上記従来構成では、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がある場合における燃焼禁止判定用回数が前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない場合における燃焼禁止判定用回数と同じ回数が設定されることになるから、次のような不利な面があった。
この種の燃焼装置では、装置の使用期間が長くなると装置の老朽化により燃焼状態の異常を起こすおそれが大きくなることが想定される。又、装置の使用環境の違いによっては燃焼状態の異常を起こすおそれが大きくなることがある。例えば、燃焼装置が設置される設置空間の空気の流れが悪く換気が行い難いような場合には、バーナの燃焼用一次空気が少なくなり燃焼状態の異常を起こすおそれが大きくなる。
そして、このように燃焼装置の使用期間が長くなったり、装置の使用環境に起因して燃焼状態の異常を起こすおそれが大きくなっているときは、前記非常停止制御を実行した回数が燃焼禁止判定用回数以上になり前記燃焼禁止制御を実行したような場合には、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御が停止された後においても、燃焼状態の異常を起こしやすい状態になっていることがある。
しかしながら、上記従来構成では、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がある場合における前記燃焼禁止判定用回数が、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない場合における前記燃焼禁止判定用回数(初期設定回数)と同じ回数が設定されるので、燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて燃焼禁止制御が停止された後において前記燃焼制御を実行しているときには、燃焼状態の異常が発生する回数が初期設定回数以上にならないと燃焼禁止制御を実行しないので、使用上の安全性を充分に確保することができないおそれがある。
ところで、前記初期設定回数として予め少ない回数を設定しておくと、装置の使用環境が良好であり且つ装置の使用期間が短く燃焼状態の異常を起こすおそれが少ない場合であっても、前記非常停止制御の実行する回数が少なくても前記燃焼禁止制御を実行することになり、使い勝手が悪いものとなる不利がある。
本発明の目的は、使い勝手が悪くなるおそれが少ない状態で使用上の安全性を確保することが可能となる燃焼装置を提供する点にある。
本発明に係る燃焼装置は、バーナの燃焼開始及び燃焼停止を指令する燃焼指令手段と、前記バーナの燃焼を制御する制御手段と、燃焼状態の異常を検出する異常状態検出手段とが備えられ、前記制御手段が、前記燃焼指令手段による燃焼開始の指令に基づいて前記バーナの燃焼を開始し前記燃焼指令手段による燃焼停止の指令に基づいて前記バーナの燃焼を停止する燃焼制御、前記異常状態検出手段の検出情報に基づいて燃焼状態が異常であることを判別するに伴って前記バーナの燃焼を停止する非常停止制御、及び、前記非常停止制御を実行した回数が燃焼禁止判定用回数以上になると前記燃焼指令手段による燃焼開始の指令にかかわらず前記バーナの燃焼を禁止する燃焼禁止制御を実行するように構成され、且つ、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令手段によりリセット指令が指令されると前記燃焼禁止制御の実行を停止しかつ前記非常停止制御を実行した回数を初期化するように構成されているものであって、その第1特徴構成は、前記制御手段が、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない状態で前記燃焼制御を実行している場合には前記燃焼禁止判定用回数を初期設定回数に設定し、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合には前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数よりも少ない補正設定回数に設定するように構成され、且つ、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合であって且つ前記燃焼禁止制御の実行を停止してから所定の解除条件が満たされるまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定し、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない状態で前記燃焼制御を実行している場合、及び、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合で且つ前記所定の解除条件が満たされた場合には、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定するように構成されている点にある。
第1特徴構成によれば、前記制御手段が、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない状態で前記燃焼制御を実行している場合には前記燃焼禁止判定用回数を初期設定回数に設定する。そして、この初期設定回数として予め多めの回数を設定しておくと、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がなく燃焼状態の異常を起こすおそれが少ないと想定されるような状況では、前記非常停止制御を少ない回数実行しただけで燃焼禁止制御を実行することがなく、使い勝手がよいものとなる。
