JP5359612B2 - プロジェクションシステム - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクションシステムに関するものである。
従来、プロジェクター(投射型表示装置)を用いた展示会や学会、会議等のプレゼンテーションや、あるいはホームシアター等の映像視聴のための拡大画像の投射面として、各種のスクリーンが用いられている。
従来のスクリーンは、例えば反射型スクリーンの場合、プロジェクターからの投射光を反射して投射画像を表示すると同時に、照明の光や窓から入る太陽光など使用環境に由来する外光をも反射してしまうため、明るい場所では「白(最大輝度)」と「黒(最小輝度)」の輝度比であるコントラストが低く、鮮明な画像表示が難しいという問題があった。そこで、太陽光、照明光等、コントラスト低下の原因となる外光の影響を抑制して最小輝度を下げることにより、明室での高コントラスト化を実現することを目的としたスクリーンの開発が進められている。
このようなスクリーンとして、プロジェクターから射出される発光波長の光のみを観察者に向けて反射するとともに、その他の波長の光は吸収して外光成分を低下させる反射式の波長選択スクリーンの構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−350185号公報
上記特許文献に記載の構成では、屈折率が異なる数種類の光学膜が複数層積層された光学多層膜において、プロジェクターから射出される発光波長の光のみを反射することとしている。しかし、この光学多層膜は、積層された膜での光の干渉を利用しているため、光学多層膜への光の入射角が大きくなるに従って、反射する光の波長(以下、単に「反射波長」という)が短波長側にシフトする。
ここで、投射光の光源であるプロジェクターや外光の光源からスクリーンに入射する入射光(投射光+外光)の入射角は、スクリーンの面内によって異なる。そのため、スクリーン面内の位置のよっては、反射波長の短波長シフトに起因して、投射光が反射されない、または不要な外光成分が反射され色調やコントラストが異なるといった反射光の角度依存性による課題が生じることとなる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、反射光の角度依存性を抑制し、コントラストを向上した投射画像の表示を可能とするプロジェクションシステムを提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明のプロジェクションシステムは、外光の光源スペクトルにおけるピーク波長よりも低波長側に発光ピークを有する光源を備えたプロジェクターと、前記プロジェクターから射出される投射光を用いて投射画像を表示するスクリーンと、を備え、前記スクリーンは、前記投射光が投射される被投射面に、特定の波長帯域の光を反射する選択反射層を有し、前記特定の波長帯域は、前記光源の発光ピークと重なるとともに、前記外光の光源スペクトルにおけるピーク波長とは重ならない波長帯域に設定されており、 前記特定の波長帯域の幅は、前記スクリーンへの入射光の入射角度に応じて算出される前記特定の波長帯域の波長シフト量に基づいて設定されていることを特徴とする。
この構成によれば、選択反射層において外光と投射光とを選択分離して反射するため、視認側に反射する光には外光が含まれない。その際、スクリーンに入射する入射光(投射光+外光)は、スクリーンの面内において入射角が異なるため、入射角に応じて選択反射層が反射可能な特定の波長帯域(反射波長帯域)が短波長シフトするが、選択反射層に設定されている反射波長帯域は、予め波長シフト量が考慮されているため、入射角が異なっても視認側に投射光を反射する。そのため、外光と投射光とを確実に分離することが可能となり、低出力のプロジェクターを明室にて使用したとしても均一で明るい投射画像が得られ、画像品位を保ちつつ低消費電力のプロジェクションシステムを実現できる。
本発明においては、前記スクリーンは、基材と、前記基材の視認側に設けられた前記選択反射層と、前記基材と前記選択反射層との間に設けられた、前記外光を吸収する光吸収層と、を有することが望ましい。
この構成によれば、選択反射層において、反射波長帯域と重なるプロジェクターの光源由来の光を反射して視認側に表示し、反射波長帯域と重ならない外光は、光吸収層で吸収される。そのため、外光と投射光とを確実に分離し、コントラストを向上させた投射画像が得られるプロジェクションシステムとすることができる。
本発明においては、前記特定の波長帯域は、前記入射光に対する特定の波長帯域の波長シフト量と、前記プロジェクターの光源の発光ピークの発光半値幅と、を合わせた値よりも広い帯域を有することが望ましい。
