JP5263973B2 - 画像読み取り装置および制振方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光学モジュールの移動機構を有する画像読み取り装置および制振方法に関する。
原稿に記載された画像等を画像読み取り部が読み取るファクシミリ装置や複写機がある。画像読み取り部は、モータ、シャフト、プーリ、従動プーリ、ベルト、プラテンガラスおよび光学モジュールを備える。光学モジュールは、ベルトの周回運動に伴って移動しながら、プラテンガラス上に配置された原稿に光を当てる。原稿とは、光学モジュールの読み取り対象となる文書や写真等であり、画像読み取り部の筐体上部に設置されるプラテンガラスの上に配置される。光学モジュールは、原稿が反射した光を電気信号に変換する。
光学モジュールの移動方式には、ベルトが光学モジュールを移動させるベルト牽引方式と、ベルトの代わりにワイヤが光学モジュールを移動させるワイヤ牽引方式とがある。また、光学モジュールが光学モジュールの両端を支持する2本のベルトの周回運動に伴って移動する両側牽引方式と、光学モジュールが光学モジュールの片端を支持する1本のベルトの周回運動に伴って移動する片側牽引方式とがある。ベルト牽引方式およびワイヤ牽引方式と、両側牽引方式および片側牽引方式とは、組み合わせることが可能である。
図13は、画像読み取り部を備えた片側牽引方式による画像読み取り装置の構成の一例を示す説明図である。図13に示す画像読み取り装置は、モータ41、プーリ42、従動プーリ43、ベルト44および光学モジュール45を備える。モータ41は、駆動力を発生する。プーリ42は、外周に一定の間隔(ピッチ)で凸形状の歯が設けられた滑車である。従動プーリ43は、プーリ42と対になってベルト44を支持する滑車である。ベルト44の一方の面には、所定の間隔で凸形状の歯が設けられている。そしてベルト44は、当該歯を有する面がプーリ42の歯に噛み合うようにプーリ42および従動プーリ43に巻かれる。ベルト44は、光学モジュール45の片端を支持する。ベルト44は、自身の周回運動に合わせて、例えば、図13に示す太い矢印の方向に、光学モジュール45を移動させる。
両側牽引方式による画像読み取り装置では、光学モジュールの両端を支持する2本のベルトが、それぞれのプーリおよび従動プーリに巻かれる。ベルトが巻かれる2つのプーリは、1本のシャフトの両端近傍にそれぞれ取り付けられる。図14は、シャフトに取り付けられるプーリの配置を示す説明図である。図14に示す2つのプーリ51,52は、回転した場合に互いの歯のそれぞれが同じタイミングで上面を向くように取り付けられている。
ここで、ベルト両側牽引方式による画像読み取り装置が画像を読み取る際の光学モジュールの動作の一例を説明する。
光学モジュールは、画像読み取り装置の筐体内に備えられ、レンズ、ランプ、ミラーおよびCCD(Charge Coupled Device )を有する。光学モジュールのランプは光を発する。ランプが発した光は原稿によって反射される。原稿が反射した光は、複数枚のミラーによって順次反射を繰り返された後に、レンズによって集光される。レンズによって集光された光は、CCDに当たる。CCDは、光による電荷を電気信号に変換する。CCDによって変換された電気信号は、画像処理部(図示せず)で画像処理される。
光学モジュールが移動している間、光学モジュールを移動させるベルトの歯がプーリの歯に噛み合うとき等に振動が生じる。図15は、図14に示すプーリの振動とミラーの振動とを示すグラフである。図15には、プーリの歯とベルトの歯とが噛み合って生じた振動が光学モジュールに伝達され、ミラーを振動させることが示されている。
図16は、ミラーの振動の有無による光の反射の変化を示す説明図である。図16(A)には、ミラー61が振動しない場合における入射光62と反射光63との光路が示されている。ミラー61が振動しない場合には、ミラー61に対する入射光62の入射角は、予め設計された角度になる。また、ミラー61に対する反射光63の反射角は、予め設計された角度になる。しかし、図16(B)に示されるように、ミラー61が振動する場合には、ミラー61に対する入射光62の入射角および反射光63の反射角は、振動の影響で変動してしまう。したがって、ミラー61は、設計された角度で光を反射することができない。その結果、画像読み取り装置で読み取られた画像には、色ずれや揺らぎ(ジッタ)等が発生してしまう。
プーリの歯とベルトの歯とが噛み合う時に発生する振動によって光学モジュールに与えられる影響を抑えるために、振動を抑えるための制振ダンパを光学モジュールに取り付ける等、制振部品を追加することがある。制振ダンパは、例えば、光学モジュール内のミラーの振動を抑えるために、光学モジュールの筐体およびミラーに取り付けられる。しかし、制振部品を追加することによって、コスト増加、機構の設計変更、読み取り装置の大きさの増大、および工数増加による生産性の低下といった問題が新たに発生する。また、画像読み取り装置の輸送時等に当該装置に振動や衝撃が加えられた際に、制振部品の取り付け状態が変化してしまい、制振効果が得られなくなることがある。