一方、制御手段は、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合には前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数よりも少ない補正設定回数に設定することになる。このように前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合には、例えば燃焼装置の使用期間が長くなったり、装置の使用環境が燃焼状態の異常を起こし易いものになっている等、燃焼状態の異常を起こすおそれが大きなものになっていることが想定されるような使用状況であるときには、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数よりも少ない補正設定回数に設定するので、前記非常停止制御を少ない回数実行すると燃焼禁止制御を実行することにより、使用上の安全性を確保することが可能となる。
従って、第1特徴構成によれば、使い勝手が悪くなるおそれが少ない状態で使用上の安全性を確保することが可能となる燃焼装置を提供できるに至った。
又、第1特徴構成によれば、前記制御手段は、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止したのちに燃焼制御を実行している場合であっても、燃焼禁止制御の実行を停止してから所定の解除条件が満たされるまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定するのである。
説明を加えると、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止したのちにおいては、メンテナンス作業員によりメンテナンス作業が行われているので、燃焼状態の異常が発生する要因は除去されているが、例えば、装置の使用期間が長く老朽化している場合や、燃焼装置が設置される設置空間の空気の流れが悪く換気が行い難いような場合等においては、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止してから所定の解除条件が満たされるまでの間に再度、非常停止制御が行われるおそれが大きいものとなる。そこで、燃焼禁止制御の実行を停止してから所定の解除条件が満たされるまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定することにより、少ない回数の非常停止制御にて燃焼禁止制御を実行することになり、使用上の安全性を確保できるものとなる。
又、制御手段は、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない状態で前記燃焼制御を実行している場合だけでなく、リセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合で且つ所定の解除条件が満たされた場合においては、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定する。
すなわち、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がある場合であっても、所定の解除条件が満たされるまでの間に非常停止制御が実行されずに所定の解除条件が満たされた場合には、例えば設置空間の換気状態が改善していたり、装置が老朽化していない状態である等、燃焼状態の異常が発生し難い状況になっていることが想定できる。そこで、前記燃焼禁止判定用回数を初期設定回数に設定することにより、非常停止制御を実行する回数が初期設定回数以上の多めの回数でなければ燃焼禁止制御を実行することがなく、使い勝手がよいものになる。
従って、第1特徴構成によれば、実際の使用状況に対応した適切な燃焼禁止判定用回数を設定することで使い勝手がよいものとなる燃焼装置を提供できるに至った。
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報として、前記燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間を求め、その経過時間が解除判定用設定時間に達すると前記所定の解除条件が満たされたと判別するように構成されている点にある。
第2特徴構成によれば、前記制御手段は、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止したのちに燃焼制御を実行している場合であっても、燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間を求め、その経過時間が解除判定用設定時間に達するまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定し、経過時間が解除判定用設定時間に達したのちは、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定するのである。
例えば、燃焼装置が設置される設置空間の換気状態が良好でないことが原因で非常停止制御が行われたような場合、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止してからバーナの燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間が前記解除判定用設定時間と同じか又はそれを越えるほど長くなっていると、燃焼装置が設置される設置空間の換気状態は良好な状態になっていることが想定できるので、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定することで、非常停止制御を実行する回数が初期設定回数以上の多めの回数でなければ燃焼禁止制御を実行することがなく、使い勝手がよいものになる。しかし、前記経過時間が前記解除判定用設定時間よりも短い間は燃焼装置が設置される設置空間の換気状態が改善されていないことが考えられるので、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定することで、少ない回数の非常停止制御にて燃焼禁止制御を実行することになり、使用上の安全性を確保できるのである。
