JP5262736B2 - 希土類元素の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は、希土類元素−鉄系合金から希土類元素を回収する方法に関する。本発明の方法は、副生する鉄残渣の量が少なく、かつその処理が容易である。
希土類元素−鉄系合金、具体的にはNd−Fe−B系合金、を用いた磁石(ネオジム磁石とも呼ばれる)は、量産されている永久磁石の中で著しく優れた磁気性能を示すことから、特に電子機器類用に大きく市場が拡大している。
この磁石の製造過程では、希土類元素−鉄系合金の多量の工程屑が発生する。この工程屑から有用成分、特に高価な希土類元素を回収するために、酸化剤の存在下、pHを3〜5に制御しながら酸で希土類元素を選択的に浸出する方法が特開平5−287405号公報(特許文献1)に提案されている。希土類金属を液中に浸出させ、鉄は不溶性の3価鉄化合物として、溶液状態の希土類元素から、鉄残渣として分離される。希土類元素の溶液である浸出液からは、例えば炭酸塩などの不溶性沈殿として希土類元素を回収することができる。
鉄が溶解して生ずる2価鉄イオンは、希土類元素が溶解状態にある中性〜酸性条件下では沈殿させることができないため、鉄を不溶性化合物として沈殿させ、希土類元素と分離するには、酸化して3価鉄化合物に変える必要がある。特許文献1では、鉄は酸化剤と反応してオキシ水酸化鉄(FeOOH)になる。従って、希土類元素を含有する浸出液から分離された鉄残渣はオキシ水酸化鉄を主成分とする。しかし、この鉄残渣は、多量の水分を含んだ微粒もしくはゲル状であって、取り扱いに問題がある。希土類元素を経済的に回収するには、副生する鉄残渣が処理の容易なものであることが重要である。
処理原料となる希土類元素−鉄系合金は50%を超える高い割合で鉄を含有することから、残渣の発生量は多量となる。例えば、特許文献1の実施例1には、処理する合金粉の量が3.0Kg、塩酸による浸出処理後に回収された残渣量は7.8Kgと記載されている。実施例2、3でも同様に処理合金の2倍以上の量の残渣が発生している。
こうして発生した多量の鉄残渣は、製鉄原料などとして使用されることが望ましいが、水分を多量に含み、べたつきのあるオキシ水酸化鉄を主成分とする鉄残渣では、固液分離やハンドリング、乾燥処理、さらに製鉄原料化時の燃料原単位悪化など、問題が多い。
また、特許文献1に記載の方法では、希土類元素の中でもDyのように浸出されにくい元素の回収率が、Ndのように相対的に浸出され易い元素の回収率よりいくらか低くなり、希土類元素全体の回収率もいくらか低下する。DyはNdより高価であるので、Dyも高いできるだけ多く回収することが経済的には有利である。
特開平5−287405号公報
本発明は、希土類元素−鉄系合金から有用な希土類元素を回収すると共に、副生する鉄残渣についても、その発生量を低減し、かつ取り扱いが容易なものとすることによって、希土類元素−鉄系合金から希土類元素を効率よく経済的に回収できる方法を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、希土類元素の酸による浸出時の液pHや液温の制約が少なく、従来法に比べて浸出速度を高めることができ、かつDyのような比較的浸出されにくい希土類元素も高い回収率で回収できる、希土類元素−鉄系合金から希土類元素を回収する方法を提供することである。
本発明によれば、希土類元素−鉄系合金を最初に空気を吹込みながら(即ち、酸化剤の存在下で)アルカリ水溶液中で加熱した後に、得られた固形分に対して酸浸出処理を行うことにより、オキシ酸化鉄ではなく四酸化三鉄を主成分とする、取り扱いの容易な鉄残渣が副生し、かつDyの回収率が向上し、上記課題をすべて解決することができる。
本発明は、下記工程を含むことを特徴とする、希土類元素−鉄系合金から希土類元素を回収する方法である:
