JP5259700B2 - 水溶性鉄−炭水化物誘導体錯体、それらの製造、及びそれらを含有している医薬品 - Google Patents

水溶性鉄−炭水化物誘導体錯体、それらの製造、及びそれらを含有している医薬品 Download PDF

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Description

本発明は、鉄欠乏症状態の治療に適する水溶性鉄−炭水化物誘導体錯体、それらの製造、それらを含む医薬品、及び鉄欠乏症状態の予防又は治療におけるそれらの使用を提供する。当該医薬品は、非経口投与に特に適している。
鉄欠乏症によって誘発される貧血は、鉄を含有する医薬品の投与によって治療できるか、又は予防的に治療することができる。この目的での鉄−炭水化物錯体の使用は公知である。実際に頻回に使用されて成功が得られている製剤は、水溶性水酸化鉄(III)−サッカロース錯体をベースとしている(Danielson, Salmonson, Derendorf, Geisser, Drug Res., Vol.46:615-621, 1996)。鉄−デキストラン錯体、並びに高温の圧力下で水素化工程を改善した上で製造しなければならない獲得するのが困難なプルランをベースとする錯体(国際公開第WO02/46241号公報)も、非経口投与について先行技術に記載されている。また別の鉄−炭水化物錯体は、経口投与についての従来のものである。
本出願人らの名で発行されている国際公開第WO2004/037865号公報は、好ましくは非経口的に投与可能であり、且つ比較的単純に滅菌できる鉄の製剤について開示している。サッカロース又はデキストランをベースとする以前から公知の非経口的に投与可能な製剤は、100℃までの温度でしか安定ではないために、滅菌が困難であった。この製剤が有する毒性は低く、デキストランによって誘発され得る危険なアナフィラキシーショックのリスクも低い。この錯体の高度の安定性が、高い投与用量又は高い投与速度を可能にする。鉄製剤は、特定の出費の何れも伴わずに容易に入手可能な出発材料から生成することができる。特に、マルトデキストリンの酸化生成物をベースとする水溶性鉄(III)−炭水化物錯体、及びそれらを製造する工程が開示されている。これらの鉄(III)−炭水化物錯体は、水性鉄(III)塩溶液、及び例えば8〜12の、アルカリ性pH値にある次亜塩素酸塩水溶液を用いた1つ又はそれ以上のマルトデキストリンの酸化生成物の水溶液から得ることができ、このとき1つのマルトデキストリンが使用される場合のデキストロース当量は5〜20であり、複数のマルトデキストリンの混合物が使用される場合の混合物のデキストロース当量は5〜20であって、混合物中の個々のマルトデキストリンのデキストロース当量は2〜40である。
T.Nakano et al.,Nahrung/Food 47(2002)No.4,p.274-278は、リン酸塩の存在下での乾式加熱による、特にデキストリンをリン酸化するための方法について記載している。1.07%、2.42%及び3.2%というデキストリンのリン酸化度を記述していて、これは温度及びデキストリンの含水量に依存して得られる。得られたリン酸化生成物は、リン酸塩を可溶化するその能力について試験されている。リン酸カルシウム吸収増強剤としてのカゼインホスホペプチドをリン酸化デキストリンと置換する可能性について考察されている。リン酸化デキストリンの更なる可能な合成方法が、特にリン酸塩含有溶液を用いた乾燥、又はオルトリン酸塩を用いた加熱及び真空での乾式リン酸化についても上記文献に記述されている。
M.Z.Sitohy et al., Starch/Starke 53(2001), 317-322は、リン酸一ナトリウム及び二ナトリウムの溶液と混合し、濾過し、乾燥し、粉末化し、及び続いて加熱することによるデンプンのリン酸化について記載している。リン酸化生成物が、酸加水分解及び酵素加水分解中の加水分解安定性について試験されていて、生分解性プラスチック中のポリアクリレート及び尿素の混合物におけるそれらの使用が提案されている。
米国特許第4,841,040号は、1,500〜40,000ダルトンの分子量及び0.30〜0.96の置換度を有するリン酸化デキストリンの製造、並びに鉱物及び高い固形含量を有する無機顔料の水性懸濁液のための分散剤としての、ゴム化におけるアラビアゴム及びリソグラフィ用インク溶液の代替物としての、及び掘削流体添加物としてのそれらの使用について記載している。置換度は、1分子内の無水グルコース単位の総量に対する誘導体化無水グルコース単位のモル比によって規定されている。本明細書中の以下ではこれをモル置換度(MS)と呼ぶ。リン酸化デキストリンは、アルカリ媒体中の次亜塩素酸ナトリウムとの反応によるデンプンの酸化及び脱重合、並びに例えばリン酸、五塩化リン、塩化ホスホリル又は高分子オルトリン酸ナトリウム、特にトリメタリン酸ナトリウムを用いた、その後の又は事前のリン酸化によって得られる。
スイス国特許第544779号は、デンプン及びリン酸溶液の混合液を5未満のpHで酸素含量を減少させて加熱し、次いで第2段階においてリン化合物がデンプン生成物と縮合するまでより一層低い酸素含量でさらに加熱して、そして続いて減少した酸素含量で冷却することによるリン酸化デキストリンの製造方法を記述している。得られるリン酸デキストリンは、極めて高い水溶性を有する。紙の表面にじみ止め糊としての及び接着剤の製造における有用性についても同様に記述されている。
国際公開第WO2006/082043号公報は、その導入部において、ジメチルホルムアミド中のトリブチルアミンの存在下でテトラポリリン酸を用いる均質方法(Towle et al., Methods Carbohydr. Chem.6,(1972),408-410)において、又はリン酸無水物を用いるベンゼン中のスラリー方法(Tomasik et al., Starch/Starke 43(1991), 66-69)において不均質的に、アルカリ性リン酸塩水溶液中への懸濁、濾過、乾燥、及び約140℃の温度での粘度調節(tempering)によって例えばNeukom法(米国特許第2,884,412号)によるリン酸デンプンを製造するためのいくつかの方法を記述している。この文献自体は、高度に置換されたリン酸デンプンを製造するための方法を提案していて、ここではデンプンをリン酸塩処理剤(詳細にはリン酸塩又はリン酸尿素)と水との混合液中に溶解して、リン酸塩処理剤が尿素を含有していない場合には水を除去して、次いで熱反応を行ってリン酸デンプンを生成している。得られるリン酸デンプンは、0.01〜2.0の置換度のリン酸基及び極めて低含量のカルバメート基を有する。得られるリン酸デンプンの、鉱物又は分散接着型建築材料系における添加物としての、医薬品及び化粧品中の添加物としての、高分子電解質錯体のための陰イオン成分としての、及び担体材料としての使用が提案されている。
