JPH09293141A - 移動物体検出装置 - Google Patents

移動物体検出装置

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JPH09293141A
JPH09293141A JP8102796A JP10279696A JPH09293141A JP H09293141 A JPH09293141 A JP H09293141A JP 8102796 A JP8102796 A JP 8102796A JP 10279696 A JP10279696 A JP 10279696A JP H09293141 A JPH09293141 A JP H09293141A
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moving object
image
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images
unit
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JP8102796A
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Tadaaki Kitamura
忠明 北村
Chieko Konuma
小沼  知恵子
Yoshiki Kobayashi
小林  芳樹
Akira Uchida
晃 内田
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動物体の検出を高精度に行う移動物体検出
装置を提供する。 【解決手段】 ITVカメラ100で撮影された監視領域の画
像から変化領域抽出部300が差分画像とその濃度ヒスト
グラムを生成し、移動物体候補判定部400は濃度ヒスト
グラムより移動物体の候補の有無を判定する。候補あり
と判定された場合、連続画像入力部500が監視領域の画
像を連続して複数取り込み、取り込まれた画像を用いて
変化領域抽出部300は濃度ヒストグラムに基づくしきい
値により2値画像を生成する。特徴量抽出部600が、変
化領域抽出部300で生成された差分画像や2値画像から
複数種類の特徴量を抽出し、移動物体識別部700は抽出
された特徴量から、上記候補が所定の複数種類の検出対
象(外乱を含む)のいずれであるかを判定することで、
移動物体の検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理技術を用
いて移動物体の検出を行う移動物体検出装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、監視領域を特定の時間間隔で撮像
し、撮像した画像間の差分を表す差分画像を順次生成
し、生成した差分画像を処理することで監視領域内の移
動物体を検出する装置が知られている。
【0003】特開平6-103471号公報記載の装置では、生
成した差分画像において輝度が所定の値より小さい画素
について濃度ヒストグラム(濃度毎に累計した画素の度
数分布)を生成し、当該濃度ヒストグラムの形状を解析
することで、移動物体の有無を判定する。そして、順次
生成される差分画像毎に、濃度ヒストグラムの生成、解
析、判定を繰り返す。この装置では、日照変化が判定に
及ぼす影響を低減できるが、検出した移動物体が何であ
るかの識別を行うことはできない。
【0004】特開平6-20049号公報記載の装置では、生
成した差分画像の2値化により2値画像を生成し、生成
した2値画像において隣接して表示される画素群の面積
などの特徴量を抽出し、抽出した特徴量により移動物体
が人間であるか否かの判定を行う。そして、順次生成さ
れる差分画像毎に、以上の処理を繰り返す。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の装置では、差分画像を生成する時間間隔(すなわ
ち、監視領域の画像を撮像する時間間隔)において、移
動物体の検出や識別の処理を完了させなければならな
い。1回の検出(識別を含む)に要する時間が差分画像
の生成間隔より長くなると処理できない差分画像が生
