JP5259653B2 - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。より詳しくは、還元剤の存在下で排気のNOxを還元する選択還元触媒を備えた排気浄化システムに関する。
従来、排気中のNOxを浄化する排気浄化システムの1つとして、アンモニア等の還元剤により排気中のNOxを選択的に還元する選択還元触媒を排気通路に設けたものが提案されている。例えば、尿素添加式の排気浄化システムでは、選択還元触媒の上流側から尿素水を供給し、この尿素水から排気の熱で熱分解又は加水分解することでアンモニアを生成し、このアンモニアにより排気中のNOxを選択的に還元する。このような尿素添加式のシステムの他、例えば、アンモニアカーバイトのようなアンモニアの化合物を加熱することでアンモニアを生成し、このアンモニアを直接添加するシステムも提案されている。以下では、尿素添加式のシステムについて説明する。
このような選択還元触媒には、排気中のNOxの還元に供されなかったアンモニアを吸着する能力がある。すなわち、選択還元触媒に流入するNOx量に対し尿素水の供給量が多い場合、NOxの還元に供されずに余剰となったアンモニアは選択還元触媒に吸着され、逆に選択還元触媒に流入するNOx量に対し尿素水の供給量が少ない場合、選択還元触媒に吸着されていたアンモニアがNOxの還元に供される。したがって、尿素水の供給量を増減することにより、選択還元触媒におけるアンモニアの吸着量を制御することができる。
NOx浄化の観点からは、選択還元触媒にできるだけ多くのアンモニアが吸着されていることが好ましいものの、選択還元触媒で吸着できるアンモニアの量には限界がある。選択還元触媒にこの限界量を超えるアンモニアが供給されると、吸着しきれなかったアンモニアは下流側へ排出されてしまうこととなる。また、特許文献1に記載されているように、この限界量は、選択還元触媒の温度が高くなるに従って少なくなる特性がある。したがって、例えば、選択還元触媒に限界量に近い量のアンモニアが吸着されている状態でその温度が上昇すると、吸着していたアンモニアの一部が下流側へ排出されてしまう。このため、選択還元触媒におけるアンモニアの吸着量は、限界量を上回らないようにその温度に応じて適切な量に制御する必要がある。
特開2009−293444号公報
以上のように、尿素水を増減することでアンモニアの吸着量を制御できるものの、このときの吸着量の変化速度と、選択還元触媒の温度変化に起因した限界量の変化速度を比較すると、温度変化が急であると限界量の変化速度の方が速くなる場合がある。
例えば、選択還元触媒が高温になると限界量も少なくなるので、それまでに選択還元触媒に吸着されていたアンモニアが下流側へ排出されないように、限界量の減少速度よりも速く吸着量を減少させる必要がある。しかしながら、上述のように急激に温度が上昇した場合、吸着量の減少速度よりも限界量の減少速度が勝ってしまい、吸着しきれずに限界量を超えた分のアンモニアが下流側へ排出してしまうこととなる。
本発明は、選択還元触媒に急激な温度変化があった場合であっても、捕捉しておいた還元剤が下流側へ排出するのを抑制できる内燃機関の排気浄化システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、内燃機関(例えば、後述のエンジン1)の排気系(例えば、後述の排気通路11)に設けられ、還元剤の存在下で排気を浄化し、かつこの還元剤を捕捉する選択還元触媒(例えば、後述の第1選択還元触媒231)と、前記排気系のうち前記選択還元触媒の上流側に還元剤(例えば、アンモニア)又は還元剤の元となる添加剤(例えば、尿素水)を供給する還元剤供給手段(例えば、後述のユリア噴射装置25)と、を備える内燃機関の排気浄化システム(例えば、後述の排気浄化システム2)を提供する。前記排気浄化システムは、前記選択還元触媒の現在から所定時間(TPRE)後の温度に相当する予測温度を推定する温度予測手段(例えば、後述の触媒温度予測部53)と、前記選択還元触媒に捕捉されている還元剤の量に相当するストレージ量を推定するストレージ量推定手段(例えば、後述のストレージ量推定部56)と、前記推定された予測温度(TCAT_PRE)に基づいて、前記ストレージ量の目標値に相当する目標ストレージ量を算出する目標ストレージ量算出手段(例えば、後述の目標ストレージ量算出部55)と、前記推定されたストレージ量(STUREA)が前記算出された目標ストレージ量(STUREA_TRGT)になるように、前記還元剤供給手段による還元剤又は添加剤の供給量(GUREA,GUREA_ST)を算出する供給量算出手段(例えば、後述のユリア噴射制御部5及びストレージ噴射量算出部52)と、を備える。
本発明では、選択還元触媒の現在から所定時間後の温度に相当する予測温度を推定し、この予測温度に基づいて目標ストレージ量を算出し、ストレージ量が目標ストレージ量になるように還元剤供給手段による供給量を算出する。したがって、例えば、現在から所定時間後に急激に温度が上昇することが予測された場合には、これに応じて目標ストレージ量を現在よりも減少させ、ストレージ量をこの目標ストレージ量に合わせて少なくすることができる。したがって、上記所定時間後に実際の限界量が低下するよりも速く実際のストレージ量を減少させることができるので、捕捉されていた還元剤が選択還元触媒から下流側へ排出するのを抑制することができる。