米国特許第3,732,207号は、有機二塩基酸無水物、特に、コハク酸無水物若しくはマレイン酸無水物を使用し、酸性環境において有機酸無水物の存在下で約3%の残留含水量を有するデンプン又はデキストリンを加熱する工程によるデキストリンエステルの製造について開示している。0.02〜0.04のモル置換度を有するデキストリンエステルが得られる。
米国特許第4,100,342号は、触媒としての第3級アミンの存在下の酢酸中でのデキストリンと2〜4のカルボン酸単位を有する非芳香族カルボン酸の酸無水物との反応によるデキストリンエステルの製造、及び得られるデキストリンエステルの洗剤の洗浄作用を増加させるための生分解性成分としての使用について開示している。
国際公開第WO2004/064850号公報及び国際公開第WO92/04904号公報は、硫酸デキストリン、並びに特に、HIV及びその他の性感染症を治療するための、抗ウィルス性組成物としての、単独での又は静菌剤と組み合わせての何れかでのその使用を開示している。1グルコース単位当たり2硫酸基までの置換度を有する硫酸デキストリンは、デンプンの加水分解及びその後の硫酸化によって製造される。水性アルカリ媒体中のトリメチルアミン/三酸化硫黄錯体は主として2−硫酸塩を産生し、ジメチルホルムアミド中のシクラミン酸は6−硫酸塩を産生し、並びにアセチル化、その後のジメチルホルムアミド中のトリメチルアミン/三酸化硫黄錯体を用いた硫酸化、及び最後の水酸化ナトリウム水溶液を用いたアセチル基の除去により3−硫酸塩を産生する。HIVに対する硫酸デキストリンの作用及びそれらの抗高脂肪血症作用は、これらの文献において同様に開示されている。
しかし、上述した文献はいずれも、得られるデキストリン誘導体と鉄との錯体の形成については記述していない。
本発明の目的は、従って鉄欠乏性貧血の治療に適する、新規な鉄−炭水化物錯体を提供することである。
この目的は、請求項1に記載の錯体によって達成される。錯体の好ましい形態は、請求項2及び3に規定されている。
本発明による錯体は、請求項4〜10に規定される方法によって得られる。
マルトデキストリンは、本発明による出発材料として使用される。これらは、市販されていて容易に入手できる出発材料である。
本発明による錯体のリガンドを製造するためには、マルトデキストリンは最初に次亜塩素酸塩溶液を含む水溶液中で酸化される。この方法は、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれている国際公開第WO2004/037865号公報に既に記述されている。
例えば、次亜塩素酸ナトリウム溶液のような、適切なアルカリ性次亜塩素酸塩の溶液がある。市販の溶液を使用してもよい。次亜塩素酸塩溶液の濃度は、活性塩素として算出した何れの場合にも、例えば、少なくとも13重量%、好ましくは14〜16重量%の範囲内である。この溶液は、好ましくは、1マルトデキストリン分子当たり約80〜100%、好ましくは約90%のアルデヒド基が酸化される量で使用される。この方法で、マルトデキストリン分子のグルコース含量によって確認される還元力は、約20%又はそれ以下に、好ましくは10%又はそれ以下に減少する。
酸化は、例えばpH値8〜12の、例えばpH値9〜11の、アルカリ性溶液中で生じる。酸化を、例えば15〜40℃、好ましくは20〜35℃の範囲の温度で実施することができる。反応時間は、例えば、10分間〜4時間、例えば1〜1.5時間の範囲である。
上述した手順による方法によって、使用するマルトデキストリンの解重合度は低く維持される。束縛理論を示さなくても、酸化がマルトデキストリン分子の末端アルデヒド基(又はセミアセタール基)に主に生じると見なされる。便宜上、この合成工程を、下記では「C−酸化」と称すが、この用語に拘束されることを意図していない。
マルトデキストリンの酸化反応を触媒することも可能である。このためには、例えばアルカリ性臭化物の形態にある臭化物イオン、例えば臭化ナトリウムの添加が適切である。添加される臭化物の量は重大ではない。臭化物は、精製ができる限り単純である最終生成物(鉄錯体)を得るためにできる限り少なく維持される。触媒量で十分である。上述したように、臭化物の添加は可能であるが、必要ではない。
さらに、マルトデキストリンを酸化するために、例えば、公知の三元酸化系である次亜塩素酸塩/アルカリ性臭化物/2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)を使用することも可能である。アルカリ性臭化物触媒又は三元TEMPO系を用いてマルトデキストリンを酸化する手順は、例えば、Thaburet al. Carbohydrate Research 330(2001)21-29 によって記載されている。そこに記載された手順は、本発明によって使用できる。
酸化マルトデキストリンの生成及び単離は、例えば塩酸、硫酸又は酢酸などの適切な酸又は緩衝液によって、反応溶液をほぼ中性のpHへ調節することによって実施される。
酸化反応生成物を、その後それに実質的に不溶性である適切な溶媒の添加によって沈殿させることができる。適切な溶媒の例は、80〜95重量%、特に好ましくは90〜94重量%の濃度、およそ1:5〜1:10、好ましくは1:5〜1:8のエタノール:反応溶液の容量比で使用されるエタノールである。更に好適な沈殿溶媒は、メタノール、プロパノール又はアセトンである。沈殿物を、次に従来方法で濾過して、乾燥する。
或いは、反応溶液を透析又は膜濾過の方法によって精製することができ、生成物を凍結乾燥又はスプレー乾燥によって得ることができる。
しかしながら、それを単離せずに、その後の誘導体化工程においてC−酸化マルトデキストリンを直接使用することも可能である。
得られるC−酸化生成物のその後の誘導体化は、当業者には公知である糖の誘導体化のための従来方法によって、例えば酸化、単官能性又は多官能性の無機又は有機酸若しくは酸誘導体を用いたエステル化、カルボキシアルキル化、有機イソシアネート類の添加、エーテル化、アミド化、無水物形成などによって行われる。
例えば、エステル化は、有機酸又は酸誘導体を用いて実施することができる。当業者に公知の何れかのカルボン酸又は反応性カルボン酸誘導体、好ましくは酸塩化物、無水物又は臭化物を、エステル化のために使用できる。C−Cカルボン酸誘導体をエステル化のために使用することが好ましく、特に酢酸無水物が好ましい。エステル化は、従来の反応条件下で、例えば水溶液中、又は例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド若しくは酢酸などの適切な溶媒中で実施する。水溶液中の反応は、例えばおよそ7.5〜10、好ましくは8〜9.5のわずかに塩基性のpHで(反応中のpHは、所望の塩基、例えば水酸化ナトリウム又はカリウムなどのアルカリ又はアルカリ土類水酸化物並びにアルカリ又はアルカリ土類炭酸塩を使用して調節し、一定に維持できる)、反応性カルボン酸誘導体、例えば塩化アセチル又は酢酸無水物の添加によって行うことができる。異なる溶媒を使用する場合は、同一試薬を使用し、適切な反応条件を選択する。反応は、室温の上記の溶媒中で、冷却又は加熱しながら行うことができる。反応時間は、例えば、0.5〜2時間、好ましくは0.75〜1.5時間である。生成工程を、C−酸化について記載したように、沈殿、濾過及び乾燥することによって実施する。
