JP5257208B2 - エレベータの検査装置及びその改修方法 - Google Patents

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Description

この発明は、エレベータの検査装置及びその改修方法に関するものである。
従来におけるエレベータの検査装置においては、マイクにより収集した稼動音を用いて、ガイドシューとガイドレールの部分の給油不足等の異常検知を行うものとして、乗りかご内に設けられた集音マイクで収集した点検運転中のエレベータの稼動音信号とエンコーダの出力パルスを積算した位置データとを対応付けて記憶部に記憶させ、判定部でこの稼動音信号の振幅を、過去の異常時の稼動音データより設定した限界設定振幅値と比較し、稼動音信号の振幅がこの限界設定振幅値より大きければ、異常音のデータと判断して、稼動音信号の周波数等及び乗りかごの速度等のデータと記憶部に記憶しておいた当該データとを比較し、一定以上類似していたときに、記憶部に当該データと対応付けられて記憶されている故障箇所を点検すべき検査部位として通報するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、エンコーダにより電動機の回転速度を検出して乗りかご(昇降装置)の走行速度信号に変換する速度検出装置を備え、この速度検出装置により検出された乗りかご走行速度の交流成分の特定の周波数帯域成分を抽出し、その走行行程中の最大振幅の値を予め記憶しておいた正常値と比較することにより異常や要点検を診断するものや(例えば、特許文献2参照)、ガイドシュー近傍に設置した振動センサと振動センサ近傍に設置したマイク(音センサ)とを備え、振動センサからの振動信号とマイクからの音信号の周波数スペクトルの相互相関に基づいて、ガイドシューとガイドレールとの部分の異常有無を判定するものも従来から知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開平07−228443号公報 特開平09−188485号公報 特開平10−059650号公報
しかしながら、これらの特許文献に示された従来におけるエレベータの検査装置においては、ガイドシューとガイドレールの部分の給油不足等の異常を検出するために、マイクや振動センサ等を設ける必要があり、検査装置の構成が複雑化してしまうという課題や、このマイクや振動センサ等に対する定期保守が必要であって、この保守作業が煩雑で手数がかかるという課題がある。
さらに、検査装置を備えない既設のエレベータに対して、ガイドシューとガイドレールの部分の給油不足等の異常を検出する機能を改修により追加して設ける際に、マイクや振動センサ等を新たに追加して設ける必要があるために、当該エレベータの運転を停止しなければこの改修を行うことができないという課題もある。
また、特許文献2に示された従来におけるエレベータの検査装置においては、速度検出装置により検出された乗りかご走行速度の交流成分の特定の周波数帯域成分を抽出するための濾波回路を設ける必要があるため構成が複雑化してしまうという課題や、検出したい異常に合わせて比較を行う周波数成分を決定し、予め正常値を定める必要があり、煩雑であるという課題がある。
この発明は、このような課題を解決するためになされたもので、簡潔かつ特別な保守点検作業が不要な構成で、ガイドシューとガイドレールの部分の給油状態に関する異常を検出することができるエレベータの検査装置を得るものである。
また、既設のエレベータに対して改修によりガイドシューとガイドレールの部分の給油状態に関する異常を検出する機能を追加して設ける際における改修作業を、当該エレベータの運転を停止することなく容易に行うことが可能であるエレベータの検査装置及びその改修方法を得るものである。
この発明に係るエレベータの検査装置においては、エレベータの昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、前記昇降路内に立設されたガイドレールと、前記乗りかごに設けられ、前記ガイドレールと摺動自在に係合して前記乗りかごの昇降を案内するガイドシューと、前記乗りかごに設けられ、前記ガイドシューと前記ガイドレールとの間の摩擦を軽減する潤滑油を前記ガイドレールに供給する給油器と、前記乗りかごの昇降を駆動する巻上機と、前記乗りかごの起動時に前記巻上機が必要とする起動電流を計測する起動電流計測手段と、前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を、前記乗りかごの起動位置及び起動方向に対応付けて記憶する起動電流記憶手段と、前記起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、前記起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、前記ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行う給油要否判定手段と、を備えた構成とする。
