JP2007071102A - 排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 NOx浄化触媒装置を備えた排気ガス浄化システムにおいて、脱硫制御時に、未燃燃料の大気中への排出を抑制しながら、脱硫用目標温度以上の状態を維持すると共に、昇温制御と空燃比リッチ制御との間の移行を円滑に行う排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムを提供する。
【解決手段】 脱硫制御の空燃比リッチ制御において、NOx浄化触媒装置11を硫黄パージ可能な温度範囲内に維持するために必要な温度維持用燃料量Wf2とトルク出力用燃料量Wnとの和である全燃料量Wtを用いて、硫黄パージ用の目標空燃比に対して目標新気空気量Wa0を算出し、該目標新気空気量Wa0になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記NOx浄化触媒装置11に流入する排気ガスGの空燃比を前記硫黄パージ用の目標空燃比にする。
【選択図】 図4

Description

本発明は、内燃機関の排気ガス中のNOx(窒素酸化物)を浄化するNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備えた排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムに関する。
ディーゼルエンジンや一部のガソリンエンジン等の内燃機関や様々な燃焼装置の排気ガス中からNOxを還元除去するためのNOx触媒について種々の研究や提案がなされている。その一つに、ディーゼルエンジン用のNOx浄化触媒としてNOx吸蔵還元型触媒があり、有効に排気ガス中のNOxを浄化できる。
このNOx吸蔵還元型触媒は、空燃比がリーン状態の時に、NO(一酸化窒素)をNO2 (二酸化窒素)に酸化した後、バリウム(Ba)等のNOxを吸蔵する性質を持つ金属にNO2 を吸蔵する。しかし、NOxの吸蔵能力は飽和するので、この飽和前に空燃比をリッチ状態にするNOx再生制御を行って、吸蔵材からNO2 を放出させて、この放出したNO2 を、HC(炭化水素),CO(一酸化炭素)等の還元剤でN2 (窒素)に還元する。これらのNOx吸蔵とNOx放出・還元の触媒反応機構を交互に利用することにより排気ガス中のNOxを浄化する。
しかしながら、このNOx吸蔵還元型触媒には、硫黄被毒による性能劣化の問題がある。つまり、燃料中に含まれている硫黄(サルファー)が燃焼によってSO2 (二酸化硫黄)が発生し、このSO2 がNO2 と同様に吸蔵材に吸蔵され、Ba2 SO4 (硫酸バリウム)等の硫酸塩を生成する。そのため、吸蔵材のNO2 の吸蔵能力が減少し、NOx浄化率が悪化する。
従って、初期のNOx浄化性能を維持するためには、NOx再生制御によりNOx吸蔵能力を回復することの他に、触媒内に吸着及び吸蔵した硫黄分を脱離及び放出させることが必要となる。この硫黄の脱離及び放出、即ち脱硫には、一定以上の温度と還元排気ガス組成雰囲気とが必要となるため、適時、高温でリッチな雰囲気を作る脱硫制御(硫黄パージ制御)を行って、硫酸塩が分解し易い環境を作る必要がある。
この脱硫制御においては、触媒によって差があるが、硫酸塩は概ね600℃〜700℃の高温のリッチ条件にならないとSO2 を分解放出しないため、エンジン側で、吸気絞り等によって排気ガスの流量を減らして昇温に必要な熱容量を減らすと共に、マルチ噴射やポスト噴射等のシリンダ内燃料噴射制御で排気ガスを昇温したり、ポスト噴射や排気管への直接燃料噴射で排気ガス中に供給された未燃燃料を、NOx吸蔵還元型触媒の上流側に配設した酸化触媒で酸化させて排気ガスを昇温したりして、高温でリッチな条件を作っている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
この脱硫制御では、NOx吸蔵還元型触媒を長時間高温に維持することが必要で、その維持する温度もNOx吸蔵還元型触媒を熱劣化させる限界の温度に近いため、温度変動を極力抑える必要がある。
しかしながら、従来技術で行われているような、排気ガスの昇温のためにポスト噴射や排気管内直接噴射を行う際に、エンジン回転数とエンジン負荷とから予め設定されたマップデータを参照して、昇温用燃料量を算出するマップ制御の場合には、次のような追従性の問題がある。
つまり、このマップ制御では、脱硫制御を、通常600℃〜700℃の高温で空気過剰率が約0.9のリッチ状態で、数十分行うため、この脱硫制御の期間中、エンジンを搭載した車両の運転状態を一定に保つことが難しく、エンジンの運転条件が過渡運転状態になることが多い。このエンジンの運転状態が頻繁に変化する過渡運転状態においては、マップデータから得られた昇温用燃料量を、エンジン運転条件の変化に対応して適切に補正することが難しく、エンジン運転条件の変化に追従できない。
そのため、算出された昇温用燃料量が、実際に必要な昇温用燃料量から逸脱した値となり、NOx吸蔵還元型触媒の温度を脱硫可能な温度領域内に維持することが困難となって、NOx吸蔵還元型触媒の温度が上がらず脱硫が進まないという問題や、逆に温度が上がり過ぎてNOx吸蔵還元型触媒に熱劣化が生じるという問題が発生する。
この対策として、本発明者らは、脱硫制御に関して、脱硫制御に関して、NOx吸蔵還元型触媒等を担持したNOx浄化触媒装置の昇温のためのリーン空燃比での昇温制御において、次のような脱硫制御を考えた。
適切な昇温用燃料量を、NOx浄化触媒装置の熱容量や排気ガスの熱容量等を考慮した計算式で算出し、この昇温燃料量で昇温制御することにより、このNOx浄化触媒装置を脱硫可能な温度領域に昇温すると共に、この脱硫可能な温度領域に維持する。
更に、この昇温用燃料量に対して必要な新気空気量を算出して、この必要な新気空気量を目標空気量にして、燃料の酸化に必要で十分な酸素量を確保して、未燃燃料の大気中への排出の抑制と、NOx浄化触媒装置の確実な昇温と温度維持を行う。
この脱硫制御方法においては、NOx浄化触媒装置を脱硫可能な温度領域に昇温、及び、この温度領域内に維持するために必要で十分な新気空気量を確保することができるが、リッチ空燃比での空燃比リッチ制御では、従来技術と同様なマップ制御で、エンジン回転数とエンジン負荷とから予め設定されたマップデータを参照して、燃料量と目標新気空気量を算出して、この燃料量と目標新気空気量でポスト噴射や排気管内直接噴射を行っていた。しかしながら、このようなマップ制御との併用では、次のような問題が生じた。
マップ制御による空燃比リッチ制御では、車両やエンジンの運転状態の変化に迅速に対応できないために、NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの空燃比が目標空燃比から逸脱してしまう。そして、空燃比が目標空燃比より小さくなると、排気ガス中の酸素量の不足から、昇温用燃料量が多すぎて完全に燃焼されずに、テールパイプから未燃燃料が排出されてしまう。逆に、空燃比が目標空燃比より大きくなると、硫黄パージの効率が低下したり、温度維持が困難になってしまう。その結果、必要で十分な燃料量の供給が行われているにも係わらず、適切な空燃比を維持できないために、効率よく脱硫を行うことができなくなってしまう。