この場合、前記排気浄化システムは、前記排気系の温度を制御する排気系温度制御手段(例えば、後述の排気系温度制御部4)をさらに備え、前記温度予測手段は、前記排気系温度制御手段による温度制御時における前記選択還元触媒の目標温度を予測温度とすることが好ましい。
本発明では、排気系温度制御手段により排気系の温度を制御しながら、このときの選択還元触媒の目標温度を予測温度とし、この予測温度に基づいて目標ストレージ量を算出し、この目標ストレージ量になるようにストレージ量を制御する。このように選択還元触媒のストレージ量の制御を排気系の温度制御と協調させることにより、選択還元触媒にできるだけ多くの還元剤を捕捉させながら、還元剤が下流側へ排出されるのを抑制することができる。
この場合、前記排気浄化システムは、前記排気系に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタ(例えば、後述のDPF22)をさらに備え、前記排気系温度制御手段は、前記排気浄化フィルタを昇温し、捕集された粒子状物質を燃焼除去することにより当該排気浄化フィルタを再生し、前記温度予測手段は、前記排気浄化フィルタの再生の際には、予め学習されたフィルタ再生時における選択還元触媒の温度変化態様に基づいて予測温度を推定することが好ましい。
本発明では、排気浄化フィルタの再生の際には、予め学習されたフィルタ再生時における選択還元触媒の温度変化態様に基づいて予測温度を推定することにより、選択還元触媒の温度が急激に上昇することを予測できる。したがって、この予測に応じて、選択還元触媒の温度が上昇する前に尿素水の供給量を減量することができるので、排気浄化フィルタの再生前に選択還元触媒に捕捉されていた還元剤が、再生中に排出されてしまうのを抑制することができる。
この場合、前記温度予測手段は、前記内燃機関の始動時は、予め学習された内燃機関始動時における選択還元触媒の温度変化態様に基づいて予測温度を推定することが好ましい。
本発明では、内燃機関の始動時は、予め学習された内燃機関始動時における選択還元触媒の温度変化態様に基づいて予測温度を推定することにより、選択還元触媒の温度が上昇することを予測できる。したがって、この予測に応じて選択還元触媒の温度が上昇する前に尿素水の供給量を減量することができるので、内燃機関の始動前に選択還元触媒に捕捉されていた還元剤が、内燃機関始動時に排出されてしまうのを抑制することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジン及びその排気浄化システムの構成を示す模式図である。 上記実施形態に係る選択還元触媒におけるNOx浄化率と、選択還元触媒の温度との関係を示す図である。 上記実施形態に係るユリア噴射装置によるユリア噴射量の算出に係るブロック図である。 上記実施形態に係る目標ストレージ量を算出するためのマップの一例である。 上記実施形態に係る選択還元触媒のストレージモデルの概念を示す模式図である。 上記実施形態に係る排気浄化システムの制御例を示すタイムチャートである。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る内燃機関(以下「エンジン」という)1及びその排気浄化システム2の構成を示す模式図である。エンジン1は、リーンバーン運転方式のガソリンエンジン又はディーゼルエンジンであり、図示しない車両に搭載されている。
排気浄化システム2は、エンジン1の排気通路11に設けられた酸化触媒21と、排気通路11に設けられ、排気中の粒子状物質(以下、「PM(Particulate Matter)」という)を捕集する排気浄化フィルタ(以下、「DPF(Diesel Particulate Filter)」という)22と、排気通路11に設けられ、この排気通路11を流通する排気中の窒素酸化物(以下、「NOx」という)を還元剤としてのアンモニアの存在下で浄化するユリア選択還元触媒23と、排気通路11のうちユリア選択還元触媒23の上流側に、還元剤の元となる尿素水を供給するユリア噴射装置25と、電子制御ユニット(以下、「ECU」という)3とを含んで構成される。
ユリア噴射装置25は、ユリアタンク251と、ユリア噴射弁253とを備える。
ユリアタンク251は、尿素水を貯蔵するものであり、ユリア供給路254及び図示しないユリアポンプを介して、ユリア噴射弁253に接続されている。ユリア噴射弁253は、ECU3に接続されており、ECU3からの制御信号により動作し、この制御信号に応じて尿素水を排気通路11内に噴射する。すなわち、ユリア噴射制御が実行される。
酸化触媒21は、排気通路11のうちDPF22よりも上流側に設けられ、排気中のNOを酸化してNOに変換し、これにより、ユリア選択還元触媒23におけるNOxの還元を促進する。また、後述のDPF再生時にポスト噴射を実行することで供給された未燃燃料を燃焼することにより、下流側のDPF22を昇温する。
