JP5261564B2 - 太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールの製造方法に関する。特に、受光面側透明板と裏面板との間に太陽電池セルが樹脂で封止されてなる太陽電池モジュールの製造方法に関する。
近年、環境保護の意識が高まり、太陽光発電はその重要性を一段と増している。太陽電池セルは、保護材で挟まれ、透明樹脂で封止されて太陽電池モジュールとして屋外で使用される。封止のための透明樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと略することがある。)樹脂などが使用されており、それを保護材と太陽電池セルの間に挟んで、加熱溶融してから固化させることで封止している。太陽電池セルを効率的に配置して配線するためには、複数の太陽電池セルを一つの太陽電池モジュール内に封止することが好ましい。
複数の太陽電池セルを太陽電池モジュール内に封止する方法としては、主として、二重真空室方式のラミネーターを使用する方法と、一重真空室方式のラミネーターを使用する方法とが知られている。二重真空室方式のラミネーターは、気体非透過性の柔軟なシートで隔てられた二室の真空度をそれぞれ独立に調整できるために、封止時に気泡の残留やセル割れを抑制できるが、ラミネーターの構造が複雑である。一方、一重真空方式のラミネーターは気泡の残留やセル割れが発生しやすいが、ラミネーターの構造が簡単である。これらのラミネーターは、太陽電池モジュールの仕様によって使い分けられている。多くの場合、上記いずれのラミネーターにおいても、ヒーターを内蔵したプレートの上に積層体を載せて、当該積層体の存在する空間を真空にしながら、加熱を施して封止している。
特開昭61−69179号公報(特許文献1)には、太陽電池セルを充填材を介してカバーガラスと裏面材料との間に積層した太陽電池パネル積層体を、二重真空方式により脱気し、加熱後加圧による貼り合せ工程を有する太陽電池パネルの製造方法において、充填材としてEVAを使用し、二重真空室を特定の温度範囲に特定の時間保持する太陽電池パネルの製造方法が記載されている。特定の温度条件で貼り合せることで、EVAを発泡、黄変させることなく、全て架橋させることができるとしている。実施例に記載された条件では、0.3Torr(約0.0004MPa)まで減圧してから加熱を開始し、ヒーター側の基板表面の温度が140℃に達したところで真空圧着し、148℃で架橋反応させた後、50℃以下に冷却してから真空圧着を解除している。当該公報の実施例で使用された二重真空方式のラミネーターは、積層体を熱板の上に載置し、加熱するものである。
特開昭59−22978号公報(特許文献2)には、エチレン系共重合体及び有機過酸化物を含有し、その両面にエンボス模様が施されている太陽電池モジュール用充填接着材シートが記載されている。当該接着材シートは、エンボス模様を有することで、シートのブロッキングを防止でき、モジュール化過程での脱気性に優れ、気泡を生じにくいとされている。該公報の実施例には、真空ラミネーター中で減圧したまま150℃まで昇温し、150℃で1時間減圧を続けてから冷却し、減圧を停止する貼り合せ方法が記載されている。当該公報の実施例で使用されているラミネーターは、シリコーンゴムで2室に分離された真空ラミネーターである。
特開平9−36405号公報(特許文献3)には、表面部材と裏面部材との間に光起電力素子が封止材樹脂を介して積層体とされ、該積層体が、5Torr以下の真空度で5〜40分間保持された後、5Torr以下の真空度において加熱圧着され、該加熱圧着後に冷却されて貼り合された太陽電池モジュールが記載されている。このような条件で加熱圧着することによって表面部材の剥離の生じにくい、気泡残りの生じにくいモジュールが提供されるとされている。当該公報記載の方法によれば、簡単な構造の一重真空室方式のラミネーターを使用しても、残留気泡の発生を抑制できるとされている。当該公報の実施例で使用されている一重真空方式のラミネーターは、ヒーターが埋め込まれたプレートの上に、モジュールとなる積層体を載置し、その上にシリコーンゴムシートを重ね、プレートの排気口から真空ポンプで排気できるものである。また、太陽電池セルと封止材樹脂との間に不織布を挿入し、不織布中の空隙を伝って積層体の空気を逃がすことによって気泡残りの問題を改善できることも記載されている。
ところで、太陽電池の設置場所も最近では多様になっており、建築物の屋根の上のみではなく、壁の部分にも使用されるようになってきている。壁に使用する場合には、外壁に取り付けるのみではなく、壁そのものを太陽電池モジュールで構成することも行われている。この場合には、建築物の外観に大きな影響を与えるので、欠陥のない、規則正しく配置された太陽電池モジュールとすることが重要である。また同時に、建築物の構造体としての十分な強度を有する大面積の太陽電池モジュールが要求されている。しかも、建築物ごとのデザインに対応した多様な形状やサイズの太陽電池モジュールが求められている。また、近年では、建築物に要求されるデザインの多様性に対応し、曲げガラスを建築物の外壁に使用する場合も増加している。したがって、湾曲した基板の間に太陽電池セルを封入することが望まれている。しかしながら、太陽電池セルは破損しやすいので、湾曲した基板の間に封入するのは困難であった。さらに、近年では、DPG(Dot Point Glazing)工法によって建築物のガラス壁面を構築する方法も広く採用されているが、この場合には、ガラスに開けられた孔に金具を挿入することが必要になる。このように多様な太陽電池モジュールを製造する場合には、前述のような構造のラミネーターでは封止することが困難である。
また、多数のセルを連結して2枚の板の間に挟んで加熱圧着して封止する際には、太陽電池セルの損傷を避けることは困難であった。特に、セル枚数が多くてモジュール全体の面積が大きい場合には、大きな荷重が不均一にかかりやすく、過剰な荷重を受ける一部のセルの破損が避けられなかった。モジュール内では多数のセルは相互に直列に連結されているので、一つのセルが破損すると連結されている一連のセルが機能を果たさなくなる。セルの破損が生じた場合には、単に外観を損なうのみならず、発電性能も大きく低下してしまうので、不良品として廃棄せざるを得ない。したがって、できるだけセルの破損が生じにくい封止方法も望まれている。
実用新案登録第2500974号公報(特許文献4)には、2枚の接着シート間に太陽電池を挟持するように、接着シートを介して2枚の板状体を接合してなる積層体において、太陽電池の外側で接着シート間に形成される隙間に、太陽電池と略等しい厚さのシート片を挟み込んだ積層体が記載されている。このような構成にすることによって、積層体の周縁部の厚みを均一にでき、また前記隙間に外部から水分などが浸入しにくいので剥離を防止することができるとしている。接着シートとしてEVAを使用し、板状体として両面とも板ガラスを使用することが記載されている。
特開2003−110127号公報(特許文献5)には、表面カバーと裏面カバーとの間に複数の太陽電池セルを配置してEVAなどの透明充填材で封止した太陽電池モジュールにおいて、太陽電池セル間に透光性のスペーサー(セッティングブロック)を配置した太陽電池モジュールが記載されている。このスペーサーとしては、透明充填材と同一の材質で、太陽電池セルと同一厚みであるものを使用することが最適であることが記載されている。このスペーサーは、カバーの自重だけでは変形することなく、空気の流路を確保できるとされている。これによって、内部に空気の残留のない太陽電池モジュールが製造できることが記載されている。
特開2001−7376号公報(特許文献6)には、湾曲したガラス板の間に太陽電池セルを樹脂で封入した太陽電池モジュールが記載されている。ここで、封止樹脂としては透明アクリル樹脂嫌気性接着剤が使用されており、2枚の基板の間の周縁部にスペーサーを配置してから液状の前記接着剤を注入してから硬化させている。このように、太陽電池セルに荷重がかからないようにして硬化させることによって、湾曲したガラス板の間に封入することが可能であった。しかしながら、液状の接着剤を封入する操作は必ずしも容易ではなく、複数の太陽電池セルの配列を整えることも困難である。しかも、硬化して得られる樹脂の接着性や耐久性などについても必ずしも満足した性能が得られる訳ではない。
特開平9−92867号公報(特許文献7)には、太陽電池セルの両面にあらかじめEVA樹脂からなる充填シートを配して真空加熱して各層を接合して予備成形シートを形成してから、当該予備成形シートを曲面ガラス上に設置して真空加熱して接合する、太陽電池モジュールの製造方法が記載されている。当該公報の実施例においては、真空加熱するに際して、当該予備成形シートと曲面ガラスとをゴム袋内に挿入し、それを加熱室内にセットし、真空ポンプでゴム袋内を真空引きしながら加熱する方法が記載されている。このような方法を採用することによって、曲面ガラスへの接合も可能であるとされている。しかしながら、二度にわたる接合操作は煩雑であるし、両面を曲面ガラスで覆う構成に対して適用できるものではなかった。
したがって、湾曲した基板の間に太陽電池セルを封入する場合や、金具を有する太陽電池モジュールであっても封止することができ、多様な形状や寸法の太陽電池モジュールを作製することのできる封止方法が望まれている。同時に、セルの破損が生じにくく、簡便な操作でしかも低コストで封止することができ、太陽電池セルを規則正しく配置することができ、接着性や耐久性にも優れた太陽電池モジュールを得ることのできる封止方法も望まれている。
特開昭61−69179号公報 特開昭59−22978号公報 特開平9−36405号公報 実用新案登録第2500974号公報 特開2003−110127号公報 特開2001−7376号公報 特開平9−92867号公報