じ、検出漏れが生じ易くなる。撮像の間隔を長くした場
合にも同様に、高速に移動する物体を撮像できる回数が
減少することから、検出漏れが生じ易くなる。このた
め、従来の装置では、検出に要する処理時間が制限さ
れ、その結果、検出の精度も制限される。例えば、特開
平6-20049号公報記載の技術では、処理時間の制限によ
り、検出に用いる2値画像の特徴量の種類を増やすこと
が難しく、このため、検出可能な物体の種類を増やした
り、物体毎の検出の精度を高めることは困難である。
【0006】そこで、本発明は、より高い精度で移動物
体を検出することが可能な移動物体検出装置を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による移動物体検
出装置は、電子カメラにより所定の時間間隔で順次撮像
した監視領域の画像を処理して、前記監視領域内の移動
物体の検出を行うものであって、前記撮像された監視領
域の画像を順次取り込み、取り込んだ画像に基づいて当
該画像内に移動物体の候補が存在するか否かを判定する
手段と、当該手段で候補が存在すると判定された場合
に、前記撮像された監視領域の画像を連続的に複数取り
込み、取り込んだ画像を保持する手段と、当該手段で保
持された画像に基づいて、前記移動物体の候補が所定の
物体であるか否かを判定する手段とを備えることを特徴
とする。
【0008】この発明の装置では、移動物体の候補あり
と判定した場合に、撮像された監視領域の画像を連続し
て複数取り込んで保持し、保持した画像を用いて候補の
識別を行うため、監視領域を撮像する時間間隔で識別を
完了させる必要はない。このため、例えば、撮像された
監視領域の画像間の差分画像からより多くの種類の特徴
量を抽出し、抽出した特徴量を用いて、より高度な識別
を行うことが可能となる。これにより、複数種類の検出
対象物の各々を識別することや、誤って移動物体の候補
と判定されたものを外乱として識別することも可能とな
り、従って、より高精度な検出が可能となる。
【0009】ところで、上記従来の装置では、監視者
は、装置が検出に用いた監視領域の画像を確認すること
ができず、装置の検出結果を信用するしかない。そこ
で、本発明は、上記発明の装置に対し、前記移動物体の
候補が所定の物体であるか否かを判定する手段の判定結
果と、前記複数の画像を保持する手段が保持している監
視領域の画像とを表示する手段を備えることを特徴とす
る。この発明の装置を利用する監視者は、当該装置の検
出結果を、検出時に撮像された監視領域の画像を見て検
証することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下で、本発明の実施の形態を、
図面を用いて説明する。
【0011】図1は、本発明の実施の形態に係る移動物
体検出装置のブロック図である。図1において、移動物
体検出装置は、監視領域の撮像を行うITVカメラ100と、
ITVカメラ100で撮像された撮像画像の画素毎の画像デー
タを生成する画像入力部200と、撮像画像のフレーム間
の差分値を表す差分画像、差分画像における濃度頻度分
布(濃度ヒストグラム)、および濃度頻度分布に基づく
2値画像を生成する変化領域抽出部300と、撮像画像に
おける移動物体の候補の存在の有無を判定する移動物体
候補判定部400と、移動物体の候補ありと判定された場
合に、ITVカメラ100の撮像画像を複数フレーム連続して
取り込む連続画像入力部500と、連続画像入力部500に取
り込まれた撮像画像の画像データを格納する画像格納部
1200と、変化領域抽出部300で生成された画像の各種特
徴量を抽出する特徴量抽出部600と、特徴量抽出部600で
抽出された各種特徴量に基づいて移動物体の候補の識別
を行う移動物体識別部700と、表示装置1400と、画像格
納部1200に格納された画像データの内容、および移動物
体識別部700の識別結果を表示装置1400に表示する結果
出力部1300により構成される。
【0012】図2は、画像入力部200の構成を示すブロ
ック図である。図2において、画像取り込み部Fk210と
画像取り込み部Fi220の各々は、ITVカメラ100からの撮
像画像を示すビデオ信号を取り込み、出力する。画像入