(a)アルカリ水溶液中の希土類元素−鉄系合金スラリーを酸化剤の存在下で加熱し、
(b)工程(a)で得られたスラリーを固液分離して固形物を回収し、
(c)工程(b)で回収された固形物の水中でのスラリーを、好ましくは酸化剤の存在下で、酸性化して希土類元素を液中に浸出し、そして
(d)工程(c)で得られたスラリーを固液分離して、希土類元素を含む溶液と四酸化三鉄を主成分とする残渣とに分離する。
アルカリ処理工程(a)では、希土類元素−鉄系合金を、空気吹込みといった酸化剤(例、分子状酸素)の存在下、加熱しながらアルカリ水溶液で処理することにより、希土類元素は水酸化物に、鉄は四酸化三鉄に酸化される。しかし、いずれも固体のままである。
酸浸出工程(c)では、工程(b)で回収された希土類元素水酸化物と四酸化三鉄とからなる固形物を、水にスラリー化し、このスラリーに、好ましくは空気吹込みによって酸化剤を存在させながら、酸を添加して酸性化することにより、希土類元素は可溶性の塩に変化して液中に浸出され、一方、鉄は不溶性の四酸化三鉄のままでる。その後、工程(d)でスラリーを固液分離すると、鉄を実質的に含まない、希土類元素の溶液が得られる。その後、この溶液から、公知の方法で、シュウ酸塩、炭酸塩、水酸化物などとして希土類元素を回収することができる。一方、鉄は、四酸化三鉄を主成分とする、べたつきのない取り扱い性のよい残渣として回収できるので、製鉄原料化などの後処理がきわめて容易になる。
工程(a)で使用するアルカリ水溶液は、2回目以後の操業では、工程(b)で固形物を回収した後に残った溶液をアルカリ水溶液として再利用することができ、そのようにすることが好ましい。
本発明によれば、希土類元素−鉄系合金から酸による浸出によって希土類元素を回収する際に、酸浸出より前に、酸化剤の存在下(例、空気の吹込み)においてアルカリで処理することによって、ホウ素は溶解し、合金中の鉄は安定した四酸化三鉄に酸化される。そのため、酸浸出工程後に、希土類元素を含有する浸出液と分離した後に得られる鉄残渣も、四酸化三鉄を主成分とするものとなる。この鉄残渣は、べたつきがなく、製鉄原料などとしての活用が容易である上、副生量が特許文献1に記載の方法に比べて著しく少なくなる。
さらに、酸浸出工程の時間短縮が可能である上、使用する酸の種類や処理する原料によっては酸浸出時に取り扱いを困難にする多量の泡発生が起こることが抑制され、処理操作が容易となる。また、希土類元素中のDyの回収率が向上し、Ndなどにかなり近い割合で回収できる。そして、アルカリ処理によって希土類元素−鉄系合金中のホウ素の大半を希土類元素や鉄から分離することができ、工程(d)で回収された希土類元素溶液や鉄系残渣中へのホウ素の混入を少なくすることができる。
実施例1、2のアルカリ処理後の回収固形物のXRD測定結果を示す。 実施例1、2と比較例1の浸出残渣のXRD測定結果を示す。
本発明による希土類元素−鉄系合金からの希土類元素回収方法は、下記の工程を含む:
(a)アルカリ水溶液中の希土類元素−鉄系合金スラリーを酸化剤の存在下で加熱するアルカリ処理工程、
(b)工程(a)で得られたスラリーを固液分離して固形物を回収する回収工程、
(c)工程(b)で回収された固形物の水中でのスラリーを、好ましくは酸化剤の存在下で酸性化して希土類元素を液中に浸出する酸浸出工程、そして
(d)工程(c)で得られたスラリーを固液分離して、希土類元素を含む溶液と四酸化三鉄を主成分とする残渣とに分離する分離工程。
アルカリ処理工程(a)及び酸浸出工程(c)が主要工程である。
本発明で処理対象となる磁石屑などの希土類元素−鉄系合金の廃棄物は、燃焼を避けるために一般に水没状態(スラッジとして)で保管される。従って、そのスラッジをそのまま、あるいは濾過などによって水分を不完全に除去した湿ケーキを本発明に従って処理すればよい。