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、太陽電池セルが樹脂で封止されてなる太陽電池モジュールの製造方法において、多様な形状や寸法の太陽電池モジュールを、簡便な操作でしかも低コストで封止することのできる太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とするものである
上記課題は、受光面側透明板と裏面板との間に太陽電池セルが樹脂で封止されてなる太陽電池モジュールの製造方法において;
受光面側透明板と太陽電池セルの間に受光面側透明板の実質的に全面を覆う第1封止樹脂シートを配置し、裏面板と太陽電池セルの間に裏面板の実質的に全面を覆う第2封止樹脂シートを配置し、太陽電池セルの外側の余白部に第1封止樹脂シートと第2封止樹脂シートとの間に挟持されるように封止樹脂シート片を配置し、その際、封止樹脂シート片の合計の厚みが太陽電池セルの厚みと導線の厚みとの合計値よりも0.2mm以上厚くなるようにするとともに、封止樹脂シート片が相互に水平方向に間隔をあけて配置されるようにして積層体を作製し、
前記積層体を気体不透過性の柔軟なシートからなる封止処理容器に入れ、前記積層体の入った複数の封止処理容器をオーブン内に導入して相互に間隔をあけて平行に配置し、
前記封止処理容器内を減圧して表裏両面からの荷重が太陽電池セルに直接かかることがなく封止樹脂シート片がその荷重を受けるようにして受光面側透明板と裏面板との間の空気を封止樹脂シート片相互の間から排出し、前記オーブン内において前記積層体と平行の向きに熱風を流すことによって前記積層体を加熱して封止樹脂を溶融させ、引き続き冷却することによって封止樹脂を固化させることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法を提供することによって解決される。
気体不透過性の柔軟なシートからなる複数の封止処理容器を使用することによって、さまざまな形状の積層体をその中に収容することができる。また、オーブン内で複数の封止処理容器を同時に加熱することによって、簡便な操作でしかも低コストで封止操作を行うことが可能である。このとき、オーブン内において、封止処理容器を相互に間隔をあけて平行に配置し、前記積層体と平行の向きに熱風を流すことによって、効率良くしかも均一に熱を伝達することが可能である。
このとき、前記封止処理容器が気体不透過性の柔軟なシートからなる袋であることが好適である。前記積層体の外縁を通気性を有する布帛で覆ってから封止処理容器に入れることも好適である。前記オーブン内を実質的に大気圧に維持しながら積層体を加熱することが好適な実施態様である。複数の太陽電池セルを間隔をあけて配列して相互に導線で接続することが好適であり、このとき、複数の太陽電池セルが直列方向に相互に導線で接続された複数のセットを間隔をあけて平行に配列して前記積層体を作製し、かつ前記オーブン内の気流が前記直列方向と平行の向きになるようにして加熱することも好適な実施態様である。前記オーブンが熱風導入口と、その反対側に設けられた熱風導出口とを有することも好適である。前記封止処理容器が配管を介して真空ポンプに接続され、複数の前記配管のそれぞれに圧力計と弁とのセットが備えられ、圧力計によって漏れが検出された封止処理容器に接続された弁が閉じられることも好適である。前記封止処理容器のそれぞれが配管を介して真空ポンプに接続され、封止処理容器と真空ポンプとの間にタンクを備えることも好適である。このとき、前記タンク内の圧力を測定する圧力計と、タンクに外気を導入する弁とを有し、タンク内の圧力を微調整することが好適である。また、前記オーブンに隣接する温度調節室を少なくとも1つ設け、該温度調節室において予熱操作又は冷却操作を行うことも好適である。
上記方法において受光面側透明板と裏面板のいずれもがガラス板であることが好適な実施態様である。受光面側透明板と裏面板の少なくともいずれかが湾曲していることも好適な実施態様である。また、前記積層体が、受光面側透明板又は裏面板から外側へ突出した部材を有することも好適な実施態様である。このとき、前記外側へ突出した部材がモジュール固定用の金具であることが好適である。前記封止樹脂が、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリウレタンからなる群から選択される一種の樹脂からなることも好適である。
好適な実施態様では、封止処理容器内で封止するに際して、封止処理容器内の圧力を0.05MPa以上に保って封止樹脂を加熱する工程(工程1)、封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器内を0.01MPa以下の圧力まで減圧する工程(工程2)、減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程(工程3)、前記封止処理容器内の圧力を上昇させる工程(工程4)及び冷却する工程(工程6)の各工程からなる封止操作を行う。また、別の好適な実施態様では、前記封止樹脂シートが架橋可能な熱可塑性樹脂からなり、封止処理容器内で封止するに際して、封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器内を0.01MPa以下の圧力まで減圧する工程(工程2)、減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程(工程3)、前記封止処理容器内の圧力を上昇させる工程(工程4)、架橋反応が進行する温度範囲まで昇温して架橋反応を進行させる工程(工程5)及び冷却する工程(工程6)の各工程からなる封止操作を行う。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法によれば、太陽電池セルが樹脂で封止されてなる太陽電池モジュールの製造方法において、多様な形状や寸法の太陽電池モジュールを、簡便な操作でしかも低コストで封止することができる。
封止操作後の太陽電池モジュールの一例の断面模式図である。 封止操作前の積層体の一例の断面模式図である。 封止操作前の積層体の他の一例の断面模式図である。 封止操作前の積層体の他の一例の断面模式図である。 図2の例における封止操作開始前の積層体の拡大断面模式図である。 図2の例における加熱昇温途中の積層体の拡大断面模式図である。 図2の例における封止操作後の積層体の拡大断面模式図である。 封止処理装置の一例の模式図である。 オーブン内の気流が太陽電池セルの直列方向と平行の向きになるように加熱する場合を示した模式図である。 オーブン内の気流が太陽電池セルの直列方向と垂直の向きになるように加熱する場合を示した模式図である。 実施例1及び2における積層工程の手順を示した図(その1)である。 実施例1及び2における積層工程の手順を示した図(その2)である。 実施例1及び2における積層工程の手順を示した図(その3)である。 実施例1及び2における封止処理時の温度と圧力を示した図である。
以下、図面を用いて本発明を詳細に説明する。図1は封止操作後の太陽電池モジュールの一例の断面模式図である。図2〜4は封止操作前の積層体の一例の断面模式図である。図5は図2の例における封止操作開始前の積層体の拡大断面模式図である。図6は図2の例における加熱昇温途中の積層体の拡大断面模式図である。図7は図2の例における封止操作後の積層体の拡大断面模式図である。図8は封止処理装置の一例の模式図である。図9は、オーブン内の気流が太陽電池セルの直列方向と平行の向きになるように加熱する場合を示した模式図である。図10は、オーブン内の気流が太陽電池セルの直列方向と垂直の向きになるように加熱する場合を示した模式図である。
本発明の製造方法によって得られる太陽電池モジュール1は、受光面側透明板2と裏面板3との間に太陽電池セル4が樹脂5で封止されてなるものである。太陽電池モジュール1中に封止される太陽電池セル4の数は、一つであっても良いが、通常、複数の太陽電池セル4が封止されたものである。通常、隣接する太陽電池セル4の受光面6と裏面7とが、導線8を介して接続される。その場合の断面模式図を図1に示す。
本発明で使用される太陽電池セル4は、単結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太陽電池、アモルファスシリコン太陽電池、化合物半導体太陽電池など、各種の太陽電池のセルが使用可能である。これらの太陽電池セルは一般的には1mm以下、より一般的には0.5mm以下の厚さの薄板であり、1辺が5cm以上の四角形であることが多い。その基板の材質は、シリコンやゲルマニウム等の半導体基板、ガラス基板、金属基板などを使用できるが、シリコン基板が、実用的には最も重要である。シリコン基板の場合、コスト面の要請から薄板化が望まれている一方で、硬くて脆い材質であることから、封止時に特に割れ易く、注意して封止することが必要である。
1つの太陽電池モジュール1に封入される太陽電池セル4の個数は、特に限定されず、1枚だけであっても良い。その場合には太陽電池セル4から外部への配線が接続されるだけになる。1つの太陽電池モジュール1に封入される太陽電池セル4の個数が多いほど、太陽電池モジュール1全体の寸法が大きくなる。大型の太陽電池モジュール1は、さまざまな形状あるいは寸法のものが注文生産されることが多いので、本発明の製造方法を採用する実益が大きい。したがって、10個以上、好適には30個以上の太陽電池セル4が一つの太陽電池モジュール1内に配置されることが好ましい。また、多数の太陽電池セル4が封入される場合には、気泡が発生しやすくなるし、封止操作中に太陽電池セル4が移動した場合に、外観上問題になりやすい。また、1つの太陽電池モジュール1に封入される太陽電池セル4の個数が多いほど、太陽電池セル4の破損に由来する不良品率が上昇するので、注意して封止することが必要である。
