JP2009299597A - 車載内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】目標床温が変化した直後においても燃料添加量を適切に補正し、燃料添加量のばらつきに起因する触媒床温のずれを抑制して触媒床温を好適に制御することのできる車載内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】電子制御装置50は、目標床温Ttrgに基づいて設定された添加量Qに基づいて排気に燃料を添加することにより、排気浄化触媒31に未燃燃料成分を供給して触媒床温を昇温させる昇温制御を実行する。電子制御装置50は、下流側排気温センサ33によって検出された下流側排気温Tlowに基づいて測定床温Tmesを算出するとともに、上流側排気温センサ32によって検出された上流側排気温Tupと添加量Qとに基づいて想定床温Tsupを算出し、測定床温Tmesが想定床温Tsupよりも大きいときには添加量Qを減量補正する一方、測定床温Tmesが想定床温Tsupよりも小さいときには添加量Qを増量補正する。
【選択図】図1

Description

この発明は、排気に燃料を添加することにより排気浄化触媒に未燃燃料成分を供給し、触媒床温を上昇させる昇温制御を実行する車載内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気を浄化する排気浄化触媒として、例えば、ディーゼル機関等の内燃機関の排気通路には窒素酸化物(NOx)を吸蔵・還元するNOx吸蔵還元触媒が担持されたPMフィルタが設けられている。PMフィルタは、NOx吸蔵還元触媒によって排気に含まれるNOxを吸蔵し、排気に含まれる未燃燃料成分と反応させてこれを窒素に還元するとともに、排気中に含まれる煤等を主成分とする粒子状物質(以下、PMと称する)を捕集する。
こうした排気浄化触媒を備える車載内燃機関の排気浄化装置にあっては、排気に燃料を添加することにより排気浄化触媒に反応物質として未燃燃料成分を供給し、その反応熱により触媒床温を上昇させる昇温制御を実行する。例えば、未燃燃料成分の反応熱によって触媒床温を上昇させ、NOx吸蔵還元触媒を活性化させてNOxの還元反応を促進する。また、PMフィルタにPMが堆積し、目詰まりが生じるようになったときには、昇温制御を実行することによりPMフィルタの温度を上昇させ、PMフィルタに堆積したPMを燃焼除去する。こうした昇温制御にあっては、触媒床温を反応に適した温度に制御するために排気浄化触媒の状態や、機関運転状態に基づいて目標床温が設定され、この目標床温に基づいて燃料添加量が設定される。
ところで、上記のように目標床温に基づいて燃料添加量を設定し、設定された燃料添加量に対応する量の燃料を排気に添加しようとした場合であっても、実際に添加される燃料の量が設定された燃料添加量からずれてしまい、目標床温と実際の触媒床温とにずれが生じてしまう場合がある。例えば、排気通路に燃料添加弁を設け、この燃料添加弁から燃料を噴射することによって排気に燃料を添加する場合にあっては、燃料添加弁の経年劣化や、製造公差等に起因して燃料添加弁の駆動量、すなわち開弁期間に対する燃料添加量にばらつきが生じることがある。そのため、特に燃料添加弁によって燃料を添加する排気浄化装置にあっては、目標床温に基づいて設定された燃料添加量に対応するように燃料添加弁を駆動した場合であっても実際に添加される燃料の量が設定された燃料添加量からずれてしまい、検出される床温と目標床温との間にずれが生じることがある。
これに対して、特許文献1には、こうした燃料添加量のばらつきに起因する目標床温と実際の触媒床温とのずれを解消するために目標床温と検出された触媒床温との偏差に基づいて燃料添加量を補正する車載内燃機関の排気浄化装置が記載されている。具体的には、図8に示されるように排気浄化触媒下流側の排気温度に基づいて算出される測定床温と目標床温との間の温度差ΔTに基づいて燃料添加量を補正する。すなわち、目標床温よりも測定床温が小さいときには、燃料添加量を増大補正する一方、目標床温よりも測定床温が大きいときには燃料添加量を減量補正する。このように目標床温と測定床温とを比較してこれに基づいて燃料添加量を補正することにより、上記のような燃料添加弁の劣化や、製造公差等による燃料添加量のばらつきに起因する目標床温と実際の触媒床温とのずれを抑制し、適切に触媒床温を制御することができるようになる。
特開2003‐172185号公報
ところが、図8に示されるように目標床温が変化した直後には測定床温の変化がそれに遅れて変化するため、目標床温と測定床温との間の温度差ΔTが特に大きくなる。そのため、このときの温度差ΔTに基づいて燃料添加量が補正された場合には、燃料添加弁の劣化や、製造公差等による燃料添加量のばらつきの大きさに対応していない過剰な補正がなされてしまうこととなる。
これに対して、目標床温の変更に伴う燃料添加量の変化直後の過渡期間における燃料添加量の補正を禁止し、測定床温が安定している期間のみにおいて補正を実行する構成を採用することも考えられる。しかしながら、このように測定床温が安定するまで補正の実行を禁止する構成を採用した場合には、図8に示されるように補正を実行する機会が限定されてしまう。そのため、PMの残存量等の排気浄化触媒の状態や、機関運転状態に基づいて目標床温を適宜変更して緻密な温度制御を行おうとした場合には、補正の機会が好適に得られないおそれがある。