DPF22は、排気通路11のうち酸化触媒21よりも下流側に設けられ、排気がフィルタ壁の微細な孔を通過する際、排気中の炭素を主成分とするPMを、フィルタ壁の表面及びフィルタ壁中の孔に堆積させることによって捕集する。
ユリア選択還元触媒23は、第1選択還元触媒231と、排気通路11のうち第1選択還元触媒231よりも下流側に設けられた第2選択還元触媒232とを含んで構成される。これら選択還元触媒231,232は、それぞれ、アンモニア等の還元剤が存在する雰囲気下で、排気中のNOxを選択的に還元する。具体的には、ユリア噴射装置25により尿素水を噴射すると、この尿素水は、排気の熱により熱分解又は加水分解されて還元剤としてのアンモニアが生成される。生成されたアンモニアは、選択還元触媒231,232に供給され、これらアンモニアにより、排気中のNOxが選択的に還元される。
ところで、これら選択還元触媒231,232は、尿素水から生成したアンモニアで排気中のNOxを還元する機能を有するとともに、生成したアンモニアを所定の量だけ吸着する機能も有する。本実施形態では、選択還元触媒において吸着されたアンモニア量をストレージ量といい、このストレージ量の限界を最大ストレージ容量という。このようにして吸着されたアンモニアは、排気中のNOxの還元にも適宜消費される。このため、ストレージ量が大きくなるに従い、選択還元触媒におけるNOx還元率は高くなる。また、エンジンから排出されたNOxの量に対し尿素水の供給量が少ない場合等には、吸着されたアンモニアが、この尿素水の不足分を補うようにしてNOxの還元に消費される。
ここで、選択還元触媒において、最大ストレージ容量を超えてアンモニアが生成された場合、生成されたアンモニアは、選択還元触媒の下流側へ排出される。このようにしてアンモニアが選択還元触媒に吸着されず、その下流側へ排出されることを、以下では「アンモニアスリップ」という。本実施形態では、後に詳述するように、第1選択還元触媒のストレージ量が所定の目標値に維持されるようにユリア噴射制御を行うことにより、ユリア選択還元触媒23全体としてのNOx浄化率を高く維持しながら、アンモニアスリップの発生も極力抑制する。
ECU3には、NOxセンサ28、クランク角度位置センサ14、及びアクセル開度センサ15、イグニッションスイッチ16等が接続されている。
NOxセンサ28は、第1選択還元触媒231に流入する排気のNOxの濃度(以下、「NOx濃度」という)NOXCONSを検出し、検出したNOx濃度NOXCONSに略比例した検出信号をECU3に供給する。
クランク角度位置センサ14は、エンジン1のクランク軸の回転角度を検出するとともに、クランク角1度ごとにパルスを発生し、そのパルス信号をECU3に供給する。エンジン1の回転数は、このパルス信号に基づいてECU3により算出される。アクセル開度センサ15は、車両の図示しないアクセルペダルの踏み込み量(以下、「アクセル開度」という)を検出し、検出したアクセル開度に略比例した検出信号をECU3に供給する。ECU3では、このアクセル開度及びエンジン回転数に応じて、エンジン1の要求トルクが算出される。イグニッションスイッチ16は、図示しない車両の運転席に設けられ、エンジンの始動又は停止を指令する信号をECU3に送信する。
ECU3は、各種センサからの入力信号波形を整形し、電圧レベルを所定のレベルに修正し、アナログ信号値をデジタル信号値に変換する等の機能を有する入力回路と、中央演算処理ユニット(以下「CPU」という)とを備える。この他、ECU3は、CPUで実行される各種演算プログラム及び演算結果等を記憶する記憶回路と、エンジン1やユリア噴射弁253等に制御信号を出力する出力回路と、を備える。
以下、このECU3に構成された、排気系の温度制御の実行に係る排気系温度制御部4と、この排気系の温度制御と協調したユリア噴射制御の実行に係るユリア噴射制御部5の構成について、順に説明する。
[排気系温度制御部4]
先ず、排気系温度制御部4について説明する。
図2は、選択還元触媒におけるNOx浄化率と、選択還元触媒の温度との関係を示す図である。選択還元触媒におけるNOx浄化率は、触媒温度に対し上に凸の特性を示す。したがって選択還元触媒には、NOx浄化率を高く維持するために最適な温度が存在する。図2に示す例では、この最適温度は約250℃となっている。
図1に戻って、排気系温度制御部4では、選択還元触媒231,232におけるNOx浄化性能を高く維持するため、上記最適温度を第1選択還元触媒231の目標温度として設定し、第1選択還元触媒231の温度をこの目標温度に維持するように、エンジン1の点火時期や目標空燃比を変更したり、ポスト噴射(排気工程中における燃料噴射)を実行したりする。
ところで、DPF22におけるPMの堆積量が大きくなると圧損が大きくなりエンジン1の燃費が悪化したり出力が低下したりするので、DPF22に堆積したPMを燃焼除去することによりDPF22を再生する必要がある。
そこで、排気系温度制御部4は、燃料噴射量やエンジン回転数などからDPF22におけるPM堆積量QPMを積算し、このPM堆積量QPMが所定の閾値QPMREG_STARTを上回った場合にはDPF22を再生する時期に達したと判断し、DPF22に捕集されたPMを燃焼除去しDPFを再生するべく、DPF22を昇温する。この際、排気系温度制御部4は、PMの燃焼温度である約600℃をDPF22の目標温度として設定し、DPF22の温度をこの目標温度に所定期間にわたって維持するように、エンジン1の点火時期や目標空燃比を変更したり、ポスト噴射を実行したりする。