特許文献1には、制振部品を取り付けずに、振動を原因とする画質の低下などの不具合の発生を防止する駆動伝達装置が記載されている。特許文献1に記載された駆動伝達装置では、駆動軸に取り付けられる複数の同一形状のプーリについて、一方のプーリの歯と他方のプーリの歯との角度が駆動軸に対して1/2ピッチ分ずれるように、それらプーリが取り付けられる。特許文献1に記載された駆動伝達装置では、それぞれのプーリから光学モジュールに伝達される振動が互いに1/2周期ずれて打ち消しあった結果、光学モジュールの振動を抑制することが期待されている。
特開平8−62737号公報(段落0017,0018)
しかし、特許文献1に記載されている駆動伝達装置では、対称性を持った駆動装置を想定し、2つのプーリの歯の角度を駆動軸に対して互いに1/2ピッチ分ずらして取り付けられているが、実際の装置では、モータ等の駆動源の配置、光学モジュールの形状および構成等を含めて装置全体として考えた場合に、完全に対称性を持った装置にはならない。そして、一方のプーリから発生した振動と、当該振動に1/2周期ずれて他方のプーリから発生した振動とが、そのまま1/2周期ずれて光学モジュール上に伝達されるように構成することは困難である。したがって、一方のプーリの歯の取り付け角度を他方のプーリの歯に対して1/2ピッチ分ずらして固定しても、実際の装置においては、振動の相殺効果を必ずしも期待できない。
そこで、本発明は、プーリの振動によって光学モジュールに与えられる影響を確実に軽減する画像読み取り装置および制振方法を提供することを目的とする。
本発明による画像読み取り装置は、駆動力を供給するモータと、モータによって供給される駆動力によって、長手方向を軸に回転するシャフトと、シャフトに取り付けられ、外周上に歯が設けられた滑車であって、シャフトの回転に伴って回転する2つのプーリと、2つのプーリのそれぞれに取り付けられ、一方の面にプーリに設けられた歯に噛み合う凸形状の歯が形成されてプーリの回転に伴ってそれぞれ周回運動する2本のベルトと、2本のベルトによって支持され、2本のベルトの周回運動に伴って移動しながら画像を読み取る光学モジュールとを備え、一方のプーリが、自プーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、その振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第1の振動を出力とする周波数伝達関数と、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、その振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第2の振動を出力とする周波数伝達関数とが、逆位相の関係を満たす角度でシャフトに取り付けられ、一方のプーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生した振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第1の振動が、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生した振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第2の振動と逆位相になるようにシャフトに取り付けられていることを特徴とする。
本発明による制振方法は、外周上に歯が設けられた滑車である2つのプーリのそれぞれに取り付けられ、プーリに設けられた歯に噛み合う凸形状の歯が形成された2本のベルトによって支持された光学モジュールが移動しながら画像を読み取る画像読み取り装置における制振方法であって、一方のプーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに振動を発生し、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とがかみ合うときに振動を発生し、一方のプーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、その振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第1の振動を出力とする周波数伝達関数と、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、その振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第2の振動を出力とする周波数伝達関数とが、逆位相の関係となるようにすることによって、一方のプーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生して光学モジュールに伝達される振動が、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生して光学モジュールに伝達される振動と逆位相になることを特徴とする。
