JP2004219983A - 画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 コントラストを維持したままカラーバランスを調整する。
【解決手段】 光源11と、光源から形成した複数の2次または3次光源像で重畳照明する第1のレンズアレイ13、第2のレンズアレイ14及び重ね合わせレンズ16と、前記重畳照明する光束の内、光軸L0から遠い光束についてレベルを落とす波長域を透過させ、残りの光束についてそのまま透過させる液晶ライトバルブ18と、前記液晶ライトバルブ18で変調された光を投射する投射レンズと、を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】 光源11と、光源から形成した複数の2次または3次光源像で重畳照明する第1のレンズアレイ13、第2のレンズアレイ14及び重ね合わせレンズ16と、前記重畳照明する光束の内、光軸L0から遠い光束についてレベルを落とす波長域を透過させ、残りの光束についてそのまま透過させる液晶ライトバルブ18と、前記液晶ライトバルブ18で変調された光を投射する投射レンズと、を有する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、反射型または透過型の液晶ライトバルブなどの空間光変調素子を用いて変調した画像を投射して画像表示を行う画像表示装置に関する。
従来、空間光変調素子である液晶ライトバルブで照明光を変調し、画像をスクリーンに投射する画像表示装置が提供されている。このような画像表示装置は、反射型または透過型の液晶ライトバルブを用い、液晶ライトバルブのピクセルごとに照明光を制御することにより画像の変調を行っている。
図11は、画像表示装置の概略的な構成を示す図である。
図11(a)はレンズアレイ方式の画像表示装置を示す。
レンズアレイ方式の画像表示装置は、液晶ライトバルブを重畳照明する重畳照明手段としてレンズアレイを用いるものである。
この画像表示装置は、光源111と、光源111から発せらた光を光軸L0方向に反射するリフレクタ112と、第1のレンズアレイ(フライアイレンズ)113と、第2のレンズアレイ(フライアイレンズ)114と、重ね合わせレンズ116と、コンデンサレンズ117と、液晶ライトバルブ118と、を有している。
第1及び第2のレンズアレイ113,114上には、液晶ライトバルブ118とほぽ相似形状の開口を持つレンズセルが複数個2次元配列されており、リフレクタ112の射出開口面を空間的に分割している。
第1のレンズアレイ113の各レンズセルは、各レンズセルに対応した第2のレンズアレイ114のレンズセルに光束を集光させるようになっており、第2のレンズアレイ114上には第1のレンズアレイ113のレンズセルと同数の2次光源像が形成される。一方で、第2のレンズアレイ114上の各レンズセルは、対応する第1のレンズアレイ113の各レンズセル開口の像を液晶ライトバルブ118面上に結像させる。重ね合わせレンズ116は、各レンズセルの中心を液晶ライトバルブ118の中心に一致させ、第1のレンズアレイ113の各レンズセルの像が液晶ライトバルブ118面上で重なり合うようにする。
このようにして、第2のレンズアレイ114において複数の2次光源像が形成され、さらに、重ね合わせレンズ116において複数の3次光源像が形成される。
この結果、リフレクタ112からの反射光束はその強度を積分され、液晶ライトバルブ118は、これら複数の2次または3次光源像により均一な強度分布で重畳照明される。このように第1及び第2のレンズアレイ113,114及び重ね合わせレンズ116は、重畳照明手段を構成している。
コンデンサレンズ117は液晶ライトバルブ118の照明光が投射レンズ(図示していない)の入射瞳方向に入射するように配置されている。
液晶ライトバルブ118は、複数の液晶セルを2次元配列した透過型または反射型の液晶板と、所定方向の偏光のみを透過させるアナライザ(偏光板)とを有している。そして、前記液晶板を電気信号で制御して透過または反射する光を変調する。
図11(b)は、ロッドインテグレータ方式の画像表示装置を示す。
ロッドインテグレータ方式の画像表示装置は、液晶ライトバルブを重畳照明する重畳照明手段に、前述のレンズアレイに代わってロッドインテグレータ(ガラスロッド)を用いるものである。
この画像表示装置は、光源111と、光源111から発せられた光を光軸L0方向に反射するリフレクタ112と、ロッドインテグレータとしてのガラスロッド121と、出射レンズ122と、重ねあわせレンズ116と、コンデンサレンズ117と、液晶ライトバルブ118と、を有している。
