JPH11227145A - ラミネート装置 - Google Patents

ラミネート装置

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JPH11227145A
JPH11227145A JP10028339A JP2833998A JPH11227145A JP H11227145 A JPH11227145 A JP H11227145A JP 10028339 A JP10028339 A JP 10028339A JP 2833998 A JP2833998 A JP 2833998A JP H11227145 A JPH11227145 A JP H11227145A
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laminated
laminating
laminating apparatus
solar cell
diaphragm
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JP10028339A
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English (en)
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Ichiro Kataoka
一郎 片岡
Hidenori Shiozuka
秀則 塩塚
Hidesato Yoshimitsu
秀聡 善光
Satoshi Yamada
聡 山田
Morio Kiso
盛夫 木曾
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Canon Inc
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Laminated Bodies (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流れ作業により、一貫した生産ラインで連続
的に被ラミネート体をラミネートできるラミネート装置
を提供する。さらに、簡単に被ラミネート体を効率よく
大量に生産することができ、スループットの高い製造ラ
インを構築できるラミネート装置を提供する。 【解決手段】 ダイアフラムによって被ラミネート体を
加熱圧着するラミネート装置を、ラミネート工程中に搬
送手段によって移動する構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はラミネート装置に係
わり、特に太陽電池モジュールなどの被ラミネート体を
量産するのに適したラミネート装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危惧感は深刻で、クリ
ーンなエネルギーへの希求はますます強まってきてい
る。太陽電池は現在のところ、その安全性と扱いやすさ
から、クリーンなエネルギー源として期待のもてるもの
だということができる。
【0003】太陽電池には様々な形態がある。代表的な
ものとしては、 (1) 結晶シリコン太陽電池 (2) 多結晶シリコン太陽電池 (3) アモルファスシリコン太陽電池 (4) 銅インジウムセレナイド太陽電池 (5) 化合物半導体太陽電池 などがある。この中で、薄膜結晶シリコン太陽電池、化
合物半導体太陽電池及びアモルファスシリコン太陽電池
は比較的低コストで大面積化が可能なため、最近では各
方面で活発に研究開発が進められている。
【0004】しかしながら、これらの太陽電池はそのま
までは屋外での過酷な環境下での使用に耐えることはで
きない。それは、太陽電池素子そのものは腐食を受けや
すく、また外部からの衝撃などで容易に破損するからで
ある。そこで、太陽電池素子を被覆材で覆い保護する必
要がある。最も一般的には太陽電池素子をガラスとフッ
素樹脂フィルム等の耐候性のある裏面部材で封止材樹脂
を介して挟持してラミネートするという方法が取られ
る。ガラスは耐候性に優れ湿度も通さないため半導体で
ある太陽電池素子を被覆する部材としては最も優れてい
るものの一つであると言える。そのため太陽電池モジュ
ールのほとんどが受光面側の表面部材にガラスを用いて
いる。
【0005】一方、ガラス被覆は 1)重い、2)曲げられ
ない、3)衝撃に弱い、4)コスト高、という問題点を有し
ており、これでは薄膜太陽電池の場合、軽量・耐衝撃性
・フレキシブルという利点を生かすことができない。そ
こで、従来から表面部材としてフッ素樹脂フィルム等の
