構成することができる。
前述したように、フィードバー38の近位端38aは、外科用クリップ取付具10の使用時に、顎部保持シャフト28の近位端28aの両側が圧縮されるのを阻止して、歯列31が外チューブ24から偶発的に外れる事態を阻止する態様を含めることができる。図4A〜図4Cに示された1つの例示的な実施の形態では、フィードバー38の近位端38aは、この近位端38a上に形成され、かつ顎部保持シャフト28の近位端28a内に形成された開口部29内に延在するように構成された突起部39を含めることができる。フィードバー38が最も近位側の位置にあるとき(すなわち、トリガー16が開位置にあるとき)に、突起部39は、図4Bに示されているように、顎部保持シャフト28の近位端28aを圧縮して、顎部保持シャフト28の外チューブ24内への摺動を可能にするように、開口部29の近位端に位置決めされることになる。フィードバー38が最も遠位側の位置にあるとき(すなわち、トリガー16が少なくとも部分的に閉位置にあるとき)に、突起部39は、顎部保持シャフト28の近位端28aの圧縮を阻止するために、図4Cに示されているように、歯列31近傍の中間位置に位置決めされることになる。このような構成は、外科用クリップ取付具10の使用時に、顎部保持シャフト28が外チューブ24から偶発的に外れる事態を阻止することになるため、外科用クリップ取付具10の使用時において特に有利である。図4A〜図4Cは、円形の角部を有する矩形の断面を有する突起部39を示しているが、突起部39は、種々の他の形状および寸法を有することができる。例えば、図4Dおよび図4Eに示されているように、突起部39´は、顎部保持シャフト28の近位端28aが外科用クリップ取付具10の使用時において圧縮されることがないことをさらに保証するために、歯列31間に延在するように構成されたテーパー状端部を備えた略三角形の断面を有している。1つ以上の突起部も使用可能である。例えば、図4F〜図4Hは、フィードバー38の近位端38a´がこの近位端38a´上に形成され、かつ互いに離間した2つの突起部39a、39bを含む他の実施の形態を示している。2つの突起部39a、39bは、図4Fに示されているように、フィードバー38が最も近位側の位置にあるとき、および図4Hに示されているように、フィードバー38が最も遠位側の位置にあるときに、顎部保持シャフト28の近位端28aの圧縮を阻止することになる。顎部保持シャフト28の近位端28aの圧縮は、図4Gに示されているように、歯列31が突起部39a、39b間に位置決めされるような中間位置にフィードバー38があるときのみ、行われる可能性がある。
前述したように、フィードバー38は、このフィードバー38内に形成され、かつフィーダーシュー34上に形成された下側のタング82bに係合するための1つまたはそれ以上の移動止め84を含めることができる。移動止め84の数は変更可能であるが、1つの例示的な実施の形態では、フィードバー38は、外科用クリップ取付具10によって送出されるように構成されたクリップの数に対応するか、あるいはそのクリップの数より多い数の移動止め84を有しており、より好ましくは、フィードバー38は、外科用クリップ取付具10によって送出されるように構成されたクリップの数より1つ多い数の移動止め84を有している。この発明を限定しない例として、フィードバー38は、このフィードバー38内に形成され、かつクリップトラック30内に予め配された17個のクリップを送出するための18個の移動止め84を含めることができる。このような構成は、フィードバー38がフィーダーシュー34を17回前進させることができ、これにより取付用の17個のクリップを顎部20内に前進させることができる。また、移動止め84は、フィードバー38が前進するごとに、フィーダーシュー34がフィードバー38に係合し、かつフィードバー38によって前進することを保証するように、互いに等距離にあることが好ましい。
また、フィードバー38は、クリップトラック30に対するフィードバー38の移動量を制御する態様を含めることができる。このような構造は、トリガー16が作動されるごとに、フィーダーシュー34が所定距離を前進し、これにより1つのクリップのみを顎部20内に前進させることを保証することになる。フィードバー38の遠位側への移動を制御するのに種々の技術が使用可能であるが、1つの例示的な実施の形態では、フィードバー38は、このフィードバー38上に形成され、かつ顎部保持シャフト28内に形成された対応のスロット88(図2B)内に摺動可能に受け入れられるように構成された突起部86を含めることができる。スロット88の長さは、このスロット88内における突起部86の移動を制限するのに有効であり、従ってフィードバー38の移動を制限するものである。したがって、使用時において、フィードバー38は、クリップトラック30に対して近位側の固定位置と遠位側の固定位置との間に摺動し、これによりフィードバー38の前進ごとに所定距離だけ、フィーダーシュー34を前進させることができる。
図5Aは、フィードバー38の遠位端38bに結合するように構成され、かつクリップトラック30から最も遠位側クリップを顎部20内に駆動するのに有効な前進機構40の1つの例示的な実施の形態を示している。前進機構40をフィードバー38に結合するのに種々の技術が使用可能であるが、図示された実施の形態では、前進機構40の近位端40aはフィードバー38の遠位端38b上に形成された雄型コネクターを受け入れるように構成された雌型コネクターの形態を採っている。前進機構40は、フィードバー38に固定されるのが好ましいが、前進機構40はフィードバー38と一体に形成する態様を選択することができる。フィードバー38の遠位端38bは、好ましくは、1つのクリップを顎部20内に前進させるように構成され、これにより前進機構40の遠位端40bは、例えば遠位端40b上に形成されたクリップ押出部材90を含めることができる。クリップ押出部材90は、種々の形状および寸法を有することができるが、1つの例示的な実施の形態では、クリップ押出部材90は、その遠位端内に形成され、かつクリップの湾曲部を配置するための凹部92を備えた長尺の形状を有している。凹部92の形状はクリップの特定構造に依存して変更可能である。また、クリップ押出部材90は、前進機構40の長軸Aを基準として上方向の角度で延在することができる。このような構造は、前進機構40の残り部分がクリップトラック30に対して実質的に平行な方向に延在しているのに対し、クリップ押出部材90がクリップトラック30内に延在してクリップに係合することを可能にする。図5Bは、前進機構40´のクリップ押出部材90´の他の例示的な実施の形態を示している。この実施の形態では、クリップ押出部材90´は、僅かに狭く、その最遠位端内に形成された小さな凹部92´を有している。使用時においては、前進機構40は、クリップトラック30内に配された最も遠位側クリップのみに係合し、このクリップのみを顎部20内に前進させることができる。この作用は、前述したように、近位側の固定位置と遠位側の固定位置との間に摺動可能に移動できるフィードバー38の位置出しによるものである。
図6A〜図6Fは、使用されるクリップ前進アセンブリを示しており、特に図6A〜図6Dは、フィーダーシュー34および補給用のクリップ36を前進させるためのクリップトラック30内におけるフィードバー38の移動を示し、図6Eおよび図6Fは、最も遠位側クリップを顎部20内に前進させるための前進機構40の移動を示している。クリップ前進アセンブリを作動させるのに使用されるハウジング12内の部品は、以下にさらに詳述される。
図6Aに示されているように、静止位置におけるフィードバー38は、突起部86が顎部保持シャフト28における長尺のスロット88内の近位側に位置決めされるように、最も近位側の位置にある。フィーダーシュー34はクリップトラック30内に配されており、外科用クリップ取付具10がまだ使用されていなかったと仮定すると、フィーダーシュー34上の上側のタング82aが最も近位側すなわちクリップトラック30内に形成された第1の開口部30c1と係合してフィーダーシュー34の近位側への移動を阻止すると共に、フィーダーシュー34上の下側のタング82bがフィードバー38内の第1の移動止め841と第2の移動止め842との間に位置決めされて下側のタング82bがフィードバー38によって上方向に付勢されるような最も近位側の位置にフィーダーシュー34がある。フィードバー38内の移動止め84は、841、842などで順に表示され、クリップトラック30内の開口部30cは、30c1、30c2などで順に表示されている。図6Aにさらに示されているように、一連のクリップ36は361、362・・36xで順に表示され、このうち36xが最も遠位側クリップであり、これらのクリップ36はクリップトラック30内でフィーダーシュー34の遠位側に位置決めされている。
トリガー16の作動時において、フィードバー38は遠位側へ前進し、突起部86をスロット88内の遠位側へ摺動させる。フィードバー38が遠位側へ移動するときに、フィーダーシュー34上の下側のタング82bはフィードバー38内の第1の移動止め841内に摺動することになる。フィードバー38の遠位側への更なる移動は、図6Bに示されているように、第1の移動止め841を下側のタング82bに係合させ、フィーダーシュー34および補給用のクリップ361、362などを遠位方向に移動させることになる。図6Cに示されているように、突起部86が顎部保持シャフト28における長尺のスロット88の遠位端に隣接するときには、フィードバー38の更なる遠位側への移動が阻止される。この位置では、フィーダーシュー34は所定距離を前進してクリップトラック30内において補給用のクリップ361、362・・36xを所定距離だけ前進させる。フィーダーシュー34の上側のタング82aは、クリップトラック30内の第2の開口部30c2内に前進してフィーダーシュー34の近位側への移動を阻止し、フィーダーシュー34上の下側のタング82bはフィードバー38内の第1の移動止め841によってまだ係合されている。
図6Aに示された最も近位側の初期位置から図6Cに示された最も遠位側の最終位置へのフィードバー38の移動は、最も遠位側クリップ36xを顎部20内に前進させることになる。特に、図6Eに示されているように、フィードバー38の遠位側への移動は、フィードバー38の遠位端に取り付けられている前進機構40のクリップ押出部材90を、クリップトラック30内の最も遠位側クリップ36xに係合し、かつ図6Fに示されているようにクリップ36xを顎部20内に前進させることになる。1つの例示的な実施の形態では、前進機構40は、フィーダーシュー34の係合および前進移動の開始前に、最も遠位側クリップ36xの係合および前進移動の開始をすることになる。結果として、最も遠位側クリップ36xはフィーダーシュー34による行程距離より長い距離を前進することになる。このような構造は、追加のクリップが顎部20内へ偶発的に前進することなく、最も遠位側クリップ36xのみを顎部20内に前進させることを可能にする。