この発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は目標床温が変化した直後においても燃料添加量を適切に補正し、刻々と変化しながら触媒床温に影響を与える機関運転状態を考慮した好適な燃料添加量補正を行うことのできる車載内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、目標床温に基づいて燃料添加量を設定し、設定された燃料添加量に基づいて排気に燃料を添加することにより、排気浄化触媒に未燃燃料成分を供給してその反応熱により触媒床温を昇温させる昇温制御を実行する車載内燃機関の排気浄化装置であって、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度を検出する上流側排気温センサと、前記排気浄化触媒の触媒床温に対応する温度を検出する温度検出手段と、同温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記排気浄化触媒の触媒床温を推定する床温推定手段と、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度及び前記燃料添加量に基づいて想定される触媒床温を算出する想定床温算出手段とを備え、前記検出された温度に基づいて前記床温推定手段によって推定された測定床温と前記想定床温算出手段によって算出された想定床温とを比較して、前記測定床温が前記想定床温よりも大きいときには前記燃料添加量を減量補正する一方、前記測定床温が前記想定床温よりも小さいときには前記燃料添加量を増量補正することをその要旨とする。
上記構成では、排気浄化触媒に流入する排気の温度と設定された燃料添加量とに基づいて想定される触媒床温を逐次算出するようにしている。そして、こうして算出される想定床温と、実際に検出される温度に基づいて推定される測定床温とを比較し、その結果に基づいて燃料添加量を補正するようにしている。こうした構成によれば、目標床温の変更による燃料添加量の変化に伴って触媒床温が変化する過程においても、その時点における想定床温と測定床温とを比較することにより、燃料添加量のばらつきに起因する目標床温と実際の触媒床温とのずれの度合を的確に把握することができるようになる。そのため、目標床温が変化した直後においても燃料添加量を適切に補正し、刻々と変化しながら触媒床温に影響を与える機関運転状態を考慮した好適な燃料添加量補正を行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、前記想定床温算出手段は、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度に基づいて算出される前記排気浄化触媒と排気との間の熱収支による同排気浄化触媒の熱量の変化量と、前記燃料添加量に基づいて算出される前記排気浄化触媒における反応熱による発熱量と、前記排気浄化触媒からの放熱量とに基づいて前記排気浄化触媒の想定床温を算出することをその要旨とする。
車載内燃機関の排気浄化触媒にあっては、これに流入する排気との間で熱交換が行われるため流入する排気の温度によってその熱量が変化する。また、昇温制御により排気に未燃燃料成分が添加されている場合には、排気に含まれる未燃燃料成分の反応熱によりその熱量が増大する。更に排気管内に設けられた排気浄化触媒の外周側の部分にあっては、その熱の一部が放熱によって奪われるため、熱量が減少する。そのため、具体的には、上記請求項2に記載の発明によるように、排気浄化触媒に流入する排気の温度に基づいて算出される排気との間の熱収支による排気浄化触媒の熱量の変化量と、燃料添加量に基づいて算出される発熱量と、排気浄化触媒からの放熱量とに基づいてその時点における触媒床温の変化量を推定することができ、これに基づいて想定床温を適切に算出することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、前記想定床温算出手段は、前記排気浄化触媒外周の雰囲気温度に基づいて前記放熱量を算出することをその要旨とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、前記想定床温算出手段は、外気温検出手段を備え、同外気温検出手段によって検出される外気温に基づいて前記排気浄化触媒外周の雰囲気温度を算出することをその要旨とする。
排気浄化触媒の外周側の部分にあっては、排気浄化触媒外周の雰囲気との熱交換によってその熱の一部が奪われるため、この放熱により熱量が減少する。そのため、具体的には請求項3に記載されるように排気浄化触媒外周の雰囲気温度に基づいて排気浄化触媒からの放熱量を算出することができる。また、請求項4に記載されるように外気温検出手段を設け、これによって検出される外気温に基づいて排気浄化触媒外周の雰囲気温度を算出することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項3又は請求項4に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、前記想定床温算出手段は、前記排気浄化触媒外周の雰囲気温度に加えて車速を参照し、車速が速いときほど前記放熱量が大きくなるように同放熱量を算出することをその要旨とする。
上述したように排気浄化触媒と排気浄化触媒外周の雰囲気との間の熱交換による放熱量は、排気浄化触媒の雰囲気温度に基づいて算出することができ、この雰囲気温度が低いときほど放熱量が大きくなる。また、車速が速いときには単位時間あたりに排気管に接触する同雰囲気の量が増大するため、雰囲気温度が等しい場合であっても、車速が速いほどその放熱量は大きくなる。そのため、上記請求項5に記載の発明のように、同雰囲気温度に加えて車速を参照し、車速が速いときほど放熱量が大きくなるように同放熱量を算出するようにすることにより、触媒床温と排気浄化触媒外周の雰囲気との間の熱交換による放熱量をより正確に算出することができるようになる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、前記温度検出手段は、排気通路における前記排気浄化触媒よりも下流側の部位に設けられた下流側排気温センサからなり、前記床温推定手段は、同下流側排気温センサによって検出された排気温に基づいて前記測定床温を推定するものであることをその要旨とする。