透明なフッ化物重合体薄膜を用いることによって、薄膜
太陽電池の特徴を生かした軽くてフレキシブル性のある
太陽電池モジュールが提案されてきた。
【0006】ところで、このようなフィルムで被覆した
太陽電池モジュールはフレキシブルではあるがガラスを
用いた場合に比べ当然機械的剛性が乏しくなる。そこで
これを改善するために裏面に接着剤層を介して種々の補
強板を貼り付けるのが一般的であり、通常、裏面補強板
として剛性の高い鋼板やプラスチック板などが用いられ
る。また、フィルムで被覆した太陽電池のフレキシブル
性を生かした屋根材一体型太陽電池モジュールの開発も
活発に進められている。この場合は、屋根用鋼板に接着
剤層を介して太陽電池素子を貼り付ける。すなわち屋根
用鋼板が補強板としての機能を果たす。
【0007】従来、このように表面部材と裏面部材を太
陽電池素子に貼り合わせて太陽電池モジュールを製造す
るためのラミネート装置として、ダイアフラムによって
仕切られた上チャンバと下チャンバからなるチャンバ部
を備えた、いわゆる二重真空室方式のラミネート装置が
公知になっている。二重真空室方式のラミネート装置に
関し、特公平4−65556号公報の「太陽電池モジュ
ールラミネート装置」、および特公平6−52801号
公報の「太陽電池パネルの製造方法」が開示されてい
る。これらに記載されたラミネート装置は、下方に向か
って膨張自在なダイアフラムを備えた上チャンバと、ヒ
ータ盤を備えた下チャンバによって構成されている。そ
して、下チャンバに設けられたヒータ盤に被ラミネート
体を載置した状態で上チャンバと下チャンバを減圧し、
被ラミネート体を加熱して、上チャンバに大気を導入す
ることにより被ラミネート体をヒータ盤の上面とダイア
フラムとの間で挟圧してラミネートする構成になってい
る。また、特開平9−141743号公報の「ラミネー
ト装置」には、チャンバに昇降機能を持たせラミネート
部を上下に二段以上重ねて生産性を向上させた二重真空
室方式のラミネート装置が開示されている。図2は二重
真空室方式によるラミネーターの一例であり、201は下
チャンバ、202は上チャンバ、203はダイアフラム、204
は金属プレート、205はヒーター、206及び207は排気
口、208はOリング、209は太陽電池モジュール積層体で
ある。この装置を用いた太陽電池モジュールの製造は以
下の工程で行われる。
【0008】太陽電池モジュール積層体209を下チャ
ンバに置く。 上チャンバ、下チャンバともに排気する。 封止材樹脂が溶融する温度にヒーターで加熱する。た
だし、封止材樹脂の架橋反応は起こらないような温度に
する必要がある。 下室チャンバを排気したまま上チャンバを大気圧に戻
して積層体をダイアフラムにて圧着する。 封止材樹脂が架橋反応を起こす温度まで加熱し、架橋
が終了するまでその温度を保持する。 冷却後、太陽電池モジュールを取り出す。 これにより、封止材樹脂により封止された太陽電池モジ
ュールを得ることができる。
【0009】また、一重真空室方式によっても太陽電池
モジュールを製造することができる。一重真空室方式と
は二重真空室方式の上室がないもので、特開平9−51
114号公報の「真空ラミネート装置」、特開平9−3
6405号公報の「太陽電池モジュール及びその製造方
法」などに開示されている。その装置の一例を図3に示
す。ここで301は金属プレート、302はダイアフラム、30
3はヒーター、304は外部と連通した排気口、305はOリ
ング、306は太陽電池モジュール積層体である。この装
置を用いた場合の太陽電池モジュールの製造方法以下の
ようである。
【0010】太陽電池モジュール積層体306をプレー
ト上に置く。 ダイアフラム302を重ねる。 ダイアフラムとプレートで密閉される空間と外部とを
連通する排気口304より排気し、ダイアフラムをプレー
トに吸い付かせて積層体を圧着する。 封止材樹脂が架橋反応を起こす温度まで加熱し、架橋
が終了するまでその温度を保持する。 冷却後、太陽電池モジュールを取り出す。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
製造方法では太陽電池モジュールを大量生産することが
困難であった。すなわち、ラミネート装置による貼り合
わせ工程が枚葉処理であるために、貼り合わせ工程中、
次に処理される太陽電池積層体を待機させておかなけれ
ばならない。そのため、連続した生産ラインによって太
陽電池積層体まで作製しても、ラミネート工程で一度ラ
インから外さなければならず、生産効率を落とす原因と
なっていた。また、積層体の搬入手段及びラミネート後
