JP2007079401A - プロジェクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】 焦点深度が深く使い勝手の良いプロジェクタの提供。
【解決手段】 プロジェクタには、PBS2の分離面2aを透過した偏光が入射するLCOS3と、分離面2aで反射されたS偏光が入射するLCOS4とが設けられている。LCOS3,4は入射した偏光光を映像情報に基づいて偏光変換するライトバルブであり、偏光変換されてLCOS3から出射されるS偏光は分離面2aで反射され、投影レンズ5によりスクリーン上に投影される。また、偏光変換されてLCOS4から出射されるP偏光は分離面2aを透過し、投影レンズ5によりスクリーン上に投影される。LCOS3,4とPBS2との距離A,Bは互いにΔzだけ異なっており、投影像の焦点深度はこのΔzに対応する大きさだけ深くなる。その結果、ピントが合うようにプロジェクタを設置するのが容易となる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像を投影表示するプロジェクタに関する。
従来、反射型ライトバルブの一種である反射型液晶素子(LCOS:Liquid Crystal on Silicon)を用いたプロジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のプロジェクタでは、輝度向上を図るためにPBSで分岐した照明光の各々に対してLCOSを配置し、それらからの反射光をPBSで再合成して投影するような構成となっている。また、反射型液晶素子を用いたプロジェクタにおいて、焦点の合ったボケの少ない映像を容易にスクリーン上に投影できるように、自動焦点調節機構を備えたプロジェクタも提案されている(特許文献2参照)。
特開平7−43662号公報 特開2001−343703号公報
しかしながら、上述した自動焦点調節機構を備えたプロジェクタでは、特許文献1における一対のLCOSの一方を自動焦点調節機構用の撮像素子で置き換えているため、光源の半分の光量しか投影に用いられず、充分な輝度が得られないという問題が生じる。また、自動焦点調節機構追加によるコストアップや装置大型化が避けられない。一方、特許文献1に記載のプロジェクタでは輝度向上は図れるが、ピント面が限定され使い勝手が良くないという欠点があった。
請求項1の発明は、入射した偏光を映像情報に基づいてライトバルブで変調し、その変調光を投影光学系によりスクリーン上に投影するプロジェクタに適用され、照明光を出射する照明手段と、照明光を、第1の偏光光と偏光方向が第1の偏光光と異なる第2の偏光光とに分離する偏光分離素子と、投影光学系に対して所定の光学的距離に配置され、第1の偏光光を映像情報に基づいて変調して出射する第1のライトバルブと、投影光学系に対する光学的距離が所定の光学的距離と異なるように配置され、第2の偏光光を第1のライトバルブの映像情報と同一の映像情報に基づいて変調して出射する第2のライトバルブと、第1および第2のライトバルブの少なくとも一方の映像情報に輪郭強調処理を施す輪郭強調手段とを備え、第1および第2のライトバルブのそれぞれにより形成される投影像の光軸方向位置を互いにずらしたことを特徴とする。
本発明によれば、投影像の焦点深度がより深くなるため、スクリーンに対してプロジェクタを設置する際の許容範囲が広くなり、使い勝手の良いプロジェクタを提供できる。
以下、図を参照して本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明によるプロジェクタの概略構成を示す図である。プロジェクタは、白色光を発生する照明部1、偏光ビームスプリッタ(以下では、PBSと記す)2、反射型液晶ライトバルブの一種であるLCOS3,4、投影レンズ5、表示制御部7および入力操作部8を備えている。
照明部1は光源である高輝度LED11と、LED11からの光を略平行光とする集光レンズ12とを備えている。LED11はR,G,Bの3色のLEDを一つのパッケージ内に備えたものであり、これらのLEDを同時に点灯することにより白色光を得ることができる。また、R,G,BのLEDを切り換え発光することも可能である。照明部1を出射した無偏光状態の白色光はPBS2に入射する。PBS2の照明光入射面、すなわち照明部1と対向する面には、複数の波長範囲の光を透過させる光透過フィルタ膜2bが形成されている。なお、光透過フィルタ膜2bの詳細については後述する。