本発明の第3特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報として、前記燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になった後の前記バーナが燃焼する燃焼時間の累積値を求め、その燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間に達すると前記所定の解除条件が満たされたと判別するように構成されている点にある。
第3特徴構成によれば、前記制御手段は、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止したのちに燃焼制御を実行している場合であっても、燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になった後の前記バーナが燃焼する燃焼時間の累積値を求め、その燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間に達するまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定し、経過時間が解除判定用設定時間に達したのちは、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定するのである。
すなわち、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止するときには、メンテナンス作業が行われることによって、燃焼状態の異常が発生し易いような状況は改善していることが想定され、燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になった後において、上記した燃焼状態の異常が発生し易いような状況が改善されていれば、バーナが燃焼する燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間を超えて長くなっても非常停止制御を実行するおそれは少ないことが想定される。そこで、燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間に達したのちは、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定することで、非常停止制御を実行する回数が初期設定回数以上の多めの回数でなければ燃焼禁止制御を実行することがなく、使い勝手がよいものになる。
一方、上記した燃焼状態の異常が発生し易いような状況が改善されていなければ、バーナが燃焼する燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間に達するまでの短時間の間に再度、非常停止制御を実行するおそれが大となる。そこで、このように燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間に達するまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定することで、少ない回数の非常停止制御にて燃焼禁止制御を実行することになり、使用上の安全性を確保できるものとなる。
本発明の第4特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記制御手段が、前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報として、前記燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になった後の前記バーナの燃焼開始及び燃焼停止を実行する燃焼使用回数を求め、その燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達すると前記所定の解除条件が満たされたと判別するように構成されている点にある。
第4特徴構成によれば、前記制御手段は、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止したのちに燃焼制御を実行している場合であっても、燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になった後の前記バーナの燃焼開始及び燃焼停止を実行する燃焼使用回数を求め、その燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達するまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定し、燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達したのちは、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定するのである。
