JP2007071101A - 排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システム - Google Patents

排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システム Download PDF

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Abstract

【課題】 排気ガス中のNOxの浄化のためにNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備えた排気ガス浄化システムにおいて、脱硫制御時に,未燃燃料の大気中への排出を抑制しながら、確実に、過渡運転時でもNOx浄化触媒装置を脱硫用目標温度に到達させ、脱硫用目標温度以上の状態を維持することができる排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】 昇温用燃料量Wfとエンジン出力用燃料量Wnとの和である全燃料量Wtに対して必要な新気空気量Wacを算出し、該必要な新気空気量Wacを基にしてリーン空燃比での昇温制御における目標空気量Wa0を修正し、前記必要な新気空気量Wacを確保する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、内燃機関の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を浄化するNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備えた排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムに関する。
ディーゼルエンジンや一部のガソリンエンジン等の内燃機関や様々な燃焼装置の排気ガス中からNOxを還元除去するためのNOx触媒について種々の研究や提案がなされている。その一つに、ディーゼルエンジン用のNOx浄化触媒としてNOx吸蔵還元型触媒があり、有効に排気ガス中のNOxを浄化できる。
このNOx吸蔵還元型触媒は、空燃比がリーン状態の時に、NO(一酸化窒素)をNO2 (二酸化窒素)に酸化した後、バリウム(Ba)等のNOxを吸蔵する性質を持つ金属にNO2 を吸蔵する。しかし、NOxの吸蔵能力は飽和するので、この飽和前に空燃比をリッチ状態にするNOx再生制御を行って、吸蔵材からNO2 を放出させて、この放出したNO2 を、HC(炭化水素),CO(一酸化炭素)等の還元剤でN2 (窒素)に還元する。これらの触媒反応機構を交互に利用することにより排気ガス中のNOxを浄化する。
しかしながら、このNOx吸蔵還元型触媒には、硫黄被毒による性能劣化の問題がある。つまり、燃料中に含まれている硫黄(サルファー)が燃焼によってSO2 (二酸化硫黄)となり、このSO2 がNO2 と同様に吸蔵材に吸蔵され、Ba2 SO4 (硫酸バリウム)等の硫酸塩を生成する。そのため、吸蔵材のNO2 の吸蔵能力が減少し、NOx浄化率が悪化する。
従って、初期のNOx浄化性能を維持するためには、NOx再生制御によりNOx吸蔵能力を回復することの他に、触媒内に吸着及び吸蔵した硫黄分を脱離及び放出させることが必要となる。この硫黄の脱離及び放出、即ち脱硫には、一定以上の温度と還元排気ガス組成雰囲気とが必要となるため、適時、高温でリッチな雰囲気を作る脱硫制御(硫黄パージ制御)を行って、硫酸塩が分解し易い環境を作る必要がある。
この脱硫制御においては、触媒によって差があるが、硫酸塩は概ね600℃〜700℃の高温のリッチ条件にならないとSO2 を分解放出しないため、エンジン側で、吸気絞り等によって排気ガスの流量を減らして熱容量を減らすと共に、マルチ噴射やポスト噴射な等のシリンダ内燃料噴射制御で排気ガスを昇温したり、ポスト噴射や排気管への直接燃料噴射で排気ガス中に供給された未燃燃料を、NOx吸蔵還元型触媒の上流側に配設した酸化触媒上で酸化させて排気ガスを昇温したりして、高温でリッチな条件を作っている(例えば、特許文献1参照。)。
この脱硫制御では、NOx吸蔵還元型触媒を長時間高温に維持することが必要で、その維持する温度もNOx吸蔵還元型触媒を熱劣化させる限界の温度に近いため、温度変動を極力抑える必要がある。
しかしながら、従来技術で行われているような、エンジン回転数とエンジン負荷とから予め設定されたマップデータを参照して、排気ガスの昇温のみに使用するための昇温用燃料量を算出して、この昇温用燃料量でポスト噴射や排気管内直接噴射を行うマップ制御の場合には、次のような追従性の問題がある。
つまり、このマップ制御では、脱硫制御は通常、600℃〜700℃の高温で空気過剰率が約0.9のリッチ状態で、数十分行われるため、この脱硫制御の期間でエンジンを搭載した車両の運転状態を一定に保つことが難しく、エンジンの運転条件が頻繁に変化する過渡運転状態に入ることが多い。この過渡運転状態においては、マップデータから得られた昇温用燃料量を、エンジン運転条件の変化に対応して補正することが難しく、エンジン運転条件の変化に追従できない。
