JP5261129B2 - 光学的立体造形物の処理方法 - Google Patents
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光造形技術によって立体造形物を製造するに当たっては、光硬化性樹脂組成物よりなる造形面に、コンピューターで制御された光を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて所定の形状パターンを有する硬化樹脂層を形成し、その硬化樹脂層の上に更に1層分の光硬化性樹脂組成物を施して造形面を形成させ、その造形面にコンピューターで制御された光を選択的に照射して所定の厚みに光硬化させて所定の形状パターンを有する硬化樹脂層を形成するという造形操作を、所定の寸法および形状の立体造形物が得られるまで多数回繰り返す造形方法が一般に広く採用されている。
これらの洗浄処理により得られる光学的立体造形物では、洗浄によって光学的立体造形物の表面に付着していた未硬化物は除去されるが、洗浄剤が光学的立体造形物の表面に長く残っていたり、光学的立体造形物自体の硬化が未だ完全に行われていないためか、光学的立体造形物の表面がべたついていることが多く、光学的立体造形物の洗浄後に1週間程度放置しておくことによって漸く表面のべたつきが無くなるというのが実状である。
かかる点から、光造形直後の光学的立体造形物自体またはそれを洗浄して表面に付着している未硬化物を除去してなる光学的立体造形物の表面を、長期間放置しなくても、光造形後に速やかにべたつきの無い状態にすることのできる技術の開発が従来から求められてきた。
また、本発明者らは、べたつきを速やかに解消するための前記処理方法は、表面に付着していた未硬化物を洗浄剤で洗浄・除去した後の光学的立体造形物に対して適用した場合にも有効であることを見出した。
(1) 光学的立体造形物の表面を、セルロースエステルおよびセルロースエーテルから選ばれるセルロース系誘導体の少なくとも1種を溶解した溶液で処理することを特徴とする光学的立体造形物の処理方法である。
(2) セルロース系誘導体の少なくとも1種が、ニトロセルロース、アセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチリルセルロースおよびエチルセルロースから選ばれる少なくとも1種である前記した(1)の光学的立体造形物の処理方法;および、
(3) 光学的立体造形物が、ラジカル重合性有機化合物、カチオン重合性有機化合物、光感受性ラジカル重合開始剤および光感受性カチオン重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物である前記(1)または(2)の光学的立体造形物の処理方法;
である。
(4) 光学的立体造形物が、(A)分岐していてもよい炭素数8以上の長鎖アルキル基および長鎖アルケニル基から選ばれる基を1個以上有する(メタ)アクリレート系化合物、(B)分岐していてもよい炭素数8以上の長鎖アルキル基および長鎖アルケニル基から選ばれる基を1個以上有するエポキシ化合物、(C)ヒンダードフェノール系化合物、(D)アルキル基の炭素数が8以上であるジアルキルフタレート系化合物および(E)アルキル基の炭素数が8以上であるトリアルキルトリメリテート系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物である前記(1)〜(3)のいずれかの光学的立体造形物の処理方法;
(5) 光学的立体造形物が、オキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物およびオキセタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物から選ばれる少なくとも1種のオキセタン化合物を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物である前記(1)〜(4)のいずれかの光学的立体造形物の処理方法;
(6) 光学的立体造形物の表面のべたつきの解消を促進するための処理である、前記した(1)〜(5)のいずれかの光学的立体造形物の処理方法;および、
(7) 前記(1)〜(6)のいずれかの処理方法で得られる光学的立体造形物;
である。
本発明の処理方法は、光学的立体造形物の製造に用いた光硬化性樹脂組成物の種類や組成の如何に拘わらず、表面にべたつきのある光学的立体造形物のいずれに対しても有効に使用することができ、特に、カチオン重合性有機化合物、ラジカル重合性有機化合物、光感受性カチオン重合開始剤および光感受性ラジカル重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物の処理方法として有効である。
本発明では、光学的立体造形物の表面を、セルロースエステルおよびセルロースエーテルから選ばれるセルロース系誘導体の少なくとも1種を溶解した溶液で処理する。
本発明でいう「セルロースエステル」とは、セルロースの水酸基の一部または全部が酸によってエステル化された化合物の総称である。本発明で用い得るセルロースエステルの具体例としては、ニトロセルロース(硝酸セルロース)、アセチルセルロース(酢酸セルロース)、プロピオニルセルロース(プロピオン酸セルロース)、ブチリルセルロース(酪酸セルロース)、アセチルプロピオニルセルロース(酢酸プロピオン酸セルロース)、アセチルブチリルセルロース(酢酸酪酸セルロース)、吉草酸セルロース、カプロン酸セルロースなどを挙げることができる。