この構成によれば、プロジェクターの光源の発光ピークが広がりを有している場合であっても、反射波長帯域が当該発光ピークの広がりを考慮して設定されているため、良好な反射特性を示す。そのため、そのような光源を用いたプロジェクターを用いてもコントラストを向上させた投射画像を得ることが可能なプロジェクションシステムとすることができる。
本発明においては、前記特定の波長帯域は、前記外光の発光ピークから長波長側に、前記スクリーンに対する前記外光の最大入射角度に応じて算出される、前記外光に対する特定の波長帯域の波長シフト量に基づいて算出されるマージン幅よりも広く離間した帯域に設定されることが望ましい。
この構成によれば、外光の入射角度に応じて反射波長帯域が短波長シフトしても、反射波長帯域が短波長側の外光の発光ピークに重なることがないため、外光の反射を防ぎ、良好にコントラストを向上させた投射画像を得られるプロジェクションシステムとすることができる。
本発明においては、前記スクリーンは、前記選択反射層の視認側に設けられた光散乱層を有することが望ましい。
この構成によれば、入射光に散乱性を付与することができる。そのため、投射光の強度分布をスクリーン表面で平均化することができ、投射画像の一部が明るく光ったように見える現象(ホットスポット)を防止することができる。したがって、画像品位の高いスクリーンとすることができる。
本発明においては、前記スクリーンは、垂直入射時の前記特定の波長帯域に、405nm、436nm、546nmおよび610nmの波長を含まないことが望ましい。
この構成によれば、蛍光灯を照明光として用いる室内環境において、良好にコントラストを向上させた投射画像を得られるプロジェクションシステムとすることができる。
または、本発明においては、前記スクリーンは、垂直入射時の前記特定の波長帯域に、477nm以上545nm以下、または587nm以上609nm以下の波長帯域の少なくとも一部を含むことが望ましい。
この構成によれば、蛍光灯を照明光として用いる室内環境において、反射波長帯域が短波長シフトしても反射波長帯域が短波長側の蛍光灯の発光ピークに重なることがないため、照明光の反射を防ぎ、良好にコントラストを向上させた投射画像を得られるプロジェクションシステムとすることができる。
本発明のプロジェクションシステムを示す斜視図である。 本実施形態のプロジェクションシステムに係るスクリーンの説明図である。 選択反射膜の原理について説明する説明図である 従来技術による問題点を説明する説明図である。 従来技術による問題点を説明する説明図である。 選択反射層の反射波長帯域を説明する模式図である。 選択反射層の反射波長帯域を説明する模式図である。 選択反射層の反射波長帯域を説明する模式図である。 選択反射層の反射波長帯域のシフト量を説明する模式図である。 選択反射層の反射波長帯域を説明する模式図である。 選択反射層の反射波長帯域を説明する模式図である。 本実施形態のスクリーンの変形例を示す説明図である。
[第1実施形態]
以下、図1〜図12を参照しながら、本発明の実施形態に係るプロジェクションシステムについて説明する。なお、以下の全ての図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の膜厚や寸法の比率などは適宜異ならせてある。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクションシステムPSは、反射型のスクリーン1Aと、スクリーン1Aの正面側前方の斜め下に配置された近接投射型のプロジェクター(投射型表示装置)PJとを含む構成となっている。
概略構成として示すスクリーン1Aは、反射型のスクリーンであり、プロジェクターPJからの投射光Lを選択的に反射し、外光OLを透過する選択反射層4と、選択反射層4の裏面側に配置され外光OLを吸収する光吸収層3と、を有している。
このようなプロジェクションシステムPSでは、スクリーン1Aの被投射面1aに投射される投射光Lは、良好にスクリーン1Aの前面に反射され、外光光源LSである蛍光灯からの外光OLは、光吸収層3で吸収されることで、高コントラストな画像表示が可能となっている。以下、詳細に説明する。
図2は、スクリーン1Aの説明図であり、図1の線分A−Aにおける矢視断面図である。
図に示すように、スクリーン1Aは、基材2上に設けられた光吸収層3Aと、光吸収層3A上に設けられた選択反射層4Aと、選択反射層4Aを覆って視認側に設けられた光散乱層5と、光散乱層5を覆って前面に設けられた反射防止層6と、を有している。
基材2は、フィルムなどの柔軟性を有するもので、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)などによって形成されている。また、基材2の裏面側(視認側と反対の側)に、例えばアルミ複合板などを貼設することにより、基材2の強度を高めるようにしてもよい。