本発明によれば、個々の画像読み取り装置に応じて決定される取り付け角度でプーリが取り付けられるので、プーリの振動によって光学モジュールに与えられる影響を確実に軽減することができる。
本発明による画像読み取り装置の第1の実施形態の構成を示す説明図である。 図1に示す画像読み取り装置の内部構造を示す説明図である。 図1に示す光学モジュールの構成を示す説明図である。 図2に示すシャフトに取り付けられるプーリの配置を示す説明図である。 図4に示すプーリの振動とミラーの振動とを示すグラフである。 プーリの取り付け角度を固定する角度固定機構の一例を示す説明図である。 図6に示すプーリおよびシャフトの詳細な形状を示す説明図である。 プーリの取り付け角度を調整可能な角度調整機構の一例を示す説明図である。 図8に示すプーリおよびシャフトの詳細な形状を示す説明図である。 図8に示すプーリおよびシャフトの詳細な形状を示す説明図である。 本発明による画像読み取り装置の第2の実施形態の構成を示す説明図である。 本発明による画像読み取り装置の主要部を示すブロック図である。 片側牽引方式による画像読み取り装置の構成の一例を示す説明図である。 シャフトに取り付けられるプーリの配置を示す説明図である。 図14に示すプーリの振動とミラーの振動とを示すグラフである。 ミラーの振動の有無による光の反射の変化を示す説明図である。
実施形態1.
図1は、本発明による画像読み取り装置の第1の実施形態(実施形態1)の構成を示す説明図である。図2は、図1に示す画像読み取り装置の内部構造を示す説明図である。図1および図2を参照して、第1の実施形態の画像読み取り装置の構成を説明する。
図1に示す画像読み取り装置は、光学モジュール11の両端を支持する2本のベルト14,15の周回運動に伴って、当該光学モジュール11が移動するベルト両側支持方式の画像読み取り装置である。図1に示す画像読み取り装置は、光学モジュール11、プラテンガラス12、ベルト14,15、プーリ16,17、従動プーリ18,19、シャフト20およびモータ21を含む。原稿13は、光学モジュール11の読み取り対象となる文書や写真等であり、画像読み取り装置の筐体上部に設置されるプラテンガラス12の上に配置される。光学モジュール11は、ベルト14,15の周回運動に伴って移動しながら、プラテンガラス12上に配置された原稿13に光を当てる。光学モジュール11は、原稿13が反射した光を電気信号に変換する。
モータ21は、駆動力を発生する。シャフト20は、モータ21が発生した駆動力によって、長手方向を回転軸として回転する。プーリ16,17は、外周に一定の間隔(ピッチ)で凸形状の歯が設けられた滑車である。プーリ16,17は、シャフト20の両端近傍に、当該シャフト20を回転軸に取り付けられる。従動プーリ18は、プーリ16と対になってベルト14を支持する滑車である。従動プーリ19は、プーリ17と対になってベルト15を支持する滑車である。
ベルト14の一方の面には、所定の間隔で凸形状の歯が設けられ、当該歯がプーリ16の歯に噛み合うようにプーリ16および従動プーリ18に巻かれる。ベルト15の一方の面には、所定の間隔で凸形状の歯が設けられ、当該歯がプーリ17の歯に噛み合うようにプーリ17および従動プーリ19に巻かれる。ベルト14,15は、例えば、噛み合い伝達を行うタイミングベルトである。プーリ16が回転すると、プーリ16と従動プーリ18とに支持されるベルト14は周回運動する。プーリ17が回転すると、プーリ17と従動プーリ19とに支持されるベルト15は周回運動する。また、ベルト14,15は、光学モジュール11の両端を支持する。ベルト14,15は、自身の周回運動に伴って、原稿13が配置されるプラテンガラス12と並行に光学モジュール11を移動させる。
図3は、図1に示す光学モジュールの構成を示す説明図である。光学モジュール11は、ランプ22、ミラー23a,23b,23c,23d、レンズ24、およびCCD25を有する。
光学モジュール11のランプ22は光を発する。ランプ22が発した光は原稿13によって反射される。原稿13が反射した光は、複数枚のミラー23a,23b,23c,23dによって順次反射を繰り返された後に、レンズ24によって集光される。レンズ24によって集光された光は、CCD25に当たる。CCD25は、光による電荷を電気信号に変換する。CCD25によって変換された電気信号は、画像処理部(図示せず)で画像処理される。