また、本発明でいう「セルロースエーテル」とは、セルロースの水酸基の一部または全部がエーテル化されたセルロースの総称であり、本発明で用い得るセルロースエーテルの具体例としては、エチルセルロース、メチルセルロース、ベンジルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどを挙げることができる。
本発明では、前記したセルロースエステルおよびセルロースエーテルから選ばれるセルロース系誘導体の1種または2種以上を用いることができる。
セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルを用いる場合であっても、溶媒に溶解せずに、非溶媒に分散させて分散液にして光学的立体造形物の処理を行なった場合には、光学的立体造形物表面のべたつきを速やかに解消することは困難である。
セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルを溶解するための溶媒としては、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルを溶解することができ、且つ光学的立体造形物に対して、例えば、外観の低下、透明性の低下、物性低下などの悪影響を及ぼさない溶媒であればいずれも使用することができる。
そのうちでも、ニトロセルロースを用いる場合は、溶媒として、アセトン、酢酸セロソルブが好ましく用いられる。
セルロース系誘導体溶液で処理した光学的立体造形物は、そのまま室温下に放置してもよいし、積極的な乾燥処理を行なってもよい。乾燥処理方法としては、冷風、温風、熱風による風乾、加熱炉による乾燥、真空乾燥などを挙げることができる。
しかも、本発明の処理方法を行なうことにより、光学的立体造形物の表面のべたつきの早期解消だけでなく、外観の向上をも達成することができる。
セルロース系誘導体溶液で処理することによって光学的立体造形物のべたつきが速やかに解消される理由は明確ではないが、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルが、光学的立体造形物の表面に存在する未反応の活性基などに対して酸化作用など及ぼすことによるのではないかと推測される。
前記(b)および(c)の光硬化性樹脂組成物、特に前記(c)の光硬化性樹脂組成物において、光硬化性樹脂組成物中に含まれるカチオン重合性有機化合物の一部として、オキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物およびオキセタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物から選ばれる少なくとも1種のオキセタン化合物を含有させると、光硬化性樹脂組成物の光硬化感度が向上すると共に、硬化時の体積収縮率の低減による寸法精度の向上、耐水性および耐湿性の改良による寸法安定性の向上などを図ることができる。
より具体的には、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート[ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなど]、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、前記したジオール、トリオール、テトラオール、ヘキサオールなどの多価アルコールのアルキレンオキシド付加物の(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。
そのうちでも、アルコール類の(メタ)アクリレートとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応により得られる1分子中に2個以上の(メタ)アクリル基を有する(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
また、前記した(メタ)アクリレート化合物のうちで、メタクリレート化合物よりも、アクリレート化合物が重合速度の点から好ましく用いられる。
また、上記したポリエーテル(メタ)アクリレートとしては、水酸基含有ポリエーテルとアクリル酸との反応により得られるポリエーテルアクリレートを挙げることができる。
モノオキセタン化合物(OXm)としては、1分子中にオキセタン基を1個有する化合物であればいずれも使用でき、例えば、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、3−メチル−3−フェノキシメチルオキセタン、分子中にオキセタン基1個とアルコール性水酸基1個を有するモノオキセタンモノアルコールなどを挙げることができ、そのうちでも、反応性、光硬化性樹脂組成物の粘度などの点からモノオキセンタンモノアルコール化合物が好ましく用いられる。
特に、モノオキセタンモノアルコール化合物のうちでも、下記の一般式(I−a)で表されるモノオキセタン化合物(I−a)および下記の一般式(I−b)で表されるモノオキセタン化合物(I−b)から選ばれる少なくとも1種のモノオキセタン化合物が、入手容易性、反応性などの点から好ましく用いられる。特に、モノオキセタン化合物(OXm)として、下記の一般式(I−b)で表されるモノオキセタン化合物(I−b)を用いると、光造形用樹脂組成物およびそれから得られる立体造形物の耐水性がより良好になる。
