JP2005107375A - スクリーン、プロジェクタシステム、リアプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フロントプロジェクタと反射型スクリーンとを備えたプロジェクタシステム、或いは、背面投射型のプロジェクタと透過型スクリーンとを備えたリアプロジェクタを所定の照明条件下において使用する場合において、スクリーンの光吸収特性を以下のように最適化する。すなわち、スクリーンの吸収波長域が映像光の中心波長以外の波長域に存在し、且つ、スクリーンに吸収されない外光の色温度の範囲が4500K以上7000K以下(即ち、無彩色)となるような光吸収特性を備えるようにする。
【選択図】 図4
Description
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、映像の色付きをなくし色再現性の高い映像表示を実現できるようにしたスクリーン、及びこのスクリーンとフロントプロジェクタとを備えたプロジェクタシステム、並びに上記スクリーンと背面投射型のプロジェクタとを一体に備えたリアプロジェクタを提供することを目的とする。
本構成では、スクリーンの吸収波長域が映像光の中心波長以外の波長域に設けられているため、映像の輝度を損なうことなく照明光(例えば蛍光灯からの光)のみを効果的に吸収することができる。また、本構成では、スクリーンによって吸収されない照明光を無彩色化するために、上記吸収されない照明光の色温度が4500K以上7000K以下(即ち、無彩色)となるようにスクリーンの光吸収特性を設定している。すなわち、色温度が小さくなると光は黄色味を帯びてくるが、色温度が4500Kより小さくなると、この色味が観察者側に強く感じられるようになり、映像の色再現性を低下させる要因となる。同様に、色温度が大きくなると光は青色味を帯びてくるが、色温度が7000Kよりも大きくなると、この色味が観察者に強く感じられるようになる。したがって、本構成によれば、明るい照明環境下でもコントラストが高く色再現性のよい映像表示が可能となる。
これにより、高コントラストで色再現性のよいカラー映像表示を行なうことができる。
これにより、蛍光灯の光をR,G,Bの各波長領域でバランスよく吸収できるようになる。よって、吸収されずに観察者側に出力された外光を無彩色化でき、色再現性の高い映像表示が可能となる。
また、上記スクリーンの形態としては、映像光を反射によって表示可能としたもの(反射型のスクリーン)、透過によって表示可能としたもの(透過型のスクリーン)の双方を挙げることができる。
本構成によれば、明るい照明環境下でも高コントラストで色再現性の高い映像表示が可能となる。
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。
[プロジェクタシステム]
まず最初に、図8を参照しながら、本発明のスクリーンを備えたプロジェクタシステムの一例である液晶プロジェクタシステムについて説明する。
本実施の形態のプロジェクタ30は、R(赤)、G(緑)、B(青)の異なる色毎に透過型液晶ライトバルブを備えた3板式のカラー液晶プロジェクタである。図8はこの液晶プロジェクタを示す概略構成図であって、図中、符号1は照明装置、2は光源、3,4はフライアイレンズ(均一照明手段)、13,14はダイクロイックミラー、15,16,17は反射ミラー、22,23,24は液晶ライトバルブ(光変調手段)、25はクロスダイクロイックプリズム、26は投射レンズ(投射手段)を示している。また、符号40は、プロジェクタ30から投射される映像光の被投射体としてのスクリーンを示している。そして、このプロジェクタ30及びスクリーン40によって、本発明のプロジェクタシステムが構成されている。
青色光・緑色光反射のダイクロイックミラー13は、光源2からの光束のうちの赤色光LRを透過させるとともに、青色光LBと緑色光LGとを反射させるものである。ダイクロイックミラー13を透過した赤色光LRは反射ミラー17で反射されて赤色光用液晶ライトバルブ22に入射される。一方、ダイクロイックミラー13で反射した色光のうち、緑色光LGは緑色光反射用のダイクロイックミラー14によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ23に入射される。一方、青色光LBはダイクロイックミラー14も透過し、リレーレンズ18、反射ミラー15、リレーレンズ19、反射ミラー16、リレーレンズ20からなるリレー系21を経て青色光用液晶ライトバルブ24に入射される。
次に、図1〜図5を参照しながら、本実施形態のスクリーンについて説明する。図1は本実施形態のスクリーンの概略構成を示す断面図、図2はその光吸収特性を示す図、図3はスクリーンのより具体的な構造を示す断面図、図4はスクリーンの構成部材の光吸収特性を映像光及び外光の分光特性と共に示す図、図5はスクリーンで反射された映像光及び外光の分光特性を示す図である。