隣接する太陽電池セル4間の間隙部9の幅は特に限定されないが、通常0.5mm以上であり、これ以下の場合には隣接する太陽電池セル4同士が接触して封止する際にセルが破損するおそれがある。採光性を優先するのであれば間隙部9を広くすることが好ましく、光の利用効率を優先するのであれば間隙部9を狭くすることが好ましい。用途やデザイン面の要請などによって適当に調整される。
複数の太陽電池セル4は、所定の幅を介して配列して相互に導線8で接続される。このとき、隣接する太陽電池セル4同士は、受光面6及び裏面7との間で導線8によって接続され、直列方式で多数の太陽電池セル4が接続される。受光面6あるいは裏面7と導線8との接続は、ハンダ等の導電性接着剤を用いて行われる。また、発生した電流を効率良く集めるために、受光面6上に導電ペーストなどで集電パターンを形成し、それを導線8と導通させるようにすることも好ましい。さらにまた、隣接しないセル同士や離れた位置にある導線8同士を接続する場合や、裏面板3に孔を開けて導線8を外部に引き出す場合もある。
導線8は、インターコネクタとも呼ばれるものであるが、その材質は特に限定されず、銅線などが使用される。受光面側透明板2と裏面板3との間に挟み込んで配置するため、薄いリボン状の導線8を使用することが好ましく、その厚みは通常0.5mm以下であり、好適には0.3mm以下である。また普通0.05mm以上である。導線8に予めハンダ等の導電性接着剤が塗布されていることが、接続作業が容易になって好ましい。導線8が接続された状態では、太陽電池セル4の表面から導線8の一番高い部分までの高さは、場所によってバラツキがあるが、接続操作によっては、導線8の厚みよりも0.5mm程度厚くなるところもある。
受光面側透明板2の材質は、太陽光に対して透明であれば良く、ガラス以外にもポリカーボネート樹脂やアクリル樹脂などを使用することもできる。しかしながら、耐久性、硬度、難燃性などを考慮するとガラスを使用することが好ましい。広い面積の構造材を構成することも多いことから、表面圧縮応力が20MPa以上のガラス板であることが、強度の面から好ましい。また、面積が広い場合には日照などによる温度上昇に伴う熱割れも生じやすいので、この点からも表面圧縮応力が20MPa以上のガラス板を使用することが好適である。しかしながら、大きい表面圧縮応力を有するガラス板は、通常、フロート板ガラスを加熱、急冷して製造されることから、一定の歪の発生が避けられない。そのために生じるガラスの反りによって、封止時に一部の太陽電池セル4に過剰な荷重がかかりやすく、セル割れに注意する必要性が大きい。
ここで、板ガラスの表面圧縮応力は、JIS R3222に準じて測定される値である。表面圧縮応力が20MPa以上のガラス板としては、具体的には、倍強度ガラス、強化ガラス、超強化ガラスなどが挙げられる。倍強度ガラスは表面圧縮応力が通常20〜60MPaのものであり、強化ガラスは表面圧縮応力が通常90〜130MPaのものであり、超強化ガラスは表面圧縮応力が通常180〜250MPaのものである。表面圧縮応力を大きくするほど、強度は向上するが、反りが大きくなりやすく製造コストも大きくなりやすい。また倍強度ガラスは、比較的反りの少ないものを製造しやすく、破損したときに細片になって落下することがない点で好ましい。ガラス板は、用途や目的に応じて選択される。
裏面板3としては、受光面側透明板2と同様のものが好適に使用される。それに加えて、モジュールの軽量性を重視する場合には、プラスチックフィルムなどの薄くて柔軟なものを使用することもできる。裏面板3は必ずしも透明でなくても良いが、採光を考慮するのであれば裏面板3も太陽光に対して透明である方が良い。また、受光面側透明板2と同じ理由でガラス、特に表面圧縮応力が20MPa以上のガラス板を使用することが好ましい。
ガラスの材質は特に限定されず、ソーダライムガラスが好適に使用されるが、なかでも、受光面側透明板2には、高透過ガラス(いわゆる白板ガラス)が好適に使用される。高透過ガラスは、鉄分の含有量の少ないソーダライムガラスであり、光線透過率の高いものである。また、裏面板3のガラスには、前記高透過ガラスや、鉄分の含有量の比較的多いソーダライムガラス(いわゆる青板ガラス)を使用するほかに、熱線反射ガラス、熱線吸収ガラスなどを使用することも用途によっては好ましい。また、表面にエンボス模様を形成した型板ガラスなどを使用することもできる。ガラス板の厚みは、特に限定されないが、構造材として使用するのであれば、3mm以上であることが好ましく、5mm以上であることがより好ましい。このように厚いガラス板を使用する際には自重の影響が大きく、貼り合わせ前にセルの上にガラス板を重ねる際にセルが破損するおそれがあるので注意が必要である。ガラス板の厚みは通常20mm以下である。また、ガラスの面積は用途によって調整されるが、1m以上である場合に本発明の製造方法を採用する実益が大きい。
本発明で使用される受光面側透明板2及び裏面板3は、平坦なものであっても良いし、湾曲を有するものであっても構わない。受光面側透明板と裏面板の少なくともいずれかが湾曲している場合には、従来広く用いられているラミネーターを使用して封止することが困難なので本発明の製造方法を採用する利益が大きい。太陽電池セル4以外の部分は大きく湾曲していても構わないが、通常、太陽電池セル4の存在する領域では曲率半径が500〜10000mmの湾曲を有するものが好適である。曲率半径が500mm未満の場合には、セル割れを防止しながら封止することが困難な場合があり、好適には700mm以上である。一方、曲率半径が10000mmを超える場合には、湾曲した受光面側透明板2を使用して封止する困難性が小さくなるので、本発明を採用する必要性が低下する場合がある。曲率半径は好適には5000mm以下であり、より好適には2000mm以下である。ここで、受光面側透明板2の形状は円筒の一部であっても構わないし、球の一部であっても構わない。また、場所や向きによって曲率が変化していてもよく、その場合には、本発明でいう曲率半径は、太陽電池セル4が存在する領域における最小の曲率半径のことをいう。
また、本発明で使用される受光面側透明板2及び裏面板3は、孔を有していても構わない。例えば、近年DPG(Dot Point Glazing)工法によって建築物のガラス壁面を構築する方法が広く採用されているが、この場合には、ガラスに設けられた孔に金具を挿入することが必要になるので、孔を有する受光面側透明板2及び裏面板3を用いて封止することになる。このとき、当該穴に金具を装着した状態で封止する場合もあり、そのような場合には柔軟なシートからなる封止処理容器61を使用する本発明の製造方法を採用する利益が特に大きい。
樹脂5の材質は、透明であって接着性や柔軟性を有するものであればよく、特に限定されないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール及びポリウレタンからなる群から選択される一種の樹脂が好適に使用される。このとき、架橋された樹脂であることが、強度や耐久性の面から好ましい。したがって、樹脂5の原料は、架橋可能な熱可塑性樹脂、特に加熱することによって架橋反応が進行する樹脂であることが好ましい。このような樹脂をシートの形態で受光面側透明板2と裏面板3との間に挟み、加熱溶融してから、必要に応じて架橋反応を進行させ、その後冷却固化させて太陽電池セル4を封止する。加熱によって架橋されるものを使用することによって、耐久性や接着性に優れたものとできる。架橋可能な熱可塑性樹脂としては、加熱した時に架橋反応が進行するものであれば特に限定されないが、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール及びポリウレタンからなる群から選択される一種の樹脂が好適に使用される。例えばEVAであれば架橋剤を配合して加熱することで架橋させることができるし、ポリウレタンであればイソシアネート基と水酸基とを反応させることによって架橋させることができる。
ポリウレタンの場合には、比較的低温で架橋反応が進行するので、受光面側透明板又は裏面板の少なくとも一方に耐熱性の低い樹脂板を使用する場合などに好適である。また、ポリウレタンは柔軟性にも優れているので、ガラスとプラスチックのように熱膨張係数の大きく異なる材料を組み合わせて、受光面側透明板及び裏面板に使用する場合にも、剥離が生じにくく好適である。さらにポリウレタンは、貫通強度にも優れている。
架橋可能な熱可塑性樹脂のうちでも、架橋剤を含有する熱可塑性樹脂を使用することが好適である。このときの熱可塑性樹脂は、架橋剤とともに加熱した時に架橋反応が進行するものであれば特に限定されないが、透明性、柔軟性、耐久性などに優れたエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)が最も好適に使用される。
封止樹脂シートを受光面側透明板2と裏面板3との間に挟み、加熱溶融してから冷却固化させて、太陽電池セル4を封止する。封止樹脂シートがEVA樹脂に架橋剤を含有するものであることが好ましく、この場合には、加熱溶融してから架橋反応を進行させ、その後冷却することで架橋されたEVAで封止することができる。封止樹脂シート中のEVAは、DSC法で測定した融点が50〜80℃のものであることが、透明性と形態保持性のバランスの観点から好ましい。
封止樹脂シートは、その片面又は両面に適当なエンボスを有することがブロッキングを防止でき、気泡残りも抑制しやすいので好ましい。好適なエンボス深さは10〜100μmであり、深すぎると逆に気泡が残存するおそれがある。シート厚みは好適には0.2〜2mm、より好適には0.3〜1mmであり、これを一枚又は複数枚重ねて厚み調節して使用することができる。
以下、本発明の製造方法による封止操作方法を説明する。
まず、図2の例について説明する。図2の例は、平坦な受光面側透明板2及び裏面板3を用い、太陽電池セル4間の間隙部9及び太陽電池セル4の外側の余白部10の両方に、太陽電池セル4の厚みよりも厚い封止樹脂シート片を配置する例である。図2は、封止操作前の積層体60の一例の断面模式図であり、複数の太陽電池セル4が直列に接続される方向に対して平行に切断した断面を示したものである。
