JP2005258182A - 照明装置およびプロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 スクリーンへの入射角等に起因して周辺減光が回避できない場合であっても、均一な輝度分布の画像の投射を可能にする照明装置を提供すること。
【解決手段】 一対のフライアイ光学系21d,21eと、複合重畳レンズ21iとによって、光源光の輝度分布を恰も反転したような輝度分布を形成ことができる。この場合、スクリーンの中央と周辺との入射角差等に起因して周辺部に発生する減光を、輝度反転を利用することによって相殺することができ、均一で輝度ムラのない画像を投射することができる。なお、反転された輝度分布の勾配は、フライアイ光学系21dを構成するレンズ要素の分割数の増加に伴って漸減する。つまり、フライアイ光学系21dを構成するレンズ要素数の調節によって輝度分布の勾配も調整することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 一対のフライアイ光学系21d,21eと、複合重畳レンズ21iとによって、光源光の輝度分布を恰も反転したような輝度分布を形成ことができる。この場合、スクリーンの中央と周辺との入射角差等に起因して周辺部に発生する減光を、輝度反転を利用することによって相殺することができ、均一で輝度ムラのない画像を投射することができる。なお、反転された輝度分布の勾配は、フライアイ光学系21dを構成するレンズ要素の分割数の増加に伴って漸減する。つまり、フライアイ光学系21dを構成するレンズ要素数の調節によって輝度分布の勾配も調整することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、液晶表示パネルその他の光変調装置を用いて画像を投射するプロジェクタ用の照明装置や、これを組み込んだプロジェクタに関する。
従来のプロジェクタの照明光学系として、光源光の光路に沿って2段にレンズアレイを配置して波面分割を行うとともに、これらレンズアレイの後段に配置した重畳レンズによって、波面分割後の光源光を液晶ライトバルブ上に重畳入射させることによって照明光の均一化を図ったものが存在する(特許文献1等参照)。
特開2001−90505号公報
しかしながら、上記のような照明光学系を用いて液晶ライトバルブを均一に照明しても、投射画像の周辺が暗くなる現象を回避できない場合が多い。これは、例えば液晶ライトバルブの後段に配置されるスクリーンへの像光の入射角が周辺部において不可避的に大きくなり、どうしてもスクリーンへの入射角に応じて周辺部で光量損失が増大する等の理由による。
そこで、本発明は、スクリーンへの入射角等に起因して周辺減光が回避できない場合であっても、均一な輝度分布の画像の投射を可能にする照明装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記光源装置を組み込むことによって均一な輝度分布の像光を投射することができるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る照明装置は、(a)光源光を発生する光源と、(b)光源から射出された光源光の矩形断面の光束を光軸を挟む4つの矩形領域に分割するとともに、当該分割に際して、各矩形領域の全体又は部分単位で輝度分布を反転させる波面分割手段と、(c)各矩形領域からの光束を、被照射面上に各矩形領域に対応する配置で形成された各区分領域に照明光として投射する照明光投射手段とを備える。
上記照明装置では、波面分割手段が光源光の矩形断面の光束を光軸を挟む4つの矩形領域に分割する際に、各矩形領域の全体又は部分単位で輝度分布を反転させるので、各矩形領域に対応して得られる照明光の輝度分布が各矩形領域における光源光束の輝度分布を強弱反転した傾向を有するものとなる。さらに、照明光投射手段が各矩形領域からの光束を対応する各区分領域に照明光として投射するので、光源から射出された光源光の輝度が例えば光軸及びその周辺で高くて縁部分で低い場合には、被照射面における輝度分布を中央で相対的に低くすることができる。よって、被照射面の後段に配置される光変調装置、投射レンズ、スクリーン等による画像周辺での減光を相殺するような照明が可能になり、均一な輝度分布の像光すなわち画像を表示することができる。
本発明の具体的な態様では、上記照明装置において、波面分割手段が、一対のフライアイ光学系からなる。この場合、前段のフライアイ光学系によって2次光源を形成することができ、後段のフライアイ光学系によって2次光源からの光束を所望の広がり角とすることができる。
本発明の別の具体的な態様では、一対のフライアイ光学系の各々が、各矩形領域をさらに複数部分に分割した細分領域に対応して設けたレンズ要素からそれぞれなる。この場合、細分領域への分割数に応じた照明光の均一化が可能になり、所望の程度に平坦化しつつ中央・周辺間の輝度反転が可能になる。