モノオキセタン化合物(I−a)の具体例としては、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−ノルマルブチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−プロピルオキセタンなどを挙げることができ、これらの1種または2種以上を用いることができる。そのうちでも、入手の容易性、反応性などの点から、3−ヒドロキシメチル−3−メチルオキセタン、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタンがより好ましく用いられる。
また、上記の一般式(I−b)において、R3は炭素数2〜10のアルキレン基であれば、鎖状のアルキレン基または分岐したアルキレン基のいずれであってもよく、或いはアルキレン基(アルキレン鎖)の途中にエーテル結合(エーテル系酸素原子)を有する炭素数2〜10の鎖状または分岐状のアルキレン基であってもよい。R3の具体例としては、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、エトキシエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、3−オキシペンチレン基などを挙げることができる。そのうちでも、R3はトリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘプタメチレン基またはエトキシエチレン基であることが、合成の容易性、化合物が常温で液体であり、取り扱い易いなどの点から好ましい。
特に、ジオキセタン化合物としては、下記の一般式(b);
(式中、2個のR4は互いに同じかまたは異なる炭素数1〜5のアルキル基、R5は芳香環を有しているかまたは有していない2価の有機基、rは0または1を示す。)
で表されるジオキセタン化合物(II)が、入手の容易性、反応性、低吸湿性、得られる硬化物の力学的特性などの点から好ましく用いられる。
また、上記の式(II−b)で表されるジオキセタン化合物の具体例としては、上記の式(II−b)において2個のR4が共にメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはペンチル基で、R5がエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n−ペンタメチレン基、n−ヘキサメチレン基など)、式:−CH2−Ph−CH2−または−CH2−Ph−Ph−CH2−で表される2価の基、水素添加ビスフェノールA残基、水素添加ビスフェノールF残基、水素添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサンジメタノール残基、トリシクロデカンジメタノール残基であるジオキセタン化合物を挙げることができる。
光造形用樹脂組成物は、前記したジオキセタン化合物のうちの1種または2種以上を含有することができる。
また、上記(b)および(c)の光硬化性樹脂組成物が、カチオン重合性有機化合物の一部としてオキセタン化合物を含有する場合は、オキセタン化合物の含有量は、カチオン重合性有機化合物の質量に基づいて、1〜70質量%であることが好ましく、1〜60質量%であることがより好ましい。
また、上記(c)の光硬化性樹脂組成物では、ラジカル重合性有機化合物:カチオン重合性有機化合物の含有割合が、質量比で、9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましい。
また、反応速度を向上させる目的で、必要に応じて、カチオン重合開始剤と共に光増感剤、例えばベンゾフェノン、ベンゾインアルキルエーテル、チオキサントンなどを用いてもよい。
かかる点から、本発明は、前記(A)〜(E)の化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を、ラジカル重合性有機化合物の一部としてまたはカチオン重合性有機化合物の一部として含有するか、或いはラジカル重合性有機化合物またはカチオン重合性有機化合物とは別の化合物として含有する光硬化性樹脂組成物、特に、前記(A)〜(E)の化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する上記(a)〜(c)のいずれかの光硬化性樹脂組成物を用いて製造した光学的立体造形物の処理方法を包含する[以下、前記(A)〜(E)の化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する光硬化性樹脂組成物を総称して、「光硬化性樹脂組成物(d)」という]。
ここで、(メタ)アクリレート系化合物(A)は、前記「分岐していてもよい炭素数8以上の長鎖アルキル基」および「分岐していてもよい炭素数8以上の長鎖アルケニル基」を、(メタ)アクリル酸の長鎖アルキルエステルまたは長鎖アルケニルエステルの形態で有していてもよいしまたはその他の形態(例えば炭素数9以上の飽和または不飽和脂肪酸に由来する炭素数8以上のアルキル基またはアルケニル基の形態など)で有していてもよい。そのうちでも、(メタ)アクリレート系化合物(A)が有する前記長鎖アルキル基および/または長鎖アルケニル基は、分岐していてもよい炭素数10以上の長鎖アルキル基および/または長鎖アルケニル基であることが、(メタ)アクリレート系化合物(A)に由来する物質の造形端面での偏析が良好に行われることから好ましく用いられる。
そのうちでも、ラウリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレートが、立体造形物の色相、平滑性の点から好ましく用いられる。