多塩基性有機カルボン酸を用いたエステル化は、例えばコハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸又はアジピン酸エステルの製造と同様な方法で実施することができるが、エステルの第2カルボキシル基については遊離形態又はアルキルエステルの形態のいずれでもよい。この製造のために、多塩基性カルボン酸の無水物、混合無水物、塩化物若しくは臭化物又は他の反応性誘導体、例えば特に、コハク酸無水物、マレイン酸無水物、グルタル酸無水物、アジピン酸無水物又はフマル酸二塩化物が適している。反応及び生成工程を、エステル化について記載したとおりに実施する。コハク酸無水物でエステル化してスクシニルマルトデキストリンを得ることが特に好ましい。
−酸化マルトデキストリンを同様に反応させて、カルボキシアルキル誘導体を得ることができる。当業者に公知のカルボキシアルキルハロゲン化物、例えばクロロ−若しくはブロモ−カルボン酸又はそれらのナトリウム若しくはカリウム塩、例えば、α−若しくはβ−ブロモプロピオン酸、又は特に好ましくはクロロ−若しくはブロモ−酢酸のような、何れもの所望の位置でハロゲン化されたC−C−カルボン酸、が試薬として適切である。
反応は、当業者に公知の方法で、例えば水溶液中、又は例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド若しくは酢酸などの適切な溶媒中で実施する。反応は、水溶液中で、例えば塩基性のpH(pH11〜14、好ましくはおよそ12.5〜14、の何れもの所望の塩基、例えばNaOHを用いて調節する)で実施する。異なる溶媒を使用する場合は、同一試薬を使用し、適切な反応条件を選択する。反応は、室温の上記の溶媒中で、冷却又は加熱しながら、例えば0.5〜5時間、好ましくはおよそ2.5〜3.5時間にわたって行うことができる。生成及び単離処理を、エステル化について記述するように実施する。
無機酸の反応性誘導体を用いるエステル化、例えば硫酸化又はリン酸化は、同様に当業者に公知の方法によって行われる。
硫酸化は、例えば水溶液中又は、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド又は酢酸などの適切な溶媒中で、適切な硫酸化試薬、例えばSO−トリメチルアミン錯体又はシクラミン酸を用いて、室温で冷却又は加熱しながら、好ましくは例えば30℃で、適切な時間、例えば15分間〜2時間、好ましくはおよそ30分間実施する。次に、水を溶媒として使用する場合は、反応液のpHを強塩基性(例えば、pH12〜13へ)に調節し、この溶液を例えば30℃の適切な温度で攪拌する。適切な酸又は緩衝液、例えばHClを使用してpH9.5〜11、好ましくは約10.5へ酸性化した後、沈殿及び単離をC−酸化について記述するように実施する。
リン酸化は、何れもの当業者に公知の方法によって実施する。1つの可能性としては、リン酸化試薬を用いてデキストリンを水中に溶解させること及び、2〜6、好ましくは約3のpH値を確立することを包含する。適切なリン酸化試薬は、公知試薬の何れかであり、好ましくは1:0.5〜1:2.5、例えば1:1.8のモル比にあるリン酸二水素ナトリウム/リン酸水素二ナトリウムの混合液を使用する。この反応溶液を、エタノール、メタノール又はアセトンを用いて沈殿させることができ、例えば沈殿物を単離及び乾燥させることができ、或いは反応溶液を蒸発によって、例えばロータリーエバポレータ内で乾燥するまで濃縮して、さらに好ましくは高温及び真空下で乾燥する。粉砕した後、生成物を乾燥状態で、例えば120〜180℃へ、好ましくは150〜170℃へ、好ましくは真空下で加熱し、さらに再度粉砕し、引き続いて水又は適切な溶媒中へ、好ましくは例えば50℃の高温で溶解する。次に不溶性残留物を遠心分離又は濾過によって分離し、得られる溶液を、膜濾過によって遊離オルトリン酸塩を除去して精製する。濾過は、IR分光法又は伝導度測定によって観測できる。全てのオルトリン酸塩が除去されたら、溶液を、ロータリーエバポレータを用いて濃縮し、その後にエステル化について記述するように沈殿及び単離する。
/C−酸化誘導体は、当業者に公知である、例えばNaOCl又はNaIO/NaOClのような適切な酸化剤を用いたC−酸化マルトデキストリンの酸化によって得ることができる。酸化は、例えば水溶液又は、ジメチルホルムアミド、ホルムアミド、ジメチルスルホキシド若しくは酢酸のような適切な溶媒中において、室温で加熱又は冷却しながら実施する。水を溶媒として使用する場合は、反応はわずかに塩基性である7.5〜9.5、好ましくは8.5〜9.0の一定のpHで、例えば次亜塩素酸ナトリウムによって約50℃で行われる。pHを、次に例えばHClの添加によって中性に調節して、生成物を続いてエステル化について記述するように沈殿させて単離する。
誘導体化のためのそれぞれの試薬を様々な量で用いることによって、様々なモル置換度を達成できる。モル置換度は、1分子内の無水グルコース単位の総量に対する誘導体化無水グルコース単位のモル比によって規定される。
生成物をIR分光法によって調査する。この方法で、所望の官能基がマルトデキストリンに導入されているかどうかを定性的に確認することができる。カルボキシル基、例えばアセチル基、スクシニル基又はカルボキシメチル基の導入は、IRスペクトルにおいて1,740cm−1でのバンドの増大(COORのC=O原子価振動)によって観測できる。C/C−酸化の成功を、1,640cm−1でのバンドの増大(COORのC=O原子価振動)によって観測することができる。硫酸塩基の導入を、1,260及び830cm−1でのバンドの増大(SO 2−の原子価振動)によって確認することができる。リン酸塩基の導入もまた、31P−NMR分光法によって定性的に確認することができる。ポリマー結合一リン酸塩は、約0〜2ppmで幅広いシグナルの形態で出現するが、遊離一リン酸塩は約0.7ppmで鋭いシグナルを示す。
モル置換度の定量的測定は、導入された官能基にアサインされたシグナルの強度を、誘導体化によって影響を受けていないマルトデキストリンのシグナル強度と関連付けることによる、H−NMR分光法又は13C−NMR分光法によって実施できる。リン酸化の場合には、モル置換度の定量的測定はICP−OES(誘導結合プラズマ−発光分光法、総リン酸塩含量)及び伝導度測定(遊離一リン酸塩の含量)と組み合わせたイオンクロマトグラフィによって実施することもできる。