排気と排気浄化触媒との熱交換によって排気浄化触媒を通過する間に排気の温度は変化する。すなわち、排気浄化触媒を通過した排気の温度と排気浄化触媒の触媒床温は高い相関を有している。そのため、上記請求項6に記載の発明のように排気通路における排気浄化触媒よりも下流側の部位に下流側排気温センサを設け、この下流側排気温センサによって排気浄化触媒を通過した排気の温度を検出する構成を採用すれば、検出される排気温に基づいて触媒床温を推定することができる。
請求項7に記載の発明は、排気通路における前記排気浄化触媒よりも上流側の部位に燃料添加弁を備え、同燃料添加弁から燃料を噴射することにより、排気に燃料を添加して前記排気浄化触媒に未燃燃料成分を供給する請求項1〜6のいずれか一項に記載の車載内燃機関の排気浄化装置である。
排気浄化触媒に未燃燃料成分を供給すべく排気に燃料を添加する手段として、具体的には上記請求項7に記載の発明のように排気通路における排気浄化触媒よりも上流側の部位に燃料添加弁を設け、この燃料添加弁から燃料を添加することにより、排気に燃料を添加する構成を採用することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、前記燃料添加量の補正量が所定量以上になったときに、前記燃料添加弁に異常が生じている旨の異常判定を行うことをその要旨とする。
燃料添加量を大幅に補正しているにも関わらず、想定床温と測定床温との間にずれが生じている場合には、燃料添加弁に何らかの異常が生じており燃料添加量を適切に制御できなくなっている可能性が高いことが推定される。そのため、上記請求項8に記載の発明のように燃料添加量の補正量が所定量以上になったか否かを監視し、補正量が所定量以上になった場合には、これに基づいて燃料添加弁に異常が生じている旨の判定を行う構成を採用することもできる。こうした構成を採用すれば、補正量が所定量以上であることに基づいて燃料添加弁に異常が生じている旨の判定を行うことができ、これに基づいて燃料添加弁の修理、交換等を促すことができるようになる。
以下、この発明にかかる車載内燃機関の排気浄化装置を、車載ディーゼルエンジンの排気浄化装置に具体化した一実施形態について、図1〜7を参照して説明する。
図1は、本実施形態にかかるディーゼルエンジン10及びその排気浄化装置の概略構成を示す模式図である。ディーゼルエンジン10の各シリンダ11(図1にはその1つのみを図示)には、ピストン12が摺動可能に収容されている。そして、シリンダ11、ピストン12の頂面及びシリンダヘッド13によって燃焼室14が区画形成されている。そして、シリンダヘッド13には燃料を噴射するインジェクタ16が設けられている。これらインジェクタ16は、図示しないコモンレールに充填された燃料を燃焼室14内に噴射する。
また、図1に示されるように燃焼室14には吸気通路20と排気通路30とが接続されているとともに、排気通路30には排気浄化触媒31が設けられている。排気浄化触媒31は、多孔質材料によって形成されたモノリス構造のPMフィルタからなり、このPMフィルタにはNOx吸蔵還元触媒が担持されている。
これにより本実施形態のディーゼルエンジン10にあっては、排気中の煤等を主成分とする粒子状物質(以下、PMと称する)が排気浄化触媒31のPMフィルタに捕集される。また、NOx吸蔵還元触媒は、排気中に酸素が大量に残存しているリーン状態において窒素酸化物(以下、NOxと称する)を吸蔵する一方、排気に未燃燃料成分が含まれるリッチ状態では吸蔵したNOxと排気に含まれる一酸化炭素と未燃燃料成分の炭化水素とを反応させてNOxを還元し、これらを窒素、二酸化炭素、水に変換する。このように本実施形態のディーゼルエンジン10にあっては、排気浄化触媒31によって排気を浄化する。
図1に示されるように、排気通路30における排気浄化触媒31の上流側の部位には上流側排気温センサ32が設けられている。これにより、排気浄化触媒31に流入する排気の温度である上流側排気温Tupが上流側排気温センサ32によって検出される。また、排気通路30における排気浄化触媒31の下流側の部位には下流側排気温センサ33が設けられている。これにより、この下流側排気温センサ33によって排気浄化触媒31を通過した排気の温度である下流側排気温Tlowが検出される。
これら上流側排気温センサ32及び下流側排気温センサ33は、ディーゼルエンジン10の各種制御を統括的に実行する電子制御装置50に接続されており、これら各排気温センサ32,33の検出信号は電子制御装置50に取り込まれる。
電子制御装置50には、これら各排気温センサ32,33の他に、ディーゼルエンジン10に吸入される吸入空気量GA及び外気温TAを検出するエアフロメータ41、アクセル開度ACCPを検出するアクセル開度センサ42、車速SPDを検出する車速センサ43、機関回転速度NEを検出するクランクポジションセンサ44、吸気バルブを駆動する吸気カムシャフトの回転角を検出するカムポジションセンサ45等の各種センサが接続されている。
電子制御装置50は、これら各排気温センサ32,33及び各種センサ41〜45から出力される検出信号を取り込み、これらの検出信号に基づいて各種演算を実行し、ディーゼルエンジン10の各部を制御する。例えば、機関回転速度NE及びアクセル開度ACCPに基づいてインジェクタ16の開弁期間及び開弁時期を制御することにより運転者の要求に応じた機関トルクを発生させるために必要な燃料を燃焼室14内に噴射する。
また、図1の中央に示されるように排気通路30における上流側排気温センサ32よりも上流側の部位には、燃料添加弁34が設けられている。燃料添加弁34は、電子制御装置50の指令に基づいて燃料を排気通路30内に噴射して排気に燃料を添加し、排気浄化触媒31に反応物質として未燃燃料成分を供給する。