アルカリ処理工程(a)では、希土類元素−鉄系合金をアルカリ水溶液に混合したスラリーを、酸化剤の存在下で加熱することによって、アルカリ及び酸素と反応させる。このアルカリ処理により、希土類元素は水酸化物に、鉄は四酸化三鉄に変化するが、いずれも固体のままである。
希土類元素−鉄系合金に約1質量%程度含まれるホウ素の少なくとも一部は、このアルカリ処理においてアルカリ水溶液中にホウ酸アルカリ金属塩として溶出し、希土類元素及び鉄から分離される。
好ましい酸化剤は空気であり、酸化剤の空気をスラリー中に吹込みながらアルカリ処理を行うことが、経済面および夾雑物の持ち込みがない点で好ましい。しかし、化学薬品の酸化剤を使用することも可能である。
アルカリ処理工程(a)は、例えば、希土類元素−鉄系合金と水とのスラリーに空気を吹き込みながら所定の加熱温度への昇温を開始し、続けてアルカリを添加することにより実施することができる。別の方法として、後述するように、アルカリ水溶液と希土類元素−鉄系合金とを混合し、この混合物を加熱することによって実施することもできる。加熱温度は50℃以上とすることが好ましく、反応促進の観点からは60〜90℃がより望ましい。
アルカリは、価格などから水酸化ナトリウムが望ましいが、水酸化カリウムなどの他のアルカリ金属水酸化物も使用可能である。アルカリの添加量は、原料合金中の元素の合計モル数に対して1〜3倍程度の量とすることが好ましく、特に好ましくは2倍前後の量である。液pHは12以上となる。アルカリの添加は、初回の希土類元素−鉄系合金のアルカリ処理には必要であるが、後述するように、このアルカリ処理において、反応に消費されたアルカリは分子状酸素と反応して再生されるので、二回目以降の希土類元素−鉄系合金のアルカリ処理では、アルカリ処理後の工程(b)で固液分離により得られた溶液を、工程(a)におけるアルカリ水溶液として使用することにより、アルカリ(例、水酸化ナトリウム)の添加は実質的に必要ないか、大幅に削減できる。
希土類元素−鉄系合金と水とのスラリーに水酸化ナトリウムを添加すると、水素が発生し、スラリーは黒く変色する。少なくとも水素の発生が止まるまでは、アルカリ処理を続ける。水素の発生が止まった後も、30分〜3時間程度は処理を続けることが好ましい。酸化剤として空気を吹き込む場合には、水素の発生は肉眼で識別しにくいが、ときどき空気の吹込みを停止するか、適当な化学的手段によって、水素ガスの発生や終了を検出することができる。
アルカリ処理後に、例えば、濾過により固液分離を行って、固体と溶液とに分離する。分離された固形分を乾燥してX線回折装置で調べた結果を図1に示す。固形分の主要成分は、希土類元素水酸化物と四酸化三鉄であった。これらはいずれも難溶性化合物であり、液pHが12以上であれば、鉄と希土類元素は実質的に全量が固形物として回収される。
推測される化学反応は、希土類元素については下記の(1)式である。鉄の場合は、下記の(2)式に従って鉄の価数が2価である次亜鉄酸塩が生成し、それが吹き込まれた空気中の分子状酸素と反応して、(3)式に従って酸化され、四酸化三鉄が生成するのではないかと推測される。このとき、次亜鉄酸ナトリウムから水酸化ナトリウムが生成するため、反応で消費された水酸化ナトリウムは全量が再生される。そのため、固液分離で得られた濾液を、次回のアルカリ処理工程に使用できる。
2Re+6H2O→2Re(OH)3+3H2 ・・・ (1)
Fe+2NaOH+2H2O→Na2[Fe(OH)4]+H2 ・・・ (2)
6Na2[Fe(OH)4]+O2→2Fe34+12NaOH+6H2O ・・・ (3)
上記式中、ReはNd等の希土類元素を表す。
固液分離工程(b)は、通常は濾過により行われるが、遠心分離などの他の方法も採用可能である。分離された固形物は、好ましくは水洗により付着したアルカリ分を除去した後、工程(c)で酸浸出処理を受ける。一方、濾液(これはアルカリ水溶液である)の少なくとも一部は、次回以降の工程(a)においてアルカリ水溶液として再利用することが好ましい。それにより、廃液処理が不要になるか、その負担が著しく軽減される。
