JP5259937B2 - 表示装置および表示システム - Google Patents
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一方、表示装置に光源として発光ダイオードを用いる場合には、一般に三原色の各色の発光ダイオードを別々に使用するか、あるいは、これらをまとめてパッケージ化して白色光源として使用する。図7は、三原色の各色の発光ダイオードをまとめたときの発光スペクトル強度特性を示す図である。図7に示すように、各色の発光ダイオードの発光分布は、その材料や製造方法に依存するが、三原色の各色にピークを有する狭い領域のものとなる。また、表示装置に光源としてレーザ光源を用いる場合にも、一般に三原色の各色のレーザ光源を別々に使用するか、あるいは、これらをまとめてパッケージ化して白色光源として使用する。図8は、三原色の各色のレーザ光源をまとめたときの発光スペクトル強度特性を示す図である。図8に示すように、各色のレーザ光源の発光分布は、単一波長と表現してよい程、極めて狭い領域となる。
ここで、「NVIS適合性」とは、暗視装置を使用して表示装置を視認するときに、ハレーションが発生しないようにするために設定された表示装置の規格についての適合性であり、表示装置のディスプレイから発する光のうち、暗視装置の微光増幅感度が生じる境界波長よりも長波長の光成分の総量(NVIS Radianceという)が規格で定めてある規定値(ハレーションが発生しないための基準値)を越えないように適合させることをいう。具体的には、例えば、米軍規格MIL−STD−3009に準拠している表示装置が、NVIS適合性を有する表示装置となる。この場合の境界波長は、Class A(主として、地表を精査するための回転翼機が対象)では、610nmと規定され、Class B(主として、高空を飛行する固定翼機が対象)では、境界波長は635nmと規定される。したがって、この場合のNVIS適合性とは、境界波長(610nm又は635nm)より長波長の光の総量(NVIS Radiance)がゼロであるか、規格に定めた規定値を超えないようにしてあることをいう。
一方、昼間時は、暗視装置は装着されないので、第一赤色光源、青色光源、緑色光源とともに第二赤色光源も点灯し、純粋な赤色も含めた三原色表示を行う。
上記発明において、境界波長は、610nmまたは635nmのいずれかであるようにしてもよい。
これによれば、米軍規格MIL−STD−3009に準拠(610nmはClass A、635nmはClass B に準拠)している表示装置であって、しかも、昼間使用時における三原色の演色性が優れた表示装置を実現することができる。
これによれば、レーザ光源は単色光の光源であるため、第一赤色光源の発振波長を境界波長より短波長のレーザ光を発振し、第二赤色光源の発振波長を境界波長より長波長のレーザ光を発振することにより、波長を制御することのみにより、夜間使用時のNVIS適合性と昼間使用時の優れた演色性を実現することができる。
これによれば、第一赤色光源の発光ダイオードは、境界波長よりも短波長側の近赤色光のみを発光することができるので、フィルタなどを用いることなく、NVIS適合性を有する表示装置を実現することができる。
これによれば、第一赤色光源の発光ダイオードは、境界波長より長波長の赤色光を含んでいたとしても、境界波長より長波長側をフィルタで遮光することにより、NVIS適合性を有する表示装置を実現することができる。
本発明によれば、暗空間での暗視装置の使用時には、第二赤色光源を停止して暗視装置が装着されるので、ハレーションを生じることなく表示装置を視認できる。また、明空間での暗視装置の未使用時には、第二赤色光源を照射するので、演色性が優れた三原色表示を行うことができる。
また、上記発明において、前記表示装置は、赤色用光源で照明される赤色表示素子からの画像光と、青色用光源で照明される青色表示素子からの画像光と、緑色用光源で照明される緑色表示素子からの画像光とをクロスダイクロイックプリズムを用いて合成するようにしてもよい。
図1は、本発明の一実施形態である表示装置の使用状態を説明する図である。また、図2は、本発明に係る表示措置の内部光学系を示す概略構成図である。表示装置1は、昼間時はそのままで視認され、夜間時は暗視装置を通して視認される。