すなわち、リセット指令が指令されて燃焼禁止制御の実行を停止するときには、メンテナンス作業が行われることによって、燃焼状態の異常が発生し易いような状況は改善していることが想定され、燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナの燃焼を実行可能な状態になった後において、バーナの燃焼開始及び燃焼停止を実行する燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達するほど多くなっても非常停止制御を実行するおそれは少ないものになる。そこで、前記燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達したのちは、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定することで、非常停止制御を実行する回数が初期設定回数以上の多めの回数でなければ燃焼禁止制御を実行することがなく、使い勝手がよいものになる。
一方、上記した燃焼状態の異常が発生し易いような状況が改善されていなければ、バーナの燃焼開始及び燃焼停止を実行する燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達するまでの少ない回数であっても非常停止制御を実行するおそれが大となる。そこで、このようにバーナの燃焼開始及び燃焼停止を実行する燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達するまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定することで、少ない回数の非常停止制御にて燃焼禁止制御を実行することになり、使用上の安全性を確保できるものとなる。
本発明の第5特徴構成は、第2特徴構成〜第4特徴構成のいずれかに加えて、電源供給が遮断されても記憶情報を保持する不揮発性の記憶手段が備えられ、前記制御手段が、前記非常停止制御を実行した回数、前記非常停止制御を実行した履歴、及び、前記解除条件判別用情報を前記記憶手段に記憶するように構成されている点にある。
第5特徴構成によれば、前記制御手段が、前記非常停止制御を実行した回数、前記非常停止制御を実行した履歴、及び、前記解除条件判別用情報を記憶手段に記憶するが、この記憶手段は電源供給が遮断されても記憶情報を保持することになる。電源供給が遮断される状況としては、停電が発生したり、あるいは、電池駆動式の燃焼装置であれば、電池の交換や取り外し等によって起こることがあるが、このように電源供給が遮断されても上記したような各種の記憶情報を保持して予め設定された適切な動作条件に従って燃焼禁止制御を実行することができ、使用上の安全性を確保することが可能なものとなる。
本発明の第6特徴構成は、第1特徴構成〜第5特徴構成のいずれかに加えて、前記バーナの燃焼室を形成する筒胴内の上部に給湯用熱交換器が設けられ、前記異常状態検出手段が、前記バーナの燃焼炎の温度を検出する燃焼炎温度検出手段と、前記燃焼室内の周囲温度を検出する燃焼室温度検出手段とを備えて構成され、前記制御手段が、前記燃焼炎温度検出手段及び前記燃焼室温度検出手段の検出情報に基づいて前記非常停止制御を実行するように構成されている点にある。
第6特徴構成によれば、給湯用熱交換器の周囲に燃焼生成物が付着して熱交換器のフィンが詰まることに起因して燃焼状態の異常が発生したり、バーナの燃焼用空気の不足等によりバーナの燃焼炎が不安定になって燃焼状態の異常が発生したりすることがあるが、給湯用熱交換器の詰まりに起因した燃焼状態の異常が発生するとバーナの燃焼室を形成する筒胴の温度が高い温度になることがあり、バーナの燃焼炎が不安定になる燃焼状態の異常が発生するとバーナの燃焼炎の温度が低下するおそれがある。
そこで、制御手段は、燃焼炎温度検出手段の検出情報に基づいてバーナの燃焼炎が不安定になる燃焼状態の異常を検出する、又は、燃焼室温度検出手段の検出情報に基づいて熱交換器の詰まりに起因した燃焼状態の異常を検出すると、前記非常停止制御を実行することになり、バーナの燃焼炎が不安定になる燃焼状態の異常や給湯用熱交換器の詰まりに起因した燃焼状態の異常が発生したときに適切にバーナの燃焼を停止させることができ、使用上の安全性を確保することが可能となる。
〔第1実施形態〕
以下、本発明にかかる燃焼装置の第1実施形態を給湯装置に適用した場合について図面に基づいて説明する。
先ず、図1に基づいて、給湯装置の全体構成について説明する。
筒胴1の内部の上端部にフィンチューブ型の水加熱用の熱交換器2を設け、筒胴1の下方に給湯用の熱交換器2を加熱するバーナ3を設け、筒胴1の内部にバーナ3の燃焼室Rを形成してある。熱交換器2への給水路Wiには、止水弁4、水圧変化に応動して給水量を調整する水ガバナ5、及び、分流弁6を介装してあり、熱交換器2からの出湯路Woは、フレキシブル管7を介して出湯具8に接続してある。
バーナ3へのガス供給路Gには、遮断弁9、連動杆10aを介しての水ガバナ5との連動により給水状態でのみ開く水圧応動弁10、燃料ガス供給の元圧変化に応動してバーナ3への燃料ガス供給圧を適正圧に保つガスガバナ11、及び、燃料ガス供給量を調整する調整弁12を介装してある。分流弁6は、熱交換器2への給水量と、バイパス路Wbを介して給水路Wiから出湯路Woへ分流供給するバイパス水量を調整する。又、給湯装置の各種制御を司るマイクロコンピュータを備えて構成される制御手段としてのコントローラCを設けてある。
前記コントローラCは、燃焼指令手段による燃焼開始の指令に基づいてバーナ3の燃焼を開始し燃焼指令手段による燃焼停止の指令に基づいてバーナ3の燃焼を停止する燃焼制御を実行する。
具体的な構成について説明を加えると、使用者が押しボタン式の出湯操作具13を押すと、操作マイクロスイッチ14がオンし、同時に、出湯操作具13の押し操作に連動して止水弁4が開弁され、水が水ガバナ5に入り、水圧により連動杆10aが水圧応動弁10を開弁する方向に応動して水圧マイクロスイッチ15がオンする。操作マイクロスイッチ14及び水圧マイクロスイッチ15がオンすると、コントローラCは、点火プラグ16をスパークさせるともに、遮断弁9のコイル9aに吸着電流を流すので、遮断弁9が開弁される。