この画像表示装置においては、リフレクタ112は光源111からの光を光軸L0方向にガラスロッド121の入射面に集光して照射する。ガラスロッド121の入射面に入射した光束は、ガラスロッド121内で全反射を繰り返し重畳され、出射光では均一な強度分布となる。ガラスロッド121の出射光が入射される出射レンズ122は、ガラスロッド121からの出射光を重ね合わせレンズ116に集光する。重ね合わせレンズ122において、ガラスロッド121内での反射回数に対応した複数の3次光源像が形成される。
このように、ガラスロッド121、出射レンズ122、及び重ね合わせレンズ116は、液晶ライトバルブ118を重畳照明する重畳照明手段を構成している。
図11に示した画像表示装置は、モノクロ表示を行うものである。カラー表示を行う画像表示装置の場合は、前記重畳照明手段からの光をRGBの3原色に分解し、RGB光をそれぞれに対応する液晶ライトバルブで変調した後、RGB光を合成して投射する。
このようなカラー表示を行う画像表示装置においては、RGB光の割合を調整するカラーバランス(ホワイトバランス)調整を行う必要がある。このようなカラーバランス調整は、RGBの各液晶ライトバルブを制御する電気信号の大きさによって調整することで行う。ここで、液晶ライトバルブに印加する電気信号の大きさに応じて、透過(または反射)光量が増加するものとする。
例えば、色温度を高く設定する場合には、Bに対してRGの光量が相対的に少なくなるように、液晶ライトバルブに印加するRGの電気信号を小さくしてRGの液晶の変調量を抑制する。
色温度を低く設定する場合には、Rに対してBGの光量が相対的に少なくなるように、液晶ライトバルブに印加するBGの電気信号を小さくしてBGの液晶の変調量を抑制する。
一方、従来の画像表示装置においては、装置の小型化及び投射される像の高輝度化が求められている。このため、画像表示装置においては、より広範囲の光を短い光路によって液晶ライトバルブに入射させる必要があり、液晶ライトバルブを照明する光束の径を大きくして(照明光学系のF値を小さくし)、十分な照明輝度を確保する必要がある。
特開平7−49494号公報
特開2000−137289号公報
ところで、前述のような重畳照明手段により液晶ライトバルブを照明し、この液晶ライトバルブが表示する情報を拡大投射する画像表示装置において、RGBのカラーバランスを電気信号で調整すると、減らした信号の色のコントラストが低下するという問題が発生する。
また、明るさ調整により、RGB信号を減少させ、液晶の変調量を抑制すると、システムのコントラストが低下するという問題が発生する。
さらに照明光学系の低F値化によっても、黒情報表示時における液晶ライトバルブの漏れ光が増加し、コントラストが低下するという問題が発生する。
図12は、画像表示装置における入力信号と光出力との関係を示す図である。
図中Cは、入力信号Sが所定値より小さい黒情報表示時の光出力Lである。本来、光出力Lはゼロレベルが理想であるが、色分解合成光学系の諸性能及び液晶ライトバルブ118に用いられている液晶の諸性能により、漏れ光としてCレベルの光が出力される。一方、入力信号Sがピークになったとき、光出力LはAレベルになる。このとき、この画像表示装置のコントラスト比CRは、A/Cで定められる。
ところで、カラーバランスを取るために、光出力Lを抑制してA´レベルの光出力に信号調整すると、コントラスト比CR´=A´/Cとなり、著しいコントラスト低下を招く。
また、照明光学系の低F値化によって漏れ光によりCレベルが増加することによっても、コントラスト比CRは低下する。
図13は、黒情報入力時において、垂直配向の液晶を照明光が透過する時の偏光方向の様子を示す断面図であり、F値と液晶ライトバルブの漏れ光との関係を示すものである。
この液晶ライトバルブは、液晶ライトバルブを模式的に示すもので、液晶板41及びアナライザ(偏光板)42を有している。図においては、液晶板41への信号の印加がなく、液晶分子は長軸方向が液晶板41に垂直になるように整列している。
ここでは、反射型の液晶板41を用いるものとして説明するが、F値や入射角と漏れ光との関係は透過型の液晶板を用いる場合にも同様である。
図13(a)は、液晶板41に対する垂直または角度が小さい成分の光(高F値)光L1が透過(反射)する時の様子を示しており、液晶を透過(反射)した光L2は、液晶分子の長軸方向が光L1方向に整列しているため、何の変調も受けず、アナライザ42において吸収遮断される。