ところで、排気浄化触媒31に捕集されたPMの堆積量が多くなると、排気浄化触媒31による圧力損失が増大し、機関出力の低下や燃費の悪化などを招くこととなる。そこで、ディーゼルエンジン10にあっては、排気浄化触媒31に堆積しているPMの量が所定量以上にまで増加したときに、燃料添加弁34から排気に燃料を添加し、排気浄化触媒31における反応熱を利用して触媒床温を上昇させる。そして、堆積しているPMを燃焼除去することにより排気浄化触媒31の機能を再生する昇温制御を行うようにしている。電子制御装置50は、こうした昇温制御において排気浄化触媒31の触媒床温が適切な温度になるように燃料添加弁34から添加する燃料の添加量を制御する。
以下、図2及び図3を参照してこの添加量制御について説明する。図2は燃料添加の実行にかかる一連の処理の流れを示すフローチャートである。
この処理は、電子制御装置50によって昇温制御実行中に所定の制御周期で繰り返し実行される。この処理が開始されると電子制御装置50は、まずステップS100において排気浄化触媒31の状態に基づいて目標床温Ttrgを設定する。
排気浄化触媒31に堆積しているPMの量が多いときに排気浄化触媒31の触媒床温を過度に上昇させると、堆積しているPMが連鎖的に燃焼してしまい、触媒床温が上昇し続けて過剰に高温化し、排気浄化触媒31の耐久性が低下するおそれがある。そのため、ここではPMの堆積量が多いときには、PMを燃焼除去することのできる温度範囲内において目標床温Ttrgを低めに設定する。一方、PMの堆積量が少ないときには、触媒床温を高温にした場合であっても、PMの連鎖的な燃焼による触媒床温の過剰な上昇は起こらない。そのため、PMの堆積量が少ないときには、PMを早期に除去すべく、目標床温Ttrgを比較的高めに設定する。
こうして目標床温Ttrgを設定するとステップS110へと進む。そして、ステップS110において、目標床温Ttrgに対応する基本添加量Qbaseを設定する。ここでは、予め行う実験等の結果に基づいて算出された単位添加量当たりの床温上昇量を考慮して目標床温Ttrgが高いときほど基本添加量Qbaseを大きな値に設定する。こうして基本添加量Qbaseを設定すると、ステップS120において、基本添加量Qbaseに後述する補正量設定処理を通じて設定される補正量Qcorを加算して最終的な添加量Qを算出する。
そして、ステップS130へと進み、電子制御装置50は算出された添加量Qに対応した量の燃料を添加すべく、燃料添加弁34を制御して燃料添加を実行する。
次に上記補正量Qcorを設定する補正量設定処理について図3を参照して説明する。この処理は図2を参照して説明した上記の処理と同様に昇温制御実行中に電子制御装置50によって所定の制御周期で繰り返し実行される。
この処理が開始されると電子制御装置50は、まずステップS200において上流側排気温Tup、下流側排気温Tlow、吸入空気量GA、車速SPD、外気温TA等の各種信号をそれぞれ読み込む。
そして、ステップS210において、想定床温Tsupを算出する。本実施形態の排気浄化装置にあっては、具体的には下記の式(1)に基づいて想定床温Tsupを算出する。
Tsup(n)←
Tsup(n−1)+ΔQex/C+ΔQrct/C−ΔQrad/C…(1)
尚、ここで、Tsup(n−1)は前回の制御周期において算出された想定床温Tsupの値である。式(1)にあっては、排気との熱交換による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQex、排気に含まれる未燃燃料成分の反応熱による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQrct、排気通路30の外周側の部分における排気浄化触媒31の外周の雰囲気との熱交換によって排気浄化触媒31が冷却されることによる熱量の変化量ΔQradをそれぞれ排気浄化触媒31の熱容量Cで除算し、これらの影響による触媒床温の変化量を算出している。そして、上記式(1)に示されるようにこれらを前回の制御周期において算出された想定床温Tsup(n−1)に加算、又は減算することにより今回の制御周期における想定床温Tsup(n)、すなわち想定床温Tsupを算出している。
尚、排気との熱交換による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQexは、下記の式(2)に示されるように上流側排気温Tupと前回の制御周期において算出された測定床温Tmes(n−1)との差と、吸入空気量GAに基づいて推定される排気流量EXに基づいて算出される。
ΔQex←Ka×(Tup−Tmes(n−1))×EX…(2)
尚、係数Kaは、上流側排気温Tupと測定床温Tmesとの差に基づいて単位排気流量当たりの排気浄化触媒31の熱量の変化量を算出するための係数であり、予め実験等の結果に基づいて設定されるものである。
また、未燃燃料成分の反応熱による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQrctは、下記の式(3)に示されるように今回の制御周期において排気浄化触媒31において反応する燃料の量Qnと単位添加量当たりの発熱量を示す係数Kbとに基づいて算出される。
ΔQrct←Kb×Qn…(3)
尚、今回の制御周期において排気浄化触媒31において反応する燃料の量Qnは、排気通路30の壁面への付着量や、壁面からの蒸発量等を考慮して今回の制御周期に相当する時間において実際に排気浄化触媒31において反応する燃料の量として算出される値であり、前回の制御周期までに算出された添加量Qの履歴に基づいてなまし演算等を通じて算出される値である。
そして、排気通路30の外周側の部分における排気浄化触媒31の外周の雰囲気との熱交換によって排気浄化触媒31が冷却されることによる熱量の変化量ΔQradは、下記の式(4)に示されるように前回の制御周期において算出された測定床温Tmes(n−1)と外気温TAとの差、及び車速SPDに基づいて算出される。
ΔQrad←Kc×(Tmes(n−1)−TA)×SPD…(4)
