JP5263117B2 - スクリーンおよびプロジェクションシステム - Google Patents

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    • G03B27/56Mounting enlarger head on column ; Mounting reproduction camera on column

Description

本発明は、スクリーンおよびプロジェクションシステムに関するものである。
従来、プロジェクター(投写型表示装置)を用いた展示会や学会、会議等のプレゼンテーションや、あるいはホームシアター等の映像視聴のための拡大画像の投写面として、各種のスクリーンが用いられている。
従来のスクリーンは、例えば反射型スクリーンの場合、プロジェクターからの投写光を反射して投写画像を表示すると同時に、照明の光や窓から入る太陽光など使用環境に由来する外光をも反射してしまうため、明るい場所では「白(最大輝度)」と「黒(最小輝度)」の輝度比であるコントラストが低く、鮮明な画像表示が難しいという問題があった。
そこで、太陽光、照明光等、コントラスト低下の原因となる外光の影響を抑制して最小輝度を下げることにより、明室での高コントラスト化を実現することを目的としたスクリーンの開発が進められている。このようなスクリーンとして、光を吸収する染料や顔料を含む光吸収層を設け、不要な外光を吸収する構成が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
また、通常のスクリーンでは、視野角を広げる目的で光を拡散させる光散乱層を有するが、特許文献2において、光散乱層における反射光が投写画像の画質に与える影響が指摘されている。すなわち、光散乱層において反射する光の強度が、光の波長に依存することにより、光散乱層で反射する光のホワイトバランスがずれ、結果として投写画像のホワイトバランスがずれるという課題が指摘されている。
そこで特許文献2では、視認側に配置された光散乱層の裏側(視認側とは反対側)に光吸収層を設け、当該光吸収層の光吸収率を、長波長側(赤側)で大きく短波長側(青側)で小さくすることにより、光散乱層において反射される光の強度分布を打ち消し、ホワイトバランスを改善する構成が提案されている。
特開2002−107828号公報 特開2006−317832号公報
しかしながら、上述の特許文献に記載されたスクリーンは、飛行機の機内照明光(特許文献1)や、蛍光灯などの室内照明光(特許文献2)といった、一種類の外光によるコントラスト低下を解消するための構造を有することとしている。そのため、想定された外光とは異なる外光がスクリーンに差し込むことによる不具合について、詳細に検討されたものではない。
この「異なる外光」としては、代表的なものとして太陽光が考えられる。スクリーンを室内で用いる場合、使用する部屋に窓があると、窓からの太陽光が室内照明光とは異なる角度からスクリーンに差し込み、コントラストを低下させることがある。
太陽光は、従来問題としていた蛍光灯などの室内照明光とは異なり、可視光領域の全域の光を含む。そのため、例えばスクリーンが、室内照明の波長の光を選択的に吸収し、コントラスト低下を抑制する構成を有する場合、このようなスクリーンに太陽光が差し込むと、可視光領域の全域の光を含む太陽光から、特定の波長で構成されている室内照明に対応する波長の光を除くことで、残分となる光により呈色することになる。
このようにして生じるスクリーンの色付きは、投写画像のホワイトバランスを崩し画質を損なう。上述の特許文献では、このように予想される課題に対する対策が全くなされていない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、ホワイトバランスを保ち、高コントラストな画像を得るためのスクリーンを提供することを目的とする。また本発明は、このようなスクリーンを有するプロジェクションシステムを提供することをあわせて目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のスクリーンは、基材と、前記基材の一面に設けられた色素層と、を備え、前記色素層は、室内光に含まれる可視光成分を吸収する第1色素と、紫外線を吸収する第2色素と、を有し、前記第2色素は、太陽光に含まれる紫外線を吸収して、前記太陽光の可視光成分のうち前記第1色素に吸収されなかった残分が呈する色を、色度図上における前記残分が呈する色を示す点と白色点との色差の絶対値が小さくなるように変化させることを特徴とする。