そのため、算出された昇温用燃料量が、実際に必要な昇温用燃料量から逸脱した値となり、NOx吸蔵還元型触媒の温度を脱硫可能な温度領域に維持することが困難となって、NOx吸蔵還元型触媒の温度が上がらず脱硫が進まないという問題や、逆に温度が上がり過ぎてNOx吸蔵還元型触媒が熱劣化するという問題が発生する。
この対策として、本発明者らは、脱硫制御に関して、NOx吸蔵還元型触媒等を担持したNOx浄化触媒装置の昇温制御において、適切な昇温用燃料量を、NOx浄化触媒装置の熱容量や排気ガスの熱容量等を考慮した計算式で算出することにより、このNOx浄化触媒装置を的確に脱硫可能な温度領域に昇温すると共に、この脱硫可能な温度領域に維持する脱硫制御方法を考えた。
しかしながら、この脱硫制御方法においては、なお、次のような問題があった。NOx浄化触媒装置を脱硫可能な温度領域に昇温、及び、この温度領域に維持するために必要で十分な昇温用燃料量を算出することができるが、低負荷でEGR率が高い運転条件においては、この算出した昇温用燃料量で昇温制御を行うと、エンジンから排出される酸素濃度がストイキ(理論空燃比)状態やリッチ状態になる場合が生じる。この場合に、排気ガス中の酸素量の不足から、昇温用燃料量が完全に燃焼されずに、テールパイプから未燃燃料が排出されてしまう。その結果、必要で十分な昇温用燃料量の供給が行われているにも係わらず、十分な昇温が行われず、NOx浄化触媒装置を脱硫可能な温度領域に昇温、及び、この温度領域に維持することができなくなってしまう。
特開2003−120373号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、排気ガス中のNOxの浄化のためにNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、脱硫制御時に、NOx浄化触媒の温度を脱硫用目標温度に上昇させるために必要な昇温用燃料量を、既設のマップデータから算出せずに、NOx浄化触媒装置の熱容量や排気ガスの熱容量等から算出した熱量を使用して設定して必要且つ十分な昇温用燃料量を精度良く投入する排気ガス浄化システムにおいて、この昇温用燃料量に対して必要な新気空気量を算出して、この必要な新気空気量を目標空気量にして、昇温燃料量に必要な酸素量を確保して、未燃燃料の大気中への排出の抑制と、NOx浄化触媒装置の確実な昇温と温度維持を行う排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムを提供することにある。
上記のような目的を達成するための排気ガス浄化システムの脱硫制御方法は、エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御で、前記脱硫制御で前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量とから算出した熱量を使用して設定する排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、
前記昇温用燃料量をエンジン出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を基にしてリーン空燃比での昇温制御における目標空気量を修正し、前記必要な新気空気量を確保することを特徴とする。
つまり、NOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備えた排気ガス浄化システムにおいて、脱硫制御時のエンジンの制御で、NOx浄化触媒装置の触媒温度を脱硫用の目標温度に到達させたり、脱硫用の目標温度に維持したりするために必要なポスト噴射等の昇温用燃料量を、予めセットしたマップデータから計算することなく、NOx浄化触媒と排気ガスの昇温に必要な熱量から算出すると共に、この昇温用燃料量に見合う新気空気量を目標空気量に設定して、この新気空気量をEGR制御や吸気絞り制御や排気絞り制御などにより確保する。
このNOx浄化触媒としては、排気ガスの空燃比が、リーン状態の場合にNOxを吸蔵し、かつ、リッチ状態の場合に吸蔵していたNOxを放出すると共に還元するNOx吸蔵還元型触媒等があるが、ここでは、触媒温度が通常のエンジンの運転状態よりも高温になったときに硫黄分を放出して触媒の硫黄被毒が回復されるNOx浄化触媒のことをいう。
この昇温用燃料量は、脱硫制御に際して、ポスト噴射等のシリンダ内燃料噴射制御や排気管内直接燃料噴射制御で、NOx浄化触媒の脱硫のために、排気ガスやNOx浄化触媒を昇温するために必要な燃料量であり、エンジンのトルク出力を発生するための燃料の量(トルク出力用燃料量)とは別に加える昇温用の燃料の量である。この昇温用の燃料は、シリンダ内や排気通路(排気マニホールド、排気管)内で燃焼して排気ガスの昇温に寄与したり、排気ガス中に未燃燃料として供給されて、NOx浄化触媒の上流側に配設された酸化触媒装置等で酸化されて排気ガスの昇温に寄与する。これらの排気ガスの昇温により、NOx浄化触媒が脱硫用目標温度以上に昇温及び維持される。
第1検出温度とは、NOx浄化触媒装置の触媒温度を直接検出できる場合は、その検出温度であるが、通常は、触媒温度を直接計測することは困難であるので、NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度から推定したり、NOx浄化触媒装置から流出する排気ガスの検出温度から推定したり、NOx浄化触媒装置の前後の排気ガスの検出温度から推定したりしている。そのため、これらの推定して得たNOx浄化触媒装置の触媒温度のことを、ここでは第1検出温度ということにする。
