JP4527034B2 - 画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置 - Google Patents

画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置に関し、例えば、読取光学系を駆動する駆動力伝達手段を支持する滑車手段を備えたスキャナ装置等の画像読取装置およびこの画像読取装置を備えたファクシミリ装置、複写機、複合機等の画像読取装置を備えた画像形成装置に関する。
複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に備えられた画像読取装置にあっては、コンタクトガラス上で停止した原稿を移動しながら読取る光源、複数のミラー、結像用のレンズ等からなる読取光学系を備えている。
この読取光学系の光源とミラーの一部である第1ミラーは第1キャリッジに搭載されているとともに、他のミラーである第2ミラーおよび第3ミラーは第2キャリッジに搭載されており、それぞれのキャリッジは、駆動源であるモータの回転によって回転されるワイヤ駆動プーリと、ワイヤ駆動プーリに連結された駆動ワイヤによって移動されるキャリッジプーリおよび画像読取装置に回転自在に固定された複数のアイドラプーリによって副走査方向に直線的に牽引されて移動されるようになっている。
このアイドラプーリは画像読取装置の筐体の四隅に配置されており、それぞれ2個のアイドラプーリで駆動ワイヤを橋架している。
第1キャリッジは画像読取装置の長手方向に所定速度Vで移動して原稿の副走査を行い、第2キャリッジは第1キャリッジの移動速度Vの1/2の速度で同方向に移動することにより、この走査によって光源の略直上に位置する原稿を光源で照射しながら反射光束を第1ミラー、第2ミラーおよび第3ミラーの順に反射させてその先にある結像用のレンズおよび主走査を行うラインセンサーによって原稿を読取るようになっている。
また、駆動プーリとアイドラプーリは各キャリッジの移動方向に直交する方向(長手方向)の両端に取付けられており、2本のレール上に載せられた各キャリッジを両側同時に駆動して駆動ワイヤの方向転換を行う(例えば、特許文献1参照)。
図18に従来のアイドラプーリを示す。図18において、アイドラプーリ1はボールベアリング2によって基板部材3に取付けられており、この基板部材3はボルト4によって画像形成装置の筐体5に固定されている。
ボールベアリング2は、アイドラプーリ1が固定された外輪部材6と、外輪部材6にボール7を介して連結された内輪部材8と、内輪部材8に嵌合された固定軸9とを備えており、アイドラプーリ1を筐体5に装着する際には、固定軸9を基板部材3にカシメ等によって固定した後、基板部材3をボルト4によって筐体5に取付けるようになっている。そして、アイドラプーリ1の外周部に形成された二重溝1a、1bに図示しない駆動ワイヤを引っ掛けるようにしている。
特開平11−298653号公報
しかしながら、このような画像読取装置にあっては、アイドラプーリ1が筐体5の四隅に取付けられるので、アイドラプーリ1は筐体5のそれぞれの取付け位置で最適化されなければならない。
具体的には、従来の滑車手段は、アイドラプーリ1、固定軸9および基板部材3が別部材を組み合わせた構成となっており、アイドラプーリ1を筐体5のどの位置にでも取付けられるようにするためには、基板部材3の形状を筐体1の形状に合わせて最適化する必要があり、筐体5の取付け位置に応じて最適化された基板部材3を備えたアイドラプーリ1が筐体5に取り付けられていた。すなわち、異なる形状の基板部材3を有するアイドラプーリ1が筐体5の四隅に取り付けられていた。
このため、筐体5に対するアイドラプーリ1の取付け精度にばらつきが生じてしまい、駆動ワイヤを介してキャリッジをスムースに安定して走行させることが難しいことがある。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、駆動力伝達手段を介して走行手段を安定して走行させることができる画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明の画像読取装置は、筐体と、読取光学系が取付けられ、前記筐体内で移動する走行手段と、所定方向に延在し、所定箇所が前記走行手段に取付けられた駆動力伝達手段と、前記駆動力伝達手段が巻回されるとともに、駆動源からの駆動力を受けて正逆回転することにより、前記駆動力伝達手段の移動方向を変更する駆動手段と、前記筐体に回転自在に取付けられ、前記駆動力伝達手段を支持する複数の滑車手段とを備え、前記滑車手段は、前記駆動力伝達手段によって回転される外輪部材と、前記外輪部材を回転自在に支持する内輪部材と、前記内輪部材に設けられ、前記筐体に係合する筐体係合部とを備え、前記筐体係合部が、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられ、前記内輪部材は、前記筐体の外側に係合する第1係合部を備え、前記筐体は、前記第1係合部が係合する面から前記筐体の内方に突出する折り曲げ部を有し、前記内輪部材は、前記折り曲げ部に係合する第2係合部を備えるものから構成されている。
この構成により、滑車手段の内輪部材に設けられた筐体係合部を筐体に固定するだけで良いので、滑車手段の取付け作業の作業性を向上させることができる。これに加えて、筐体係合部が、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられるので、滑車手段の向きを変えた場合でも筐体のどの部分にでも確実に取付けることができる。
この結果、共通の滑車手段を筐体に取付けることができるようになり、滑車手段の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができ、駆動力伝達機構を介して走行手段をスムースに安定して走行させることができる。
また、内輪部材が、筐体の外側に係合する第1係合部を備えるので、滑車手段を外側から筐体に取付けることができ、滑車手段の取付け作業の作業性をより一層向上させることができる。
また、筐体が、第1係合部が係合する面から筐体の内方に突出する折り曲げ部を有し、内輪部材が、折り曲げ部に係合する第2係合部を備えるので、滑車手段が駆動力伝達手段から加わる駆動力によって回転しようとしても、第2係合部が筐体の折り曲げ部に当接して回転するのを防止することができ、駆動力伝達手段を確実、かつ円滑に支持することができる。