限定されるものではないが、ジアルキルフタレート系化合物(D)の具体例としては、ジ2−エチルヘキシルフタレート、ジノルマルオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジノルマルデシルフタレート、ジトリデシルフタレートなどを挙げることができる。
限定されるものではないが、トリアルキルトリメリテート系化合物(E)の具体例としては、トリ2−エチルヘキシルトリメリテート、トリノルマルオクチルトリメリテート、トリイソノニルトリメリテート、トリノルマルデシルトリメリテート、トリイソデシルトリメリテートなどを挙げることができる。
光硬化性樹脂組成物(d)における前記(A)〜(E)の化合物の含有割合は、光硬化性樹脂組成物(d)を構成する樹脂の種類、組成などに応じて調整できるが、一般的には、光硬化性樹脂組成物(d)の全質量に基づいて、1〜20質量%であることが好ましく、3〜10質量%であることがより好ましい。前記(A)〜(E)の化合物の含有割合が少なすぎると、光学的立体造形物の造形端面の凹凸部における前記(A)〜(E)の化合物および/またはそれに由来する物質の偏析量が少なくなって、凹凸度合の低減および造形端面の平滑化が達成できにくくなり、一方、前記(A)〜(E)の化合物の含有割合が多すぎると、活性エネルギー線を照射した際の硬化不良、造形精度の低下、偏析成分のブリードアウトによる立体造形物表面の汚染、洗浄性の悪化などを生ずることがある。
その際の活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線、放射線、高周波などを挙げることができる。そのうちでも、300〜400nmの波長を有する紫外線が経済的な観点から好ましく用いられ、その際の光源としては、紫外線レーザー(例えば半導体励起固体レーザー、Arレーザー、He−Cdレーザーなど)、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、紫外線LED(発光ダイオード)、紫外線蛍光灯などを使用することができる。
以下の例において、光学的立体造形物の表面のべたつきの有無(べたつきの大小)の評価および光学的立体造形物の透明度の測定は以下のようにして行なった。
以下の実施例および比較例においてそれぞれの処理を行なって得られた光学的立体造形物について、その表面[上下面および造形端面(側面)]を所定の時間毎に手で触れてみて、そのべたつき度合(べたつきの有無または大小)を、下記の表1に記載した評価基準に従って経時的に評価した。
以下の実施例および比較例において光学的立体造形物に対してそれぞれの処理を行なって24時間経過した時点に、四角板状の光学的立体造形物の一方の面(四角板の長方形状の上面)に直角な横方向から可視光線[波長340〜780nm(光学的立体造形物が吸収しない波長)]を照射し、当該光学的立体造形物を透過して四角板状の光学的立体造形物のもう一方の面(四角板の長方形状の下面)から出射した可視光線の量(エネルギー強度)を分光光度計(日立ハイテクノロジー製「U−3900H」)を使用して測定して、該光線の透過率(%)を求めて透明度とした。
(1)ニトロセルロース溶液の調製:
ニトロセルロース(TNC社製「TS−1/8」、置換度=25.5%)2質量部をアセトン100質量部に添加して25℃で撹拌し溶解して、ニトロセルロース溶液(ニトロセルロースのアセトン溶液)を調製した。
(2)光学的立体造形物の製造:
(i) 水素化ビスフェノールAジグリシジルエーテル60質量部、3−ヒドロキシメチル−3−エチルオキセタン20質量部、ビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート(カチオン重合開始剤)4質量部、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA−9530」)10質量部、ラウリルアクリレート6質量部および1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(ラジカル重合開始剤)3質量部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製し、これを遮光したタンクに収容した。
(ii) 上記(i)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、超高速光造形システム(ナブテスコ株式会社製「SOLIFORM500B」)を使用して、スペクトラフィジックス社製「半導体励起固体レーザーBL6型」(出力1000mW;波長355nm)を表面に対して垂直に照射して、照射エネルギー100mJ/cm2の条件下に、スライスピッチ(積層厚み)0.10mm、1層当たりの平均造形時間2分で光学的立体造形を行って、四角板状の光学的立体造形物(縦×横×厚さ=45mm×20mm×5mm)を製造した。これにより得られた、造形直後の光学的立体造形物(洗浄処理および後硬化処理を行なっていないもの)では、その全表面[上下面および側面(造形端面)]でべたつきが大きく、上記の表1の評価基準で「××」であった。
上記(2)で得られた光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに上記(1)で調製したニトロセルロース溶液(温度20℃)中に1分間浸漬し、次いでニトロセルロース溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、ニトロセルロース溶液から取り出してから5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価した。なお、表面のべたつきが無くなった時点で、べたつき度合の評価を終了した。その結果を下記の表2に示す。