脱硫用目標温度とは、脱硫制御で、この温度以上にNOx浄化触媒の第1検出温度がなっている時に脱硫(硫黄パージ)が効率良く行われる温度のことを言い、通常は、600℃〜700℃の範囲の所定の温度に設定される。
この構成により、過渡運転時でも補正量を算出してマップデータから算出される燃料量を修正すること無く、触媒温度を脱硫用目標温度へ上昇させたり、脱硫用目標温度以上に維持したりするために必要且つ十分な昇温用燃料量を精度良く投入することができる。
それと共に、この昇温用燃料量に対して必要な新気空気量を確保することができ、これにより、未燃燃料のテールパイプからの排出を防止でき、また、効率よく且つ確実に、NOx浄化触媒の温度を脱硫可能な温度領域に上昇させて、この温度領域内に維持することができる。
上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、エンジンの吸気通路に配設されたエアマスフローセンサで検出された新気空気量が目標空気量を下回るときは、EGR率を低下させて前記目標空気量を確保する。
上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、前記第1熱量を前記NOx浄化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記第1検出温度との差を乗じて算出し、前記第2熱量を、排気ガスの熱容量に前記脱硫用目標温度と前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度との差を乗じて算出し、前記第1熱量と前記第2熱量と排気ガス浄化システムから放熱する第3熱量の和で昇温用熱量を算出し、該昇温用熱量を燃料の低発熱量で除して前記昇温用燃料量を算出する。
つまり、NOx浄化触媒装置を第1検出温度を現時点の温度から脱硫用目標温度まで昇温するのに必要な熱量を第1熱量とし、排気ガスを排気ガスの現時点の検出温度から脱硫用目標温度まで昇温するのに必要な熱量を第2熱量とし、この第1熱量と第2熱量と排気ガス浄化システムで放熱により失われる熱量の和に相当する熱量を発生させる必要がある昇温用熱量とし、この昇温用熱量が昇温用燃料量が発生する熱量であるとして、昇温用熱量を燃料の低発熱量(真発熱量)で除することにより、必要な昇温用燃料量とする。
なお、NOx浄化触媒におけるNOx還元反応に伴う熱の出入りについては、NOx浄化触媒と排気ガスの昇温に必要な熱量に比べれば、少ない熱量であるので省略できる。また、このNOx還元反応に伴う熱の出入りを、ベンチテストで求める触媒装置や配管の放熱量に含めて扱うことができる。
また、上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、前記排気ガスの熱容量を、吸入空気量及び燃料噴射量から算出した排気ガス流量の和に排気ガスの比熱を乗じて算出する。
つまり、排気ガス流量を吸入空気量と燃料噴射量の和とし、この和に排気ガスの比熱を乗じて排気ガスの熱容量とする。但し、排気ガスの比熱は、吸入空気量と燃料噴射量の割合や温度によって多少変化するので、要求される計算精度に応じて、吸入空気量と燃料噴射量の割合や温度を考慮に入れたりして算出し設定する。
更に、上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した場合には、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量(第4熱量)を加える。
この第2検出温度とは、酸化触媒装置の触媒温度を直接検出できる場合は、その検出温度であるが、通常は、触媒温度を直接計測することは困難であるので、酸化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度から推定したり、酸化触媒装置から流出する排気ガスの検出温度から推定したり、酸化触媒装置の前後の排気ガスの検出温度から推定したりしている。そのため、これらの推定して得た酸化触媒装置の触媒温度のことを、ここでは第2検出温度ということにする。
この構成により、酸化触媒装置の昇温に必要な熱量を含めた昇温用熱量と、昇温用燃料量を算出できる。なお、酸化触媒装置を設けたことにより放熱量が変化する場合は、この変化量が排気ガス浄化システムの放熱を示す第3熱量に加えられることになる。
そして、上記のような目的を達成するための排気ガス浄化システムは、エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を行う制御装置を備え、前記制御装置が、前記脱硫制御で前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量とから算出した熱量を使用して設定する排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を基にしてリーン空燃比での昇温制御における目標空気量を修正し、前記必要な新気空気量を確保するように構成される。