PBS2に入射した光は、偏光分離膜が形成された分離面2aで偏光方向がy軸方向であるS偏光と、偏光方向がy軸と直交するP偏光とに分離される。P偏光は分離面2aを透過してLCOS3に入射し、S偏光は分離面2aで反射されてLCOS4に入射する。LCOS3,4はシリコン基板とガラス基板との間に液晶を介在させた液晶パネル(ライトバルブ)であり、シリコン基板上にはTFT等のスイッチング素子や電極が画素の各サブピクセルに対応して設けられており、シリコン基板の最表面には光を反射させるアルミ層が形成されている。
LCOS3,4には表示制御部7から映像信号が入力され、映像信号のレベルに応じて各電極に電圧が印加される。電極への電圧の印加状態に応じて液晶層の液晶分子の配列が変化し、液晶層が位相板の役目を果たすようになる。例えば、LCOS3,4のガラス基板側から入射したP(S)偏光はシリコン基板側の反射面(アルミ層)で反射されて再びガラス基板から出射するが、その間に白画素部に入射したP(S)偏光は偏光方向が90度回転されてS(P)偏光に変換される。
一方、黒画素部に入射したP(S)偏光は偏光状態が変化せず、P(S)偏光のまま出射される。このように、LCOS3,4の各電極の印加電圧を映像情報に基づいて制御することにより、入射した偏光光が映像情報に応じて変調される。
図1において、照明光の光束W1はPBS2の分離面2aでP偏光P1とS偏光S1とに分離され、P偏光P1はLCOS3の画素の一つ(画素31)に入射し、S偏光S1はLCOS4の画素の一つ(画素41)に入射する。図2はLCOS3,4の光入射面をPBS2側から見た図であり、(a)はLCOS3の光入射面を、(b)はLCOS4の光入射面をそれぞれ示したものである。
上述したように、LCOS3,4の電圧印加状態は入力される映像情報に基づいて画素毎に制御され、画素毎の電圧印加状態の違いによる映像パターンがLCOS3,4に形成される。以下では、この映像パターンを表示と呼ぶことにし、LCOS3,4に映像パターンが形成されることを「映像が表示される」のように表すことにする。
LCOS4には、LCOS3に表示される映像32をy軸に関して左右反転した映像42が表示される。これらの映像は、y軸に関して鏡像関係にある。そのため、P偏光P1の入射する画素31がLCOS3の表示画面の中心軸J1の右側にあった場合、S偏光S1が入射する画素41はLCOS4の表示画面の中心軸J2の左側にある。すなわち、各P偏光P1,S偏光S1は画面中心軸J1,J2に関して左右対称な位置にある画素31,41に入射し、それらの画素31,41には同一映像が表示されている。
図1では、画素31,41は白映像が表示されている。そのため、P偏光P1はS偏光S2へと変換されてLCOS3の白画素31部から出射され、S偏光S1はP偏光P2に変換されてLCOS4の白画素41部から出射される。LCOS3の白画素31部から出射されたS偏光S2は分離部2aで反射され、かつ、LCOS4の白画素41部から出射されたP偏光P2は分離部2aを透過するので、それらの偏光S2,P2は同一画素の投影光として合成され、投影レンズ5により不図示のスクリーン上に投影される。
また、LCOS3の画素33およびLCOS4の画素43部には黒表示の同一映像が表示され、それらの各表示画面上における位置は、各表示画面の中心軸J1,J2に関して全く左右対称な位置にある。図1の光束W2はPBS2の分離面2aでP偏光P3およびS偏光S3に分離され、P偏光P3は分離面2aを透過してLCOS3の画素33に入射し、S偏光S3は分離面2aで反射されてLCOS4の画素43に入射する。
黒画素に入射した偏光光の偏光方向は回転されないため、LCOS3に入射したP偏光P3はP偏光のままLCOS3の黒画素33部から出射される。また、LCOS4に入射したS偏光S3の場合も同様に偏光方向は変わらず、S偏光としてLCOS4の黒画素43部から出射される。LCOS3の黒画素33部から出射されたP偏光P3はPBS2の分離面2aを透過し、照明部1へと戻る。同様に、LCOS4の黒画素43部から出射されたS偏光S3は分離面2aで反射されて照明部1へと戻る。照明部1へと戻ったこれらの偏光P3,S3は照明部1の内部で反射され、一部は再度照明光成分として利用される。