工程(b)で回収されたアルカリ水溶液は、ホウ素を含有する。ホウ素を含有する回収アルカリ処理液をアルカリ処理工程(a)に再循環しても、ホウ素の含有はアルカリ処理への悪影響はほとんどない。しかし、再循環を繰り返すうちに液中のホウ素含有量が高くなるので、アルカリ処理工程で使用するアルカリ水溶液中のホウ素含有量がほぼ一定に保持されるように、再循環するアルカリ水溶液の一部を水及び/又は新しいアルカリ水溶液で置換することが好ましい。水で置換した場合には、不足するアルカリを、次回のアルカリ処理工程において補給する。当業者には自明であるように、アルカリ水溶液の再利用を繰り返すことにより、不純物濃度が許容できない水準まで増大した場合には、アルカリ水溶液を全面的に更新してもよい。即ち、初回と同様に、希土類元素を水でスラリー化し、昇温してアルカリを添加していく。
酸浸出工程(c)では、工程(b)で回収された固形物(これは前述したように、主に希土類元素水酸化物と四酸化三鉄とからなる)を水にスラリー化し、このスラリーに酸を添加して酸性化する。それにより、希土類元素(水酸化物)は酸に溶解して可溶性の塩となり、液中に浸出される。一方、鉄分(四酸化三鉄)は、後述するような特定の条件を除けば、酸とは反応せず、固体状態のまま変化しない。こうして、希土類元素と鉄との分離が可能となる。
アルカリ処理工程において希土類元素−鉄系合金中の希土類元素と鉄が完全に酸化されていれば、酸浸出工程では酸化の必要性がない。従って、本発明では、従来法とは異なり、酸化剤を存在させなくても、希土類元素の酸浸出は進行する。しかし、アルカリ処理工程で酸化されなかった希土類元素や鉄が残っている可能性を考慮して、希土類元素の回収率を高め、かつ鉄を不溶性の3価鉄化合物として確実に沈殿させるため、酸浸出工程の少なくとも最後の部分は、酸化剤、例えば、空気により供給される分子状酸素、の存在下で行うことが好ましい。酸浸出工程の全体を、空気を吹込みながら実施してもよい。
酸浸出工程(c)において、まず、工程(b)の固液分離で得られた固形物を水と混合してスラリーにする。このスラリーに酸を添加して、スラリーを酸性化する。酸浸出に使用する酸の種類は、希土類水酸化物を溶解でき、四酸化三鉄を溶解しないものなら特に制限されないが、安価で希土類元素濃度を上げることができる塩酸を使用することが望ましい。水酸化鉄とは異なり、四酸化三鉄は酸中で安定であり、pHが2より低くなるような過剰の塩酸と濃硝酸以外には溶解しないため、比較的短時間で酸を添加できる。液中のpHが3を下回っても問題ないが、塩酸の場合、pHは2以上とすることが好ましい。
塩酸による希土類元素の浸出は、次の(4)式に従う。希土類元素はアルカリ処理によって水酸化物に酸化されているため、容易に塩化物に変化する。
Re(OH)3+3HCl→ReCl3+3H2O ・・・ (4)
(ReはNd等の希土類元素を表す)
酸浸出工程において、スラリーのpHが3より低い値になるまで酸を加えて酸性化した場合には、酸添加が完了した後、希土類溶液中への鉄の混入を排除するため、pHを3以上に調整して、酸浸出を続けることが望ましい。この時のpHは、より好ましくは3〜5の範囲内、特に好ましくは3〜4の範囲内である。このpH調整は、希土類元素や鉄残渣への金属汚染を防止するため、アンモニアで行うことが好ましい。アンモニアガスも使用可能であるが、アンモニア水の使用が簡便である。水酸化ナトリウムのようなアルカリ金属水酸化物を用いてpHを上げることも可能である。但し、例えば、酸性化用の酸として硫酸を使用した場合にはアルカリ金属水酸化物は複塩化による沈殿生成の可能性がある。そのような沈殿生成の可能性がある酸と塩基の組み合わせの使用は好ましくない。
