JP5261546B2 - 煙検出装置 - Google Patents
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Description
また、演算手段は、動きが早い流動煙を検出する流動煙検出手段と、動きが遅い緩慢煙を検出する緩慢煙検出手段とを備えているので、煙が早く動く場合も、煙の動きが遅い場合も、煙を検出することが可能となる。
まず、本実施の形態の煙検出装置を説明するまえに、どのような原理に基づいて画像から煙を検出するかについて図1〜図3を用いて説明する。図1において、図1(a)、図1(b)は、監視カメラで撮影した原画像を示し、図1(a)は煙のない状態、図1(b)は、検出領域に煙が入った状態を示している。また、図2(a)、図2(b)は、横軸が輝度、縦軸が画素数で示される検出領域内における輝度分布を示しており、それぞれ、図1(a)、図1(b)に対応した図面となっている。また、図3において、図3(a)、図3(b)は、検出領域W1の微分処理の結果を示しており、それぞれ図1(a)、図1(b)に対応した図面となっている。
更に、煙のゆらぎは、小さく、周波数分析を行うと、低周波帯域が高周波帯域よりも大きくなることが確認された。
(1)視界がぼやけ透過率又はコントラストが低下すること、
(2)輝度値がある値に収束すること、
(3)輝度分布の範囲が狭まり輝度の分散が小さくなること、
(4)輝度の平均値が、通常の煙のない状態から変化すること、
(5)検出領域において、エッジの総和量が低下すること、
(6)低周波帯域の強度が高周波帯域の強度よりも大きいこと、
を導きだした。これらを総合的に判断して煙の検出を可能なものとした。
実施の形態1.
図4は、この発明の実施の形態1に係わる火災検出装置の構成図である。この発明の実施の形態1に係わる火災検出装置は、図4に示すように、火災発生監視範囲を例えば1秒間に30枚の割合で撮影してフレーム毎の画像データを出力するカメラ2および画像データを処理して煙の発生を検出しそれに基づいて警報を発する煙検出装置3を備える。このカメラ2は、例えばCCDカメラまたはCMOSカメラから構成される。
フレームグラバー9は、カメラ2が出力した、NTSC方式の映像信号から、画像データを取得する。画像データは、例えば1ライン640画素、1フレーム480ラインからなり、画素は、256階調の輝度で表される。ROM5には、CPU4で行う処理演算の手順がプログラムとして記憶されており、CPU4はプログラムを読み出し、それに基づいて処理演算の手順を進める。
煙検出装置3において、検出領域から異常発生領域となる煙発生領域を抽出する手段としては、画像間の差分処理を基本としている。特に、火源から近い場所で発生した、動きが早く面積変化も大きい流動煙の検出にあっては、フレーム間の差分処理を行う。
基準画像更新手段26は、少し説明すれば、タイマ7の時刻に基づいて、基準画像は定期的に更新する。所定時間が経過して、基準画像の更新時期が到来すると、流動煙画像記憶部11から最新画像データを読み出し基準画像データを更新するが、この際、元の基準画像と更新しようとする基準画像との相関をとって、変化がほとんどない場合にのみ、基準画像を更新するようにする。
輝度補正手段は、カメラ2から入力された画像データを逆ガンマ補正して輝度を補正する。カメラ2から入力された画像データを逆ガンマ補正するのは、カメラ2が撮影し出力する画像データに、画像データをモニタに表示したとき人間の視感度に合うようにガンマ補正が施されているためである。そして、ガンマ補正が施された画像データをそのまま画像処理すると、処理結果にガンマ補正による歪みが含まれるので、輝度補正手段31により逆ガンマ補正を施して、実際の輝度に戻している。
緩慢煙は、流動煙に比べ、非常に遅く室内に広がっていく煙である。このため、例えば30msec毎に、差分処理などをしても、ほとんど変化領域がないことから、撮影している画像から3秒毎に、画像を抜き出して記憶するようにしている。これに対し、流動煙は、非常に動きが早いので、30msecで撮影する毎に、その画像を記憶するようにしている。
障害物検出手段35は、差分手段を有し、基準画像データと流動煙画像記憶部11の最新画像データを読み出して、検出領域毎に、この2つの画像データの輝度の差分、あるいは画像データ間の相互相関係数を算出し、差分が所定の閾値以上のとき、あるいは相関値が閾値以下のとき、その画素を動きが検出された画素として判断する。なお、変化のあった検出画素を含む検出領域に対しては、縮退膨張処理を施してノイズを除去した差分画像データを作成し差分画像記憶部14に記憶する。