ここで、「室内光」とは、室内照明に用いる人工光源のことを指しており、例えば、蛍光灯やLED照明などを例示することができる。本発明のスクリーンでは、室内光に由来する外光成分については、第1色素が吸収し低減させることができる。
また、室内光と太陽光とは発光スペクトルが異なっており、太陽光は可視光領域に連続した発光スペクトルを有している。そのため、第1色素が、太陽光の可視光成分から室内光と同じ波長の光を吸収すると、太陽光の可視光成分のうち第1色素に吸収されなかった残分が混色した結果、色付きを生じることがある。このような色付きは、投写画像の品位を低下させる原因となる。
しかし、本発明のスクリーンでは、第2色素が、太陽光に含まれている紫外線を吸収することによって反応し、太陽光の残分が呈する色が白に近づくように変化させることとしている。そのため、太陽光がスクリーンに差し込んだ場合でも、第2色素によって太陽光による色付きを抑えることができる。「白に近づく」とは、色度図上における白色点と、太陽光の残分が呈する色を示す点と、の色差の絶対値が小さくなること、と表すことができる。
なお、人工光源の中にも紫外線を射出するものがあるが、太陽光に含まれる紫外線量と比べると、射出される紫外線量が非常に少ないため、太陽光が差し込まない場合に、第2色素が室内光のみで上述の反応を起こしても、生じる変化は限定的であり、色付きの問題は生じにくい。
したがって、上述の構成によれば、室内光および太陽光が差し込んだ場合であっても、良好に外光の影響を低減して、ホワイトバランスを保ち、良好に投写画像のコントラストが向上したスクリーンを提供することができる。
本発明においては、前記第2色素は、紫外線を吸収して、前記残分が呈する色に対して補色となる色を構成する波長帯の光を射出することが望ましい。
この構成によれば、太陽光に含まれる紫外線を吸収した第2色素が発する光の色と、太陽光の残分が呈する色と、が混色し、スクリーンの色が白に近づくため、色付きを抑制するとともに、投写画像のコントラストを向上させることができる。
または、本発明において前記第2色素は、紫外線を吸収して、前記残分が呈する色を構成する波長帯と同じ波長帯の波長の光を吸収することが望ましい。
この構成によれば、太陽光に含まれる紫外線を吸収した第2色素は、可視光領域に吸収帯を有し、当該吸収帯が、太陽光の残分が呈する色と同じ色の波長帯域に存在することとなる。そのため、太陽光の可視光成分は、まず一部が第1色素に吸収され、更に吸収されなかった残分のうち一部が、第2色素に吸収されることとなり、色素層に吸収されなかった太陽光の残分は、白色光に近づくこととなる。したがって、スクリーンの色付きを抑制するとともに、投写画像のコントラストを向上させることができる。
本発明においては、前記第1色素、および紫外線を吸収した後の前記第2色素の吸収ピークは、自身に画像を投写するプロジェクターが射出する光のピーク波長と異なることが望ましい。
この構成によれば、投写画像を形成する光が色素層に吸収されることがないため、投写画像のホワイトバランスを良好に保ちながら、外光を選択的に吸収することができるため、投写画像のコントラストを向上させることができる。
本発明においては、前記色素層は、前記第1色素を含む第1色素層と、前記第2色素を含む第2色素層と、を有していることが望ましい。
この構成によれば、第1色素層と第2色素層とにおける色素の濃度や、各層の層厚を変化させることにより、各層における光の吸収量のバランスを取りやすく、設計が容易となる。
本発明においては、前記基材と前記色素層との間に、入射光を散乱させる光散乱層が設けられていることが望ましい。
この構成によれば、入射光に散乱性を付与することができる。そのため、投写光の強度分布をスクリーン表面で平均化することができ、投写画像の一部が明るく光ったように見える現象(ホットスポット)を防止することができる。また、そのような光散乱層が基材と色素層との間に配置されているため、例えば、視認側から入射した外光が光散乱層の表面で後方散乱を起こした場合であっても、外光は必ず色素層の中を透過する構成となり、色素層に含まれる色素による外光の吸収を効果的に行うことができる。したがって、画像品位の高いスクリーンとすることができる。
また、本発明のプロジェクションシステムは、上記本発明のスクリーンと、前記スクリーンに画像を投写するプロジェクターと、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、低出力のプロジェクターPJを明室にて使用したとしても均一で明るい投写画像が得られるとともに、ホワイトバランスを保った画像表示が可能であるため、画像品位を保ちつつ低消費電力のプロジェクションシステムPSを実現できる。