更に、リーン空燃比による昇温制御とリッチ空燃比での空燃比リッチ制御との間の移行時に、燃料量と新規空気量等の算出方法が、燃焼計算に基づく方法とマップデータに基づく方法とに分かれているので、エンジンの運転条件を整合するための複雑な調整が必要となる。
特開2003−120373号公報 特開2000−54900号公報
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、排気ガス中のNOxの浄化のためにNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、脱硫制御時に、リーン空燃比における昇温制御とリッチ空燃比における空燃比リッチ制御を組み合わせて行う排気ガス浄化システムにおいて、脱硫制御時に過渡運転状態になっても、未燃燃料の大気中への排出を抑制しながら、確実に、NOx浄化触媒装置を脱硫用目標温度に昇温して、脱硫用目標温度以上の状態を維持すると共に、昇温制御と空燃比リッチ制御との間の移行を円滑に行う排気ガス浄化システムの脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムを提供することにある。
上記のような目的を達成するための排気ガス浄化システムの脱硫制御方法は、エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を、リーン空燃比における昇温制御とリッチ空燃比における空燃比リッチ制御の組み合わせで行うと共に、
前記昇温制御で、前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量を含んだ計算式から算出した昇温用熱量を基にして設定する排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、 前記昇温制御においては、前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を用いて目標新気空気量を設定し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記必要な新気空気量を確保し、
前記空燃比リッチ制御においては、前記NOx浄化触媒装置を硫黄パージ可能な温度範囲内に維持するために必要な温度維持用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量を用いて、硫黄パージ用の目標空燃比に対して目標新気空気量を算出し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの空燃比を前記硫黄パージ用の目標空燃比にすることを特徴とする。
つまり、NOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備えた排気ガス浄化システムにおいて、脱硫制御時のリーン空燃比による昇温制御で、NOx浄化触媒装置の触媒温度を脱硫用の目標温度に到達させたり、脱硫用の目標温度に維持したりするために必要なポスト噴射等の昇温用燃料量を、予めセットしたマップデータから計算することなく、NOx浄化触媒と排気ガスの昇温に必要な熱量から算出すると共に、この昇温用燃料量に見合う新気空気量を目標空気量に設定して、この新気空気量をEGR制御や吸気絞り制御や排気絞り制御などにより確保する。
更に、脱硫制御時のリッチ空燃比による空燃比リッチ制御で、NOx浄化触媒装置の触媒温度を脱硫用の目標温度に維持するために必要なポスト噴射等の温度維持用燃料量を、予めセットしたマップデータから計算することなく、NOx浄化触媒装置と排気ガスの温度維持に必要な熱量から算出すると共に、この温度維持用燃料量と硫黄パージ用空燃比から算出された新気空気量を目標空気量に設定して、この新気空気量をEGR制御や吸気絞り制御や排気絞り制御等により確保する。
このNOx浄化触媒としては、排気ガスの空燃比が、リーン状態の場合にNOxを吸蔵し、かつ、リッチ状態の場合に吸蔵していたNOxを放出すると共に還元するNOx吸蔵還元型触媒等があるが、ここでは、触媒温度が通常のエンジンの運転状態よりも高温になり、且つ、触媒に流入する排気ガスの空燃比がリッチ状態になったときに、硫黄分を放出して触媒の硫黄被毒が回復されるNOx浄化触媒のことをいう。
この昇温用燃料量は、脱硫制御のリーン空燃比における昇温制御(リーンモード昇温制御)に際して、ポスト噴射等のシリンダ内燃料噴射制御や排気管内直接燃料噴射制御で、NOx浄化触媒の脱硫のために、排気ガスやNOx浄化触媒を昇温するために必要な燃料量であり、エンジンのトルク出力を発生するための燃料の量(トルク出力用燃料量)とは別に加える昇温用の燃料の量である。この昇温用の燃料は、シリンダ内や排気通路(排気マニホールド、排気管)内で燃焼して排気ガスの昇温に寄与したり、排気ガス中に未燃燃料として供給されて、NOx浄化触媒装置の上流側に配設された酸化触媒装置等で酸化されて排気ガスの昇温に寄与する。これらの排気ガスの昇温により、NOx浄化触媒装置が脱硫用目標温度以上に昇温及び維持される。
また、温度維持用燃料量は、脱硫制御のリッチ空燃比における空燃比リッチ制御に際して、ポスト噴射等のシリンダ内燃料噴射制御や排気管内直接燃料噴射制御で、NOx浄化触媒の脱硫のために、NOx浄化触媒装置の温度を硫黄パージ可能な温度範囲内に維持するために必要な燃料量であり、エンジンのトルク出力を発生するための燃料の量(トルク出力用燃料量)とは別に必要な温度維持用の燃料の量である。この温度維持用の燃料は、シリンダ内や排気通路(排気マニホールド、排気管)内で燃焼して排気ガスの温度維持に寄与したり、排気ガス中に未燃燃料として供給されて、NOx浄化触媒の上流側に配設された酸化触媒装置等で酸化されて排気ガスの温度維持に寄与する。これらの排気ガスの温度維持により、NOx浄化触媒が、リッチ空燃比状態で硫黄パージ可能な温度範囲内に維持される。
第1検出温度に関しては、NOx浄化触媒装置の触媒温度を直接検出できる場合は、その検出温度を第1検出温度とするが、通常は、触媒温度を直接計測することは困難であるので、NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度から推定したり、NOx浄化触媒装置から流出する排気ガスの検出温度から推定したり、NOx浄化触媒装置の前後の排気ガスの検出温度から推定したりしている。これらの推定して得たNOx浄化触媒装置の触媒温度のことを、ここでは第1検出温度ということにする。
脱硫用目標温度とは、脱硫制御で、この温度以上にNOx浄化触媒の第1検出温度がなっている時に脱硫(硫黄パージ)が効率良く行われる温度のことを言い、通常は、600℃〜700℃の範囲の所定の温度に設定される。