また、この発明に係るエレベータの検査装置の改修方法においては、エレベータの昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、前記昇降路内に立設されたガイドレールと、前記乗りかごに設けられ、前記ガイドレールと摺動自在に係合して前記乗りかごの昇降を案内するガイドシューと、前記乗りかごに設けられ、前記ガイドシューと前記ガイドレールとの間の摩擦を軽減する潤滑油を前記ガイドレールに供給する給油器と、前記乗りかごの昇降を駆動する巻上機と、を備えた既設のエレベータにおいて、前記乗りかごの起動時に前記巻上機が必要とする起動電流を計測する起動電流計測手段と、前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を、前記乗りかごの起動位置及び起動方向に対応付けて記憶する起動電流記憶手段と、前記起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、前記起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、前記ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行う給油要否判定手段と、を追加して設けるものとする。
この発明に係るエレベータの検査装置においては、簡潔かつ特別な保守点検作業が不要な構成で、ガイドシューとガイドレールの部分の給油状態に関する異常を検出することができるという効果を奏する。
また、この発明に係るエレベータの検査装置の改修方法においては、既設のエレベータに対して改修によりガイドシューとガイドレールの部分の給油状態に関する異常を検出する機能を追加して設ける際における改修作業を、当該エレベータの運転を停止することなく容易に行うことが可能であるという効果を奏する。
この発明の実施の形態1に係るエレベータの検査装置の全体構成を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係るガイドシューとガイドレールの係合部分を示す要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態1に係る給油器とガイドレールの係合部分を示す要部拡大断面図である。 この発明の実施の形態1に係るエレベータの検査装置の動作を示すフロー図である。
この発明を添付の図面に従い説明する。各図を通じて同符号は同一部分又は相当部分を示しており、その重複説明は適宜に簡略化又は省略する。
実施の形態1.
図1から図4は、この発明の実施の形態1に係るもので、図1はエレベータの検査装置の全体構成を示す説明図、図2はガイドシューとガイドレールの係合部分を示す要部拡大断面図、図3は給油器とガイドレールの係合部分を示す要部拡大断面図、図4はエレベータの検査装置の動作を示すフロー図である。
図において1はエレベータの図示しない昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごである。昇降路内には一対のガイドレール2が立設されており、乗りかご1の上下端部の左右両側の計4箇所には、ガイドレール2と摺動自在に係合して、乗りかご1の昇降を案内するガイドシュー3が取付けられている。
そして、乗りかご1の各ガイドシュー3近傍には、ガイドシュー3とガイドレール2との間の摩擦を軽減するとともにガイドシュー3及びガイドレール2を保護しこれらの磨耗を防ぐ潤滑油をガイドレール2に供給する給油器4がそれぞれ取付けられている。
また、昇降路内には、昇降路内に立設された図示しない一対の重りレールにより案内されて昇降する釣合い重り5が配設されている。
そして、昇降路底部に設けられた図示しないピット部には、当該エレベータの運転全般を制御する制御盤6、及び、制御盤6による制御の下、乗りかご1(及び釣合い重り5)の昇降を駆動する巻上機7が設置されている。
この巻上機7の回転駆動は、乗りかご1及び釣合い重り5を吊持する主ロープ8により、乗りかご1及び釣合い重り5の昇降移動へと変換される。
この主ロープ8の一端部は、昇降路頂部にかご側綱止め9aにより係止され、主ロープ8のこの一端側は、乗りかご1の下端部に回動自在に設けられた一対のかご吊り車10aに巻き掛けられて、乗りかご1を吊持している。
そして、主ロープ8は、昇降路頂部に回動自在に設けられたかご側返し車11aに巻き掛けられて方向転換されて、昇降路底部のピット部の巻上機7の駆動シーブに巻き掛けられ、昇降路頂部に回動自在に設けられた重り側返し車11bに巻き掛けられて再度方向転換された上で、主ロープ8の他端側において釣合い重り5の上端部に回動自在に設けられた重り吊り車10bに巻き掛けられて釣合い重り5を吊持している。