本発明による錯体を製造するためには、得られる酸化誘導体化マルトデキストリンを、水溶液中で鉄(III)塩と反応させる。このために、酸化誘導体化マルトデキストリンを、単離して再び溶解させてもよい。しかし、得られる酸化誘導体化マルトデキストリンの水溶液を、鉄(III)水溶液を用いてさらに処理するために直接的に使用することもできる。
鉄(III)塩としては、無機酸若しくは有機酸又はそれらの混合物の水溶性塩、例えばハロゲン化物、例えば塩化物及び臭化物、又は硫酸塩などを使用できる。好ましくは、生理学的に許容される塩を使用する。特に塩化鉄(III)水溶液の使用が好ましい。
塩化物イオンの存在は、錯体形成に有益な作用を及ぼすことが明らかにされている。塩化物イオンは、例えば、アルカリ金属塩化物、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム又は塩化アンモニウムのような、水溶性塩化物の形態で加えることができる。上述したように塩化物の形態にある鉄(III)の使用が好ましい。
反応に関して、例えば酸化マルトデキストリンの水溶液を鉄(III)塩の水溶液と混合することが可能である。従って、この方法では、鉄水酸化物の望ましくない沈殿を回避するために、混合する間及び混合した直後の酸化マルトデキストリンと鉄(III)塩との混合物のpH値が、最初は強酸性であるか、又は鉄(III)塩の加水分解が生じないほど十分に低い、例えば2以下であることが望ましい。鉄(III)塩化物を使用する場合は、塩化鉄(III)の水溶液自体が十分に酸性であり得るから、一般には酸を加える必要はない。混合が行われると、pH値は、例えば5又はそれ以上の数値へ、例えば11、12、13又は14に上昇させることができる。pH値の上昇をゆっくりと又は段階的に行うのが好ましく、これは例えば最初に弱塩基を加えることによって、例えば約pH3に到達させてもよく、さらにより強塩基を使用して中和することができる。適切な弱塩基は、例えば、炭酸又は重炭酸ナトリウム及びカリウムのような、アルカリ又はアルカリ土類炭酸塩若しくは重炭酸塩、又はアンモニアである。強塩基は、例えば、水酸化ナトリウム、カリウム、カルシウム又はマグネシウムのような、アルカリ又はアルカリ土類水酸化物である。
この反応は、加熱によって加速することができる。例えば、およそ15℃から沸点までの温度を適用できる。温度を徐々に上昇させることが好ましい。例えば、加熱を、最初に約15〜70℃になるよう実施して、次いで沸騰するまで温度を徐々に上昇させてもよい。
反応時間は、例えば、約15分間〜数時間、例えば20分間〜4時間、例えば25〜70分間、例えば30〜60分間の範囲である。
反応を、例えば、約5〜6の範囲内のpH値にある弱酸性で行うことができる。しかし、錯体形成の経過において、pH値をより高い数値へ、11、12、13又は14へ上昇させることは、有益であるが必要ではないことが明らかにされている。反応を完了するために、次いでpH値を、酸の添加によって、例えば上述した約5〜6の範囲へ、さらに低下させることができる。酸としては、塩化水素又は塩酸水溶液のような、無機酸若しくは有機酸又はそれらの混合物、特に、ハロゲン化水素酸を使用できる。
上述したように、錯体形成は、一般には加熱することによって加速される。例えば、pH値を反応の経過において5を超えて11又は14の範囲へ上昇させている好ましい実施態様では、最初に約15〜70℃、例えば40〜60℃、例えば約50℃の低温で作業することが可能であるが、直ちに、pH値を、例えば少なくとも5の値へ再び低下させた後、50℃超〜沸点の温度への段階的加熱を実施する。
反応時間は、例えば、約15分間〜数時間であり、反応温度によって変化させてもよい。一時的に5より上のpH値を適用して工程を実施した場合、15〜70分間、例えば30〜60分間、例えば70℃までの温度で、上昇したpH値で処理することができて、直ちに、pH値を少なくとも5へ低下させた後、さらに15〜70分間、例えば30〜60分間、例えば70℃までの温度で反応を行い、及び随意にさらに15〜70分間、例えば30〜60分間、沸点までのより高い温度で実施してもよい。
反応が行われると、得られた溶液を、例えば室温に冷却し、随意に希釈して随意に濾過してもよい。冷却した後、pH値を中和点又はわずかに下方へ、例えば5〜7の値に、酸又は塩基の添加によって調節することができる。酸又は塩基としては、例えば反応について上述した酸又は塩基を使用できる。得られる溶液は精製されていて、医薬品を製造するために直接使用できる。しかしながら、アルカノール、例えばエタノールのようなアルコールを用いて沈殿させることによって、溶液から鉄(III)錯体を単離することも可能である。単離は、スプレー乾燥によって実施することもできる。精製を、特に塩を除去するために、従来方法で実施することができる。これは、例えば、逆浸透によって実施されてもよく、そのような逆浸透は、例えばスプレー乾燥の前に又は医薬品における直接使用の前に実施できる。
得られる鉄(III)−炭水化物錯体は、例えば、10〜40重量/重量%、特に、20〜35重量/重量%の鉄含量を有する。それらは水に易溶性である。それらから、例えば、1重量/容量%〜20重量/容量%の鉄含量を有する中性水溶液を生成することができる。そのような溶液は、熱によって滅菌することができる。このようにして得られた重量平均分子量Mwは、例えば、80〜800kDa、好ましくは80〜650kDa、特に好ましくは350kDaまでである(例えば、Geisser et al., Arzneim. Forsch/Drug Res. 42(II),12,1439-1452(1992),Section 2.2.5. に記載されたゲル浸透クロマトグラフィ法によって確認される)。
上述したように、水溶液は本発明による錯体から製造できる。そのような溶液は、非経口投与のために特に適している。しかしながら、それらを経口で又は局所的に投与することもできる。それらを高温、例えば121℃又はそれ以上で、少なくとも15分間の短い接触時間で、滅菌することができ、F≧15が達成される。Fは、細菌分解温度係数が10である理想的微生物について算出した121℃での処理時間(分)に対応する、可変温度での処理時間(分)である。これまでに公知の製剤は、一部の場合には室温で滅菌濾過しなければならなかった、そして/又は例えばそれに加えてベンジルアルコール若しくはフェノールなどの保存料を伴っていなければならなかった。本発明によると、そのような処理工程又は添加物は必要ではない。錯体の溶液を例えばアンプル中に注入することが可能である。例えば、1〜20重量%、例えば5重量%の溶液を、例えば2〜100mL、例えば50mLまでのアンプル又はバイアルなどの容器中へ注入することができる。非経口投与可能な溶液の製造は、従来方法で、随意に非経口溶液にとって通常の添加物を併用して実施できる。これらの溶液は、注射若しくは、例えば食塩液中での輸液などによって投与できるように製造することができる。経口又は局所投与のために、製剤を適切な従来の賦形剤又は補助剤を用いて製造できる。