力部200の動作開始時の撮像画像のビデオ信号が背景画
像として画像取り込み部Fk210に1フレーム分取り込ま
れ、以降のビデオ信号は、画像取り込み部Fi220に順次
取り込まれる。A/D変換部230は、画像取り込み部Fk210
と画像取り込み部Fi220から出力されるビデオ信号をそ
れぞれ、画素毎の画像データに変換して、変化領域抽出
部300に出力する。ここで、画像データの値は画素の濃
淡を表す。なお、画像取り込み部Fk210と画像取り込み
部Fi220がフレーム毎に交互にビデオ信号を取り込むよ
うに、画像入力部200を構成してもよい。また、画像入
力部200は必ずしもITVカメラ100からのビデオ信号を連
続して取り込む必要はなく、ビデオ信号の特定間隔のフ
レームを間引いて取り込むように構成してもよい。
【0013】図3は、変化領域抽出部300の構成を示す
ブロック図である。
【0014】図3において、画像変換部Lk310と画像変
換部Li320は、画像入力部200の画像取り込み部Fk210の
ビデオ信号から生成された背景画像の画像データと、画
像取り込み部Fi220のビデオ信号から生成された画像デ
ータをそれぞれ取り込み、取り込んだ画像データの値
を、雑音成分を抑圧する特性で変換した後に、差分画像
算出部330に出力する。差分画像算出部330は、画像変換
部Lk310からの画像データと、画像変換部Li320からの画
像データの差分を算出することで、背景画像と撮像画像
間(または、連続して撮像された時間的に隣り合う撮像
画像間)の差分画像の画像データを生成する。この画像
データの生成の各時点で差分の算出に用いられる2つの
画像データは共に、撮像画像における同じ位置の画素に
対応している。一方、移動物体候補判定部400で移動物
体ありと判定された場合には、画像変換部Li320は、画
像入力部200からの画像データではなく、連続画像入力
部500に入力された画像データを取り込む。
【0015】濃度頻度分布算出部340は、差分画像算出
部330で生成された差分画像の画像データから、濃度頻
度分布Hj(j=0,1,・・・,n)を算出する。ここで、jは差
分画像における濃度を示し、nはその最大値を示す。ノ
イズ除去部350は、濃度頻度分布算出部340で算出された
濃度頻度分布Hjに数1の演算(平滑化)を施すこと
で、濃度頻度分布Hjにおける特にホワイト雑音の影響
を除去する。平滑化後の濃度頻度分布Hjは、移動物体
候補判定部400と、2値化しきい値算出部360に出力され
る。
【0016】(数1) Hk = ( Hk-1+ 2Hk + Hk+1)/4-1(但し、k=1,
2,・・・,n-1) H0 = ( 2H0 + H1)/3-1 Hn = ( 2Hn + Hn-1)/3-1 2値化しきい値算出部360は、ノイズ除去部350からの濃
度頻度分布Hjに基づいて、差分画像から移動物体の画
像を抽出するための2値化しきい値を算出する。2値化
処理部370は、2値化しきい値算出部360で算出された2
値化しきい値に基づいて、差分画像算出部330からの差
分画像を2値画像に変換し、さらに、変換した2値画像
において微少面積で固まって表示される画素群を雑音と
して除去する。こうして生成された2値画像は、特徴量
抽出部600に出力される。
【0017】図4は、変化領域抽出部の他の構成例を示
すブロック図である。図4における変化領域抽出部301
は、図3の変化領域抽出部300から画像変換部Lk310と画
像変換部Li320を取り除いたものである。図4の差分画
像算出部330は、画像入力部200からの画像データ、また
は、連続画像入力部500からの画像データを変換なしに
取り込み、差分画像の生成を行う。他の部分の動作につ
いては、図3の変化領域抽出部300と同じである。図4
の構成は、撮像画像に付加されるホワイト雑音のレベル
が小さい場合に有効であり、回路規模を削減する効果が
ある。
【0018】図5は、変化領域抽出部の他の構成例を示
すブロック図である。図5に示す変化領域抽出部302
は、図3の変化領域抽出部300に、差分画像算出部の処
理対象の画素の領域が設定される領域設定部380を備え
たものである。図5において、差分画像算出部332は、
領域設定部380に設定された領域のみの差分画像を生成