硫黄パージ用空燃比とは、NOx浄化触媒の温度が硫黄パージ可能な温度範囲内に維持されたときに、効率よく、NOx浄化触媒から硫黄成分が除去される排気ガスの空燃比のことを言い、例えば、0.9等である。
なお、ここでいう排気ガスのリッチ状態とは、必ずしもシリンダ内でリッチ燃焼する必要はなく、NOx浄化触媒に流入する排気ガス中に供給した空気量と燃料量(シリンダ内で燃焼した分も含めて)との比が理論空燃比に近い状態か又は理論空燃比より燃料量が多いリッチ状態であることをいう。
また、新気空気量調整手段は、吸気絞り弁、EGR弁、排気絞り弁やターボチャージャの吸気量調整手段とこれらの制御装置等からなり、吸気絞り、EGR量の調整、排気絞りのいずれか1つ又はこれらの組み合わせを行うことにより、新気空気量を調整する。
この脱硫制御方法により、必要且つ十分な燃料量を精度良く投入することができると共に、適切な空燃比を維持することができる。これにより、未燃燃料の大気中への排出の抑制と、NOx浄化触媒装置の確実な昇温と温度維持を行うことができる。更に、エンジン状態を整合するための複雑な調整を行うことなく、昇温制御と空燃比リッチ制御との間の移行を円滑に行うことができる。
上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、前記第1熱量を前記NOx浄化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記第1検出温度との差を乗じて算出し、前記第2熱量を、排気ガスの熱容量に前記脱硫用目標温度と前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度との差を乗じて算出し、前記第1熱量と前記第2熱量と排気ガス浄化システムから放熱する第3熱量の和で昇温用熱量と温度維持用熱量をそれぞれ算出し、該昇温用熱量と温度維持用熱量を燃料の低発熱量でそれぞれ除して前記昇温用燃料量と前記温度維持用燃料量をそれぞれ算出する。
つまり、NOx浄化触媒装置を第1検出温度を現時点の温度から脱硫用目標温度まで昇温するのに必要な熱量を第1熱量とし、排気ガスを排気ガスの現時点の検出温度から脱硫用目標温度まで昇温するのに必要な熱量を第2熱量とし、この第1熱量と第2熱量と排気ガス浄化システムで放熱により失われる第3熱量の和に相当する熱量を発生させる必要がある昇温用熱量とし、この昇温用熱量が昇温用燃料量が発生する熱量であるとして、昇温用熱量を燃料の低発熱量(真発熱量)で除することにより、必要な昇温用燃料量とする。
また、NOx浄化触媒装置を第1検出温度を脱硫用目標温度以上に維持するのに必要な熱量を第1熱量とし、排気ガスを脱硫用目標温度以上に維持するのに必要な熱量を第2熱量とし、この第1熱量と第2熱量と排気ガス浄化システムで放熱により失われる第3熱量の和に相当する熱量を発生させる必要がある温度維持用熱量とし、この温度維持用熱量が温度維持用燃料量が発生する熱量であるとして、温度維持用熱量を燃料の低発熱量(真発熱量)で除することにより、必要な温度維持用燃料量とする。空燃比リッチ制御における第1熱量と第2熱量は非常に小さく、第3熱量が主となる。
なお、NOx浄化触媒におけるNOx還元反応に伴う熱の出入りについては、NOx浄化触媒と排気ガスの昇温に必要な熱量に比べれば、少ない熱量であるので省略できる。また、このNOx還元反応に伴う熱の出入りを、ベンチテストで求める触媒装置や配管の放熱量に含めて扱うことができる。
また、上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、排気ガスの熱容量を、吸入空気量及び燃料噴射量から算出した排気ガス流量の和に排気ガスの比熱を乗じて算出する。
つまり、排気ガス流量を吸入空気量と燃料噴射量の和とし、この和に排気ガスの比熱を乗じて排気ガスの熱容量とする。但し、排気ガスの比熱は、吸入空気量と燃料噴射量の割合や温度によって多少変化するので、要求される計算精度に応じて、吸入空気量と燃料噴射量の割合や温度を考慮に入れたりして算出し設定する。
更に、上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法で、前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した排気ガス浄化システムにおいて、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えると共に、前記温度維持用燃料量の算出に際して、前記温度維持用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加える。
この第2検出温度に関しては、酸化触媒装置の触媒温度を直接検出できる場合は、その検出温度を第2検出温度とするが、通常は、触媒温度を直接計測することは困難であるので、酸化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度から推定したり、酸化触媒装置から流出する排気ガスの検出温度から推定したり、酸化触媒装置の前後の排気ガスの検出温度から推定したりしている。これらの推定して得た酸化触媒装置の触媒温度のことを、ここでは第2検出温度ということにする。
この構成により、酸化触媒装置の昇温に必要な熱量(第4熱量)を含めた昇温用熱量及び温度維持用熱量と、昇温用燃料量及び温度維持用燃料量を算出できる。なお、酸化触媒装置を設けたことにより放熱量が変化する場合は、この変化量を排気ガス浄化システムの放熱を示す第3熱量に加える。
そして、上記のような目的を達成するための排気ガス浄化システムは、エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置と、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を行う制御装置を備え、 前記制御装置が、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を、リーン空燃比における昇温制御とリッチ空燃比における空燃比リッチ制御の組み合わせで構成すると共に、
前記制御装置が、前記昇温制御で、前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量を含んだ計算式から算出した昇温用熱量を基にして設定する排気ガス浄化システムにおいて、
前記制御装置が、前記昇温制御においては、前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を用いて目標新気空気量を設定し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記必要な新気空気量を確保する制御を行い、