従って、燃料ガスは、遮断弁9、水圧により応動した連動杆10aにより開弁された水圧応動弁10、ガスガバナ11及び調整弁12を通過してバーナ3に供給され、点火プラグ16のスパークにより点火されて燃焼する。バーナ3の燃焼炎に接触させる状態で第1熱電対17を設けてあり、バーナ3の燃焼炎により加熱された第1熱電対17の起電力により、コントローラCから遮断弁9のコイル9aに吸着電流が流れ続けて、遮断弁9の開弁が継続する。
一方、水は、止水弁4、水ガバナ5及び分流弁6を通過して熱交換器2に流れると同時に、バイパス路Wbを通じて出湯路Woへ流れる。そして、熱交換器2からの湯とバイパス路Wbからの水とが混合されて適温となった湯が出湯具8から出湯される。
出湯具8から湯が出湯されている出湯状態において出湯操作具13を押すと、その押し操作に連動して止水弁4が閉弁して給水が停止され、水ガバナ5は水圧差がなくなるので、連動杆10aが水圧応動弁10を閉弁する方向に応動して、水圧応動弁10が閉弁されて、バーナ3への燃料ガス供給が断たれてバーナ3の燃焼が停止される。又、上述の出湯状態での出湯操作具13の押し操作に伴って、操作マイクロスイッチ14及び水圧マイクロスイッチ15がオフすると、コントローラCは、コイル9aへ吸着電流を流すのを停止するので、遮断弁9が閉弁される。
従って、前記出湯操作具13の押し操作に伴って操作マイクロスイッチ14及び水圧マイクロスイッチ15が共にオンする操作が燃焼開始指令に相当する。又、出湯操作具13の再度の押し操作に伴って操作マイクロスイッチ14及び水圧マイクロスイッチ15が共にオフする操作が燃焼停止指令に相当する。つまり、操作マイクロスイッチ14と水圧マイクロスイッチ15とにより燃焼指令手段が構成される。
そして、燃焼状態の異常を検出する異常状態検出手段Kが備えられ、コントローラCは、前記異常状態検出手段Kの検出情報に基づいて燃焼状態が異常であることを判別するに伴ってバーナ3の燃焼を停止する非常停止制御を実行する。
前記異常状態検出手段K及び前記非常停止制御について具体的に説明する。
バーナ3の燃焼炎の温度に応じた起電力を出力する燃焼炎温度検出手段としての上述の第1熱電対17、燃焼室Rの温度に応じて第1熱電対17とは逆極性となるような起電力を出力する燃焼室温度検出手段としての第2熱電対21、ガスノズル18の近傍の温度が異常高温になることに基づいて溶断するノズル近傍用温度ヒューズ19、及び、筒胴1の外周近傍の温度が異常高温になることに基づいて溶断する筒胴用温度ヒューズ20を設けてあり、第1熱電対17及び第2熱電対21が前記異常状態検出手段Kに対応する。
第1熱電対17は、金属性の熱電対取付板を用いて感熱部が正常燃焼状態の燃焼炎の内部に位置するように、且つ、そのプラス側が熱電対取付板と電気的に接続するように設けてある。又、第2熱電対21は、その感熱部が筒胴1に形成した測温用開口1aに臨む状態で設けてある。
ノズル近傍用温度ヒューズ19及び筒胴用温度ヒューズ20は夫々同様の構成であり、図示はしないが、両端夫々にリード線を接続したヒューズ素子を、可撓性及び耐熱性を有するチューブ内に挿入するとともに、チューブの外周の2箇所を支持具により束縛してチューブ内に固定する構成となっている。ノズル近傍用温度ヒューズ19は、バーナ3に対応するガスノズル18の下方近傍に位置するように配置してあり、筒胴用温度ヒューズ20は、筒胴1の外周部の背面側(給湯装置を壁面に設置する場合は、壁面側)近傍に配置してある。
前記第1熱電対17、前記第2熱電対21、及び、前記各温度ヒューズ19,20は、夫々、リード線を介してコントローラCに電気的に接続してあり、前記第1熱電対17と第2熱電対21とは、互いに逆極性の起電力がコントローラCに入力されるように接続してある。つまり、図2に示すように、第1熱電対17のマイナス端子と第2熱電対21のマイナス端子とを接続し、上述したように第1熱電対17のプラス端子を、熱電対取付板に接続して電気的に接地すると共にリード線22を介してコントローラCの入力端子aに接続してあり、第2熱電対21のプラス端子をリード線23を介してコントローラCの入力端子bに接続してある。又、第1熱電対17と第2熱電対21との間の中間接続箇所をリード線24を介してコントローラCの入力端子cに接続している。
従って、第1熱電対17と前記第2熱電対21とを、それらが互いに逆方向の起電力を発生する状態で直列接続して、それらの両端部がコントローラCに電気的に接続されて各熱電対における起電力の出力の合計値が、前記各入力端子a,b間に入力されるように構成している。又、第1熱電対17の起電力の出力値がコントローラCの入力端子cに入力されるように構成している。
そして、コントローラCは、第1熱電対17による起電力の検出情報、及び、前記第2熱電対21による起電力の検出情報を夫々各別に求めて、それらの検出情報に基づいて動作異常を判別する構成となっている。
つまり、コントローラCは、前記各入力端子a,b間に入力される前記合計値と、入力端子cに入力される第1熱電対17の起電力の出力値とに基づいて、第2熱電対21の起電力の出力値を演算にて求めるようになっており、各別に求められる第1熱電対17による起電力及び第2熱電対21による起電力に基づいて動作異常であると判断すると、遮断弁9のコイル9aへ吸着電流を流すのを停止して、遮断弁9を閉弁してバーナ3の燃焼を停止させるように構成してある。
すなわち、受入口32から吸入される燃焼用一次空気の量が異常に少なくなったり、その燃焼用一次空気中の酸素濃度が異常に低下すると、バーナ3は不完全燃焼を起こして燃焼炎が長くなったり、燃焼炎が不測に立ち消えたりすることがある。バーナ3が動作異常としての不完全燃焼を起こして、燃焼炎が長くなったり、燃焼炎が不測に立ち消えたりすることにより、第1熱電対17の起電力V1が低下すると、それに伴って図3(a)に示すように、その起電力V1が低下してそれがバーナ用判別値Vs1を下回ると、コントローラCは、遮断弁9を閉弁してバーナ3への燃料ガス供給を断ってバーナ3の燃焼を停止させる。