尚、係数Kcは、測定床温Tmesと外気温TAとの差及び車速SPDに基づいて排気浄化触媒31の放熱による熱量の変化量ΔQradを算出するための係数であり、予め実験等結果に基づいて設定されるものである。また、ここでは排気浄化触媒31の雰囲気との熱交換による熱量の変化量ΔQradを算出するために、外気温TAをそのまま排気浄化触媒31の雰囲気温度として適用し、熱量の変化量ΔQradを算出しているが、外気温TAに基づいて雰囲気温度を算出し、測定床温Tmesと算出された雰囲気温度との差に基づいてΔQradを算出するようにしてもよい。
こうして上記式(1)〜(4)に基づいて想定床温Tsupを算出すると、ステップS220へと進み、電子制御装置50は、下流側排気温Tlowに基づいて測定床温Tmesを推定する。ここでは、予め行う実験の結果に基づいて作成された下流側排気温Tlowと触媒床温との偏差の関係を示す演算マップ等を参照して、今回の制御周期において検出された下流側排気温Tlowに基づいて現時点の排気浄化触媒31の触媒床温を推定し、この値を測定床温Tmesとする。
こうしてステップS210及びステップS220を通じて想定床温Tsup及び測定床温Tmesを算出すると、ステップS230へと進み、測定床温Tmesが想定床温Tsupから所定量αを減算した値以下か否かを判定する。すなわち、測定床温Tmesが想定床温よりも所定量α以上小さいか否かを判定する。
尚、上記所定量αは、測定床温Tmesと想定床温Tsupとの間にずれが生じている場合であっても補正量Qcorを変更しない許容範囲を設定するための値であり、排気浄化触媒31の特性や燃料添加弁34の特性に合わせて予め設定される値である。
ステップS230において、測定床温Tmesが想定床温Tsupから所定量αを減算した値以下である旨の判定がなされた場合(ステップS230:YES)には、実際に添加されている燃料の量が少ない方にずれていることが推定されるため、ステップS240へと進み補正量Qcorを所定量だけ増大させる。こうして補正量Qcorを所定量だけ増大させるとこの処理を一旦終了する。
一方で、ステップS230において、測定床温Tmesが想定床温Tsupから所定量αを減算した値よりも大きい旨の判定がなされた場合(ステップS230:NO)には、ステップS235へと進み、測定床温Tmesが想定床温Tsupに所定量αを加算した値以上であるか否かを判定する。
ステップS235において、測定床温Tmesが想定床温Tsupに所定量αを加算した値以上である旨の判定がなされた場合(ステップS235:YES)には、実際に添加されている燃料の量が多い方にずれていることが推定されるため、ステップS250へと進み補正量Qcorを所定量だけ減少させる。こうして補正量Qcorを所定量だけ減少させるとこの処理を一旦終了する。
また、ステップS235において、測定床温Tmesが想定床温Tsupに所定量αを加算した値よりも小さい旨の判定がなされた場合(ステップS235:NO)には、測定床温Tmesと想定床温Tsupとのずれが所定量α以内であるため、補正量Qcorを変更せずにそのままこの処理を一旦終了する。
上述したように本実施形態の排気浄化装置にあっては、図4に示されるように想定床温Tsupと測定床温Tmesとの間の温度差ΔTに基づいて添加量Qを補正する。そのため、図4に示されるように目標床温Ttrgが変更された直後であっても、その時点で想定される触媒床温である想定床温Tsupを算出し、この想定床温Tsupと、下流側排気温Tlowに基づいて推定される測定床温Tmesとの間の温度差ΔTに基づいて添加量Qのずれに起因する温度差を的確に把握することができる。そのため、目標床温Ttrgの変更直後における触媒床温の変化過程においても、添加量Qのずれに起因する温度差を的確に把握することができ、これに基づいて適切な補正量Qcorを設定することができるようになる。
また、本実施形態の電子制御装置50は、補正量設定処理を通じて設定される補正量Qcorの絶対値の大きさに基づいて燃料添加弁34の異常判定を行う。以下、図5を参照して燃料添加弁34の異常判定処理について説明する。尚、図5は、燃料添加弁34の異常判定処理における一連の処理の流れを示すフローチャートである。
この処理は、電子制御装置50により、昇温制御実行中に所定の制御周期で繰り返し実行される。この処理が開始されると電子制御装置50は、まずステップS300において、上述した補正量設定処理を通じて設定された補正量Qcorの絶対値が所定量A以上であるか否かを判定する。
ここで所定量Aは、補正量Qcorの絶対値が同所定量A以上であることに基づいて、基本添加量Qbaseに基づいて燃料添加弁34から排気に添加される燃料の量が同基本添加量Qbaseから大幅にずれていることを判定することのできる量として予め設定されるものである。
ステップS300において、補正量Qcorの絶対値が所定量A未満である旨の判定がなされた場合(ステップS300:NO)には、ステップS320へと進み、燃料添加弁34が正常に機能している旨の正常判定を行う。こうして正常判定がなされると電子制御装置50はこの処理を一旦終了する。
一方で、ステップS300において、補正量Qcorの絶対値が所定量A以上である旨の判定がなされた場合(ステップS300:YES)には、ステップS310へと進み、燃料添加弁34に何らかの異常が生じている旨の異常判定を行う。こうして異常判定がなされた場合には、電子制御装置50は、例えば、警告灯を点灯させる等して運転者に異常の発生を報知し、この処理を一旦終了する。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)排気浄化触媒31に流入する排気の温度である上流側排気温Tupと、設定された添加量Qとに基づいて想定床温Tsupを逐次算出するようにしている。そして、こうして算出される想定床温Tsupと、実際に検出される下流側排気温Tlowに基づいて推定される測定床温Tmesとを比較し、その結果に基づいて添加量Qを補正するようにしている。こうした構成によれば、目標床温Ttrgの変更による添加量Qの変化に伴って触媒床温が変化する過程においても、その時点における想定床温Tsupと測定床温Tmesとを比較することにより、実際に添加される燃料の量のばらつきに起因する目標床温Ttrgと実際の触媒床温とのずれの度合を的確に把握することができるようになる。そのため、目標床温Ttrgが変化した直後においても添加量Qを適切に補正し、刻々と変化しながら触媒床温に影響を与える機関運転状態を考慮した好適な燃料添加量補正を行うことができるようになる。