[ユリア噴射制御部5]
次に、ユリア噴射制御部5について説明する。
図3は、ユリア噴射装置によるユリア噴射量GUREAの算出に係るブロック図である。
ユリア噴射制御部5は、フィードフォワード噴射量算出部51と、触媒温度予測部53と、触媒温度推定部54と、目標ストレージ量算出部55と、ストレージ量推定部56と、ストレージ噴射量算出部52とを含んで構成される。
図3及び下記式(1)に示すように、ユリア噴射量GUREAは、フィードフォワード噴射量算出部51により算出されたフィードフォワード噴射量GUREA_FFと、触媒温度予測部53、触媒温度推定部54、目標ストレージ量算出部55、ストレージ量推定部56、及びストレージ噴射量算出部52により算出されたストレージ噴射量GUREA_STとの和により決定される。
Figure 0005259653
以下、詳細に説明するように、フィードフォワード噴射量GUREA_FFは、エンジンから排出されたNOxを過不足無く還元するために必要なユリア噴射量に相当し、ストレージ噴射量GUREA_STは、第1選択還元触媒のストレージ量を後述の目標値に維持するためのユリア噴射量に相当する。
また、記号(k)は、離散化した時間を示す記号であり、所定の制御周期ごとに検出又は算出されたデータであることを示す。すなわち、記号(k)が今回の制御タイミングにおいて検出又は算出されたデータであるとした場合、記号(k−1)は前回の制御タイミングにおいて検出又は算出されたデータであることを示す。なお、以下の説明においては、記号(k)を適宜、省略する。
フィードフォワード噴射量GUREA_FFの算出に係るフィードフォワード噴射量算出部51は、下記式(2)に示すように、NOxセンサの検出値NOXCONSに、変換係数KCONV_NOX_UREAを乗算することにより、フィードフォワード噴射量GUREA_FFを決定する。下記式(2)において、変換係数KCONV_NOX_UREAは、NOx量からユリア噴射量に変換する変換係数である。より具体的には、変換係数KCONV_NOX_UREAは、所定の量のNOxを還元するために必要なユリア噴射量である。
Figure 0005259653
以下、ストレージ噴射量GUREA_STの算出に係る触媒温度推定部54、触媒温度予測部53、目標ストレージ量算出部55、ストレージ量推定部56、及びストレージ噴射量算出部52の構成について、順に説明する。
触媒温度推定部54は、エンジン1及びその排気を熱源と見立てた排気系の所定の熱伝導モデルに基づいて、現在の第1選択還元触媒の温度に相当する現在触媒温度TCATを推定する。この熱伝導モデルとしては、例えば、本願出願人による特開2006−250945号公報や特許第4373909号などに記載されているような、ニュートンの冷却則に従って定式化された排気系のモデルが用いられる。ここで、熱伝導モデルに対する入力としては、エンジン回転数、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸気量、EGR量、外気温度、及び車速などの車両の走行状態を示すパラメータが用いられる。
触媒温度予測部53は、第1予測温度算出部531と、第2予測温度算出部532と、第3予測温度算出部533と、第4予測温度算出部534と、予測温度セレクタ535とを含んで構成され、これらにより現在から所定の予測時間TPRE後の第1選択還元触媒の温度に相当する予測温度TCAT_PREを推定する。より具体的には、各予測温度算出部531,…,534により算出された第1予測温度TCAT_PRE_1、第2予測温度TCAT_PRE_2、第3予測温度TCAT_PRE_3、及び第4予測温度TCAT_PRE_4のうち、予測温度として最も適したものを予測温度セレクタ535により選択し、これを予測温度TCAT_PREとして出力する。
第1予測温度算出部531は、上述の排気系温度制御部による温度制御時における第1選択還元触媒の目標温度を第1予測温度TCAT_PRE_1として出力する。上述のように、排気系温度制御部では、DPF再生の時以外、基本的には第1選択還元触媒の温度を上記目標温度に制御することから、この目標温度は、現在から予測時間TPRE後における第1選択還元触媒の温度に相当するといえる。
第2予測温度算出部532は、触媒温度推定部5における熱伝導モデルと同等のモデルに基づいて、現在から予測時間TPRE後の第1選択還元触媒の温度を推定し、これを第2予測温度TCAT_PRE_2として出力する。ここで、上記熱伝導モデルに基づいて将来の第1選択還元触媒の温度を予測するためには、現在から予測時間TPRE後までの間における上述のような車両の走行状態を示すパラメータが必要となる。そこで第2予測温度算出部532では、現在の走行状態が予測時間TPRE後まで維持されるとの仮定の下で、現在から予測時間TPRE後までの間における上記走行状態を示すパラメータを仮定し、この入力に基づいて上記熱伝導モデルを繰り返し演算することにより、現在から予測時間TPRE後における第1選択還元触媒の温度を推定し、これを第2予測温度TCAT_PRE_2として出力する。