本発明のさらに別の具体的な態様では、照明光投射手段が、波面分割手段の後段に配置されるとともに、各矩形領域に対応して配置されたレンズ部分を組み合わせた複合重畳レンズである。この場合、各矩形領域からの光束を対応する配置の各区分領域に高い効率で簡易かつ正確に投射することができる。
本発明のさらに別の具体的な態様では、光源が、光軸周辺で高い光量分布を有する光源光を発生する。この場合、波面分割手段によって被照射面における輝度分布を反転させることにより、光軸周辺に対応する中央側で輝度分布を相対的に低くすることができる。
本発明のさらに別の具体的な態様では、照明光投射手段を経た光源光を各色の照明光に分割する色分割光学系をさらに備える。この場合、白色光源からの白色光を例えばRGBの3色に分割することができる。
また、本発明に係る第1のプロジェクタは、(a)色分割光学系を備える上述の照明装置と、(b)照明装置から射出される各色の照明光によってそれぞれ照明されるとともに、各色の照明光を個別に変調する複数の光変調装置と、(c)各色の照明光を複数の光変調装置によってそれぞれ変調することによって得られる各色の像光を合成して射出する光合成部材と、(d)光合成部材を経て合成された像光を投射する投射光学系とを備える。
上記第1のプロジェクタでは、各色の照明光で照明した光変調装置によって形成した像光を光合成部材によって合成することができ、かかる合成後のカラー像光を投射光学系によってスクリーン等に投射することができる。この場合において、照明装置として、上述の本発明に係るものを用いているので、光源光の輝度が例えば周辺で相対的に低くなる場合には、被照射面における輝度分布を反転させて中央で相対的に低くすることができる。よって、被照射面の後段に配置される光変調装置、投射レンズ、スクリーン等による画像周辺での減光を相殺するような照明が可能になり、各色について均一な輝度分布の像光を投射することができる。
また、本発明に係る第2のプロジェクタは、(a)上述の照明装置と、(b)照明光によって照明されるとともに当該照明光を変調する光変調装置と、(c)照明光を光変調装置によって変調することによって得られる像光を投射する投射光学系とを備える。
上記第2のプロジェクタでは、照明光で照明した光変調装置によって形成した像光を投射光学系によってスクリーン等に投射することができる。この場合において、照明装置として、上述の本発明に係るものを用いているので、光源光の輝度が例えば周辺で相対的に低くなる場合には、被照射面における輝度分布を反転させて中央で相対的に低くすることができる。よって、被照射面の後段に配置される光変調装置、投射レンズ、スクリーン等による画像周辺での減光を相殺するような照明が可能になり、均一な輝度分布の像光を投射することができる。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態のプロジェクタの光学系を説明する図である。このプロジェクタ10は、光源光を発生する光源装置21と、光源装置21からの光源光をRGBの3色に分割する色分割光学系23と、色分割光学系23から射出された各色の照明光によって照明される光変調部25と、光変調部25からの各色の像光を合成する光合成光学系27と、光合成光学系27で合成された像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射レンズ29とを備える。
図1は、第1実施形態のプロジェクタの光学系を説明する図である。このプロジェクタ10は、光源光を発生する光源装置21と、光源装置21からの光源光をRGBの3色に分割する色分割光学系23と、色分割光学系23から射出された各色の照明光によって照明される光変調部25と、光変調部25からの各色の像光を合成する光合成光学系27と、光合成光学系27で合成された像光をスクリーン(不図示)に投射するための投射光学系である投射レンズ29とを備える。
ここで、光源装置21は、光軸OAに平行な光路方向に沿って順に、光源ランプ21aと、一対のフライアイ光学系21d,21eと、複合重畳レンズ21iとを備える。ここで、光源ランプ21aは、例えば高圧水銀ランプからなる白色光源であり、光源光を略コリメートするための凹面鏡を備える。一対のフライアイ光学系21d,21eは、マトリックス状に配置された複数の要素レンズからなる波面分割手段であり、これらに形成した要素レンズによって光源ランプ21aからの光源光を分割して個別に集光・発散させる。複合重畳レンズ21iは、光源光を照明光として光変調部25に供給するための照明光投射手段であり、一対のフライアイ光学系21d,21eで波面分割された照明光を光軸OAのまわりの4象限ごとに独立して収束させて、光変調部25に設けた各色の光変調装置に対し各象限を単位とする重畳照明を可能にする。つまり、両フライアイ光学系21d,21eと複合重畳レンズ21iとを経た照明光は、以下に詳述する色分割光学系23を経て、光変調部25に設けられた各色の光変調装置すなわち各色の液晶ライトバルブ25a〜25cの被照射面を4象限単位で区分して重畳照明する。