光吸収層3Aは、光を吸収するフィラーとバインダー樹脂とからなる黒色の光吸収材を用いて形成されたものである。フィラーは、自然光または白色光を吸収するものであって、カーボンブラック等の顔料や黒色色素粒子等からなっている。バインダー樹脂としては、熱可塑性樹脂が用いられ、好ましくは弾性のある熱可塑性エラストマーが用いられている。具体的には、ウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、塩化ビニル系樹脂などが好適に用いられる。また、フィラーやバインダー樹脂以外の添加剤として、硬化剤や帯電防止剤、防汚処理剤、バインダー樹脂の劣化を防ぐ紫外線吸収剤などが添加されていてもよい。
なお、基材2について、光吸収層3Aと同様に白色光を吸収するように黒色の光吸収材を含んだ形成材料を用いて形成することにより、光吸収層3Aの機能を基材2に持たせ、光吸収層3Aを省略することとしても良い。
選択反射層4Aは、高屈折率膜とこれより低い屈折率をもつ低屈折率膜とが交互に積層された複数層で形成されている。選択反射層4Aは、赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の波長帯域の少なくとも一つ以上の光に対して反射率ピークを有する反射波長帯域を有するとともに、反射波長帯域以外の少なくとも可視波長領域に対して高い透過特性を有するものである。
ここで、選択反射層4Aの各膜厚は、例えば上述の特許文献に記載のマトリクス法に基づいたシミュレーションによって設計することが可能である。すなわち、高屈折率膜と低屈折率膜の各膜の屈折率、膜厚、繰り返し積層回数などを制御することにより、各膜の界面で生じる反射光同士の干渉条件を制御し、プロジェクターPJから射出される投射光を反射するとともに、照明光等の外光OLを透過する特性を有する光学膜の膜厚設計を行うものである。
上述の選択反射層設計の考え方は、概ね以下のようなものである。図3は、選択反射層4の原理について説明する説明図である。光を吸収しない薄膜F1(屈折率:n),F2(屈折率:n),F3(屈折率:n)がこの順に積層している場合に、薄膜F1側から光L(L1,L2)が入射する場合を想定する。ここでは、n<n、n<nとする。
入射する光Lは、薄膜F1と薄膜F2との間の界面S1において反射率R1、薄膜F2と薄膜F3との間の界面S2で反射率R2の、それぞれ隣接する膜の性質に基づく反射率で反射する。このときの光Lの各反射率は、各薄膜の屈折率を元に、フレネルの式によって算出することができ、光Lが垂直入射する場合には、式(1)、(2)に示す式で表すことが出来る。
Figure 0005359612
Figure 0005359612
このとき、界面S1で反射する反射光RL1と、界面S2で反射する反射光RL2とが相殺的に干渉し振幅を打ち消し合うと、観測される反射光RLである合成光RL3の強度は低減する。反対に、相乗的に干渉し振幅を増幅すると、観察される反射光RLである合成光RL3の強度は増加し、高輝度の反射光となる。
各薄膜の屈折率はn<n、n<nという関係であることから、界面S1における反射は固定端反射であり界面S2における反射は自由端反射である。そのため、反射光RL1,RL2が相殺的に干渉するためには、反射光RL1,RL2の光路差をa、光Lの波長をλ、とすると、反射光RL1,RL2の光路差が波長λに対して次の式(3)の関係を満たすこととすればよい。
Figure 0005359612
ここで、薄膜F2の膜厚をd、光Lの屈折角をθとすると、図に示す幾何学的な関係からa=2dcosθであるため、観測される反射光RLである合成光RL3の強度が低減するための薄膜F2の膜厚dは、次の式(4)の関係を満たすこととすればよい。光Lが垂直入射する場合はθ=0°であるため、式(4)においてcosθ=1である。
Figure 0005359612
式(4)より、入射角θが0度から90度の間で大きくなるとcosθが小さくなることから、膜厚dが一定の場合λが小さくなる、すなわち短波長シフトすることが分かる。ここで、膜厚が厚いと光路長が長くなり画像に別の影響を及ぼすため、式(4)においては、m=1の条件のみを考慮する。このような選択反射層4Aは、例えば、誘電体多層膜によって形成することができる。
再び図2に戻って、光散乱層5は、投射光Lを拡散させて水平視野角を広げる偏向機能を有する。光散乱層5の形成材料は、無色で透光性のバインダー樹脂中にフィラー(拡散剤)が分散させられたものを用いることができる。フィラーとしては、ビーズ状や鱗片状の形状のものを用いることができ、材質としては、シリカ、酸化チタン、雲母、硫酸バリウム、塩化バリウム、アルミニウムなどが用いることができる。