する。領域設定部380に設定される領域は、利用者がマ
ウスやキーボード等の操作により指定・変更することが
できる。他の部分については、図3の変化領域抽出部30
0と同じである。図5の構成は、移動物体の移動経路を
撮像画像内の特定の領域に限定できる場合に有効であ
り、差分画像算出部以降の各部の回路規模や処理時間の
低減を可能とする。
【0019】図6は、画像入力部200の画像変換部Lk310
と画像変換部Li320における画像データの変換特性の一
例を示す図である。図6において、横軸は入力した画像
データが示す画素の濃度、縦軸は変換特性306による変
換後の画像データが示す画素の濃度をそれぞれ示す。こ
こでは、変換前および変換後の画像データの値(濃度)
を共に0〜127の範囲としている。また、変換特性306
は、入力が“127”の時に出力も“127”となる対数関数
304に定数を加え、出力の上限を“127”としたものであ
る。対数関数304に加える定数は、撮像環境の状態(照
度など)に応じて変更し、例えば、昼間の屋外環境にお
いて撮像を行う場合には“10”程度とすればよい。上記
の変換により、撮像画像に付加された特にホワイト雑音
を低減できる。
【0020】図7は、2値化しきい値算出部360におけ
る、しきい値の算出方法の説明図である。2値化しきい
値算出部360は、ノイズ除去部350で平滑化された濃度頻
度分布Hjの特性から2値化画像の生成に用いる2値化
しきい値を決定する。
【0021】差分画像に現れる変化部分の画像領域が大
きい場合、濃度頻度分布Hjは、図7(a)に示すよう
な、少なくとも1つの極大値を持った特性となる。この
場合、2値化しきい値算出部360は、モード法に従って
2値化しきい値を決定する。すなわち、図7(a)にお
いて、濃度頻度分布Hjの最大濃度max362から濃度を減
少させつつ度数を調べ、最初に現れる極大値(濃度363
における度数)の次に現れる極小値を見つけ、その時の
濃度364を2値化しきい値thとする。これにより、差分
画像における変化部分の画像の濃度分布は、2値化しき
い値th364から最大濃度max362までの範囲と見なすこと
ができる。
【0022】しかし、差分画像に現れる変化部分の画像
領域が小さい場合には、度数が全体的に少なくなるため
に、濃度頻度分布Hjは、図7(b)のような、極大値
を持たない特性となる。この場合、2値化しきい値算出
部360は、最大濃度max362から特定の定数Cを引いたもの
を2値化しきい値th368とする。ただし、求めた2値化
しきい値が、予め設定されたホワイト雑音の下限しきい
値thmin366より小さくなる場合には、下限しきい値thmi
n366とする。すなわち、次式により2値化しきい値を算
出する。
【0023】(数2) th = max - C (ただし、max - C≧thmin 、C:定
数 ) th = thmin (ただし、max - C<thmin ) ここで、下限しきい値thminは、正常時の撮像画像全体
に付加される雑音成分の上限値である。定数Cは、ホワ
イト雑音がさらに付加された場合の雑音成分の上限値
(上限しきい値thmax)から、下限しきい値thminを引い
た値となる。これらは、予め撮像画像の雑音成分を観測
し求めておく。例えば、昼間の屋外環境の撮像画像にお
いては、ホワイト雑音を含む雑音成分の上限しきい値th
maxは12〜14階調程度で、下限しきい値thminは4〜5階調
程度である。従って、この場合の定数Cは、数2より7〜
10階調程度となる。なお、定数Cは、撮像画像の通常状
態における雑音成分の変動幅を示すものであればよく、
上記以外の方法で求めてもよい。
【0024】図8は、2値化処理部370の構成を示すブ
ロック図である。図8において、2値化部374は、差分
画像算出部330で生成された差分画像の画像データの
内、2値化部374で算出された2値化しきい値以下の画
像データを全て“0”とし、他の画像データは“1”に変
更する。これにより得られる2値画像に対し、微小面積
除去部376は、隣接する“1”値の画素群を抽出し、特定
の画素数(面積)以下の画素群を雑音として除去する。
この特定の画素数は、検出対象の大きさに応じて変化さ