また、排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、エンジンの吸気通路に配設されたエアマスフローセンサで検出された新気空気量が目標空気量を下回るときは、EGR率を低下させて前記目標空気量を確保するように構成される。
また、上記の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記第1熱量を前記NOx浄化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記第1検出温度との差を乗じて算出し、前記第2熱量を、排気ガスの熱容量に前記脱硫用目標温度と前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度との差を乗じて算出し、前記第1熱量と前記第2熱量と排気ガス浄化システムから放熱する第3熱量の和で昇温用熱量を算出し、該昇温用熱量を燃料の低発熱量で除して前記昇温用燃料量を算出するように構成される。
また、上記の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記排気ガスの熱容量を、吸入空気量及び燃料噴射量から算出した排気ガス流量の和に排気ガスの比熱を乗じて算出するように構成される。
更に、上記の排気ガス浄化システムにおいて、前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した場合には、前記制御装置が、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量(第4熱量)を加えるように構成される。
上記の構成の排気ガス浄化システムによれば、上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法を実施でき、この脱硫制御方法と同様な作用効果を得ることができる。
本発明に係る排気ガス浄化方法の脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムによれば、排気ガス中のNOxの浄化のためにNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、脱硫制御時に、NOx浄化触媒の温度を脱硫用目標温度に上昇させるために必要な昇温用燃料量を、既設のマップデータから算出せずに、NOx浄化触媒装置の熱容量や排気ガスの熱容量等から算出した熱量を使用して設定して必要且つ十分な昇温用燃料量を精度良く投入する排気ガス浄化システムおいて、この昇温用燃料量に対して必要な酸素量、即ち、必要な新気空気量を確保することができる。
これにより、テールパイプから大気中への未燃燃料の排出を抑制でき、また、効率よく且つ確実に、NOx浄化触媒の温度を脱硫可能な温度領域に上昇することができ、また、脱硫可能な温度領域内に維持することができる。
以下、本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化方法の脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムについて、NOx浄化触媒としてNOx吸蔵還元型触媒を使用する場合について、図面を参照しながら説明する。
なお、ここでいう排気ガスのリッチ状態とは、必ずしもシリンダ内でリッチ燃焼する必要はなく、NOx吸蔵還元型触媒に流入する排気ガス中に供給した空気量と燃料量(シリンダ内で燃焼した分も含めて)との比が理論空燃比に近い状態か又は理論空燃比より燃料量が多いリッチの状態であることをいう。
図1に、本発明の実施の形態の排気ガス浄化システム1の構成を示す。この排気ガス浄化システム1では、エンジン(内燃機関)Eの排気通路4に、NOx吸蔵還元型触媒を担持したNOx浄化触媒装置11を有する排気ガス浄化装置10が配置される。
このNOx浄化触媒装置11は、モノリス触媒で形成され、酸化アルミニウム、酸化チタン等の担持体に触媒コート層を設け、この触媒コート層に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の触媒金属とバリウム(Ba)等のNOx吸蔵材(NOx吸蔵物質)を担持させて構成される。
このNOx浄化触媒装置11では、酸素濃度が高い排気ガスの状態(リーン空燃比状態)の時に、排気ガス中のNOxをNOx吸蔵材が吸蔵することにより、排気ガス中のNOxを浄化し、酸素濃度が低いかゼロの排気ガス状態の時に、吸蔵したNOxを放出すると共に放出されたNOxを触媒金属の触媒作用により還元することにより、大気中へのNOxの流出を防止する。
そして、NOx浄化触媒装置11の上流側と下流側にλセンサ(空気過剰率センサ)13、14を配置する。この上流側のλセンサ13はリッチ制御のときの空燃比制御用であるので、空気過剰率(酸素濃度)の値を計測できるセンサを用いるが、下流側のλセンサ14には、ストイキ空燃比付近で値が急激変化する出力特性を持つバイナリλセンサを用いる。このλセンサ14の出力により触媒内が還元領域に変化したことを確認し、硫黄脱離が確実に行われていることを確認する。