一方、図13(b)は、液晶板41に対して角度が大きい(低F値)光L1´が透過(反射)する時の様子を示しており、この光束は、液晶が反応しておらず液晶の長軸が液晶板41に垂直な方向に整列していても、液晶分子に対して角度を持って入射するため、若干の変調を受ける。したがって、アナライザ42では、変調を受けた分の光が透過してしまい、漏れ光になる。すなわち、図12におけるCレベルを増やす(黒情報表示時の光出力を底上げする)ことになる。
本発明は、前述の実情に鑑みて提案されるものであって、コントラスト低下を招くことなくカラーバランスを調整することができ、また、調整対象の色についての照明光学系のF値を高くして、よりコントラストが改善されるようになされた画像表示装置を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明に係る画像表示装置は、所定の断面積を有する光束よりなる白色光を出射する白色光源と、3原色光をそれぞれ変調する第1〜第3の空間光変調素子と、前記白色光源から出射された前記光束を集光する集光レンズと、前記集光レンズに入射するか、又は出射する前記白色光のカラーバランスを調整する第1の調整手段と、前記第1の調整手段でカラーバランスを調整された光を3原色に分解して3原色の光を前記第1〜第3の空間光変調素子に入射させ、前記第1〜第3の空間光変調素子で変調された3原色の光を合成する分解合成手段と、前記分解合成手段により合成された光を投射する投射手段と、を有する。
前記第1の調整手段は、前記空間光変調素子に入射させる光束のうち、光軸から遠い光束についてレベルを落とすべき波長域を遮断するように3原色を調整することが好ましい。
この画像表示装置では、空間光変調素子の黒情報表示時の光量も相対的に低下するため、カラーバランス(ホワイトバランス)を調整してもコントラストが低下することはない。これは、前記空間光変調素子を透過(または反射)する光量を電気的に制御するのではなく、前記空間光変調素子に入射する光量を光学的に制御しているためである。
また、本発明に係る画像表示装置は、前記集光レンズに入射するか、又は出射する少なくとも一部の光束における白色光の全波長域を遮断する遮光部材と、前記遮光部材によって全波長域を遮断する前記白色光の光束の量を調整する第2の調整手段とをさらに設けて構成したことが好ましい。
この画像表示装置においては、光軸から遠い光束について、前記遮光部材により、レベルを落とすべき波長域を遮断している。したがって、照明光束の実質的な径を小さくして、F値を大きくすることができる。すなわち、光を変調する空間光変調素子に入射する光の角度を小さくするので、黒情報表示時に空間光変調素子を透過(または反射)する漏れ光を少なくすることができる。したがって、黒情報表示時の出力光のレベルを低下させ、コントラストを向上させることができる。
さらに、本発明に係る画像表示装置は、前記白色光源と前記集光レンズの間に、一組のレンズアレイ、ガラスロッド、または、内面反射の角柱ミラーのいずれか一つを設けて構成したことが好ましい。
前記色分解光学系から共有されたRGBの波長域の光を変調するRGBに対応した空間光変調素子をそれぞれ有することが好ましい。
前記RGBに対応した空間光変調素子液晶でそれぞれ変調されたRGBの波長域の光を合成する色合成光学系を有することが好ましい。
前記投射レンズは、前記色合成光学系で合成された光を投射することが好ましい。
前述のように、本発明によると、画像表示装置のカラーバランスをコントラストを低下させることなく調整することができ、また、調整対象の色についての照明光学系のF値を高くして、よりコントラストを改善することができる。
以下、本発明に係る画像表示装置の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施の形態の画像表示装置の構成を示す図である。
図1においては、簡単のために光源11から発せられた光が単一の液晶ライトバルブ18を照射するモノクロ表示の画像表示装置を示す。この図は、本発明の原理を説明するために示すもので、カラーバランス(ホワイトバランス)の調整が必要になるカラー表示の画像表示装置には、光をRGBに分解/合成する色分解光学系及び色合成光学系が備えられている。
図1(a)は、レンズアレイ方式の画像表示装置を示す図である。
この画像表示装置は、光源11と、光源から出射された光を光軸L0方向に反射するリフレクタ12を有している。
光源11は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等の白色光を出射するものを用いる。リフレクタ12は、光軸L0を軸とした回転楕円面の反射面を有し、光源11から出射された光を反射面で反射して光軸L0に平行な光束として出射する。