最初に、裏面板3の上に、実質的にその全面を覆うように第2封止樹脂シート30を重ねる。図2の例では、裏面板3を下においてから重ねる操作を行ったが、先に受光面側透明板2を下においてから、逆の順番で重ねても構わない。
第2封止樹脂シート30の厚さは0.5mm以上であることが好ましく、1mm以上であることがより好ましい。また、通常5mm以下、好適には3mm以下である。一定以上の厚みとすることで、太陽電池セル4を有効に保護することができる。第2封止樹脂シート30を、複数の封止樹脂シートを積層することによって構成することが好ましい。用途や要求性能に応じて第2封止樹脂シート30の厚みを調整することが容易になるからである。図2の例では3枚の封止樹脂シート31,32,33を重ねて第2封止樹脂シート30を構成している。第2封止樹脂シート30は、裏面板3の実質的に全面を覆っていればよく、導線の配置などのために一部が欠落していても構わないし、サイド・バイ・サイドに配置された複数枚の封止樹脂シートから構成されていても構わない。
第2封止樹脂シート30の上に、太陽電池セル4を載置する。このとき、前述の要領で相互に接続した複数の太陽電池セル4を載置して、必要に応じて縦横を揃えて配列する。この場合には、予め接続した太陽電池セル4を載置しても良いし、第1封止樹脂シート20上で接続しても良いし、一部接続したものを載置してから残りを接続しても良い。
続いて、太陽電池セル4の外側の余白部10において、第2封止樹脂シート30の上に、余白部10の全周にわたり実質的に連続して配置された封止樹脂シート片40と、それと重ねられて相互に間隔をあけて配置された封止樹脂シート片41とを配置する。また、太陽電池セル4間の間隙部9に封止樹脂シート片42,43を配置する。
太陽電池セル4の外側の余白部10又は太陽電池セル4間の間隙部9に、合計の厚みが太陽電池セル4の厚みよりも厚い封止樹脂シート片40,41又は封止樹脂シート片42,43を配置することによって、内部を減圧した際に、表裏両面からの大気圧による荷重が太陽電池セル4に直接かかることがなく、封止樹脂シート片40,41又は封止樹脂シート片42,43がその荷重を受ける。したがって、モジュール内に配置された太陽電池セル4に対して直接受光面側透明板2の荷重が掛からないようにすることができ、減圧工程でのセル割れを防止することができる。特に、本発明の製造方法によれば、封止操作時に積層体60の上下から大気圧に由来する荷重を受けるので、このような構成とすることが好ましい。1つの太陽電池モジュール1に封入される太陽電池セル4の個数が多いほど、太陽電池セル4の破損に由来する不良品率が上昇することから、当該封止樹脂シート片40,41,42,43を配置する実益が大きい。ここで、合計の厚みとは、複数枚の封止樹脂シート片を重ねて使用した場合には、重なった部分の合計の厚みということである。
封止樹脂シート片の合計の厚みが、太陽電池セル4の厚みと導線8の厚みとの合計値よりも厚いことが好ましく、当該合計値よりも0.2mm以上厚いことがより好ましい。また、封止樹脂シート片の合計の厚みが、太陽電池セル4の厚みよりも0.3mm以上厚いことが好ましく、0.6mm以上厚いことがより好ましい。具体的には、封止樹脂シート片の合計の厚みが0.5〜5mmであることが好適である。封止樹脂シート片の合計の厚みはより好適には0.8mm以上であり、さらに好適には1mm以上である。当該厚みが薄すぎる場合には、封止操作時にセル割れが発生するおそれがある。一方、封止樹脂シート片の合計の厚みはより好適には3mm以下であり、より好適には2mm以下である。当該厚みが厚すぎる場合には、太陽電池セル4の周囲に気泡が残りやすくなる。
封止樹脂シート片40,41,42,43を、水平方向に相互に間隔をあけて配置し、そこから内部の空気を排出できるようにすることが好ましい。内部の空気を積極的に排出する通路を確保することで、気泡の残存を抑制することができ、外観の良好な太陽電池モジュール1を製造することができる。このとき、封止樹脂シート片同士が直接重ねられた構成である場合には、その少なくとも1枚において樹脂シート片相互の間に水平方向に間隔をあけて、そこから内部の空気を排出できれば良い。
図2の例では、太陽電池セル4の外側の余白部10において、第2封止樹脂シート30の上に、余白部10の全周にわたり実質的に連続して配置された封止樹脂シート片40と、それと重ねられて相互に間隔をあけて配置された封止樹脂シート片41とが配置され、その上に第1封止樹脂シート20が重ねられる。太陽電池セル4と同じ高さの位置において全周にわたって連続的に封止樹脂シート片40を配置することで、溶融樹脂の均一な充填が可能であり、気泡の発生を防止できる。この封止樹脂シート片40は、余白部10の幅の50%以上の幅を有することが好ましく、70%以上の幅を有することがより好ましい。封止樹脂シート片40は平行に配置された複数のシート片から構成されていてもよい。封止樹脂シート片40の上に重ねて、相互に間隔をあけて封止樹脂シート片41を配置することが好ましく、これによって内部の空気を円滑に排出できる。
図2の例では、太陽電池セル4間の間隙部9において、第2封止樹脂シート30の上に、封止樹脂シート片42,43を配置する。ここでは、二枚の封止樹脂シート片を重ねて配置している。太陽電池セル4間の間隙部9に封止樹脂シート片42,43を配置することによって、内部を減圧した際に、表裏両面からの大気圧による荷重が太陽電池セル4に直接かかることがなく、封止樹脂シート片42,43がその荷重を受ける。そして、温度が上昇するにしたがって樹脂は軟化して荷重のかかった封止樹脂シート片42,43の厚みが減少していき、太陽電池セル4又は導線8が、第1封止樹脂シート20及び第2封止樹脂シート30と接触する。そのときには樹脂シート全体が軟化しているので局所的な荷重がかかることがなく、太陽電池セル4又は導線8が軟化した封止樹脂シートに埋まりこむように密着する。これによって、減圧工程でのセル割れを防止することができる。このときの状況は、図5〜7に模式的に示されている。図5は封止操作開始前の積層体の拡大断面模式図であり、図6は加熱昇温途中の積層体の拡大断面模式図であり、図7は封止操作後の積層体の拡大断面模式図である。この場合、個々の太陽電池セル4の近傍で上下からの荷重を確実に受けることが可能であるので、セル割れを効果的に防止することができる。
間隙部9に配置される封止樹脂シート片42,43の幅は、前記間隙部9の幅よりも狭いことが好ましい。こうすることによって太陽電池セル4よりも厚い封止樹脂シート片42,43が間隙部9全体に一定の厚さで広がることが容易になるからである。広い範囲に溶融樹脂が移動する場合には、それにつれて太陽電池セル4も移動してしまうことがある。幅は、太陽電池セル4や封止樹脂シート片42,43の厚さや間隙部9の面積などを考慮して調整されるが、好適には間隙部9の幅の0.1〜0.95倍である。より好適には0.3倍以上であり、0.9倍以下である。0.95倍を超えると配置する操作が困難になる上に、減圧時に太陽電池セル4又は導線8を破損するおそれがある。逆に0.1倍以下の場合には、溶融樹脂が均一に広がるのが困難になるおそれがある。封止樹脂シート片42,43の長さは特に限定されず、太陽電池セル4の一辺よりも短い長さであっても構わないし、太陽電池モジュールの一端から他端まで延びたテープ状のものであっても構わない。
また、間隙部9に配置される封止樹脂シート片相互の間から内部の空気を排出できるようにすることも好ましい。内部の空気を積極的に排出する通路を確保することで、気泡の残存を抑制することができ、外観の良好な太陽電池モジュールを製造することができる。このとき、封止樹脂シート片が複数枚の封止樹脂シートを積層した構成である場合には、その少なくとも1枚において樹脂シート片相互の間に間隔をあけて、そこから内部の空気を排出できれば良い。封止樹脂シート片を交差させて配置する場合には、交差部以外の合計厚みの薄いところから内部の空気を排出することができる。
このように、セル割れを効果的に防止するためには、太陽電池セル4間の間隙部9に、封止樹脂シート片42,43を配置することが好ましい。通常、このような構成とすることが適しているのは、間隙部9の幅が、好適には5mm以上、より好適には10mm以上、さらに好適には20mm以上の場合である。間隙部9の幅が狭い場合には、封止樹脂シート片42,43を配置することが困難になるので、太陽電池セル4の外側の余白部10のみに封止樹脂シート片を配置する方が良い。このような構成とすることが適しているのは、間隙部9の幅が、好適には10mm以下、より好適には5mm以下、さらに好適には3mm以下の場合である。
こうして、封止樹脂シート片40,41,42,43を載置した後、その上に第1封止樹脂シート20を載置する。第1封止樹脂シート20の好適な構成及び好適な厚さは、第2封止樹脂シート30と同様である。図2の例では3枚の封止樹脂シート21,22,23を重ねて第1封止樹脂シート20を構成している。最後に、第1封止樹脂シート20の上に受光面側透明板2が載置される。
次に、図3の例について説明する。図3の例は、受光面側透明板2及び裏面板3のいずれもが湾曲している例である。図3は、封止操作前の積層体60の一例の断面模式図であり、複数の太陽電池セル4が直列に接続される方向に対して平行に切断した断面を示したものである。図3の例では、受光面側透明板2を下においてから重ねる操作を行ったが、先に裏面板3を下においてから、逆の順番で重ねても構わない。このとき、作業性の点から、凹面側が上になるように受光面側透明板2又は裏面板3を配置し、その上に封止樹脂シートを重ねることが好適である。
図3の例では、受光面側透明板2の上に、第1封止樹脂シート20、太陽電池セル4、封止樹脂シート片40,41,42,43及び第2封止樹脂シート30をこの順番に重ねるが、その具体的方法は図2の例と同様である。最後に、第2封止樹脂シート30の上に裏面板3が載置される。このとき、裏面板3は受光面側透明板2と実質的に同じ曲率半径の湾曲を有することが好ましく、その凸面側が下に向けられて重ねられる。