酸浸出を促進するため、スラリーを加熱して、処理時間を短縮することができる。処理時間を短縮するための加熱温度は、90℃以下であれば特に制限されない。例えば、50〜90℃の範囲とすることができるが、40℃程度の加熱でも処理促進効果はいくらか得られる。
本発明の方法では、アルカリ処理工程(a)において希土類元素や鉄が既に酸化されているため、酸の添加による水素の発生はあってもごくわずかである。従って、酸の添加速度は特に制限されない。しかし、局部的な酸濃度増大による四酸化三鉄の溶解を避けるため酸は徐々に加えることが好ましい。酸の添加終了後も、浸出が実質的に完了するまで(液中に希土類元素の増大が見られなくなるまで)、酸浸出工程を続ける。
酸浸出は、鉄を確実に沈殿させるため、少なくとも酸浸出の最後は、スラリーに空気を吹込みながら実施することが好ましい。例えば、pHが3未満になるように酸性化してから、pHを3以上に上げて酸浸出を続ける場合、空気の吹込みは、酸の添加の最初から実施してもよく、或いはpHを3以上に上げた後だけに実施してもよい。又、pHを上げた後の、例えば、最後の1時間といった、鉄の沈殿に必要な最後の一定時間だけに空気を吹き込んでもよい。
本発明者らの実験では、従来法のようにアルカリ処理せずに希土類元素−鉄系合金をいきなり酸性化して酸浸出処理をすると、空気の吹込みと水素発生のため、起泡が制御不能なほどに激しく起こり、それが消えにくい。そのため、酸を非常にゆっくりしか添加できず、処理時間が非常に長くかかる。一方、本発明の方法では、酸浸出工程では水素はほとんど発生せず、酸浸出処理の操業が容易である。アルカリ処理工程では水素が発生するが、従来法の酸浸出時に発生する泡に比べて、起泡が穏やかで、次第に消えていく。その理由は不明である。
また、本発明の方法では、一旦pHが3を下回るように酸性化でき、従来法より強い条件で酸浸出を行うことができるため、希土類元素の中で浸出しにくいDyも、NdやPrと同程度の高い割合で回収することができる。
工程(c)で得られたスラリーは、工程(d)において、濾過などの適当な固液分離によって、希土類元素の塩が溶解している溶液と、四酸化三鉄を主成分とする鉄残渣からなる固形物とに分離される。
回収された希土類元素の塩(例、塩酸塩)の溶液からは、公知の方法で、例えばシュウ酸塩、炭酸塩、水酸化物などの不溶性塩に変化させることにより、希土類元素を回収することができる。回収された希土類元素の化合物は、公知の精錬法により金属に還元して、希土類金属として再利用することができる。
一方、溶液から分離された鉄残渣は、四酸化三鉄を主成分とし、べたつきのない取り扱い性のよい固形物であり、製鉄原料などとして容易に有効利用できる。
本発明の方法では、鉄と希土類元素との分離効率が向上するため、希土類元素の溶液中の鉄やホウ素濃度が低く、一方、鉄残渣もホウ素や希土類元素の含有量が低くなる。また、上述したように、酸への浸出率が低くなりがちなDyもNdに近い割合で回収することができる。
以下の実施例において、%は特に指定しない限り、質量%である。
(実施例1)
Nd−Fe−B系合金スラッジ150gに600mLの水を加えてスラリー化した。スラッジの水分は30%であり、従って原料の合金量は105gであった。スラッジ中の合金の粒径は、平均径が15μm、最大径が0.7mm、合金の成分は質量%で、希土類(Nd,Pr,Dy)が30%、鉄が54%であった。
このスラリーに、4L/minで空気を吹き込みながら、70℃までの昇温を開始し、同時に水酸化ナトリウムを48g添加した。水酸化ナトリウムの添加と昇温を開始してしばらくすると、水素の発生が見られ、合金は黒く変色した。昇温完了後、空気の吹き込みを継続しながら、追加の水酸化ナトリウム45gをさらに加えた。水酸化ナトリウムの合計添加量93gは、原料合金中の金属元素のモル量の1.95倍に相当する。空気の吹込みと70℃での加熱を6時間続けた後、スラリーを濾過し、濾過ケーキを4Lの水で水洗して、黒い固形物を回収した。濾液は、次回のアルカリ処理用に保存した。