一旦、最も遠位側クリップ36xが部分的あるいは全体的に形成されると、トリガー16は緩められて、形成済みの最も遠位側クリップ36xを放すことができる。また、トリガー16の解除は、図6Dに示されているように、突起部86が長尺のスロット88内における最も近位側の初期位置に戻るまで、近位方向にフィードバー38を後退させることになる。フィードバー38が近位側に後退するときに、上側のタング82aがクリップトラック30内の第2の開口部30c2に係合することになるので、フィーダーシュー34は近位側へ移動することはない。下側のタング82bは、フィードバー38の近位側への移動を妨げず、図示されているように、仮に、フィードバー38が最も近位側の初期位置にあれば、下側のタング82bはフィードバー38内の第2の移動止め842と第3の移動止め843との間に位置決めされることになる。
上記ステップは、他のクリップを顎部20内に前進させるために繰り返される。トリガー16の作動ごとに、下側のタング82bは次の移動止め、すなわちフィードバー38内に形成された移動止め842によって係合され、フィーダーシュー34上の上側のタング82aは次の開口部、すなわちクリップトラック30内の開口部30c3内で遠位側へ移動し、最も遠位側クリップは顎部20内に前進して解除されることになる。外科用クリップ取付具10が所定数、例えば17個のクリップを含む場合には、トリガー16は17回、作動可能である。一旦、最後のクリップが取り付けられると、フィーダーシュー34上の停止部、例えば第3のタング82cは、クリップトラック30上の停止タング118に係合し、フィーダーシュー34の遠位側への更なる移動を阻止することができる。
図7〜図9は、クリップ形成アセンブリの部品についての種々の実施の形態を示している。まず、図7を参照すると、顎部20についての1つの例示的な実施の形態が示されている。前述するように、顎部20は、顎部保持シャフト28上に形成された対応の歯列78と噛合する歯列94を有する近位部分20aを含めることができる。しかしながら、他の技術は、顎部20を顎部保持シャフト28に結合するのに使用可能である。例えば、蟻継ぎ結合、雄雌結合などを使用することができる。これに代えて、顎部20は、顎部保持シャフト28と一体に形成することができる。顎部20の遠位部分20bは、これらの間にクリップを受け入れるように構成することができ、したがって遠位部分20bは、互いに対向し、相対移動可能な第1および第2の顎部材96a、96bを含めることができる。1つの例示的な実施の形態では、顎部材96a、96bは開位置となる方向に付勢されており、互いに向けて顎部材96a、96bを移動する力が必要となる。顎部材96a、96bは、それぞれ、対向する内面に形成され、かつ顎部材96a、96bと整合した状態になるクリップの両脚を受け入れるための溝(溝97のみが図示されている)を含めることができる。また、顎部材96a、96bは、それぞれ、両部材内に形成され、かつカム42が顎部材96a、96bに係合すると共に顎部材96a、96bを互いに向けて移動させるカムトラック98a、98bを含めることもできる。1つの例示的な実施の形態では、カムトラック98a、98bは顎部材96a、96bの上面上に形成されている。
図8は、顎部材96a、96bに摺動可能に結合し、かつ係合するカム42の一例を示している。カム42は種々の構造を有することができるが、図示された実施の形態では、カム42は、以下にさらに詳述されるように、プッシュロッド44に結合するように構成された近位端42aと、顎部材96a、96bに係合するように構成された遠位端42bを含むものである。種々の技術は、カム42をプッシュロッド44に結合するのに使用可能であるが、図示された実施の形態では、カム42は、このカム42内に形成され、かつプッシュロッド44の遠位端44b上に形成された雄部材すなわち鍵部材102を受け入れるように構成された雌部材すなわち鍵穴型のカットアウト100を含むものである。雄部材102は、プッシュロッド44を示す図9に詳細に示されている。雄部材102は、図示されているように、カム42およびプッシュロッド44を結合するために、カットアウト100の形状に対応する形状を有している。この技術分野における当業者は、カム42およびプッシュロッド44が互いに一体に形成される態様が選択できるものと正当に評価するはずである。プッシュロッド44の近位端44aは、以下にさらに詳述されるように、顎部20に対してカム42およびプッシュロッド44を移動させるための閉鎖リンクアセンブリに結合するように構成可能である。
図8にさらに示されているように、カム42は、このカム42上に形成され、かつ顎部20内に形成された長尺のスロット20c内に摺動可能に受け入れるように構成された突起部42cを含めることができる。使用時においては、突起部42cおよびスロット20cは、クリップ形成アセンブリ用の近位側停止部を構成する役割を果たすことができる。
図8に戻って参照すると、カム42の遠位端42bは、顎部材96a、96bに係合するように構成することができる。種々の技術が使用可能であるが、図示された実施の形態では、遠位端42bは、この遠位端42b内に形成され、かつ顎部材96a、96b上のカムトラック98a、98bを摺動可能に受け入れるためのカム溝あるいはテーパー状の凹部104を含むものである。使用時においては、図10Aおよび図10Bに示されているように、カム42は、顎部材96a、96bが互いに離間している近位側の位置から、顎部材96a、96bが互いに隣接して閉位置に位置決めされている遠位側の位置まで前進可能である。カム42が顎部材96a、96bの端から端まで前進するときに、テーパー状の凹部104は互いに向かって顎部材96a、96bを押し出し、これにより両部材間に配されたクリップを加締めることができる。
前述したように、また、外科用クリップ取付具10は、顎部20内の手術部位における組織の位置決めを容易にするための組織止め46を含めることもできる。図11は、近位端46aと遠位端46bを有する組織止め46についての1つの例示的な実施の形態を示している。近位端46aは、顎部20に隣接する組織止め46を位置決めするため、クリップトラック30の遠位端に結合するように構成することができる。しかしながら、組織止め46は、クリップトラック30と一体に形成することができるか、あるいは長尺シャフト18における他の種々の部品に結合するように構成することができるか、あるいはそれら他の種々の部品と一体に形成することができる。組織止め46の遠位端46bは、この遠位端46b間に血管、導管、吻合部等を配置し、標的部位に対して顎部20を位置決めしかつ位置合わせするように構成された形状を有することができる。図11に示されているように、組織止め46の遠位端46bは実質的にV字形状である。また、遠位端46bはトロカールあるいは他の到達チューブを通じて外科用クリップ取付具10の配置を容易にする湾曲構造を有することができる。また、組織止め46の遠位端46bは、この遠位端46a上のクリップの移動を容易にする他の態様を含めることを選択することができる。例えば、図11に示されているように、組織止め46は遠位端46bの中央部分に形成され、かつ前進機構アセンブリ40の先端部と位置合わせする状態にクリップを維持するための傾斜部47を含むものである。特に、傾斜部47は、この傾斜部47に沿ってクリップの頂部が乗り、これにより遠位方向にクリップを押し出している前進機構アセンブリ40に対するクリップの位置ずれを阻止することができる。この技術分野における当業者は、組織止め46が種々の他の構造を有することができ、組織止め46に沿ってクリップが前進することを容易にする他の種々の態様を含めることができるものと正当に評価するはずである。
図12は、使用される組織止め46を示している。組織止め46は、図示されているように、顎部20の直下で、血管、導管、吻合部等が顎部20間に受け入れられることを可能にする位置に位置決めされている。さらに図示されているように、外科用クリップ36は、この外科用クリップ36の湾曲部36aが組織止め46と位置合わせするように顎部20間に位置決めされている。この構成は、外科用クリップ36の両脚36bを、血管、導管、吻合部あるいは他の標的部位の周囲に完全に位置決めすることを可能にする。
図13〜図26Bは、クリップの前進および形成を制御するためのハウジング12の内部部品についての種々の例を示している。前述したように、外科用クリップ取付具10は、この明細書に記述された態様の一部あるいは全部を含めることができると共に、この技術分野において知られた他の種々の態様を含めることができる。特定の例示的な実施の形態では、外科用クリップ取付具10の内部部品は、長尺シャフト18のクリップ前進アセンブリに連結し、かつ長尺シャフト18を通じて少なくとも1つのクリップを前進させて顎部20間にクリップを位置決めするためのクリップ前進アセンブリと、長尺シャフト18のクリップ形成アセンブリに連結し、かつ顎部20を閉じて部分的あるいは完全に閉じた形状のクリップを形成するクリップ形成アセンブリとを含めることができる。他の例示的な態様は、トリガー16の移動を制御するための後退防止機構と、クリップ形成アセンブリによって顎部20に印加される力の過負荷を防止する過負荷機構と、外科用クリップ取付具10内に残るクリップ数を表示するクリップ数表示機構とを含むものである。
図13〜図17Dは、長尺シャフト18内におけるフィードバー38の移動をもたらすためのハウジング12のクリップ前進アセンブリについての1つの例示的な実施の形態を示している。上記クリップ前進アセンブリは、概ね、上記トリガー16に結合されたトリガー挿入部48と、フィードバー38の近位端38aに結合できるフィードバーカプラー50と、トリガー挿入部48とフィードバーカプラー50との間に延在し、かつトリガー挿入部48からフィードバーカプラー50へ動きを伝えるためのフィードリンク機構52とを含めることができる。
図14は、トリガー挿入部48をさらに詳細に示している。トリガー挿入部48の形状は、ハウジング12の他の部品に依存して変更可能であるが、図示された実施の形態では、トリガー挿入部48は、ハウジング12に旋回可能に結合するように構成された中央部分48aと、トリガー16内に延在しかつトリガー16に結合するように構成された長尺部分48bとを含むものである。中央部分48aは、この中央部分48aを通じて延在し、かつトリガー挿入部48をハウジング12に旋回可能に結合するためのシャフトを受け入れるための穴106を含めることができる。また、中央部分48aは、フィードリンク機構52の一部を受け入れるための上側の側縁部内に形成された第1凹部108を含めることもできる。第1凹部108は、トリガー挿入部48がトリガー16の移動により旋回したときに、フィードリンク機構52が旋回する力を印加されるように、フィードリンク機構52の一部が第1凹部108内に延在することを可能にする寸法および形状を有していることが好ましい。図14に示されているように、第1凹部108は実質的に長尺であり、この第1凹部108内に形成され、かつ図16に関してさらに詳述されるように、フィードリンク機構52の近位端上に形成されたシャフトを配置するための実質的に円形部分を含むものである。また、トリガー挿入部48は、カム42を駆動するためのプッシュロッド44に連結して顎部20を閉じる閉鎖リンクローラー54を受け入れる背面側の側縁部内に形成された第2凹部110と、以下にさらに詳述するように、トリガー挿入部48の底面側の側縁部上に形成され、かつトリガー16の移動を制御するための爪60と噛合するためのラチェット歯列112とを含めることができる。