また、この画像表示装置は、第1のレンズアレイ(フライアイレンズ)13と、第2のレンズアレイ(フライアイレンズ)14と、フィルタ15と、重ね合わせレンズ16と、コンデンサレンズ17と、液晶ライトバルブ18と、を有している。
第1及び第2のレンズアレイ13,14は、リフレクタ12が所定の断面積の光束を出射する開口を空間的に分割するように、液晶ライトバルブ18に相似した形状の複数のレンズセルを2次元配列している。
第1のレンズアレイ13の各レンズセルは、そのレンズセルにそれぞれ対応した第2のレンズアレイ14のレンズセルに光束を集光し、第2のレンズアレイ14上に第1のレンズアレイ13のレンズセルと同数の2次光源像を形成する。
第2のレンズアレイ14は、各レンズセルごとに、対応する第1のレンズアレイ13のレンズセル開口の像を液晶ライトバルブ18面上に結像させる。重ね合わせレンズ16は、各レンズセルの中心を液晶ライトバルブ18の中心に一致させ、第1のレンズアレイ13の各レンズセルの像が液晶ライトバルブ18面上で重なり合うようにする。
フィルタ15は、第1及び第2のレンズアレイ13,14を透過した光束の内、光軸L0から遠い光束についてレベルを落とす波長域を遮断し、残りの光束についてそのまま透過させる。
コンデンサレンズ17は、液晶ライトバルブ18の照明光が投射レンズ(図示していない)入射瞳方向に入射するようにする。
液晶ライトバルブ18は、複数の液晶セルを2次元配列してなる液晶板と所定方向の偏光のみを透過させるアナライザ(偏光板)を有し、各液晶セルごとに透過する光量を制御することによって画像を変調する。
この画像表示装置においては、第1のレンズアレイ13によって集光された光によって複数の2次光源像が第2のレンズアレイ14に形成される。また、第2のレンズアレイ14によって集光された光によって3次光源像が重ね合わせレンズ16に形成される。そして、この3次光源像を用いて液晶バルブ18を光束の強度を積分した均一の強度分布で重畳照明している。画像表示装置において、この重畳照明を行う重畳照明手段は、第1及び第2のレンズアレイ13,14と、重ね合わせレンズ16とが構成している。
前記フィルタ15は、2次光源像が形成される第2のレンズアレイ14と3次光源像が形成される重ね合わせレンズ16との間に設置される。そして、落とすレベルに相当した面積の光束に適用して所望の波長域を遮断し、残りの光束をそのまま透過させる。
ここで、フィルタ15は、光軸から遠い光束から順に前記所望の波長域を遮断する。これによって、フィルタ15を透過した光束の径は、実質的に小さくなる。すなわち、フィルタ15によって光束の径は前記所望の波長域についてのみ狭くなるが、各波長域を含む光束全体としても、光束の外側の光量が減少するため、光束の径が実質的に小さくなったということができる。換言すると、実質的にF値が大きくなったということができる。
このようにフィルタ15によって光束の径が実質的に小さくなったので、光軸L0から遠く、液晶ライトバルブ18に大きな角度で入射する光も少なくなる。したがって、後述するように液晶ライトバルブ18の黒情報表示時における漏れ光も少なくなる。
例えば、落とすレベルに相当した面積の光束にR透過フィルタを適用する場合、フィルタ15が適用された光線a,b,e,fはR光のみ、フィルタ15が適用されていない光線c,dはR+G+Bの白色光である。したがって、液晶ライトバルブ18上に重畳された光は、GとBの成分が削減され色温度の低い光となる。
なお、図においては第2のレンズアレイ14と重ね合わせレンズ16の間にフィルタ15を設けた例を示したが、フィルタ15は第1及び第2のレンズアレイ13,14間に設置することもできる。
図1(b)は、ガラスロッド方式の画像表示装置を示す図である。
この画像表示装置は、図1(a)に示したレンズアレイ方式の画像表示装置と、第1及び第2のレンズアレイ13,14に代わってガラスロッド21及び出射レンズ22を採用して、フィルタ15が重ね合わせレンズ16の後ろに設置された点が異なっている。図1(a)に示したレンズアレイ方式と同様な部分については、同一の符号を付して説明を省略する。
リフレクタ12は、光源11から出射された光を回転楕円面の反射面で反射してガラスロッド21の入射面に集光して入射する。
ガラスロッド21は、リフレクタ12から入射された光を内面で多重回にわたって全反射する。出射レンズ22は、ガラスロッド21から出射された光をリレーレンズ16に入射させる。
このとき、ガラスロッド21の出射面には複数の2次光源像が形成される。また、重ね合わせレンズ16には、複数の3次光源像が形成される。これら2次光源像及び3次光源像の数は、ガラスロッド21内において光が全反射する回数に対応している。