固形物の1/4をXRD調査用として採取した。その測定結果を図1に示す。固形物は希土類元素の水酸化物と四酸化三鉄であった。
残り3/4の固形物は、500mLの水を加えてスラリーにした。このスラリーに4L/minで空気を吹き込みながら、70℃までの昇温を開始した。昇温完了後、スラリーをこの温度に保持しながら、濃塩酸を水で二倍に希釈した塩酸の添加を開始した。131分で塩酸の添加は完了し、スラリーのpHは2.5となった。塩酸の使用量は51.2gであった。
塩酸の添加終了後、続けて25%アンモニア水4.3g添加し、空気の吹込みと70℃の加熱をさらに152分続け、酸浸出処理を終了した。この処理終了時のスラリーpHは3.7であった。
酸浸出処理の済んだスラリーをブフナーロートと濾紙を用いて濾過し、希土類元素が溶解している溶液と鉄残渣をそれぞれ回収した。濾過は非常に容易で、濾過ケーキはべたつきがなく水切れもよかった。
回収した溶液中の元素歩留りを求めると、Feは0%、Prは98.2%、Ndは99.9%、Dyは97.6%、Bは6.6%であった。回収された固形物は、水切れ後の湿ケーキ(水分量は45.6%)の状態で111.0gであり、乾燥後にX線回折装置(XRD)で調べたところ、その主成分は四酸化三鉄であった(図2)。この鉄残渣の乾燥後の元素分析結果を表1に示す。
(実施例2)
本例は、前回のアルカリ処理工程での濾液を再利用する場合を例示する。
実施例1と同じNd−Fe−B系合金スラッジ150gに、実施例1のアルカリ処理後の濾過で回収された濾液を加えて、スラリー化した。このスラリーに4L/minで空気を吹き込みながら、70℃までの昇温を開始した。昇温開始からしばらくして、水素発生が認められた。昇温完了後も空気の吹き込みを継続し、6時間加熱を続けて、アルカリ処理を終了した。
その後、スラリーを濾過し、濾過ケーキを4Lの水で水洗し、黒い固形物を回収した。固形物の1/4をXRD調査用として採取し、測定結果を図1に示した。固形物は希土類元素の水酸化物と四酸化三鉄であった。
残りの3/4の固形物に500mLの水を加えてスラリーにした。このスラリーに4L/minで空気を吹き込みながら、70℃までの昇温を開始した。昇温完了後、濃塩酸を水で二倍に希釈した塩酸の添加を開始した。128分で添加は完了し、スラリーのpHは2.50となった。塩酸使用量は52.3gであった。続けて25%アンモニア水を5.3g添加し、70℃の加熱と空気の吹込みをさらに185分続けて、酸浸出処理を終了した。この終了時のスラリーのpHは3.6であった。
スラリーを濾過し、希土類元素が溶解している液と鉄残渣を回収した。回収した溶液中の元素歩留りを求めると、Feは0%、Prは97.2%、Ndは99.7%、Dyは95.4%、Bは12.3%であった。回収した鉄残渣の量は121.5gで、その水分量は49.4%であった。乾燥後の鉄残差をX線回折装置で調べたところ、その主成分は四酸化三鉄であった(図2)。
(比較例1)
本例は、従来法に準じて、アルカリ処理を行わずに、希土類元素−鉄系合金を直接酸で浸出する場合を例示する。
実施例1と同じNd−Fe−B系合金スラッジ112.5gに、1000mLの水を加えてスラリー化した。スラッジ量は、実施例1、2の酸浸出工程で使用した量に合わせるため、実施例1および2の使用量の3/4にした。このスラリーに4L/minで空気を吹き込みながら、40℃までの昇温を開始した。昇温完了後、実施例1、2で使用したのと同じ塩酸の添加を開始した。約8時間後に、70℃まで昇温させ、921分で添加を終えた。スラリーのpHは1.99、塩酸使用量は58.6gであった。この時の起泡が激しく、泡が容器からあふれそうになるため、塩酸の添加速度を遅くせざるをえなかった。