前記制御装置が、前記空燃比リッチ制御においては、前記NOx浄化触媒装置を硫黄パージ可能な温度範囲内に維持するために必要な温度維持用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量を用いて、硫黄パージ用の目標空燃比に対して目標新気空気量を算出し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの空燃比を前記硫黄パージ用の目標空燃比にする制御を行うように構成される。
また、上記の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記第1熱量を前記NOx浄化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記第1検出温度との差を乗じて算出し、前記第2熱量を、排気ガスの熱容量に前記脱硫用目標温度と前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度との差を乗じて算出し、前記第1熱量と前記第2熱量と排気ガス浄化システムから放熱する第3熱量の和で昇温用熱量と温度維持用熱量をそれぞれ算出し、該昇温用熱量と温度維持用熱量を燃料の低発熱量でそれぞれ除して前記昇温用燃料量と前記温度維持用燃料量をそれぞれ算出するように構成される。
また、上記の排気ガス浄化システムにおいて、前記制御装置が、前記排気ガスの熱容量を、吸入空気量及び燃料噴射量から算出した排気ガス流量の和に排気ガスの比熱を乗じて算出するように構成される。
更に、上記の排気ガス浄化システムで、前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した排気ガス浄化システムにおいて、
前記制御装置が、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えると共に、
前記制御装置が、前記温度維持用燃料量の算出に際して、前記温度維持用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加える制御を行うように構成される。
上記の構成の排気ガス浄化システムによれば、上記の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法を実施でき、この脱硫制御方法と同様な作用効果を得ることができる。
本発明に係る排気ガス浄化方法の脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムによれば、排気ガス中のNOxの浄化のためにNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、脱硫制御時に、リーン空燃比における昇温制御とリッチ空燃比における空燃比リッチ制御を行う排気ガス浄化システムにおいて、適切な空燃比を維持することができ、未燃燃料の大気中への排出の抑制と、NOx浄化触媒装置の確実な昇温と温度維持を行うことができる。また、昇温制御と空燃比リッチ制御との間の移行を円滑に行うことができる。
以下、本発明に係る実施の形態の排気ガス浄化方法の脱硫制御方法及び排気ガス浄化システムについて、NOx浄化触媒としてNOx吸蔵還元型触媒を使用する場合について、図面を参照しながら説明する。
なお、ここでいう排気ガスのリッチ状態とは、必ずしもシリンダ内でリッチ燃焼する必要はなく、NOx吸蔵還元型触媒に流入する排気ガス中に供給した空気量と燃料量(シリンダ内で燃焼した分も含めて)との比が理論空燃比に近い状態か又は理論空燃比より燃料量が多いリッチの状態であることをいう。
図1に、本発明の実施の形態の排気ガス浄化システム1の構成を示す。この排気ガス浄化システム1では、ディーゼル内燃機関(エンジン)Eの排気通路4に、NOx吸蔵還元型触媒を担持したNOx浄化触媒装置11を有する排気ガス浄化装置10が配置される。
このNOx浄化触媒装置11は、モノリス触媒で形成され、酸化アルミニウム、酸化チタン等の担持体に触媒コート層を設け、この触媒コート層に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)等の触媒金属とバリウム(Ba)等のNOx吸蔵材(NOx吸蔵物質)を担持させて構成される。
このNOx浄化触媒装置11では、酸素濃度が高い排気ガスの状態(リーン空燃比状態)の時に、排気ガス中のNOxをNOx吸蔵材が吸蔵することにより、排気ガス中のNOxを浄化し、酸素濃度が低いかゼロの排気ガス状態の時に、吸蔵したNOxを放出すると共に放出されたNOxを触媒金属の触媒作用により還元することにより、大気中へのNOxの流出を防止する。
そして、NOx浄化触媒装置11の上流側と下流側にλセンサ(空気過剰率センサ)13、14を配置する。この上流側のλセンサ13はリッチ制御のときの空燃比制御用であるので、空気過剰率(酸素濃度)の値を計測できるセンサを用いるが、下流側のλセンサ14には、ストイキ空燃比付近で値が急激変化する出力特性を持つバイナリλセンサを用いる。このλセンサ14の出力により触媒内が還元領域に変化したことを確認し、硫黄脱離が確実に行われていることを確認する。
また、NOx浄化触媒装置11の温度を測定するために、上流側温度センサ15と下流側温度センサ16を、NOx浄化触媒装置11の上流側と下流側、即ち、前後にそれぞれ配置する。この二箇所に設置した温度センサ15、16の温度平均を、第1検出温度Tc1とする。この第1検出温度Tc1は、NOx浄化触媒装置11の触媒温度と密接な関係があり、この触媒温度の代りとなる温度、即ち、触媒温度の指標となる温度である
そして、エンジンEの運転の全般的な制御を行うと共に、NOx浄化触媒装置11のNOx浄化能力の回復制御も行う制御装置(ECU:エンジンコントロールユニット)20が設けられる。この制御装置20にλセンサ13、14や上流側温度センサ15や下流側温度センサ16等からの検出値が入力され、この制御装置20からエンジンEのEGR弁6や燃料噴射用のコモンレール電子制御燃料噴射装置の燃料噴射弁8や吸気絞り弁9等を制御する信号が出力される。
この排気ガス浄化システム1においては、空気Aは、吸気通路2のマスエアフローセンサ(MAFセンサ)17とターボチャジャー3のコンプレッサー3aを通過して、吸気絞り弁9によりその量を調整されて吸気マニホールド2aよりシリンダ内に入る。そして、シリンダ内で発生した排気ガスGは、排気マニホールド4aから排気通路4に出てターボチャジャー3のタービン3bを駆動し、排気ガス浄化装置10を通過して浄化された排気ガスGcとなって、図示しない消音器を通って大気中に排出される。また、排気ガスGの一部はEGRガスGeとして、EGR通路5のEGRクーラー7を通過し、EGR弁6でその量を調整されて吸気マニホールド2aに再循環される。
そして、排気ガス浄化システム1の制御装置が、エンジンEの制御装置20に組み込まれ、エンジンEの運転制御と並行して、排気ガス浄化システム1の制御を行う。この排気ガス浄化システム1の制御装置は、NOx浄化触媒装置11のNOx再生制御や脱硫制御等を含む排気ガス浄化システムの制御を行う。