第3予測温度算出部533は、予め学習されたDPF再生時における第1選択還元触媒の昇温態様に基づいて、現在から予測時間TPRE後の第1選択還元触媒の温度を推定し、これを第3予測温度TCAT_PRE_3として出力する。
第4予測温度算出部534は、目標温度と、エンジン始動時に運転状態に応じて推定されたエンジン始動時温度との偏差に応じて、エンジン始動時における第1選択還元触媒の最大温度を推定するとともに、予め学習されたエンジン始動時における第1選択還元触媒の昇温態様及び上記推定した最大温度に基づいて、現在から予測時間TPRE後の第1選択還元触媒の温度を推定し、これを第4予測温度TCAT_PRE_4として出力する。
後に図6を参照して詳述するように、エンジン始動直後における第1選択還元触媒は、目標温度(約250℃)より十分に低い外気温度とほぼ等しい状態にあるため、エンジン始動時にはこの目標温度からオーバーシュートが発生するほど早急に昇温し、その浄化性能を活性化する必要がある。上記エンジン始動時における第1選択還元触媒の最大温度とは、このオーバーシュートの発生を見込んで推定されたものである。
先ず、予測温度セレクタ535は、イグニッションスイッチ16が操作されエンジンの始動要求を検出した場合には、この始動要求を検出してから第1選択還元触媒の温度が目標温度の近傍に収束するまで第1予測温度T CAT_PRE_1 及び第4予測温度TCAT_PRE_4のうち何れか高い方を選択し、これを予測温度TCAT_PREとして出力する。
その後、予測温度セレクタ535は、PM堆積量QPMが、DPF再生の開始を判定するための上述の閾値QPMREG_STARTよりも小さな値である閾値QPMREG_PREを上回ったか否かを判別し、PM堆積量QPMが閾値QPMREG_PREを上回った場合には、予測時間TPRE後にDPF再生が開始すると予測し、これに応じて第3予測温度TCAT_PRE_3を選択し、これを予測温度TCAT_PREとして出力する。
一方、PM堆積量QPMが閾値QPMREG_PRE以下である場合には、第1予測温度TCAT_PRE_1及び第2予測温度TCAT_PRE_2のうち何れか高い方を選択し、これを予測温度TCAT_PREとして出力する。
目標ストレージ量算出部55は、触媒温度予測部53により推定された予測温度TCAT_PREと触媒温度推定部54により推定された現在触媒温度TCATとに基づいて、ストレージ量推定部56により推定されるストレージ量STUREAの目標値に相当する目標ストレージ量STUREA_TRGTを算出する。
より具体的には、予測温度TCAT_PRE及び現在触媒温度TCATのうち何れか高い方を温度パラメータTMAPとして定義し、この温度パラメータTMAPに基づいて所定のマップを検索することにより、目標ストレージ量STUREA_TRGTを算出する。このように、予測温度TCAT_PRE及び現在触媒温度TCATのうち何れか高い方の温度に基づいて目標ストレージ量STUREA_TRGTを算出することにより、上述のようなオーバーシュートの発生を見込んで目標ストレージ量STUREA_TRGTを算出することができるので、その後、実際に触媒温度が高くなってもアンモニアスリップが発生するのを抑制することができる。
図4は、目標ストレージ量STUREA_TRGTを算出するためのマップの一例である。実線は、第1選択還元触媒の最大ストレージ容量のマップ値であり、破線は、目標ストレージ量のマップ値である。このマップによれば、目標ストレージ量は最大ストレージ容量よりもやや小さな値に設定される。このように、触媒温度が高くなると最大ストレージ容量が低下する。これに伴い、目標ストレージ量のマップ値も低下する。
図3に戻って、ストレージ量推定部56は、以下に示す選択還元触媒のストレージモデルに基づいて、第1選択還元触媒に吸着されているアンモニアの量に相当するストレージ量STUREAを推定する。
図5は、選択還元触媒のストレージモデルの概念を示す模式図である。
このアンモニアストレージモデルは、選択還元触媒に流入する排気のNOx量に対するユリア噴射量に応じて、選択還元触媒におけるアンモニアのストレージ量の変化を推定するモデルである。具体的には、選択還元触媒におけるストレージ量の変化の状態を、所定のNOx量に対してユリア噴射量が適切な状態(図5の(a)参照)と、ユリア噴射量が過剰な状態(図5の(b)参照)と、ユリア噴射量が不足した状態(図5の(c)参照)との、3つの状態に分類する。
図5の(a)に示すように、選択還元触媒に流入するNOxに対して、ユリア噴射量が適切な状態である場合、すなわち、排気中のNOxを最も効率良く還元できるアンモニアの量と、供給した尿素水から生成されるアンモニアの量とが略一致した場合には、ストレージ量の変化はない。
図5の(b)に示すように、選択還元触媒に流入するNOxに対して、ユリア噴射量が過剰な状態である場合、すなわち、供給した尿素水から生成されたアンモニアの量が、排気中のNOxを最も効率良く還元できる量より多い場合には、この余剰分のアンモニアが選択還元触媒に吸着される。したがって、このような供給過剰(Over−dosing)状態では、ストレージ量は増加する。