流動煙検出手段36は、図7に示すように、10の手段から構成されている。まず、はじめに、一次判定手段となる5つの各手段、動き検出画像作成手段42、平均輝度・分散演算手段43、領域占有比率演算手段44、微分値総和比率演算手段45、一次判定手段46について説明する。この一次判定手段46は、各演算手段43〜45で演算された値と所定値とを比較して、検出領域における煙の発生を判定するものである。
また、一次判定手段46は、検出領域毎に、画像の輝度の分散の移動平均から、基準画像の分散よりも減少しているか否かを判定する。この分散も平均輝度と同じように、検出領域に煙が流入すれば、その値が変動(減少)する。これを移動平均として扱うことで、分散の変動がわかり、検出領域に入った物体が煙であるかの判断の目安になる。
この一次判定手段46だけの判定により、検出領域内に煙があるかどうかを判定しても良いが、この一次判定手段46は、基本的に輝度変化に基づく情報だけで判定しているので、監視領域内の照明がオンオフされるような輝度変化を、煙として誤検出する可能性がある。そこで、周波数分析などのより高度な画像処理をさらに行うことで、二次判定として煙検出の精度を高めていく。
流動煙検出手段36は、二次判定用の手段として、計測線設定手段51、周波数分析手段52、周波数判定手段53を有する。計測線設定手段51は、フレーム間の差分処理を行って、動き画素のあった検出領域に対して、計測線を設定する手段である。ここで計測線の設定の仕方の一例について、図8を用いて説明する。図8(a)はマトリックス状に配置された複数の検出領域に動き画素が検出されたときの原画像データである。図8(b)は、図8(a)の原画像と基準画像との差分画像データである。図8(c)は、図8(b)の差分画像データから設定された計測線を図示したものである。
この原画像の中央には、検出領域を構成する矩形領域が、縦方向に2つ、横方向に3つ設けてある。なお、検出領域は、この図8(a)では接して配置しているが、それぞれの矩形領域に隙間を設けて配置してもよい。この図8(a)では、左下側の検出領域の下方にある火種から煙りが発生し、右上方向に流れているのを観察することができる。ここで、図8(b)において、煙で黒く示される領域は、フレーム間差分の処理によって、抽出された動きのある画素である。一番簡単な計測線は、これら動き画素を含んでいる検出領域において、矩形の中心を通る、水平線または垂直線を引いて、その線を計測線とすることである。ただ、この方法では、必ずしも、計測線上に、沢山の動き画素が含まれるというわけではない。この計測線は、以下のようにして、線上にたくさんの動き画素が含まれるように線の引き方を設定することが好ましく、この計測線は、検出対象となる煙の流れの動きを示す線となる。
つまり、計測線上の画素の輝度の画素毎の周波数分析を行って周波数スペクトルを求め、さらに、それらの平均スペクトルを求め、流動煙が入り込んだときの平均輝度のピークが、例えば図9に示すように、0Hzを超えて2Hz以下の周波数帯に出現することを検出する。このような周波数解析を、二次判定として行うことにより、人工光源の光量の周期的変動などを検出対象から除外することができる。
そして、二次判定手段56が、画素数の平均値に対する分散(分散/平均値)が所定の閾値以下か否かを判定する。また二次判定手段56は、周波数スペクトルの強度が所定の低周波帯の全体に対する比率が所定の比率以上、且つ画素の平均輝度および分散が所定の範囲内の場合、流動煙が発生したと判別する。
流動煙が検出領域に入ったとき計測線上の動き検出画素の出現頻度の時系列的な変動について図10を用いて説明する。例えば、図8(c)の検出領域Fにおいて、検出領域自体の大きさは、縦64*横64であるから、ここでは、計測線の長さは64であり、その計測線上に含まれる最大の画素数は64となる。ここで、図8(b)の差分画像の対応する検出領域Fを見ると、必ずしも、計測線上の全てに動き画素があるとは言えないことがわかる。
ヒストグラム作成手段54は、この計測線上にある動き画素の個数をカウントし、例えば、図10(a)に示すように、時間t1の所に、その個数を縦軸方向にプロットする。このようにして、横軸方向の別の時間t2,t3・・における個数もプロットしていき、ヒストグラムを完成させる。このようなヒストグラムを完成させた場合、検出領域で検出されたものが煙である場合、動き画素の出現頻度の時系列的な変動は大きな値をとることはない。これに対して、図10(b)に示すような出現頻度の時系列的な変動が大きい挙動を示す場合には、検出されたものは、目まぐるしく変化する回転灯などと考えられ、このような人工光源の周期的光量変動を検出対象から分離することができる。