色分割光学系23は、第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bと、3つのフィールドレンズ23f,23g,23hと、反射ミラー23m,23n,23oとを備え、光源装置21とともに光変調部25に各色の照明光を供給するための照明装置を構成する。第1ダイクロイックミラー23aは、RGBの3色のうちG光及びR光を透過しB光を反射させる。また、第2ダイクロイックミラー23bは、入射したGRの2色のうちG光を反射しR光を透過させる。この色分割光学系23において、光源装置21からの白色の照明光は、まず第1ダイクロイックミラー23aに入射する。第1ダイクロイックミラー23aで反射されたR光は、反射ミラー23mを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ23fに入射する。また、第1ダイクロイックミラー23aを通過して第2ダイクロイックミラー23bで反射されたG光は、フィールドレンズ23gに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー23bを通過したR光は、光路長差を補償するためのリレー光学系であるリレーレンズLL1,LL2及び反射ミラー23n,23oを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ23hに入射する。
光変調部25は、それぞれが光変調装置である3つの液晶ライトバルブ25a〜25cと、各液晶ライトバルブ25a〜25cを挟むように配置される3組の偏光フィルタ25e〜25gとを備える。第1ダイクロイックミラー23aで反射されることによって分岐されたB光は、フィールドレンズ23fを介して液晶ライトバルブ25aに入射する。第1ダイクロイックミラー23aを経て第2ダイクロイックミラー23bで反射されることによって分岐されたG光は、フィールドレンズ23gを介して液晶ライトバルブ25bに入射する。第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bを透過することによって分岐されたR光は、フィールドレンズ23hを介して液晶ライトバルブ25cに入射する。各液晶ライトバルブ25a〜25cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置であり、各液晶ライトバルブ25a〜25cにそれぞれ入射した3色の光は、各液晶ライトバルブ25a〜25cに電気的信号として入力された駆動信号或いは画像信号に応じて変調される。その際、偏光フィルタ25e〜25gによって、各液晶ライトバルブ25a〜25cに入射する照明光が画素単位で特定の方向の偏光光とされるとともに、各液晶ライトバルブ25a〜25cから射出される変調光のうち所定の偏光方向の光が像光として取り出される。
光合成光学系(クロスダイクロイックプリズム)27は、光合成部材であり、R光反射用の誘電体多層膜27aとB光反射用の誘電体多層膜27bとを直交させた状態で内蔵するものであり、液晶ライトバルブ25aからのB光を誘電体多層膜27aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ25bからのG光を誘電体多層膜27a,27bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ25cからのR光を誘電体多層膜27bで反射して進行方向左側に射出させる。このように光合成光学系27で合成された像光は、投射レンズ29を経て適当な拡大率でスクリーン(不図示)に投射される。
図2(a)〜(c)は、光源装置21によるB光用の液晶ライトバルブ25aの照明を説明する図である。
図2(a)は、第1のフライアイ光学系21dを光源光或いは照明光の射出方向に向かって観察した図である。フライアイ光学系21dに入射する光束は、光軸OAのまわりの4つの象限に対応する4つの矩形領域A1〜A4に分割して考えることができ、各矩形領域A1〜A4ごとに4×3のマトリックス状に配列されたレンズ要素LE11〜LE14を備える。なお、第2のフライアイ光学系21eも、図示を省略しているが、第1のフライアイ光学系21dと同様にマトリックス状に配列されたレンズ要素を備える。