従って本発明は、特に非経口、静脈内及び筋肉内投与のために、並びにさらに経口又は局所投与のために適している、そして特に鉄欠乏性貧血を治療するために使用できる医薬品をさらに提供する。従って本発明は、特に鉄欠乏性貧血の治療及び予防における、又は特に鉄欠乏性貧血の非経口治療のための医薬品の製造における、本発明による鉄(III)−炭水化物誘導体錯体の使用をさらに提供する。これらの医薬品は、ヒト医学及び獣医学において使用するのに適している。
本発明により、初めてマルトデキストリン誘導体の鉄錯体を製造することが可能である。
国際公開第WO2004/037865号公報により公知である鉄−マルトデキストリン錯体と比較して、本発明による鉄−マルトデキストリン誘導体は、公知の錯体を用いた場合は可能ではなかった、より高い分子量に及ぶ広範囲にわたる分子量の特異的及び微細な調整を可能にする。
大多数の鉄−マルトデキストリン誘導体錯体は、国際公開第WO2004/037865号公報により公知の鉄−マルトデキストリン錯体と比較すると、実質的に変化していない分解速度(Θ=0.5)を示す。
大多数の誘導体化マルトデキストリン錯体は、非誘導体化マルトデキストリンと比較すると、アミラーゼによる酵素分解に対する増加した安定性を示し、これは身体内での本発明による鉄−マルトデキストリン誘導体錯体の分解の一様な遅延を促進する。
本発明による錯体誘導体の鉄収率は、工業規模での生産に対して経済的利点を示す公知の鉄−マルトデキストリン錯体における87〜93%と比較すると、(特に硫酸化錯体誘導体の場合は)100%に達する。
(実施例)
本明細書及び以下の実施例では、デキストロース当量は重量測定法により決定する。このために、マルトデキストリンを、沸騰させながらFehling溶液と水溶液中で反応させる。この反応を、定量的に、すなわちFehling溶液のそれ以上の変色が生じなくなるまで行う。沈殿した酸化銅(I)を、105℃で一定重量になるまで乾燥して、重量測定法によって測定する。グルコース含量(デキストロース当量)は、得られた数値からマルトデキストリン乾燥物質の重量/重量%として計算する。例えば、以下の溶液を用いて作業することができる:25mLのFehling溶液IIと混合した25mLのFehling溶液I;10mLのマルトデキストリン水溶液(10%モル/容量)(Fehling溶液I:水500mLに溶解した34.6gの硫酸銅(II);Fehling溶液II:水400mLに溶解した173gの酒石酸カリウムナトリウム及び50gの水酸化ナトリウム)。
以下では、マルトデキストリン誘導体及び鉄錯体のそれぞれの特性を確認するためにどのような方法及び装置を使用したかについて説明する。
H−NMR:Bruker Avance-400、400MHz、HOを基準とするDO溶液
13C−NMR:Bruker Avance-400、100MHz、トリメチルシリルプロピオン酸−dを外部基準とするDO溶液
31P−NMR:Bruker Avance-400、162MHz、濃HPOを外部基準とするDO溶液
IR:FT-IR Perkin Elmer 1725x、KBrペレット
ICP−OES:Horiba Jobin Yvon Ultima 2、HOに溶解したサンプル
IC:Metrohm 733 IC Separation Center(伝導度検出器を含む)、HOに溶解したサンプル
GPC:Waters 515 HPLCポンプ、Waters 2410屈折率検出器、HOに溶解したサンプル、標準物質としてプルラン
の測定:GPCを参照されたい。
の測定:GPCを参照されたい。
Fe含量:EDTAを用いた滴定(例えば、Jander Jahr,Massanalyse 15th Edition)
分解速度:P.Geisser, M.Baer, E.Schaub; Structure/Histotoxicity Relationship of Parenteral Iron Preparations;Arzneim.-Forsch./Drug Research 42(II), 12, 1439-1452(1992)
Analysis Jena Specord 205 分光光度計、調査した分解度50%(Θ=0.5)
鉄収率:単離したFeの量(g)/使用したFeの量(g)
(実施例1)
−酸化マルトデキストリンの製造
12のデキストロース当量を有するマルトデキストリン250gを水750mLに溶解した。1.4gのNaBrを加え、78.4gのNaOCl溶液(14〜16重量%の活性塩素)を30分間にわたり定量添加して、30重量%のNaOHを添加することによってpHを9.5(±0.5)で一定に維持した。次にpHを、HCl(20重量%)を使用して7.0に調節して、生成物を1:6(溶液:エタノール)の容量比でエタノール(92重量%)の添加によって沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離して、50℃及び125mbarで24時間にわたり乾燥した。
(実施例2)
−酸化マルトデキストリンの製造
100gのマルトデキストリン(重量測定法によって決定した、9.6デキストロース当量)を25℃で攪拌しながら水300mLに溶解し、pH10で30gの次亜塩素酸ナトリウム溶液(14〜16重量%の活性塩素)を加えて酸化して、実施例1と同様に単離及び乾燥した。
(実施例3)
−酸化マルトデキストリンの製造
45gのマルトデキストリン(重量測定法によって決定した、6.6デキストロース当量)及び45gのマルトデキストリン(重量測定法によって決定した、14.0デキストロース当量)の混合物を25℃で攪拌しながら、水300mLに溶解し、pH10で、25gの次亜塩素酸ナトリウム溶液(14〜16重量%の活性塩素)を加えて酸化して、実施例1と同様に単離及び乾燥した。
(実施例4〜7)
アセチル化
実施例1で得られた200gのマルトデキストリン(1.23モルの無水グルコース)を、水660mLに25℃で溶解して、30重量%のNaOHを使用してpHを8.5に調節した。30重量%のNaOHを添加することによってpHを8.5(±0.5)で一定に維持しながら、酢酸無水物を表1に示した様々な量で、1.7mL/分の速度で添加した。この溶液を8.5(±0.5)の一定pHで1時間攪拌し、次に20重量%のHClを用いて7.0に調節した。この生成物を1:6(溶液:エタノール)の容量比でエタノール(92重量%)を用いて沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離して、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