図4は、図2に示すシャフトに取り付けられるプーリの配置を示す説明図である。第1の実施形態の画像読み取り装置では、プーリ16,17の振動によって光学モジュール11に与えられる影響を確実に軽減するために、プーリ16,17が、画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度でシャフト20に取り付けられる。プーリの取り付け角度は、各プーリから生じる振動の周波数伝達関数を基にして画像読み取り装置ごとに決定され、詳細は後述する。図4に示すプーリは、決定されたプーリの取り付け角度の一例として、プーリ16の歯とプーリ17の歯とが1/2ピッチ分ずれるような取り付け角度でシャフト20に取り付けられている。つまり、プーリ16の歯の先端が上面を向いているときに、プーリ17の外周における歯が設けられていない部分が上面を向くように、シャフト20に取り付けられている。
図5は、図4に示すプーリの振動とミラーの振動とを示すグラフである。図5のプーリ16の振動およびプーリ17の振動に示されるように、プーリ16で発生した振動と、プーリ17で発生した振動とは、ミラー23aの位置に伝達されると互いに1/2周期ずれた振動になる。つまり、プーリ16の振動とプーリ17の振動とは、振動の伝達先の光学モジュール11のミラー23aの位置で1/2周期ずれて相殺される。したがって、プーリ16,17の歯がベルト14,15の歯に噛み合って発生する振動を原因とするミラー23aの振動を抑えることができる。
図2に示す画像読み取り装置は、画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度でプーリ16,17をシャフト20に取り付けるための機構として、角度固定機構または角度調整機構のいずれかを備えている。
図6は、プーリの取り付け角度を固定する角度固定機構の一例を示す説明図である。図7は、図6に示すプーリおよびシャフトの詳細な形状を示す説明図である。
図6に示す角度固定機構では、角度決め用ピン26は、プーリ16を固定するためにシャフト20に設けられた凸部である。角度決め用ピン27は、プーリ17を固定するためにシャフト20に設けられた凸部である。1つのプーリに対して少なくとも1つの角度決め用ピンが設けられる。角度決め用ピン26と角度決め用ピン27とは、シャフト20の駆動軸に対して画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度を満たすように設置される。また、プーリ16,17には、角度決め用ピン26,27が嵌まるような凹形状の溝が設けられている。
このような角度固定機構では、画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度を満たすように設置された角度決め用ピン26,27をそれぞれプーリ16,17の凹型状の溝に嵌めることによって、プーリ16,17を高い精度で固定することができるので、振動を確実に抑えることができる。なお、角度固定機構の別の一例として、シャフト20に開けた穴に、プーリ16,17に設けた突起を嵌め込んでもよい。
また、画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度でプーリを固定する方法として、プーリ16,17やシャフト20に溝や突起等を設けずに、所定の取り付け角度を満たす固定位置を決定するための位置決め用のジグが用いられてもよい。組立時にプーリ16,17およびシャフト20に位置決め用のジグを取り付けることによって、プーリ16,17の固定位置を決定することができる。このような場合には、プーリ16,17やシャフト20に溝や突起等の形状を追加する必要がないので、プーリ16,17やシャフト20に溝や突起等の形状を追加する場合と比較して加工コストを低減させることができる。
図8は、プーリの取り付け角度を調整可能な角度調整機構の一例を示す説明図である。図9および図10は、図8に示すプーリおよびシャフトの詳細な形状を示す説明図である。
図8に示す角度調整機構では、プーリ16に、取り付け角度を調整可能な構成が設けられている。本発明の画像読み取り装置においては、シャフト20に取り付けられる2つのプーリ16,17の相対位置関係が重要となるので、いずれかのプーリに取り付け角度を調整可能な構成が設けられていればよい。なお、プーリ16,17の双方に、取り付け角度を調整可能な構成が設けられていてもよい。
図9に示すプーリ17は、丸穴状のねじ穴29を有する。プーリ17は、丸穴状のねじ穴29を用いて、ねじ等でシャフト20に固定される。図10に示すプーリ16は、取り付け角度を調整可能な構成として、自プーリ16に設けられた歯とプーリ17に設けられた歯との相対角度を調整可能な長穴状のねじ穴28を有する。ねじ穴28のプーリ16の円周方向の内径は、シャフトの長手方向の内径よりも長い。プーリ16の長穴状のねじ穴28において、画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度を満たすように、プーリ17の固定位置が調整されることによって、プーリ16,17を画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度に調整した上で、シャフト20に固定することができる。