第1実施形態のスクリーンおよびプロジェクションシステムの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るスクリーンの説明図である。 蛍光灯と太陽光との発光スペクトルを示す図である。 第1実施形態のスクリーンの機能を説明する説明図である。 第2実施形態のスクリーンの機能を説明する説明図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図4を参照しながら、本発明の第1実施形態に係るスクリーンおよびプロジェクションシステムについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法の比率などは適宜異ならせてある。
図1は、本実施形態のスクリーン1A、および本実施形態のプロジェクションシステムPSを示す斜視図である。
図に示すように、本実施形態のスクリーン1Aは、反射型のスクリーンであり、被投写面1aに、外光OL1および外光OL2を吸収する色素を含む色素層5と、色素層5の裏側(視認側とは反対側)に設けられた反射層3と、を有している。外光OL1は、室内照明LSに由来する光(室内光)であり、外光OL2は太陽光である。
スクリーン1Aは、横長矩形状の平面視形状を呈しており、プロジェクターPJから投写される投写光Lを正面に反射している。プロジェクターPJは、スクリーン1Aに対して投写光Lを投写する投写型表示装置であり、本実施例ではスクリーン1Aの正面側前方の斜め下に配置された近接投写型のプロジェクターである。プロジェクションシステムPSは、このようなスクリーン1AとプロジェクターPJとを有する構成となっている。
このようなスクリーン1Aは、被投写面1aに投写される投写光Lを、スクリーン1Aの前面に良好に反射すると共に、外光OL1、OL2を色素層5で吸収することで、高コントラストな画像表示が可能なスクリーンとなっている。以下、詳細に説明する。
図2は、スクリーン1Aの説明図であり、図1の線分A−A’における矢視断面図である。
図に示すように、スクリーン1Aは、基材2上に設けられた反射層3と、反射層3上に設けられた光散乱層4と、光散乱層4を覆って視認側に設けられた色素層5と、色素層5を覆って前面に設けられた反射防止層6と、を有している。色素層5は、反射防止層6側に設けられた第色素層5Aと、反射層3側に設けられた第色素層5Bと、の積層構造を有している。各層の間には、不図示の接着層を有することとしても構わない。
基材2は、光を吸収するフィラーとバインダー樹脂とからなる黒色の光吸収材を用いて形成されたものである。フィラーは、自然光または白色光を吸収するものであって、カーボンブラック等の顔料や黒色色素粒子等からなっている。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられ、好ましくは弾性のある熱可塑性エラストマーが用いられている。具体的には、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが好適に用いられる。また、基材2には、フィラーやバインダー樹脂以外の添加剤として、硬化剤や帯電防止剤、防汚処理剤、バインダー樹脂の劣化を防ぐ紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。
なお、この基材2は、図示しない支持材上に設けてもよい。この支持材としては、フィルムなどの柔軟性を有するもので、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などによって形成されている。また、支持材の裏面側(基材2と反対の側)に、例えばアルミ複合板などを貼設することにより、スクリーン1Aの強度を高めるようにしてもよい。
反射層3は、一般的なスクリーンで用いられている光反射性の材料を用いて形成することができる。このような材料としては、例えば、アルミニウムや銀などの金属材料が挙げられ、蒸着法等の気相法や、金属微粒子を分散させたバインダー樹脂からなるインクを用いた吹付法等の液相法により形成することができる。
光散乱層4は、投写光Lを拡散させて水平視野角を広げる偏向機能を有する。光散乱層4の形成材料は、無色で透光性のバインダー樹脂中にフィラー(拡散剤)が分散させられたものを用いることができる。フィラーとしては、ビーズ状や鱗片状の形状のものを用いることができ、材質としては、シリカ、酸化チタン、雲母、硫酸バリウム、塩化バリウム、アルミニウムなどを用いることができる。