添加する酢酸無水物の量を変化させることによって、異なるアセチル化度が得られた。結果を表1に示す。
Figure 0005259700
アセチル化によって、エタノールに対するマルトデキストリン誘導体の溶解度は増大し、これは置換度を増大して収率の低下をもたらす。
アセチル化度は、IR分光法によって定性的に、そしてNMR分光法によって定量的に測定した。
アセチル化は、IR分光法により、1,740cm−1でのバンドの(COORのC=O原子価振動)の増大によって観測することができる。モルアセチル化度は、H−NMR分光法によって、2.0〜2.3ppm(アセチル基)でのCHシグナルの強度対3.0〜4.5ppm及び5〜6ppm(無水グルコース基の7つの陽子)でのシグナル強度の比率によって決定した。
(実施例8〜11)
スクシニル化
実施例1で得た200gのC−酸化マルトデキストリンを水655mLに溶解した。30重量%のNaOHを用いてpHを8.5に調節し、1時間かけて25℃で、コハク酸無水物を少しずつ加え、30重量%のNaOHを添加することによってpHを8.5(±0.5)で一定に維持した。次にpHを20重量%のHClの添加によって7.0に調節して、生成物を1:6(溶液:エタノール)の容量比でエタノール(92重量%)を用いて沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離して、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
添加するコハク酸無水物の量を変化させることによって、異なるアセチル化度が得られた。結果を表2に示す。
Figure 0005259700
スクシニル化は、酸化マルトデキストリンの溶解度に重大には影響を及ぼさなかった。
スクシニル化は、IR分光法により、1,740cm−1でのバンド(COOR/COOHのC=O原子価振動)の増大によって定性的に観測することができる。モルスクシニル化度は、H−NMR分光法によって、2.4〜2.7ppm(スクシニル基)での2つのCHシグナルの強度対3.0〜4.5ppm及び5〜6ppm(無水グルコース基の7つの陽子)でのシグナル強度の比率によって決定した。
(実施例12〜16)
カルボキシメチル化
実施例1で得た200gのC−酸化マルトデキストリンを水660mLに溶解した。pHが13〜14となるように、118gの固体NaOHを加えた。クロロ酢酸を20分間かけて少しずつ加えて、次に25℃で3時間攪拌を実施した。次に20重量%のHClを添加してpHを7.0に調節して、生成物を1:6(溶液:エタノール)の容量比でエタノール(92重量%)を用いて沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離して、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
添加するクロロ酢酸(無水物)の量を変化させることによって、異なるカルボキシメチル化度が得られた。結果を表3に示す。
Figure 0005259700
カルボキシメチル化度は、酸化マルトデキストリンの溶解度に重大には影響を及ぼさなかった。
カルボキシメチル化は、これらの実施例では置換度が低かったために、IR分光法によって観測することはできない。(C=O原子価振動の1,740cm−1での明確なバンドは見られない)。モルカルボキシメチル化度は、H−NMR分光法によって、5.6ppm(カルボキシメチル化無水グルコース基)でのアノマー陽子の強度対4.5〜5.8ppm(誘導体化されていない無水グルコース基)でのアノマー陽子のシグナル強度の比率によって決定した。
(実施例17〜20)
硫酸化
実施例1で得た200gのC−酸化マルトデキストリンを水600mLに溶解して、30℃に加熱した。SO−トリメチルアミン錯体を加えて、この混合物を30℃で30分間攪拌した(その間に懸濁液は溶液に変化した)。40重量%のNaOH(置換度に依存して18〜141mLに対応する、SO−トリメチルアミン錯体のモル量に基づくと1.7当量)を2.8mL/分の速度で加え、この溶液を30℃で2.5時間攪拌した。20重量%のHClを用いてpHを10.5に調節した。1:7〜1:8の溶液:エタノールの容量比で92重量%のエタノールを用いて、生成物を沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離して、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
添加するSO−トリエチルアミン錯体の量を変化させることによって、異なる硫酸化度が得られた。結果を表4に示す。
Figure 0005259700
酸化硫酸化マルトデキストリンの収率が増加する理由は、エタノールに対する生成物の溶解度の低下である。
硫酸化度は、IR分光法によって定性的に観測することができる(SO 2−の原子価振動である、1,260及び830cm−1でのバンドの増強)。モル硫酸化度は、13C−NMR分光法によって、96ppm(硫酸化種)でのCシグナル強度対103ppm(非硫酸化種)でのCシグナル強度の比率によって決定した。
(実施例21〜24)
リン酸塩化
実施例1で得た300gのC−酸化マルトデキストリン、NaHPO及びNaHPO(モル比、1:1.8)を水1.5Lに溶解して、20重量%のHClを用いてpHを3.0に調節した。この溶液を70℃及び125mbarにてロータリーエバポレータ内で蒸発させて濃縮乾固した。残留物を、50℃及び125mbarにて16時間乾燥した。この生成物を粉砕し、750mbarで4時間160℃に加熱した。この物質を再度粉砕し、1時間50℃で1:4.4(固体:水)の重量比で水に溶解した。この溶液を25℃に冷却し、不溶性残留物を遠心分離(5,500rpmで1時間)によって分離した。
遊離のオルトリン酸塩を除去するために、得られた溶液をナノ濾過膜(Nitto-Denko NTR-7410、平均NaCl残留率10%)を用いて22bar及び180〜210L/時の流速で膜濾過によって濾過した。遊離オルトリン酸塩の除去は、洗浄した画分のIR分光法によって観測した。酸化リン酸化マルトデキストリンの溶液を、60℃及び80〜250mbarのロータリーエバポレータ内で1Lに濃縮して、次に1:6(溶液:エタノール)の容量比にあるエタノールを用いて生成物を沈殿させた。懸濁液を遠心分離(5,500rpmで1時間)することによって生成物を分離して、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