図15Aおよび図15Bには、例示的なフィードバーカプラー50がさらに詳細に示されており、このフィードバーカプラー50は、フィードバー38の近位端38aをフィードリンク機構52の遠位端に連結するように構成することができる。種々の技術がフィードバーカプラー50をフィードバー38の近位端38aに結合するのに使用可能であるが、1つの例示的な実施の形態では、フィードバーカプラー50は2つの個別の半体50a、50bから形成されており、これら半体50a、50bは、これら両半体50a、50b間にフィードバー38の近位端38aを保持するように両半体50a、50bを一緒に結合するものである。結合されたときには、両半体50a、50bは共に、これらの対向端上に形成された実質的に円形のフランジ50d、50eを有し、かつ両フランジ50d、50e間にフィードリンク機構52の遠位部分を配置するための凹部50fを画定する中央シャフト50cを画定している。中央シャフト50cは、この中央シャフト50cを貫通し、かつフィードバー38の近位端38aを受け入れると共にフィードバー38をフィードバーカプラー50に対して実質的に固定位置にロックするための管路50gを画定している。しかしながら、フィードバーカプラー50はフィードバー38と一体に形成可能であり、フィードリンク機構52との結合を容易にする種々の他の形状および寸法を有することができる。
図16は、トリガー挿入部48とフィードバーカプラー50との間に延在できるフィードリンク機構52の一例を示している。フィードリンク機構52は、概ね、近位端52aと遠位端52bを備えた、実質的に平坦な長尺の形状を有することができる。近位端52aは、トリガー挿入部48の第1凹部108内に回転可能に配されるように構成されており、したがって、前述したように、近位端52aを通じて延在するシャフト53(図1B)を含めることができる。シャフト53は、トリガー挿入部48の第1凹部108内に旋回可能に回転するように構成されており、これによりトリガー挿入部48がフィードリンク機構52の旋回を可能にする。フィードリンク機構52の遠位端52bはフィードバーカプラー50に連結されるように構成されており、これにより1つの例示的な実施の形態では、遠位端52b上に形成された対向するアーム114a、114bを含み、これらアーム114a、114b間に、フィードバーカプラー50の中央シャフト50cを配置するための開口部116を画定している。アーム114a、114bは、フィードリンク機構52が旋回軸X回りに旋回するときに、フィードバーカプラー50に係合し、かつ移動させるのに有効である。旋回軸Xは、フィードリンク機構52がハウジング12に連結する位置によって画定することができ、上記旋回軸Xは、フィードリンク機構52上のどこにあっても位置決め可能であるが、図示された実施の形態では、フィードリンク機構52の近位端52a近傍に位置決めされている。
1つの例示的な実施の形態では、フィードリンク機構52を可撓性とすることで、クリップ前進アセンブリおよびクリップ形成アセンブリを較正する必要を排除することができる。特に、フィードリンク機構52は、フィードバー38およびフィードバーカプラー50が最も遠位側にきた後でも、トリガー16が閉位置に向けて移動し続けることを可能にし、クリップ前進アセンブリおよびクリップ形成アセンブリに多少の自由度を与えることができる。換言すれば、トリガー16は、このトリガー16を閉じている間、フィードバー38に適応する関係にある。
フィードリンク機構52の特定の剛性および強度は、クリップ前進アセンブリおよびクリップ形成アセンブリの構造に依存して変更可能であるが、1つの例示的な実施の形態では、フィードリンク機構52は、1インチ当たり75〜110ポンドの範囲内、より好ましくは1インチ当たり約93ポンド(フィードリンク機構52とフィードバーカプラー50との境界面での測定値)である剛性を有すると共に、25〜50ポンドの範囲内、より好ましくは約35ポンドである強度を有している。また、フィードリンク機構52は、種々のポリマー類、金属等を含む種々の材料から構成可能である。1つの例示的な材料はガラス強化ポリエーテルイミドであるが、ガラス強化液晶ポリマー類、ガラス強化ナイロン類、およびこれらおよび類似の熱可塑性プラスチックの炭素繊維強化タイプを含む多くの強化熱可塑性プラスチックが使用可能である。熱硬化性ポリエステル類等の繊維強化型熱硬化性ポリマー類も使用可能である。また、フィードリンク機構52は、限定された可撓性と調節された強度との所望の組み合わせを達成するバネ鋼等の金属から製造可能である。
図17A〜図17Dは、使用されるクリップ前進アセンブリの例を示している。図17Aは、トリガー16が開位置に停止し、フィードバーカプラー50およびフィードバー38が最も近位側の位置にあり、フィードリンク機構52がトリガー挿入部48とフィードバーカプラー50との間に延在している初期位置の状態を示している。前述したように、初期の開位置では、フィードバー38上の突起部86は、顎部保持シャフト28における長尺のスロット88の近位端内に位置決めされている。第1の付勢部材、例えばスプリング120はトリガー挿入部48およびハウジング12に連結されて、開位置にトリガー挿入部48およびトリガー16を維持すると共に、第2の付勢部材、例えばスプリング122は長尺シャフト18をハウジング12に回転可能に結合するシャフトカプラー124と、フィードバーカプラー50との間に延在して最も近位側の位置にフィードバーカプラー50およびフィードバー38を維持するものである。
スプリング120、122によって印加される付勢力に打ち勝つために、トリガー16が作動されかつ閉位置に向けて、すなわち固定握り14に向けて移動するときに、トリガー挿入部48は、図17Bに示されているように、反時計回りに旋回し始める。結果として、フィードリンク機構52は反時計回りに旋回する力を印加され、これによりフィードバーカプラー50およびフィードバー38を遠位方向に移動させることができる。したがって、フィードバー38上の突起部86は顎部保持シャフト28における長尺のスロット88内において遠位側へ移動し、これによりフィーダーシュー34およびクリップトラック30内に配されたクリップ36を前進させることができる。スプリング120はハウジング12とトリガー挿入部48との間に伸張され、スプリング122はフィードバーカプラー50とシャフトカプラー124との間で圧縮される。
トリガー16がさらに作動されかつトリガー挿入部48が旋回し続けるときに、フィードバーカプラー50およびフィードバー38は最終的には最も遠位側の位置に到達することになる。この最も遠位側の位置では、フィードバー38上の突起部86は顎部保持シャフト28におけるスロット88の遠位端に位置決めされることになり、クリップ36は前述したように、顎部20間に位置決めされることになる。スプリング122はシャフトカプラー124とフィードバーカプラー50との間で完全に圧縮され、フィードリンク機構52は、図17Cおよび図17Dに示されているように、撓むことになる。フィードリンク機構52が撓むとき、より好ましくは一旦、フィードリンク機構52が完全に撓むと、クリップ形成アセンブリは顎部20を閉じるように作動されることになる。フィードリンク機構52は、クリップ形成アセンブリの作動中、例えば作動の第2段階中において、撓んだままで、トリガー挿入部48がクリップ前進アセンブリ、特にフィードバー38に適応する関係になる。
図18〜図20には、ハウジング12の例示的なクリップ形成アセンブリがさらに詳細に示されている。概ね、クリップ形成アセンブリはハウジング12内に配され、顎部20に対してプッシュロッド44およびカム42を移動させて顎部20を閉位置に移動させ、これにより顎部20間に位置決めされたクリップ36を加締めることができる。クリップ形成アセンブリは種々の構造を有することができるが、図示された実施の形態では、クリップ形成アセンブリは、トリガー挿入部48に摺動可能に連結された閉鎖リンクローラー54と、この閉鎖リンクローラー54に連結するように構成された閉鎖リンク機構56と、この閉鎖リンク機構56およびプッシュロッド44に連結するように構成された閉鎖カプラー58とを含むものである。
図18は、閉鎖リンクローラー54をさらに詳細に示しており、閉鎖リンクローラー54は、図示されているように、中央シャフト54aを含み、この中央シャフト54aは、その両端近傍に形成された実質的に円形のフランジ54b、54cを有している。中央シャフト54aは、フランジ54b、54cがトリガー挿入部48の両側上に受け入れられるように、トリガー挿入部48内の第2凹部110内に配置されるように構成可能である。また、中央シャフト54aは閉鎖リンク機構56の互いに対向するアーム126a、126bに結合して、これら両アーム126a、126bをトリガー挿入部48の両側上に位置決めするように構成可能である。
図19には、閉鎖リンク機構56の一例がさらに詳細に示されており、閉鎖リンク機構56は、図示されているように、互いに離間しているアーム126a、126bを有している。各アーム126a、126bは、閉鎖リンクローラー54の中央シャフト54aに係合するように構成された近位端128a、128bと、閉鎖リンクローラー54および閉鎖リンク機構56をプッシュロッド44に連結するための閉鎖カプラー58に結合するように構成された遠位端130a、130bとを含むものである。1つの例示的な実施の形態では、各アーム126a、126bの近位端128a、128bは、閉鎖リンクローラー54に旋回可能に結合するように構成されており、これによりアーム126a、126bは、例えば、近位端128a、128b上に形成され、かつ中央シャフト54aに係合するためのフック状部材132a、132bを含めることができる。フック状部材132a、132bは、閉鎖リンク機構56と閉鎖リンクローラー54との係合を容易にするために、互いに反対方向に延在している。アーム126a、126bの遠位端130a、130bは相互に結合可能であり、これら両遠位端130a、130bは、これら遠位端130a、130bを貫通して延在し、かつ閉鎖リンク機構56を閉鎖カプラー58に旋回可能に結合するように構成されたシャフトを受け入れるための管路134を含めることができる。この技術分野における当業者は、他の種々の技術が、閉鎖リンク機構56を閉鎖リンクローラー54および閉鎖カプラー58に結合するのに使用可能であると正当に評価するはずである。
図20Aには、閉鎖カプラー58の一例がさらに詳細に示されており、閉鎖カプラー58は、図示されているように、2つのアーム136a、136bを有する近位部分58aを含み、両アーム136a、136bは、これら両アーム136a、136bを貫通して延在し、かつ閉鎖カプラー58と閉鎖リンク機構56を結合するためのシャフトを受け入れるために、閉鎖リンク機構56内の管路134と整合させるように構成された管路138a、138bを備えている。また、閉鎖カプラー58は、プッシュロッド44(図9)の近位端44aに結合するように構成された遠位部分58bを含めることができる。1つの例示的な実施の形態では、閉鎖カプラー58は、この閉鎖カプラー58内に形成され、かつプッシュロッド44の近位端44aを配置するように構成された形状を有するカットアウト(凹部)59(図20Bおよび図20C)を含むものである。閉鎖カプラー58の遠位部分58bは、トリガー16が開位置にあるときに、フィードバーカプラー50の一部を受け入れるように構成することもできる。この技術分野における当業者は、他の種々の結合技術が閉鎖カプラー58をプッシュロッド44に結合するのに使用可能であり、閉鎖カプラー58およびプッシュロッド44が互いに一体に形成する態様を選択することができるものと正当に評価するはずである。