緩慢煙検出手段37は、図11に示すように、輝度平均分散演算手段61、判定手段62を備えている。緩慢煙の特徴は、煙の濃度が薄く、煙の動きを捉えることができにくいことである。
輝度平均分散演算手段61は、緩慢煙の画像を取り込む周期(3秒)毎に、検出領域毎に、検出領域全体の平均輝度および分散を演算して求める。この演算された平均輝度及び分散は、判定手段62によって判定される。つまり、判定手段62は、検出領域毎に、平均輝度と基準平均輝度の比が所定の範囲内にあるか否かを判定する。また、検出領域毎に、分散が基準画像の分散に対して所定の範囲の割合内にあるか否かを判定する。
検出領域の輝度の平均の時系列データに関する周波数スペクトルは、緩慢煙の緩慢な動きに伴い図12(a)に示すように強度が所定の閾値以下であったり、周波数に関して2つの周波数(2Hz、8Hz)を用いて、低、中、高の3つの周波数帯に分けた場合、図12(b)に示すように、周波数の小さな低周波数帯ほど強度の積分値が大きくなる。これに対し人工光源では、中又は高の周波数帯が大きく、この周波数の特性を検出することにより、人工光源の周期的な変動と緩慢煙とを識別することができる。
透過率=(最新画像の最大輝度値−最新画像の最小輝度値)/(基準画像の最大輝度値−基準画像の最小輝度値)・・・(1)
収束輝度値={最新画像の最大輝度値−(基準画像の最大輝度値×透過率)/(基準画像の最大輝度値−基準画像の最小輝度値)・・・(2)
式(2)で表される収束輝度値は、極めて黒い黒煙以外の緩慢煙が検出領域に入ると、緩慢煙が入る前の収束輝度に対して増減するが、所定の閾値以下には減少しない。一方、照明が暗くなったときには、所定の閾値以下に減少する。この特性を利用すると白色に近い緩慢煙と照明が暗くなったことを、識別することができる。
または、平均輝度周波数スペクトルの強度が所定の強度以下または低周波帯の強度の積分値ほど大きい、且つ透過率が所定の閾値以下且つ収束輝度値が所定の閾値以上の場合に、緩慢煙の発生の可能性が高いとして判別する。
ここで、警告判定手段72は、平均輝度周波数スペクトルの強度が所定の強度以下または低周波帯の強度の積分値ほど大きい、且つ透過率が所定の範囲以内且つ収束輝度値が所定の閾値未満の場合に、警告を発する。警告を発するのは、収束輝度値が所定値未満であることから、煙として、黒煙の可能性があるためである。
これら演算手段は、全てを使用して、全ての演算手段が判定手段の条件を満足したときに、検出領域内に煙が発生したものと判別することが、一番、精度良く煙検出が可能となる。しかし、これら、演算手段は、適宜2つ以上、組み合わせて使用するだけもで、単一の演算処理に比べ、十分に煙検出の精度を高めることができ、人工光源の光量の変化や移動物体などを誤って煙と認識することを防止できる。
まず、基準画像更新手順について図14に示すフローチャートを参照して説明する。
基準画像更新手順を開始すると、ステップS201で、基準画像更新時期が到来したか否かを判断し、到来していないとき基準画像更新手順を終了し、到来しているときステップS202に進む。
ステップS202では、流動煙画像記憶部11から最新の画像データを読み出し、画像相関を計算し侵入物がないことを確認した後、その最新の画像データを基準画像データとして基準画像記憶部13に記憶されている基準画像データを書き換える。
なお、一番始めに、検出領域を設定するときだけは、このステップS202の後に、基準画像記憶部12から基準画像データを読み出し、その基準画像データを空間微分処理して画素毎の空間微分値を求める。
ステップS203で、設定された検出領域の基準最大輝度、基準最小輝度、基準平均輝度および基準分散を求め、基準データ記憶部15に記憶して基準画像更新手順を終了する。
画像記憶手順を開始すると、ステップS301で、カメラ2から画像データが入力されたか否かを判断し、入力されていないときステップS301を繰り返し、入力されているときステップS302に進む。
ステップS302で、入力されている画像データを最新画像データとし、最新画像データを逆ガンマ補正することにより輝度補正する。
ステップS303で、緩慢煙画像取込時期が到来しているか否かを判断し、到来しているときステップS304に進み、到来していないときステップS306に進む。