また、NOx浄化触媒装置11の温度を測定するために、上流側温度センサ15と下流側温度センサ16を、NOx浄化触媒装置11の上流側と下流側、即ち、前後にそれぞれ配置する。この二箇所に設置した温度センサ15、16の温度平均を、第1検出温度Tc1とする。この第1検出温度Tc1は、NOx浄化触媒装置11の触媒温度と密接な関係があり、この触媒温度の代りとなる温度、即ち、触媒温度の指標となる温度である
そして、エンジンEの運転の全般的な制御を行うと共に、NOx浄化触媒装置11のNOx浄化能力の回復制御も行う制御装置(ECU:エンジンコントロールユニット)20が設けられる。この制御装置20にλセンサ14や上流側温度センサ15や下流側温度センサ16等からの検出値が入力され、この制御装置20からエンジンEのEGR弁6や燃料噴射用のコモンレール電子制御燃料噴射装置の燃料噴射弁8や吸気絞り弁9等を制御する信号が出力される。
この排気ガス浄化システム1においては、空気Aは、吸気通路2のマスエアフローセンサ(MAFセンサ)17とターボチャジャー3のコンプレッサー3aを通過して、吸気絞り弁9によりその量を調整されて吸気マニホールド2aよりシリンダ内に入る。そして、シリンダ内で発生した排気ガスGは、排気マニホールド4aから排気通路4に出てターボチャジャー3のタービン3bを駆動し、排気ガス浄化装置10を通過して浄化された排気ガスGcとなって、図示しない消音器を通って大気中に排出される。また、排気ガスGの一部はEGRガスGeとして、EGR通路5のEGRクーラー7を通過し、EGR弁6でその量を調整されて吸気マニホールド2aに再循環される。
そして、排気ガス浄化システム1の制御装置が、エンジンEの制御装置20に組み込まれ、エンジンEの運転制御と並行して、排気ガス浄化システム1の制御を行う。この排気ガス浄化システム1の制御装置は、NOx浄化触媒装置11のNOx再生制御や脱硫制御等を含む排気ガス浄化システムの制御を行う。
NOx再生制御では、エンジンEの運転状態から単位時間当たりのNOxの排出量ΔNOxを算出し、これを累積計算したNOx累積値ΣNOxが所定の判定値Cnを超えた時に再生を開始すると判断する。あるいは、NOx浄化触媒装置11の上流側と下流側のNOx濃度からNOx浄化率を算出し、このNOx浄化率が所定の判定値より低くなった場合にNOx触媒の再生を開始すると判断する。
そして、NOx再生制御では、吸気系リッチ制御と燃料系リッチ制御を併用して、排気ガスの空燃比をストイキ空燃比(理論空燃比)又はリッチ空燃比に制御する。この吸気系リッチ制御では、EGR弁6を制御してEGR量を増加させたり、吸気絞り弁9を制御して新規の吸気量を減少させたりして、排気ガスの空燃比を低下させる。また、燃料系リッチ制御では、吸気系リッチ制御に加えて、ポスト噴射等のシリンダ内燃料噴射制御により、排気ガス中へ燃料を添加して空燃比を低下させる。これらの制御により、排気ガスの状態を所定の空燃比状態(触媒にもよるが、空気過剰率換算で、概ね0.8〜1.0)にすると共に、所定の温度範囲(触媒にもよるが、概ね200℃〜600℃)にして、NOx吸蔵能力、即ちNOx浄化能力を回復し、NOx触媒の再生を行う。なお、本発明は、NOx浄化触媒装置11の脱硫制御に関するものであり、NOx吸蔵能力を回復するためのNOx再生制御には従来技術を使用できるのでNOx再生制御についてのより詳細な説明は省略する。
一方、脱硫制御では、硫黄(サルファ)蓄積量を積算する等の方法で、NOx吸蔵能力が低下するまで硫黄が蓄積したか否かでサルファパージ制御を開始するか否かを判定する。つまり、硫黄蓄積量が所定の判定値以上になると脱硫の開始とする。そして、脱硫制御では、リーンモード昇温制御で、EGR制御や吸気絞り制御等の吸気系制御と、ポスト噴射等の燃料系制御により、NOx浄化触媒装置11の第1検出温度Tc1を硫黄分解可能な脱硫用目標温度Tspまで昇温すると共に、空燃比リッチ制御で、排気ガスの空燃比をリッチ空燃比状態に制御して、効率よく脱硫を行う。
この脱硫用目標温度Tspは通常は600℃〜700℃の間の温度に設定される。また、脱硫用の空燃比リッチ制御では、NOx浄化触媒装置11に流入する排気ガスの空燃比は空気過剰率換算で所定の空気過剰率0.9程度に維持される。この空燃比リッチ制御では、継続してリッチ制御を行うことにより空気過剰率を所定の空気過剰率に維持する制御を行う場合もあるが、リッチ制御とリーン制御を繰返すことで平均的に空気過剰率を所定の空気過剰率に維持する制御を行う場合もある。なお、この脱硫用の空燃比リッチ制御は、NOx浄化触媒装置11のNOx吸蔵還元型触媒の脱硫が完了し、硫黄被毒による性能劣化が回復するまで行うが、この脱硫には数十分程度要する。
そして、この排気ガス浄化システム1では、エンジンEの制御装置20に組み込まれた排気ガス浄化システム1の制御装置により、図2及び図3に例示するような脱硫制御フローに従って、NOx浄化触媒装置11の脱硫制御が行われる。なお、この図2の脱硫制御フローは、エンジンEの運転に際して、エンジンEの他の制御フローと並行して実行される排気ガス浄化システムの制御スローで、脱硫制御が必要であると判定された場合に、この制御フローから呼ばれて実行されるものとして示してある。
図2及び図3に、本発明の脱硫制御における脱硫制御フローを示す。この脱硫制御フローでNOx浄化触媒装置11の昇温と温度維持のためのポスト噴射等の昇温用燃料量の算出フロー及び計算ロジックを示す。