図5の(c)に示すように、選択還元触媒に流入するNOxに対して、ユリア噴射量が不足した状態である場合、すなわち、供給した尿素水から生成されたアンモニアの量が、排気中のNOxを最も効率良く還元できる量より少ない場合には、この不足分は吸着されたアンモニアから補われる。したがって、このような供給不足(Under−dosing)状態では、ストレージ量は減少する。
図3に戻って、ストレージ量推定部56では、以上のようなストレージモデルに基づいてストレージ量STUREAを推定する。より具体的には、下記式(3)〜(6)に基づいて算出する。
先ず、選択還元触媒に流入したNOxを還元するために必要な量のユリア噴射量GUREA_IDEAL(k)は、下記式(3)に示すように、NOxセンサの検出値NOXCONSに基づいて算出される。
Figure 0005259653
ストレージ量を増減する要因となるユリア噴射量の余剰分DUREA(k)は、下記式(4)に示すように、実際のユリア噴射量GUREA(k)から還元に必要なユリア噴射量GUREA_IDEAL(k)を減算することにより算出される。
Figure 0005259653
したがって、ストレージ量の推定値STUREA(k)は、最大ストレージ容量STUREA_MAX(k)を上限値として、下記式(5)及び(6)に示すように、ユリア噴射量の余剰分DUREA(k)に基づいて算出される。
Figure 0005259653
Figure 0005259653
ここで、最大ストレージ容量STUREA_MAX(k)は、触媒温度TCATに応じて、上述の図4に示すようなマップを検索することにより設定される。
ストレージ噴射量算出部52は、以上のように推定されたストレージ量STUREAが目標ストレージ量STUREA_TRGTになるように、下記式(7)〜(10)に示すような手順によりストレージ噴射量GUREA_ST(k)を算出する。
先ず、下記式(7)に示すように、推定したストレージ量STUREA(k)と算出した目標ストレージ量STUREA_TRGT(k)との偏差EST(k)を算出する。
Figure 0005259653
次に、偏差EST(k)に積分ゲインKISTを乗算したものを、下記式(8)に示すように、積分項GUREA_ST_I(k)として定義する。
Figure 0005259653
一方、ストレージ量の推定値の微分値STUREA(k)−STUREA(k−1)を算出し、この微分値に比例ゲインKPSTを乗算したものを、下記式(9)に示すように、比例項GUREA_ST_P(k)として定義する。
Figure 0005259653
次に、下記式(10)に示すように、比例項GUREA_ST_P(k)と積分項GUREA_ST_I(k)の和を算出し、これをストレージ噴射量GUREA_ST(k)として決定する。
Figure 0005259653
図6は、以上のように構成された排気浄化システムの制御例を示すタイムチャートである。図6において、上段は、排気系温度制御部による温度制御に係る目標温度(実線)、触媒温度予測部により推定された予測温度TCAT_PRE(破線)、及び触媒温度推定部により推定された現在触媒温度TCAT(一点鎖線)の時間変化を示す。中段は、予測温度TCAT_PRE及び現在触媒温度TCATに基づいて目標ストレージ量を算出する本実施形態の排気浄化システムにおける目標ストレージ量(実線)と、本実施形態とは異なり現在触媒温度TCATのみに基づいて目標ストレージ量を算出する比較例の排気浄化システムにおける目標ストレージ量(破線)と、の時間変化を示す。また、下段は、本実施形態のアンモニアスリップ量(実線)と、比較例のアンモニアスリップ量(破線)と、の時間変化を示す。なお、以下では、時刻t0〜t3の間におけるエンジン始動時と、時刻t4〜t6の間における高負荷運転時と、時刻t8以降のDPF再生時との3つに分けて説明する。
<エンジン始動時>
時刻t0においてイグニッションスイッチをオンにし、エンジンの始動を開始すると、排気系温度制御部は、選択還元触媒で最も効率的にNOxを浄化できる最適温度に目標温度を設定するとともに、第1選択還元触媒をこの目標温度へ向けて昇温する。特にエンジン始動直後の時刻t0における第1選択還元触媒の温度は目標温度よりもかなり低くなっているため、早急な昇温が行われる。このため、実際の第1選択還元触媒の温度は、時刻t2において目標温度をオーバーシュートした後、時刻t3において目標温度に収束する(上段の一点鎖線参照)。
触媒温度予測部では、エンジン始動時には予め学習されたエンジン始動時における第1選択還元触媒の昇温態様及び最大温度に基づいて算出された第4予測温度TCAT_PRE_4と目標温度に設定された第1予測温度T CAT_PRE_1 とのうち何れか高い方を予測温度TCAT_PREとする。時刻t0からt1までの間では、第1予測温度T CAT_PRE_1 は第4予測温度TCAT_PRE_4(上段の細破線参照)よりも高いため、目標温度が予測温度TCAT_PREとなる。その後、時刻t1からt3までの間では、第4予測温度TCAT_PRE_4が目標温度よりも高くなったことに応じて、第4予測温度TCAT_PRE_4が予測温度TCAT_PREとなる。エンジン始動時における第1選択還元触媒の温度が目標温度に収束するまでのこの第1選択還元触媒の昇温態様は、始動の度に大きく変化するとは考えにくいので、予め学習された昇温態様及び最大温度に基づいて算出しても、比較的高い精度で現在から予測時間TPRE後の温度を予測することができる(上段の破線参照)。