図2(b)は、複合重畳レンズ21iを光源光の射出方向に向かって観察した図である。複合重畳レンズ21iは、フライアイ光学系21dを4分割した矩形領域A1〜A4に対応して4つの扇状部分FP1〜FP4を備える。これらの扇状部分FP1〜FP4は、それぞれが個別の集光機能を有するレンズ部分であり、第2のフライアイ光学系21eを構成する各レンズ要素の位置に形成される2次光源の像を、4つの矩形領域A1〜A4ごとに個別に同一倍率で液晶ライトバルブ25aの被照射面上に投影する。これにより、各矩形領域A1〜A4をさらに4×3に分割した細分領域の光束によって液晶ライトバルブ25aの被照射面上の各象限を重畳照明することができる。
図2(c)は、液晶ライトバルブ25aを光源光の射出方向に向かって観察した図である。液晶ライトバルブ25aの被照射面IS上の第1象限領域QA1は、図2(a)に示す矩形領域A1に含まれる4×3個のレンズ要素LE11をそれぞれ通過して波面分割された光源光が図2(b)に示す扇状部分FP1によって互いに重畳して投影されることによって照明される。また、被照射面IS上の第2象限領域QA2は、矩形領域A2に含まれる4×3個のレンズ要素LE12をそれぞれ通過して波面分割された光源光が扇状部分FP2によって互いに重畳して投影されることによって照明される。また、被照射面IS上の第3象限領域QA3は、矩形領域A3に含まれる4×3個のレンズ要素LE13をそれぞれ通過して波面分割された光源光が扇状部分FP3によって互いに重畳して投影されることによって照明される。さらに、被照射面IS上の第4象限領域QA4は、矩形領域A4に含まれる4×3個のレンズ要素LE14をそれぞれ通過して波面分割された光源光が扇状部分FP4によって互いに重畳して投影されることによって照明される。以上をまとめると、各矩形領域A1〜A4単位で光源光を個別に波面分割及び重畳させることにより、液晶ライトバルブ25a上の各象限領域QA1〜QA4が個別に照明され、液晶ライトバルブ25aの被照射面IS全体が切れ目なく照明される。この際、複合重畳レンズ21iにわずかなデフォーカスを設定しておけば、各象限領域QA1〜QA4の境界を滑らかにつなぐことができる。
図3は、光源装置21における光線の状態を説明する図である。第1のフライアイ光学系21dを通過した光源光は、各レンズ要素LE11〜LE14によって個別に収束されて後段のフライアイ光学系21eの対向するレンズ要素LE21〜LE24にそれぞれ入射して2次光源を形成する。各レンズ要素LE21〜LE24からの射出光は、図2(a)等に示す各矩形領域A1〜A4相互間で干渉することなく、各矩形領域A1〜A4内で相互に重畳するように収束され、液晶ライトバルブ25aの被照射面IS上に照明光として入射する。この際、第2のフライアイ光学系21eの位置で2次光源が形成されるので、液晶ライトバルブ25aの被照射面ISに投影される照明光の像は、倒立像であり、各矩形領域A1〜A4における照明光の輝度分布を強弱反転した傾向を有するものとなる。つまり、光源ランプ21aから射出した光源光の輝度パターンを各矩形領域A1〜A4ごとに反転像とした照明光の分布特性で液晶ライトバルブ25aの被照射面ISが照明される。
図4は、光源装置21における光源光若しくは照明光の輝度分布の形成を視覚的に説明する図である。
図4(a)は、第1のフライアイ光学系21dに入射する際の光源光の光量又は輝度分布を説明する図であり、等高線CLが示すように、光源光の輝度分布は、光軸OAのまわりに略回転対称で、中央が高く周辺に低くなっている。
図4(b)は、第1のフライアイ光学系21dのうち右上の矩形領域A1を取り出して示したものであり、そのううち4隅のレンズ要素LE11については、輝度分布の等高線CLを残している。
図4(c)は、右上の矩形領域A1を構成する各レンズ要素LE11への入射輝度分布を合成する手法を説明したものであり、液晶ライトバルブ25aの第1象限領域QA1に投射される輝度パターンを示している。図からも明らかなように、第1象限領域QA1における輝度パターンBP0は、各レンズ要素LE11への入射輝度パターンBP1,…BP2,…BP3,…BP4を重ね合わせて加算した分布となっており、結果的に斜め方向における輝度パターンBP1,BP2に近似したものとなっており、つまり、周辺に向かって輝度が相対的に増している。
以上は、液晶ライトバルブ25aの被照射面ISのうち第1象限領域QA1の輝度分布についての説明であったが、第2〜第4象限領域QA2〜QA4においても同様の輝度パターンの合成が行われ、周辺に向かって輝度が相対的に増加する輝度パターンが形成される。これにより、液晶ライトバルブ25a上の4つの区分領域である第1〜第4象限領域QA1〜QA4の全てを、光軸OAから周辺に向かって増加する輝度パターンで照明することができる。つまり、液晶ライトバルブ25aの被照射面ISにおいて、光軸OAのまわりの中央部分で輝度分布を低くすることができ、周辺部分で輝度分布を相対的に高くすることができ、光源ランプ21aか元々持っている光源光の輝度分布を擬似的に反転させることができる。