本発明の画像読取装置は、筐体と、読取光学系が取付けられ、前記筐体内で移動する走行手段と、所定方向に延在し、所定箇所が前記走行手段に取付けられた駆動力伝達手段と、前記駆動力伝達手段が巻回されるとともに、駆動源からの駆動力を受けて正逆回転することにより、前記駆動力伝達手段の移動方向を変更する駆動手段と、前記筐体に回転自在に取付けられ、前記駆動力伝達手段を支持する複数の滑車手段とを備え、前記滑車手段は、前記駆動力伝達手段によって回転される外輪部材と、前記外輪部材を回転自在に支持する内輪部材と、前記内輪部材に設けられ、前記筐体に係合する筐体係合部とを備え、前記筐体係合部が、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられ、前記内輪部材は、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に、前記駆動力伝達手段の端部に係合する駆動力伝達手段係合部を備え、前記駆動力伝達手段係合部は、前記駆動力伝達手段を通す溝と、前記溝に連通するとともに前記溝よりも幅広の凹部を有し、前記駆動力伝達手段の端部の他方に、前記凹部に嵌合する嵌合部材が設けられるものから構成されている。
この構成により、滑車手段の内輪部材に設けられた筐体係合部を筐体に固定するだけで良いので、滑車手段の取付け作業の作業性を向上させることができる。これに加えて、筐体係合部が、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられるので、滑車手段の向きを変えた場合でも筐体のどの部分にでも確実に取付けることができる。
この結果、共通の滑車手段を筐体に取付けることができるようになり、滑車手段の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができ、駆動力伝達機構を介して走行手段をスムースに安定して走行させることができる。
また、駆動力伝達手段の端部の他方を内輪部材に設けられた溝を通した後、嵌合部材を凹部に嵌合させることにより、駆動力伝達手段を内輪部材に係合することができるので、駆動力伝達手段の係合手段を筐体に設けるのを不要にすることができる。このため、筐体の製造をその分だけ簡単に行うことができる。
また、内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に前記駆動力伝達手段の端部に係合する駆動力伝達手段係合部を設けたので、滑車手段の向きを変えた場合でも伝達力駆動手段を伝達力駆動手段係合部の最適な位置に取付けることができる。
また、本発明の画像読取装置は、前記駆動力伝達手段の端部の一方がばね部材を介して前記内輪部材に取付けられ、前記内輪部材には前記駆動力伝達手段の前記端部に係合するばね係合部が設けられ、前記ばね係合部は、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられるものから構成されている。
この構成により、駆動力伝達手段の端部にばね部材を設けることにより、所定方向に延在する駆動力伝達手段に張力を付与することができる。そして、このばね部材を内輪部材のばね係合部に係合させることにより、滑車手段をばね部材の係合手段として利用することができ、ばね部材の係合手段を筐体に設けるのを不要にすることができる。このため、筐体の製造をその分だけ簡単に行うことができる。
また、ばね係合部を、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けたので、滑車手段の向きを変えた場合でもばね部材をばね係合部の最適な位置に取付けることができる。
また、本発明の画像読取装置の前記ばね係合部は、前記ばね部材に係合する部分に湾曲部が形成されるものから構成されている。
この構成により、ばね部材をばね係合部に係合させたときに、ばね部材が駆動力伝達手段によって引っ張られたときにばね部材が損傷するのを防止することができる。
また、本発明の画像読取装置の前記内輪部材は、ボルト挿通孔を有し、前記ボルト挿通孔は長穴形状であるものから構成されている。
この構成により、ボルト挿通孔を通してボルトを筐体に螺合させることにより、内輪部材を筐体に強固に固定することができる。そして、ボルト挿通孔は長穴形状であるので、ボルト挿通孔をボルトに沿って移動させることができ、内輪部材とボルトの相対位置を可変することができる。このため、筐体に対する滑車手段の位置を簡単に調整することができる。
また、本発明の画像読取装置の前記内輪部材は、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に、前記駆動力伝達手段の端部に係合する駆動力伝達手段係合部を備え、前記駆動力伝達手段係合部は、前記駆動力伝達手段を通す溝と、前記溝に連通するとともに前記溝よりも幅広の凹部を有し、前記駆動力伝達手段の端部の他方に、前記凹部に嵌合する嵌合部材が設けられ、前記溝および前記凹部は前記第1係合部に設けられ、前記筐体には前記溝および凹部に連通する開口部が形成されるものから構成されている。
この構成により、内輪部材の第1係合部に駆動力伝達手段を係合させるときに、この駆動力伝達手段を開口部を通して筐体に挿通することができる。また、駆動力伝達手段を筐体の外側で内輪部材に係合させることができるので、駆動力伝達手段の取付け作業の作業性を向上させることができる。
また、本発明の画像読取装置の前記滑車手段は、前記筐体の四隅に配置され、前記駆動力伝達手段は、それぞれ同一の筐体面に取付けられた2つの滑車手段に巻回された2つの駆動力伝達手段からなるものから構成されている。
この構成により、同一の筐体面に設けられた滑車手段の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができるので、同一の筐体面に設けられた滑車手段に巻回された駆動力伝達機構を介して走行手段をより一層スムースに安定して走行させることができる。
また、本発明の画像読取装置は、同一の前記駆動力伝達手段が巻回される前記滑車手段は、同一形状であるものから構成されている。
この構成により、同一の筐体面に設けられた滑車手段の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができるので、同一の筐体面に設けられた滑車手段に巻回された駆動力伝達機構を介して走行手段をより一層スムースに安定して走行させることができる。
また、本発明の画像読取装置は、全ての滑車手段が同一形状であるものから構成されている。
この構成により、全ての筐体面に設けられた滑車手段の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができるので、同一の筐体面に設けられた滑車手段に巻回された駆動力伝達機構を介して走行手段をより一層スムースに安定して走行させることができる。
また、本発明の画像読取装置は、前記筐体内で対向して配置される前記滑車手段のうちの一方の滑車手段は、他方の滑車手段に対して、内輪部材の中心軸と直交する水平軸に対して180°回転した状態で対向しているものから構成されている。