図3の例のように、受光面側透明板2と裏面板3の少なくともいずれかが湾曲している場合には、ヒーターからの伝熱によって積層体60を均一に加熱することが困難であるから、本発明の製造方法を採用することが特に好適である。また、上下からの不均一な荷重によって受光面側透明板2あるいは裏面板3が割れるのを防止するには、封止処理容器61が気体不透過性の柔軟なシートからなる袋であることが好ましい。
また次に、図4の例について説明する。図4の例は、裏面板3に皿孔52が設けられ、そこにモジュール取付け金具53が挿入されている例である。図4は、封止操作前の積層体60の一例の断面模式図であり、複数の太陽電池セル4が直列に接続される方向に対して平行に切断した断面を示したものである。重ねる順番は特に限定されないが、モジュール取付け金具53の先端部54が突出している側が上側になるようにして重ねるほうが、作業性の面から好ましい。したがって、図4の例では、受光面側透明板2を下においてから重ねる操作を行う方が好ましい。
図4の例では、受光面側透明板2の上に、第1封止樹脂シート20、太陽電池セル4、封止樹脂シート片40,41,42,43及び第2封止樹脂シート30をこの順番に重ねるが、その具体的方法は図2の例と同様である。
最後に、第2封止樹脂シート30の上に皿孔52を有する裏面板3が載置されるが、このとき、モジュール取付け金具53の頭部55が皿孔52に嵌め込まれるようにする。封止する前にモジュール取付け金具53の頭部55を太陽電池モジュール1の内部に配置することによって、受光面側透明板2に孔を開けることなく、モジュール取付け金具53をしっかりと固定することができる。モジュール取付け金具53の形態は特に限定されないが、皿孔52に沿うことのできる形状の頭部55を有するものであることが好ましい。また、適宜ネジ切などが施されていてもよい。
以上、図2〜7を使用して、封止操作前の積層体60の構成について説明した。引き続き、受光面側透明板2と裏面板3との間の空気を排出し、加熱して樹脂を溶融させてから冷却して封止する。このとき、加熱して樹脂を溶融させ、架橋反応を進行させてから冷却して封止することが好ましい。
図8は、封止処理装置の一例の模式図である。この封止処理装置は、積層体60を内部に収容する複数の封止処理容器61を有し、空気の排出操作と加熱操作の可能なものである。このとき、封止処理容器61はその一部又は全部が気体非透過性の柔軟な膜からなるものである。当該膜の素材は、気体非透過性の柔軟な膜であれば良く、一定以上の柔軟性と強度があって、膜の内部が真空になった時に外気圧が積層体60全体に均一にかかるようになるものであれば特に限定されず、ゴムや樹脂のシートやフィルムが使用できる。このとき、全体が気体非透過性の柔軟な膜からなる袋を使用することが好ましい。この場合には、封止処理容器61は単なる袋であるから、様々な形状や寸法の太陽電池モジュールを製造する際に柔軟に対応することが可能であり、建材など、多様な寸法の製品を製造することが要求される用途に対して好適である。
特に、積層体60において、受光面側透明板2と裏面板3の少なくともいずれかが湾曲している場合に、このような封止処理容器61を使用することが好ましい。封止処理容器61の内部を減圧して上下からの荷重が積層体60にかかった時に、受光面側透明板2あるいは裏面板3が割れるのを防止することができる。この場合には、封止処理容器61である袋を、受光面側透明板2及び裏面板3の表面に沿わせてから封止するのが好ましい。
また、積層体60が、受光面側透明板2又は裏面板3から外側へ突出した部材を有する場合にも、このような封止処理容器61を使用することが好ましい。この場合にも、封止処理容器61である袋を、突出した部材の形状に沿わせてから封止するのが好ましい。突出した部材の形状によっては、その形状に対応したポケットを有する袋を使用しても良い。また、突出部に過剰の荷重がかかるのを防止するために、突出部を、減圧時に変形しにくいカバーで覆ってから、封止処理容器61の中に導入することも好ましい。こうすることによって封止処理容器61の破損を防止することもできる。
積層体60を封止処理容器61に導入する際には、積層体60の外縁を通気性のある素材からなるブリーダー62で覆って、積層体60内部の溶融樹脂が流出するのを防ぐとともに、積層体60内部からの空気の排出ルートを確保することが好ましい。ブリーダー62に使用される素材としては、織布、編地、不織布などの布帛が使用可能である。
このようにして積層体60が入れられた複数の封止処理容器61をオーブン63内に導入して相互に間隔をあけて平行に配置する。これによって、封止処理容器61内の積層体60は相互に平行に配置されることになる。複数の封止処理容器61は、上下方向に、間隔をあけて重ねて配置されることが好ましい。所定の間隔をあけて配置する方法は特に限定されず、所定の間隔を有する棚をオーブン63内に設ける方法などが例示される。
オーブン63内において積層体60と平行の向きに熱風を流すことによって積層体60を加熱する。積層体60と平行の向きに熱風を流すことによって、積層体60に効率良くかつ均一に熱を伝えることが可能である。このとき、封止処理容器61の下面にも熱風が接触するようにすることが好ましく、そのためには、封止処理容器61と棚との間にスペーサーを配置する方法や、棚自体を網棚にする方法などが好適に採用される。熱風を供給する方法は特に限定されず、オーブン63内にヒーターを設けて、ファンを用いて積層体60と平行の向きに熱風を流しても良い。しかしながら、オーブン63の外部にヒーターを設けて、熱風をオーブン63内に導入する方法が、均一に加熱しやすくて好ましい。この場合、オーブン63が、熱風導入口と、その反対側に設けられた熱風導出口とを有し、熱風導入口から熱風導出口へと流れる通路の間に複数の封止処理容器61が配置されることが好ましい。また、オーブン63内を実質的に大気圧に維持しながら積層体を加熱することが、装置コストの面から好ましい。
多くの太陽電池モジュールでは、複数の太陽電池セル4が直列方向に相互に導線8で接続された複数のセットが準備され、これら複数のセットが間隔をあけて平行に配列されて積層体60が作製される。そのような積層体60の向きとオーブン63内の気流の向きとの関係が、太陽電池セル4が規則正しく配列された太陽電池モジュールを製造するためには重要である。オーブン63内の気流が前記直列方向と平行の向きになるようにして加熱する場合を図9に示す。また、オーブン63内の気流が前記直列方向と垂直の向きになるようにして加熱する場合を図10に示す。図9及び図10における矢印が、気流の向きである。後の実施例でも説明するように、オーブン63内の気流が前記直列方向と垂直の向きになるようにして加熱した場合には、直列に接続された太陽電池セル4の列が図10中の一点鎖線のように湾曲することが明らかになった。これは、積層体60内で熱の伝わる速度に分布があるためであると考えられる。したがって、規則正しく配列された太陽電池モジュールを製造するためには、オーブン63内の気流が前記直列方向と平行の向きになるようにして加熱することが好ましいことが明らかになった。
封止処理に際しては、前記封止処理容器61内を減圧して受光面側透明板2と裏面板3との間の空気を排出する。図8の封止処理装置では、それぞれの封止処理容器61に排気するためのパイプ64が接続されている。パイプ64は、3本まとめられてパイプ65に接続されている。さらにこのようにまとめられたパイプ65が6本(一部図示を省略)、タンク66に接続されている。タンク66は真空ポンプ67に接続されており、これによって封止処理容器61内部の空気を排出することが可能である。封止処理容器61の数は、複数であれば特に限定されないが、生産効率を考慮すれば、6個以上であることが好ましく、12個以上であることがより好ましい。
6本のパイプ65のそれぞれには、バルブ68を介して圧力計69が接続され、またパイプ65中の流れを遮断することの可能な電磁弁70が設けられている。これによって、パイプ65に接続された封止処理容器61のいずれかに漏れが発生した場合に、圧力計69が圧力の上昇を検知し、制御回路71が電磁弁70に信号を送って電磁弁70を閉じる。これによって、封止操作の途中で一つの封止処理容器61に漏れが発生しても、他の封止処理容器61にその悪影響が及ぶのを防止することができる。本発明で使用する封止処理容器61は、柔軟なシートからなるものであるし、太陽電池モジュールの形態にしたがってさまざまな形状のものを準備する必要があるので、漏れが発生するおそれがある。しかも、太陽電池モジュールはかなり高価である。したがって、このような制御方法を採用することが好ましい。図8の例では、3つの封止処理容器61ごとに一つの制御を行っているが、これは設備コストと効果とのバランスに基づくものである。圧力計69と電磁弁70のセットは、2セット以上あればよいが、好適には3セット以上、より好適には5セット以上である。制御回路71からアラーム信号を出して、オペレーターに知らせることもできる。
6本のパイプ65はタンク66に接続されており、電磁弁70が開いている状態では、全ての封止処理容器61がタンク66と連通している。タンク66の空気は真空ポンプ67によって排出される。また、タンク66にはコントロールバルブ72を介して外気を導入することができる。
後に説明するように、封止処理容器61内の圧力は、厳密に制御する必要がある。図8の封止処理装置においては、タンク66内の圧力を制御することによって全ての封止処理容器61の内部の圧力を同時に制御することができる。タンク66内部の圧力は、バルブ73を介して接続された圧力計74で計測され、この圧力データを受け取った制御回路75がコントロールバルブ72に信号を送って外気を取り入れながら所望の圧力に微調整する。この間真空ポンプ67は運転を継続している。比較的容量の大きなタンク66に対して外気を取り込みながら制御することで封止処理容器61内の圧力の微調整が可能である。