NOx再生制御では、エンジンEの運転状態から単位時間当たりのNOxの排出量ΔNOxを算出し、これを累積計算したNOx累積値ΣNOxが所定の判定値Cnを超えた時に再生を開始すると判断する。あるいは、NOx浄化触媒装置11の上流側と下流側のNOx濃度からNOx浄化率を算出し、このNOx浄化率が所定の判定値より低くなった場合にNOx触媒の再生を開始すると判断する。
そして、NOx再生制御では、吸気系リッチ制御と燃料系リッチ制御を併用して、排気ガスの空燃比をストイキ空燃比(理論空燃比)又はリッチ空燃比に制御する。この吸気系リッチ制御では、EGR弁6を制御してEGR量を増加させたり、吸気絞り弁9を制御して新規の吸気量を減少させたりして、排気ガスの空燃比を低下させる。また、燃料系リッチ制御では、吸気系リッチ制御に加えて、ポスト噴射等のシリンダ内燃料噴射制御により、排気ガス中へ燃料を添加して空燃比を低下させる。これらの制御により、排気ガスの状態を所定の空燃比状態(触媒にもよるが、空気過剰率換算で、概ね0.8〜1.0)にすると共に、所定の温度範囲(触媒にもよるが、概ね200℃〜600℃)にして、NOx吸蔵能力、即ちNOx浄化能力を回復し、NOx触媒の再生を行う。なお、本発明は、NOx浄化触媒装置11の脱硫制御に関するものであり、NOx吸蔵能力を回復するためのNOx再生制御には従来技術を使用できるのでNOx再生制御についてのより詳細な説明は省略する。
一方、脱硫制御では、硫黄(サルファ)蓄積量を積算する等の方法で、NOx吸蔵能力が低下するまで硫黄が蓄積したか否かでサルファパージ制御を開始するか否かを判定する。つまり、硫黄蓄積量が所定の判定値以上になると脱硫の開始とする。そして、脱硫制御では、リーン空燃比における昇温制御(リーンモード昇温制御)で、EGR制御や吸気絞り制御等の吸気系制御と、ポスト噴射等の燃料系制御により、NOx浄化触媒装置11の第1検出温度Tc1を硫黄分解可能な脱硫用目標温度Tspまで昇温すると共に、リッチ空燃比における空燃比リッチ制御で、排気ガスの空燃比をリッチ空燃比状態に制御して、効率よく脱硫を行う。
この脱硫用目標温度Tspは通常は600℃〜700℃の間の温度に設定される。また、脱硫用の空燃比リッチ制御では、NOx浄化触媒装置11に流入する排気ガスの空燃比は空気過剰率換算で所定の空気過剰率0.9程度に維持される。この空燃比リッチ制御では、継続してリッチ制御を行うことにより空気過剰率を所定の空気過剰率に維持する制御を行う場合もあるが、リッチ制御とリーン制御を繰返すことで平均的に空気過剰率を所定の空気過剰率に維持する制御を行う場合もある。なお、この脱硫用の空燃比リッチ制御は、NOx浄化触媒装置11のNOx吸蔵還元型触媒の脱硫が完了し、硫黄被毒による性能劣化が回復するまで行うが、この脱硫には数十分程度要する。
そして、この排気ガス浄化システム1では、エンジンEの制御装置20に組み込まれた排気ガス浄化システム1の制御装置により、図2〜図4に例示するような脱硫制御フローに従って、NOx浄化触媒装置11の脱硫制御が行われる。なお、この図2の脱硫制御フローは、エンジンEの運転に際して、エンジンEの他の制御フローと並行して実行される排気ガス浄化システムの制御スローで、脱硫制御が必要であると判定された場合に、この制御フローから呼ばれて実行されるものとして示してある。
図2〜図4に、本発明の脱硫制御における脱硫制御フローを示す。この脱硫制御フローでNOx浄化触媒装置11の昇温と温度維持のためのポスト噴射等の昇温用燃料量及び温度維持用燃料量の算出フロー及び計算ロジックを示す。
この図2の脱硫制御フローがスタートすると、ステップS11のパラメータの設定で、触媒の熱容量Hmc(J/deg)、NOx浄化触媒装置11と配管等の排気ガス浄化システム1からの放熱に関係する量Hml(J/deg)、脱硫用目標温度Tsp(℃)、軽油の低発熱量Lhf(J/g)、比熱Cp(J/g)、リーンモード昇温制御における目標空燃比Fa1、空燃比リッチ制御における目標空燃比Fa2、計算用単位時間ds(s)等を読み込み設定する。
次のステップS12で、現時点(制御時)における第1検出温度Tc1(℃)、NOx浄化触媒装置11に流入する排気ガスの検出温度Tg1、吸入空気量Maf(g/s)、燃料噴射量Wt(g/s)、外気温度Toutを入力する。
次のステップS13で、第1検出温度Tc1(℃)が脱硫用目標温度Tsp(℃)未満であるか否かの判定を行う。この判定で第1検出温度Tc(℃)が脱硫用目標温度Tsp(℃)未満である場合には、ステップS20のリーンモード昇温制御を行い、以上である場合には、ステップS30の空燃比リッチ制御を行う。
このステップS20のリーンモード昇温制御では、図3に詳細な制御フローを示すように、次のようにして昇温用燃料量Wf1を算出し、これからポスト噴射等の噴射量Wp1を算出して、所定の第1時間(第1検出温度のチェックのインターバルに関係する時間)の間、ポスト噴射等による昇温制御を行う。
先ず、ステップS21の諸量の算出では、各熱容量から昇温用熱量Qt1を算出し、昇温用燃料量Wf1を算出する。より詳細には、a.排気ガスの熱容量の算出で、排気ガスの熱容量HmgをHmg=(Maf+Wt)×Cp×dsで算出し、b.昇温用熱量の算出で、昇温用熱量Qt1を各第1〜第3熱量の和で算出する。そして、c.昇温用燃料量(重量)の算出では、昇温用燃料量Wf1をWf1=Qt1/Lhfで算出する。
なお、b.昇温用熱量の算出では、NOx浄化触媒装置11を昇温するために必要な第1熱量Q1をQ1=Hmh×(Tsp−Tc1)で、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量Q2をQ2=Hmg×(Tsp−Tg1)で、排気ガス浄化システム1から放熱する第3熱量Q3をQ3=Hml×(Tsp−Tout)で算出し、これらの和として、昇温用熱量Qt1をQt1=Q1+Q2+Q3で算出する。
これらの熱量計算では、NOx浄化触媒装置11の熱容量Hmcは変化しないので事前に入力した値を固定して使用する。一方、排気ガスの熱容量Hmgは吸入空気量(新規空気量)Mafと燃料噴射量Wtで求めた排ガス流量Wgと比熱Cpから求める。
そして、第1熱量Q1を、NOx浄化触媒装置11の熱容量Hmcに脱硫用目標温度Tspと第1検出温度Tc1との差を乗じて算出し、第2熱量Q2を、排気ガスの熱容量Hmgに脱硫用目標温度TspとNOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度Tg1との差を乗じて算出する。
また、排気ガス浄化システム1から放熱する第3熱量Q3は、予め行ったベンチテストなどから求めた放熱量から算出した排気ガス浄化システム1からの放熱に関係する量Hmlを用いて算出するが、このHmlを外気温度Tout基準の量とし、Q3=Hml×(Tsp−Tout)で算出する。この放熱量Q3は、伝導伝熱や対流伝熱の他に放射伝熱があるため、必ずしも、(Tsp−Tout)に比例しないが、ここでは、近似的に比例するものとして扱うことにする。従って、Q3の精度を高めるために、別の算出方法を用いてもよい。