この構成により、対向する滑車手段の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができるので、滑車手段に巻回された駆動力伝達機構を介して走行手段をより一層スムースに安定して走行させることができる。
また、本発明の画像読取装置は、前記駆動力伝達手段がワイヤからなるものから構成されている。
この構成により、駆動力伝達手段を安価なワイヤから構成したので、駆動力伝達手段の製造コストが増大するのを防止することができる。
また、本発明の画像読取装置は、前記外輪部材、前記内輪部材および前記筐体係合部が樹脂からなる。
この構成により、滑車手段の軽量化を図ることができるとともに、製造コストをより一層低減することができる。
また、本発明の画像形成装置は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えるとともに、上述した画像読取装置を備えたものから構成されている。
この構成により、滑車手段を筐体に取付ける作業の作業性を向上させるとともに、滑車手段の製造コストを低減することができる画像形成装置を得ることができる。
本発明は、滑車手段を筐体に取付ける作業の作業性を向上させるとともに、滑車手段の製造コストを低減することができる画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
図1〜図16は本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の第1の実施の形態を示す図であり、画像形成装置を複写機に適用した例を示している。なお、画像形成装置としては、複写機に限らず、ファクシミリ装置、複合機等のように画像読取装置を備えたものであれば、如何なるものにも適用可能である。
まず、構成を説明する。図1において、複写機10は、自動原稿搬送装置(以下、単にADFという)11、給紙部12、画像読取部(画像読取装置)13および画像形成部(画像形成手段)14を備えている。
ADF11は、原稿トレイ16に載置された原稿を給紙ローラや分離ローラ等の各種ローラからなる分離給紙手段17によってコンタクトガラス15上に搬送し、読取りが終了した原稿を搬送ベルト18によってコンタクトガラス15上から搬出した後、各種排紙ローラからなる排紙手段19によって排紙トレイ20に排紙する。
また、原稿の両面を読取る場合には、排紙手段19に設けられた分岐機構および搬送ベルト18によって原稿をコンタクトガラス15上に返送して未読取面の読取りを行うようになっている。
給紙部12は、異なるサイズの記録紙を収納する給紙カセット21a、21bと、給紙カセット21a、21bに収納された記録紙を画像形成位置まで搬送する各種ローラからなる給紙手段22とを備えている。
また、画像読取部13は、詳しくは後述するが、第1キャリッジ35、第2キャリッジ36を図1中、左右方向に駆動して光源により原稿面に光を照射して原稿面を読取り、この読取光をミラーで反射した後、レンズユニット37によってCCD等の画像読取センサに取り込むようになっている。
画像形成部14は、レンズユニットに取り込まれた読取信号に基づいて書き込み信号を形成する露光装置23と、露光装置23によって生成された書き込み信号が表面に形成される複数の感光体ドラム24と、異なる色のトナーが充填され、各感光体ドラム24に異なる色のトナーを供給して書き込み信号を可視像化させる現像装置25と、感光体ドラム24上に形成された可視像が重ねられて転写されることによりカラー画像が形成され、このカラー画像を給紙部12から給紙された記録紙に転写する転写ベルト26と、記録紙に定着されたカラー画像を記録紙に定着する定着装置27とを備えている。
図2、図3は画像読取部13の構成を示す図である。なお、図2は画像読取部13の斜視図であり、図3は第2キャリッジ36の駆動用の駆動ワイヤ33と各プーリの関係を説明するための模式図である。図3(a)は側面図、図3(b)は駆動ワイヤ33の連結状態を上から見た状態で示す図である。
図2、図3において、画像読取装置13は本体フレーム31、駆動軸32、駆動ワイヤ33、ワイヤ駆動プーリ34、第1キャリッジ35、第2キャリッジ36、レンズユニット37、第2レール38、張力スプリング39、キャリッジプーリ40、アイドラプーリ41、42を備えている。
本体フレーム31は筐体を構成しており、本体フレーム31の内部には図示しない第1レールと第2レール38が設けられている。第1レールには走行手段としての第1キャリッジ35が摺動自在に取付けられており、第2レール38には走行手段としての第2キャリッジ36が摺動自在に取付けられている。
駆動軸32は後述するモータに連結されており、この駆動軸の両端部にはワイヤ駆動プーリ34が取付けられている。このワイヤ駆動プーリ34には駆動力伝達手段としての駆動ワイヤ33が巻回されており、この駆動ワイヤ33は所定方向である図1中、左右方向に延在している。
駆動ワイヤ33は第1キャリッジ35の駆動用と第2キャリッジ36の駆動用の2本が用いられるが、図3、図4では第2キャリッジ36の駆動用の駆動ワイヤ33を図示している。
なお、駆動ワイヤ33およびアイドラプーリ41、42は本体フレーム31の前後に1本ずつ設けられているが、何れも同じ構成および機能を有するので、片側の駆動ワイヤ33、アイドラプーリ41、42について説明をする。すなわち、本実施の形態では、駆動ワイヤ33が2本、アイドラプーリ41、42が本体フレーム31の四隅に4個設けられている。
また、第2キャリッジ36にはキャリッジプーリ40が設けられており、駆動ワイヤ33はキャリッジプーリ40やアイドラプーリ41、42を経由するようになっている。
第1キャリッジ35には光源としての管状ランプ43および第1ミラー44aが搭載されており、第1キャリッジ35はワイヤ駆動プーリ34と第2キャリッジ36の間に配置され、第1キャリッジ35が駆動ワイヤ33に引かれて所定の速Vで移動すると、管状ランプ43がコンタクトガラス15に載置された原稿を副走査する。
管状ランプ43から原稿に照射されたときに原稿の反射光束は第1ミラー44aによって、所定の方向、すなわち、第2キャリッジ36に向けて反射されるようになっており、この反射光束は第2キャリッジ36に搭載された第2ミラー44bおよび第3ミラー44cによって折り返された後、レンズユニット37に入射される。
そして、この反射光束はレンズユニット37に含まれる結像レンズによって焦点面に置かれた図示しないCCD等の画像読取センサ上に集光結像される。これにより、画像読取センサは管状ランプ43に沿った原稿上のラインを主走査する。
また、第2キャリッジ36は、第2ミラー44bおよび第3ミラー44cによる光束の折り返しに伴う光路の重複分を相殺するため、第1キャリッジ35の半分の速度、すなわちV/2の速度で第1キャリッジ35と同方向に移動するようになっている。