また、封止処理容器61内の減圧操作を開始する前に、電磁弁70及びコントロールバルブ72を閉めた状態で真空ポンプ67の運転を行うことによって、タンク66内を予め減圧しておくこともできる。この場合には、電磁弁70を開くことによって迅速に封止処理容器61内の空気を排出することができる。これによって、真空ポンプ67の排気能力が小さい場合であっても、封止処理容器61内を迅速に減圧するのに役立つ。
タンク66の容量は特に限定されるものではないが、10リットル以上であることが好ましく、20リットル以上であることがより好ましい。また、容量が大きすぎる場合には、コントロールバルブ72による圧力制御が迅速にできなくなるおそれがあるので、500リットル以下であることが好ましい。後に説明する実施例で使用した封止処理装置は、50リットルのタンク66を備えていた。
後に説明するように、封止処理容器61内を減圧する前に予熱することが好ましい場合がある。そのような場合には、オーブン63内で予熱操作を行うことも可能であるが、オーブン63に隣接する温度調節室(図示省略)を設け、当該温度調節室において予熱操作を行ってからオーブン63内で封止処理することが、オーブン63の利用効率の面からは好ましい。こうすることによって、オーブン63内でモジュールを封止している間に、他のモジュールを予熱することが可能である。
また、封止処理容器61内で封止樹脂を溶融させた後に、大気圧下で冷却する場合には、オーブン63内で冷却することも可能であるし、外部で冷却することも可能である。しかしながら、オーブン63内で冷却する場合には、オーブン63の使用時間が長くなるので生産性が低下する。一方、外部で冷却した場合には冷却速度を調節することが困難になる。したがって、オーブン63に隣接する温度調節室を設け、オーブン63内で封止処理してから当該温度調節室において冷却することが好ましい場合がある。こうすることによって、オーブン63内でモジュールを封止している間に、他のモジュールを冷却することが可能である。特に、冷却速度を遅くしたい場合にその効果が大きい。
温度調節室は、内部の温度調整が可能であって、オーブン63に隣接して設けられたものであればよく、特に限定されない。外部から温度調節室に封止処理容器61を導入するためのドアを有し、オーブン63と温度調節室の間にドアを有することが好ましい。例えば、多数の封止処理容器61が載置された台車を移動させて、外部から温度調節室を経てオーブン63へと導くことのできるような装置を使用することができる。1つのオーブン63に対して、温度調節室を1つだけ設けることもできるし、2つ以上設けることも可能である。
温度調節室を1つ設ける場合には、それを予熱操作又は冷却操作の一方に使用することができる。例えば、封止処理容器61を外部から温度調節室に導入し、予熱操作を行い、オーブン63へ導入し、封止処理してから、外部へ導出することができる。また、封止処理容器61を外部からオーブン63へ導入し、封止処理してから、温度調節室に導入し、冷却操作を行ってから、外部へ導出することもできる。この場合、通常、封止処理容器61は一方向に通過することになる。
温度調節室を2つ設ける場合には、封止処理容器61を一方向に通過させてもよいし、往復させても良い。封止処理容器61を一方向に通過させる場合には、封止処理容器61を外部から温度調節室に導入し、予熱操作を行い、オーブン63へ導入し、封止処理してから、別の温度調節室に導入し、冷却操作を行ってから、外部へ導出する。封止処理容器61を往復させる場合には、封止処理容器61を外部から温度調節室に導入し、予熱操作を行い、オーブン63へ導入し、封止処理してから、同じ温度調節室に戻し、冷却操作を行ってから、外部へ導出する。この場合、1の温度調節室で冷却操作及び予熱操作を行っているときにオーブン63内で封止処理し、他の温度調節室で冷却操作及び予熱操作を行っているときにオーブン63内で封止処理することになる。このように往復させる場合には、台車を循環させるためのスペースが不要となる利点を有する。
以上説明したような封止処理装置を用いて受光面側透明板2と裏面板3との間の空気を排出し、加熱して樹脂を溶融させてから冷却して封止する。このときの温度条件は特に限定されるものではなく、樹脂が溶融することの可能な温度まで上昇させれば良く、結晶性の樹脂であればその樹脂の融点以上まで加熱すれば良い。また、封止樹脂が架橋可能な熱可塑性樹脂であれば、架橋可能な温度まで上昇させて、所定の時間架橋可能な温度に保持する。圧力も積層体60内の空気を排出できて気泡残りが低減できるような圧力まで減圧できるのであればその圧力は特に限定されない。
なかでも、封止処理容器61内で封止するに際して、封止処理容器61内の圧力を0.05MPa以上に保って封止樹脂を加熱する工程(工程1)、封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器61内を0.01MPa以下の圧力まで減圧する工程(工程2)、減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程(工程3)、前記封止処理容器61内の圧力を上昇させる工程(工程4)及び冷却する工程(工程6)の各工程からなる封止操作を行うことが好適である。
前記工程1は、封止処理容器61内の圧力を0.05MPa以上に保って封止樹脂を加熱する工程である。封止処理容器61内の圧力を0.05MPa以上に保つことによって、積層体60の上下方向からセルに大きな荷重がかかるのを防止することができる。より好適には当該圧力は0.06MPa以上である。太陽電池セル4の外側の余白部10のみに封止樹脂シート片を配置し、太陽電池セル4間の間隙部9に封止樹脂シート片を配置しない場合に、セル割れを防止するために工程1を採用することが好ましい。また、受光面側透明板2又は裏面板3が非強化の曲げガラスである場合には、板の破損を防止するために工程1を採用することが好ましい。強化が施され、しかも太陽電池セル4間の間隙部9に封止樹脂シート片を配置するような場合には、生産効率の面からは、工程1を省略するほうが好ましい。
工程1における封止処理容器61内の圧力は大気圧(0.1MPa)であっても構わないが、例えば0.09MPa以下まで減圧することで、封止処理容器61の漏れをチェックすることができる。工程1においては、封止樹脂が未だ溶融していないので、封止処理容器61に漏れがあった場合には、この段階で補修することが可能である。本発明の製造方法で使用する封止処理容器61は柔軟なシートからなり、破損しやすいのでこのように少し減圧することが好適である。大気圧から0.05MPa以上の所定の圧力まで減圧する際には、減圧操作に要する時間を10分以上かけることが好ましい。大きな荷重はかからないものの、急激な減圧操作はセル割れを引き起こす可能性があるからである。
以上のように、封止処理容器61内の圧力が高い状態で封止樹脂を加熱することによって、封止樹脂を予め軟化させる。このときの加熱によって到達する温度は、封止樹脂が溶融しない温度でありながら、弾性率が低下する温度である。ここで、封止樹脂が溶融しない温度とは、通常、融点(Tm)よりも低い温度ということであり、好適には(Tm−5)℃以下であり、より好適には(Tm−10)℃以下である。封止樹脂が融点を有しない場合には、ここでいう融点をガラス転移点又は軟化点と置き換えて考えればよい。多くの封止樹脂において好適な温度は65℃以下であり、より好適な温度は60℃以下である。当該温度が高すぎると、工程2において封止処理容器61内の圧力が0.01MPa以下まで下がる前に樹脂の流動が開始してしまい、積層体60の内部の空気を排出するための通路が塞がれて、気泡残りが発生するおそれがある。また、前記加熱によって到達する温度は、好適には(Tm−30)℃以上であり、より好適には(Tm−20)℃以上である。多くの封止樹脂において好適な温度は40℃以上であり、より好適な温度は45℃以上である。当該温度が低すぎる場合には、封止樹脂の弾性率の低下が不十分であり、工程2において封止処理容器61内の圧力を下げた場合にセル割れが発生するおそれがある。このような温度範囲で5分以上維持してから工程2の減圧操作を開始することが好ましい。
工程2は、封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器61内を0.01MPa以下の圧力まで減圧する工程であり、工程1が採用される場合には、工程1に引き続いて行われる工程である。封止樹脂の融点未満の温度で減圧することによって積層体60の内部の空気が排出される通路が確保されるものである。このとき、封止処理容器61内の圧力は、好適には0.005MPa以下まで減圧される。十分に減圧することによって封止後の気泡残りを効果的に抑制することができる。工程2において0.05MPaから0.01MPaまで減圧する間の温度は、工程1で説明した前記加熱によって到達する温度と同じ温度範囲に維持されることが好ましい。また、急激な減圧操作によるセル割れを防止するためには、0.05MPaから0.01MPaまで、5分以上かけてゆっくり減圧することが好ましい。
工程3は、減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程であり、工程2に引き続いて行われる工程である。封止樹脂を昇温すると融点付近で弾性率が大きく低下し高粘度の液体へと変化することになるが、工程3は、そのような温度に到達するまで減圧したままにする工程である。弾性率が高いうちに減圧度を下げて昇圧したのでは、積層体60の内部へ空気が流入してしまい、封止樹脂中に気泡が残留するおそれがある。ここで、工程3の昇温操作で到達する温度の下限値は、好適には(Tm+10)℃以上であり、より好適には(Tm+20)℃以上である。多くの封止樹脂において好適な下限値は80℃以上であり、より好適には85℃以上である。また上限値は、通常200℃以下である。