そして、これらの第1熱量Q1、第2熱量Q2、第3熱量Q3の和で昇温用熱量Qt1を算出する。
次のステップS22では、昇温用燃料量Wf1からポスト噴射量Wp1を算出する。このポスト噴射量Wp1は、第1検出温度Tc1や排気ガスの検出温度Tg1と昇温に掛ける時間、空燃比(空気過剰率)等を考慮して設定される。
次のステップS23の空気量(重量)の算出では、リーンモード昇温制御における目標の空燃比Fa1と、エンジンEの出力を発生させるために必要な燃料量(トルク出力用燃料量)Wnとから、新気空気量Wac1をWac1=Fa1×(Wf1+Wn)で算出し、次のステップS24では、この新気空気量Wac1を目標空気量Wa0に設定する。
そして、次のステップS25で、このポスト噴射量Wp1とこの目標空気量Wa0でポスト噴射を所定の第1時間の間行って、排気ガス及びNOx浄化触媒装置11の昇温を行い、ステップS12に戻る。このステップS25のリーン空燃比における触媒昇温方法としては、ポスト噴射等の燃料系制御と、EGR制御、吸気絞り制御、排気絞り制御等の吸気系の制御等のいずれか又はこれらの組み合わせが併用される。
例えば、マスエアフローセンサ(MAFセンサ)17で検出された検出空気量Wamが算出された新気空気量Wac1よりも大きい時は、吸入する新気空気量Waを減少させるために、吸気絞りを絞り側に、EGR制御をEGR率を大きくする側に、排気絞りも絞り側に制御される。一方、検出空気量Wamが算出された新気空気量Wac1よりも小さい時は、吸入する新気空気量Waを増加させるために、吸気絞りを開放側に、EGR制御をEGR率を小さくする側に、排気絞りも開放側に制御される。
そして、図2のステップS12〜ステップS20を繰り返して、第1検出温度Tc1(℃)が脱硫用目標温度Tsp(℃)以上になると、ステップS30に行く。
このステップS30の空燃比リッチ制御では、図4に詳細な制御フローを示すように、次のようにして温度維持用燃料量Wf2を算出し、これからポスト噴射等の噴射量Wp2を算出して、所定の第1時間(第1検出温度のチェックのインターバルに関係する時間)の間、ポスト噴射等による昇温制御を行う。
先ず、ステップS31の諸量の算出では、各熱容量から温度維持用熱量Qt2を算出し、温度維持用燃料量Wf2を算出する。より詳細には、a.排気ガスの熱容量の算出で、排気ガスの熱容量HmgをHmg=(Maf+Wt)×Cp×dsで算出し、b.温度維持用熱量の算出で、温度維持用熱量Qt2を各第1〜第3熱量の和で算出する。そして、c.温度維持用燃料量(重量)の算出では、温度維持用燃料量Wf2をWf2=Qt2/Lhfで算出する。
なお、b.温度維持用熱量の算出では、NOx浄化触媒装置11を昇温するために必要な第1熱量Q1をQ1=Hmh×(Tsp−Tc1)で、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量Q2をQ2=Hmg×(Tsp−Tg1)で、排気ガス浄化システム1から放熱する第3熱量Q3をQ3=Hml×(Tsp−Tout)で算出し、これらの和として、温度維持用熱量Qt2をQt2=Q1+Q2+Q3で算出する。
これらの熱量計算では、NOx浄化触媒装置11の熱容量Hmcは変化しないので事前に入力した値を固定して使用する。一方、排気ガスの熱容量Hmgは吸入空気量(新規空気量)Mafと燃料噴射量Wtで求めた排ガス流量Wgと比熱Cpから求める。
そして、第1熱量Q1を、NOx浄化触媒装置11の熱容量Hmcに脱硫用目標温度Tspと第1検出温度Tc1との差を乗じて算出し、第2熱量Q2を、排気ガスの熱容量Hmgに脱硫用目標温度TspとNOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの検出温度Tg1との差を乗じて算出する。
また、排気ガス浄化システム1から放熱する第3熱量Q3は、予め行ったベンチテストなどから求めた放熱量から算出した排気ガス浄化システム1からの放熱に関係する量Hmlを用いて算出するが、このHmlを外気温度Tout基準とし、Q3=Hml×(Tsp−Tout)で算出する。この放熱量Q3は、伝導伝熱や対流伝熱の他に放射伝熱があるため、必ずしも、(Tsp−Tout)に比例しないが、ここでは、近似的に比例するものとして扱うことにする。従って、Q3の精度を高めるために、別の算出方法を用いてもよい。
そして、これらの第1熱量Q1、第2熱量Q2、第3熱量Q3の和で温度維持用熱量Qt2を算出する。なお、この温度維持の場合では、第1熱量Q1、第2熱量Q2は比較的小さくなるため、第3熱量Q3をより精度良く算出することが好ましい。
次のステップS32では、温度維持用燃料量Wf2からポスト噴射量Wp2を算出する。このポスト噴射量Wp2は、第1検出温度Tc1や排気ガスの検出温度Tg1と昇温に掛ける時間、空燃比(空気過剰率)等を考慮して設定される。
次のステップS33の空気量(重量)の算出では、空燃比リッチ制御における目標の空燃比Fa2と、エンジンEの出力を発生させるために必要な燃料量(トルク出力用燃料量)Wnとから、新気空気量Wac2をWac2=Fa2×(Wf2+Wn)で算出し、次のステップS34では、この新気空気量Wac2を目標空気量Wa0に設定する。
そして、次のステップS35で、このポスト噴射量Wp2とこの目標空気量Wa0でポスト噴射を所定の第1時間の間行って、排気ガス及びNOx浄化触媒装置11の温度維持を行いつつ、排気ガスの空燃比をリッチ状態にして硫黄パージを行い、ステップS12に戻る。このステップS35のリッチ制御としては、ポスト噴射等の燃料系制御と、EGR制御、吸気絞り制御、排気絞り制御等の吸気系の制御等のいずれか又はこれらの組み合わせが併用される。
そして、ステップS30の空燃比リッチ制御を所定の第2時間(脱硫の完了をチェックするインターバルに関係する時間)の間行ってステップS14に行く。
ステップS14では、脱硫が完了したか否かを判定する。この判定は、事前試験によって予めECU内に記録した、エンジン回転数と触媒温度をベースに硫黄脱離量SP1を記録したマップデータを参照して、ステップS30の空燃比リッチ制御中に計測されたエンジン回転数と触媒温度(第1検出温度)Tc1から硫黄脱離量SP1を算出する。この硫黄脱離量SP1をステップS30の空燃比リッチ制御毎に積算して硫黄放出量ΣSP1を算出する。
この硫黄放出量ΣSP1が、脱硫開始を判断したときの硫黄蓄積量ΣSP0に関係する終了用判定量SPcを超えたか否かにより、硫黄放出終了の確認を行う。この確認で、硫黄放出量ΣSP1が終了用判定量SPcを超えている場合は、脱硫完了とする。超えていない場合は、空燃比リッチ制御を続行するとし、ステップS30に戻る。
ステップS14で脱硫完了の場合は、ステップS15の脱硫制御の終了作業に行き、脱硫制御作業を終了してリターンする。リターンすると、排気ガス浄化システムの制御フローに戻るが、脱硫制御開始の判定により、再度、この図2の脱硫制御フローは呼ばれて、エンジンの停止まで繰り返される。