の太陽電池モジュールの搬出手段をラミネート装置側方
に配置した二重真空室方式のラミネート装置も公知では
あるが、ラミネート工程は最低でも数分間を要し、その
間はラインを停止しなければならず、完全な流れ作業に
よる生産は困難であった。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
め、本発明のラミネート装置は、ダイアフラムによって
被ラミネート体を加熱圧着するラミネート装置であり、
ラミネート工程中に搬送手段によって移動することを特
徴としている。
【0013】また、前記ラミネート工程が、基体と前記
ダイアフラムの間に前記被ラミネート体を挟持し、前記
被ラミネート体の存在する空間を減圧して、前記ダイア
フラムにて前記被ラミネート体を圧着する第一の工程
と、加熱手段によって前記ラミネート体を加熱し、前記
ラミネート体に含まれる接着剤樹脂を溶融する第二の工
程と、前記ラミネート体を冷却手段により冷却する第三
の工程と、からなることが好ましい。
【0014】また、前記加熱手段が前記ラミネート装置
に当接されたヒーターによるもの、あるいは前記ラミネ
ート装置に熱風を当てることであるとよい。
【0015】(作用)本発明のラミネート装置によれ
ば、ダイアフラムによって被ラミネート体を加熱圧着す
るラミネート装置を、ラミネート工程中に搬送手段によ
って移動する構成とする。この方法によれば、流れ作業
により、連続的に被ラミネート体をラミネートできる。
すなわち、ラミネート工程中も被ラミネート体がラミネ
ート装置とともに移動するので、ラミネート前の被ラミ
ネート体が滞留することがない。したがって、簡単に被
ラミネート体を効率よく大量に生産することができ、ス
ループットの高い製造ラインを構築できる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1に本発明ラミネート装置の一
例の概略平面図を示す。図1に於いて、101は一重真
空室方式のラミネート装置ユニット、102は搬送手
段、103は被ラミネート体の搬入手段、104は被ラ
ミネート体の搬出手段、105は被ラミネート体、10
6はダイアフラム、107は蓋部材、108は真空ポン
プである。また、ここで用いられている一重真空室方式
のラミネート装置ユニットの概略断面図の一例を図4に
示す。401はプレート、402はダイアフラム、40
3はステンレスパイプ、404はシリコンラバーヒータ
ー、405は排気口、406はゴムパッキン、407は
蓋部材、408は真空ポンプで、ステンレスパイプ40
3は(c)に示すように排気穴409が設けられてい
る。
【0017】被ラミネート体105は搬入手段103に
よってラミネート装置ユニット101のプレート上に戴
置される。搬入手段は、コンベア、吸着ハンドを備えた
ロボットアーム等、従来公知のものを種々選択して用い
てよい。また、被ラミネート体中に含まれる接着剤樹脂
がラミネート工程中に溶融して被ラミネート体端部より
はみ出し、ラミネート装置ユニットのプレートやダイア
フラムに付着するのを防止するために、被ラミネート体
の上下には離型性に優れるシートを配してもよい。具体
的には、PFA(ポリフルオロアルキルエーテル共重合
体)フィルム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレ
ン)フィルム、PTFE含浸ガラスクロスシートなどを
はじめとするフッ素樹脂系離型シートが好適である。
【0018】次に、ダイアフラム402を有する蓋部材
407をゴムパッキン406を介してステンレスパイプ
403の上に載せる。ダイアフラム及びゴムパッキンは
シリコーンゴムやフッ素ゴムなどの耐熱性ゴムで構成さ
れる。この状態で、ラミネート装置ユニットは搬送手段
102によって移動を開始する。搬送手段は、コンベ
ア、コロ付き台車等を適宜選択して用いればよい。ラミ
ネート装置ユニットを移動させながらステンレスパイプ
に接続された真空ポンプ408により排気口405を通
して排気穴409から排気し、ダイアフラムをプレート
に吸い付かせて被ラミネート体を挟圧する。
【0019】次いで、ラミネート装置ユニットの移動を
続けながら、シリコンラバーヒーターに通電し、被ラミ
ネート体を加熱することによって、被ラミネート体中に
含まれる接着剤樹脂の溶融させ、被ラミネート体の貼り
合わせを行う。なお、真空ポンプによる排気は加熱工程
中も継続して行ってもよいし、被ラミネート体の存在す
る空間を完全な密閉系とした後、加熱工程前に排気を終
了することもできる。
【0020】さらに、被ラミネート体105を冷却手段