工程3で昇温する速度はゆっくりであることが好ましく、室温から上記温度まで昇温するのにかかる時間が15分以上であることが好ましく、30分以上であることがより好ましく、1時間以上であることがさらに好ましい。ゆっくり昇温することによって、急に荷重がかかることがなく、セル割れを効率的に防止することができる。このとき、途中で昇温速度を変化させてもよいし、昇温を停止して積層体60の内部の温度分布を解消させる、バランシング操作を施しても良い。生産性の観点から、昇温時間は通常20時間以下である。
工程4は封止処理容器61内の圧力を上昇させる工程であり、工程6は冷却する工程であり、いずれも工程3に引き続いて行われる工程である。工程4と工程6は、どちらを先に行っても構わないし、両工程を同時に行っても構わない。
工程4においては、ゆっくりと昇圧することが好ましく、昇圧にかける時間は5分以上であることが好ましく、10分以上であることがより好ましく、20分以上であることがさらに好ましい。生産性の観点から、昇圧時間は通常5時間以下であり、好適には2時間以下である。昇圧後の圧力は、0.05MPa以上、より好適には0.07MPa以上とすることが好ましく、大気圧と同じ圧力(0.1MPa)まで昇圧することもできる。このとき、段階的に昇圧しても構わない。工程4において、圧力を上昇させる際の温度が、高すぎる場合には、不必要に溶融樹脂が流動して、セルの移動が生じるおそれがある。通常120℃以下、好適には100℃以下であることが好ましい。
また、工程4において、前記封止処理容器61内の圧力を上昇させながら同時に昇温する過程を有することが好ましい。こうすることによって、徐々に流動性を増していく過程で、積層体60にかかる圧力を徐々に解除することができ、残留気泡の発生を抑制しながら、不必要に溶融樹脂が流動するのを抑制するのに効果的である。この場合には、昇圧開始時の温度を(Tm−10)℃〜(Tm+20)℃、より好適には(Tm−5)℃〜(Tm+15)℃とし、そこから3〜30℃、より好適には5〜20℃温度を上昇させる間に昇圧させることが望ましい。昇温速度(℃/分)に対する昇圧速度(MPa/分)の比は、0.001〜0.1(MPa/℃)であることが好ましく、0.002〜0.05(MPa/℃)であることがより好ましい。
工程6の冷却工程では、通常室温付近まで冷却するが、冷却速度が早すぎるとガラスが割れるおそれがあるので、好適には10分以上、より好適には30分以上かけて冷却する。なかでも、封止樹脂(融点:Tm(℃))を溶融させてから冷却するに際し、(Tm+10)℃から(Tm−20)℃まで冷却するのに要する時間が20分以上となるようにして冷却することが好適である。上記時間はより好適には30分以上であり、さらに好適には60分以上である。融点近傍においてゆっくりと冷却することによって、残留応力を抑制することができるとともに、セル割れの発生を抑制することができる。
封止操作においてセル割れが発生する主たる原因は、受光面側透明板2と裏面板3との間の空気を排出して樹脂を溶融させる際に、上下方向からの荷重を受けることによるものであると考えられている。しかしながら、そのタイミングではセル割れが発生せず、溶融樹脂内に未破損の太陽電池セルが存在していながら、その後の冷却時にセル割れが発生する場合があることを、本発明者らは見出した。これは、封止操作途中で、融点よりも高い温度にある積層体を観察したところセル割れが発見されず、その後大気中で比較的早い速度で放冷している最中にセル割れが発生する現象が認められて明らかになったものである。
このような現象が発生するメカニズムは必ずしも明らかではないが、以下のようなメカニズムが推定されている。溶融状態にある封止樹脂が冷却されるときには、融点以下の温度において流動性が失われて固化するとともに収縮する。このような収縮は主としてポリマーの結晶化に由来して発生すると考えられる。このときに、収縮にともなって樹脂内部に発生すると想定される応力によってセル割れが発生しているものと推定される。樹脂の固化に伴う収縮応力がセルを破壊することの可能な大きな力であることは驚きである。これに対し、冷却速度を低下させることによって、このタイミングでのセル割れの発生を抑制できることが明らかになったものである。冷却速度を低下させることによってセル割れを抑制できる理由は必ずしも明らかではないが、結晶化の速度を低下させられる可能性や、応力緩和の進行が容易である可能性などが考えられる。ここで、封止樹脂が融点を有しない場合には、ここでいう融点をガラス転移点又は軟化点と置き換えて考えればよい。封止樹脂が融点を有さない非晶性の樹脂である場合にも、ガラス転移点あるいは軟化点付近において収縮を伴いながら固化する。
特に、割れやすい太陽電池セルを使用する場合に、このようにゆっくりと冷却する方法を用いて封止することが好適である。例えば、広い面積の太陽電池セルや、厚みの薄い太陽電池セルや、透光性の小孔を有する太陽電池セルや、表面に凹凸を有する太陽電池セルなどを封止する場合に好適である。
封止樹脂として、架橋可能な熱可塑性樹脂を使用する場合には、減圧したままで封止樹脂の融点付近以上まで昇温する工程(工程3)の後に、前記封止処理容器61内の圧力を上昇させる工程(工程4)を経て、架橋反応が進行する温度範囲まで昇温して架橋反応を進行させる工程(工程5)及び冷却する工程(工程6)を有することが好ましい。
この場合、工程4で封止処理容器61内の圧力を上昇させた後、一旦融点以下の温度まで冷却してから、工程5で架橋反応が進行する温度範囲まで昇温することも好ましい。圧力を上昇させた後、そのまま架橋反応が進行する温度範囲まで昇温することも可能であるが、一旦冷却することによって、残留する応力が緩和する時間を確保できて、溶融樹脂のはみ出し、ヒケ(端部で樹脂の欠損した部分)、セルの移動がより効果的に抑制できる。このとき、樹脂が十分に流動性を失うまで冷却することが好ましく、(Tm−10)℃以下、より好適には(Tm−20)℃以下まで冷却することが好ましい。
以上のように、封止処理容器61内の圧力を上昇させてから、工程5において架橋反応が進行する温度範囲まで昇温して架橋反応を進行させる。通常100℃以上、好適には120℃以上、より好適には130℃以上、さらに好適には140℃以上に加熱して架橋反応を進行させる。樹脂の劣化を防止するために、通常は200℃以下の架橋温度が採用される。架橋反応が進行する温度範囲に保つ時間は、目指す架橋度などにより異なるが、通常5分〜2時間、好適には10分〜1時間である。
工程5で架橋反応を進行させるときの封止処理容器61内の圧力は、好適には0.05MPa以上、より好適には0.06MPa以上である。封止処理容器61内の圧力を上昇させることによって、上下からかかる圧力を低減させることができる。架橋反応は高温で進行するため、その時の封止樹脂の溶融粘度は、融点付近に比べてかなり低い。そのため、このときに上下から不要な圧力をかけず、セルの移動や、樹脂のはみ出しを抑制することが重要である。しかしながら、大気圧と同じ圧力まで昇圧した場合には、積層体60の構成によってはヒケを生じることがあるので、そのようなときには大気圧より低い圧力に設定することが好適である。また、大気圧と同じ圧力まで昇圧した場合には、ブリーダー62が積層体60の周囲を押えることが困難になり樹脂がはみ出すこともあるので、そのようなときにも大気圧より低い圧力に設定することが好適である。その場合の圧力は大気圧よりも0.001MPa以上低い圧力とすることが好ましく、0.01MPa以上低い圧力(この場合、0.09MPa以下)とすることが好ましい。なお、本発明でいう大気圧とは、積極的に加圧あるいは減圧操作を施していない状態をいい、例えばオーブン63の中にファンで強制的に熱風を吹き込むために若干大気圧よりも高くなってしまうような場合であっても、それは大気圧と実質的に同一である。
工程5で架橋反応を進行させたあとで、工程6の冷却工程に供する。冷却工程6については、前述したとおりである。
こうして得られた太陽電池モジュールは、モジュールの周縁部まで封止樹脂が充填されており、封止樹脂層の周縁にスペーサーを有さないものである。接着性や耐久性に優れた封止樹脂で周縁部まで封止することができるので、信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することができる。封止樹脂層の厚みは全体で2〜6mmであることが好ましい。より好適には3mm以上であり、また5mm以下である。
本発明の製造方法によれば、受光面側透明板2と裏面板3の少なくともいずれかが湾曲している場合であっても、封止操作が可能である。この場合、曲げガラスにはさまれた太陽電池モジュールを提供することができるので、建築物のデザインの多様化の要求に応えることができる。また、モジュール固定用の金具を備え、該金具が受光面側透明板と裏面板のいずれかに形成された貫通孔に挿入され、該金具の頭部側の端部が封止樹脂層側に配置され、該金具の反対側の端部が外側に突出している太陽電池モジュールも提供することができる。これによって、近年広く行われるようになったDPG工法に適用できる太陽電池モジュールを提供することができる。
また、本発明の太陽電池モジュールは、受光面側透明板2と裏面板3の間に複数の太陽電池セル4が破損されることなく、規則正しく整列されたものである。多数の太陽電池セル4を破損することなく樹脂で封止することができるので、大型の太陽電池モジュールを提供することができる。しかも、気泡残りが抑制され、端部からの樹脂のはみ出しも抑制され、正しく整列されて外観が美麗であるので、各種建築物の外壁、屋根、窓などに好適に使用される。
実施例1
太陽電池セル4として、125mm×125mm×0.35mmの正方形の多結晶シリコン太陽電池セルを40枚使用した。四隅は数mm程度面取りがされている。導線8としては、日立電線株式会社製のハンダディップ銅リボン線を使用した。当該リボン線の幅は1.5mmで厚さは0.15mmである。太陽電池セル4の受光面6と裏面7の導線8を接着する部分には予めハンダを印刷してある。導線8の一端を太陽電池セル4の受光面6のハンダ印刷部に重ねてハンダ付けし、他端を隣接する太陽電池セル4の裏面7のハンダ印刷部に重ねてハンダ付けした。隣接するセル間は2本の導線8で接続し、その間隔が50mmになるようにした。すなわち、間隙部9の幅は50mmである。