(2)排気浄化触媒31にあっては、これに流入する排気との間で熱交換が行われるため、流入する排気の温度である上流側排気温Tupによってその熱量が変化する。また、昇温制御により排気に未燃燃料成分が添加されている場合には、排気に含まれる未燃燃料成分の反応熱によりその熱量が増大する。更に排気通路30内に設けられた排気浄化触媒31の外周側の部分にあっては、外気との熱交換によってその熱の一部が奪われるため、この放熱により熱量が減少する。そのため、上流側排気温Tupに基づいて算出される排気との間の熱収支による熱量の変化量ΔQexと、添加量Qに基づいて算出される発熱による熱量の変化量ΔQrctと、外気温TAに基づいて算出される放熱による熱量の変化量ΔQradとに基づいてその時点における触媒床温の変化量を推定することができ、これに基づいて想定床温Tsupを適切に算出することができる。
(3)排気浄化触媒31と外気との間の熱交換による熱量の変化量ΔQradは、外気温TAに基づいて算出することができ、外気温TAが低いときほど変化量ΔQradが大きくなる。また、車速SPDが大きいときには単位時間あたりに排気管に接触する外気の量が増大するため、外気温TAが等しい場合であっても、車速SPDが大きいときほど変化量ΔQradは大きくなる。そのため、上記実施形態のように外気温TAに加えて車速SPDを参照し、車速SPDが大きいときほど排気浄化触媒31からの放熱による熱量の変化量ΔQradが大きくなるように同変化量ΔQradを算出するようにすることにより、触媒床温と外気との間の熱交換による熱量の変化量ΔQradをより正確に算出することができるようになる。
(4)排気と排気浄化触媒31との熱交換に起因して排気の温度は排気浄化触媒31を通過する間に変化する。すなわち、排気浄化触媒31を通過した排気の温度である下流側排気温Tlowと排気浄化触媒31の触媒床温は高い相関を有している。そのため、上記実施形態のように排気通路30における排気浄化触媒31よりも下流側の部位に下流側排気温センサ33を設け、この下流側排気温センサ33によって排気浄化触媒31を通過した排気の温度を検出する構成を採用すれば、検出される下流側排気温Tlowに基づいて触媒床温を適切に推定することができる。
(5)添加量Qを大幅に補正しているにも関わらず、想定床温Tsupと測定床温Tmesとの間にずれが生じている場合には、燃料添加弁34に何らかの異常が生じており添加量Qを適切に制御できなくなっている可能性が高いことが推定される。そのため、上記実施形態のように補正量Qcorの絶対値が所定量A以上になったか否かを監視し、補正量Qcorの絶対値が所定量A以上になった場合には、これに基づいて燃料添加弁34に異常が生じている旨の判定を行う構成を採用することもできる。こうした構成を採用すれば、添加量Qの補正量Qcorの絶対値が所定量A以上であることに基づいて燃料添加弁34に異常が生じている旨の判定を行うことができ、これに基づいて燃料添加弁34の修理、交換等を促すことができるようになる。
尚、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、想定床温Tsupと測定床温Tmesとを比較した結果に基づいて制御周期毎に所定量ずつ補正量Qcorを増減させる構成を示した。これに対して、制御周期毎に想定床温Tsupと測定床温Tmesとの間の温度差ΔTに基づいて、これに対応する補正量Qcorを設定する構成を採用することもできる。
尚、こうした構成として具体的には図3に示される補正量設定処理に替えて、図6に示されるような補正量設定処理を実行すればよい。
以下、この変更例にかかる補正量設定処理の具体的な態様について図6及び図7を参照して説明する。尚、図6はこの変更例にかかる補正量設定処理の一連の流れを示すフローチャートである。この図6にあっては、上記実施形態における補正量設定処理(図3)と同様の処理には同一の符号を付している。以下の説明にあっては、上記実施形態の補正量設定処理(図3)との相違点を中心に説明する。
この処理は、上記実施形態の補正量設定処理(図3)と同様に昇温制御実行中に電子制御装置50によって所定の制御周期で繰り返し実行される。この処理が開始されると、図6に示されるように電子制御装置50は、ステップS200において、上流側排気温Tup、下流側排気温Tlow、吸入空気量GA、車速SPD、外気温TA等の各種信号をそれぞれ読み込む。
そして、ステップS215において、想定床温Tsupを算出する。本実施形態の排気浄化装置にあっては、具体的には下記の式(1)に基づいて想定床温Tsupを算出する。
Tsup(n)←
Tsup(n−1)+ΔQex/C+ΔQrct/C−ΔQrad/C…(1)
尚、ここで、Tsup(n−1)は前回の制御周期において算出された想定床温Tsupの値である。
式(1)にあっては、排気との熱交換による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQex、排気に含まれる未燃燃料成分の反応熱による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQrct、排気通路30の外周側の部分における外気との熱交換によって排気浄化触媒31が冷却されることによる熱量の変化量ΔQradをそれぞれ排気浄化触媒31の熱容量Cで除算し、これらの影響による触媒床温の変化量を算出している。そして、上記式(1)に示されるようにこれらを前回の制御周期において算出された想定床温Tsup(n−1)に加算、又は減算することにより今回の制御周期における想定床温Tsup(n)、すなわち想定床温Tsupを算出している。