せ、例えば、数十画素の塊となる人物を検出対象とする
場合には、それよりも小さい値とする。
【0025】図9は、移動物体候補判定部400の構成を
示すブロック図である。図9において、最大濃度判定部
415は、ノイズ除去部350から供給される濃度頻度分布H
jの最大濃度(図7のmax362)により、撮像画像におけ
る移動物体の候補の存在の有無を判定する。そして、移
動物体の候補なしと判定した場合には、新たな差分画像
の濃度頻度分布Hjの取り込みと、判定を繰り返す。移
動物体の候補ありの場合には、連続画像入力部500に対
し撮像画像の入力を指示する。ここで、最大濃度判定部
415が移動物体ありと判定するのは、数2の定数値Cの算
出に用いたホワイト雑音の上限しきい値thmaxより、差
分画像の最大濃度max362が大きい場合である。例えば、
昼間の屋外で撮像した撮像画像に人物全体が存在すれ
ば、最大濃度max362は約20階調以上となり、上述の上限
しきい値thmaxの12〜14階調程度より大きいので、候補
ありと判定する。なお、最大値maxは数1の平滑化処理
によりホワイト雑音の影響が低減されているため、判定
は精度良く行われる。
【0026】図10は、連続画像入力部500の構成を示
すブロック図である。図10において、n個の画像取り
込み部510〜51nは、移動物体候補判定部400からの指示
に従いITVカメラ100のビデオ信号をnフレーム分連続し
て取り込み、A/D変換部520に出力する。A/D変換部520
は、画像取り込み部510〜51nより入力されるビデオ信号
を画像データに変換して変化領域抽出部300と画像格納
部1200に出力する。
【0027】図11は、特徴量抽出部600の構成を示す
ブロック図である。
【0028】特徴量抽出部600は、連続画像入力部500に
取り込まれた撮像画像に基づいて変化領域抽出部300で
生成された差分画像と2値化画像を取り込み、取り込ん
だ画像の各種特徴量を抽出する。特徴量の抽出は、取り
込んだ画像のフレーム毎に行われる。また、抽出される
特徴量には、図10の、濃度の分散算出部610で算出さ
れる濃度の分散値、移動距離算出部620で算出される移
動距離、移動方向算出部630で算出される移動方向と位
置、面積算出部640で算出される面積、そして、縦横比
算出部650で算出される縦横比が含まれる。
【0029】濃度の分散算出部610は、差分画像算出部3
30で得られた差分画像における濃度の分散値か、また
は、2値化処理部370で得られた2値画像の“1”値の画
素群と同じ位置の、差分画像の画素群における濃度の分
散値を算出する。移動距離算出部620は、上記2値画像
の内の“1”値の画素群の重心位置を求め、その結果と
1つ前のフレームの処理で得た重心位置との比較により
移動物体の移動距離(または、移動速度)を算出する。
移動方向算出部630は、移動距離算出部620が求めた重心
位置と1つ前のフレームの処理で得た重心位置との比較
により、重心位置の移動方向を算出する。面積算出部64
0は、上記2値画像における“1”値の画素群の画素数か
ら面積を算出する。縦横比算出部650は、上記2値画像
における“1”値の画素群について、X軸の各位置毎に画
素数を累積したX投影分布と、Y軸の各位置毎に画素数を
累積したY投影分布を求め、両投影分布により定まる領
域の縦横比を算出する。
【0030】図12は、移動物体識別部700の識別対象
物の特徴の説明図である。
【0031】移動物体識別部700は、特徴量抽出部600で
抽出された特徴量(濃度の分散値、移動距離、移動方
向、面積、縦横比)を、実験的に得た各識別対象物の特
徴量と比較することで、移動物体の候補の識別を行う。
ここでは、識別対象となる人物、落下物、動物の各種特
徴量について説明する。
【0032】撮像された移動物体が人物である場合(71
0)、特徴量抽出部600で抽出される特徴量は、濃度の分
散値が大きく、移動距離が小から大の広範囲で、面積が
大きく、形状が縦に長く、かつ、移動の方向が非垂直方
向(撮像画像の上下方向でない方向)となる。例えば、
昼間の屋外で目視で明らかに確認できる人物の場合に
は、濃度の分散値の範囲が約5.0〜10.0、移動距離の範