前記フィルタ15は、3次光源像が形成される重ね合わせレンズ16の後段に設置される。そして、落とすレベルに相当した面積の光束に適用して所望の波長域を遮断し、残りの光束をそのまま透過させる。この図1(b)は、図1(a)に示したレンズアレイ方式の場合と同様に、R透過フィルタを示すもので、光線a,b,e,fについてはR光のみ、光線c,dについてはR+G+Bの白色光である。
前述したように、図1に示した画像表示装置においては、簡単のために色分解光学系及び色合成光学系に関連する部分を省略している。実際には、RGB光をそれぞれ変調する液晶ライトバルブが設けられる。また、これらの液晶ライトバルブの前段には光をRGBに分解する色分解光学系が設置され、液晶ライトバルブの後段にはRGB光を合成する色合成光学系が設置される。投射レンズは、この色合成光学系で合成された光を投射する。
図2は、フィルタを示す斜視図である。
図中のフィルタ31は、図1に示したフィルタ15の具体例を示すものである。このフィルタ31は、縦横6×6の要素を有し、それぞれの要素ごとに光の透過を制御することができる。すなわち、各要素について、レベルを落とす波長域の光を遮断する状態と、光をそのまま透過させる状態を切り替えることができる。
例えば、図2(a)に示すように、最右列及び最左列からそれぞれ2列の要素31aについてレベルを落とす波長域について遮断する状態に、残りの中央2列の要素31bについて光をそのまま透過させる状態に制御することができる。
このように、フィルタ31の中央を貫く光軸に直交する一つの直線について対称になるように、レンズの光軸L0から離れた要素から順に、レベルを落とす波長域の光を遮断させ、残りの要素についてはそのまま光を透過させるように制御することができる。
また、例えば、図2(b)に示すように、光軸から離れた配列の周囲の要素31cについてレベルを落とす波長域の光を遮断し、残りの中央の4個の要素31dについての光をそのまま透過させる状態に制御することができる。
このように、フィルタ31を構成する要素について、光軸から離れた周囲の要素から順にレベルを落とす波長域の光を遮断し、残りの要素についてはそのまま光透過させるように制御することができる。
本実施の形態では、図2(a)及び図2(b)のいずれについても光軸L0近くの中央の要素について光をそのまま透過させるように制御している。したがって、液晶ライトバルブ18を照明する光束の実質的な径が小さくなるので、F値が大きくなる。また、液晶ライバルブ18に大きな角度で入射する光を抑制することができる。
ここで、図1(a)に示したようにレンズアレイを用いる場合には、フィルタ31を構成する要素をレンズアレイを構成するレンズセルの配列に対応するように配列することができる。このようにフィルタ31の要素とレンズアレイをレンズセルの配置を対応させることで、これらの配列の不一致に由来する色むらを抑制することができる。
図3は、レンズアレイ方式の照明系を用いた実施形態において、さらに、遮光部材を備えた実施形態を示す平面図及び側面図である。図3(a)は平面図であり、図3(b)は側面図である。
図3において、2次光源像が形成される第2レンズアレイ14の後には、前記図1(a)により示した実施形態と同様に、光量レベルを落としたい波長域を遮断するフィルタ15が、光量を落とすレベルに相当したレンズアレイ14のレンズ開口を覆って設置されている。すなわち、このフィルタ15は、第1及び第2のレンズアレイ13,14を透過した光束の内、光軸L0から遠い光束についてレベルを落とす波長域を遮断し、残りの光束についてそのまま透過させる。例えば、R透過フィルタを配置すると、光線a、b、e、f、はR光のみ、c、dはR+G+Bのホワイト光であり、ライトバルブ18上に重畳される光は、GとBの成分が削減され色温度の低い光となる。
さらに、この実施形態においては、遮光部材(遮光板)19が、前記フィルタ15が配置されている方向とは直交する位置に、落としたい光量レベルに相当したレンズアレイの開口部数を覆って配置されている。この遮光部材19は、例えば、反射ミラーからなり、全波長域の光束を反射するか、または、黒色の遮光部材からなり、全波長域の光を吸収するものである。
この実施形態における他の構成は、前記図1(a)に示したものと同様である。
図4は、ロッドインテグレータ方式の照明系を用いた実施形態において、さらに、遮光部材を備えた実施形態を示す平面図及び側面図である。図4(a)は平面図であり、図4(b)は側面図である。