また、ニトロセルロース溶液から取り出して24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(1)アセチルブチリルセルロース溶液の調製:
アセチルブチリルセルロース(イーストマンケミカル社製「CAB−553−0.4」)2質量部を、クロロホルム100質量部(実施例2)、ジクロロメタン100質量部(実施例3)、アセトン100質量部(実施例4)またはエタノール100質量部(実施例5)に添加して、25℃で撹拌し溶解して、アセチルブチリルセルロースのクロロホルム溶液(実施例2)、アセチルブチリルセルロースのジクロロメタン溶液(実施例3)、アセチルブチリルセルロースのアセトン溶液(実施例4)およびアセチルブチリルセルロースのエタノール溶液(実施例5)をそれぞれ調製した。
(2)光学的立体造形物のアセチルブチリルセルロース溶液による処理:
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに上記(1)で調製したそれぞれのアセチルブチリルセルロース溶液(温度20℃)中に1分間浸漬し、次いでそれぞれのアセチルブチリルセルロース溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、アセチルブチリルセルロース溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価した。なお、表面のべたつきが無くなった時点で、べたつき度合の評価を終了した。その結果を下記の表2に示す。
また、アセチルブチリルセルロース溶液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(1)アセチルプロピオニルセルロース溶液の調製:
アセチルプロピオニルセルロース(イーストマンケミカル社製「CAP−504−0.2」)2質量部をアセトン100質量部に添加して、25℃で撹拌し溶解して、アセチルプロピオニルセルロース溶液(アセチルプロピオニルセルロースのアセトン溶液)を調製した。
(2)光学的立体造形物のアセチルプロピオニルセルロース溶液による処理:
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに、上記(1)で調製したアセチルプロピオニルセルロース溶液(温度20℃)中に1分間浸漬し、次いでアセチルプロピオニルセルロース溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、アセチルプロピオニルセルロース溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価した。なお、表面のべたつきが無くなった時点で、べたつき度合の評価を終了した。その結果を下記の表2に示す。
また、アセチルプロピオニルセルロース溶液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(1)アセチルセルロース溶液の調製:
アセチルセルロース(ダイセル化学社製「L−20」、アセチル化度=55%)2質量部を酢酸メチル100質量部に添加して、25℃で撹拌し溶解して、アセチルセルロース溶液(アセチルセルロースの酢酸メチル溶液)を調製した。
(2)光学的立体造形物のアセチルセルロース溶液による処理:
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに上記(1)で調製したアセチルセルロース溶液(温度20℃)中に1分間浸漬し、次いでアセチルセルロース溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、アセチルセルロース溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価した。なお、表面のべたつきが無くなった時点で、べたつき度合の評価を終了した。その結果を下記の表2に示す。
また、アセチルセルロース溶液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
(1)エチルセルロース溶液の調製:
エチルセルロース(純性化学社製「エチルセルロース」、エトキシ基含有量=43〜50%)2質量部を酢酸エチル100質量部に添加して、25℃で撹拌し溶解して、エチルセルロース溶液(エチルセルロースの酢酸エチル溶液)を調製した。
(2)光学的立体造形物のエチルセルロース溶液による処理:
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに上記(1)で調製したエチルセルロース溶液(温度20℃)中に1分間浸漬し、次いでエチルセルロース溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、エチルセルロース溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価した。なお、表面のべたつきが無くなった時点で、べたつき度合の評価を終了した。その結果を下記の表2に示す。
また、エチルセルロース溶液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表2に示すとおりであった。