この移動速度の関係により、第1キャリッジ35および第2キャリッジ36の移動があっても、原稿面からレンズユニット37までの光束の光路長が変化しないようになっている。なお、本実施の形態では、管状ランプ43、第1ミラー44a、第2ミラー44bおよび第3ミラー44cが読取光学系を構成している。
また、第2キャリッジ36は第1キャリッジ35に比べて走行範囲が半分であるため、第2レール38のワイヤ駆動プーリ34に近い側の略ワイヤ半分は、第2キャリッジ36の走行に利用されない。ところが、利用されない部分を切り捨てると、第2レール38の平行度等に悪影響を与えるので、本実施の形態では、ワイヤ駆動プーリ34の駆動軸32をその領域に配置するとともに、第2レール38のレール面と一部重なるような配置している。
実際には重複部分はレールの方の形状を変化させて、駆動軸2の回転に支障を来さないようにする。駆動軸2の上端の位置を従来はレール面より下側になるように配置していたが、本発明のように駆動軸2の上端が少なくとも上記レール面より下側にならないように配置することによって、ワイヤ駆動プーリ40を従来の位置より原稿面側に近づけることができるようになり、複写機10を小型化することができる。
また、レンズユニット37は、第1キャリッジ35がその上を走行できるよう配置されており、原稿からの反射光束を受ける関係で第2キャリッジ36の走行領域よりは外側に配置しなければならない。従来は、駆動軸32の高さ方向の位置が第2レール38のレール面より下であったため、ワイヤ駆動プーリ34とアイドラプーリ41、42の高さ方向の距離が大きく、駆動ワイヤ33の這い回しの関係であまりワイヤ駆動プーリ34をアイドラプーリ41、42に近づけることができなかった。
本実施の形態では、駆動軸32の位置を第2レール38の上面と干渉する位置まで高くすることができるようになったので、高さ方向に関してワイヤ駆動プーリ34をアイドラプーリにより近づけることができるようになった。そこで、第2レール38の変形とも関連して、ワイヤ駆動プーリ34の位置をレンズユニット37より後側(読取光束の進行方向に見て)に設定することによって、第2レール38の上面の変形する部分が第2キャリッジ36の走行範囲の外になるので好都合である。
一方、図3に示すように、駆動ワイヤ33は、ワイヤ駆動プーリ34に巻き付けられて左方向および右方向に延びる2つの系統がある。左方向に延びる駆動ワイヤの部分33aは、軸が本体フレーム31に固定されたアイドラプーリ41によって折り返されて部分33bとなり、外側キャリッジプーリ40bに至り、再びここで折り返されて部分33cとなって端部がアイドラプーリ41を固定される(詳細は後述する)。
また、右向に延びる駆動ワイヤ33の部分33dは、本体フレーム31に固定されたアイドラプーリ42によって折り返されて部分33eとなって内側キャリッジプーリ40aに至り、再びここで折り返されて部分33fとなってばね部材としての張力スプリング39を介してアイドラプーリ42に固定される(詳細は後述する)。
また、ワイヤ駆動プーリ34の回転によって、キャリッジプーリ40が第2キャリッジ36と共に第2レール38に沿って左右に移動するので、キャリッジプーリ40に直接関与する駆動ワイヤ33の部分33bと部分33cは第2レール38に対して平行になるよう設定されている必要がある。
このようにしないと、第2キャリッジ36の移動に伴う等速性が保証できなくなる。同様な理由により、駆動ワイヤ33の部分33eと部分33fも第2レール38に対して平行になるよう設定されている。これに対して、ワイヤ駆動プーリ34とアイドラプーリ41または42の間は、プーリの位置の移動が無いので、部分33aおよび部分33dは第2レール38に対する平行性を要求されない。
なお、本実施の形態の内側キャリッジプーリ40aと外側キャリッジプーリ40bは同心で一体に形成された2重溝のプーリである。
また、アイドラプーリ41、42は軸が傾斜して取付けられており、キャリッジプーリ40の軸も傾斜して取付けられている。但し、アイドラプーリ41、42とキャリッジプーリ40の傾斜方向は互いに逆方向になっている。すなわち、ワイヤ駆動プーリ34の駆動軸32が水平に設定されているとして、アイドラプーリ41、42はその軸が本体フレーム31内側の方が低くなるよう傾斜設定されているのに対し、キャリッジプーリ40の軸は本体フレーム31外側の方が低くなるように傾斜設定されている。ここでは便宜上、アイドラプーリ41、42の上記傾斜方向を内側傾斜、キャリッジプーリ40の上記傾斜方向を外側傾斜と呼ぶ。
この様に設定する理由の1つは前述の小型化に加えて、高さ方向の小型化に伴い、キャリッジプーリ40の第2キャリッジ36への取付け位置が高くなったことに関係する。後述のように、駆動ワイヤ33の部分33aはワイヤ駆動プーリ34の回転に伴って、巻き付け開始位置が軸方向に僅かに移動する。部分33aが最も第2キャリッジ36に近づいたとき、従来の方法ではワイヤとキャリッジが接触してしまうことが分かった。そのため、アイドラプーリ41を傾斜させて部分33aとキャリッジプーリ40とを離すことにより、駆動ワイヤ33と第2キャリッジ36が接触することがない。
図4は画像読取部13奥側の各プーリの位置関係を駆動ワイヤ展張方向から見た図である。図4において、駆動モータ45の出力軸45aには駆動ベルトプーリ46が取付けられており、この駆動ベルトプーリ46は駆動ベルト47を介して駆動ベルトプーリ48に接続されている。
この駆動ベルトプーリ48は駆動軸32に連結されており、駆動ベルトプーリ48は駆動モータ45からの駆動力が駆動ベルト47を介して伝達されることにより、正逆回転駆動され、駆動ワイヤ33の駆動方向を変更するようになっている。本実施の形態では、駆動モータ45および駆動ベルト47が駆動手段を構成している。
また、ワイヤ駆動プーリ34の駆動軸32は水平に設定されており、アイドラプーリ41は矢印Aで示すように、本体フレーム31の内側に向かって低くなるように配置されている。これに対し、キャリッジプーリ40は矢印Bで示すように、本体フレーム31の外側に向かって低くなるように配置されている。
そして、それぞれのアイドラプーリ41およびワイヤ駆動プーリ34の中心位置は、駆動軸32の方向に沿って、本体フレーム31外側から内側に向かってワイヤ駆動プーリ34、アイドラプーリ41、キャリッジプーリ40の順に配置されている。
これは複写機10全体を低く構成するための条件である。但し、ワイヤ駆動プーリ34の上端はアイドラプーリ41の上端よりは下に位置している。これは駆動ワイヤ33とワイヤ駆動プーリ34が干渉しないようにするための条件である。これらの関係はアイドラプーリ42に関しても同様である。