図4において、3次光源像が形成される重ね合わせレンズ16の後には、前記図1(b)により示した実施形態と同様に、光量レベルを落としたい波長域を遮断するフィルタ15が、光量を落とす断面積に相当して設置されている。すなわち、このフィルタ15は、ロッドインテグレータ21を透過した光束の内、光軸L0から遠い光束についてレベルを落とす波長域を遮断し、残りの光束についてそのまま透過させる。例えば、R透過フィルタを配置すると、光線a、b、e、f、はR光のみ、c、dはR+G+Bのホワイト光であり、ライトバルブ18上に重畳される光は、GとBの成分が削減され色温度の低い光となる。
さらに、この実施形態においては、遮光部材19が、前記フィルタ15が配置されている方向とは直交する位置に、落としたい光量レベルに相当したレンズアレイの開口部数を覆って配置されている。この遮光部材19は、例えば、反射ミラーからなり、全波長域の光束を反射するか、または、黒色の遮光部材からなり、全波長域の光を吸収するものである。
この実施形態における他の構成は、前記図1(b)に示したものと同様である。
図5は、前記各実施形態の画像表示装置における入力信号と光出力との関係を示すグラフである。
この図は、液晶ライトバルブ18に入力する入力信号Sと、この液晶ライトバルブ18を透過する光出力Lとの関係を示すものである。
入力信号Sがピークになったとき、光出力LはAレベルになる。一方、入力信号Sが所定値より小さい黒情報表示時の光出力Lは、Cレベルである。
黒情報表示時の光出力Lは本来ゼロレベルが理想であるが、色分解合成光学系の諸性能及び液晶ライトバルブ18に用いられている液晶の諸性能により、漏れ光としてCレベルの光が出力される。前述したように、本実施形態における画像表示装置においては、F値が大きく、液晶ライトバルブ18に対する照明光の入射角が小さいので、液晶ライトバルブ18における漏れ光は少ない。
このとき、画像表示装置のコントラスト比CRは、A/Cで定められる。本実施の形態では、漏れ光が少なく黒情報表示時のレベルCが低いため、コントラスト比CRは大きい。
ここで、カラーバランス(ホワイトバランス)を調整するために、入力信号Sがピークになったときの光出力Lを抑制してA´レベルとなるようにすると、黒情報表示時の漏れ光もC´レベルに低下する。これは、本実施形態においては、カラーバランスの調整を、フィルタ15によって所定の波長帯域の光量を制限することによって行っているためである。このため、黒情報表示時の漏れ光C´は、カラーバランス調整のためにフィルタ15によって遮断する光量に応じて低下する。
したがって、本実施形態においては、光出力をAレベルからA´レベルに低下させたとき、黒情報表示時の漏れ光もCレベルから同じ比率で減少してC´レベルとなる。これによって、コントラスト比CR´=A´/C´=CRとなり、カラーバランス調整のためにピークレベルの光出力を調整してA´レベルに低下させても、コントラスト比は維持されることとなる。
図6及び図7は、レンズアレイ14の後にフィルタ15及び遮光部材19を設置した状態を示す正面図及び側面図である。
図6及び図7においては、フィルタ15をレンズアレイ14の光軸に直交する一方向について光軸から離れた両側部分に(図中縦方向)配置するとともに、遮光部材19をレンズアレイ14の光軸及び前記一方向に直交する他の方向について光軸から離れた両側部分に(図中上側及び下側の部分)横方向に配列した状態を示している。図6(a)及び図7(a)においては、遮光部材19はレンズアレイ14からの出射光の光路外に退避されており、フィルタ15により色温度の設定がなされるが、遮光部材19による遮光は行われず、照明光の光度が高い(明るい)状態となっている。
そして、図6(b)及び図7(b)においては、遮光部材19がレンズアレイ14からの出射光の光路内に進入されており、フィルタ15により色温度の設定がなされるとともに、遮光部材19による遮光が行われ、照明光の光度が低い(暗い)状態となっている。
なお、この図6に示した実施形態においては、遮光部材19として、光路に対して傾けて配置した遮光板を用いている。この場合において、遮光部材19を、全波長域の光束を反射するミラーにより構成すれば、遮断した光束が光源側に戻ることがなく、光源及び光源側部品の温度上昇を防ぐことができる。
なお、フィルタ15や遮光部材19は、レンズアレイ14のレンズセグメント単位で減光及び遮光を行うように設置すると、投射画像における色むらが発生しないので好ましい。また、フィルタ15及び遮光部材19の挿入位置は、図3においては、第2のレンズアレイ14の後に限定されず、第1及び第2のレンズアレイ13,14の間に配置しても良い。
これらの実施形態においては、前述のように、フィルタ15によって、または、フィルタ15及び遮光部材19によって、光束の実質的な径が小さくなされ、F値が大きくなされる。したがって、これら実施形態の画像表示装置においては、図13(a)に示したように、液晶板に対する照明光の入射角度が垂直または小さい状態に対応している。すなわち、これら実施形態においては、前記構成によって、漏れ光が少なく、黒情報表示時の光出力が小さくなされる。