尚、排気との熱交換による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQexは、上流側排気温Tupと前回の制御周期において算出された測定床温Tmes(n−1)との差と、吸入空気量GAに基づいて推定される排気流量EXに基づいて下記の式(2)によって算出される。
ΔQex←Ka×(Tup−Tmes(n−1))×EX…(2)
尚、係数Kaは、上流側排気温Tupと測定床温Tmesとの差に基づいて単位排気流量当たりの排気浄化触媒31の熱量の変化量を算出するための係数であり、予め実験等の結果に基づいて設定されるものである。
また、未燃燃料成分の反応熱による排気浄化触媒31の熱量の変化量ΔQrctは、今回の制御周期において排気浄化触媒31において反応する燃料のうち基本添加量Qbaseに基づく燃料の量Qbと単位添加量当たりの発熱量を示す係数Kbとに基づいて以下の式(3)によって算出される。
ΔQrct←Kb×Qb…(3)
尚、この補正量設定処理におけるQbは、上記実施形態におけるQnとは異なり、前回の制御周期までに算出された基本添加量Qbaseの履歴に基づいてなまし演算等を通じて算出される値である。
そして、排気通路30の外周側の部分における外気との熱交換によって排気浄化触媒31が冷却されることによる熱量の変化量ΔQradは、前回の制御周期において算出された測定床温Tmes(n−1)と外気温TAとの差、及び車速SPDに基づいて下記の式(4)によって算出される。
ΔQrad←Kc×(Tmes(n−1)−TA)×SPD…(4)
尚、係数Kcは、測定床温Tmesと外気温との差及び車速SPDに基づいて排気浄化触媒31の放熱による熱量の変化量ΔQradを算出するための係数であり、予め実験等結果に基づいて設定されるものである。
こうして上記式(1)〜(4)に基づいて想定床温Tsupを算出すると、ステップS220へと進み、電子制御装置50は、下流側排気温Tlowに基づいて測定床温Tmesを推定する。ここでは、上記実施形態と同様に演算マップ等を参照して、今回の制御周期において検出された下流側排気温Tlowに基づいて現時点の排気浄化触媒31の触媒床温を推定し、この値を測定床温Tmesとする。
こうしてステップS215及びステップS220を通じて想定床温Tsup及び測定床温Tmesを算出すると、ステップS260へと進み、下記の式(5)に示されるように想定床温Tsupと測定床温Tmesとの間の温度差ΔTを算出する。
ΔT←Tsup−Tmes…(5)
そして、ステップS270において、この温度差ΔTに基づいて補正量Qcorを設定する。ここでは、想定床温Tsupと測定床温Tmesとの間の温度差ΔTに対応する補正量Qcorの値が記憶されている図7に示されるような演算マップを参照して補正量Qcorを設定する。図7に示されるようにこの演算マップにあっては、温度差ΔTの値が大きいときほど補正量Qcorが大きな値に設定されるようになっている。より具体的には、測定床温Tmesが想定床温Tsupよりも小さく、温度差ΔTが正の値をとる場合には、補正量Qcorを正の値に設定し、且つ温度差ΔTが大きいときほど補正量Qcorを大きな値に設定する。一方で、測定床温Tmesが想定床温Tsupよりも大きく、温度差ΔTが負の値をとる場合には、補正量Qcorを負の値に設定し、且つ温度差ΔTの絶対値が大きいときほど補正量Qcorを小さな値に設定する。
こうした補正量設定処理を実行する構成を採用した場合であっても、想定床温Tsupと測定床温Tmesとを比較することによって、実際に添加される燃料の量のばらつきに起因する目標床温Ttrgと実際の触媒床温とのずれの度合を的確に把握することができるようになる。そのため、上記実施形態における(1)〜(5)の効果と同様の効果を得ることができる。
・また、上記実施形態では、補正量Qcorに基づいて燃料添加弁34の異常判定を行う構成を示したが、この異常判定にかかる処理を省略することもできる。
・上記実施形態ではエアフロメータ41によって検出される外気温TAを排気浄化触媒31の雰囲気温度として適用し、排気浄化触媒31とその雰囲気との熱交換による熱量の変化量ΔQradを算出する構成を示した。これに対して、排気浄化触媒31近傍に雰囲気温度を検出するセンサを設け、これによって検出される雰囲気温度に基づいてΔQradを算出する構成を採用することもできる。
・上記実施形態では排気通路30における排気浄化触媒31よりも下流側の部位に下流側排気温センサ33を設け、下流側排気温Tlowに基づいて排気浄化触媒31の温度を推定し、これを測定床温Tmesとする構成を示した。これに対して排気浄化触媒31の温度を測定する方法は、適宜変更することができる。例えば、排気浄化触媒31の温度を直接検出する温度センサを設け、これによって検出される温度を測定床温Tmesとする構成を採用することもできる。
・上記実施形態では燃料添加弁34により排気に燃料を添加する構成を示したが、こうした構成に限らず、排気に燃料を添加することのできる構成であれば排気に燃料を添加する手段は適宜変更することができる。例えば、燃料添加弁34から燃料を噴射する構成に替えて、通常の燃料噴射の後、膨張行程ないし排気行程の燃焼に寄与しないタイミングにおいて、インジェクタ16から燃料を噴射する、いわゆるポスト噴射を実行して排気に燃料を添加する構成を採用することもできる。
・また、排気浄化触媒31よりも上流側の部位に酸化触媒を設け、酸化触媒において未燃燃料成分を反応させて排気浄化触媒31に流入する排気の温度を上昇させる構成を採用することもできる。その場合には、酸化触媒において反応せずに同酸化触媒を通過してきた燃料の量が、排気浄化触媒31における反応熱に影響する燃料添加量となる。