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに温度20℃のアセトン中にそのまま直接1分間浸漬し、次いでアセトンから取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、アセトンから取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後、および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ下記の表3に示すとおりであった。
また、アセトンから取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに温度20℃のイソプロピルアルコール中にそのまま直接1分間浸漬し、次いでイソプロピルアルコールから取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、イソプロピルアルコールから取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ下記の表3に示すとおりであった。
また、イソプロピルアルコールから取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに、ポリカーボネート[テイジン化成社製「パーンライトAD−5503(粉末)」]2質量部をクロロホルム100質量部に溶解したポリカーボネート溶液中に1分間浸漬するか(比較例3)、またはポリスチレン(積水化成工業社製「PNビーズ」)2質量部をリモネン100質量部に溶解したポリスチレン溶液中に1分間浸漬し(比較例4)、次いでポリカーボネート溶液またはポリスチレン溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、それらの溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ下記の表3に示すとおりであった。
また、ポリカーボネート溶液またはポリスチレン溶液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちにナフテン酸コバルト(東京化成製、試薬)2質量部をヘキサン100質量部に溶解したナフテン酸コバルト溶液中に造形後に直ちに1分間浸漬し、次いでナフテン酸コバルト溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
また、ナフテン酸コバルト溶液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに3%過酸化水素水(大洋製薬製)中に1分間浸漬し、次いで過酸化水素水から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
また、過酸化水素水から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
(1) 実施例1で使用したのと同じニトロセルロース2質量部をクロロホルム100質量部に添加して温度25℃で十分に撹拌したが、ニトロセルロースはクロロホルムに溶解せず、ニトロセルロース分散液となった。
(2) 実施例1の(2)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに上記(1)で調製したニトロセルロース分散液(温度20℃)中に1分間浸漬し、次いでニトロセルロース分散溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、エチルセルロース溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ、下記の表3に示すとおりであった。
また、ニトロセルロース分散液から取り出してから24時間経過した時点で、光学的立体造形物の透明度を上記した方法で測定したところ、下記の表3に示すとおりであった。
それに対して、セルロースエステルおよび/またはセルロースエーテルを溶解含有していない溶媒のみで光学的立体造形物を処理した比較例1および2、ポリカーボネートの溶液で処理した比較例3、ポリスチレンの溶液で処理した比較例4、ナフテン酸コバルトの溶液で処理した比較例5、過酸化水素水で処理した比較例6、並びにニトロセルロースを含有しているがニトロセルロースが溶媒中に溶解しておらず分散しているニトロセルロース分散液で処理した比較例7では、光学的立体造形物の表面のべたつきが短時間で解消しなかった。
(1)光学的立体造形物の製造:
(i) 1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル60質量部、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート5質量部、ジペンタエリスリトールポリアクリレート(新中村化学工業株式会社製「NKエステルA−9530」)10質量部、(3−エチル−3−オキセタニル)メチルアクリレート20質量部、ビス−〔4−(ジフェニルスルホニオ)フェニル〕スルフィドビスジヘキサフルオロアンチモネート(カチオン重合開始剤)4質量部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(ラジカル重合開始剤)3質量部およびペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ製)6質量部をよく混合して光硬化性樹脂組成物を調製し、これを遮光したタンクに収容した。