また、駆動ワイヤ33はワイヤ駆動プーリ34からアイドラプーリ41に掛け渡されるに当たって、駆動ワイヤ33がワイヤ駆動プーリ34の略接線上にあり、その延長上にアイドラプーリ41の巻き付き開始点が存在するように配置されている。実際には、ワイヤ駆動プーリ34に対する駆動ワイヤ33の巻き付き開始位置(駆動ワイヤ33を接線と見なしたときの接点に相当する)は軸方向に若干移動するので、上記条件は平均的な位置におけるものとする。
駆動ワイヤ33がアイドラプーリ41とキャリッジプーリ40の問に掛け渡される場合は、駆動ワイヤ33がアイドラプーリ41とキャリッジプーリ40の接線上に位置するように配置されている。換言すれば、駆動ワイヤ33は、キャリッジプーリ40とアイドラプーリ41の共通外接線に一致している。
したがって、アイドラプーリ41とキャリッジプーリ40に対する巻き付き開始位置は同図において同一点に重なっている。なお、ワイヤ駆動プーリ34、キャリッジプーリ40の他の部分の駆動ワイヤ33は省略してある。上記の関係はアイドラプーリ42に関しても全く同じことが言える。
このような構成にすることにより、上下方向に見た駆動ワイヤ33の重なりが少ないので、駆動ワイヤ33の巻き付け作業を容易に行うことができる。また、この構成によれば、駆動ワイヤ33には無理な力が掛かることはなく、安定した駆動力伝達を行うことができる。
さらに、アイドラプーリ41、42が傾斜して配置されているため、画像読取部13の高さを小さくでき、結果的に複写機10の高さを小さくすることができる。
図5はアイドラプーリ41、42の構成図であり、アイドラプーリ41、42は同一形状をしている。図5において、アイドラプーリ41、42は駆動ワイヤ33が巻回される二重の溝51a、51bが形成された外形形状をしており、このアイドラプーリ41、42は外輪部材を構成している。
また、アイドラプーリ41、42は球部材52を介して支持軸53に回転自在に連結されており、この支持軸53は係合基板54と一体的に設けられている。
また、アイドラプーリ41、42、支持軸53および係合基板54はプラスチック等の樹脂から構成されており、球部材52は金属から構成されている。なお、アイドラプーリ、支持軸53および係合基板54は金属から構成されていても良い。
図6〜図10に示すように、係合基板54はL字形状をしており、支持軸53が立設された平面部55と平面部55から略90°屈曲された屈曲部56から構成されている。また、図5、図11に示すように、本体フレーム31の四隅にはそれぞれ開口部31aが形成されており、本体フレーム31には本体フレーム31の内方に向かって突出するように本体フレーム31から折り曲げられた折り曲げ部81が形成されている。
この折り曲げ部81の上下には爪81a、81bが形成されているとともに、折り曲げ部81の中央部にはフック用の切欠き部81cが形成されており、この切欠き部81cは本体フレーム31の端部から内方に向かうに従って細くなるテーパ形状に形成されている。
また、折り曲げ部81を挟んで開口部31aに隣接する本体フレーム31部分にはボルト挿通部82が形成されており、このボルト挿通部82の内周面にはボルトに螺合するねじ溝が形成されている。
また、ボルト挿通部82の上方および下方には開口部83a、83bが形成されており、この開口部83a、83bには後述するように駆動ワイヤ33が挿通されるようになっている。
また、図6〜図10において、平面部55の上下端には筐体係合部としての端部フック57a、57bが形成されており、この端部フック57a、57bは折り曲げ部81の爪81a、81bに係合するようになっている。また、端部フック57a、57bは支持軸53の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられおり、図6では支持軸53の中心軸を含む平面に対して上下方向で対称となる位置に設けられている。
また、平面部55の略中央部には中央フック57cが形成されており、この中央フック57cは折り曲げ部81の切欠き部81cに係合するようになっている。本実施の形態では、平面部55が折り曲げ部81に係合する第2係合部を構成している。
また、屈曲部56は本体フレーム31の開口部31aを通して本体フレーム31の外側に係合する第1係合部を構成しており、この屈曲部56には長穴形状のボルト挿通孔56aが形成されている。
本実施の形態では、端部フック57a、57bおよび中央フック57cを爪81a、81bおよび切欠き部81cに係合させることにより、平面部55を折り曲げ部81に係合させた後、屈曲部56を本体フレーム31の外側に当接させてボルト挿通孔56aを通してボルト挿通部82にボルト84を螺合させることにより(図5参照)、アイドラプーリ41、42を本体フレーム31に固定することができる。
また、平面部55の上端部には本体フレーム31の外方に向かってL字状に屈曲するばね係合部としてのスプリングフック58a、58bが設けられており、このスプリングフック58a、58bには張力スプリング39が係合されるようになっている。本実施の形態では、駆動ワイヤ33の一端部は張力スプリング39を介してアイドラプーリ42の係合基板54に取付けられる。
また、スプリングフック58a、58bは支持軸53の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられおり、図6では支持軸53の中心軸を含む平面に対して上下方向で対称となる位置に設けられている。
また、屈曲部56の上下端には駆動ワイヤ33の端部を係合するための駆動力伝達手段係合部としてのワイヤ係合部59、60が形成されており、このワイヤ係合部59、60は切欠き形状に形成され、駆動ワイヤ33を通す溝59a、60aと、溝59a、60aに連通し、この溝59a、60aよりも幅広の凹部59b、60bとを備えている。
ワイヤ係合部59、60は支持軸53の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられおり、図6では支持軸53の中心軸を含む平面に対して上下方向で対称となる位置に設けられている。
また、駆動ワイヤ33の他端部にはボール形状の嵌合部材61が設けられており(図14、図15参照)、この嵌合部材61は凹部59b、60bに嵌合されるようになっている。本実施の形態では、駆動ワイヤ33の他端部がアイドラプーリ41の係合基板54に取付けられる。
本実施の形態では、アイドラプーリ41、42、球部材52、支持軸53および係合基板54が滑車手段50を構成しており、支持軸53および係合基板54が内輪部材を構成し、アイドラプーリ41、42は球軸受けによって本体フレーム31に回転自在に支持される。
なお、アイドラプーリ41、42は球軸受けでなく、アイドラプーリ41、42と支持軸53の間に潤滑油や空気等の流体を介装した流体軸受けによって本体フレーム31に回転自在に支持しても良く、アイドラプーリ41、42と支持軸53の間に磁気部材を介装し、調整手段によって磁気部材の磁力を調整するようにした磁気軸受けによって本体フレーム31に回転自在に支持しても良い。