一般的に、図1のような配置でLCOSを2枚用いるプロジェクタでは投影レンズとの間の光学的距離は等しく設定されているが、本実施の形態では、一方のLCOSと投影レンズ5との光学的距離を他方よりもΔzだけ大きく設定するようにしている。図1に示す例では、PBS2とLCOS4との距離Bは、PBS2とLCOS3との距離AよりもΔzだけ大きく設定されている。
距離A,Bをこのように設定すると、LCOS3に関する投影像のピント位置Z3に対してLCOS4に関する投影像のピント位置Z4は、図3に示すように光軸方向にΔZ’だけずれることになる。ピント位置とは、ピントのあった投影像が得られる位置であり、スクリーンをピント位置を含むその近傍に配置することにより、ピントのあった投影像を観察することができる。
このとき、投影レンズ5の主点を原点とし、投影レンズ5から物体側のLCOS3,4の表示面までの物体側距離をa、投影レンズ5からピントのあった投影像の位置までの像側距離をbとすると、次式(1)が成り立つ。なお、f’は像側の焦点距離である。式(1)から、像側の距離bは式(2)で与えられる。
−(1/a)+1/b=1/f’ …(1)
b=a・f’/(a+f’) …(2)
ここで、距離aがa+Δaに変化したとき、像側の距離bがb+Δbへと変化したとすると、式(2)からb+Δbは次式(3)を満たしている。よって、Δbは式(4)のように表される。このΔbが、図3で示したΔZ’に等しい。
b+Δb=(a+Δa)・f’/{(a+Δa)+f’} …(3)
Δb=(a+Δa)・f’/{(a+Δa)+f’}
−a・f’/(a+f’) …(4)
観察者には、スクリーン上に投影されたLCOS3に関する投影像とLCOS4に関する投影像とを合成したものが観察されることになる。そのため、図3に示すようにピント位置がΔZ’だけずれた2つの像を観察することになり、実質的に焦点深度がΔZ’だけ増えた状態になる。その結果、スクリーンとプロジェクタとの距離に関して、すなわち、スクリーンに対するプロジェクタの設置位置に関してピントの合う位置の許容範囲がΔZ’だけ広くなり、多少ラフな位置に設置しても鑑賞に堪える投影像を得ることができる。
図10は、投影像の深度を概念的に説明する図であり、投影像の結像位置とMTF(Modulated Transfer Funtion)との関係を示したものである。例えば、投影像の所定解像本数(例えば、1本lp(linepair)/mm≒A4サイズの拡大投影画像をVGA画素数で表示する場合の解像本数に相当)のMTF特性から、投影像の深度を、MTFが所定の%以上(例えば50%以上)の範囲として定義することができる。
図10では、曲線L3はLCOS3の比較的低空間周波数の画像の投影像に関する光軸方向位置とMTFとの関係を示したものであり、曲線L4はLCOS4の同じく比較的低空間周波数の画像の投影像に関する同様の関係を示したものである。直線L1は、ほぼピントが有っていると観察される場合のMTFの最低値を示している。すなわち、LCOS3の投影像については、MTFがL1を越える範囲w3にスクリーンがあれば、ピントが合った投影像として観察されることになる。一方、LCOS4の投影像については、範囲w4にスクリーンがあればピントが合った投影像として観察されることになる。
そのため、LCOS3,4のいずれか一方の投影像だけがスクリーン上に投影された場合には、焦点深度はw3またはw4となる。一方、本実施の形態では、LCOS3,4の投影像がΔZ’だけずれて投影されるため、このときのL2,L4のいずれかがL1以上となる場合を焦点深度wと考えることができ、w3,w4に比べて焦点深度が拡がることになる。
図10では、曲線L3,L4として、比較的低空間周波数の画像の投影像に関する光軸方向位置とMTFとの関係を示した。これに対して、比較的高空間周波数の画像を投射像とした場合には、図10に示される山型のMTF特性の拡がり幅(図10のW3,W4の幅)が狭くなる。このような場合や、特にΔZ’が大きい場合、図10の示すように焦点深度範囲wの左側部分ではLCOS4の投影像のぼけが大きくなり、焦点深度範囲wの右側部分ではLCOS3の投影像のぼけが大きくなる。そのため、このように片方の投影像のぼけが大きくなる領域にスクリーンを設置すると、ぼけた方の画像の影響により解像感が低下したように感じられる。