図5は、液晶ライトバルブ25aの被照射面ISにおける輝度分布を概念的に説明するグラフである。このグラフにおいて、横軸は光軸OAからの距離を示し、縦軸は被照射面ISにおける輝度を示す。また、点線は、光源ランプ21aから射出される光源光の輝度分布を示しており、光軸OAのまわりの中央部分で輝度分布が相対的に高くなっている。一方、実線は、液晶ライトバルブ25aの被照射面IS上での輝度分布を示しており、光軸OAのまわりの中央部分で輝度分布が相対的に低くなっている。つまり、一対のフライアイ光学系21d,21eと、複合重畳レンズ21iとによって、光源光の輝度分布を恰も反転したような輝度分布を形成ことができる。このように反転された輝度分布の勾配は、フライアイ光学系21dを構成するレンズ要素LE11〜LE14の分割数の増加に伴って漸減する。つまり、フライアイ光学系21dを構成するレンズ要素数の調節によって輝度分布の勾配も簡単に調整することができる。
以上は、光源装置21によるB光用の液晶ライトバルブ25aの照明についての説明であったが、G光用の液晶ライトバルブ25bや、R光用の液晶ライトバルブ25cについても同様の照明が行われる。つまり、両液晶ライトバルブ25b,25cの各被照射面においても、光軸OAのまわりの中央部分でG光及びR光の輝度分布が相対的に低くなる。
以下、本実施形態に係るプロジェクタ10の動作について説明する。光源装置21からの光源光は、色分割光学系23に設けた第1及び第2ダイクロイックミラー23a,23bによって色分割され、対応する液晶ライトバルブ25a〜25cに照明光としてそれぞれ入射する。各液晶ライトバルブ25a〜25cは、外部からの画像信号によって変調されて2次元的屈折率分布を有しており、照明光を2次元空間的に画素単位で変調する。このように、各液晶ライトバルブ25a〜25cで変調された照明光すなわち像光は、光合成光学系(クロスダイクロイックプリズム)27で合成された後投射レンズ29に入射する。投射レンズ29に入射した像光は、不図示のスクリーンに投影される。この際、光源装置21に設けた複合重畳レンズ21i等の存在によって、光軸OAのまわりの中央部分で各色光の輝度分布が相対的に低くなるように各液晶ライトバルブ25a〜25cを照明することができるので、各液晶ライトバルブ25a〜25cの周辺が比較的高輝度の照明光で照明される。よって、後段に配置されるスクリーン、投射レンズ29等による画像周辺での減光を相殺するような照明が可能になり、均一で色むらのない輝度分布の像光をスクリーン上に表示することできる。
〔第2実施形態〕
図6は、第2実施形態のプロジェクタの光学系を説明する図である。このプロジェクタ110は、光源光を発生する照明装置121と、照明装置121から射出された白色の照明光によって照明される光変調部125と、光変調部125からのカラー像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ(不図示)とを備える。以上において、光源装置121は、第1実施形態の光源装置21とほぼ同一の構造を有しており、光源ランプ21aと、一対のフライアイ光学系21d,21eと、複合重畳レンズ21iとを備える。そして、照明装置121からの白色の照明光は、色分割光学系を経ることなく、カラー表示型の単板式の液晶ライトバルブ125Wを直接照明する。自然光で照明された液晶ライトバルブ125で形成されたカラーの像光は、図示を省略するが、投射レンズを経て適当な拡大率でスクリーンに投射される。この場合も、スクリーンの中央と周辺との入射角差等に起因して周辺部に発生する減光を、輝度反転を利用することによって相殺することができ、均一で輝度ムラのない画像を投射することができる。
図6は、第2実施形態のプロジェクタの光学系を説明する図である。このプロジェクタ110は、光源光を発生する照明装置121と、照明装置121から射出された白色の照明光によって照明される光変調部125と、光変調部125からのカラー像光をスクリーン(不図示)に投射する投射レンズ(不図示)とを備える。以上において、光源装置121は、第1実施形態の光源装置21とほぼ同一の構造を有しており、光源ランプ21aと、一対のフライアイ光学系21d,21eと、複合重畳レンズ21iとを備える。そして、照明装置121からの白色の照明光は、色分割光学系を経ることなく、カラー表示型の単板式の液晶ライトバルブ125Wを直接照明する。自然光で照明された液晶ライトバルブ125で形成されたカラーの像光は、図示を省略するが、投射レンズを経て適当な拡大率でスクリーンに投射される。この場合も、スクリーンの中央と周辺との入射角差等に起因して周辺部に発生する減光を、輝度反転を利用することによって相殺することができ、均一で輝度ムラのない画像を投射することができる。