このとき比較例では、現在触媒温度TCATのみに基づいて目標ストレージ量を算出する。したがって、時刻t0〜t3において、上昇する現在触媒温度TCATに応じて目標ストレージ量を徐々に減少させるものの(中段の破線参照)、実際のストレージ量をこれに応じて速やかに減少させることが出来ない。このため、時刻t2〜t3の間において、現在触媒温度TCATが目標温度を大きくオーバーシュートするに伴い、第1選択還元触媒において大きなアンモニアスリップが発生する場合がある(下段の破線参照)。
これに対して本実施形態では、時刻t0〜t1までの間、目標温度を予測温度TCAT_PREとし、この予測温度に基づいて目標ストレージ量を算出することにより(中段の実線参照)、十分なストレージ量を確保するとともにアンモニアスリップを最大限抑制することができる(下段の実線参照)。また、時刻t1において第4予測温度TCAT_PRE_4が目標温度を超えてからは、この予測温度TCAT_PREに基づいて目標ストレージ量を算出することにより、予測時間TPRE後に発生する現在触媒温度TCATのオーバーシュートに備えて目標ストレージ量を適切な値に設定できるので(中段の実線参照)、アンモニアスリップを最大限抑制することができる(下段の実線参照)。
また、時刻t3〜t4では、第1選択還元触媒が目標温度付近まで昇温され、エンジンの始動が終了したことに応じて、触媒温度予測部では、排気系温度制御部における目標温度である第1予測温度TCAT_PRE_1を予測温度TCAT_PREとする(上段の実線参照)。
<高負荷運転時>
時刻t4では、ドライバの操作により高負荷運転が開始される。このとき、実際の第1選択還元触媒の温度は、図6に示すように、所定の遅れをもって時刻t5から上昇し始める(上段の一点鎖線参照)。また、このとき、触媒温度予測部では、第2予測温度TCAT_PRE_2を予測温度TCAT_PREとする。この第2予測温度TCAT_PRE_2は、熱伝導モデルに基づいて推定されたものであるため、時刻t5以降における第1選択還元触媒の温度上昇を予測時間TPRE前の時刻t4から予測することができる(上段の破線参照)。
このとき、比較例では、現在触媒温度TCATのみに基づいて目標ストレージ量を算出するため、目標ストレージ量を減少させるのは時刻t5以降となり(中段の破線参照)、したがってストレージ量を減少させる制御を開始するのも時刻t5以降となる。このため、時刻t5以降において、第1選択還元触媒の温度が上昇し、最大ストレージ容量が減少するのに対して、吸着しきれなくなったアンモニアがスリップしてしまう(下段の破線参照)。
これに対して本実施形態では、現在触媒温度TCAT及び予測温度TCAT_PREのうち大きい方、すなわち予測温度TCAT_PREに基づいて目標ストレージ量を算出する。このため、時刻t4から目標ストレージ量を減少させ(中段の実線参照)、これに伴ってストレージ量を減少させる制御を開始することができる。このため、時刻t5以降において、第1選択還元触媒の温度が上昇し、最大ストレージ容量が減少しはじめても、このとき既に、吸着していたアンモニアの多くをNOxの還元に消費しているので、比較例とは異なり大きなアンモニアスリップが発生することもない(下段の実線参照)。
また、時刻t6〜t7では、排気系温度制御部により第1選択還元触媒の温度を目標温度に維持される。これにより、触媒温度予測部では、この排気系温度制御部における目標温度である第1予測温度TCAT_PRE_1を予測温度TCAT_PREとする(上段の破線参照)。
<DPF再生時>
時刻t8では、DPF再生が開始される。このとき、排気系温度制御部はDPFの温度をPMの燃焼温度まで昇温する制御を行うとともに、第1選択還元触媒の目標温度も急激に高くなる。また、DPF再生を開始すると、先に説明した高負荷運転時やエンジン始動時における速度よりも速く第1選択還元触媒の温度が急激に上昇する(上段の一点鎖線参照)。
これに対し、触媒温度予測部では、DPF再生が開始することを時刻t8の予測時間TPRE前である時刻t7において予測し、これに応じて、予め学習されたDPF再生時における第1選択還元触媒の昇温態様に基づいて算出された第3予測温度TCAT_PRE_3を予測温度TCAT_PREとする。DPF再生時における第1選択還元触媒の温度がPMの燃焼温度付近の目標温度に達するまでのこの第1選択還元触媒の昇温態様は、DPF再生の度に大きく変化するとは考えにくいので、予め学習された昇温態様に基づいて算出しても、比較的高い精度で現在から予測時間TPRE後の温度を予測することができる(上段の破線参照)。