又、熱交換器2に燃焼ガス中の燃焼生成物や塵埃が付着して、熱交換器2の燃焼ガス通路が狭くなると、燃焼ガスが燃焼室R内に滞留する量が増加して、燃焼室R内の周囲温度が上昇する。このような熱交換器閉塞によって燃焼室R内の周囲温度が高くなるほど、図3(b)に示すように、第2熱電対21の起電力V2は大になるが、燃焼室R内の周囲温度が異常高温になることにより、この起電力V2が燃焼室用判別値Vs2を超えると、同様にして、コントローラCは遮断弁9を閉弁してバーナ3の燃焼を停止させる。
尚、熱交換器2に燃焼ガス中の燃焼生成物や塵埃が付着することに起因して、燃焼室R内の周囲温度が異常に上昇して、筒胴1の外周近傍の温度が異常高温になると、筒胴用温度ヒューズ20が溶断する。又、バーナ3の受入口32に蜘蛛の巣が張られたり、塵埃が溜まったりして、ガスノズル18から噴出した燃料ガスの一部が受入口32の外に漏洩して、その漏洩ガスがバーナ3の燃焼炎により引火して燃焼する等して、ガスノズル18近傍の温度が異常高温になると、ノズル近傍用温度ヒューズ19が溶断する。そして、このように筒胴用温度ヒューズ20が溶断したり、ノズル近傍用温度ヒューズ19が溶断したりすると、コントローラCは、遮断弁9を閉弁してバーナ3の燃焼を停止させるようになっている。このようにして、動作異常が発生したときには、上記したようにバーナ3の燃焼を停止させる非常停止制御を実行することにより使用上の安全性を向上させている。
そして、前記コントローラCは、前記非常停止制御を実行した回数が燃焼禁止判定用回数以上になると、燃焼指令手段による燃焼開始指令にかかわらずバーナ3の燃焼の開始を禁止する燃焼禁止制御を実行するようになっており、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令手段としてのリセットスイッチ31によりリセット指令が指令されると前記燃焼禁止制御の実行を停止しかつ前記非常停止制御を実行した回数を初期化するように構成されている。前記リセットスイッチ31は、詳述はしないが装置のケーシングの前側部分を取り外した状態でメンテナンス作業員が操作するものであり、通常の使用状態では操作できないようにケーシングの内部に設けられる。
そして、コントローラCは、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない状態で前記燃焼制御を実行している場合には前記燃焼禁止判定用回数を初期設定回数に設定し、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合には前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数よりも少ない補正設定回数に設定する。
さらに説明を加えると、コントローラCは、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合であって且つ前記燃焼禁止制御の実行を停止してから所定の解除条件が満たされるまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数に設定し、前記燃焼禁止制御を実行した履歴がない状態で前記燃焼制御を実行している場合、及び、前記燃焼禁止制御の実行中にリセット指令が指令されて前記燃焼禁止制御の実行を停止したのちに前記燃焼制御を実行している場合で且つ前記所定の解除条件が満たされた場合には、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数に設定する。
又、コントローラCは、前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報として、前記燃焼禁止制御の実行を停止してバーナ3の燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間を求め、その経過時間が解除判定用設定時間に達すると前記所定の解除条件が満たされたと判別する。
電源供給が遮断されても記憶情報を保持する不揮発性の記憶手段としての不揮発性メモリ30が備えられ、コントローラCは、前記非常停止制御を実行した回数、前記非常停止制御を実行した履歴、及び、前記解除条件判別用情報を不揮発性メモリ30に記憶するようになっている。
以下、コントローラCの制御動作について図4及び図5に示すフローチャートに基づいて具体的に説明する。
後述するような燃焼禁止フラグが「1」にセットされていない状態であり、後述するようにリセットスイッチ31の操作により燃焼禁止制御を停止したのちに作動するタイマーのカウントが実行されていない状態であって、且つ、バーナ3が燃焼中でないときに、前記出湯操作具13の押し操作に伴って操作マイクロスイッチ14及び水圧マイクロスイッチ15が共にオンして燃焼開始指令が指令されると、バーナ3の燃焼を開始させる(ステップ1〜7)。つまり、バーナ3への点火処理と遮断弁9の開弁維持処理とを実行することによりバーナ3を燃焼させる。バーナ3の燃焼を開始した後、後述する燃焼状態の異常を判別しない状態で燃焼停止指令が指令されると遮断弁9を閉弁させてバーナ3の燃焼を停止させる(ステップ8、9、1〜5、17、18)。尚、ステップ18にて遮断弁9を閉弁させてバーナ3の燃焼を停止させた後は、燃焼開始指令が指令されるまで運転を待機することになる(ステップ1〜6)。
バーナ3の燃焼を開始した時点から燃焼確認時間1、すなわち第1熱電対用の燃焼確認時間(5秒間)以上経過している状態で第1熱電対17の起電力V1がバーナ用判別値Vs1を下回っていれば遮断弁9を閉弁させてバーナ3の燃焼を停止させる(ステップ8、10)。又、バーナ3の燃焼を開始した時点から燃焼確認時間2、すなわち第2熱電対用の燃焼確認時間(12秒間)以上経過している状態で第2熱電対21の起電力V2が燃焼室用判別値Vs2を超えていれば遮断弁9を閉弁させてバーナ3の燃焼を停止させる(ステップ9、10)。ステップ8〜10の処理が前記非常停止制御に対応する。