囲が約20〜30画素、面積の範囲が約50〜100画素、縦横
比が約3:1となる。このため、抽出した全ての特徴量が
上記の範囲に収まる場合には、候補を人物と判定するこ
とができる。撮像された移動物体が落下物の場合(72
0)、濃度の分散値が小さく、移動距離が大きく、面積
が小から大の広範囲で、形状が不定形で、かつ、移動の
方向が垂直方向となる。動物の場合(730)は、濃度の
分散値が小から大の広範囲で、移動距離が小から大の広
範囲で、面積が小から大の広範囲で、形状が横長または
縦横比が同程度で、かつ、移動の方向が非垂直方向とな
る。落下物と動物についても、上記の人物の場合と同様
に、特徴量の値の範囲が決まる。
【0033】図13は、移動物体識別部700の識別手順
を示すフローチャートである。
【0034】移動物体識別部700で行われる各種判定に
は上記人物について示したような数値の範囲が用いられ
るが、以下の説明では、簡略化のために、大きい、小さ
いなどの抽象的な表現を使う。
【0035】図13において、移動物体識別部700は、
まず、ステップ800で濃度の分散値が大きいか否かチェ
ックし、濃度の分散値が大きい場合、ステップ810でX投
影分布とY投影分布を用いて形状が縦長か否かチェック
し、形状が縦長の場合、ステップ820で面積をチェック
し、面積が大きいならばステップ830で移動の方向をチ
ェックし、移動の方向が非垂直的ならば、ステップ840
で移動物体を人物と判定する。ステップ830で移動の方
向が垂直方向、または、ステップ820で面積が小さいと
判定した場合にはステップ850で外乱と判定する。ステ
ップ810で形状が縦長でない場合、ステップ860で移動の
方向をチェックし、移動の方向が非垂直方向ならば動物
と判定し、非垂直方向でない場合にはステップ850で外
乱と判定する。ステップ800で濃度の分散値が小さいと
判定した場合、ステッ880で移動の方向をチェックし、
移動の方向が垂直的ならば、ステップ890で移動距離を
チェックし、移動距離が大きい場合にはステップ900で
落下物と判定し、移動距離が大きくない場合にはステッ
プ910で外乱と判定する。ステップ880で移動の方向が垂
直方向でないと判定した場合、ステップ920で形状と縦
横比をチェックし、形状が横長または縦横比が同程度な
らばステップ930で動物と判定し、形状が横長でなく縦
横比が同程度でない場合にはステップ910で外乱と判定
する。
【0036】図14は、移動物体識別部600の別の実現
例を示す図である。図14において、移動物体識別部60
0は、3層構成(入力層1100、中間層1110、出力層112
0)のニューラルネットにより構成される。ニューラル
ネットの入力層1100のニューロンには、特徴量抽出部60
0が抽出した濃度の分散値 、移動距離、移動方向、面
積、および縦横比が、時間的に連続する複数フレーム分
同時に入力される。出力層1120は、識別対象物(外乱を
含む)の各々に1対1で対応するニューロンからなり、
この内で特定の大きさ以上の値を出力するニューロンに
対応する識別対象が識別結果となる。なお、このニュー
ラルネットでは、予め、バック・プロパゲーションによ
る学習が行われる。学習の際には、操作者が、撮像され
ている識別対象物を示す教師信号を出力層1120に入力す
ることで、重み1130,1140の更新が行われる。
【0037】図15は、表示装置1400の表示例を示す図
である。結果出力部1300は、移動物体識別部700の識別
結果と、画像格納部1200に格納されている画像データを
取り込んで、表示装置1400に表示する。図15では、画
像格納部1200に格納された撮像画像により走っている人
物の画像1410、1420、1430が表示され、また、移動物体
識別部700の識別結果として「人物」1470が表示されて
いる。なお、特徴量抽出部600が抽出した各種特徴量の
表示を行うように結果出力部1300を構成することもでき
る。図15では、特徴量抽出部600で得られた画素群の
重心を用いて移動物体の移動方向1450、1460が表示さ
れ、さらに、画素群の面積、移動距離に基づいて大きさ
と移動速度1480が表示されている。この表示により、監
視者は、検出対象物が検出されたを知る一方、画像や各