図20Bおよび図20Cに示された他の例示的な実施の形態では、付勢部材を、プッシュロッド44を遠位方向に付勢するためにカットアウト(凹部)59内に配設可能である。このような構造は、特に、早期の閉鎖段階中に、仮にユーザーがトリガー16を軽く緩めた場合に、クリップが顎部から偶発的に外れる事態を阻止することになる。特に、以下にさらに詳述される後退防止機構は、トリガー16が所定位置に到達するまで、トリガー16の開きを阻止するように構成可能である一方、上記後退防止機構は、トリガー16の多少の微動を許してもよい。したがって、ユーザーがトリガー16を軽く緩め、トリガー16が少し開いた状況において、付勢部材はプッシュロッド44を遠位方向に付勢し、これによりプッシュロッド44を実質的に固定した位置に維持することができる。図20Bに示された実施の形態では、種々の付勢部材が使用可能であるが、付勢部材はプッシュロッド44の近位端44aと凹部(カットアウト)59の後壁面との間に位置決めされ、プッシュロッド44を遠位側へ付勢する片持ち梁状のビーム61である。この片持ち梁状のビーム61は、近位方向の力がビーム61に印加されたときに、ビーム61が撓むか、あるいは平坦になることを可能にするニチノール(Nitinol)等の形状記憶材料から形成可能である。また、ビーム61は、バネ鋼または強化ポリマー類等、他の種々の材料から形成可能であり、1つ以上のビームが使用可能である。図20Cは、コイルあるいは他のタイプのスプリング63の形態を採っている付勢部材の他の実施の形態を示している。スプリング63は、図示されているように、プッシュロッド44を遠位側へ付勢するために、プッシュロッド44の近位端44aと凹部(カットアウト)59の後壁面との間に配されている。スプリング63は、近位方向への力がスプリング63に印加されたときに、圧縮されるように構成されている。この技術分野における当業者は、弾性圧縮部材を含む種々の付勢部材が使用可能であると正当に評価するはずである。
図17A〜図17Dに戻って参照すると、まず、使用時においてトリガー16が開位置から閉位置へ移動するときに、閉鎖リンクローラー54はトリガー挿入部48の第2凹部110内で回転することになる。図17Cに示されているように、一旦、フィードバー38およびフィードバーカプラー50が最も遠位側の位置にあると、トリガー16の更なる作動は、図17Dに示されているように、トリガー挿入部48の第2凹部110に力を印加する閉鎖リンクローラー54をその第2凹部110に係合させ、トリガー挿入部48と共に旋回させることになる。結果として、閉鎖カプラー58は遠位側へ移動し、これによりプッシュロッド44を遠位側へ移動させることができる。プッシュロッド44が遠位側へ前進するときに、カム42は顎部20上を前進し、顎部20を閉じると共に顎部20間に位置決めされたクリップを加締める。トリガー16は、部分的に閉じられる態様を選択することで、顎部20を部分的にのみ閉じ、これにより顎部20間に配されたクリップを部分的に加締めることができる。クリップの完全閉鎖および部分的な閉鎖の選択を容易にするための例示的な技術は以下にさらに詳述される。一旦、クリップが取り付けられると、トリガー16は緩められ、これによりスプリング120がトリガー挿入部48を初期位置に引き戻すことができると共に、スプリング122がフィードバーカプラー50およびフィードバー38に力を印加して近位側の位置まで戻すことができる。トリガー挿入部48が初期位置に戻るときに、閉鎖リンクローラー54も同様に初期位置に戻り、これにより閉鎖リンク機構56、閉鎖カプラー58およびプッシュロッド44を近位側へ引くことができる。
また、外科用クリップ取付具10は、この取付具10の使用を容易にする他の種々の態様を含めることができる。1つの例示的な実施の形態では、外科用クリップ取付具10は、トリガー16の移動を制御するための後退防止機構を含めることができる。特に、後退防止機構は、閉鎖方向への部分的なストローク中に、トリガー16の開きを阻止することができる。しかしながら、一旦、トリガー16が、所定位置、すなわち顎部間に位置決めされたクリップが部分的に加締められた位置に到達すると、後退防止機構は、ユーザーの希望とおりに、トリガー16を緩め、トリガー16が開いてクリップを放すか、あるいはトリガー16が閉じてクリップを完全に加締めることを可能にする。
図21Aおよび図21Bは、ラチェット機構の形態を採っている後退防止機構の1つの例示的な実施の形態を示している。ラチェット機構は、トリガー挿入部48上に形成された一連の歯列112と、ハウジング12内に回転可能に配置されかつトリガー挿入部48近傍に位置決めされるように構成された爪60とを含むものであり、このラチェット機構では、トリガー16の閉鎖およびトリガー挿入部48の旋回運動により爪60を歯列112に係合させることができる。歯列112は、所定位置、すなわち爪60が自由回転する位置に爪60が到達するまで爪60の回転を阻止し、これによりトリガー16の開閉を可能にするように構成することができる。上記所定位置は、好ましくは、顎部20が部分的に閉じられる位置に対応する。1つの例示的な実施の形態では、歯列112は、図示されているように、歯列112に対する爪60の回転を阻止する寸法を有する、例えば10個の歯で構成された第1の歯列112aを含み、これにより爪60が歯列112の第1の歯列112aに係合されるときにトリガー16が開く事態を阻止することができる。また、歯列112は、タック(tock)歯112bと呼ばれる最後すなわち端の歯を含めることができ、このタック(tock)歯112bは、爪60がタック(tock)歯112bに係合されるときに爪60がタック(tock)歯112bに対して回転できる寸法を有するものである。特に、タック(tock)歯112bは、相対的に大きなノッチ部140が第1の歯列112aとタック(tock)歯112bとの間に形成されるように第1の歯列112aの寸法より実質的に大きな寸法を有することが好ましい。ノッチ部140は爪60がノッチ部140内で旋回できるような寸法を有しており、これにより爪60がタック(tock)歯112bを越えて移動するか、あるいは第1の歯列112aに向けて戻るかの選択を可能にする。この技術分野における当業者は、タック(tock)歯112bが10個の歯で構成された第1の歯列112aと同一あるいは小さい寸法を有することができ、さらに両歯列間に形成され、かつ爪60を旋回可能にするノッチ部140を提供するものと正当に評価するはずである。
図22A〜図22Eは、使用されるラチェット機構を示している。まず、トリガー16が図22Aに示されているように閉位置に向けて移動するときに、爪60は第1の歯列112aに係合し、これによりトリガー16の開きを阻止することができる。トリガー16の更なる作動は、爪60がタック(tock)歯112bに隣接するノッチ部140に到達するまで、第1の歯列112aを通り越して爪60を前進させることになる。一旦、顎部20を越えて当然行われるべきカム42の遠位側への部分的な移動により顎部20が部分的に閉じられる位置にあるタック(tock)歯112bに爪60が到達すると、爪60は自由回転し、これにより、ユーザーの希望どおりに、トリガー16の開閉を可能にする。図22Cは完全に閉じられた位置にあるトリガー16を示しており、図22Dおよび図22Eは開位置に戻っている状態のトリガー16を示している。
また、上記ラチェット機構は、顎部20の位置を示す可聴音を発生するように構成することができる。例えば、第1の音は、爪60が第1の歯列112aに係合するときに発せられ、第1の音と異なる第2の音、例えば第1の音より大きな音は、爪60がタック(tock)歯112bに係合するときに発せられるようにすることができる。結果として、爪60がタック(tock)歯112bに係合する所定位置にトリガー16が到達するときには、上記音は、顎部20が部分的に閉位置にあることをユーザーに示すことになる。したがって、ユーザーは、トリガー16を緩めて、部分的に閉じられたクリップを放すか、あるいはクリップを完全に閉じるようにトリガー16を完全に閉じることができる。
他の例示的な実施の形態では、外科用クリップ取付具10は、トリガー16によって顎部20に印加される力の過負荷を阻止する過負荷機構を含めることができる。典型的には、外科用クリップの取付中には、顎部20を閉じ、この顎部20間に位置決めされた組織の周囲に配されたクリップを加締めるのに特定の力が必要となる。形成ステップが進行し、かつクリップが少なくとも部分的に閉じられるときには、クリップの周囲に配された顎部20を閉じ続けるのに必要な力は非常に増大することになる。したがって、1つの例示的な実施の形態では、上記過負荷機構は、顎部20を閉じるのに必要とされる力と相関関係にある抗力を有することができる。換言すれば、過負荷機構の抗力は、顎部20を閉じるのに必要な力が増大するにつれて、増大することができる。しかしながら、上記抗力は、上記過負荷機構の偶発的な作動を阻止するために、顎部20を閉じるのに必要な力よりも僅かに大きい程度であることが好ましい。結果として、仮に、トリガー16が初めに作動したときに顎部20の閉鎖が阻止される場合には、上記過負荷機構の抗力に打ち勝つのに必要な力は相対的に小さくなる。このような構成は、顎部20が開いているか、あるいは部分的に閉じているときに、顎部20が変形をさらに受け易い点で、特に有利である。上記過負荷機構は、クリップ形成の初期段階で、さらに容易に作動させて、顎部20の変形を阻止することになる。逆に、顎部20が実質的に閉じられているときには、上記抗力は相対的に大きくなり、これにより過負荷機構は顎部20に非常に大きな力が印加される時点で作動されるだけである。