なお、波長選択反射層42では、反射光以外の光は透過でなく吸収されるようにしてもよい。また、波長選択反射層42の前面(映像光の入射側)に光拡散層等を設けてもよく、これにより、視野角を広げることができる。
次に、図6,図7を参照しながら、本実施形態の他の構成例に係るスクリーンについて説明する。図6は本例のスクリーンの概略構成を示す断面図、図7はその光吸収特性を示す図である。
なお、上記構成においては、基材44に光拡散性を持たせたり、波長選択透過層45の前面に光拡散層を設けたりしてもよく、これにより視野角を広げることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
[リアプロジェクタ]
まず最初に、図11を参照しながら、本発明のスクリーンを備えたリアプロジェクタの一例について説明する。
本実施形態のリアプロジェクタ100は、映像光を形成して射出する背面投射型のプロジェクタ50と、投射映像を表示するための透過型のスクリーン60と、プロジェクタ50から射出された映像光を反射してスクリーン60に導くための反射ミラー51とを備えている。プロジェクタ50は、図示しない光源装置、画像形成光学系および投写レンズ等を有し、投写光を生成して射出する。このプロジェクタ50から射出される映像光の分光特性は上記第1実施形態のものと同様である。この投写光は、広がりながら反射ミラー51へと達し、反射ミラー51で反射され、スクリーン60に到達する。このスクリーン60では、本来の投写光のみを光軸60aに対して略平行化して透過し、映像として表示する。
次に、図9,図10を参照しながら、本実施形態のスクリーンについて説明する。図9は本実施形態のスクリーンの概略構成を示す断面図、図10はその光吸収特性を示す図である。
なお、上記構成においては、基材61に光拡散性を持たせたり、波長選択透過層62の前面に光拡散層を設けたりしてもよく、これにより視野角を広げることができる。
例えば、上記第1実施形態で示したプロジェクタ30の構成はほんの一例であり、他の構成を採ることもできる。具体的には、液晶ライトバルブにカラーフィルタを設けてプロジェクタ30を単板式の構造としたり、時分割駆動によりカラー化を図る構造も可能である。また、上記実施形態ではプロジェクタの照明装置を高圧水銀ランプ等の白色光源とし、この白色光源から出力された白色光を2枚のダイクロイックミラーで色分離してR,G,Bの各色光を出力したが、この代わりに、照明装置を複数の色光源によって構成し、各色光源から出力された色光をそれぞれ対応するライトバルブによって光変調するようにしてもよい。或いは、各色光源を時分割で点灯駆動し、これに合わせて1枚のライトバルブでそれぞれの色光を光変調するようにしてもよい。このような色光源としては、高い色純度が得られることから、LED等の半導体発光素子や有機EL等の素子を好適に用いることができる。
また、上述の実施形態では、映像光としてR,G,Bの3種類のカラー映像光を用いたが、単色によって映像表示を行なうことも可能である。
Claims (7)
- 所定の照明条件下において使用される映像光の被投射体としてのスクリーンであって、
上記映像光の中心波長以外の波長域に吸収波長域を有し、自身によって吸収されない照明光の色温度の範囲が4500K以上7000K以下となるような光吸収特性を備えたことを特徴とする、スクリーン。 - 上記映像光が互いに中心波長の異なる複数のカラー映像光からなり、
上記吸収波長域がこれらのカラー映像光の中心波長以外の波長域に設けられたことを特徴とする、請求項1記載のスクリーン。 - 上記照明光が蛍光灯の光であり、
上記吸収波長域が545nm以上600nm以下の波長域、及び440nm以下の波長域であることを特徴とする、請求項1又は2記載のスクリーン。 - 上記映像光を反射表示することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載のスクリーン。
- 上記映像光を透過表示することを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載のスクリーン。
- 映像光を投射するフロント型のプロジェクタと、該映像光を反射表示するための請求項4記載の反射型のスクリーンとを備えたことを特徴とする、プロジェクタシステム。
- 映像光を投射する背面投射型のプロジェクタと、該映像光を透過表示するための請求項5記載の透過型のスクリーンとを備えたことを特徴とする、リアプロジェクタ。
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