ステップS304で、輝度補正された最新画像データを緩慢煙画像記憶部12にFIFOで記憶する(この手順を緩慢煙画像記憶手順と称する)。
ステップS305で、緩慢煙フラグに1を設定する。
ステップS306で、輝度補正された最新画像データを流動煙画像記憶部11にFIFOで記憶して画像記憶手順を終了する(この手順を流動煙画像記憶手順と称する)。
煙検出手順を開始すると、判定の結果を残す各種フラグ類の設定を0にする。
ステップS401で、検出領域記憶部16に記憶されている検出領域の情報に基づいて、まだ煙検出の処理を行っていない検出領域を1つ指定する。
ステップS402で、基準画像記憶部13から基準画像データを読み出し、流動煙画像記憶部11から最新画像データと、画素毎に、基準画像データと、その最新画像データの差分処理を行い、差分が所定の閾値以上の画素を求める。
ステップS403で、差分が所定の閾値以上の画素に対して縮退膨張処理を行ってノイズを除去して動き検出画素を確定し、差分画像データとして差分画像記憶部14に記憶する(この手順を差分画像記憶手順と称する)。ここで行われるノイズ処理は、差分処理によって生じた小さな画素のかたまりを排除し、ある程度、画素同士が連結した領域だけを差分画像に残すものである。
ステップS405で、緩慢煙フラグに1が設定されているか否かを判断する。緩慢煙フラグに1が設定されているときステップS406に進み、緩慢煙フラグに0が設定されているときステップS408に進む。
ステップS406で、障害物検出手段により障害物の検出を行い、画像内に、障害物が検出されない場合にのみ、ステップS407に進み、それ以外は、ステップS408に進む。
ステップS407で、緩慢煙検出手順を実行してステップS408に進む。
ステップS408で、全ての検出領域が指定されたか否かを判断し、指定されていないときステップS401に戻り、指定されているときステップS409に進む。つまり、画像には、煙を検出すべき検出領域が複数設定されているので、これら検出領域に対して、一つづづ順次、煙検出手順による煙検出を行うようにしてある。そして、複数個の検出領域に対して、全て煙検出の手順が行われたら、ステップS409で、緩慢煙フラグに0を設定して煙検出手順を終了する。
流動煙検出手順を開始すると、ステップS501で、流動煙画像記憶部11から検出領域の最新画像データおよび直近の複数回の流動煙画像記憶手順の度に記憶された画像データを読み出し、動き検出画素に対応する最新画像データおよび直近の複数回の流動煙画像記憶手順で記憶された画像データの輝度の平均および分散を算出する。
ステップS502で、輝度の平均および分散から、平均輝度の移動平均と分散の移動平均を算出する。
ステップS503で、差分画像記憶部14から検出領域の差分画像データを読み出し、動き検出画素が検出領域全体の画素に占める占有比率を算出する。
ステップS504で、基準画像記憶部13から検出領域の基準画像データと流動煙画像記憶部11から最新画像データを読み出し、それぞれを空間微分処理して空間微分値を求め、検出領域全体の空間微分値の総和をそれぞれ求め、その総和の比率を算出する。
ステップS506で、空間微分値の総和の比率が所定の閾値以上に変動しているとき微分値フラグに1を設定する。
ステップS507で、平均輝度の移動平均が基準画像の平均輝度に対して所定の割合の範囲で変動しているとき平均フラグに1を設定する。
ステップS508で、分散の移動平均が基準画像の分散に対して所定の割合の範囲内で減少しているとき分散フラグに1を設定する。
ステップS509で、占有フラグ、微分値フラグ、平均フラグ、分散フラグの全てに1が設定されているか否かを判断し、全てに1が設定されているときステップS510に進み、少なくとも1つに0が設定されているとき流動煙検出手順を終了する。
ステップS511で、流動煙画像記憶部11から検出領域の最新画像データおよび検出領域の直近の複数回の流動煙画像記憶手順の度に記憶された画像データを読み出し、計測線上の画素毎に輝度に関して周波数分析して周波数スペクトルを算出し、全ての画素に対する周波数スペクトルの平均を算出する。
ステップS512で、周波数スペクトルから不要な部分のスペクトルを除外して周波数スペクトルを修正する。
ステップS513で、所定の周波数以下の周波数帯の強度の積分値がその周波数を超える周波数帯の強度の積分値を超えるか否かを判断し、所定の周波数以下の周波数帯の強度の積分値がその周波数を超える周波数帯の強度の積分値を超えるときステップS514に進み、それ以外のときには流動煙検出手順を終了する。ここでは、単に、低周波と高周波の比を見るよりも、詳細に、周波数帯を3分割にして、それぞれの帯域に積分値を見るようにしてもよい。