によって冷却後、蓋部材107を取り払い、貼り合わせ
られて完成した被ラミネート体105を搬出手段104
によりラミネート装置ユニット101から取り出す。こ
こでも、冷却工程中はラミネート装置ユニット101を
移動させる。冷却手段は、例えば、冷却ファン、真空ラ
ミネーターに当接した冷却パイプ(冷媒は気体、液体の
いずれでも可)等が好ましい。搬出手段は、搬入手段と
同様、コンベア、吸着ハンドを備えたロボットアーム
等、従来公知のものが用いられる。
【0021】被ラミネート体が搬出されたラミネート装
置ユニット101は図示されない手段によって再び被ラ
ミネート体が搬入される位置にまで戻り、ラミネート工
程を繰り返す。
【0022】図5は別の実施態様を表すラミネート装置
ユニットの一例である。図5において、501は一重真
空室方式ラミネート装置ユニット、502は搬送手段、
503は被ラミネート体の搬入手段、504は被ラミネ
ート体の搬出手段、505は被ラミネート体、506は
ダイアフラム、507は蓋部材、508は真空ポンプ、
509は加熱オーブンである。この実施態様では被ラミ
ネート体の加熱手段として、ラミネート装置ユニットに
当接されたヒーターではなく、オーブンを用いている。
すなわち、排気工程後のラミネート装置ユニットをコン
ベアなどの搬送手段によって熱風循環式オーブン内を移
動させることによって、被ラミネート体を加熱してい
る。それ以外は先の実施態様と同様である。
【0023】なお、図1・図5のいずれの実施態様に於
いても、一重真空室方式ラミネート装置ユニットにかわ
り二重真空室方式ラミネート装置ユニットを用いること
が可能である。
【0024】本発明のラミネート装置を用いて好適に製
造されうる被ラミネート体としての太陽電池モジュール
の概略断面図の一例を図6に示す。図6に於いて、60
1は光起電力素子、602は表面の透明な封止材樹脂、
603は最表面に位置する透明な表面部材、604は裏
面の封止材樹脂、605は裏面部材である。外部からの
光は、表面部材603から入射し、光起電力素子601
に到達し、生じた起電力は出力端子(不図示)より外部
に取り出される。
【0025】光起電力素子601としては、1)結晶シ
リコン太陽電池、2)多結晶シリコン太陽電池、3)ア
モルファスシリコン太陽電池、4)銅インジウムセレナ
イド太陽電池、5)化合物半導体太陽電池など、従来公
知な素子を目的に応じて種々選択して用いて良い。これ
ら光起電力素子は、所望する電圧あるいは電流に応じて
直列か並列に接続される。また、これとは別に絶縁化し
た基板上に光起電力素子を集積化して所望の電圧あるい
は電流を得ることもできる。
【0026】表面封止材602は、光起電力素子の凹凸
を樹脂で被覆し、素子を温度変化、湿度、衝撃などの過
酷な外部環境から守り、かつ表面フィルムと素子との接
着を確保するために必要である。したがって、耐候性、
接着性、充填性、耐熱性、耐寒性、耐衝撃性が要求され
る。これらの要求を満たす樹脂としては、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−アクリル酸メ
チル共重合体(EMA)、エチレン−アクリル酸エチル
共重合体(EEA)、ポリビニルブチラール樹脂などの
ポリオレフィン系樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂、フッ素樹脂などが挙げられる。中でもEVAは、太
陽電池用途としてバランスのとれた物性を有しており好
んで用いられる。ただ、そのままでは熱変形温度が低い
ために容易に高温使用条件下で変形やクリープを呈する
ので、架橋して耐熱性を高めておくことが望ましい。
【0027】EVAの場合は有機過酸化物で架橋するの
が一般的である。有機過酸化物による架橋は、有機過酸
化物から発生する遊離ラジカルが樹脂中の水素やハロゲ
ン原子を引き抜いて、C−C結合を形成することによっ
て行われる。有機過酸化物の活性化方法には、熱分解、
レドックス分解およびイオン分解が知られている。一般
には熱分解法が好んで行われている。
【0028】上記有機過酸化物を封止材に併用し、真空
下で加圧加熱しながら架橋および熱圧着を行うことが可
能である。加熱温度ならびに時間は各々の有機過酸化物
の熱分解温度特性で決定することができる。一般には熱
分解が90%、より好ましくは95%以上進行する温度
と時間をもって加熱加圧を終了する。封止材樹脂の架橋
を確かめるにはゲル分率を測定すれば良く、高温下での
封止材樹脂の変形を防ぐためにはゲル分率が70wt%
以上となるように架橋することが望ましい。