図8は、本実施形態の画像表示装置の構成をより具体的に示す側面図である。
この画像表示装置は、図1(a)に示したレンズアレイ方式の画像表示装置について、色分解合成光学系を含めより詳細に示すものである。
この画像表示装置は、光源51と、この光源51からの光を一方向に反射するリフレクタ52と、コリメータレンズ53と、赤色光及び紫外光カットフィルタ54と、第1のレンズアレイ55と、フィルタ56と、第2のレンズアレイ57と、コンバイナ57と、重ね合わせレンズ59と、コンデンサレンズ69と、ポラライザ(偏光板)61と、を有して構成されている。
コリメータレンズ53は、光の利用効率を高めるように、リフレクタ52から供給された光を平行光に近づけている。
赤外光及び紫外光カットフィルタ54は、画像の表示に不要な赤外光及び紫外光を遮断することで、後段の光学系の発熱を防止している。
第1及び第2のレンズアレイ54,57及び重ね合わせレンズ59は、重ね合わせレンズ59に形成される複数の3次光源像により液晶ライトバルブを重畳照明する重畳照明手段を構成している。
フィルタ56は、第1及び第2のレンズアレイ54,47間に設置され、光軸から遠い光束についてレベルを落とす波長域について遮断し、光軸に近い光束についてはそのまま透過させるように制御する。そして、前記波長域に制限する光束の分量を制限することにより、この画像表示装置のカラーバランス(ホワイトバランス)を調整している。
コンバイナ58は、後段の偏光光学系における光の利用効率を向上させるため、入射する光をS偏光に変換している。
コンデンサレンズ60は、液晶ライトバルブの照明光が投射レンズの入射瞳方向に入射するようにしている。
ポラライザ61は、S偏光のみが透過するように制限している。
また、この画像表示装置は、色分解合成光学系65と、B色液晶ライトバルブ62と、R色液晶ライトバルブ63と、B色液晶ライトバルブ64と、アナライザ66と、投射レンズ67と、を有している。
色分解合成光学系65は、入射された光をRGB(3原色)に分解して各色に対応する液晶ライトバルブ62,63,64にそれぞれ入射させるとともに、これら液晶ライトバルブ62,63,64で変調されて反射されたRGB光を合成する。
色分解光学系65は、プリズムやダイクロイックミラーを用いて種々の構成が可能であるので具体的な構成は図示を省略する。図の色分解光学系65のブロックには、RGB光が各色の液晶ライトバルブ62,63,64に達するまでの光路のみを示している。
アナライザ(偏光板)66は、P偏光のみを透過させる。したがって、液晶ライトバルブ62,63,64で変調を受けていない光はこのアナライザ66によって遮断される。
投射レンズ67は、アナライザ66を透過した光をスクリーンに向けて投射する。
本実施形態においては、光学系のFナンバーを、例えば2.4として構成することができる。この場合、空間光変調素子(液晶ライトバルブ62,63,64)への入射角は、最大11.8度になる。ここで、例えば、この画像表示装置から出射されるB色の光を50%減らしたいならば、Fナンバーを2.4から3.4にする。このときの空間光変調素子への入射角は、最大8.4度になる。
図9は、図8に示した画像表示装置に、さらに、遮光部材を設けた構成を示す側面図である。
この実施形態においては、前記図8に示した画像表示装置において、第1のレンズアレイ55及びフィルタ56の間に、遮光部材19が設けられている。この遮光部材19は、前記図6に示したように、光路に対して傾けて配置された遮光板であって、全波長域の光束を反射するミラーにより構成されている。したがって、この遮光部材19が遮断した光束は、光源側に戻ることがなく、光源及び光源側部品の温度を上昇させることがない。
そして、この実施形態においては、フィルタ56及び遮光部材19によって、光束の実質的な径が小さくなされ、F値が大きくなされ、各液晶ライトバルブに対する照明光の入射角度が垂直または小さい状態となされる。したがって、この実施形態においては、各液晶ライトバルブにおける漏れ光が少なくなされ、黒情報表示時の光出力が小さくなされる。
図10は、本実施形態の画像表示装置において、遮光部材19を移動操作する機構を有する構成を示す側面図である。
この画像表示装置は、光源51と、この光源51からの光を一方向に反射するリフレクタ52と、重畳照明手段となる照明光学系68とを有している。この照明光学系68は、前述した実施形態と同様に、コリメータレンズ、赤色光及び紫外光カットフィルタ、第1及び第2のレンズアレイ、カラーバランス(ホワイトバランス)調整のためのフィルタ、コンバイナ、重ね合わせレンズ、コンデンサレンズ及びポラライザ(偏光板)等を有して構成されている。