この図2の脱硫制御フローがスタートすると、ステップS11のパラメータの設定で、触媒の熱容量Hmc(J/deg)、NOx浄化触媒装置11と配管等の排気ガス浄化システム1からの放熱に関係する量Hml(J/deg)、脱硫用目標温度Tsp(℃)、軽油の低発熱量Lhf(J/g)、比熱Cp(J/g)、計算用単位時間ds(s)等を読み込み設定する。
次のステップS12で、現時点(制御時)における第1検出温度Tc1(℃)、NOx浄化触媒装置11に流入する排気ガスの検出温度Tg1、吸入空気量Maf(g/s)、燃料噴射量Wt(g/s)、外気温度Toutを入力する。
次のステップS13で、第1検出温度Tc1(℃)が脱硫用目標温度Tsp(℃)未満であるか否かの判定を行う。この判定で第1検出温度Tc1(℃)が脱硫用目標温度Tsp(℃)未満である場合には、ステップS20のリーンモード昇温制御を行い、以上である場合には、ステップS30の空燃比リッチ制御を行う。
このステップS20のリーンモード昇温制御では、図3に詳細な制御フローを示すように、次のようにして昇温用燃料量Wfを算出し、これからポスト噴射等の噴射量Wpを算出して、所定の第1時間(第1検出温度のチェックのインターバルに関係する時間)の間、ポスト噴射等による昇温制御を行う。
先ず、ステップS21の諸量の算出では、各熱容量から昇温用熱量Qtを算出し、昇温用燃料量Wfを算出する。より詳細には、a.排気ガスの熱容量の算出で、排気ガスの熱容量HmgをHmg=(Maf+Wt)×Cp×dsで算出し、b.昇温用熱量の算出で、昇温用熱量Qtを各第1〜第3熱量の和で算出する。そして、c.昇温用燃料量(重量)の算出では、昇温用燃料量WfをWf=Qt/Lhfで算出する。
なお、b.昇温用熱量の算出では、NOx浄化触媒装置11を昇温するために必要な第1熱量Q1をQ1=Hmh×(Tsp−Tc1)で、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量Q2をQ2=Hmg×(Tsp−Tg1)で、排気ガス浄化システム1から放熱する第3熱量Q3をQ3=Hml×(Tsp−Tout)で算出し、これらの和として、昇温用熱量QtをQt=Q1+Q2+Q3で算出する。
これらの熱量計算では、NOx浄化触媒装置11の熱容量Hmcは変化しないので事前に入力した値を固定して使用する。一方、排気ガスの熱容量Hmgは吸入空気量(新規空気量)Mafと燃料噴射量Wtで求めた排ガス流量Wgと比熱Cpから求める。
そして、第1熱量Q1を、NOx浄化触媒装置11の熱容量Hmcに脱硫用目標温度Tspと第1検出温度Tc1との差を乗じて算出し、第2熱量Q2を、排気ガスの熱容量Hmgに脱硫用目標温度TspとNOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度Tg1との差を乗じて算出する。
また、排気ガス浄化システム1から放熱する第3熱量Q3は、予め行ったベンチテストなどから求めた放熱量から算出した排気ガス浄化システム1からの放熱に関係する量Hmlを用いて算出するが、このHmlを第1検出温度Tout基準とし、Q3=Hml×(Tsp−Tout)で算出する。この放熱量Q3は、伝導伝熱や対流伝熱の他に放射伝熱があるため、必ずしも、(Tsp−Tout)に比例しないが、ここでは、近似的に比例するものとして扱うことにする。従って、Q3の精度を高めるために、別の算出方法を用いてもよい。
そして、これらの第1熱量Q1、第2熱量Q2、第3熱量Q3の和で昇温用熱量Qtを算出する。
次のステップS22では、昇温用燃料量Wfからポスト噴射量Wpを算出する。このポスト噴射量Wpは、第1検出温度Tc1や排気ガスの検出温度Tg1と昇温に掛ける時間、空燃比(空気過剰率)等を考慮して設定される。
次のステップS23の空気量(重量)の算出では、Fa0を理論空燃比(ディーゼルエンジンの場合は、略14.5)とし、WnをエンジンEの出力を発生させるために必要な燃料量(トルク出力用燃料量)として、算出空気量WacをWac=Fa0×(Wf+Wn)で算出し、次のステップS24では、この算出空気量Wacを目標空気量Wa0に設定する。
そして、次のステップS25で、このポスト噴射量Wpとこの目標空気量Wa0でポスト噴射を所定の第1時間の間行って、排気ガス及びNOx浄化触媒装置11の昇温を行い、ステップS12に戻る。このステップS25のリーン空燃比における触媒昇温方法としては、ポスト噴射等の燃料系制御と、EGR制御、吸気絞り制御、排気絞り制御等の吸気系の制御等のいずれか又は組み合わせが併用される。
例えば、マスエアフローセンサ(MAFセンサ)17で検出された検出空気量Wamが算出空気量Wacがよりも大きい時は、新気空気量Waを減少させるために、吸気絞りを絞り側に、EGR制御をEGR率を大きくする側に、排気絞りも絞り側に制御される。一方、検出空気量Wamが算出空気量Wacがよりも小さい時は、新気空気量Waを増加させるために、吸気絞りを開放側に、EGR制御をEGR率を小さくする側に、排気絞りも開放側に制御される。
そして、図2のステップS12〜ステップS20を繰り返して、第1検出温度Tc1(℃)が脱硫用目標温度Tsp(℃)以上になると、ステップS30に行く。