次に、図16に基づいて滑車手段50の配置関係を説明する。図16において、本体フレーム31の四隅に配置された滑車手段50は、それぞれ1組のアイドラプーリ41、42に2つの駆動ワイヤ33がそれぞれ巻回されている。
本体フレーム31の一方の側面(筐体面)と他方の側面(筐体面)に設けられた滑車手段50は全て同一形状をしており、本体フレーム31の両側面に配置される滑車手段50は、アイドラプーリ41、42が対向している。
そして、本体フレーム31の一方の側面に配置された滑車手段50は、本体フレーム31の他方の側面に配置された滑車手段50に対して、支持軸53の中心軸と直交する水平軸に対して180°回転した状態で対向している。すなわち、本体フレーム31の一方の側面に配置された滑車手段50は、本体フレーム31の他方の側面に配置された滑車手段50に鏡に写った状態となるように配置されている。
次に、アイドラプーリ41、42の取付け方法を説明する。なお、アイドラプーリ41、42の取付け方法は同じであるので、アイドラプーリ41の取付け方法を説明する。
まず、本体フレーム31の開口部31aを通して平面部55を本体フレーム31のフレーム面に沿ってアイドラプーリ41を本体フレーム31内に収納し、端部フック57a、57bおよび中央フック57cを爪81a、81bおよび切欠き部81cに係合させることにより、平面部55を折り曲げ部81に係合させる。
次いで、屈曲部56を本体フレーム31の外側に当接させてボルト挿通孔56aを通してボルト挿通部82にボルト84を螺合させることにより、アイドラプーリ41、42を本体フレーム31に固定する。このようにしてアイドラプーリ41、42が本体フレーム31に固定される。
次いで、屈曲部56の溝60a、凹部60bおよび本体フレーム31の開口部83bを通して駆動ワイヤ33の一端部を本体フレーム31内に挿通した後、本体フレーム31の内方から駆動ワイヤ33を引っ張ることにより、駆動ワイヤ33の他端部に設けられた嵌合部材61を凹部60bに嵌合させる。
次いで、駆動ワイヤ33をアイドラプーリ41、キャリッジプーリ40、ワイヤ駆動プーリ34およびアイドラプーリ42にそれぞれ巻回した後、駆動ワイヤ33の他端部に設けられた張力スプリング39をアイドラプーリ42の平面部55に設けられたスプリングフック58aに引っ掛けることにより、駆動ワイヤ33を一定の張力で本体フレーム31内に延在させる。
また、アイドラプーリ41、42の取付け後に、係合基板54の寸法ばらつき等によってアイドラプーリ41、42の取付け位置がずれた場合に、係合基板54とボルト84の位置を調整してアイドラプーリ41、42の位置ずれを補正する。
このように本実施の形態では、本体フレーム31の四隅にアイドラプーリ41、42を設け、このアイドラプーリ41、42を、駆動ワイヤ33によって回転されるアイドラプーリ41、42と、アイドラプーリ41、42を球部材52を介して回転自在に支持する支持軸53と、支持軸53と一体的に設けられ、本体フレーム31に係合する係合基板54とから構成したので、滑車手段50の係合基板54を本体フレーム31に固定するだけで良く、滑車手段50の取付け作業の作業性を向上させることができる。
また、端部フック57a、57bを支持軸53の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けたので、滑車手段50の向きを変えた場合でも本体フレーム31のどの部分にでも確実に取付けることができる。
この結果、共通の滑車手段50を本体フレーム31に取付けることができるようになり、滑車手段50の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができ、駆動ワイヤ33を介して第1キャリッジ35および第2キャリッジ36をスムースに安定して走行させることができる。
また、本実施の形態では、アイドラプーリ41、42を球部材52によって支持軸53に回転自在に支持しているので、滑車手段50の製造コストをより一層低減することができる。
また、アイドラプーリ41、42を流体によって支持軸53に回転自在に支持した場合には、アイドラプーリ41、42を円滑に回転させることができる。また、アイドラプーリ41、42を磁気によって支持軸53に回転自在に支持した場合には、磁気力を調整することによりアイドラプーリ41、42の回転力の調整を行うことができ、駆動ワイヤ33の駆動力の負荷を調整することができる。
また、本実施の形態では、係合基板54にスプリングフック58a、58bを設け、駆動ワイヤ33の他端部に設けられた張力スプリング39をスプリングフック58aまたは58bに係合させるようにしたので、張力スプリング39によって所定方向に延在する駆動ワイヤ33に張力を付与することができ、この張力スプリング39をスプリングフック58aまたは58bに係合させることにより、滑車手段50を張力スプリング39の係合手段として利用することができる。このため、張力スプリング39を本体フレーム31に設けるのを不要にすることができ、本体フレーム31の製造をその分だけ簡単に行うことができる。
また、スプリングフック58a、58bを支持軸53の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けたので、滑車手段50の向きを変えた場合でも張力スプリング39をスプリングフック58a、58bの最適な位置に取付けることができる。
また、本実施の形態では、係合基板54に本体フレーム31の外側に係合する屈曲部56が設けられるので、滑車手段50を外側から本体フレーム31に取付けることができ、滑車手段50の取付け作業の作業性をより一層向上させることができる。
また、本実施の形態では、係合基板54の屈曲部56にボルト挿通孔56aを形成し、このボルト挿通孔56aは長穴形状にしたので、係合基板54を本体フレーム31に強固に固定することができる。また、ボルト挿通孔56aをボルト84に沿って移動させることができるので、係合基板54とボルト84の相対位置を可変することができ、本体フレーム31に対する滑車手段50の位置を簡単に調整することができる。
また、本体フレーム31に、係合基板54の屈曲部56が係合する面から本体フレーム31の内方に突出する折り曲げ部81を形成し、係合基板54の平面部55を折り曲げ部81に係合させるようにしたので、アイドラプーリ41、42が駆動ワイヤ33から加わる駆動力によって回転しようとしても、平面部55が折り曲げ部81に当接して回転するのを防止することができ、駆動ワイヤ33を確実、かつ円滑に支持することができる。