このような光散乱層5としては、プロジェクターPJからの投射光Lを一旦透過し、反射層4Aで反射させて再度透過させるべく、バインダー樹脂はもちろん、フィラーについても透光性を有したものであるのが好ましい。したがって、フィラーとしては、シリカなどの透光性のものが好適に用いられる。ただし、フィラーの含有量が比較的少ない場合には、非透光性または半透光性のフィラーを用いることもできる。
光散乱層5のバインダー樹脂としては、透光性を有するウレタン系樹脂やアクリル系樹脂が好適に用いられる。
反射防止層6は、例えば、樹脂等の可撓性を有し屈折率が異なる2種類の透明な材料が、交互に複数層積層して形成されている。反射防止層6としては通常知られた構成のものを用いることができ、反射防止層6を構成する複数の層はそれぞれ、光吸収層3の表面における投射光Lや外光OLの反射を防止するように屈折率が調整されている。この反射防止層6の表面が反射スクリーン1Aの被投射面1aとなっている。
次に、選択反射層4Aが備えるべき性質について、図4から図11を参照しながら順に説明する。以下の説明では、まず、想定される問題点を示し、その後、外光を除去してコントラスト向上を実現するために、選択反射層4Aが備えるべき性質について説明する。また、説明においては、適宜図2で記した符号を用いる。
まず、外光OLの光源が、蛍光灯のように、特定の波長で発光強度が強い光源である場合に想定される問題点について説明する。図4は、当該想定される問題点を説明する図であり、蛍光灯の発光スペクトル(実線)と、緑色領域に反射波長帯域を有する選択反射層の反射スペクトル(鎖線)を示す。図では、横軸に光の波長、左の縦軸に蛍光灯の発光強度、右の縦軸に選択反射層における反射率を示している。また、反射スペクトルについて、選択反射層に対して蛍光灯の光が垂直に入射する状態のスペクトルを二点鎖線で示し、同じく斜めに入射する状態のスペクトルを一点鎖線で示している。
図に示すように、選択反射層に対して蛍光灯の光が垂直に入射する状態では、選択反射層が蛍光灯の546nm近傍の発光ピーク波長の光を反射せず、良好に透過させるとしても、斜め入射状態では、選択反射層の反射波長帯域が短波長シフトするため、蛍光灯の546nm近傍の発光ピーク波長の光を反射してしまうおそれがある。このような場合には、コントラスト向上が図れず、色調が大きく低下するおそれがある。
図5は、プロジェクションシステムの使用環境を示す模式図である。図に示すように、蛍光灯からの外光OLは、プロジェクターPJからの投射光Lと比べると、さまざまな入射角度でスクリーン1A上へ入射する。通常、室内照明としての蛍光灯は、天井に複数配置されているため、外光OLは複数の外光光源からさまざまな入射角度でスクリーンへ投射されるからである。
そのため、蛍光灯のように蛍光灯のように特定の波長における発光強度が大きい外光光源では、外光OLのスクリーン上への入射角度と短波長シフトによる反射波長帯域のズレとの関係により、スクリーンの色が急激に変化するという問題を引き起こす。そのため、例えばスクリーンの一部が縞状に濃く色付くという問題を引き起こす。
そこで、本発明のプロジェクションシステムPSでは、複数の発光ピークを有する外光の発光スペクトルに対し、プロジェクターPJの光源の発光ピークが、隣り合う外光の発光ピークの間の波長領域と重なるものを用いている。例えば、外光が蛍光灯である場合、プロジェクターPJの光源の発光ピークは、蛍光灯の隣り合う発光ピーク(404.7nm,435.8nm,491.6nm,546.1nm,577.0nm,579.1nm,610nm)の間の波長領域となるものを用いている。
そして、選択反射層4Aの反射波長帯域は、プロジェクターPJの発光ピークと重なり、外光の発光ピークから長波長側に所定の波長幅のマージンを取った帯域に設定されていることとしている。
このような選択反射層4Aの反射波長帯域を設定するための考え方について、以下に説明する。以下の説明では、反射波長帯域と投射光との関係、反射波長帯域と外光との関係、について順に示す。
まず、反射波長帯域と投射光との関係について示す。図6は、選択反射層4Aの反射波長帯域を説明する模式図である。図では、反射波長帯域がλの幅を有するものとして示している。図では、横軸に光の波長、左の蛍光灯またはプロジェクターの光源から射出される光の発光強度、右の縦軸に選択反射層における反射率を示している。
図に示すように、スクリーン1Aに対し垂直入射する場合には、本実施形態の反射波長帯域は、蛍光灯の発光ピークを含まず、図中「PJ光発光1」として示すプロジェクターPJからの投射光Lの発光ピークを含んでいる。また、このような反射波長帯域を有する選択反射層4Aに対して、投射光Lが斜め入射する場合、反射波長帯域は短波長シフトするが、シフト後であっても反射波長帯域内に投射光Lの発光ピークが含まれている。選択反射層4Aがこのような反射波長帯域を有する場合、投射光Lの入射角度によらず良好に反射させることができる。