・また、上記実施形態では、排気浄化触媒31としてPMフィルタにNOx吸蔵還元触媒が担持された排気浄化触媒を例示したが、その他の排気浄化触媒であってもよい、例えばガソリンエンジンに搭載される三元触媒を活性化温度まで昇温させるために排気に燃料を添加するものにあっても本願発明を適用することができる。
この発明の一実施形態にかかる車載内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す模式図。 同実施形態にかかる排気浄化装置における燃料添加の実行にかかる一連の処理の流れを示すフローチャート。 同実施形態にかかる排気浄化装置における補正量設定処理の一連の流れを示すフローチャート。 同実施形態にかかる排気浄化装置における燃料添加量の補正量の設定態様を説明する説明図。 同実施形態にかかる排気浄化装置における燃料添加弁の異常判定処理の一連の流れを示すフローチャート。 変更例としての補正量設定処理の一連の流れを示すフローチャート。 同変更例の補正量設定処理における想定床温と測定床温との差と、補正量との関係を示すグラフ。 従来の排気浄化装置における燃料添加量の補正量の設定態様を説明する説明図。
符号の説明
10…ディーゼルエンジン、11…シリンダ、12…ピストン、13…シリンダヘッド、14…燃焼室、16…インジェクタ、20…吸気通路、30…排気通路、31…排気浄化触媒、32…上流側排気温センサ、33…下流側排気温センサ、34…燃料添加弁、41…エアフロメータ、42…アクセル開度センサ、43…車速センサ、44…クランクポジションセンサ、45…カムポジションセンサ。

Claims (8)

  1. 目標床温に基づいて燃料添加量を設定し、設定された燃料添加量に基づいて排気に燃料を添加することにより、排気浄化触媒に未燃燃料成分を供給してその反応熱により触媒床温を昇温させる昇温制御を実行する車載内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記排気浄化触媒に流入する排気の温度を検出する上流側排気温センサと、前記排気浄化触媒の触媒床温に対応する温度を検出する温度検出手段と、同温度検出手段によって検出された温度に基づいて前記排気浄化触媒の触媒床温を推定する床温推定手段と、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度及び前記燃料添加量に基づいて想定される触媒床温を算出する想定床温算出手段とを備え、前記検出された温度に基づいて前記床温推定手段によって推定された測定床温と前記想定床温算出手段によって算出された想定床温とを比較して、前記測定床温が前記想定床温よりも大きいときには前記燃料添加量を減量補正する一方、前記測定床温が前記想定床温よりも小さいときには前記燃料添加量を増量補正する
    ことを特徴とする車載内燃機関の排気浄化装置。
  2. 請求項1に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、
    前記想定床温算出手段は、前記排気浄化触媒に流入する排気の温度に基づいて算出される前記排気浄化触媒と排気との間の熱収支による同排気浄化触媒の熱量の変化量と、前記燃料添加量に基づいて算出される前記排気浄化触媒における反応熱による発熱量と、前記排気浄化触媒からの放熱量とに基づいて前記排気浄化触媒の想定床温を算出する
    ことを特徴とする車載内燃機関の排気浄化装置。
  3. 請求項2に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、
    前記想定床温算出手段は、前記排気浄化触媒外周の雰囲気温度に基づいて前記放熱量を算出する
    ことを特徴とする車載内燃機関の排気浄化装置。
  4. 請求項3に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、
    前記想定床温算出手段は、外気温検出手段を備え、同外気温検出手段によって検出される外気温に基づいて前記排気浄化触媒外周の雰囲気温度を算出する
    ことを特徴とする車載内燃機関の排気浄化装置。
  5. 請求項3又は請求項4に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、
    前記想定床温算出手段は、前記排気浄化触媒外周の雰囲気温度に加えて車速を参照し、車速が速いときほど前記放熱量が大きくなるように同放熱量を算出する
    ことを特徴とする車載内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記温度検出手段は、排気通路における前記排気浄化触媒よりも下流側の部位に設けられた下流側排気温センサからなり、前記床温推定手段は、同下流側排気温センサによって検出された排気温に基づいて前記測定床温を推定する
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の車載内燃機関の排気浄化装置。
  7. 排気通路における前記排気浄化触媒よりも上流側の部位に燃料添加弁を備え、同燃料添加弁から燃料を噴射することにより、排気に燃料を添加して前記排気浄化触媒に未燃燃料成分を供給する
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の車載内燃機関の排気浄化装置。
  8. 請求項7に記載の車載内燃機関の排気浄化装置において、
    前記燃料添加量の補正量が所定量以上になったときに、前記燃料添加弁に異常が生じている旨の異常判定を行う
    ことを特徴とする車載内燃機関の排気浄化装置。
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