このとき、比較例では、予測温度TCAT_PREよりも緩やかに上昇する現在触媒温度TCATのみに基づいて目標ストレージ量を算出する。したがって、時刻t8以降において、急激に上昇する現在触媒温度TCATに応じて目標ストレージ量を減少させ(中段の破線参照)、これに伴ってストレージ量を減少させる制御を行うものの、ストレージ量を減少させる速度よりも最大ストレージ容量が減少する速度の方が速く、したがって過大なアンモニアスリップが発生してしまう(下段の破線参照)。
これに対して本実施形態では、現在触媒温度TCAT及び予測温度TCAT_PREのうち大きい方、すなわち予測温度TCAT_PREに基づいて目標ストレージ量を算出する。このため、実際にDPF再生が開始する時刻t8より予測時間TPRE前の時刻t7から速やかに目標ストレージ量が小さく設定される(中段の実線参照)。このように、本実施形態では、DPF再生が開始される前から、目標ストレージ量を速やかに小さく設定するとともに、これに応じて速やかにストレージ量を小さくする制御を行うことができるので、比較例のように過大なアンモニアスリップが発生することもない(下段の実線参照)。
なお本発明は上述した実施形態に限るものではなく、種々の変形が可能である。
上記実施形態では、アンモニアを還元剤とし、かつ、この還元剤の元となる添加剤として尿素水を供給する尿素添加式の排気浄化システムに、本発明を適用した例を示したが、これに限るものではない。
例えば、尿素水を供給しこの尿素水からアンモニアを生成せずに、直接アンモニアを供給してもよい。また、アンモニアの元となる添加剤としては、尿素水に限らず他の添加剤を用いてもよい。また、NOxを還元するための還元剤はアンモニアに限るものではない。本発明は、NOxを還元するための還元剤として、アンモニアの代わりに、例えば炭化水素を用いた排気浄化システムに適用することもできる。
1…エンジン(内燃機関)
11…排気通路(排気系)
2…排気浄化システム
22…DPF(排気浄化フィルタ)
23…ユリア選択還元触媒
231…第1選択還元触媒(選択還元触媒)
25…ユリア噴射装置(還元剤供給手段)
3…ECU
4…排気系温度制御部(排気系温度制御手段)
5…ユリア噴射制御部(供給量算出手段)
52…ストレージ噴射量算出部52(供給量算出手段)
53…触媒温度予測部(触媒温度予測手段)
55…目標ストレージ量算出部(目標ストレージ量算出手段)
56…ストレージ量推定部(ストレージ量推定手段)

Claims (3)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ、還元剤の存在下で排気を浄化し、かつこの還元剤を捕捉する選択還元触媒と、
    前記排気系のうち前記選択還元触媒の上流側に還元剤又は還元剤の元となる添加剤を供給する還元剤供給手段と、
    前記排気系に設けられ、排気中の粒子状物質を捕集する排気浄化フィルタと、を備える内燃機関の排気浄化システムであって、
    前記選択還元触媒の現在から所定時間後の温度に相当する予測温度を推定する温度予測手段と、
    前記選択還元触媒に捕捉されている還元剤の量に相当するストレージ量を推定するストレージ量推定手段と、
    前記推定された予測温度に基づいて、前記ストレージ量の目標値に相当する目標ストレージ量を算出する目標ストレージ量算出手段と、
    前記推定されたストレージ量が前記算出された目標ストレージ量になるように、前記還元剤供給手段による還元剤又は添加剤の供給量を算出する供給量算出手段と、
    前記選択還元触媒の温度を所定の目標温度へ制御する温度制御手段と、
    車両の走行状態を示す複数のパラメータを入力として前記排気系のモデルによって所定時間後の前記選択還元触媒の温度を推定するモデル温度推定手段と、を備え、
    前記温度予測手段は、前記排気浄化フィルタにおける粒子状物質の堆積量が所定量以下である場合には、前記目標温度、及び前記モデル温度推定手段によって推定された所定時間後の前記選択還元触媒の温度のうち何れか高い方を予測温度とすることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 前記温度制御手段は、前記粒子状物質の堆積量が前記所定量よりも大きな再生開始判定量を超えたことに応じて、前記排気浄化フィルタを昇温し、捕集された粒子状物質を燃焼除去することにより当該排気浄化フィルタを再生し、
    前記温度予測手段は、前記粒子状物質の堆積量が前記所定量より大きい場合には、予め学習されたフィルタ再生時における選択還元触媒の温度変化態様に基づいて推定した温度を予測温度とすることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排気浄化システム。
  3. 前記モデル温度推定手段は、現在の走行状態が所定時間後まで維持されるとの仮定の下で定められる前記走行状態を示す複数のパラメータを入力として、内燃機関及びその排気を熱源と見立てて定式化された前記排気系の熱伝導モデルに基づいて所定時間後の前記選択還元触媒の温度を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化システム。
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