上記暗視装置としては、例えば、被写体から光を取り込む撮像レンズと、取り込む光量を調整する光量調整部と、撮像レンズから取り込まれた光を受けるとともに当該光を光学像に変換するマイクロチャンネルプレート型イメージインデンシファイア(以下、MCP型I.I.ともいう)と、カップリング機構と、MCP型I.I.から出力された光学像が結像されるとともに、当該光学像を画像信号に変換する撮像素子とから構成されるものが挙げられる。
ダイクロイックミラー21は、ある閾値波長より長波長の光を透過させるとともに閾値波長より短波長の光を反射するか、あるいは、閾値波長より長波長の光を反射するとともに、閾値波長より短波長の光を透過させるものである。ここでは、ダイクロイックミラー21は、赤色に近い波長(例えば、600nm)の光を反射するとともに、純粋な赤色の波長(例えば、650nm)の光を透過させるものである。
よって、第二赤色レーザ光源111と、第一赤色レーザ光源11と、ダイクロイックミラー21とを、図2に示すように、第一赤色レーザ光源11が透過位置、第二赤色レーザ光源111が反射位置に配置することで、第二赤色レーザ光源111及び第一赤色レーザ光源11から発振した光は、いずれも赤色透過型液晶素子31を照射することになる。
(1)昼間時(図1(a)参照)
まず、光源選択部70により、第二赤色レーザ光源111、第一赤色レーザ光源11、緑色レーザ光源13、青色レーザ光源12からそれぞれ光を出射させる制御を行う。つまり、第二赤色レーザ光源111、第一赤色レーザ光源11、緑色レーザ光源13、青色レーザ光源12の全てから光を出射させる。なお、このとき、使用者は、暗視装置2を装着していない。
これにより、第一赤色レーザ光源11及び第二赤色レーザ光源111は、赤色に対応するパターンを形成する赤色透過型液晶素子31を照射し、緑色レーザ光源13は、緑色に対応するパターンを形成する緑色透過型液晶素子33を照射し、青色レーザ光源12は、青色に対応するパターンを形成する青色透過型液晶素子32を照射する。
その後、クロスダイクロイックプリズム40に入射した青色の映像光、赤色の映像光及び緑色の映像光は、合成されてクロスダイクロイックプリズム40から合成光として出射する。
よって、合成光は、プロジェクションレンズ50により拡大されて、スクリーン60に画像として三原色表示されることにより、使用者に観察されることになる。このとき、昼間等の環境下では、外界も明るいので、使用者は暗視装置2を使用しなくても、外界の被写体も視認できる。
まず、光源選択部70により、第一赤色レーザ光源11、緑色レーザ光源13、青色レーザ光源12からそれぞれ光を出射させる制御を行う。つまり、第二赤色レーザ光源111、から光を出射させない。さらに、使用者は、暗視装置2を装着する。
これにより、第一赤色レーザ光源11は、赤色に対応するパターンを形成する赤色透過型液晶素子31を照射し、緑色レーザ光源13は、緑色に対応するパターンを形成する緑色透過型液晶素子33を照射し、青色レーザ光源12は、青色に対応するパターンを形成する青色透過型液晶素子32を照射する。
その後、クロスダイクロイックプリズム40に入射した青色の映像光、赤色の映像光及び緑色の映像光は、合成されてクロスダイクロイックプリズム40から合成光として出射する。
よって、合成光は、プロジェクションレンズ50により拡大されて、スクリーン60に画像として三原色表示されるとともに、NVIS適合が達成されていることにより、暗視装置2を装着した使用者に視認障害をもたらさない。このとき、夜間等の環境下でも、使用者は暗視装置2を使用しているので、外界の被写体を視認できる。スクリーン60上の表示は暗視装置2の増幅感度外の波長領域であるため、暗視装置を介さずにそのまま視認可能である。
図3は、本発明に係る他の表示装置の内部光学系を示す概略構成図である。本実施形態では、表示装置51は、上述した表示装置1と異なり、透過型液晶素子31、32、33を反射型LCOS81、82、83に変更するとともに、レーザ光源11、12、13、111を発光ダイオード光源61、62、63、131としている。すなわち、表示装置51は、光源として4種の発光ダイオード光源61、62、63、131と、ダイクロイックミラー21と、各色のチャンネルに対応した反射型LCOS81、82、83と、各色の映像光を合成するクロスダイクロイックプリズム40と、プロジェクションレンズ(プロジェクタ光学系)50と、スクリーン(表示部)60と、光源選択部70とを備える。なお、表示装置1と同様のものについては、同じ符号を付している。