【0029】本実施例に用いられる封止材の材料は耐候
性において優れたものである。しかし更なる耐候性の改
良あるいは封止材下層の保護のために、紫外線吸収剤を
併用することもできる。紫外線吸収剤としては公知の化
合物が用いられる。しかし、太陽電池モジュールの使用
環境を考慮して低揮発性の紫外線吸収剤を用いることが
好ましい。具体的には、サリチル酸系、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系の各
種有機化合物を挙げることができる。
【0030】紫外線吸収剤の他に光安定化剤も同時に添
加すれば光に対してより安定な封止材となる。代表的な
光安定化剤はヒンダードアミン系光安定化剤である。ヒ
ンダードアミン系光安定化剤は紫外線吸収剤のようには
紫外線を吸収しない。しかし、紫外線吸収剤と併用する
ことによって著しい相乗効果を示す。勿論、ヒンダード
アミン系以外にも光安定化剤として機能するものはあ
る。但し、着色している場合が多く本発明の封止材には
望ましくない。
【0031】さらに、耐熱性・熱加工性改善のために酸
化防止剤を添加することも可能である。酸化防止剤の化
学構造としては、モノフェノール系、ビスフェノール
系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系がある。
【0032】より厳しい環境下で太陽電池モジュールの
使用が想定される場合には、封止材と光起電力素子ある
いは表面部材との接着力を向上することが好ましい。シ
ランカップリング剤や有機チタネート化合物を封止材に
添加することで、前記接着力を改善することが可能であ
る。
【0033】これらの添加剤を配合したEVAをシート
状に成型した太陽電池用のEVAシートが市販されてい
る。その処方の一例は、EVA樹脂(酢酸ビニル含有率
33%)100重量部に対して、架橋剤として2,5−ジ
メチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン
1.5重量部、紫外線吸収剤として2−ヒドロキシ−4
−n−オクトキシベンゾフェノン0.3重量部、光安定
化剤としてビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−
ピペリジル)セバケート0.1重量部、酸化防止剤とし
てトリス(モノ−ノニルフェニル)フォスファイト0.2
重量部、シランカップリング剤としてγ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン0.25重量部を配合し
たものである。これを光起電力素子と表面部材との間に
挿入し、加熱圧着することにより容易に太陽電池モジュ
ールを作製できる。
【0034】表面部材603は、太陽電池モジュールの
最表層に位置するため透明性、耐侯性、耐汚染性、機械
強度をはじめとして、太陽電池モジュールの屋外暴露に
おける長期信頼性を確保するための性能が必要である。
例えば、白板強化ガラス、フッ素樹脂フィルム、アクリ
ル樹脂フィルムなどがある。白板強化ガラスは透明性が
高く衝撃にも強くて割れ難いため、太陽電池モジュール
の表面部材として広く用いられている。
【0035】しかし、最近ではモジュールに軽量性、フ
レキシブル性が求められる場合も多く、そのような場合
には樹脂フィルムが表面部材として用いられる。中でも
フッ素樹脂フィルムは、耐候性、耐汚染性に優れている
ため好んで用いられる。具体的には、ポリフッ化ビニリ
デン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂あるいは四フッ化エチ
レン−エチレン共重合体などがある。耐候性の観点では
ポリフッ化ビニリデン樹脂が優れているが、耐候性およ
び機械的強度の両立と透明性では四フッ化エチレン−エ
チレン共重合体が優れている。
【0036】裏面部材605は、光起電力素子601の
導電性基板と外部との電気的絶縁を保つために必要であ
る。材料としては、導電性基板と充分な電気絶縁性を確
保でき、しかも長期耐久性に優れ、熱膨張、熱収縮に耐
えられる、柔軟性を兼ね備えた材料が好ましい。好適に
用いられるフィルムとしては、ナイロン、ポリエチレン
テレフタレートが挙げられる。
【0037】裏面封止材604は、光起電力素子601
と裏面部材605との接着を図るためのものである。材
料としては、光起電力素子と充分な接着性を確保でき、
しかも長期耐久性に優れ、熱膨張、熱収縮に耐えられ
る、柔軟性を兼ね備えた材料が好ましい。好適に用いら
れる材料としては、EVA、ポリビニルブチラール等の