裏面板3としては、1000mm×1500mm×10mmのフロート板強化ガラス(青板ガラス)を使用した。当該強化ガラスの表面圧縮応力は100MPaである。封止樹脂シートとしては、ハイシート工業株式会社製「ソーラーエバSC36」の厚さ0.6mmのものを使用した。当該封止樹脂シートは、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)に架橋剤、シランカップリング剤、安定剤などを配合したものであり、架橋前の樹脂のDSC法で測定した融点は71℃である。封止樹脂シートの片面には浅いエンボス模様(梨地)が形成されていて、その深さは約45μmである。裏面板3の上に、1000mm×1500mmの寸法の封止樹脂シート31,32を2枚重ねた。この2枚の封止樹脂シート31,32が厚み1.2mmの第2封止樹脂シート30を構成する。
前述の要領で相互に接続した複数の太陽電池セル4を、第2封止樹脂シート30の上に載置して、縦横を揃えて図11に示すように配列した。隣接する太陽電池セル4間の間隙部9の幅は、縦横ともに50mmとした。また、太陽電池セル4の外側の余白部10の幅は、長手方向(8枚のセルが並んでいる方向)で75mm、幅方向(5枚のセルが並んでいる方向)で87.5mmとした。
続いて、図12に示すように、太陽電池セル4間の間隙部9に封止樹脂シート片44を配置し、余白部10に封止樹脂シート片45を配置した。封止樹脂シート片44の幅は40mmとし、封止樹脂シート片45の幅は60mmとした。封止樹脂シート片44は、隣接する太陽電池セル4間の中央付近の位置に、導線8を押さえるようにして配置した。このように中央付近の位置に配置することによって、溶融した際の樹脂の移動を少なくできるし、太陽電池セル4又は導線8が破損することも防止できる。しかも、溶融するまでの間太陽電池セル4が移動するのを防止することもできる。
さらに、図13に示すように、太陽電池セル4間の間隙部9において、下側の封止樹脂シート片44の上に交差させるようにして上側の封止樹脂シート片46を配置した。上側の封止樹脂シート片46の幅は40mmである。また、余白部10において、下側の封止樹脂シート片45の上に上側の封止樹脂シート片47を配置した。余白部10の辺の部分に配置される上側の封止樹脂シート片47の寸法は60mm×125mmであり、角部にも上側の封止樹脂シート片48を配置した。交差部における封止樹脂シート片の合計厚みは1.2mmであり、この部分で上下からの荷重を支えることができる。余白部10の上側の封止樹脂シート片47,48を間欠的に配置し、しかも交差部以外では隙間があることから、内部の空気を排出する際の通路が確保できて、気泡残りを防止することができる。
以上のようにして封止樹脂シート片44〜48を配置してから、その上に1000mm×1500mmの寸法の封止樹脂シート21,22を2枚重ねた。この2枚の封止樹脂シート21,22が厚み1.2mmの第1封止樹脂シート20を構成する。その上に受光面側透明板2として、1000mm×1500mm×10mmのフロート板強化ガラス(白板ガラス)を載置した。当該強化ガラスの表面圧縮応力は100MPaである。
こうして得られた積層体60を用い、また、図8に示す封止処理装置を用いて封止操作を行った。まず、積層体60の外縁の全周をブリーダー62で覆い、封止処理容器61であるゴム製の袋の中に投入し、パイプ64と接続してオーブン63に入れた。このとき、図9のように、オーブン63内の気流が相互に接続された太陽電池セル4の直列方向と平行になるようした。
以上のようにセッティングしてから、以下の工程2〜6の封止処理操作を行った。このときの温度と圧力は、表1及び図14に示すとおりに制御した。このとき温度はオーブン63内の温度であり、圧力は圧力計74で測定された圧力である。なお、「封止処理容器内の圧力を0.05MPa以上に保って封止樹脂を加熱する工程」である、工程1については、本実施例では採用していない。太陽電池セル4間の間隙部9に封止樹脂シート片を配置し、かつ受光面側透明板2と裏面板3のいずれにも平坦な強化ガラスを使用しているので、工程1を採用しなくてもセル割れや基板割れを防止することができる。
工程2:「封止樹脂の融点未満の温度において封止処理容器内を0.01MPa以下の圧力まで減圧する工程」
室温(27℃)から、昇温を開始するとともに、減圧を開始した。約1分後に圧力は0.005MPa未満まで低下した。
工程3:「減圧したままで封止樹脂の融点以上の温度まで昇温する工程」
昇温開始から30分で40℃になるように加熱を継続し、40℃で10分間維持(バランシング)し、75分かけて50℃に昇温し、50℃で10分間維持し、105分かけて60℃に昇温し、60℃で10分間維持し、120分かけて71℃(封止樹脂の融点)まで昇温し、10分間維持した。
工程4:「前記封止処理容器内の圧力を上昇させる工程」
71℃から90℃まで90分かけて昇温し、それと同時に、0.005MPa未満であった圧力を0.07MPaまで90分かけて昇圧した。このときの昇温速度(℃/分)に対する昇圧速度(MPa/分)の比は、0.0037(MPa/℃)であった。この後、90℃で30分間維持し、60分かけて40℃まで冷却し、40℃で30分間維持し、その間0.07MPaの圧力を維持した。
工程5:「架橋反応が進行する温度範囲まで昇温して架橋反応を進行させる工程」
引き続き、90分かけて40℃から155℃まで昇温し、155℃で36分間維持して架橋反応を進行させた。この間0.07MPaの圧力を維持した。
工程6:「冷却する工程」
続いて、60分かけて155℃から40℃まで冷却した。40℃になったところで約1分かけて0.07MPaから0.1MPa(大気圧)まで昇圧して、熱風炉66から取り出した。
Figure 0005261564
得られた太陽電池モジュールは、セルの割れや欠け、導線の断線は一切なく、気泡残りも観察されず、周辺部での封止樹脂のはみ出しやヒケも観察されなかった。また、太陽電池セルは、規則正しく配列されていて、導線8で直列に接続された太陽電池セル4の湾曲は、2mm以内に収まっていた。
実施例2
実施例1において、積層体60の向きを実施例1のときと比べて90度回転させた以外は実施例1と同様にして封止処理を行った。すなわち、図10のように、オーブン63内の気流が相互に接続された太陽電池セル4の直列方向と垂直になるようした。
得られた太陽電池モジュールは、セルの割れや欠け、導線の断線は一切なく、気泡残りも観察されず、周辺部での封止樹脂のはみ出しやヒケも観察されなかった。しかしながら導線8で直列に接続された太陽電池セル4は、図10の1点鎖線で示されるように10〜20mm程度も湾曲していた。
1 太陽電池モジュール
2 受光面側透明板
3 裏面板
4 太陽電池セル
5 樹脂
8 導線
9 間隙部
10 余白部
20 第1封止樹脂シート
30 第2封止樹脂シート
40〜48 封止樹脂シート片
53 モジュール取付け金具
60 積層体
61 封止処理容器
63 オーブン
66 タンク
67 真空ポンプ

Claims (6)

  1. 受光面側透明板と裏面板との間に太陽電池セルが樹脂で封止されてなる太陽電池モジュールの製造方法において;
    受光面側透明板と太陽電池セルの間に受光面側透明板の実質的に全面を覆う第1封止樹脂シートを配置し、裏面板と太陽電池セルの間に裏面板の実質的に全面を覆う第2封止樹脂シートを配置し、太陽電池セルの外側の余白部に第1封止樹脂シートと第2封止樹脂シートとの間に挟持されるように封止樹脂シート片を配置し、その際、封止樹脂シート片の合計の厚みが太陽電池セルの厚みと導線の厚みとの合計値よりも0.2mm以上厚くなるようにするとともに、封止樹脂シート片が相互に水平方向に間隔をあけて配置されるようにして積層体を作製し、
    前記積層体を気体不透過性の柔軟なシートからなる封止処理容器に入れ、前記積層体の入った複数の封止処理容器をオーブン内に導入して相互に間隔をあけて平行に配置し、
    前記封止処理容器内を減圧して表裏両面からの荷重が太陽電池セルに直接かかることがなく封止樹脂シート片がその荷重を受けるようにして受光面側透明板と裏面板との間の空気を封止樹脂シート片相互の間から排出し、前記オーブン内において前記積層体と平行の向きに熱風を流すことによって前記積層体を加熱して封止樹脂を溶融させ、引き続き冷却することによって封止樹脂を固化させることを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
  2. 前記封止処理容器が気体不透過性の柔軟なシートからなる袋である請求項1記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  3. 前記オーブン内を実質的に大気圧に維持しながら積層体を加熱する請求項1又は2記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  4. 複数の太陽電池セルを間隔をあけて配列して相互に導線で接続する請求項1〜のいずれか記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  5. 前記封止処理容器のそれぞれが配管を介して真空ポンプに接続され、封止処理容器と真空ポンプとの間にタンクを備える請求項1〜のいずれか記載の太陽電池モジュールの製造方法。
  6. 前記タンク内の圧力を測定する圧力計と、タンクに外気を導入する弁とを有し、タンク内の圧力を微調整する請求項記載の太陽電池モジュールの製造方法。
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