ステップS515で、ヒストグラムの度数の平均値と度数の分散を算出し、その比率(分散/平均値)を演算して、ヒストグラム記憶部17に記憶する。
ステップS516で、度数平均と度数分散の比率が所定の範囲内にあるか否かを判断し、その比率が所定の範囲内にあるときステップS517に進み、それ以外のときは、流動煙検出手順を終了する。
ステップS517では、その検出領域には、流動煙が発生していると判別して、流動煙検出レジスタをインクリメントして流動煙検出手順を終了する。
ステップS602で、輝度平均分散記憶部18から最近のデータを含み直近の複数回の緩慢煙検出手順の度に記憶された輝度の平均および分散を読み出し、平均輝度の移動平均および分散の移動平均を算出する。
ステップS603で、平均輝度の移動平均が、基準画像の平均輝度に対して所定の範囲内で変動しているとき平均フラグに1を設定する。
ステップS604で、分散の移動平均が、基準画像の分散に対して所定の範囲内で減少しているとき分散フラグに1を設定する。
ステップS606で、周波数スペクトルから不要な部分のスペクトルを除外して周波数スペクトルを修正する。
ステップS607で、周波数スペクトルを2つの周波数2Hzと周波数8Hzにより3つの周波数帯のスペクトルに分割し、各周波数帯の強度を積分した値が低周波数帯ほど大きいとき、周波数フラグに1を設定する。
ステップS609で、透過率が所定値以下であるとき透過率フラグに1を設定する。
ステップS610で、収束輝度値が所定の閾値以上であるとき収束輝度フラグに1を設定する。
ステップS611で、平均フラグ、分散フラグおよび周波数フラグに1が設定されているか、または周波数フラグ、透過率フラグおよび収束輝度フラグに1が設定されているか判断し、平均フラグ、分散フラグおよび周波数フラグに1が設定されている、または周波数フラグ、透過率フラグおよび収束輝度フラグに1が設定されている場合ステップS612に進み、それ以外の場合ステップS613に進む。
ステップS612で、緩慢煙の発生の可能性があるとして緩慢煙検出レジスタをインクリメントして緩慢煙検出手順を終了する。
ステップS613で、周波数フラグおよび透過率フラグに1が設定されているか否かを判断し、周波数フラグおよび透過率フラグに1が設定されている場合、ステップS614に進み、それ以外の場合、緩慢煙検出手順を終了する。
ステップS614で、警告信号を発して、黒煙の発生の可能性があることを警報して、緩慢煙検出手順を終了する。
火災判別手順が開始されると、ステップS701で、流動煙検出レジスタに、設定された数(流動煙ありと判断された検出領域の数)および緩慢煙検出レジスタに設定された数(緩慢煙ありと判断された検出領域の数)を読み出し、それぞれを流動煙検出数と緩慢煙検出数として検出数記憶部19に記憶する。
ステップS702で、最新の流動煙検出数または最新の緩慢煙検出数が所定の閾値(個数)以上であるか否かを判断し、少なくとも一方が所定の閾値以上のときステップS703に進み、両方が所定の閾値未満のとき火災判別手順を終了する。
ステップS703で、検出数記憶部19に直近の複数回の火災判別手順の度に記憶された流動煙検出数および緩慢煙検出数を読み出す。
ステップS704で、所定の閾値以上の最新の流動煙検出数または最新の緩慢煙検出数に関する直近の所定の回数の火災判別手順で記憶された値が連続して所定の閾値以上であるか否かを判断し、連続して所定の閾値以上であるときステップS705に進み、それ以外のとき火災判別手順を終了する。
このように火災か否かの判別は、ある時点における、煙ありと判別された検出領域の数が所定値以上であって、空間的に見て、煙があると判別でき、更に、煙ありと判別された検出領域の数が、連続する時間において、所定回数以上あって、時間的に見ても、煙があると判別できる時、つまり所定期間内における煙ありの検出領域の数が高いときに、火災発生と判別する。
ステップS705で、火災が発生したと判別して警報を発して火災判別手順を終了する。
図22において、画像内には、複数、ここでは、便宜上、A〜Iまでの9つの検出領域が複数設定されているものとする。この図においては、時間t0〜t5において、カメラで撮影される室内に煙が充満していく様子を示している。