1:1.8のモル比にあるNaHPO及びNaHPOの混合物の添加量を変化させることによって、異なるリン酸化度が得られた。結果を表5に示す。
モル置換度はICP−OES(誘導結合プラズマ−発光分光法、総リン酸塩含量)及び伝導度測定(遊離リン酸塩の含量)と組み合わせたイオンクロマトグラフィによって測定した。
遊離リン酸塩の含量の定性的測定は、31P−NMR分光法によって実施した。ポリマー結合一リン酸塩は、約0〜2ppmの範囲内の幅広いシグナルの形態で出現するが、遊離一リン酸塩は約0.7ppmに鋭いシグナルを示す。−10ppmの幅広いシグナルは、オリゴリン酸塩にアサインできる。
Figure 0005259700
(実施例25〜29)
/C −酸化(2工程合成法)
実施例1で得た200gのC−酸化マルトデキストリンを水600mLに溶解して、この溶液を50℃に加熱した。20重量%のHClを用いてpHを8.5〜9.0に調節して、20gのNaOCl(14〜16%の活性塩素)を単一バッチで加えた。NaOClの残留含量は5.8mL/分の速度で加え、30重量%のNaOHを添加することによってpHを8.5(±0.5)で一定に維持した。溶液を、50℃及びpH8.5(±0.5)で1時間攪拌した。次に、20重量%のHClを用いてpHを7に調節した。1:6の溶液:エタノールの容量比で92重量%エタノールを用いて生成物を沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離し、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
(実施例30)
/C /C −酸化(1工程合成法、in situ誘導体化)
12デキストロース当量を有する200gのマルトデキストリンを水660mLに溶解して、この溶液を50℃に加熱した。1.1gのNaBrを加えて、135.2gのNaOCl溶液(14〜16重量%の活性塩素)を30分間にわたり計量添加し、30重量%のNaOHを添加することによってpHを9.5(±0.5)で一定に維持した。溶液を、50℃及びpH9.5(±0.5)で1時間攪拌した。次に、20重量%のHClを用いてpHを7に調節した。1:6の溶液:エタノールの容量比で92重量%エタノールを用いて生成物を沈殿させた。上清溶液をデカンテーションすることによって生成物を単離して、50℃及び125mbarで24時間乾燥した。
添加するNaOCl(14〜16重量%の活性塩素)の量を変化させることによって、異なるモルC/C−酸化度が得られた。結果を表6に示す。
Figure 0005259700
得られた生成物の単離収率の変動は小さい。
/C−酸化度は1,640cm−1でのバンド(COOのC=O原子価振動)の増強によってIR分光法により観測することができた。
モルC/C−酸化度は、13C−NMR分光法によって、175及び176ppm(酸化C及びC)でのCOOHシグナル強度対76〜84ppm(非酸化C)でのシグナル強度の比率によって決定した。
一般工程仕様1:鉄錯体の製造
得られた酸化誘導体化マルトデキストリンからの鉄錯体の製造は、それぞれの場合においてマルトデキストリン誘導体100gを用いて実施した。
352gの塩化鉄(III)溶液(12重量/重量%、Fe)に、攪拌しながら(パドル攪拌機(paddle stirrer))、室温で、最初に水300mLに溶解した100gの酸化誘導体化マルトデキストリン、次に554gの炭酸ナトリウム溶液(17.3重量/重量%)を加えた。
水酸化ナトリウム溶液の添加によってpHを11に規定し、この溶液を50℃に加熱し、30分間50℃に保持した。次にこの混合物を塩酸の添加によってpH5〜6に酸性化して、この溶液をさらに30分間50℃に保持し、次に97〜98℃に加熱し、30分間その温度に保持した。この溶液を室温に冷却した後、水酸化ナトリウム溶液を添加してpHを6〜7に調節した。次にこの溶液を滅菌フィルターに通して濾過し、1:0.85の比率でエタノールを用いて錯体を沈殿させて単離し、50℃の真空下で乾燥した。
(実施例31〜33)
アセチル化鉄錯体
アセチル化鉄錯体31〜33を、一般工程仕様1に従って、実施例5〜7で得られたマルトデキストリン誘導体から得て、それらの特性を下記の表7に要約した。それぞれの場合において、実施例1で得られるような、C−酸化されたが誘導体化されていないマルトデキストリンから一般工程仕様1に従って同様に製造した標準調製物と比較した。
Figure 0005259700
>0.61のモル置換度を有するアセチル化マルトデキストリン誘導体の使用により、不安定な生成物が生じた。
アセチル化鉄錯体は、標準物質と比較して鉄含量の増加を示し、分子量は置換度が増大するにつれて増加した。50%の分解速度は、標準物質と比較して同様の値を示した。アセチル化鉄錯体のFe収率は、97%に達した。
(実施例34〜36)
スクシニル化鉄錯体
スクシニル化鉄錯体34〜36を、一般工程仕様1に従って、実施例9〜11で得られたマルトデキストリン誘導体から得て、それらの特性を下記の表8に要約した。それぞれの場合において、実施例1で得られるような、C−酸化されたが誘導体化されていないマルトデキストリンから一般工程仕様1に従って同様に製造した標準調製物と比較した。
Figure 0005259700
>0.07のモル置換度を有するスクシニル化マルトデキストリン誘導体の使用により、不安定な生成物が生じた。
スクシニル化鉄錯体は、標準物質と比較してわずかに減少した鉄含量を示し、分子量は置換度が増大するにつれて増加を示した。50%の分解速度は、1つを例外として、標準物質と比較して類似の値を示した。スクシニル化鉄錯体のFe収率は94%に達した。
(実施例37〜38)
カルボキシメチル化鉄錯体
カルボキシメチル化鉄錯体37〜38を、一般工程仕様1に従って、実施例15〜16で得られたマルトデキストリン誘導体から得て、それらの特性を下記の表9に要約した。それぞれの場合において、実施例1で得られるような、C−酸化されたが誘導体化されていないマルトデキストリンから一般工程仕様1に従って同様に製造した標準調製物と比較した。
Figure 0005259700
>0.01のモル置換度を有するカルボキシメチル化マルトデキストリン誘導体の使用により、不安定な生成物が生じた。
カルボキシメチル化鉄錯体の鉄含量は、標準物質と比較してわずかに減少し、分子量は置換度が増大するにつれて増加した。50%の分解速度は、標準物質と比較してほぼ同一の値を示した。カルボキシメチル化鉄錯体のFe収率は、97%に達した。
(実施例39〜41)
/C −酸化鉄錯体
/C−酸化鉄錯体39〜41を、一般工程仕様1に従って、実施例27、28及び29で得られたマルトデキストリン誘導体から得て、それらの特性を下記の表10に要約した。それぞれの場合において、実施例1で得られるような、C−酸化されたが誘導体化されていないマルトデキストリンから一般工程仕様1に従って同様に製造した標準調製物と比較した。