そこで、図11(a)のようにスクリーンが焦点深度範囲wの図上左側領域に設置される場合には、LCOS4の映像情報に対して輪郭強調処理を施すようにしても良い。曲線L4’は輪郭強調処理を施した場合のMTFを示しており、L1以上となる範囲が広がり、その左側は曲線L3がL1以上となる範囲とほぼ重なっている。その結果、焦点深度範囲wの左側領域における解像感の低下を抑制することができる。逆に、図11(b)に示すようにスクリーンが焦点深度範囲wの右側領域に設置される場合には、曲線L3’のように変化するようにLCOS3の映像情報に対して輪郭強調処理を施す。
図11に示した例ではスクリーンにより近い方の投影像に関して輪郭強調処理を施すようにしたが、両方の投影像に輪郭強調処理を施すようにしてもかまわない。実際には、図1に示す入力操作部8に輪郭強調状態を選択できる切り換えスイッチを設けておき、オペレータは、スクリーン上の投影像でピント状態を確認しながら切り換えスイッチを操作して、最適な投影状態を選択する。図1の表示制御部7は、選択された輪郭強調状態に応じてLCOS3,4の映像情報に輪郭強調処理を施す。輪郭強調状態としては、「LOCS3のデータに輪郭強調処理を施す状態」、「LOCS4のデータに輪郭強調処理を施す状態」、「LOCS3およびLOCOS4のデータの両方に輪郭強調処理を施す状態」、「輪郭強調処理をしない状態」を選べるようにする。また、入力操作部8により、輪郭強調処理の程度をLOCS毎に調整できるようにしても良い。
なお、LCOS4を光軸方向にΔzだけずらしたことにより、LCOS4の投影像の倍率M’はLCOS3の投影像の倍率Mと若干異なることになり、近似的にはM’≒αMのように表される。そのため、LCOS4に表示される映像の大きさがLCOS3に表示される映像の大きさの1/α倍となるように、表示制御部7において映像情報を電子的に補正し、スクリーンに投影された2つの投影像の大きさが一致するように制御する。
このような構成としたことにより、従来の手動でピント合わせを行うプロジェクタと比較した場合、設置の度にピント合わせをするという煩わしさが低減される。また、自動焦点調節機構付きのプロジェクタと比較した場合には、コスト低減および装置の小型化を図ることができる。さらに、一対のLCOS3,4を用いることにより、照明光が分離面2aで分離されて生じたP偏光およびS偏光の両方を投影に利用するようにしたので、高輝度な投影も可能となる。
《投影位置のズレ補正について》
ところで、スクリーン上におけるLCOS3,4の投影像の投影位置は、LCOS3,4を装置に組み付けた際の位置決め誤差の影響を受ける。例えば、各LCOS3,4の表示画面の中心が光軸からずれている場合、図4に示すように投影像の位置ズレが生じる。図4において、71はスクリーン上におけるLCOS3の投影範囲を示し、72はLCOS4の投影範囲を示している。投影範囲72は、投影範囲71に対してスクリーン上でx方向にΔX、y方向にΔYだけ位置ずれしている。
そこで、本実施の形態では、図8に示すようにLCOS3,4の表示可能範囲80(m×n画素)に対して、それよりも小さな表示範囲81((m−a)×(n−b)画素。ここで、a,bは1以上の整数)を表示に利用する範囲とした。表示範囲81は表示可能範囲80内の任意の位置に設定することができ、表示制御部7(図1参照)は入力された映像情報に基づいて、映像を設定された表示範囲81に表示する。図8における表示範囲81は、図7におけるスクリーン上の投影範囲71,72に対応するLCOS3,4上の表示範囲である。なお、初期設定では、表示範囲81は表示可能範囲80の中央に設定されている。
図4のようにスクリーン上で投影範囲71,72の位置ずれΔX、ΔYが生じた場合には、次のように位置補正を行う。まず、LCOS3,4に基準映像を表示して、それらをスクリーン上に投影する。図6(a)はスクリーン上に投影された基準映像の一例を示す図であり、LCOS3,4に表示された基準映像の投影像であるクロスバー711,721が表示されている。また、図6(a)において、投影可能範囲710,720は、それぞれLCOS3,4の表示可能範囲80に対応するスクリーン上の範囲である。クロスバー711はLCOS3によって投影されたものであり、クロスバー721はLCOS4によって投影されたものである。LCOS3,4の組み付け誤差によってクロスバー712はクロスバー721に対してy方向にΔY、x方向にΔXだけ位置ずれしている。