図23Aは、過負荷機構62の1つの例示的な実施の形態を分解して示している。概ね、過負荷機構62は、2つの半体64a、64bから構成され、かつプロファイルリンク機構66、トグルリンク機構68、旋回リンク機構70および付勢アセンブリ72を収容する過負荷ハウジング64を含めることができる。付勢アセンブリ72は、過負荷ハウジング64に連結されたスプリング支柱150を含めることができ、このスプリング支柱150は、このスプリング支柱150を貫通して延在し、かつプランジャー154を受け入れるための穴を含むものである。スプリング支柱150の周囲には、スプリング152が配されており、プランジャー154はスプリング支柱150を貫通して延在しており、このプランジャー154は、このプランジャー154上に形成され、かつスプリング152に当接するように構成されたヘッド部154aを含むものである。旋回リンク機構70は、概ねL字形状とされ、この旋回リンク機構70を貫通して延在する旋回ピン156によって過負荷ハウジング64に連結可能である。旋回リンク機構70の近位端70aはプランジャー154のヘッド部154aと接触可能であり、旋回リンク機構70の遠位端70bは旋回ピン166によってトグルリンク機構68に旋回可能に連結されている。次に、トグルリンク機構68はプロファイルリンク機構66に連結可能であり、このプロファイルリンク機構66は過負荷ハウジング64内に形成された開口部64d近傍で過負荷ハウジング64内に摺動可能にかつ旋回可能に位置決め可能である。過負荷ハウジング64内におけるプロファイルリンク機構66の旋回は、例えば、プロファイルリンク機構66を貫通して延在し、かつ過負荷ハウジング64の各半体64a、64b内に形成された第1のスロット160a(一方のスロットのみ図示)内に配された旋回ピン158によって達成可能であり、過負荷ハウジング64内におけるプロファイルリンク機構66の摺動は、例えば、プロファイルリンク機構66上に形成され、かつ過負荷ハウジング64の各半体64a、64b内に形成された第2のスロット160b(一方のスロットのみ図示)内に受け入れられる突起部168a、168bによって達成可能である。
使用されるプロファイルリンク機構66は、上記クリップ形成アセンブリからの力を受け、かつ付勢アセンブリ72の抗力で上記力を打ち消すように構成することができる。特に、過負荷機構62は、トグルリンク機構68および旋回リンク機構70と共にスプリング152を用いて、プロファイルリンク機構66が回動ピン158回りに回転したり、あるいはプロファイルリンク機構66が過負荷ハウジング64に対して摺動したりしないように、プロファイルリンク機構66を付勢する。回転に関する側面では、圧縮されたスプリング152によって印加された力は、トグルリンク機構68および旋回リンク機構70を通じて伝えられ、これにより回転移動は、過負荷ハウジング64に抗してプロファイルリンク機構66に付与されることになる。したがって、このようなアセンブリは、プロファイルリンク機構66を、過負荷ハウジング64に対して回転させないようにする。仮に、プロファイルリンク機構66に対する閉鎖リンクローラー54からの径方向の負荷によって生じたモーメントが旋回リンク機構70およびトグルリンク機構68のモーメントを超える場合には、プロファイルリンク機構66は回転し始め、トグルリンク機構68を座屈させ、旋回リンク機構70にスプリング152をさらに圧縮させる。摺動に関する側面では、旋回リンク機構70、トグルリンク機構68およびプロファイルリンク機構66は、摺動力(摺動に対する抗力)がトグルリンク機構68および旋回リンク機構70を座屈させるのに必要な力であるように位置合わせされる。仮に、プロファイルリンク機構66に対する閉鎖リンクローラー54からの径方向の負荷が上記機構部品の連携の座屈力を超える場合には、その後、旋回リンク機構70は、プロファイルリンク機構66が近位側へ摺動するときに、スプリング152をさらに圧縮することになる。
このような構成は、図23Bおよび図23Cにさらに詳細に示されており、過負荷ハウジング64内の開口部64dは、図示されているように、上記クリップ形成アセンブリの閉鎖リンクローラー54がプロファイルリンク機構66に対して回転することを可能にする。結果として、トリガー16が作動され、かつ閉位置に向けて移動するときには、閉鎖リンクローラー54はプロファイルリンク機構66に力を印加することになる。しかしながら、過負荷用のスプリング152の抗力は、閉鎖リンクローラー54によって印加された力が上記抗力より大きな力、例えば閾値力まで増大しない限り、実質的に固定した位置にプロファイルリンク機構66を維持するはずである。このような作用は、例えば、顎部20間に位置決めされた異物によって、あるいは顎部20がクリップおよび血管、導管、吻合部等がその顎部20間に配された状態で完全に閉じた場合に、もたらすことができる。顎部20がさらに閉じられない場合には、トリガー16の閉鎖動作により閉鎖リンクローラー54に印加された力はプロファイルリンク機構66に伝えられ、その後、プロファイルリンク機構66は過負荷ハウジング64内において旋回し、かつ摺動することになり、これにより旋回リンク機構70を旋回させ、この旋回によりプランジャー154を付勢して過負荷用のスプリング152を圧縮させる。
前述したように、上記過負荷機構を作動させるのに必要な力は、顎部20を閉じるのに必要な力であって、トリガー16が閉位置に移動するときに増大する力と相関関係を有することができる。この相関関係は、プロファイルリンク機構66の構造によって達成可能である。特に、まず、閉鎖リンクローラー54がプロファイルリンク機構66と接触する下側位置にあるときに、プロファイルリンク機構66は、図23Bに示されているように、過負荷ハウジング64内で旋回可能である。閉鎖リンクローラー54がプロファイルリンク機構66に沿って上方に移動するときには、上記過負荷機構の抗力に打ち勝つのに必要な力は、図23Cに示されているように、プロファイルリンク機構66を過負荷ハウジング64内に摺動させなければならないことから増大することになる。プロファイルリンク機構66を旋回させるのに必要な力は、プロファイルリンク機構66を摺動させるのに必要な力より小さくすることができる。したがって、仮に、まず、トリガー16が作動されたときに、例えば異物によって、顎部20の閉鎖が阻止される場合には、最低限の力が、閉鎖リンクローラー54がプロファイルリンク機構66を旋回させるプロファイルリンク機構66の下側部分に上記力を伝えるのに必要となるはずである。顎部20が実質的に閉じられ、かつトリガー16がほとんど完全に作動されているときには、非常に大きな力が、過負荷用のスプリング152の抗力に打ち勝つために、閉鎖リンクローラー54がプロファイルリンク機構66を過負荷ハウジング64内で摺動させるプロファイルリンク機構66の上側部分に上記力を伝えるのに必要となる。上記過負荷機構を作動させるのに必要な力は、顎部20を閉じるのに必要な力より大きく、かつその力に相関して増大させることができるが、上記過負荷機構を作動させる力は、顎部20の変形あるいは他の損傷を防止するために、顎部20を閉じるのに必要な力より僅かに大きい程度が好ましい。この技術分野における当業者は、上記抗力が顎部20を閉じるのに必要な力に基づいて調整可能であることを正当に評価するはずである。
また、プロファイルリンク機構66、および特にプロファイルリンク機構66の遠位側に向く表面66sは、上記過負荷機構を作動させるのに必要な力と顎部20を閉じるのに必要な力との間の相関を容易にする形状を有することができる。例えば、顎部20を閉じるのに必要な力が直線的な割合で増大する場合には、プロファイルリンク機構66の遠位側に向く表面66sは、この表面66s上での閉鎖リンクローラー54の移動をプロファイルリンク機構66が妨害せず、かつトリガー16に印加される直線的な力が顎部20を閉じることを可能にするために、平坦な形状とされている。逆に、トリガー16が閉位置に移動しているときに、顎部20を閉じるのに必要な力が直線的でない場合には、プロファイルリンク機構66は、上記非直線的な力に対応する非直線的な形状を有することができる。このような構造は、カム42(図8)を閉じるのに必要な力が大きくなり過ぎないようにするはずである。
この発明を限定しない実施例として、顎部20を閉じるのに必要な力は、互いに向かって第1および第2の顎部材96a、96bを押し出すように構成されたカム42内の凹部104の形状によって非直線的な形状とすることができる。図8に示されているように、凹部104は、カム42が第1および第2の顎部材96a、96bを通過するときに、上記力が変わることになるような湾曲した構造を有することができる。したがって、プロファイルリンク機構66は、閉鎖リンクローラー54が通過するときに上記力が変わることになるような湾曲し、遠位側に向く対応表面を有することができる。図23Aおよび図23Bに示されているように、プロファイルリンク機構66は、プロファイルリンク機構66の下側部分が実質的に凸状であり、かつプロファイルリンク機構66の上側部分が実質的に凹状であるように、湾曲している。この技術分野における当業者は、顎部20を閉じるのに必要な力および上記過負荷機構を作動させるのに必要な力を最適化するのに、プロファイルリンク機構66は種々の他の形状を有することができ、他の種々の技術が使用可能であると正当に評価するはずである。
また、この技術分野における当業者は、上記過負荷機構が他の種々の構造を有することができるものと正当に評価するはずである。この発明を限定しない実施例として、図23Dは、閉鎖リンクローラー54によって印加される力を受け入れる片持ち梁状のビーム170の形態を採っている過負荷機構を示している。ビーム170は、その一端に連結されたブラケット174を備え、実質的に湾曲した部材172を有することができる。湾曲部材172は、曲げモーメントを有することができ、この曲げモーメントより大きな力が印加されたときに、湾曲部材172は座屈して低い剛性を呈することになる。ブラケット174は、上記曲げモーメントがブラケット174近傍で増大するように、湾曲部材172により高い剛性を付与することができる。閉鎖リンクローラー54が上記凹面に接触するように、使用されるビーム170は外科用クリップ取付具10のハウジング12内に装填可能であり、かつビーム170は、まず、トリガー16が作動されたときに上記ビーム170から閉鎖リンクローラー154はさらに離れるような角度に位置決め可能であり、トリガー16が閉位置に移動するときに、閉鎖リンクローラー54は上記ビーム170にさらに接近するようになる。結果として、座屈に対する抗力は、閉鎖リンクローラー154が移動し、かつ外科用クリップ取付具10のトリガー16が閉位置に移動するときに、増大することになる。図示されていないが、複数のビームは、選択的に積層式で使用可能であり、ビーム(あるいは複数のビーム)の端部すなわち自由端は、このビームの長さ方向に沿う特定地点における座屈荷重に合わせるように形成可能である。
他の例示的な実施の形態では、外科用クリップ取付具10は、この外科用クリップ取付具10内に残るクリップ数を表示するクリップ数表示機構を含めることができる。残存するクリップ数を表示するのに種々の技術が使用可能であるが、図24A〜図25は、表示ホイール74と表示アクチュエータ76と有するクリップ数表示機構の1つの例示的な実施の形態を示している。
図24Aおよび図24Bには、表示ホイール74がさらに詳細に示されており、この表示ホイール74は、図示されているように、表示ホイール74が回転するように構成された中心軸Yを画定する、概ね円形状あるいは円筒形状を有している。表示ホイール74は、その周面に形成され、かつ表示アクチュエータ76によって係合されるように構成された歯列142と、表示部材144とを含むものである。表示部材144は、種々の構造を有することができるが、1つの例示的な実施の形態では、表示部材144は、表示ホイール74の他の部分と異なる色、例えば赤色、オレンジ色等を有するコントラストカラーパッドの形態を採っている。