以上、実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、第1及び第2のフライアイ光学系21d,21eに設けられるレンズ要素LE11〜LE14,LE21〜LE24は、マトリックス状に多数形成する必要はなく単一のレンズ要素とすることもできる。この場合、各液晶ライトバルブ25a〜25cの被照射面IS上の各第1〜第4象限領域QA1〜QA4で重畳照明が行われないが、光源ランプ21aの輝度分布特性を反転した特性の照明光を得ることができ、スクリーン、投射レンズ29等による画像周辺での減光を相殺するような照明が可能になる。
10…プロジェクタ、 21…光源装置、 21a…光源ランプ、 21d,21e…フライアイ光学系、 21i…複合重畳レンズ、 23…色分割光学系、 23a…第1ダイクロイックミラー、 23b…第2ダイクロイックミラー、 25…光変調部、 25a〜25c…液晶ライトバルブ、 27…光合成光学系、 29…投射レンズ、 FP1〜FP4…扇状部分、 LE11〜LE14…レンズ要素、 QA1〜QA4…象限領域
Claims (8)
- 光源光を発生する光源と、
前記光源から射出された光源光の矩形断面の光束を光軸を挟む4つの矩形領域に分割するとともに、当該分割に際して、各矩形領域の全体又は部分単位で輝度分布を反転させる波面分割手段と、
各矩形領域からの光束を、被照射面上に各領域に対応する配置で形成された各区分領域に照明光として投射する照明光投射手段と、
を備える照明装置。 - 前記波面分割手段は、一対のフライアイ光学系からなることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
- 前記一対のフライアイ光学系の各々は、各矩形領域をさらに複数部分に分割した細分領域に対応して設けたレンズ要素からそれぞれなることを特徴とする請求項1記載の照明装置。
- 前記照明光投射手段は、前記波面分割手段の後段に配置されるとともに、各矩形領域に対応して配置されたレンズ部分を組み合わせた複合重畳レンズであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項記載の照明装置。
- 前記光源は、光軸の周辺で高い光量分布を有する光源光を発生することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項記載の照明装置。
- 前記照明光投射手段を経た光源光を各色の照明光に分割する色分割光学系をさらに備えることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項記載の照明装置。
- 請求項6記載の照明装置と、
前記照明装置から射出される各色の照明光によってそれぞれ照明されるとともに、各色の照明光を個別に変調する複数の光変調装置と、
前記各色の照明光を前記複数の光変調装置によってそれぞれ変調することによって得られる各色の像光を合成して射出する光合成部材と、
前記光合成部材を経て合成された像光を投射する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項記載の照明装置と、
前記照明光によって照明されるとともに当該照明光を変調する光変調装置と、
前記照明光を前記光変調装置によって変調することによって得られる像光を投射する投射光学系と
を備えるプロジェクタ。
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ID=35083934
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004071035A Withdrawn JP2005258182A (ja) | 2004-03-12 | 2004-03-12 | 照明装置およびプロジェクタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005258182A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007041546A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-02-15 | Sanyo Electric Co Ltd | 光学系装置、及び、この光学系装置を備える投写型映像表示装置 |
-
2004
- 2004-03-12 JP JP2004071035A patent/JP2005258182A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007041546A (ja) * | 2005-06-29 | 2007-02-15 | Sanyo Electric Co Ltd | 光学系装置、及び、この光学系装置を備える投写型映像表示装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20070605 |