続けて、25%アンモニア水を4.1g添加し、70℃の加熱と空気吹込みを212分続けた後、酸浸出処理を終了した。終了時のスラリーのpHは3.6であった。スラリーを濾過し、希土類元素が溶解している液と鉄残渣を回収した。鉄残渣は濾過性が悪く、実施例1、2より大きな濾紙を使用して濾過面積を増大させても、濾過に実施例1、2の数倍の時間がかかり、ケーキ回収もべとつきのために手間取った。
回収した溶液中の元素歩留りを求めると、Feは0%、Prは97.0%、Ndは98.8%、Dyは89.1%、Bは93.4%であった。回収した鉄残渣量は226.1g(水分量67.8%)で、X線回折装置で調べたところ、主成分はγ−FeOOHであった(図2)。この鉄残渣の乾燥後の元素分析結果を表1に示す。
Figure 0005262736
表1からわかるように、実施例1で得られた鉄残渣は、鉄含有量が高く、Bをほとんど含んでおらず、希土類元素の含有量もいくらか低くなった。これに対し、従来法に従って比較例1の方法で回収された鉄残渣は、鉄含有量が低く、B含有量と希土類元素の含有量が高く、鉄分と希土類元素との分離効率が実施例に比べて劣っていることがわかる。
実施例1、2と比較例1で酸浸出後に回収された希土類元素溶液からの鉄および各希土類元素の回収歩留りをまとめて表2に示す。
Figure 0005262736
表2からわかるように、鉄は回収溶液には残っておらず、実質的に全量が固体の残渣として回収された。希土類元素の回収率に関して、従来法に従った比較例1では、酸による浸出を相対的に受けにくいDyの回収歩留りが低くなる。これに対し、実施例1、2では、Dyも、NdやPrに匹敵する高い歩留りで回収できたことがわかる。Bは、実施例1、2ではほとんどがアルカリ処理中に溶液中に溶解したため、回収された希土類元素溶液はBを少量しか含有しなかった。一方、比較例1では、Bはほとんどが酸浸出後に回収された希土類元素溶液中に含まれた。
以上のように、本発明の方法によれば、鉄と希土類元素との分離効率が向上して、希土類元素を従来に比べて高い歩留りで回収できることがわかる。
それに加えて、鉄残渣の濾過性がよく、取り扱いの容易な鉄残渣が従来法に比べて少ない量で得られる。一方、従来法に従って比較例1では、鉄残渣の水分量が多く、その主成分が、鉄1原子当たりの分子量が大きいオキシ水酸化鉄であることから、その発生量も多くなる。また、濾過性が悪いため、大量になるほど、鉄残渣の回収に手間がかかる。
処理時間を比較すると、実施例1、2では、アルカリ処理の6時間を含めても700分以下であり、酸浸出は300分前後で終了した。これに対し、比較例1では、酸抽出だけに1100分以上を要した。従って、アルカリ処理工程が加わっても、本発明の方法によれば処理時間が短縮できる。

Claims (4)

  1. 下記工程を含むことを特徴とする、希土類元素−鉄系合金から希土類元素を回収する方法:
    (a)アルカリ水溶液中の希土類元素−鉄系合金スラリーを酸化剤の存在下で加熱し、
    (b)工程(a)で得られたスラリーを固液分離して固形物を回収し、
    (c)工程(b)で回収された固形物の水中でのスラリーを酸性化して希土類元素を液中に浸出し、そして
    (d)工程(c)で得られたスラリーを固液分離して、希土類元素を含む溶液と四酸化三鉄を主成分とする残渣とに分離する。
  2. 工程(b)で固形物を回収した後に残った溶液の少なくとも一部を、工程(a)においてアルカリ水溶液として再利用する、請求項1に記載の方法。
  3. 工程(c)において、少なくとも浸出の最後ではスラリーに酸化剤を存在させる請求項1または2に記載の方法。
  4. 工程(a)および工程(c)で使用する酸化剤が空気である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
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