熱可塑性樹脂、両面テープ、柔軟性を有するエポキシ接
着剤が挙げられる。勿論、表面封止材と同じ材料を用い
ることも可能であり、通常はそのような場合が多い。す
なわち、上述した架橋EVAを裏面にも用いるのが一般
的である。
【0038】裏面部材の外側には、太陽電池モジュール
の機械的強度を増すために、あるいは温度変化による
歪、反りを防止するために、補強板を貼り付けても良
い。例えば、鋼板、プラスチック板、FRP(ガラス繊
維強化プラスチック)板が好ましい。
【0039】以上のような構成の太陽電池モジュールを
本発明のラミネート装置を用いて製造する方法を次に説
明する。
【0040】まず図7のように光起電力素子701、表
面部材704、裏面部材705、封止材シート703を
重ねて太陽電池モジュール積層体700とする。この
際、ガラス繊維不織布ないしは有機樹脂繊維不織布(7
02)を少なくとも一枚以上挿入してもよい。より好ま
しくは、表面と裏面それぞれに一枚以上挿入する。図7
では不織布702を封止材シート703と素子701と
の間に表裏一枚ずつ挿入している。不織布702は、排
気工程における積層体間隙の空気の排気を助けるととも
に、加熱工程でEVAに含浸されることによりEVAが
溶融してモジュール端に流れて出してしまうのを防ぐ働
きがある。さらに、EVA中に含浸されることによりE
VAの補強材として機能するので、表面部材がフィルム
であるような場合には、表面の傷が素子にまで及び難く
するという付随的効果も合わせ持つ。
【0041】次に、前記積層体を図8(a)のようにプ
レート上に搬入し、ダイアフラムを有する蓋部材を重ね
る。図8に於いて、801はプレート、802はダイア
フラム、803はステンレスパイプ、804はシリコン
ラバーヒーター、805は排気口、806はゴムパッキ
ン、807は蓋部材、808は真空ポンプ、809は太
陽電池モジュール積層体である。この後、以下の工程に
よって積層体を貼り合わせる。
【0042】(排気工程)ステンレスパイプの排気口か
ら排気してダイアフラムで積層体を挟圧する。(図8
(b)) (加熱工程)太陽電池モジュール積層体をプレート背面
に当接されたシリコンラバーヒーター804によってE
VAが架橋反応を起こす温度まで加熱し、架橋が終了す
るまでその温度を保持する。(冷却工程)冷却後、モジ
ュールを搬出する。これら3つの工程中、ラミネート装
置ユニットはコンベアによって積層体搬入場所から搬出
場所に向かって移動する。
【0043】上記排気工程の積層体が存在する空間の真
空度は5Torr以下である。より好ましくは1Tor
r以下である。真空度が5Torrを越えると、貼り合
わせ後に封止材中に気泡が残留し易くなる。また、排気
工程の時間は好ましくは1分乃至30分である。より好
ましくは1分乃至10分である。排気工程の時間が1分
未満であると積層体間隙の排気が不十分となり真空度が
5Torr以下でも気泡が残留し易くなる。一方、排気
工程が30分を越えると生産ラインが長大なものとな
る。また、貼り合わせ工程全体に要する時間が長くなり
生産性が低くなる。
【0044】かくして、以上の工程を繰り返すことによ
り、品質の均一性に優れた太陽電池モジュールを、一貫
した生産ラインで大量に製造することが可能となる。ま
た、被ラミネート体の一例として、太陽電池モジュール
について説明したが、本発明のラミネート装置はその
他、種々のものすなわち、合わせガラスや装飾ガラスな
どの製造にも供することができる。
【0045】
【発明の効果】本発明のラミネート装置によれば、ダイ
アフラムによって被ラミネート体を加熱圧着するラミネ
ート装置ユニットを、ラミネート工程中に搬送手段によ
って移動する構成とすることによって、流れ作業によ
り、一貫した生産ラインで連続的に被ラミネート体をラ
ミネートできる。すなわち、ラミネート工程中も被ラミ
ネート体がラミネート装置ユニットとともに移動するの
で、ラミネート前の被ラミネート体が滞留することがな
い。したがって、簡単に被ラミネート体を効率よく大量
に生産することができ、スループットの高い製造ライン
を構築できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラミネート装置の模式的平面図であ
る。
【図2】二重真空室方式のラミネート装置の概略断面図
の一例である。
【図3】一重真空室方式のラミネート装置の概略断面図
の一例である。
【図4】本発明のラミネート装置に好適に用いられる一
重真空室方式のラミネート装置ユニットの概略断面図の
一例であり、(a)がダイアフラム402を有する蓋部