よって、第二赤色発光ダイオード光源131と、第一赤色発光ダイオード光源61と、ダイクロイックミラー21とを図3に示すように配置することで、第二赤色発光ダイオード光源131及び第一赤色発光ダイオード光源61から発した光は、いずれも赤色反射型LCOS81を照射することになる。
なお、赤色以外の三原色要素である青色や緑色のチャンネル用のレーザ光源又は発光ダイオード光源の発振又は発光波長の選択は、任意である。また、赤色のレーザ光源又は発光ダイオード光源の発振又は発光波長の選択も、境界波長より長波長か短波長かという観点のみが目的であり、特に限るものではない。さらに、2種類又はそれ以上の種類の赤色光源を赤色として使用してもよい。
また、前面投射型ディスプレイでもよいのはもちろんであるし、例えば、液晶パネルのバックライト光源として同様の構成であってもよい。
2:暗視装置
11:第一赤色レーザ光源
12:青色レーザ光源
13:緑色レーザ光源
21:ダイクロイックミラー
31、32、33:透過型液晶素子
40:クロスダイクロイックプリズム
50:プロジェクションレンズ(プロジェクタ光学系)
70:光源選択部
60:スクリーン(表示部)
111:第二赤色レーザ光源
Claims (7)
- 赤色用光源で照明される赤色表示素子からの画像光、青色用光源で照明される青色表示素子からの画像光、緑色用光源で照明される緑色表示素子からの画像光を合成し、これら三原色の画像光による合成画像を表示する航空機用の表示装置であって、
赤色用光源は、NVIS適合性に基づいて設定する境界波長よりも短波長側の波長領域の近赤色光を照射する第一赤色光源と、少なくとも前記境界波長よりも長波長側の波長領域の赤色光を照射する第二赤色光源とを備え、
さらに第二赤色光源の照射光を停止する光源選択部を備えたことを特徴とする航空機用の表示装置。 - 境界波長は、610nm又は635nmのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の航空機用の表示装置。
- 第一赤色光源、第二赤色光源は、それぞれレーザ光源からなり、第一赤色光源は境界波長より短波長のレーザ光を発振し、第二赤色光源は境界波長より長波長のレーザ光を発振することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の航空機用の表示装置。
- 第一赤色光源、第二赤色光源は、それぞれ発光ダイオードからなり、第一赤色光源用の発光ダイオードは境界波長よりも短波長側のみの近赤色光を発光する発光特性を有する請求項1又は請求項2に記載の航空機用の表示装置。
- 第一赤色光源、第二赤色光源は、それぞれ発光ダイオードからなり、第一赤色光源用の発光ダイオードは境界波長を挟んで短波長側の波長領域の近赤色光、および、長波長側の波長領域の赤色光を発光する発光特性を有し、かつ、境界波長より長波長側成分の赤色光の総量がNVIS適合性を満たすように遮光するためのフィルタが設けられることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の航空機用の表示装置。
- 航空機用の表示装置と暗視装置とからなる表示システムであって、
暗視装置は、境界波長よりも長波長の赤色光を増幅する暗視機構を備え、
表示装置は、赤色用光源で照明される赤色表示素子からの画像光、青色用光源で照明される青色表示素子からの画像光、緑色用光源で照明される緑色表示素子からの画像光を合成し、これら三原色の画像光による合成画像を表示するとともに、赤色用光源として、前記境界波長よりも短波長側の波長領域の近赤色光を照射する第一赤色光源と、少なくとも前記境界波長よりも長波長側の波長領域の赤色光を照射する第二赤色光源とを備え、さらに、表示装置は第二赤色光源の照射光を停止する光源選択部を備え、
暗空間での使用時には第二赤色光源を停止して暗視装置が装着され、明空間での使用時には第二赤色光源を照射して暗視装置が装着されないことを特徴とする表示システム。 - 前記表示装置は、赤色用光源で照明される赤色表示素子からの画像光と、青色用光源で照明される青色表示素子からの画像光と、緑色用光源で照明される緑色表示素子からの画像光とをクロスダイクロイックプリズムを用いて合成することを特徴とする請求項6に記載の表示システム。
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