このステップS30の空燃比リッチ制御では、λセンサ13で検出される空気過剰率を所定の空気過剰率0.9程度になるように、吸気絞りやEGR制御やポスト噴射等がなされる。なお、継続してリッチ制御を行う場合もあるが、短時間(例えば、4s)のリッチ制御と短時間(例えば、3s)のリーン制御を交互に繰返す制御を行う場合もある。この繰返により、H2 Sの生成を抑制しながら脱硫する。
この空燃比リッチ制御を所定の第2時間(脱硫の完了をチェックするインターバルに関係する時間)、又は、リッチ制御とリーン制御を繰り返す場合は所定のサイクル数、行ってステップS14に行く。
ステップS14では、脱硫が完了したか否かを判定する。この判定は、事前試験によって予めECU内に記録した、エンジン回転数と触媒温度をベースに硫黄脱離量SP1を記録したマップデータを参照して、ステップS30の空燃比リッチ制御中に計測されたエンジン回転数と触媒温度(第1検出温度)Tc1から硫黄脱離量SP1を算出する。この硫黄脱離量SP1をステップS30の空燃比リッチ制御毎に積算して硫黄放出量ΣSP1を算出する。
この硫黄放出量ΣSP1が、脱硫開始を判断したときの硫黄蓄積量ΣSP0に関係する終了用判定量SPcを超えたか否かにより、硫黄放出終了の確認を行う。この確認で、硫黄放出量ΣSP1が終了用判定量SPcを超えている場合は、脱硫完了とする。超えていない場合は、空燃比リッチ制御を続行するとし、ステップS30に戻る。
ステップS14で脱硫完了の場合は、ステップS15の脱硫制御の終了作業に行き、脱硫制御作業を終了してリターンする。リターンすると、排気ガス浄化システムの制御フローに戻るが、脱硫制御開始の判定により、再度、この図2の脱硫制御フローは呼ばれて、エンジンの停止まで繰り返される。
なお、制御の途中でエンジンキイーがOFFされた場合には、図示していないが、割り込みが発生し、割り込みが生じたそれぞれのステップで必要な終了処理(図示していない)を行った後、リターンして、排気ガス浄化システムの制御やエンジンの制御の終了と共に、この脱硫制御フローも終了する。
上記の第1の実施の形態の排気ガス浄化システム1及び排気ガス浄化システムの脱硫制御方法によれば、過渡運転モードでも逐次計算により最適な昇温用燃料量Wfを算出でき、NOx浄化触媒装置11のNOx吸蔵還元型触媒の触媒温度を指標する第1検出温度Tc1を脱硫用目標温度Tspに以上に安定に保つことができる。
次に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態の排気ガス浄化システム1Aでは、図4に示すように、排気ガス浄化装置10Aは、上流側の酸化触媒装置12と下流側のNOx浄化触媒装置11を有して形成される。この酸化触媒装置12は、多孔質のセラミックのハニカム構造体などの担持体に、白金(Pt)等の酸化触媒を担持させて形成される。
また、排気管内直接燃料噴射制御を行う場合は、NOx浄化触媒装置11の上流側の排気通路4に、炭化水素(HC)Fを供給するHC供給弁18を設ける。このHC供給弁18は、図示しない燃料タンクからエンジンの燃料である経由などの炭化水素Fを排気通路4内に直接噴射して、この噴射した炭化水素を酸化触媒装置12で酸化して、排気ガスGを昇温したり、排気ガスGの空燃比をリーン状態、リッチ状態やストイキ状態(理論空燃比状態)にするためのものであり、燃料系リッチ制御の手段となるものである。なお、エンジンEのシリンダ内の燃料噴射においてポスト噴射することにより、同様な昇温制御や空燃比制御を行う場合には、このHC供給弁18の配設を省略できる。
なお、これらの酸化触媒装置12とHC供給弁18以外の排気ガス浄化システムの構成は、第1の実施の形態の排気ガス浄化システム1と同じである。
また、脱硫制御フローを図5及び図6に示すが、第1の実施の形態の脱硫制御フロー(図2、図3)のステップS11,S12,S20、S21が、ステップS11A,S12A,S20A,S21Aとなる。
図5のステップS11Aでは、パラメータの設定で、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2が加わり、ステップS12Aでは、パラメータの入力で、酸化触媒装置12の触媒温度を指標する第2検出温度Tc2が加わる。
この第2検出温度Tc2は、酸化触媒装置12の触媒温度と密接な関係があり、この触媒温度の代りとなる温度、即ち、触媒温度の指標となる温度である。ここでは、この第2検出温度として、酸化触媒装置12から流出する排気ガスの検出温度Tc2を採用する。即ち、温度センサ15で検出される排気ガスの温度を採用する。なお、この排気ガスの温度をそのまま採用することもできるが、触媒温度との差が事前実験などにより予め分かっているときはその差を修正することが好ましい。
そして、図6に示すように、ステップS20AのステップS21Aでは、b.昇温用燃料量の算出で、昇温用燃料量Qtの算出に際して、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2に脱硫用目標温度Tspと第2検出温度Tc2との差を乗じて算出される第4熱量Q4を加える点が異なる。第4熱量Q4はQ4=Hmc2×(Tsp−Tc2)で算出され、昇温用燃料量Qtは、Qt=Q1+Q2+Q3+Q4で算出される。
なお、酸化触媒装置12を設けたことにより排気ガス浄化システム1Aの放熱量が変化する場合は、この変化量が排気ガス浄化システム1Aの放熱を示す第3熱量Q3に加えられることになる。