前記ステップ10にてバーナ3の燃焼を停止させたときは、前記非常停止制御を実行した回数Nをカウントアップ(+1)して、その回数Nを不揮発性メモリ30に書き込み記憶する(ステップ11、12)。そして、そのとき、後述するような燃焼禁止制御を実行中にリセットスイッチ31が操作されて燃焼禁止制御を停止して燃焼禁止状態を解除したときに作動開始する時間計測用タイマーのカウント値が解除判定用設定時間としての設定時間(60分間)未満でない、すなわち、前記燃焼禁止制御の実行を停止してバーナ3の燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間が解除判定用設定時間に達している場合には、前記燃焼禁止判定用回数として前記初期設定回数である3回を設定し、前記非常停止制御を実行した回数Nが3回以上であるか否かを判別する(ステップ13、14)。燃焼禁止制御の履歴がない場合にも、このステップ13の判定が否となり、前記燃焼禁止判定用回数として前記初期設定回数である3回を設定し、前記非常停止制御を実行した回数Nが3回以上であるか否かを判別することになる。
そして、時間計測用タイマーのカウント値が設定時間未満であれば、前記燃焼禁止判定用回数を前記補正設定回数として1回を設定し、前記非常停止制御を実行した回数Nが1回以上であるか否かを判別する(ステップ15)。ステップ14にてカウント値が3回以上であれば燃焼禁止フラグを「1」にセットし、ステップ15にてカウント値が1回以上であれば燃焼禁止フラグを「1」にセットする(ステップ16)。
燃焼禁止フラグが「1」にセットされると、その燃焼禁止状態になったこと(履歴)を不揮発性メモリ30に記憶して、リセットスイッチ31が操作されるまではバーナ3の燃焼を禁止する(ステップ1、19、20)。このようにバーナ3の燃焼を禁止している間は、出湯操作具13の押し操作に伴って操作マイクロスイッチ14及び水圧マイクロスイッチ15が共にオンして燃焼開始指令が指令されることがあっても、その燃焼開始指令にかかわらずバーナ3の燃焼が禁止されることになる。この処理が燃焼禁止制御に対応する。このとき、使用者は、給湯装置の使用ができない状態になるので、燃焼状態の異常を解消すべくメンテナンス作業員に連絡することになる。
そして、この燃焼禁止制御を実行中に上記したような燃焼状態の異常に対する対策が取られたのちにリセットスイッチ31が操作されると、燃焼禁止フラグを「0」にリセットして前記非常停止制御を実行した回数Nのカウント値を零にリセットして初期化する(ステップ21、22)。そして、時間計測用タイマーをリセットしたのちにカウントを開始する(ステップ23)。この時間計測用タイマーは、その後、燃焼禁止制御を実行しているときにリセットスイッチ31が操作されるまでカウントを継続することになり、そのカウント値を不揮発性メモリ30に逐次、書き込み記憶させるようになっている(ステップ3、4)。つまり、時間計測用タイマーは、前記燃焼禁止制御の実行を停止してバーナ3の燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間を計測することになる。
上記したような制御を実行することで、前記燃焼禁止制御の実行を停止してバーナ3の燃焼を実行可能な状態つまり燃焼制御を実行する状態になってからの経過時間が解除判定用設定時間(60分)に達したのちは、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数として「3回」を設定するので、非常停止制御を3回実行すると燃焼禁止フラグが「1」にセットされるが、前記燃焼禁止制御の実行を停止してバーナ3の燃焼を実行可能な状態になってからの経過時間が解除判定用設定時間に達するまでの間は、前記燃焼禁止判定用回数を前記初期設定回数より少ない回数である補正設定回数として「1回」を設定するので1回でも非常停止制御を実行すると燃焼禁止フラグが「1」にセットされることになる。
上述したように前記非常停止制御を実行した回数N、燃焼禁止状態の履歴、解除条件判別用情報としての時間計測用タイマーのカウント値は、不揮発性メモリ30に書き込み記憶されるので、コントローラCに電力供給する乾電池を一旦取り外したのち再度セットする等、電源供給が遮断されることがあっても、リセットスイッチ31が操作されるまでは、前記非常停止制御を実行した回数N及び前記タイマーカウント値は記憶情報が保持されることになるので、前記回数Nや前記タイマーカウント値は、電源供給を再開すると、すでに記憶されている値に加算する形態で計測が行われることになる。
〔第2実施形態〕
以下、本発明にかかる燃焼装置の第2実施形態を図面に基づいて説明する。この第2実施形態は、コントローラCによる前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報及びその判別のための処理内容が異なる他は第1実施形態の構成と同じであるから、異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明は省略する。
この実施形態では、コントローラCが、前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報として、前記燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナ3の燃焼を実行可能な状態になった後の前記バーナ3が燃焼する燃焼時間の累積値を求め、その燃焼時間の累積値が解除判定用累積時間に達すると前記所定の解除条件が満たされたと判別するように構成されている。