クロスバー711,712にはLCOS3,4上の画素数を表す目盛りが付してあり、この目盛りを読み取ることによりLCOS4のxy方向の位置ズレ量を画素数で直読することができる。すなわち、クロスバー711,712によって読み取られた位置ズレ量ΔX,ΔYは、画素数に換算した位置ズレ量を表している。オペレータは、入力操作部8を操作して位置ズレ量ΔX,ΔYを入力する。図1の表示制御部7では、入力された位置ズレ量ΔX,ΔYに基づいて、LCOS4の表示範囲81を初期位置に対してx方向に−ΔX、y方向に−ΔYだけ移動させ、その補正量(−ΔX,−ΔY)を表示制御部7の記憶部に記憶する。この補正以後は、装置が起動されると、記憶された補正量(−ΔX,−ΔY)に基づいて図6(b)に示すような表示範囲に映像を表示する。
ここでは、LCOS3を基準としてLCOS4の表示範囲を位置を変更したが、逆に、LCOS4を基準としてLCOS3の表示範囲を位置を変更するようにしても良い。また、片方のLCOS4のみを補正するのではなく、LCOS3に対して(ΔX/2,ΔY/2)だけ補正し、LCOS4に対しては(−ΔX/2,−ΔY/2)だけ補正するようにしても良い。このように、表示範囲81を表示可能範囲80よりも小さく設定しておき、表示範囲81を移動させることで投影像の位置ずれを電気的に容易に補正することが可能となる。
《カラー表示について》
ところで、LCOS3,4としてカラーフィルタが設けられたライトバルブが用いられる場合、LCOS3,4に表示される映像をy軸(S偏光の偏光方向)に関して鏡像関係とするだけでなく、フィルタ配置もy軸に関して鏡像関係とする必要がある。図7はフィルタ配置を説明する図である。図7(a)に示すカラーフィルタ6AはLCOS3に設けられたフィルタであり、図7(b)に示すカラーフィルタ6BはLCOS4に設けられたフィルタである。符号61a,61bはスクリーン投射画面上で同一の画素位置となるLCOS3,4の一画素に対応しており、画素61a,61bはRフィルタ、Gフィルタ、Bフィルタが設けられた3つのサブピクセルに分割されている。そして、サブピクセル毎に電極が設けられている。
カラーフィルタ6BのR(赤),G(緑),B(青)の配置は、カラーフィルタ6AのR,G,Bの配置をy軸に関してミラー反転したものになっている。そのため、y軸に関して鏡像関係にある画素61aでは左からR,B,Gの順に配置されているが、画素61bでは右からR,G,Bの順に配置されている。図2に示すようにLCOS4に表示される映像はスクリーン上に反転投影されるため、画素61aおよび61bのRの部分の映像はスクリーン上の同一位置に投影される。G,Bに関しても同様である。
また、図7(a)に示すように画素61aのR,G,Bがy軸と直交するz軸方向に繰り返し並んでいる場合には、カラーフィルタ6Aが設けられたLCOS3を画面中心に関して180度回転することにより図7(b)に示すようなミラー反転したフィルタ配置を得ることができる。すなわち、LCOS3,4として同一部品を用いることができる。図7(c)は図7(a)のカラーフィルタ6Aが設けられたLCOS3を180度回転したものであり、画素61aは画面右下の位置することになる。この180度回転したLCOS3を上記のLCOS4の代わりに用いる場合には、図7(a)の画素61aに表示される映像が図7(c)の画素61cに表示されるように左右反転して表示するようにする。
上述したような色配置のカラーフィルタ付LCOS3,4を使用し、光源として一つの白色LED11を用いてカラー表示としたことにより、3板式のカラープロジェクタやフィールドシーケンシャル駆動方式のカラープロジェクタに比べて小型化および低コスト化を図ることができる。
《光透過フィルタ膜2bの説明》
ところで、白色LED11の発光スペクトルは、概略では図8(a)に示すような分布となっており、カラーフィルタの分光特性上、不要な波長成分(不要光)が含まれている。図8の(b)はカラーフィルタの分光特性の一例を示したものであり、(c)は光透過フィルタ膜2bの透過特性を示したものである。図8(b)の曲線の谷となっている部分(波長域A1,A2)の波長を有する光は投射光として利用されない光であり、これらが入射するとコントラストを低下させたり、光学素子(LCOS3,4等)の温度上昇を引き起こす可能性がある。