この図5及び図6の制御フローにより、昇温用燃料量Wfの算出に際して、昇温用熱量Qtに、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2に脱硫用目標温度Tspと前記酸化触媒装置12の触媒温度を指標する第2検出温度Tc2との差(Tsp−Tc2)を乗じて算出される第4熱量Q4を加えることができる。
この第2の実施の形態の排気ガス浄化システム1A及び排気ガス浄化システムの脱硫制御方法によれば、酸化触媒装置12をNOx浄化触媒装置11の上流側に配置した場合であっても、過渡運転モードにおいて逐次計算により最適な昇温用燃料量Wfを算出でき、NOx浄化触媒装置11のNOx吸蔵還元型触媒の触媒温度を指標する第1検出温度Tc1を脱硫用目標温度Tspに以上に安定に保つことができる。また、第1の実施の形態の効果も同様に奏することができる。
図7に、過渡運転の冷間始動モードで、第2の実施の形態の脱硫制御を冷間状態から行った場合のNOx浄化触媒装置11の触媒温度の変化(実線A)を示す。横軸が時間の経過を示し、縦軸は、エンジンの回転数Neと触媒温度(A,B)を示す。なお、実線Bの触媒温度の変化は、リーンモード昇温制御が無い場合を示す。
この図7から分かるように、リーンモード昇温制御のある実線Aでは、硫黄パージ可能温度領域に到達するのが早く、冷間スタートで実線Bの略2/3に短縮されている。また、温度の上下動があるものの、硫黄パージ可能温度領域内に留まっている。一方、リーンモードの昇温制御が無い実線Bでは、温度の上下動が少ないものの、硫黄パージ可能温度領域の下限から逸脱し易くなっている。
本発明に係る第1の実施の形態の排気ガス浄化システムの構成を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態の脱硫制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態のリーンモード昇温制御の制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の排気ガス浄化システムの構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の脱硫制御のフローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態のリーンモード昇温制御の制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の脱硫制御を行った場合とリーンモード昇温制御無しの脱硫制御を行った場合の触媒温度の変化を示す図である。
符号の説明
E エンジン
1,1A 排気ガス浄化システム
4 排気通路
5 EGR通路
6 EGR弁
8 燃料噴射弁
9 吸気絞り弁(吸気スロットル弁)
10,10A 排気ガス浄化装置
11 NOx浄化触媒装置
12 酸化触媒装置
13,14 λセンサ
15 上流側温度センサ
16 下流側温度センサ
18 HC供給弁

Claims (4)

  1. エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御で、前記脱硫制御で前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量とから算出した熱量を使用して設定する排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、
    前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を基にしてリーン空燃比での昇温制御における目標空気量を修正し、前記必要な新気空気量を確保することを特徴とする排気ガス浄化システムの脱硫制御方法。
  2. 前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した排気ガス浄化システムにおいて、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えることを特徴とする請求項1に記載の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法。
  3. エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を行う制御装置を備え、前記制御装置が、前記脱硫制御で前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量とから算出した熱量を使用して設定する排気ガス浄化システムにおいて、 前記制御装置が、前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を基にしてリーン空燃比での昇温制御における目標空気量を修正し、前記必要な新気空気量を確保することを特徴とする排気ガス浄化システム。
  4. 前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えることを特徴とする請求項3に記載の排気ガス浄化システム。
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