また、本実施の形態では、屈曲部56に、駆動ワイヤ33を通す溝59a、60aと、溝59a、60aに連通し、溝59a、60aよりも幅広の凹部59b、60bとからなるワイヤ係合部59、60を設け、駆動ワイヤ33の一端部に凹部59b、60bに嵌合する嵌合部材61を設けたので、駆動ワイヤ33の一端部を溝59aまたは60aを通した後、嵌合部材61を凹部59b、または60bに嵌合させることにより、駆動ワイヤ33を係合基板54に係合することができる。このため、駆動ワイヤ33の係合手段を本体フレーム31に設けるのを不要にすることができ、本体フレーム31の製造をその分だけ簡単に行うことができる。
また、本実施の形態では、ワイヤ係合部59、60を支持軸53の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けたので、滑車手段50の向きを変えた場合でも駆動ワイヤ33をワイヤ係合部59、60の最適な位置に取付けることができる。
また、本実施の形態では、溝59a、60aおよび凹部59b、60bを屈曲部56に設け、本体フレーム31に溝59a、60aおよび凹部59b、60bに連通する開口部83a、83bを形成したので、屈曲部56に駆動ワイヤ33を係合させるときに、この駆動ワイヤ33を開口部83a、83bを通して本体フレーム31に挿通することができる。また、駆動ワイヤ33を本体フレーム31の外側で本体フレーム31に係合させることができるので、駆動ワイヤ33の取付け作業の作業性を向上させることができる。
また、本実施の形態では、駆動力伝達手段を駆動ワイヤ33から構成しているので、駆動力伝達手段の製造コストが増大するのを防止することができる。
また、アイドラプーリ41、42、支持軸53および係合基板54はプラスチック等の樹脂から構成したので、滑車手段50の軽量化を図ることができるとともに、製造コストをより一層低減することができる。
また、本体フレーム31の四隅に滑車手段50を配置し、それぞれ1組のアイドラプーリ41、42に2つの駆動ワイヤ33をそれぞれ巻回したので、本体フレーム33の同一側面に設けられた滑車手段50の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができ、同一側面に設けられた滑車手段50に巻回された駆動ワイヤ33を介して第1キャリッジ35および第2キャリッジ36をより一層スムースに安定して走行させることができる。
また、本実施の形態では、本体フレーム31の両側面に設けられた滑車手段50の全てを同一形状にしたので、本体フレーム31に取付けられる滑車手段50の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができ、滑車手段50に巻回された駆動ワイヤ33を介して第1キャリッジ35および第2キャリッジ36をより一層スムースに安定して走行させることができる。
また、本実施の形態では、本体フレーム31の一方の側面に配置された滑車手段50を、本体フレーム31の他方の側面に配置された滑車手段50に対して、支持軸53の中心軸と直交する水平軸に対して180°回転した状態で対向させたので、対向する滑車手段50の取付け位置のばらつきが発生するのを防止することができ、第1キャリッジ35および第2キャリッジ36をより一層スムースに安定して走行させることができる。
なお、本実施の形態では、全ての滑車手段50を同一形状にしているが、同一の駆動ワイヤ33が巻回される滑車手段50、すなわち、本体フレーム31の同一側面に取付けられる滑車手段50を同一形状にしても良い。
図17は本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置の第2の実施の形態を示す図であり、第1の実施の形態と同様の構成には同一番号を付して説明を省略する。
本実施の形態は、図17に示すように、スプリングフック58a、58bに湾曲部91が形成されており、この湾曲部91には張力スプリング39が係合されるようになっている。
本実施の形態では、張力スプリング39をスプリングフック58aまたは58bに係合させたときに、張力スプリング39が駆動ワイヤ33によって引っ張られたときに張力スプリング39が損傷するのを防止することができる。
なお、上記各実施の形態では、アイドラプーリ41、42およびキャリッジプーリ40を傾斜させているが、鉛直方向に配置しても良い。
以上のように、本発明に係る画像読取装置および画像読取装置を備えた画像形成装置は、滑車手段を筐体に取付ける作業の作業性を向上させるとともに、滑車手段の製造コストを低減することができるという効果を有し、読取光学系を駆動する駆動力伝達手段を支持する滑車手段を備えたスキャナ装置等の画像読取装置およびこの画像読取装置を備えたファクシミリ装置、スキャナ装置、複合機等の画像読取装置を備えた画像形成装置等として有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の概略構成図 本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置に設けられた画像読取装置の斜視図 (a)は本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の概略正面図、(b)は画像読取装置の概略斜視図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置のアイドラプーリ、キャリッジプーリおよびモータの位置関係を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置に設けられた滑車手段と本体フレームの断面図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の滑車手段の斜視図 図6の滑車手段をA方向から見た斜視図 図6の滑車手段をB方向から見た斜視図 図6の滑車手段をC方向から見た斜視図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の滑車手段の上面図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の本体フレームを内方から見た滑車図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の本体フレームの内方から見た一方の滑車手段と駆動ワイヤの取付け状態を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の本体フレームの内方から見た他方の滑車手段と駆動ワイヤの取付け状態を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の本体フレームの外方から見た他方の滑車手段と駆動ワイヤの取付け状態を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の本体フレームの外方から見た他方の滑車手段と駆動ワイヤの取付け状態を示す図 本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の滑車手段の配置関係を示す図 本発明の第2の実施の形態に係る画像読取装置の本体フレームの上面から見た一方の滑車手段と駆動ワイヤの取付け状態を示す図 従来のボールベアリングによって支持されるアイドラプーリを示す図