主ロープ8の他端部は、主ロープ8の一端部同様、昇降路頂部に重り側綱止め9bにより係止されている。
ガイドレール2は、他より肉厚なレール頭部2aと図示しないレールクリップにより昇降路壁面に固設されるレール基部2bとを有する形状を呈している。
そして、ガイドシュー3は、このガイドレール2のレール頭部2aの端面及び両側面に当接して摺動自在に係合する略コ字型を呈し、乗りかご1の上下端部の左右両側の計4箇所にガイドシュー組立3aを介して取付けられている。
また、これらのガイドシュー3近傍に取付けられている給油器4は、潤滑油が収容される容器部4aと、一端が容器部4a内の潤滑油中に浸されるとともに他端がガイドレール2のレール頭部2aの端面及び両側面に当接して摺動自在に係合する略コ字型に配置された油芯4bとを有している。
このように構成された給油器4において、毛細管現象により容器部4a内の潤滑油が油芯4bの一端から他端へと移動して、ガイドレール2のレール頭部2a、より詳しくはガイドシュー3が当接するレール頭部2aの端面及び両側面、に塗布される。
そして、乗りかご1が昇降することにより、潤滑油は乗りかご1の昇降範囲のガイドレール2全体に行渡るように塗布・給油される。
なお、乗りかご1には、この乗りかご内の負荷を検出する図示しない秤装置からなるかご内負荷検出手段が設けられている。
また、巻上機7には、自身の回転数を検出するための図示しないパルスエンコーダが設けられており、制御盤6は、このパルスエンコーダの検出結果から乗りかご1の運転速度及び位置を把握することにより、制御盤6から巻上機7へと供給する電流値をフィードバック制御している。この際、制御盤6から巻上機7へと供給される電流の実測値についても計測されて制御盤6へとフィードバックされ、パルスエンコーダの検出結果同様、制御に用いられる。
そして、乗りかご1の停止状態から昇降移動への起動時に必要な起動電流の実測値については、かご内負荷検出手段により乗りかご1内の負荷がないと検出された場合(以下、「無負荷時」という)に、乗りかご1の起動時における起動位置(通常は階床により表される)、及び、乗りかご1を昇降移動へと起動させる起動方向(上り又は下り)に対応付けられた状態で、制御盤6内に設けられた図示しない記憶装置に記憶格納される。
なお、起動位置及び起動方向ごとに記憶するのは、乗りかご1の停止位置(起動位置)により主ロープ8の配置が異なることから、この際の起動方向に応じて、主ロープ8自体の重さによりかかる負荷が異なり、従って必要となる起動電流も異なってくるからである。
制御盤6は、乗りかご1の無負荷時における起動電流と、この記憶装置に記憶された、ガイドレール2への給油状態が正常なときにおける、当該起動時と同じ起動位置及び起動方向の起動電流実測値との比較に基づいて、ガイドシュー3とガイドレール2との間の摩擦の変化を算出し、給油状態の異常(油切れや油芯4b異常)や容器部4aへの潤滑油の給油の要否、潤滑油給油が必要であればその給油時期の判断を行い、例えば、この給油時期が所定の期間内(例えば90日以内等)であれば、アラームを発報することにより給油器4への給油が必要な旨の報知を行う。
なお、ガイドレール2への給油状態が正常なときの起動電流実測値の記憶は、例えば定期保守作業時等、給油状態が正常であると判明しているときに乗りかご1を運転させることにより、予め行っておく。
この実施の形態にあっては、エレベータの検査装置は、図4に示す一連のフローに従って動作する。
すなわち、まず、乗場に設けられた乗場呼びボタンの操作により乗場呼びが登録され、又は、乗りかご1内の行先階ボタンの操作により行先階呼びが登録されることにより、乗りかご1が停止状態から昇降移動へと移行する起動時において、制御盤6はパルスエンコーダの検出結果から乗りかご1の現在位置を算出し、この現在位置、すなわち、起動位置がどこであるのか判定を行う(ステップS1)。
次に、ステップS2において、制御盤6は、当該呼び登録に応じるために乗りかご1を起動すべき方向すなわち起動方向が上り又は下りのいずれであるかの判定を行う。
続くステップS3において、制御盤6は、かご内負荷検出手段により検出された乗りかご1内の負荷について判定を行った後、ステップS4へと進み、制御盤6から巻上機7へと供給される起動電流実測値の計測が行われる。
そして、ステップS5において、制御盤6は、ステップS4で計測された起動電流実測値が所定の電流基準値である第1の電流基準値(レベル1)以上であるか否かの確認を行う。この確認において、起動電流実測値がレベル1以上であることが確認された場合には、次のステップS6へと移行する。一方、この確認において、起動電流実測値がレベル1より小さいことが確認された場合には、ステップS1へと戻る。