また、例えば、プーリ16がシャフト20に固定される前に、プーリ16が従動プーリ18およびベルト14に連結されてもよい。このとき従動プーリ18を回転させたり、従動プーリ18に角度調整用のジグを取り付けて調整したりすることによって、プーリ16の取り付け角度の調整を行うことができる。
このような角度調整機構では、プーリ16,17で発生する振動が光学モジュール11に伝達される際の伝達特性が、組立時のばらつきや部品単体のばらつき等によって装置ごとに変化してしまう場合であっても、組立後に、画像読み取り装置ごとに決定される取り付け角度を満たすように調整を行うことができるので、振動を確実に抑えることができる。また、画像読み取り装置の構成について、部品追加、削除または形状変更等といった何らかの変更が行われた場合には、当該変更に伴って、ベルト14,15およびプーリ16,17から光学モジュール11に伝達される振動の伝達特性も変化するが、このような伝達特性の変化に対しても、角度調整機構による調整を行うことで容易に対処することができる。
なお、取り付け角度の調整量を明示するために、図8〜10のプーリ16,17およびシャフト20に示す溝を設けられていてもよい。このような角度調整機構では、プーリ16,17の相対的な位置関係を明確に把握して調整することができる。また、溝以外にも、突起や罫書き等の何らかの目安となる形状がプーリ16,17やシャフト20に追加されていてもよい。
また、プーリ16,17やシャフト20に溝や突起等を設けずに、取り付け角度を調整する為の角度調整用のジグが用いられていてもよい。組立時にプーリ16,17およびシャフト20に角度調整用のジグを取り付けられることによって、組立後にプーリ16,17の取り付け角度を調整することができる。このような角度調整機構では、プーリ16,17やシャフト20に溝や突起等の形状を追加する必要がないので、プーリ16,17やシャフト20に溝や突起等の形状を追加する場合と比較して加工コストを低減することができる。
画像読み取り装置ごとにプーリの取り付け角度を決定する方法について説明する。本発明において、プーリの取り付け角度は、各プーリから生じる振動の周波数伝達関数にもとづいて画像読み取り装置ごとに決定される。
プーリ16の歯がベルト14の歯に噛み合って発生する振動を入力とし、当該振動にもとづいて、光学モジュール11の例えばミラー23aに伝達された振動を出力とする周波数伝達関数をG1(jω)とする。プーリ17の歯がベルト15の歯に噛み合って発生する振動を入力とし、当該振動にもとづいて、光学モジュール11のミラー23aに伝達された振動を出力とする周波数伝達関数をG2(jω)とする。このとき、2つの周波数伝達関数が逆位相の関係を満たすような角度、すなわち、G1(jω)=−G2(jω)の関係を満たすようにプーリの取り付け角度が決定される。
プーリの取り付け角度の決定方法について、さらに詳しく説明する。プーリ16によって発生した振動のミラー23aについての周波数状態方程式は、以下のようにあらわされる。
G1(jω)=|G1(jω)|e^(j∠G1(jω))
∠G1(jω)は、プーリ16によって発生した振動のミラー23aについての周波数状態方程式における位相角である。
同様に、プーリ17によって発生した振動のミラー23aについての周波数状態方程式は、以下のようにあらわされる。
G2(jω)=|G2(jω)|e^(j∠G2(jω))
∠G2(jω)は、プーリ17によって発生した振動のミラー23aについての周波数状態方程式における位相角である。
ここで、G1(jω)=−G2(jω)という関係を考えると、以下の関係を満たす角度を計算すればよいことがわかる。
|∠G1(jω)−∠G2(jω)|=π
すなわち、プーリ16によって発生した振動のミラー23aについての周波数状態方程式における位相角(∠G1(jω))と、プーリ17によって発生した振動のミラー23aについての周波数状態方程式における位相角(∠G2(jω))との差が、πとなるような角度を算出すればよい。
このようにして決定された取り付け角度でプーリがシャフトに固定された画像読み取り装置では、プーリ16から光学モジュール11に伝達される振動とプーリ17から光学モジュール11に伝達される振動とが逆位相の関係になるので、振動の合成時に打ち消されて光学モジュール11のミラー23aの振動を抑えることができる。そして、ミラー23aの振動を抑えることによって、CCD25が変換した電気信号にもとづいて読み取られる画像に色ずれやジッタが発生することを軽減することができる。また、このような画像読み取り装置では、光学モジュール11の一端がベルト等によって支持される方式の画像読み取り装置よりも、プーリの振動によって光学モジュールに与えられる影響を抑えることができる。
実施形態2.