Figure 0005259700
>0.01のモル置換度を有するC/C−酸化マルトデキストリン誘導体の使用により、不安定な生成物が生じた。
鉄含量は一様な傾向を示さず、分子量は置換度が増大するにつれて増加した。50%の分解速度は、標準物質と比較してほぼ同一の値を示した。C/C−酸化鉄錯体のFe含量は、95%に達した。
(実施例42〜44)
硫酸化鉄錯体(多工程合成法)
硫酸鉄錯体42〜44を、一般工程仕様1に従って、実施例18〜20で得られたマルトデキストリン誘導体から多工程合成で得て、それらの特性を下記の表11に要約した。それぞれの場合において、実施例1で得られるような、C−酸化されたが誘導体化されていないマルトデキストリンから一般工程仕様1に従って同様に製造した標準調製物と比較した。
(実施例45)
硫酸鉄錯体(1工程合成法、in situ誘導体化)
12デキストロース当量を有するマルトデキストリン100gを水300mLに溶解した。0.7gのNaBrを加え、28.7gのNaOCl溶液(14〜16重量%の活性塩素)を30分間にわたり計量添加し、30重量%のNaOHを添加することによってpHを9.5(±0.5)で一定に維持した。次にこの溶液を30℃に加熱し、14.4gのSO−トリメチルアミン錯体を加え、次いで30℃で30分間攪拌した。次に17.6mLの40重量%のNaOHを測り入れ、30℃で1時間攪拌した。
この溶液を20〜25℃に冷却した後、攪拌しながら352gの塩化鉄(III)溶液(12重量/重量%)を加え、次に554gの炭酸ナトリウム溶液(17.3重量/重量%)を測り入れた。次いで水酸化ナトリウム溶液を添加してpH11に規定し、この溶液を50℃に加熱して、30分間50℃に保持した。次いで、この混合物を塩酸の添加によってpH5〜6に酸性化して、この溶液をさらに30分間50℃に保持し、次に97〜98℃に加熱し、30分間その温度に保持した。この溶液を室温に冷却した後、水酸化ナトリウム溶液の添加によってpH値を6〜7に調節した。次にこの溶液を滅菌フィルターに通して濾過し、1:0.85の比率でエタノールを用いて錯体を沈殿させて、50℃の真空下で乾燥した。
Figure 0005259700
>0.27のモル置換度を有する硫酸化マルトデキストリン誘導体の使用により、不安定な生成物が生じた。
硫酸鉄錯体の鉄含量は、置換度が増大するときにほぼ一定に維持された。多工程合成法で合成された鉄錯体の分子量は、置換度が増大するにつれて増加した。50%の分解速度は、標準物質と比較して増加した値を示した。硫酸鉄錯体のFe収率は、100%に達した。

Claims (14)

  1. 水性鉄(III)塩溶液と、1つ又はそれ以上のマルトデキストリンの酸化及びその後の反応の生成物の水溶液とから得られうる水溶性鉄−炭水化物錯体であって、酸化がアルカリ性の範囲内にあるpH値で水性次亜塩素酸塩溶液を用いて実施され、1つのマルトデキストリンを使用する場合のデキストロース当量が5〜20であり、複数のマルトデキストリンの混合物を使用する場合の混合物のデキストロース当量が5〜20であって、混合物中の個々のマルトデキストリンのデキストロース当量が2〜40であり、そしてその後の反応が
    (a)一塩基性又は多塩基性カルボン酸塩化物、無水物、混合無水物又は臭化物によるエステル化、
    (b)硫酸化試薬又はリン酸化試薬によるエステル化、
    (c)NaOCl及びNaIO /NaOCl からなる群より選択される酸化剤によるC −酸化マルトデキストリンの酸化、及び
    (d)ハロゲン化されたC −C −カルボン酸によるカルボキシアルキル化、
    からなる群より選択されるものであり、それぞれが、
    (a)一塩基性又は多塩基性カルボン酸のエステル、
    (b)硫酸エステル又はリン酸エステル、
    (c)C /C −酸化生成物、
    (d)カルボキシアルキル化生成物
    を形成するものである、水溶性鉄−炭水化物錯体。
  2. 1つ又はそれ以上のマルトデキストリンの酸化、臭化物イオンの存在下で実施されるものである、請求項に記載の錯体
  3. 鉄(III)塩が、塩化鉄(III)であ、請求項に記載の錯体
  4. 酸化、反応させたマルトデキストリン及び鉄(III)塩を、鉄(III)塩の加水分解が生じないほど十分に低いpH値を有する水溶液に混入して、直ちに塩基を添加してpH値を5〜12に上げるものである、請求項に記載の錯体
  5. 反応、15℃〜沸点の温度で15分間〜数時間実施される、請求項に記載の錯体
  6. 請求項に記載の鉄−炭水化物錯体の水溶液を含有してなる医薬品。
  7. 非経口又は経口投与のために製剤化されていることを特徴とする、請求項に記載の医薬品。
  8. (a)1つ又はそれ以上のマルトデキストリンを、水溶液中で、アルカリ性のpH値で水性次亜塩素酸塩溶液の存在下で酸化すること、
    ここに1つのマルトデキストリンを使用する場合のデキストロース当量が5〜20であり、複数のマルトデキストリンの混合物を使用する場合の混合物のデキストロース当量が5〜20であって、混合物中の個々のマルトデキストリンのデキストロース当量が2〜40であり、
    (b)その後、1つ又はそれ以上のマルトデキストリンに、
    (i)一塩基性又は多塩基性カルボン酸塩化物、無水物、混合無水物又は臭化物によるエステル化、
    (ii)硫酸化試薬又はリン酸化試薬によるエステル化、
    (iii)酸化剤によるC −酸化マルトデキストリンの酸化、及び
    (iv)ハロゲン化されたC −C −カルボン酸によるカルボキシアルキル化、
    からなる群より選択される少なくとも1つの反応を実施し、そして
    (c)上記(b)で得られた生成物を水性鉄(III)塩溶液で反応させることを特徴とする、水溶性鉄−炭水化物錯体を製造する方法。
  9. 1つ又はそれ以上のマルトデキストリンの酸化が、臭化物イオンの存在下で実施されるものである、請求項8に記載の方法。
  10. 鉄(III)塩が、塩化鉄(III)である、請求項8に記載の方法。
  11. 酸化、反応させたマルトデキストリン及び鉄(III)塩を、鉄(III)塩の加水分解が生じないほど十分に低いpH値を有する水溶液に混入して、直ちに塩基を添加してpH値を5〜12に上げるものである、請求項8に記載の方法。
  12. 反応が、15℃〜沸点の温度で15分間〜数時間実施される、請求項8に記載の方法。
  13. 請求項8に記載の方法により製造される鉄−炭水化物錯体の水溶液を含有してなる医薬品。
  14. 非経口又は経口投与のために製剤化されていることを特徴とする、請求項13に記載の医薬品。
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