このような光散乱層4としては、プロジェクターPJからの投写光Lを一旦透過し、反射層3で反射させて再度透過させるべく、バインダー樹脂はもちろん、フィラーについても透光性を有したものであるのが好ましい。したがって、フィラーとしては、シリカなどの透光性のものが好適に用いられる。ただし、フィラーの含有量が比較的少ない場合には、非透光性または半透光性のフィラーを用いることもできる。
光散乱層4のバインダー樹脂としては、透光性を有するウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に用いられる。
第1色素層5Aには、可視光領域に極大吸収波長を有する第1色素7Aが含まれており、スクリーン1Aに入射する外光OLの可視光成分を吸収する機能を有している。第1色素7Aが吸収する可視光は、室内照明に由来する外光OL1の波長に基づいて設定されており、外光OL1の有するピーク波長と重なる領域に吸収波長帯域を有している。
また、第1色素7Aは、プロジェクターPJの光源の輝線スペクトル(発光ピーク)と重ならない位置に吸収ピークを示す吸収波長帯域を有していることが好ましい。すなわち、投写光Lの発光波長以外を吸収するスペクトルを持つものであることが好ましい。第1色素7Aがこのような吸収スペクトルを有することにより、第1色素層5では、良好に投写光Lを透過し、外光OL1を吸収して低減させることができる。
第1色素層5Aは、形成材料として、無色で透光性のバインダー樹脂中に第1色素7Aを分散したものを用いることができ、第1色素7Aを、外光OL中の可視光成分を吸収するための吸収成分として用いる。バインダー樹脂としては、例えば、透光性を有するウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に用いられる。
第2色素層5Bには、紫外線領域に極大吸収波長を有する第2色素7Bが含まれており、太陽光由来の外光OL2に含まれる紫外線を吸収して励起し、蛍光を発する機能を有している。紫外線を吸収した第2色素7Bは、太陽光に含まれる可視光成分のうち、第1色素7Aに吸収されなかった可視光成分が呈する色の補色、を発色するように設定されている。
第2色素7Bとしては、紫外線により励起し可視光を発光する蛍光色素(蛍光材料)を用いることができる。このような蛍光色素として、例えば無機材料では、青色を発色する色素としてZnS:Ag,Al、(SrCaBaMg)(POCl:Eu、BaMgAl1017:Euが、緑色を発色する色素としてZnS:Cu,Al、LaPO:Ce,Tb、ZnSiO:Mnが、赤色を発色する色素としてYS:Eu、Y:Eu、(Y,Gd)BO:Euを挙げることができる。また、蛍光色素として有機のものを用いても良い。
第2色素層5Bは、第1色素層5Aと同様に、形成材料として無色で透光性のバインダー樹脂中に第2色素7Bを分散したものを用いることができる。バインダー樹脂としては、第1色素層5Aと同じく、透光性を有するウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に用いられる。
第1色素7Aまたは第2色素7Bは、それぞれ1種類であってもよく、また2種以上の第1色素7Aまたは第2色素7Bを混合して用いることとしても構わない。2種以上の第1色素7A,第2色素7Bを混合して用いることで、複数の波長の光を良好に吸収することが可能となる。
反射防止層6は、例えば、樹脂等の可撓性を有し屈折率が異なる2種類の透明な材料が、交互に複数層積層して形成されている。反射防止層6としては通常知られた構成のものを用いることができ、反射防止層6を構成する複数の層はそれぞれ、第1色素層5Aの表面における投写光Lや外光OLの反射を防止するように屈折率が調整されている。この反射防止層6の表面がクリーン1Aの被投写面1aとなっている。
このような色素層5を有するスクリーン1Aの機能について、図3を用いて課題を説明した後に、図4を用いて説明する。
図3は、蛍光灯と太陽光との発光スペクトルを示す図である。室内照明光である外光OL1が蛍光灯に由来する光である場合、上述の第1色素7Aは、図中の符号ARで示すような波長帯域が吸収波長帯域となるように設定される。このような第1色素7Aを有する第1色素層5Aに太陽光(外光OL2)が入射すると、太陽光に含まれる可視光成分のうち一部が吸収され、吸収されなかった可視光成分が呈色する。
これは、人間が知覚する色が、光の分光分布と、光が照射される物質の分光透過率と、人間の眼の分光感度との積(三刺激値)によって決まることに起因する。具体的には、蛍光灯(外光OL1)のもとではスクリーンが灰色(無彩色)となるように第1色素7Aを設定したとしても、太陽光(外光OL2)が入射すると、緑色に色づいて見えるという問題が起こる。
このような太陽光入射時の色つきを抑制するため、第2色素7Bは紫外線を吸収して、太陽光が入射したときに呈する色(上記例では緑色)の補色となる蛍光を発する蛍光色素を用いる。