図11は、本発明による画像読み取り装置の第2の実施形態(実施形態2)の構成を示す説明図である。図11に示す画像読み取り装置は、ベルト14,15に代えて、ワイヤ30,31によって光学モジュール11が支持される。その他の構成は、図2に示す画像読み取り装置の構成と同様である。
ワイヤ30,31は、例えば、噛み合い伝達を行うシンクロメッシュロープである。光学モジュール11の一端はワイヤ30に接続され、他端はワイヤ31に接続される。また、ワイヤ30は、プーリ16および従動プーリ18に巻きつけられ、ワイヤ31は、プーリ17および従動プーリ19に巻きつけられている。
シンクロメッシュロープは、タイミングベルトよりも耐久性が高く、さらに、斜歯構造のプーリに巻きつけられることによって、噛み合わせで発生する振動を抑えることもできる。したがって、このような画像読み取り装置では、図2に示す画像読み取り装置よりも高い耐久性と振動の抑制を実現することができる。
なお、本発明は、両側支持方式による光学モジュールの移動機構を有する画像読み取り装置に関するが、2本のベルトで光学モジュールを移動させるミラースキャン方式による光学読み取り装置に適用した場合には、プーリとベルトとが噛み合って発生する振動による光学モジュールへの影響を軽減することができ、制振効果を期待することができる。
図12は、本発明による画像読み取り装置の主要部を示すブロック図である。図12に示すように、画像読み取り装置1は、駆動力を供給するモータ2(例えば、図2に示すモータ21に相当)と、モータ2によって供給される駆動力によって、長手方向を軸に回転するシャフト3(例えば、図2に示すシャフト20に相当)と、シャフト3に取り付けられ、外周上に歯が設けられた滑車であって、シャフト3の回転に伴って回転する2つのプーリ4,5(例えば、図2に示すプーリ16,17に相当)と、2つのプーリ4,5のそれぞれに取り付けられ、一方の面にプーリに設けられた歯に噛み合う凸形状の歯が形成されてプーリの回転に伴ってそれぞれ周回運動する2本のベルト6,7(例えば、図2に示すベルト14,15に相当)と、2本のベルト6,7によって支持され、2本のベルト6,7の周回運動に伴って移動しながら画像を読み取る光学モジュール8(例えば、図2に示す光学モジュール11に相当)とを備え、一方のプーリ4は、自プーリ4の歯と一方のベルト6の歯とが噛み合うときに発生した振動にもとづいて光学モジュール8に伝達される第1の振動が、他方のプーリ5の歯と他方のベルト7の歯とが噛み合うときに発生した振動にもとづいて光学モジュール8に伝達される第2の振動と逆位相になるようにシャフト3に取り付けられている。
また、上記の各実施形態では、以下の(1)〜(4)に示すような画像読み取り装置も開示されている。
(1)一方のプーリは、自プーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第1の振動を出力とする周波数伝達関数と、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第2の振動を出力とする周波数伝達関数とが、逆位相の関係(例えば、第1の実施形態の画像読み取り装置におけるG1(jω)=−G2(jω)の関係に相当)を満たす角度でシャフトに取り付けられている画像読み取り装置。
(2)いずれかのプーリまたはシャフトは、プーリの取り付け角度を予め決められた角度に固定する固定機構を有する画像読み取り装置。
(3)いずれかのプーリまたはシャフトは、プーリの取り付け角度を調整可能な調整機構を有する画像読み取り装置。
(4)一方のプーリには、ねじによってシャフトに固定されるためのねじ穴(例えば、長穴状のねじ穴28に相当)が設けられ、一方のプーリに設けられたねじ穴は、シャフトの長手方向の内径よりも一方のプーリの円周方向の内径が長い長穴である画像読み取り装置。
本発明を、例えば、インクジェットプリンタのインクカートリッジの移動機構のような、ベルト移動方式を用いた構成による装置で、かつ、振動が機能に影響を与える装置に適用できる。
1 画像読み取り装置
2 モータ
3 シャフト
4,5 プーリ
6,7 ベルト
8 光学モジュール
11 光学モジュール
12 プラテンガラス
13 原稿
14,15 ベルト
16,17 プーリ
18,19 従動プーリ
20 シャフト