煙検出装置における火災判別の閾値は、例えば、6/9と設定されている。この「9」は検出領域の数を示し、「6」は、その検出領域のうち、煙検出手段において煙が検出され、煙有りと判断された検出領域の数を表す。
順次、同じように計算すると、t3では「5」、t4では「5」、t6では「6」(=3+1+2)となる。即ち、このような煙の発生の場合には、t6において、火災が判別されることになる。
この火災判別の方法は、ある時間での煙有りの検出領域の個数、そして所定時間内における煙有りの検出領域の個数を考慮していることになり、言い換えれば、画像内における煙有りの検出領域の密度(時間的空間的密度)が、所定値を越えた時に、煙の発生をとらえるものである。煙の場合、常に、その大きさ(領域)は変動しているので、例えば、時間t1で検出領域Hで煙有りと判断されても、時間t2では、煙が検出領域Eに移動して、検出領域Hからなくなるということがある。また、煙は、時間が経過すれば、必ず、空間的に広がって、検出される領域の個数は増加する傾向にあるから、このような判別方法は、煙検出にあたって、有効な判別の仕方と考えられる。
この発明の実施の形態2に係わる火災検出装置は、実施の形態1に係わる火災検出装置と検出領域設定手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。実施の形態2に係わる検出領域設定手段は、更新した基準画像データを領域で全画像に亘り走査して、各領域のコントラストを算出し、コントラストの最も大きな領域を第1の検出領域と設定し、さらに第1の検出領域に重ならずにコントラストの大きな領域を第2の検出領域と設定し、これを所定の数の検出領域が設定するまで繰り返す。
この発明の実施の形態3に係わる火災検出装置は、実施の形態1に係わる火災検出装置と微分値総和比率演算手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。実施の形態3に係わる微分値総和比率演算手段は、基準画像の当該検出領域の空間微分値と最近画像の当該検出領域の空間微分値との比を画素毎に求め、その比を検出領域全体に亘って積分して当該検出領域に対する空間微分値の総和の比率を求める。
この発明の実施の形態4に係わる火災検出装置は、実施の形態1に係わる火災検出装置と計測線設定手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。実施の形態4に係わる計測線設定手段は、検出領域毎に動き検出画素を重み1、動きが検出されない画素を重み0として領域の重心を求め、同様に隣接する領域の重心を求め、重心間を結ぶ直線に一番近い領域の中心を通る水平、垂直または対角方向の線分を計測線として設定する。
この発明の実施の形態5に係わる火災検出装置は、実施の形態1に係わる火災検出装置と火災判別手段が異なり、それ以外は同様であるので同様な部分に同じ符号を付記して説明は省略する。
実施の形態5に係わる火災判別手段は、流動煙検出手段36により流動煙の発生と判別された検出領域の数と緩慢煙検出手段37により緩慢煙の発生と判別された検出領域の数を検出数記憶部19に記憶し、検出数記憶部19から過去の検出領域に関する検出数を時系列データとして読み出し、検出数に関する回帰直線を求め、回帰直線の傾きが所定の傾きを超えて大きいとき火災と判別する。
Claims (2)
- カメラで撮影される画像を画像処理することにより撮影された範囲内での煙の発生を検出する煙検出装置において、
撮影された範囲内に、所定の検出領域を設定する検出領域設定手段を設け、
該検出領域内における、煙検出判定要素の2つ以上を演算する演算手段を設けて、該検出領域内の煙の発生を検出し、
前記煙検出判定要素は、透過率、収束輝度値、周波数スペクトル、平均輝度の平均値、平均輝度の分散からなり、
前記演算手段は、前記検出領域の透過率を演算する透過率演算手段;前記検出領域の収束輝度値を演算する収束輝度値演算手段;前記検出領域の輝度の平均及び分散を演算する輝度平均分散演算手段;前記検出領域の平均輝度の時系列データを周波数分析して周波数スペクトルを求める平均輝度周波数分析手段;の
いずれか2つ以上を備えている
ことを特徴とする煙検出装置。 - 透過率が所定の閾値以下、且つ前記収束輝度値が所定の閾値以上、且つ上記周波数スペクトルの強度が所定の強度以下または上記周波数スペクトルの強度の積分値が低周波数帯ほど大きいとき煙が発生したと判別することを特徴とする請求項1記載の煙検出装置。
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