ここで、短波長シフト量については、実験的に求めることができる。本実施形態では、図7に示すような反射特性を有する6種の誘電体多層膜を試験的に作成し、各試験体において、それぞれ入射角度に対する反射波長帯域のシフト量を測定した。図8には一例として、図7に示す試験体DM2についての、反射波長帯域の短波長シフトを示す測定結果を示す。
図9は、図7に示す各試験体について、各々短波長シフト量を測定した結果をまとめて示すグラフである。図に示す結果より、反射波長のシフト量をS、入射角度をθとすると、ここでは近似式として、シフト量Sを示す次の式(5)が得られた。
Figure 0005359612
また、投射光Lの発光ピークは、通常、図中「PJ光発光2」として示すようにブロードな波長幅を有する。このような場合に、投射光Lの入射角度によらず良好に反射させるには、反射波長帯域が有する波長幅λが、短波長シフト量と投射光の発光半値幅Hとを合わせた値よりも大きい値であれば良い。すなわち、波長幅λは、次の式(6)により示すことができる。
Figure 0005359612
例えば、スクリーン中央位置に、市販されているプロジェクターを配置してスクリーン1Aに投射光Lを投射した場合、投射光Lの入射角度θの最大値は、次の表1のようになる。
Figure 0005359612
このような場合、発光半値幅20nmとすると、式(6)より波長幅λは次の表2のように算出することができる。
Figure 0005359612
次に、反射波長帯域と外光との関係について示す。図10は、光散乱層5における外光OLの散乱状態を説明する模式図である。
図10では、スクリーン1Aから、スクリーン1Aの高さの3倍離れた位置において、観察者Vがスクリーン1Aに写された投射画像を観察すると仮定した。また、光散乱層5における散乱半値角α=30°であることとした。
この場合、図に示す幾何学的な関係から、観察者Vの目に入る可能性のある外光OLの、スクリーン1Aへの最大入射角度は39°となる。式(5)より、入射角度39°における反射波長帯域のシフト量は、41nmと算出することができる。
したがって、この例の場合、外光OLの発光ピークよりも長波長側に41nmより大きい波長帯域に、選択反射層4Aの反射波長帯域を設定すると、スクリーン1Aで反射する外光OLは観察者Vに視認されないこととなり、外光OLによるコントラスト低下を防ぐことが可能となることが分かる。
これら反射波長帯域と投射光との関係、および反射波長帯域と外光との関係、を考慮すると、選択反射層4Aの反射波長帯域は、次の様に設定することができる。
図11は、外光の例として挙げられる蛍光灯の発光スペクトルを示す図である。このうち発光強度が非常に高い発光ピークは、405nm、436nm、546nm、610nmとなっている。
ここで、垂直入射時における選択反射層4Aの反射波長帯域は、これらの4つの波長よりも短波長側にあり、且つ、外光OLの最大入射角度による短波長シフト量より大きい帯域のマージンを取り、上述の4つの波長の発光ピークから長波長側の波長帯域に設定される。また、反射波長帯域の波長幅λは、式(6)から求められる値以上の波長幅を示すものが望ましい。
したがって、上述の例に挙げた数値を用いると、垂直入射時の反射波長帯域を設定可能な領域は、477nm以上545nm以下、または587nm以上609nm以下の波長領域が成り立つ。この波長領域については、図において符号ARで示している。
また、プロジェクターPJの光源が、これらの波長領域に発光ピークを有するものとすることで、選択反射層4Aにおいて外光を透過し、投射光を反射させることができる。
このような反射波長帯域が設定された選択反射層4Aを有するスクリーン1Aに対し、プロジェクターPJから投射光Lを投射する場合の機能について、図2を用いて説明する。
スクリーン1Aに、上述のプロジェクターPJを用いて画像を投射すると、プロジェクターPJの投射光Lは、反射防止層6を介して光散乱層5に達し、拡散して水平視野角を広げながら選択反射層4Aに達する。投射光Lは、選択反射層4Aにおいて反射され、光散乱層5、反射防止層6を順に透過して、観察者Vに達する。
対して、外光OLについては、反射防止層6、光散乱層5を介して選択反射層4Aに達した際に、選択反射層4Aを透過する。選択反射層4Aを透過した外光OLは、光吸収層3Aに達して吸収される。
したがって、以上のような構成のプロジェクションシステムPSでは、低出力のプロジェクターPJを明室にて使用したとしても均一で明るい投射画像が得られるため、画像品位を保ちつつ低消費電力のプロジェクションシステムPSを実現できる。