図4は、スクリーン1Aの機能を説明する説明図であり、図2に対応する図である。まず、スクリーン1Aに、プロジェクターPJを用いて画像を投写すると、投写光Lは、反射防止層6、第1色素層5A、第2色素層5Bを介して反射層3に達し、反射される。
ここで、第1色素7A,第2色素7Bの吸収スペクトルは、投写光Lの発光波長以外を吸収するスペクトルを有しているため、投写光Lは第1色素7A,第2色素7Bにほぼ吸収されること無く第1色素層5A、第2色素層5Bを透過して反射され、観察者Vに達する。
対する外光OLについて、まず、外光OL1については、反射防止層6を介して第1色素層5Aに達した際に、第1色素層5Aに含まれる第1色素7Aにより一部が吸収される。また、第1色素層5Aを透過した外光OL1は、反射層3で反射した後に再度第1色素層5Aを透過する際に第1色素7Aによって吸収される。そのため、良好に外光OL1の影響を減らすことができ、コントラスト低下を抑制することができる。
また、外光OL2に含まれる可視光成分LVは、反射防止層6を介して第1色素層5Aを透過する際に、第1色素7Aの吸収波長帯域と重なる波長が吸収される。そのため、可視光成分LVのうち吸収されなかった残分(色光L1)が、反射層3にて観察者Vに向かって反射される。色光L1は、反射層3で反射した後に再度第1色素層5Aを透過する際に、一部吸収されることがあるが、図では省略している。
一方、外光OL2に含まれる紫外線成分LUは、第2色素層5Bに達した際、一部が第2色素7Bに吸収される。紫外線を吸収した第2色素7Bは、色光L1の補色となる色光L2を発する。色光L2のうち一部は、観察者Vに向かって直接射出され、残りは反射層3に向かって射出され、観察者Vに向かって反射される。
結果として、観察者Vのもとには、外光OL2から光量が減少すると共に、互いに補色の関係にある色光L1と色光L2とが届くこととなる。そのため、太陽光の残分である色光L1が呈する色は、色光L2と混色することによって白に近づくように変化する。
このとき、色光L2の色および光量は、色光L1、および、色光L1と色光L2との混色後の光、をそれぞれ色度図上の座標で示したときに、各色の座標と、色度図上の白色点の座標との距離(色差)の絶対値が小さくなるように制御する。色差の絶対値が小さくなっていると、第2色素7Bによりホワイトバランスのズレを抑制する効果があると認めることができる。
第2色素7Bの種類や量は、例えば、色度図における白色点との色差が所定の範囲内であることを設計上の「白色度」の基準として設定し、混色後の光の座標がそのような基準内の色となるようにして設計することができる。
このような色素層5を有することにより、観察者Vには外光による色づきが感じられず、良好に外光OL2の影響を減らすことができ、コントラスト低下を抑制することができる。
以上のような構成のスクリーン1Aによれば、ホワイトバランスを保ち、良好に投写画像のコントラストを向上させ、高品位な画像表示を実現することができる。
また、このスクリーン1Aを用いたプロジェクションシステムPSでは、低出力のプロジェクターPJを明室にて使用したとしても均一で明るい投写画像が得られるとともに、ホワイトバランスを保った画像表示が可能であるため、画像品位を保ちつつ低消費電力のプロジェクションシステムPSを実現できる。
なお、本実施形態では、反射防止層6側に第1色素層5Aを形成することとしているが、第1色素層5Aと第2色素層5Bとの積層順を逆にして、反射防止層6側に第2色素層5Bを形成することとしても良い。
本実施形態の積層順の場合には、第2色素7Bが発する励起光(蛍光)が第1色素層5Aを透過するため、第2色素7Bが発する励起光のうち一部が第1色素層5Aで吸収され、色純度を高め易いが、励起光量を確保するために色素量や高い発光効率を示す色素の選択が必要となる。
一方、本実施形態とは積層順を逆にすると、色素量が少なくて済む一方で、色純度を高めるため、精緻な色素量の調節や発光波長の調節が必要となる。
そのため、活用したい積層順の利点に応じていずれかの積層順を選択し、所望の性質を有するスクリーンとすることができる。
また、第1色素層5Aと第2色素層5Bとを作り分けることなく、第1色素7Aと第2色素7Bとのいずれをも一つの層の中に含む色素層5としても良い。
また、第2色素層5Bの吸収波長帯域は、投写光Lの光線を吸収しない波長帯域にあることが望ましい。
また、本実施形態では、スクリーン1Aが反射型スクリーンであることとして説明したが、本発明は透過型スクリーンにも適用可能である。
[第2実施形態]