種特徴量により装置の検出結果を検証することができ
る。
【0038】なお、本実施形態では、移動物体の候補の
検出に係わる処理と、候補の識別に係わる処理が変化領
域抽出部300を共用しているが、これら各処理で必要と
なる変化領域抽出部300の機能を個別に実現し、各処理
を独立して実施できるようにしてもよい。すなわち、画
像入力部200と移動物体候補判定部400の間に設けられた
変化領域抽出部300とは別に、連続画像入力部500と特徴
量入力部600の間に変化領域抽出部300を設けてもよい。
【0039】以上で説明したように、本実施形態の装置
では、変化領域抽出部300が差分画像の濃度頻度分布を
生成し、移動物体候補判定部400がその濃度頻度分布の
最大濃度値から候補の有無の判定を行うことから、候補
の判定(検出)に要する時間は比較的に短い時間で済
む。このため、監視領域の撮像画像を取り込む間隔が短
くなり、高速に移動する物体を検出することが可能とな
る。また、濃度頻度分布の雑音成分が平滑化により低減
されるため、検出の精度も向上する。
【0040】また、移動物体候補判定部400で候補が検
出されると、連続画像入力部500が撮像画像を連続して
複数格納し、格納された複数の撮像画像をもとに候補の
識別が行われる構成であるため、識別の処理に費やす時
間の制限が緩和される。特徴量抽出部600が差分画像お
よび2値画像の特徴量を複数種類抽出し、移動物体識別
部700が、抽出された各特徴量を総合的に分析して候補
を識別するため、検出の精度は向上する。
【0041】また、撮像画像の差分画像や、その差分画
像の濃度頻度分布に基づいて生成された2値画像が、候
補の検出や識別に用いられ、撮像画像と濃度頻度分布に
は雑音を低減する処理が施されるため、撮像画像が照度
変化やノイズの影響を受けている場合にも、高精度な検
出が可能である。
【0042】さらに、連続画像入力部500に取り込ま
れ、画像格納部1200に格納された撮像画像、特徴量抽出
部で抽出された特徴量、および移動物体識別部700の識
別結果が表示装置1400に表示されるため、監視者はその
表示から装置の検出結果を検証することができる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、より高い精度で移動物
体を検出することが可能な移動物体検出装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る移動物体検出装置
のブロック図である。
【図2】 図1の画像入力部を示すブロック図である。
【図3】 図1の変化領域抽出部を示すブロック図であ
る。
【図4】 変化領域抽出部の他の構成例を示すブロック
図である。
【図5】 変化領域抽出部の他の構成例を示すブロック
図である。
【図6】 図3の画像変換部の変換特性を示す図であ
る。
【図7】 図3の2値化しきい値算出部の処理の説明図
である。
【図8】 図3の2値化処理部を示すブロック図であ
る。
【図9】 図1の移動物体候補判定部を示すブロック図
である。
【図10】 図1の連続画像入力部を示すブロック図で
ある。
【図11】 図1の特徴量抽出部を示すブロック図であ
る。
【図12】 図1の移動物体識別部の検出対象物の特徴
を示す説明図である。
【図13】 移動物体識別部の識別手順を示すフローチ
ャートである。
【図14】 移動物体識別部の他の実現例(ニューラル
ネット)を示す図。
【図15】 図1の表示装置における検出結果の表示例
である。
【符号の説明】
100…ITVカメラ、200…画像入力部、300…変化領域抽出
部、400…移動物体候補判定部、500…連続画像入力部、
600…特徴量抽出部、700…移動物体識別部、1300…結果
出力部、1400…表示装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田 晃 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子カメラにより所定の時間間隔で順次撮
    像した監視領域の画像を処理して、前記監視領域内の移
    動物体の検出を行う移動物体検出装置であって、 前記撮像された監視領域の画像を順次取り込み、取り込