材407、(b)がラミネート装置ユニット本体、
(c)が(b)に用いられているステンレスパイプ40
3である。
【図5】本発明のラミネート装置の他の実施態様を表す
模式的平面図である。
【図6】本発明のラミネート装置を用いて好適に製造さ
れうる太陽電池モジュールの概略断面図の一例である。
【図7】太陽電池モジュール積層体の一例である。
【図8】一重真空室方式による太陽電池モジュールの製
造工程の一例を示す模式図であり、(a)が太陽電池モ
ジュール積層体を搬入した状態、(b)が蓋部材を載せ
ダイアフラムで積層体を挟圧した状態である。
【符号の説明】
101、501 一重真空室方式ラミネート装置ユニッ
ト 102、502 搬送手段 103、503 搬入手段 104、504 搬出手段 105、209、306、505 被ラミネート体 106、203、302、402、506、802 ダ
イアフラム 107、407、507、807 蓋部材 108、408、508、808 真空ポンプ 201 下チャンバ 202 上チャンバ 204、301、401、801 プレート 205、303 ヒーター 206、207、304、405、805 排気口 208、305 O−リング 403、803 ステンレスパイプ 404、804 シリコンラバーヒーター 406、806 ゴムパッキン 409 排気穴 509 加熱オーブン 601、701 光起電力素子 602 表面封止材 603、704 表面部材 604 裏面封止材 605、705 裏面部材 700、809 太陽電池モジュール積層体 702 不織布 703 封止材シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 木曾 盛夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被ラミネート体を互いに圧着する複数の
    ラミネート装置ユニットと、該ラミネート装置ユニット
    に被ラミネート体を搬入する搬入手段と、該複数のラミ
    ネート装置を順次搬送する搬送手段と、該ラミネート装
    置ユニットから被ラミネート体を搬出する搬出手段とを
    有することを特徴とするラミネート装置。
  2. 【請求項2】 前記ラミネート装置ユニットは基体とダ
    イアフラムを有し、該基体とダイアフラムの間に被ラミ
    ネート体を挟持し、該被ラミネート体の存在する空間を
    減圧して、前記ダイアフラムにて前記被ラミネート体を
    圧着することを特徴とする請求項1に記載のラミネート
    装置。
  3. 【請求項3】 前記ラミネート装置ユニットが、被ラミ
    ネート体を加熱するヒーターを有することを特徴とする
    請求項1に記載のラミネート装置。
  4. 【請求項4】 前記複数のラミネート装置ユニットを同
    時に加熱する加熱手段を有することを特徴とする請求項
    1に記載のラミネート装置。
  5. 【請求項5】 前記被ラミネート体が太陽電池を含むこ
    とを特徴とする請求項1に記載のラミネート装置。
  6. 【請求項6】 ラミネート工程中に搬送手段によって被
    ラミネート体を移動することを特徴とするラミネート方
    法。
  7. 【請求項7】 前記ラミネート工程が、基体とダイアフ
    ラムの間に前記被ラミネート体を挟持し、前記被ラミネ
    ート体の存在する空間を減圧して、前記ダイアフラムに
    て前記被ラミネート体を圧着する第一の工程と、加熱手
    段によって前記被ラミネート体を加熱し、該被ラミネー
    ト体に含まれる接着剤樹脂を溶融する第二の工程と、前
    記被ラミネート体を冷却手段により冷却する第三の工程
    とを有することを特徴とする請求項6に記載のラミネー
    ト方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008149656A (ja) * 2006-12-20 2008-07-03 Fuji Electric Systems Co Ltd 真空ラミネート装置および真空ラミネート方法
JP2010192909A (ja) * 2004-04-28 2010-09-02 Nakajima Glass Co Inc 太陽電池モジュールの製造方法
JP2010192638A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Npc Inc ラミネート装置

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