図5は、本発明の第2実施形態に係るスクリーン1Bの説明図である。本実施形態のスクリーン1Bは、第2色素の性質が異なる他は、第1実施形態のスクリーン1Aと一部共通している。したがって、本実施形態において第1実施形態と共通する構成要素については同じ符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5は、スクリーン1Bの説明図であり、第1実施形態の図4に対応する図である。スクリーン1Bの第2色素層5Bが有する第2色素7Cは、太陽光由来の外光OL2に含まれる紫外線を吸収して、可視光領域に吸収帯域を持つように分子構造の変化を起こすものを用いる。
このような第2色素7Cとしては、例えば、スピロナットオキワジン化合物などの、フォトクロミック物質を用いることができる。紫外線を吸収した第2色素7Cは、太陽光に含まれる可視光成分のうち、第1色素7Aに吸収されなかった可視光成分が呈する色を構成する波長帯に吸収帯域を有するように設定されている。
このようなスクリーン1Bに外光OL2が入射すると、可視光成分LVは、第1色素層5Aを透過する際に第1色素7Aの吸収波長帯域と重なる波長が吸収され、残分が色光L1として第2色素層5Bに入射する。
また、外光OL2に含まれる紫外線成分LUは、第2色素層5Bに達した際、一部が第2色素7Bに吸収される。紫外線を吸収した第2色素7Bは、色光L1が呈する色と同じ色の光を構成する波長帯に吸収帯域を有している。そのため、紫外線を吸収した第2色素7Bは、第2色素層5Bに入射する色光L1から、一部の光を吸収することにより、色光L1を白色光L3と変化させる。
結果として、観察者Vのもとには、白色光L3が届くため、観察者Vには外光による色づきが感じられず、良好に外光OL2の影響を減らすことができ、コントラスト低下を抑制することができる。
以上のような構成のスクリーン1Bによっても、ホワイトバランスを保ち、良好に投写画像のコントラストを向上させ、高品位な画像表示を実現することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1A,1B…スクリーン、2…基材、4…光散乱層、5…色素層、5A…第1色素層、5B…第2色素層、7A…第1色素、7B,7C…第2色素、LU…紫外線、OL1…室内光(外光)、OL2…太陽光(外光)、PJ…プロジェクター、PS…プロジェクションシステム、

Claims (7)

  1. 基材と、
    前記基材の一面に設けられた色素層と、を備え、
    前記色素層は、室内光に含まれる可視光成分を吸収する第1色素と、
    紫外線を吸収する第2色素と、を有し、
    前記第2色素は、太陽光に含まれる紫外線を吸収して、前記太陽光の可視光成分のうち前記第1色素に吸収されなかった残分が呈する色を、色度図上における前記残分が呈する色を示す点と白色点との色差の絶対値が小さくなるように変化させることを特徴とするスクリーン。
  2. 前記第2色素は、紫外線を吸収して、前記残分が呈する色に対して補色となる色を構成する波長帯の光を射出することを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
  3. 前記第2色素は、紫外線を吸収して、前記残分が呈する色を構成する波長帯と同じ波長帯の波長の光を吸収することを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
  4. 前記第1色素、および紫外線を吸収した後の前記第2色素の吸収ピークは、自身に画像を投写するプロジェクターが射出する光のピーク波長と異なることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のスクリーン。
  5. 前記色素層は、前記第1色素を含む第1色素層と、前記第2色素を含む第2色素層と、を有していることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のスクリーン。
  6. 前記基材と前記色素層との間に、入射光を散乱させる光散乱層が設けられていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のスクリーン。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載のスクリーンと、室内光の発光スペクトルにおける複数のピーク波長とは異なる波長に発光ピークを有する光源を用いて前記スクリーンに画像を投写するプロジェクターと、を備えることを特徴とするプロジェクションシステム。
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