なお、制御の途中でエンジンキイーがOFFされた場合には、図示していないが、割り込みが発生し、割り込みが生じたそれぞれのステップで必要な終了処理(図示していない)を行った後、リターンして、排気ガス浄化システムの制御やエンジンの制御の終了と共に、この脱硫制御フローも終了する。
上記の第1の実施の形態の排気ガス浄化システム1及び排気ガス浄化システムの脱硫制御方法によれば、過渡運転モードであっても、逐次計算により必要且つ十分な燃料量を精度良く算出して投入することができると共に、適切な空燃比を維持することができる。これにより、未燃燃料の大気中への排出の抑制と、NOx浄化触媒装置の昇温と温度維持を確実に行うことができる。更に、エンジンの運転条件を整合するための複雑な調整を行うことなく、昇温制御と空燃比リッチ制御との間の移行を円滑に行うことができる。
次に第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態の排気ガス浄化システム1Aでは、図4に示すように、排気ガス浄化装置10Aは、上流側の酸化触媒装置12と下流側のNOx浄化触媒装置11を有して形成される。この酸化触媒装置12は、多孔質のセラミックのハニカム構造体などの担持体に、白金(Pt)等の酸化触媒を担持させて形成される。
また、排気管内直接燃料噴射制御を行う場合は、NOx浄化触媒装置11の上流側の排気通路4に、炭化水素(HC)Fを供給するHC供給弁18を設ける。このHC供給弁18は、図示しない燃料タンクからエンジンの燃料である経由などの炭化水素Fを排気通路4内に直接噴射して、この噴射した炭化水素を酸化触媒装置12で酸化して、排気ガスGを昇温したり、排気ガスGの空燃比をリーン状態、リッチ状態やストイキ状態(理論空燃比状態)にするためのものであり、燃料系リッチ制御の手段となるものである。なお、エンジンEのシリンダ内の燃料噴射においてポスト噴射することにより、同様な昇温制御や空燃比制御を行う場合には、このHC供給弁18の配設を省略できる。
なお、これらの酸化触媒装置12とHC供給弁18以外の排気ガス浄化システムの構成は、第1の実施の形態の排気ガス浄化システム1と同じである。
また、脱硫制御フローを図6〜図8に示すが、第1の実施の形態の脱硫制御フロー(図2〜図4)のステップS11,S12,S20, S21,S30,S31が、それぞれ、ステップS11A,S12A,S20A,S21A,S30A,S31Aとなる。
図6のステップS11Aでは、パラメータの設定で、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2が加わり、ステップS12Aでは、パラメータの入力で、酸化触媒装置12の触媒温度を指標する第2検出温度Tc2が加わる。
この第2検出温度Tc2は、酸化触媒装置12の触媒温度と密接な関係があり、この触媒温度の代りとなる温度、即ち、触媒温度の指標となる温度である。ここでは、この第2検出温度として、酸化触媒装置12から流出する排気ガスの検出温度Tc2を採用する。即ち、温度センサ15で検出される排気ガスの温度を採用する。なお、この排気ガスの温度をそのまま採用することもできるが、触媒温度との差が事前実験などにより予め分かっているときはその差を修正することが好ましい。
そして、図7に示すように、ステップS20AのステップS21Aでは、b.昇温用燃料量の算出で、昇温用燃料量Qt1の算出に際して、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2に脱硫用目標温度Tspと第2検出温度Tc2との差を乗じて算出される第4熱量Q4を加える点が第1の実施の形態のステップS21と異なる。第4熱量Q4はQ4=Hmc2×(Tsp−Tc2)で算出され、昇温用燃料量Qt1は、Qt1=Q1+Q2+Q3+Q4で算出される。
そして、図8に示すように、ステップS30AのステップS31Aでは、b.昇温用燃料量の算出で、温度維持用燃料量Qt2の算出に際して、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2に脱硫用目標温度Tspと第2検出温度Tc2との差を乗じて算出される第4熱量Q4を加える点が異なる。第4熱量Q4はQ4=Hmc2×(Tsp−Tc2)で算出され、温度維持用燃料量Qt2は、Qt2=Q1+Q2+Q3+Q4で算出される。
なお、酸化触媒装置12を設けたことにより排気ガス浄化システム1Aの放熱量が変化する場合は、この変化量が、S21A,S31Aのそれぞれで、排気ガス浄化システム1Aの放熱を示す第3熱量Q3に加える。
この図6〜図8の制御フローにより、昇温用燃料量Wf1と温度維持用燃料量Wf2の算出に際して、昇温用熱量Qt1と温度維持用熱量Qt2のそれぞれに、酸化触媒装置12の熱容量Hmc2に脱硫用目標温度Tspと前記酸化触媒装置12の触媒温度を指標する第2検出温度Tc2との差(Tsp−Tc2)を乗じて算出される第4熱量Q4を加えることができる。
この第2の実施の形態の排気ガス浄化システム1A及び排気ガス浄化システムの脱硫制御方法によれば、酸化触媒装置12をNOx浄化触媒装置11の上流側に配置した場合であっても、第1の実施の形態と同様に、過渡運転モードであっても、逐次計算により必要且つ十分な燃料量を精度良く算出して投入することができると共に、適切な空燃比を維持することができる。これにより、未燃燃料の大気中への排出の抑制と、NOx浄化触媒装置の確実な昇温と温度維持を行うことができる。更に、エンジン状態を整合するための複雑な調整を行うことなく、昇温制御と空燃比リッチ制御との間の移行を円滑に行うことができる。
過渡運転の冷間始動モードで、第2の実施の形態の脱硫制御を冷間状態から行った場合のNOx浄化触媒装置11の触媒温度の変化(実線A)を図9に、空気過剰率(○印A)を図10に示す。なお、実線B及び×印Bは、リーンモード昇温制御は熱量を基にした逐次計算による制御で、空燃比リッチ制御のみマップ制御を行う脱硫制御を用いている場合を示す。
図9では、横軸が時間の経過を示し、縦軸は、エンジンの回転数Neと触媒温度(A,B)又は空気過剰率を示す。この図9では、逐次計算による実線Aとマップ制御の実線Bとの間では、昇温速度及び温度維持に大きな違いは見られない。しかし、空気過剰率を示す図10では、○印Aが目標の硫黄パージ用領域(斜線部)に略収まっているのに対して、×印Bは目標の硫黄パージ用領域から度々逸脱していること分かる。