21 モータ
22 ランプ
23a,23b,23c,23d ミラー
24 レンズ
25 CCD
26,27 角度決め用ピン
28 長穴状のねじ穴
29 丸穴状のねじ穴
30,31 ワイヤ
41 モータ
42 プーリ
43 従動プーリ
44 ベルト
45 光学モジュール
51,52 プーリ
53 シャフト
61 ミラー
62 入射光
63 反射光

Claims (5)

  1. 駆動力を供給するモータと、
    前記モータによって供給される駆動力によって、長手方向を軸に回転するシャフトと、
    前記シャフトに取り付けられ、外周上に歯が設けられた滑車であって、前記シャフトの回転に伴って回転する2つのプーリと、
    前記2つのプーリのそれぞれに取り付けられ、一方の面に前記プーリに設けられた前記歯に噛み合う凸形状の歯が形成されて前記プーリの回転に伴ってそれぞれ周回運動する2本のベルトと、
    前記2本のベルトによって支持され、前記2本のベルトの周回運動に伴って移動しながら画像を読み取る光学モジュールとを備え、
    一方のプーリが、自プーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、前記振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第1の振動を出力とする周波数伝達関数と、他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、前記振動にもとづいて前記光学モジュールに伝達される第2の振動を出力とする周波数伝達関数とが、逆位相の関係を満たす角度で前記シャフトに取り付けられ、
    前記一方のプーリの歯と前記一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生した振動にもとづいて前記光学モジュールに伝達される第1の振動が、前記他方のプーリの歯と前記他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生した振動にもとづいて前記光学モジュールに伝達される第2の振動と逆位相にな
    ことを特徴とする画像読み取り装置。
  2. いずれかのプーリまたはシャフトは、プーリの取り付け角度を予め決められた角度に固定する固定機構を有する
    請求項1記載の画像読み取り装置。
  3. いずれかのプーリまたはシャフトは、プーリの取り付け角度を調整可能な調整機構を有する
    請求項1記載の画像読み取り装置。
  4. 一方のプーリには、ねじによってシャフトに固定されるためのねじ穴が設けられ、
    前記一方のプーリに設けられた前記ねじ穴は、前記シャフトの長手方向の内径よりも前記一方のプーリの円周方向の内径が長い長穴である
    請求項記載の画像読み取り装置。
  5. 外周上に歯が設けられた滑車である2つのプーリのそれぞれに取り付けられ、前記プーリに設けられた歯に噛み合う凸形状の歯が形成された2本のベルトによって支持された光学モジュールが移動しながら画像を読み取る画像読み取り装置における制振方法であって、
    一方のプーリの歯と一方のベルトの歯とが噛み合うときに振動を発生し、
    他方のプーリの歯と他方のベルトの歯とがかみ合うときに振動を発生し、
    前記一方のプーリの歯と前記一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、前記振動にもとづいて光学モジュールに伝達される第1の振動を出力とする周波数伝達関数と、前記他方のプーリの歯と前記他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生する振動を入力とし、前記振動にもとづいて前記光学モジュールに伝達される第2の振動を出力とする周波数伝達関数とが、逆位相の関係となるようにすることによって、前記一方のプーリの歯と前記一方のベルトの歯とが噛み合うときに発生して前記光学モジュールに伝達される振動が、前記他方のプーリの歯と前記他方のベルトの歯とが噛み合うときに発生して前記光学モジュールに伝達される振動と逆位相になる
    ことを特徴とする制振方法。
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