そこで、本実施の形態では、PBS2の照明光が入射する面に光透過フィルタ膜2bを形成し、不要光がPBS2に入射しないようにした。図8(c)に示すように、光透過フィルタ膜2bの透過率Tは波長域A1,A2において非常に小さくなっており、この波長域A1,A2の光はほとんど反射または吸収される。
[変形例]
図9は上述した実施の形態の変形例を示す図である。図9において、(a)は照明光の光束W1に関する光路を示す図であり、(b)は照明光の光束W2に関する光路を示す図である。図9に示すプロジェクタでは、図1に示したPBS2に代えて、互いに直交する二つの分離面90a,90bが形成されたクロスPBS90を用いている。各分離面90a,90bには偏光分離膜が形成されており、分離面90aに形成された偏光分離膜はS偏光を透過し、かつ、P偏光を反射する。一方、分離面90bに形成された偏光分離膜はP偏光を透過し、かつ、S偏光を反射する。
偏光分離素子としてクロスPBS90を用いる図9のプロジェクタでは、一対のLCOS3,4は同一軸上に対向するように配設されている。なお、図示は省略したが、図1のPBS2と同様に、クロスPBS90の照明光入射面には光透過フィルタ膜2bが形成されている。
図9(a)に示すように、クロスPBS90に入射した光束W1は分離面90bでP偏光P1とS偏光S1とに分離される。分離面90bを透過したP偏光P1はLCOS3の画素の一つ(画素33)に入射し、分離面90bで反射されたS偏光S1はLCOS4の画素の一つ(画素44)に入射する。画素33,44には同一映像が表示されており、図9(a)に示す例では黒表示となっている。図9(a)に示すようにLCOS3,4が対向するように配置されている場合には、LCOS3,4に表示される映像は上述したような反転関係ではなく、同一映像が表示されることになる。すなわち、LCOS3,4に表示される映像42の矢印の方向は、いずれの場合も画面の左方向を向いている。そのため、カラー表示の場合に、上述したようなカラーフィルタの配置を鏡像関係とする必要がない。
上述したように画素33,44は黒表示となっているので、各画素33,44に入射した光の偏光方向は変化することなくLCOS3,4から出射される。画素33から出射されたP偏光P1は、分離面90bで反射された後に分離面90aを透過し、照明部1へと戻る。画素44から出射されたS偏光S1は分離面90aを透過した後に分離面90bで反射され、照明部1へと戻る。
一方、図9(b)に示す光束W2の場合には、分離面90aでP偏光P2およびS偏光S2に分離され、S偏光S2は分離面90aを透過し、P偏光P2は分離面90aで反射される。分離面90aで反射されたP偏光P2は分離面90bを透過し、LCOS3の画素31に入射する。一方、分離面90aを透過したS偏光S2は分離面90bで反射され、LCOS4の画素45に入射する。
画素31および画素45には同一映像が表示されており、ともに白表示となっている。そのため、画素31に入射したP偏光P2はS偏光S3に変換されて出射され、画素45に入射したS偏光S2はP偏光P3に変換されて出射される。LCOS3の画素31から出射されたS偏光S3は、分離面90bで反射された後に分離面90aを透過し、クロスPBS90から投影レンズ5へと出射される。一方、LCOS4の画素45から出射されたP偏光P3は、分離面90bを透過した後に分離面90aで反射され、クロスPBS90から投影レンズ5へと出射される。そして、S偏光S3およびP偏光P3は、スクリーン上の同一位置に投影される。
図9に示すようにLCOS3,4が対向するように配置されたプロジェクタの場合も、一方のLCOS3の距離Aに対して、他方のLCOS4の距離BをB=A+ΔzとΔzだけ異ならせることにより、スクリーンに対するプロジェクタの設置位置に関してピントの合う位置の許容範囲がΔZ’だけ広くなり、多少ラフな位置に設置しても鑑賞に堪える投影像を得ることができる。