本発明に係る第1の実施の形態の排気ガス浄化システムの構成を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態の脱硫制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態のリーンモード昇温制御の制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態の空燃比リッチ制御の制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の排気ガス浄化システムの構成を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の脱硫制御のフローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態のリーンモード昇温制御の制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の空燃比リッチ制御の制御フローの一例を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の脱硫制御を行った場合と、リーンモード昇温制御は熱量を基にした逐次計算による制御で、空燃比リッチ制御のみマップ制御を行う脱硫制御を行った場合の触媒温度の変化を示す図である。 本発明に係る第2の実施の形態の脱硫制御を行った場合と、リーンモード昇温制御は熱量を基にした逐次計算による制御で、空燃比リッチ制御のみマップ制御を行う脱硫制御を行った場合の空気過剰率の変化を示す図である。
符号の説明
E エンジン
1,1A 排気ガス浄化システム
4 排気通路
5 EGR通路
6 EGR弁
8 燃料噴射弁
9 吸気絞り弁(吸気スロットル弁)
10,10A 排気ガス浄化装置
11 NOx浄化触媒装置
12 酸化触媒装置
13,14 λセンサ
15 上流側温度センサ
16 下流側温度センサ
18 HC供給弁

Claims (4)

  1. エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置を備え、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を、リーン空燃比における昇温制御とリッチ空燃比における空燃比リッチ制御の組み合わせで行うと共に、
    前記昇温制御で、前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量を含んだ計算式から算出した昇温用熱量を基にして設定する排気ガス浄化システムの脱硫制御方法において、 前記昇温制御においては、前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を用いて目標新気空気量を設定し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記必要な新気空気量を確保し、
    前記空燃比リッチ制御においては、前記NOx浄化触媒装置を硫黄パージ可能な温度範囲内に維持するために必要な温度維持用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量を用いて、硫黄パージ用の目標空燃比に対して目標新気空気量を算出し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの空燃比を前記硫黄パージ用の目標空燃比にすることを特徴とする排気ガス浄化システムの脱硫制御方法。
  2. 前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した排気ガス浄化システムにおいて、
    前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えると共に、
    前記温度維持用燃料量の算出に際して、前記温度維持用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えることを特徴とする請求項1記載の排気ガス浄化システムの脱硫制御方法。
  3. エンジンの排気ガス中のNOxを浄化するためのNOx浄化触媒を担持したNOx浄化触媒装置と、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を行う制御装置を備え、
    前記制御装置が、前記NOx浄化触媒の硫黄被毒による劣化を回復するための脱硫制御を、リーン空燃比における昇温制御とリッチ空燃比における空燃比リッチ制御の組み合わせで構成すると共に、
    前記制御装置が、前記昇温制御で、前記NOx浄化触媒装置の触媒温度を指標する第1検出温度を脱硫用目標温度に昇温させるために必要な昇温用燃料量を、前記NOx浄化触媒装置を昇温するために必要な第1熱量と、排気ガスを昇温するために必要な第2熱量を含んだ計算式から算出した昇温用熱量を基にして設定する排気ガス浄化システムにおいて、
    前記制御装置が、前記昇温制御においては、前記昇温用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量に対して必要な新気空気量を算出し、該必要な新気空気量を用いて目標新気空気量を設定し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記必要な新気空気量を確保する制御を行い、
    前記制御装置が、前記空燃比リッチ制御においては、前記NOx浄化触媒装置を硫黄パージ可能な温度範囲内に維持するために必要な温度維持用燃料量とトルク出力用燃料量との和である全燃料量を用いて、硫黄パージ用の目標空燃比に対して目標新気空気量を算出し、該目標新気空気量になるように新気空気量調整手段を制御することにより、前記NOx浄化触媒装置に流入する排気ガスの空燃比を前記硫黄パージ用の目標空燃比にする制御を行うことを特徴とする排気ガス浄化システム。
  4. 前記NOx浄化触媒装置の上流側の酸化触媒装置を配設した排気ガス浄化システムにおいて、
    前記制御装置が、前記昇温用燃料量の算出に際して、前記昇温用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加えると共に、
    前記制御装置が、前記温度維持用燃料量の算出に際して、前記温度維持用熱量に、前記酸化触媒装置の熱容量に前記脱硫用目標温度と前記酸化触媒装置の触媒温度を指標する第2検出温度との差を乗じて算出される熱量を加える制御を行うことを特徴とする請求項3記載の排気ガス浄化システム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008267291A (ja) * 2007-04-20 2008-11-06 Toyota Motor Corp 内燃機関の排気浄化システム
JP2014507596A (ja) * 2011-02-25 2014-03-27 エミテック ゲゼルシヤフト フユア エミツシオンステクノロギー ミツト ベシユレンクテル ハフツング 供給システムを加熱する方法
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JP2017508093A (ja) * 2013-12-04 2017-03-23 エクソンモービル アップストリーム リサーチ カンパニー ガスタービンエンジンのためのシステム及び方法

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