(ii) 上記(i)で得られた光硬化性樹脂組成物を用いて、実施例1の(2)と同様にして光造形を行なって、四角板状の光学的立体造形物(縦×横×厚さ=45mm×20mm×5mm)を製造した。これにより得られた、造形直後の光学的立体造形物(洗浄処理および後硬化処理を行なっていないもの)では、その全表面[上下面および側面(造形端面)]でべたつきが大きく、上記の表1の評価基準で「××」であった。
上記(1)で得られた光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに、実施例1で使用したのと同じニトロセルロース2質量部をアセトン100質量部に溶解したニトロセルロース溶液(実施例9)、実施例2で使用したのと同じアセチルブチリルセルロース2質量部をクロロホルム100質量部に溶解したアセチルブチリルセルロース溶液(実施例10)または実施例8で用いたのと同じエチルセルロース2質量部を酢酸エチル100質量部に溶解したエチルセルロース溶液(実施例11)中に、温度20℃で1分間浸漬し、次いでそれぞれの溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、各溶液から取り出してから5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ、下記の表4に示すとおりであった。なお、表面のべたつきが無くなった時点で、べたつき度合の評価を終了した。
実施例9〜11の(1)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに温度20℃のアセトン中に1分間浸漬し、次いでアセトンから取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、アセトンから取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後、および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ下記の表4に示すとおりであった。
実施例9〜11の(1)と同じ造形操作を行なって製造した光学的立体造形物を、イソプロピルアルコールで洗浄処理した後、直ちに、ポリカーボネート(テイジン化成社製「パーンライトAD−5503」)2質量部をクロロホルム100質量部に溶解したポリカーボネート溶液中に1分間浸漬するか(比較例9)、またはポリスチレン(積水化成工業社製「PNビーズ」)2質量部をリモネン100質量部に溶解したポリスチレン溶液中に1分間浸漬し(比較例10)、次いでポリカーボネート溶液またはポリスチレン溶液から取り出して、温度25℃、湿度40%の室内に静置して、それらの溶液から取り出して5分後、15分後、30分後、60分後、2時間後、24時間後および4日後に光学的立体造形物の表面を手で触れてみて、上記の表1に記載した評価基準に従って、光学的立体造形物の表面のべたつき度合を評価したところ下記の表4に示すとおりであった。
Claims (6)
- 光学的立体造形物の表面を、セルロースエステルおよびセルロースエーテルから選ばれるセルロース系誘導体の少なくとも1種を溶解した溶液で処理することを特徴とする光学的立体造形物の処理方法。
- セルロース系誘導体の少なくとも1種が、ニトロセルロース、アセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、アセチルブチリルセルロースおよびエチルセルロースから選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の光学的立体造形物の処理方法。
- 光学的立体造形物が、ラジカル重合性有機化合物、カチオン重合性有機化合物、光感受性ラジカル重合開始剤および光感受性カチオン重合開始剤を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物である請求項1または2に記載の光学的立体造形物の処理方法。
- 光学的立体造形物が、(A)分岐していてもよい炭素数8以上の長鎖アルキル基および長鎖アルケニル基から選ばれる基を1個以上有する(メタ)アクリレート系化合物、(B)分岐していてもよい炭素数8以上の長鎖アルキル基および長鎖アルケニル基から選ばれる基を1個以上有するエポキシ化合物、(C)ヒンダードフェノール系化合物、(D)アルキル基の炭素数が8以上であるジアルキルフタレート系化合物および(E)アルキル基の炭素数が8以上であるトリアルキルトリメリテート系化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物である請求項1〜3のいずれか1項に記載の光学的立体造形物の処理方法。
- 光学的立体造形物が、オキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物およびオキセタン基を2個以上有するポリオキセタン化合物から選ばれる少なくとも1種のオキセタン化合物を含有する光硬化性樹脂組成物を用いて製造された光学的立体造形物である請求項1〜4のいずれか1項に記載の光学的立体造形物の処理方法。
- 光学的立体造形物の表面のべたつきの解消を促進するための処理である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光学的立体造形物の処理方法。
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