すなわち、図6及び図7に示すように、コントローラCは、燃焼禁止制御を実行中にリセットスイッチ31が操作されると、時間計測用タイマーをリセットする(ステップ20〜23)がその時点ではカウントは開始せず、バーナ3が燃焼しているときにカウントアップしてバーナ3が燃焼する燃焼時間の累積値に対応するカウント値を求め、そのカウント値を逐次、不揮発性メモリ30に書き込み記憶する(ステップ4、5)。
そして、非常停止制御(ステップ8、9、10)を実行したのちに行われるステップ13での判別処理においては、燃焼禁止制御状態が解除されたのちに燃焼制御を実行しているときに時間計測用タイマーのカウント値が設定時間未満であれば、前記非常停止制御を実行した回数Nが補正設定回数としての1回以上であるか否かを判別し1回以上であれば燃焼禁止フラグを「1」にセットする(ステップ15、16)。そして、前記カウント値が設定時間以上であるか、又は、燃焼禁止制御の履歴がなければ、前記非常停止制御を実行した回数Nが初期設定回数としての3回以上であるか否かを判別して3回以上であれば燃焼禁止フラグを「1」にセットすることになる(ステップ14、16)。
〔第3実施形態〕
以下、本発明にかかる燃焼装置の第3実施形態を図面に基づいて説明する。この第3実施形態は、コントローラによる前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報及びその判別のための処理内容が異なる他は第1実施形態の構成と同じであるから、異なる構成についてのみ説明し、同じ構成については説明は省略する。
この実施形態では、コントローラCが、前記所定の解除条件が満たされているか否かを判別するための解除条件判別用情報として、前記燃焼禁止制御の実行を停止して前記バーナ3の燃焼を実行可能な状態になった後の前記バーナ3の燃焼開始及び燃焼停止を実行する燃焼使用回数を求め、その燃焼使用回数が解除判定用設定回数に達すると前記所定の解除条件が満たされたと判別するように構成されている。
この実施形態では、時間計測タイマーの代わりに、バーナの燃焼開始及び燃焼停止の回数を計数するための回数カウンタが設けられ、図8及び図9に示すように、コントローラCは、燃焼禁止制御を実行中にリセットスイッチ31が操作されると、回数カウンタの計数値Tmがリセットされ(ステップ20〜23)、燃焼制御を実行する毎にバーナ3の燃焼開始及び燃焼停止の回数をカウントアップし、そのカウント値Tmを逐次、不揮発性メモリ30に書き込み記憶する(ステップ16〜18)。
そして、非常停止制御(ステップ6〜8)を実行したのちに行われるステップ11での判別処理においては、ステップ11においては、燃焼禁止制御状態が解除されたのちに前記回数カウンタのカウント値Tmが設定回数Ts未満であれば、前記非常停止制御を実行した回数Nが補正設定回数(1回)以上であるか否かを判別し1回以上であれば燃焼禁止フラグを「1」にセットする(ステップ13、14)。そして、前記カウント値Tmが設定回数Ts以上であるか、又は、燃焼禁止制御の履歴がなければ、前記非常停止制御を実行した回数Nが初期設定回数(3回)以上であるか否かを判別し3回以上であれば燃焼禁止フラグを「1」にセットすることになる(ステップ12、14)。
〔別実施形態〕
(1)上記各実施形態では、前記第1熱電対17と前記第2熱電対21とを直列接続して、それらの両端部と、中間接続箇所とをコントローラC(制御手段)に電気的に接続して、各熱電対における起電力の出力の合計値と、第1熱電対17の起電力の出力値が入力されるようにしたが、このような構成に代えて、例えば、図10に示すように、第1熱電対17及び第2熱電対21をコントローラC(制御手段)に対して、夫々単独で各別に起電力を検出可能なように電気的に並列接続して、コントローラCは、第1熱電対17による起電力、及び、第2熱電対21による起電力を夫々各別に求めるように構成してもよい。
(2)上記各実施形態では、前記非常停止制御を前記燃焼禁止判定用回数に対応する回数実行すると前記燃焼禁止制御を実行するようにしたが、予め設定された所要時間内に前記非常停止制御を前記燃焼禁止判定用回数に対応する回数実行すると前記燃焼禁止制御を実行するようにしたり、バーナが適正に燃焼することなく連続して前記燃焼禁止判定用回数以上前記非常停止制御を実行すると前記燃焼禁止制御を実行するようにしてよい。
(3)上記各実施形態では、前記リセット指令手段としてリセットスイッチを備える構成としたが、このような構成に代えて、前記リセット指令手段として、例えば、メンテナンス作業員が所有する専用の入力装置を前記コントローラ(制御手段)と通信可能に接続してその入力装置にて通信を行うことによりリセットが行われる構成であってもよい。
又、上記実施形態に記載したような、前記非常停止制御を実行した回数、前記非常停止制御を実行した履歴、及び、前記解除条件判別用情報等を記憶する不揮発性メモリを備えていない構成であり且つ電源として乾電池を有する構成の燃焼装置であれば、前記リセット指令手段として、コントローラに電力を供給する乾電池を一旦取り外したのち再度装着するといった電源供給の断続によりリセットが行われる構成としてもよい。
(4)上記各実施形態では、前記異常状態検出手段として、バーナ3の燃焼炎の温度を検出する燃焼炎温度検出手段、燃焼室の温度を検出する燃焼室温度検出手段とを備える構成としたが、異常状態検出手段としては、例えば、筒胴内の空気の一酸化炭素(CO)の濃度を検出するCOセンサ等の他の検出手段を設けるものでもよい。
(5)上記各実施形態では、ノズル近傍用温度ヒューズや筒胴用温度ヒューズを設けて更に使用上の安全性を向上させているが、このようなヒューズを用いないようにしてもよい。
(6)上記各実施形態では、本発明を適用する燃焼装置の具体構成が給湯装置である場合について例示したが、燃焼装置の具体構成は種々変更可能であり、例えば、暖房装置でも良い。