なお、本発明の特徴を損なわない限り、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではない。例えば、上述した実施の形態では反射型のライトバルブを例に説明したが、透過型ライトバルブを用いるプロジェクタにも同様に適用することができる。
本発明によるプロジェクタの一実施の形態を示す概略構成図である。 LCOS3,4の表示を説明する図であり、(a)はLCOS3を、(b)はLCOS4を示す。 各LCOS3,4による投影像のピント位置Z3,Z4を示す図である。 投影像の位置ズレΔx、Δyを説明する図である。 LCOS3,4の表示可能範囲80と実際の表示範囲81とを示す図である。 位置ズレ補正を説明する図であり、(a)は投影されたクロスバー711,712を示し、(b)は表示位置が補正された表示範囲81を示す図である。 フィルタ配置を説明する図であり、(a)はLCOS3のカラーフィルタ6Aを、(b)はLCOS4のカラーフィルタ6Bを、(c)はLCOS3を180度回転した場合のカラーフィルタ6Aをそれぞれ示す。 光透過フィルタ膜2bを説明する図であり、(a)は白色LED11の発光スペクトルを、(b)はカラーフィルタの分光特性を、(c)は光透過フィルタ膜2bの透過特性を示す。 変形例を説明する図であり、(a)は光束W1に関する光路を示し、(b)は光束W2に関する光路を示す。 投影像の深度を概念的に説明する図である。 輪郭強調処理を説明する図であり、(a)はスクリーン位置が焦点深度範囲wの左側領域にある場合を、(b)はスクリーン位置が焦点深度範囲wの右側領域にある場合を示す。
符号の説明
1:照明部 2:偏光ビームスプリッタ
3,4:LCOS 5:投影レンズ
6A〜6C:カラーフィルタ 7:表示制御部
8:入力操作部 11:LED
80:表示可能範囲 81:表示範囲
90:クロスPBS

Claims (4)

  1. 入射した偏光を映像情報に基づいてライトバルブで変調し、その変調光を投影光学系によりスクリーン上に投影するプロジェクタにおいて、
    照明光を出射する照明手段と、
    前記照明光を、第1の偏光光と偏光方向が前記第1の偏光光と異なる第2の偏光光とに分離する偏光分離素子と、
    前記投影光学系に対して所定の光学的距離に配置され、前記第1の偏光光を映像情報に基づいて変調して出射する第1のライトバルブと、
    前記投影光学系に対する光学的距離が前記所定の光学的距離と異なるように配置され、前記第2の偏光光を前記第1のライトバルブの映像情報と同一の映像情報に基づいて変調して出射する第2のライトバルブと、
    前記第1および第2のライトバルブの少なくとも一方の映像情報に輪郭強調処理を施す輪郭強調手段とを備え、
    前記第1および第2のライトバルブのそれぞれにより形成される投影像の光軸方向位置を互いにずらしたことを特徴とするプロジェクタ。
  2. 請求項1に記載のプロジェクタにおいて、
    前記輪郭強調手段による輪郭強調処理の度合いを、前記第1および第2のライトバルブの映像情報の各々に対して独立に調整できる調整手段を備えたことを特徴とするプロジェクタ。
  3. 請求項1または2に記載のプロジェクタにおいて、
    前記第1のライトバルブからの偏光光による投影像の大きさと前記第2のライトバルブからの偏光光による投影像の大きさとが一致するように、前記第1のライトバルブに表示される映像に対する前記第2のライトバルブに表示される映像の表示倍率を調整する補正手段を設けたことを特徴とするプロジェクタ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロジェクタにおいて、
    前記第1および第2のライトバルブは、それらの映像表示領域の大きさが表示可能範囲よりも小さく設定され、
    前記第1のライトバルブによる第1の投影像と前記第2のライトバルブによる第2の投影像との間の投影位置ズレ量が入力される入力手段と、
    前記入力手段に入力された前記投影位置ズレ量に基づいて、前記第1および第2の投影像の投影位置が一致するように、前記第1および/または第2のライトバルブの表示可能範囲内における前記映像表示領域の位置を変更する変更手段とを備えたことを特徴とするプロジェクタ。
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