図25は、表示アクチュエータ76の例をさらに詳細に示している。この表示アクチュエータ76は、ハウジング12内に摺動可能に配され、かつフィードバーカプラー50に連結されるように構成されると共に、フィードバーカプラー50およびフィードバー38が移動するときに、移動する。したがって、表示アクチュエータ76は、一部のみが表示され、かつその下面上に形成された突起部146を含み、この突起部146はフィードバーカプラー50の円形フランジ50d、50e間に形成された凹部50f内に延在している。突起部146は、表示アクチュエータ76がフィードバーカプラー50によって係合され、かつフィードバーカプラー50と共に移動することを可能にする。また、表示アクチュエータ76は、この表示アクチュエータ76上に形成され、かつ表示ホイール74上に形成された歯列142に係合するように構成された係合機構148を含めることができる。図25に示されているように、表示アクチュエータ76上の係合機構148は、アームの形態を採っており、このアームはその端部上に形成され、かつ歯列142に係合するためのタブを有している。
使用される表示ホイール74は、図26Aおよび図26Bに示されているように、ハウジング12内に回転可能に配されており、表示アクチュエータ76は、上記係合機構148が表示ホイール74近傍に位置決めされ、かつ突起部146がフィードバーカプラー50内に延在するように、ハウジング12内に摺動可能に配されている。ハウジング12は、その内部に形成され、かつ表示部材144に視覚的にアクセスするための窓12aを含むものである。トリガー16が閉位置に移動し、かつフィードバーカプラー50が遠位側へ移動するときに、表示アクチュエータ76はフィードバー38およびフィードバーカプラー50と共に、遠位側へ移動することになる。結果として、表示アクチュエータ76上の係合機構148は、表示ホイール74上の歯列142に係合し、これにより、クリップが顎部20内に前進するときに表示ホイール74を回転させることになる。トリガー16が作動されてクリップを顎部20内に前進させるごとに、表示ホイール74は表示アクチュエータ76を回転させる。補給用のクリップに2個または3個のクリップが残っている場合には、表示ホイール74上のコントラストカラーパッド(表示部材)144はハウジング12内に形成された窓12a内に見え始めることになり、これによりたった数個のクリップのみが残っていることをユーザーに示すことができる。コントラストカラーパッド(表示部材)144は、補給用のクリップが使い尽くされたときに、窓12a全体を占めるように構成可能である。
他の例示的な実施の形態では、表示ホイール74は、この表示ホイール74が前進した後に逆方向に、例えば反時計方向に回転するのを阻止するように構成された後退防止機構を含めることができる。上記後退防止機構は種々の構造を有することができ、図24Bに示された実施の形態では、表示ホイール74は中心軸Yに実質的に平行な方向に延在する、互いに対向するアーム73a、73bを含むものである。各アーム73a、73bは、その最も遠位端上に形成され、かつハウジング12上に形成された対応の歯列に係合するように構成された爪75a、75bを有している。図示されていないが、上記対応の歯列は、窓12a近傍のハウジング12の内側部分上に形成された円形の突起部内に形成可能である。表示ホイール74がハウジング12内に配されたときに、アーム73a、73bは、ハウジング12の内部周縁部の周囲に形成された円形の突起部内に延在している。クリップが取り付けられ、かつ表示ホイール74が回転しているときに、アーム73a、73bは、ハウジング12内の歯列上で撓み、次の位置へ移動することができる。表示アクチュエータ76が近位側へ摺動し、表示アクチュエータ76の初期位置に戻るときに、アーム73a、73bは、ハウジング12内の歯列に係合し、表示ホイール74が逆方向、すなわち先の位置に戻る方向に回転するのを阻止することができる。この技術分野における当業者は、表示ホイール74の後退を防止するのに他の種々の技術が使用可能であると正当に評価するはずである。
前述したように、外科用クリップ取付具10は、血管、導管、吻合部等の手術部位に対して部分的あるいは完全に閉じたクリップを取り付けるのに使用可能である。腹腔鏡検査的かつ内視鏡検査的な外科手法では、患者体内に、手術部位へ到達するための小さな切開が形成される。カニューレまたはアクセスポートは、典型的には、皮膚切開部から手術部位へ延在する作業チャネルを画定するのに使用される。多くの場合、外科措置中に、血管または他の導管を経由する血流を止める必要があり、いくつかの措置では、吻合部の使用を要する場合がある。このように、外科用クリップは、血管を加締めるか、あるいは血管に吻合部を固定するのに使用可能である。したがって、外科用クリップ取付具10等の外科用クリップ取付具は、血管、吻合部あるいは他の導管の周囲に顎部20を位置決めするために、カニューレを通じて導入されるか、あるいは別の方法で、手術部位内に導入可能である。組織止め46は、標的部位の周囲に顎部20を位置決めするのを容易にすることができる。トリガー16は、その後、クリップを顎部20間に前進させ、かつ標的部位の周囲に位置決めするように、また顎部20を閉じて上記クリップを加締めるように、作動させることができる。上記クリップの意図した用途次第で、トリガー16は、タック(tock)歯112bに到達する爪60の可聴音によって示されるように、部分的に作動するか、あるいは完全に作動することができる。トリガー16は、その後、部分的あるいは完全閉鎖されたクリップを解放するように解除され、上記措置は、必要に応じて繰り返されて、追加のクリップを取り付けることができる。
この技術分野における当業者は、上述した実施の形態に基づいて、この発明の更なる態様および利点を正当に評価するはずである。したがって、この発明は、添付された特許請求の範囲によって示されたものを除き、特に示され、かつ記述された態様によって限定されるものではない。この明細書に引用したすべての刊行物および文献は、参照することによって、この明細書にそっくりそのまま組み込まれる。
〔実施の態様〕
以下、この発明の実施の態様を説明する。
(1)外科用クリップ取付具において、
ハウジングであって、該ハウジングに移動可能に連結されたトリガーと、前記ハウジングから延在しかつ遠位端上に互いに対向する顎部を備えた長尺シャフトとを有するハウジングと、
前記長尺シャフト内に摺動可能に配され、かつ前記長尺シャフトを通じて少なくとも1つの外科用クリップを駆動するように構成されたフィーダーシューと、
前記フィーダーシューを遠位側へ前進させ、かつクリップを前記対向する顎部内に前進させるように構成されたフィードバーと、を含む、外科用クリップ取付具。
(2)実施態様1記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィードバーは、前記フィーダーシューの遠位側への前進前に、クリップを前記対向する顎部内に前進させ始めるように構成されている、外科用クリップ取付具。
(3)実施態様1記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィーダーシューは、遠位方向へのみ移動するように構成されている、外科用クリップ取付具。
(4)実施態様1記載の外科用クリップ取付具において、
前記長尺シャフト内に配され、かつ少なくとも1つの外科用クリップを配置するように構成されたクリップトラックをさらに含み、前記フィーダーシューは前記クリップトラック内に摺動可能に配されている、外科用クリップ取付具。
(5)実施態様4記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィーダーシューは、前記クリップトラックに係合して前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するように構成されたタングを含み、前記タングは前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの遠位側への移動を許すように構成されている、外科用クリップ取付具。
(6)実施態様5記載の外科用クリップ取付具において、
前記クリップトラックは、該クリップトラック内に形成され、かつ前記タングを受け入れ、前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するための複数の開口部を含む、外科用クリップ取付具。
(7)実施態様4記載の外科用クリップ取付具において、
前記長尺シャフト内に摺動可能に配され、かつ前記トリガーに連結されている前記フィードバーを有し、前記トリガーの閉位置に向かう移動が前記フィードバーを遠位側へ前進させ、これにより前記フィーダーシューを遠位側へ前進させることができる、外科用クリップ取付具。
(8)実施態様7記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィードバーの遠位端は、最も遠位側のクリップに係合し、かつ前記顎部間に前記最も遠位側のクリップを駆動するように構成された前進機構を含む、外科用クリップ取付具。
(9)実施態様8記載の外科用クリップ取付具において、
前記前進機構は、最も遠位側のクリップが互いに対向する顎部間で閉じているときに、前記最も遠位側のクリップとの係合を維持するように構成されている、外科用クリップ取付具。
(10)実施態様8記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィーダーシューはタングを含み、前記フィードバーは、該フィードバー内に形成され、かつ前記タングに係合して前記フィードバーが遠位側へ移動するときに前記フィーダーシューを遠位側へ移動させるように構成された複数の移動止めを含む、外科用クリップ取付具。
(11)実施態様7記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィードバーは、前記トリガーに結合したトリガー挿入部によって、および該トリガー挿入部と前記フィードバーの近位端との間に延在するリンク機構によって前記トリガーに連結されている、外科用クリップ取付具。
(12)実施態様11記載の外科用クリップ取付具において、
前記フィードバーの前記近位端は、前記リンク機構の一部を受け入れるように構成されたカプラーを含む、外科用クリップ取付具。
(13)外科用クリップ取付具と共に使用されるクリップ前進アセンブリにおいて、
少なくとも1つのクリップを配置するように構成されたクリップトラックと、
前記クリップトラックに摺動可能に結合するように構成されたフィーダーシューと、
前記クリップトラックに対して前記フィーダーシューを前進させ、前記クリップトラック内の少なくとも1つのクリップを遠位方向に移動させるように構成されたフィードバーであって、前記クリップトラック内に配された最も遠位側のクリップを顎部アセンブリ内に前進させるように構成されたフィードバーと、
を含む、クリップ前進アセンブリ。
(14)実施態様13記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記フィーダーシューは、前記クリップトラックに係合して前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するように構成されたタングを含み、前記タングは前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの遠位側への移動を許すように構成されている、クリップ前進アセンブリ。