符号の説明
10 複写機(画像形成装置)
14 画像形成部(画像形成手段)
31 本体フレーム(筐体)
33 駆動ワイヤ(駆動力伝達手段)
35 第1キャリッジ(走行手段)
36 第2キャリッジ(走行手段)
39 張力スプリング(ばね部材)
41、42 アイドラプーリ(外輪部材)
43 管状ランプ(読取光学系)
44a 第1ミラー(読取光学系)
44b 第2ミラー(読取光学系)
44c 第3ミラー(読取光学系)
45 駆動モータ(駆動手段)
47 駆動ベルト(駆動手段)
50 滑車手段
52 球部材
53 支持軸(内輪部材)
54 係合基板(内輪部材)
55 平面部(第2係合部)
56 屈曲部(第1係合部)
56a ボルト挿通孔
57a、57b 端部フック(筐体係合部)
57c 中央フック
58a、58b スプリングフック(ばね係合部)
59、60 ワイヤ係合部(駆動力伝達手段係合部)
59a、60a 溝
59b、60b 凹部
61 嵌合部材
81 折り曲げ部
81a、81b 爪
81c 切欠き部
82 ボルト挿通部
84 ボルト
91 湾曲部

Claims (13)

  1. 筐体と、読取光学系が取付けられ、前記筐体内で移動する走行手段と、所定方向に延在し、所定箇所が前記走行手段に取付けられた駆動力伝達手段と、前記駆動力伝達手段が巻回されるとともに、駆動源からの駆動力を受けて正逆回転することにより、前記駆動力伝達手段の移動方向を変更する駆動手段と、前記筐体に回転自在に取付けられ、前記駆動力伝達手段を支持する複数の滑車手段とを備え、
    前記滑車手段は、前記駆動力伝達手段によって回転される外輪部材と、前記外輪部材を回転自在に支持する内輪部材と、前記内輪部材に設けられ、前記筐体に係合する筐体係合部とを備え、
    前記筐体係合部が、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられ、
    前記内輪部材は、前記筐体の外側に係合する第1係合部を備え、
    前記筐体は、前記第1係合部が係合する面から前記筐体の内方に突出する折り曲げ部を有し、
    前記内輪部材は、前記折り曲げ部に係合する第2係合部を備えることを特徴とする画像読取装置。
  2. 筐体と、読取光学系が取付けられ、前記筐体内で移動する走行手段と、所定方向に延在し、所定箇所が前記走行手段に取付けられた駆動力伝達手段と、前記駆動力伝達手段が巻回されるとともに、駆動源からの駆動力を受けて正逆回転することにより、前記駆動力伝達手段の移動方向を変更する駆動手段と、前記筐体に回転自在に取付けられ、前記駆動力伝達手段を支持する複数の滑車手段とを備え、
    前記滑車手段は、前記駆動力伝達手段によって回転される外輪部材と、前記外輪部材を回転自在に支持する内輪部材と、前記内輪部材に設けられ、前記筐体に係合する筐体係合部とを備え、
    前記筐体係合部が、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられ、
    前記内輪部材は、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に、前記駆動力伝達手段の端部に係合する駆動力伝達手段係合部を備え、
    前記駆動力伝達手段係合部は、前記駆動力伝達手段を通す溝と、前記溝に連通するとともに前記溝よりも幅広の凹部を有し、
    前記駆動力伝達手段の端部の他方に、前記凹部に嵌合する嵌合部材が設けられることを特徴とする画像読取装置。
  3. 前記駆動力伝達手段の端部の一方がばね部材を介して前記内輪部材に取付けられ、
    前記内輪部材には前記駆動力伝達手段の前記端部に係合するばね係合部が設けられ、前記ばね係合部は、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に設けられることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置。
  4. 前記ばね係合部は、前記ばね部材に係合する部分に湾曲部が形成されることを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
  5. 前記内輪部材は、ボルト挿通孔を有し、前記ボルト挿通孔は長穴形状であることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の画像読取装置。
  6. 前記内輪部材は、前記内輪部材の中心軸を含む平面に対して対称となる位置に、前記駆動力伝達手段の端部に係合する駆動力伝達手段係合部を備え、
    前記駆動力伝達手段係合部は、前記駆動力伝達手段を通す溝と、前記溝に連通するとともに前記溝よりも幅広の凹部を有し、
    前記駆動力伝達手段の端部の他方に、前記凹部に嵌合する嵌合部材が設けられ、
    前記溝および前記凹部は前記第1係合部に設けられ、前記筐体には前記溝および凹部に連通する開口部が形成されることを特徴とする請求項1、3、4、5のいずれか1項に記載の画像読取装置。
  7. 前記滑車手段は、前記筐体の四隅に配置され、前記駆動力伝達手段は、それぞれ同一の筐体面に取付けられた2つの滑車手段に巻回された2つの駆動力伝達手段からなることを特徴とする請求項1〜請求項の何れか1項に記載の画像読取装置。
  8. 同一の前記駆動力伝達手段が巻回される前記滑車手段は、同一形状であることを特徴とする請求項に記載の画像読取装置。
  9. 全ての滑車手段が同一形状であることを特徴とする請求項1〜請求項8の何れか1項に記載の画像読取装置。
  10. 前記筐体内で対向して配置される前記滑車手段のうちの一方の滑車手段は、他方の滑車手段に対して、内輪部材の中心軸と直交する水平軸に対して180°回転した状態で対向していることを特徴とする請求項〜請求項の何れか1項に記載の画像読取装置。
  11. 前記駆動力伝達手段がワイヤからなることを特徴とする請求項1〜請求項1の何れか1項に記載の画像読取装置。
  12. 前記外輪部材、前記内輪部材および前記筐体係合部が樹脂からなることを特徴とする請求項1〜請求項11の何れか1項に記載の画像読取装置。
  13. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段を備えるとともに、請求項1〜請求項1の何れか1項に記載の画像読取装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
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