なお、本実施形態においては、選択反射層4Aにより、プロジェクターPJの投射光Lを反射することとしたが、投射光Lのうち少なくとも一部の波長の光を反射することとすれば良い。
図12は、投射光Lのうち一部の波長の光を反射させる選択反射層4Bを有するスクリーン1Bの説明図であり、図2に対応する図である。
図に示すように、スクリーン1Bは、基材2と光吸収層3Bとの間に反射層7を備えている。また、選択反射層4Bは、投射光Lのうち一部の波長の光(例えば緑色の光)を吸収し、他の光を透過させる。光吸収層3Bは、外光OLを吸収し、投射光Lのうち選択反射層4Bで反射しなかった波長の光を透過させる。
このような構成のスクリーン1Bに、プロジェクターPJを用いて画像を投射すると、プロジェクターPJの投射光Lは、反射防止層6を介して光散乱層5に達し、拡散して水平視野角を広げながら選択反射層4Bに達する。投射光Lのうち緑色の光は、選択反射層4Bにおいて反射され、光散乱層5、反射防止層6を順に透過して、観察者Vに達する。また、投射光Lのうち緑色の光以外の光は、選択反射層4B、光吸収層3Bを透過して達する反射層7にて反射され、観察者Vに達する。
対して、外光OLについては、反射防止層6、光散乱層5を介して選択反射層4Bに達した際に、選択反射層4Bを透過する。選択反射層4Bを透過した外光OLは、光吸収層3Bに達して吸収される。
このような構成のスクリーン1Bを備えるプロジェクションシステムPSであっても、明室にて高いコントラストの投射画像が得られる。
また、本実施形態においては、光散乱層5を設けて投射光Lを拡散させ、水平視野角を広げる構成としたが、必要に応じて設けることとすれば良く、光散乱層5が無い構成とすることもできる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施の形態例について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1A,1B…スクリーン、1a…被投射面、3,3A,3B…光吸収層、4,4A,4B…選択反射層、L…投射光、OL…外光、PJ…プロジェクター、PS…プロジェクションシステム、S…シフト量、λ…波長幅、H…発光半値幅

Claims (5)

  1. 外光の光源スペクトルにおけるピーク波長よりも低波長側に発光ピークを有する光源を備えたプロジェクターと、
    前記プロジェクターから射出される投射光を用いて投射画像を表示するスクリーンと、を備え、
    前記スクリーンは、前記投射光が投射される被投射面に、特定の波長帯域の光を反射する選択反射層を有し、
    前記特定の波長帯域は、前記光源の発光ピークと重なるとともに、前記外光の光源スペクトルにおけるピーク波長とは重ならない波長帯域に設定されており、
    前記特定の波長帯域の幅は、前記スクリーンへの入射光の入射角度に応じて算出される前記特定の波長帯域の波長シフト量に基づいて設定されており、
    前記特定の波長帯域は、前記投射光の入射角度の最大値に応じて算出される波長シフト量と、前記プロジェクターの光源の発光ピークの発光半値幅と、を合わせた値よりも広い帯域を有し、
    前記波長シフト量に基づいて算出されるマージン幅よりも、前記外光の発光ピークから長波長側に離間した位置に、前記特定の波長帯域における短波長側の端部が位置することを特徴とするプロジェクションシステム。
  2. 前記スクリーンは、基材と、
    前記基材の視認側に設けられた前記選択反射層と、
    前記基材と前記選択反射層との間に設けられた、前記外光を吸収する光吸収層と、を有することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクションシステム。
  3. 前記スクリーンは、前記選択反射層の視認側に設けられた光散乱層を有することを特徴とする請求項1または2に記載のプロジェクションシステム。
  4. 前記スクリーンは、垂直入射時の前記特定の波長帯域に、405nm、436nm、546nmおよび610nmの波長を含まないことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のプロジェクションシステム。
  5. 前記スクリーンは、垂直入射時の前記特定の波長帯域に、477nm以上545nm以下、または587nm以上609nm以下の波長帯域の少なくとも一部を含むことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のプロジェクションシステム。
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