(15)実施態様14記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記クリップトラックは、該クリップトラック内に形成され、かつ前記タングを受け入れ、前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するための複数の開口部を含む、クリップ前進アセンブリ。
(16)実施態様13記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
外科用クリップ取付具のハウジング上に形成された可動トリガーに連結するように構成され、かつ前記可動トリガーが前記フィーダーシューおよび前記クリップトラック内に配された少なくとも1つのクリップを前進させるように閉じられたときに、遠位側へ摺動可能に移動するように構成されたフィードバーをさらに含む、クリップ前進アセンブリ。
(17)実施態様16記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記フィードバーの遠位端は、最も遠位側のクリップに係合し、かつ外科用クリップ取付具の遠位端上に形成された顎部内に前記クリップトラックから前記最も遠位側のクリップを駆動するように構成された前進機構を含む、クリップ前進アセンブリ。
(18)実施態様16記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記フィーダーシューはタングを含み、前記フィードバーは、該フィードバー内に形成され、かつ前記タングに係合して前記フィードバーが遠位側へ移動するときに前記フィーダーシューを遠位側へ移動させるように構成された複数の移動止めを含む、クリップ前進アセンブリ。
(19)実施態様16記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記フィードバーの近位端は、前記フィードバーを外科用クリップ取付具のトリガーに連結するためのリンク機構を受け入れるように構成されたカプラーを含む、クリップ前進アセンブリ。
(20)実施態様13記載のクリップ前進アセンブリにおいて、前記クリップトラックは、外チューブに取り外し可能に結合するように構成された近位端を有する顎部保持シャフトに連結されている、クリップ前進アセンブリ。
(21)実施態様20記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記顎部保持シャフトの前記近位端は圧縮可能であり、前記フィードバーは、該フィードバーが前記クリップトラックに対して所定位置にあるときに、前記顎部保持シャフトの近位端の圧縮を阻止するように構成されている、クリップ前進アセンブリ。
(22)実施態様21記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
前記顎部保持シャフトの前記近位端は、該近位端内に形成され、かつ前記顎部保持シャフトが前記外チューブ内に挿入されるときに前記顎部保持シャフトの圧縮を許すように構成された開口部を含み、
前記フィードバーの近位端は、該近位端上に形成され、かつ前記開口部内に延在して、前記フィードバーが前記顎部保持シャフトに対して所定位置にあるときに、前記顎部保持シャフトの前記近位端の圧縮を阻止するように構成された少なくとも1つの突起部を含む、
クリップ前進アセンブリ。
外科用クリップ取付具の1つの例示的な実施の形態を示す側面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具を示す分解斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の顎部保持アセンブリを示す上面図である。 図2Aに示された顎部保持アセンブリを示す底面図である。 図2Bに示された顎部保持アセンブリを示す側面図である。 顎部保持アセンブリを、図2CのD−D線で切断して示す断面図である。 図2A〜図2Dに示された顎部保持アセンブリと共に使用されるフィーダーシューを示す上面図である。 図3Aに示されたフィーダーシューを示す底面図である。 図2A〜図2Dに示された顎部保持アセンブリを通じて図3Aおよび図3Bのフィーダーシューを前進させるように構成されたフィードバーの側面を示す斜視図である。 図4Aに示されたフィードバーの近位端と、図2Aおよび図2Bに示された顎部保持シャフトの近位端とを示し、最も近位側の位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図4Bに示されたフィードバーおよび顎部保持シャフトを示し、最も遠位側の位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図2Aおよび図2Bに示された顎部保持シャフトの近位端と関連して示されたフィードバーの近位端についての他の実施の形態を示し、最も近位側の位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図4Dに示されたフィードバーおよび顎部保持シャフトを示し、最も遠位側の位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図2Aおよび図2Bに示された顎部保持シャフトの近位端と関連して示されたフィードバーの近位端についてのさらに他の実施の形態を示し、最も近位側の位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図4Fに示されたフィードバーおよび顎部保持シャフトを示し、中間位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図4Fに示されたフィードバーおよび顎部保持シャフトを示し、最も遠位側の位置に配された状態のフィードバーを示す側面図である。 図4Aに示されたフィードバーの遠位端に連結するように構成された前進機構の側面を示す斜視図である。 図4Aに示されたフィードバーの遠位端に連結するように構成された前進機構についての他の実施の形態の側面を示す斜視図である。 図2A〜図2Dに示された顎部保持アセンブリと、図3Aおよび図3Bに示されたフィーダーシューと、図4Aに示されたフィードバーとを含むクリップ前進アセンブリを示し、顎部保持アセンブリのクリップトラックに対して初期の近位側位置に配された状態のフィードバーを示す断面図である。 図6Aに示されたクリップ前進アセンブリを示し、遠位側に移動したフィードバーを示す断面図である。 図6Bに示されたクリップ前進アセンブリを示し、さらに遠位側にフィードバーを移動し、これによりフィーダーシューおよびフィーダーシューの遠位側に配された補給用のクリップを遠位方向に移動させている状態を示す断面図である。 図6Cに示されたクリップ前進アセンブリを示し、図6Aに示された初期の近位側位置にフィードバーを戻すと同時に、フィーダーシューおよび補給用のクリップを図6Cに示された前進位置に残している状態を示す断面図である。 図2A〜図2Dに示された顎部保持アセンブリのクリップトラック内に配され、図5Aに示された前進機構の底面を示し、最も近位側の位置に配された状態の前進機構を示す斜視図である。 図6Eに示された前進機構の底面を示し、クリップを外科用クリップ取付具の顎部内に前進させた後に、最も遠位側の位置に配された状態の前進機構を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具における一対の顎部の側面を示す斜視図である。 図7に示された顎部と共に使用されるカムの側面を示す斜視図である。 図8に示されたカムに連結するように構成され、かつ図7に示された顎部に対してカムを移動させるためのプッシュロッドの上面を示す斜視図である。 図7に示した顎部に連結された図8のカムを示し、初期位置に配されたカムと、開いた状態の顎部とを示す上面図である。 図7に示した顎部に連結された図8のカムを示し、顎部上を前進したカムと、閉位置に配された状態の顎部を示す上面図である。 図2A〜図2Dに示された顎部保持アセンブリのクリップトラックの遠位端に連結するように構成された組織止めの上面を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の遠位端を示し、図7に示された顎部間に位置決めされた状態の図11の組織止めを示す上面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の握り部分を部分的に断面視して示す側面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具のトリガー挿入部の側面を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具のフィードバーカプラーの一方の半体の側面を示す斜視図である。 図15Aに示されたフィードバーカプラーの他方の半体の側面を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具のクリップ前進アセンブリの部分を形成する可撓性のリンク機構の上面を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、初期位置に配された状態のクリップ前進アセンブリを示す側面図である。 図17Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、部分的に作動された状態のクリップ前進アセンブリを示す側面図である。 図17Bに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、完全に作動された状態のクリップ前進アセンブリを示す側面図である。 図17Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、作動された状態のクリップ形成アセンブリを示す側面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具のクリップ形成アセンブリの部分を形成する閉鎖リンクローラーを示す側面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具のクリップ形成アセンブリの部分を形成するために、図18に示された閉鎖リンクローラーに連結する閉鎖リンク機構の上面を示す斜視図である。 図19に示された閉鎖リンク機構に連結し、かつ図1Aに示された外科用クリップ取付具のクリップ形成アセンブリの部分を形成する閉鎖リンクカプラーの上面を示す斜視図である。 図9のプッシュロッドに連結され、かつ内部に配された付勢要素の1つの実施の形態を有する図20Aの閉鎖リンク機構を示す底面図である。 図9のプッシュロッドに連結され、かつ内部に配された付勢要素の他の実施の形態を有する図20Aの閉鎖リンク機構を示す底面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の後退防止機構の側面を拡大して示す斜視図である。 