この照明光学系68からの出射光は、一部を遮光部材19によって遮断され、色分解光学系69に入射される。遮光部材19は、前記図7に示したように、光路に対して傾けて配置された遮光板であって、全波長域の光束を反射するミラーにより構成されている。したがって、この遮光部材19が遮断した光束は、光源側に戻ることがなく、光源及び光源側部品の温度を上昇させることがない。
色分解光学系69においてRGB(3原色)に分解された照明光は、B色液晶ライトバルブ、R色液晶ライトバルブ及びB色液晶ライトバルブからなる空間光変調素子70に入射し、この空間光変調素子70を透過して、色合成光学系71に入射される。
なお、色分解光学系69及び色合成光学系71は、プリズムやダイクロイックミラーを用いて種々の構成が可能であるので具体的な構成は図示を省略する。
色合成光学系71において合成されたRGB(3原色)光は、投射レンズ67に入射され、この投射レンズ67により、図示しないスクリーンに向けて投射される。
そして、この画像表示装置においては、遮光部材19を照明光の光軸に直交する方向に移動操作する駆動手段77が設けられている。この駆動手段77は、駆動回路76を介して、制御マイコン(マイクロコンピュータ)75によって駆動制御される。
また、この制御マイコン75は、信号処理回路73及びライトバルブ駆動回路74を制御している。この信号処理回路73は、外部より供給される画像信号に基づいて、ライトバルブ駆動回路74を介して、空間光変調素子70を制御する。
そして、制御マイコン75には、リモートコントローラ79からのリモートコントロール信号を受信するための受光素子78が接続されている。
なお、これら各ブロック及び光源51は、電源72により電源供給されて動作する。
この実施形態の画像表示装置においては、リモートコントローラ79を操作することにより、受光素子78、制御マイコン75及び駆動回路76を介して、遮光部材19を、照明光の光軸に直交する方向に移動操作することができる。この画像表示装置においては、遮光部材19を移動操作することにより、照明光学系68からの出射光の実質的な径を可変調節することができ、F値が可変となされ、各液晶ライトバルブに対する照明光の入射角度を調整することができる。このような調整により、各液晶ライトバルブにおける漏れ光を少なくし、黒情報表示時の光出力を小さくすることができる。
なお、前述の実施の形態は、本発明の一具体例を示すもので本発明はこれに限定されない。本発明を逸脱しない範囲で様々な変形等を行うことができることは、本技術分野の専門家には明らかであろう。
11 光源
12 反射鏡
13 第1のレンズアレイ
14 第2のレンズアレイ 15 フィルタ
16 リレーレンズ
17 コンデンサレンズ
18 液晶ライトバルブ
21 ガラスロッド
22 出射レンズ
12 反射鏡
13 第1のレンズアレイ
14 第2のレンズアレイ 15 フィルタ
16 リレーレンズ
17 コンデンサレンズ
18 液晶ライトバルブ
21 ガラスロッド
22 出射レンズ
Claims (3)
- 所定の断面積を有する光束よりなる白色光を出射する白色光源と、
3原色光をそれぞれ変調する第1〜第3の空間光変調素子と、
前記白色光源から出射された前記光束を集光する集光レンズと、
前記集光レンズに入射するか、又は出射する前記白色光のカラーバランスを調整する第1の調整手段と、
前記第1の調整手段でカラーバランスを調整された光を3原色に分解して3原色の光を前記第1〜第3の空間光変調素子に入射させ、前記第1〜第3の空間光変調素子で変調された3原色の光を合成する分解合成手段と、
前記分解合成手段により合成された光を投射する投射手段と、
を有することを特徴とする画像表示装置。 - 前記集光レンズに入射するか、又は出射する少なくとも一部の光束における白色光の全波長域を遮断する遮光部材と、
前記遮光部材によって全波長域を遮断する前記白色光の光束の量を調整する第2の調整手段とをさらに設けて構成したことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。 - 前記白色光源と前記集光レンズの間に、一組のレンズアレイ、ガラスロッド、または、内面反射の角柱ミラーのいずれか一つを設けて構成したことを特徴とする請求項1、または、請求項2に記載の画像表示装置。
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