    んだ画像に基づいて当該画像内に移動物体の候補が存在
    するか否かを判定する手段と、 当該手段で候補が存在すると判定された場合に、前記撮
    像された監視領域の画像を連続的に複数取り込み、取り
    込んだ画像を保持する手段と、 当該手段に保持されている画像に基づいて、前記移動物
    体の候補が所定の物体であるか否かを判定する手段とを
    備えることを特徴とする移動物体検出装置。
  2. 【請求項2】電子カメラにより所定の時間間隔で順次撮
    像した監視領域の画像を処理して、前記監視領域内の移
    動物体の検出を行う移動物体検出装置であって、 前記撮像された監視領域の画像を順次取り込み、取り込
    んだ画像の内の2つの画像間の画素毎の濃度の差分値を
    表す差分画像を生成する手段と、 当該手段で生成された差分画像の各画素の濃度から濃度
    ヒストグラムを生成する手段と、 当該手段で生成された濃度ヒストグラムに基づいて、前
    記撮像された監視領域の画像に移動物体の候補が存在す
    るか否かを判定する手段と、 当該手段で候補が存在すると判定された場合に、前記撮
    像された監視領域の画像を連続的に複数取り込み、取り
    込んだ画像を保持する手段と、 当該手段で保持された画像の内の2つの画像の差分画像
    と、当該差分画像の濃度ヒストグラムを生成する手段
    と、 当該手段で生成された濃度ヒストグラムの特性により定
    まるしきい値に従って、前記差分画像から2値画像を生
    成する手段と、 当該手段で生成された2値画像、もしくは、当該2値画
    像と前記差分画像から、特徴量を複数種類抽出する手段
    と、 当該手段で抽出された複数種類の特徴量から、前記移動
    物体の候補が所定の物体であるか否かを判定する手段と
    を備えることを特徴とする移動物体検出装置。
  3. 【請求項3】請求項2記載の移動物体検出装置であっ
    て、 前記差分画像の生成に用いられる2つの画像の内の1つ
    の画像は、移動物体が存在しない状態で撮像した監視領
    域の画像であることを特徴とする移動物体検出装置。
  4. 【請求項4】請求項2記載の移動物体検出装置であっ
    て、 前記差分画像の濃度ヒストグラムにおける度数の変化を
    平滑化する手段を備えることを特徴とする移動物体検出
    装置。
  5. 【請求項5】請求項2記載の移動物体検出装置であっ
    て、 前記特徴量を複数種類抽出する手段は、前記差分画像か
    ら生成された2値画像において隣接して表示される画素
    群を検出し、特徴量として、前記検出した画素群の画素
    数と、当該画素群の形状と、当該画素群の移動方向と、
    当該画素群の移動速度と、当該画素群と同じ位置の前記
    差分画像の画素群における濃度値の分散とを算出するこ
    とを特徴とする移動物体検出装置。
  6. 【請求項6】請求項2記載の移動物体検出装置であっ
    て、 前記移動物体の候補が所定の物体であるか否かを判定す
    る手段は、前記移動物体の候補が、所定の複数種類の物
    体の内のいずれの物体であるか、もしくは、当該複数種
    類の物体と当該物体以外のもののいずれであるかを判定
    することを特徴とする移動物体検出装置。
  7. 【請求項7】請求項2または6記載の移動物体検出装置
    であって、 前記移動物体の候補が存在するか否かを判定する手段に
    おいて、前記候補が存在すると判定された場合に、前記
    移動物体の候補が所定の物体であるか否かを判定する手
    段の判定結果と、前記複数の画像を保持する手段で保持
    されている画像とを表示する手段を備えることを特徴と
    する移動物体検出装置。
  8. 【請求項8】請求項7記載の移動物体検出装置であっ
    て、 前記表示する手段は、前記移動物体の候補が存在すると
    判定された場合に、前記特徴量を抽出する手段で抽出さ
    れた特徴量も表示することを特徴とする移動物体検出装
    置。
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