図21Aに示された後退防止機構の爪機構を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、初期位置に配された状態の後退防止機構を示す側面図である。 図22Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、部分的に作動された状態の後退防止機構を示す側面図である。 図22Bに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、完全に作動された位置に配された後退防止機構を示す側面図である。 図22Cに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、初期位置に戻っている途中の後退防止機構を示す側面図である。 図22Dに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、初期位置に戻された状態の後退防止機構を示す側面図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の過負荷機構を示す分解斜視図である。 図23Aに示された過負荷機構を示し、プロファイルリンク機構に接触している最初の状態の閉鎖リンクローラーを示す部分断面図である。 図23Bに示された過負荷機構を示し、プロファイルリンク機構を旋回させる力をプロファイルリンク機構に印加する閉鎖リンクローラーを示す部分断面図である。 外科用クリップ取付具と共に使用される過負荷機構の他の実施の形態を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具のクリップ数表示ホイールの側面を示す斜視図である。 図24Aに示されたクリップ数の表示ホイールを示す側面図である。 図24Aおよび図24Bに示されたクリップ数の表示ホイールと共に使用されるクリップ数の表示アクチュエータの上面を示す斜視図である。 図1Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、図25のクリップ数表示アクチュエータの移動と、図24Aおよび図24Bのクリップ数表示ホイールの移動を示す側面図である。 図26Aに示された外科用クリップ取付具の握りの一部を部分的に断面視して示し、図25のクリップ数表示アクチュエータの更なる移動と、図24Aおよび図24Bのクリップ数表示ホイールの更なる移動を示す側面図である。

Claims (19)

  1. 外科用クリップ取付具において、
    ハウジングであって、該ハウジングに移動可能に連結されたトリガーと、前記ハウジングから延在しかつ遠位端上に互いに対向する顎部を備えた長尺シャフトとを有するハウジングと、
    前記長尺シャフト内に摺動可能に配され、かつ前記長尺シャフトを通じて少なくとも1つの外科用クリップを駆動するように構成されたフィーダーシューと、
    前記フィーダーシューを遠位側へ前進させ、かつクリップを前記対向する顎部内に前進させるように構成されたフィードバーと、
    前記長尺シャフト内に配され、かつ少なくとも1つの外科用クリップを配置するように構成されたクリップトラックと、を含み、
    前記フィーダーシューは前記クリップトラック内に摺動可能に配されており、
    前記フィーダーシューは、前記クリップトラックに係合して前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するように構成されたタングを含み、前記タングは前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの遠位側への移動を許すように構成されており、
    前記フィーダーシュー上に形成された第2のタングが、前記フィーダーシューが最も遠位側の位置にあるときに、前記クリップトラック上に形成された停止タングに係合するようになっている、外科用クリップ取付具。
  2. 請求項1記載の外科用クリップ取付具において、
    前記フィードバーは、前記フィーダーシューの遠位側への前進前に、クリップを前記対向する顎部内に前進させ始めるように構成されている、外科用クリップ取付具。
  3. 請求項1記載の外科用クリップ取付具において、
    前記フィーダーシューは、遠位方向へのみ移動するように構成されている、外科用クリップ取付具。
  4. 請求項1記載の外科用クリップ取付具において、
    前記クリップトラックは、該クリップトラック内に形成され、かつ前記タングを受け入れ、前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するための複数の開口部を含む、外科用クリップ取付具。
  5. 請求項1記載の外科用クリップ取付具において、
    前記長尺シャフト内に摺動可能に配され、かつ前記トリガーに連結されている前記フィードバーを有し、前記トリガーの閉位置に向かう移動が前記フィードバーを遠位側へ前進させ、これにより前記フィーダーシューを遠位側へ前進させることができる、外科用クリップ取付具。
  6. 請求項5記載の外科用クリップ取付具において、
    前記フィードバーの遠位端は、最も遠位側のクリップに係合し、かつ前記顎部間に前記最も遠位側のクリップを駆動するように構成された前進機構を含む、外科用クリップ取付具。
  7. 請求項6記載の外科用クリップ取付具において、
    前記前進機構は、最も遠位側のクリップが互いに対向する顎部間で閉じているときに、前記最も遠位側のクリップとの係合を維持するように構成されている、外科用クリップ取付具。
  8. 請求項6記載の外科用クリップ取付具において、
    前記フィーダーシューはタングを含み、前記フィードバーは、該フィードバー内に形成され、かつ前記タングに係合して前記フィードバーが遠位側へ移動するときに前記フィーダーシューを遠位側へ移動させるように構成された複数の移動止めを含む、外科用クリップ取付具。
  9. 請求項5記載の外科用クリップ取付具において、
    前記フィードバーは、前記トリガーに結合したトリガー挿入部によって、および該トリガー挿入部と前記フィードバーの近位端との間に延在するリンク機構によって前記トリガーに連結されている、外科用クリップ取付具。
  10. 請求項9記載の外科用クリップ取付具において、
    前記フィードバーの前記近位端は、前記リンク機構の一部を受け入れるように構成されたカプラーを含む、外科用クリップ取付具。
  11. 外科用クリップ取付具と共に使用されるクリップ前進アセンブリにおいて、
    少なくとも1つのクリップを配置するように構成されたクリップトラックと、
    前記クリップトラックに摺動可能に結合するように構成されたフィーダーシューと、
    前記クリップトラックに対して前記フィーダーシューを前進させ、前記クリップトラック内の少なくとも1つのクリップを遠位方向に移動させるように構成されたフィードバーであって、前記クリップトラック内に配された最も遠位側のクリップを顎部アセンブリ内に前進させるように構成されたフィードバーと、
    を含み、
    前記フィーダーシューは、前記クリップトラックに係合して前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するように構成されたタングを含み、前記タングは前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの遠位側への移動を許すように構成されており、
    前記フィーダーシュー上に形成された第2のタングが、前記フィーダーシューが最も遠位側の位置にあるときに、前記クリップトラック上に形成された停止タングに係合するようになっている、クリップ前進アセンブリ。
  12. 請求項11記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記クリップトラックは、該クリップトラック内に形成され、かつ前記タングを受け入れ、前記クリップトラック内での前記フィーダーシューの近位側への移動を阻止するための複数の開口部を含む、クリップ前進アセンブリ。
  13. 請求項11記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    外科用クリップ取付具のハウジング上に形成された可動トリガーに連結するように構成され、かつ前記可動トリガーが前記フィーダーシューおよび前記クリップトラック内に配された少なくとも1つのクリップを前進させるように閉じられたときに、遠位側へ摺動可能に移動するように構成されたフィードバーをさらに含む、クリップ前進アセンブリ。
  14. 請求項13記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記フィードバーの遠位端は、最も遠位側のクリップに係合し、かつ外科用クリップ取付具の遠位端上に形成された顎部内に前記クリップトラックから前記最も遠位側のクリップを駆動するように構成された前進機構を含む、クリップ前進アセンブリ。
  15. 請求項13記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記フィーダーシューはタングを含み、前記フィードバーは、該フィードバー内に形成され、かつ前記タングに係合して前記フィードバーが遠位側へ移動するときに前記フィーダーシューを遠位側へ移動させるように構成された複数の移動止めを含む、クリップ前進アセンブリ。
  16. 請求項13記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記フィードバーの近位端は、前記フィードバーを外科用クリップ取付具のトリガーに連結するためのリンク機構を受け入れるように構成されたカプラーを含む、クリップ前進アセンブリ。
  17. 請求項11記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記クリップトラックは、外チューブに取り外し可能に結合するように構成された近位端を有する顎部保持シャフトに連結されている、クリップ前進アセンブリ。
  18. 請求項17記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記顎部保持シャフトの前記近位端は圧縮可能であり、前記フィードバーは、該フィードバーが前記クリップトラックに対して所定位置にあるときに、前記顎部保持シャフトの近位端の圧縮を阻止するように構成されている、クリップ前進アセンブリ。
  19. 請求項18記載のクリップ前進アセンブリにおいて、
    前記顎部保持シャフトの前記近位端は、該近位端内に形成され、かつ前記顎部保持シャフトが前記外チューブ内に挿入されるときに前記顎部保持シャフトの圧縮を許すように構成された開口部を含み、
    前記フィードバーの近位端は、該近位端上に形成され、かつ前記開口部内に延在して、前記フィードバーが前記顎部保持シャフトに対して所定位置にあるときに、前記顎部保持シャフトの前記近位端の圧縮を阻止するように構成された少なくとも1つの突起部を含む、
    クリップ前進アセンブリ。
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