ステップS6においては、制御盤6は、ステップS4で計測された起動電流実測値が第1の電流基準値(レベル1)より大きい所定の電流基準値である第2の電流基準値(レベル2)以上であるか否かの確認を行う。この確認において、起動電流実測値がレベル2以上であることが確認された場合には、次のステップS7へと移行する。一方、この確認において、起動電流実測値がレベル2より小さいことが確認された場合には、ステップS1へと戻る。
ステップS7では、制御盤6は、ステップS3でのかご内負荷の判定の結果に基づき、無負荷時における起動電流実測値を、ステップS1で判定された起動位置及びステップS2で判定された起動方向に対応付けられた状態で、記憶装置へと記憶させる。
続くステップS8では、制御盤6は、ステップS4で計測された乗りかご1の無負荷時における起動電流実測値と、ガイドレール2への給油状態が正常なときにおける、以前の起動時において記憶装置に記憶された、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値との比較に基づいて、ガイドシュー3とガイドレール2との間の摩擦の変化を算出し、給油器4の容器部4aへの潤滑油の給油要否について判定を行う。
そして、次のステップS9において、制御盤6は、ステップS4で計測された乗りかご1の無負荷時における起動電流実測値と、ガイドレール2への給油状態が正常なときにおける、以前の起動時において記憶装置に記憶された、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値との比較に基づいて、ガイドシュー3とガイドレール2との間の摩擦の変化を算出し、潤滑油給油が必要であればその給油時期の判定を行った後、ステップS10へと移行する。
このステップS10においては、制御盤6は、ステップS9で判定された給油時期が所定の期間内(ここでは90日以内)であるか否かの確認を行う。この確認において、給油時期が90日以内であることが確認された場合には、ステップS11へと進み、制御盤6は、アラームを発報することにより給油器4への給油が必要な旨の報知を行った後、ステップS12へと至り一連の動作フローは終了して当該動作フローの先頭へと戻る。
一方、この確認において、給油不要である場合を含め給油時期が90日以内でないことが確認された場合には、直接ステップS12へと移行して、アラーム発報を行わずに一連の動作フローは終了して当該動作フローの先頭へと戻る。
ここで、ステップS4は起動電流計測手段を、記憶装置とステップS7は起動電流記憶手段を、ステップS8は給油要否判定手段を、ステップS9は給油時期判定手段を、ステップS10及びステップS11はアラーム発報手段を、それぞれ構成している。
なお、このように構成されたエレベータの検査装置において、乗りかご1が停止状態から昇降移動へと移行する起動時として、乗場に設けられた乗場呼びボタンの操作により乗場呼びが登録された場合と、乗りかご1内の行先階ボタンの操作により行先階呼びが登録された場合がまず考えられるが、かご内負荷が無負荷である可能性は、乗場呼びの方が高いため、図4に示す動作フローを乗場呼び登録時のみ行うようにしてもよい。
又は、夜間等当該エレベータの利用がまばらとなる時間帯において、所定時間以上呼び登録がなされなかった場合に制御盤が自動で所定の呼び登録を行って図4の動作フローを開始するようにすると、かご内負荷が無負荷である可能性をさらに高めることができる。
また、ここでは、起動位置はパルスエンコーダの検出結果から求めたが、乗りかご1の停止位置を規定する着床プレートを用いて求めることも可能である。
さらに、ここでは、かご内負荷がない場合にのみ起動電流実測値の記憶や給油要否判断を行うようにしたが、かご内負荷が無負荷でない場合であっても、この検出されたかご内負荷ごとに対応付けた状態で起動電流実測値を記憶させるようにしてもよい。
なお、このようにして構成されるエレベータの検査装置は、パルスエンコーダと巻上機に供給する電流実測値とを用いてフィードバック制御を行う既設のエレベータであって、制御盤内に情報を記憶する記憶装置と情報処理を行うマイコンを備えたものに対しては、新たに装置や治具等を追加することなくデータの記憶・計算処理を行うプログラムを追加するだけで実現することができる。
すなわち、より具体的には、プログラムの追加により、起動電流計測手段、起動電流記憶手段、給油要否判定手段及び給油時期判定手段を追加するという非常に簡便な改修で実施可能である。
以上のように構成されたエレベータの検査装置においては、起動電流計測手段で乗りかごの起動時に巻上機が必要とする起動電流を計測し、この起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を、起動電流記憶手段で乗りかごの起動位置及び起動方向に対応付けて記憶し、給油要否判定手段で、起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行うことにより、簡潔かつ特別な保守点検作業が不要な構成で、ガイドシューとガイドレールの部分の給油状態に関する異常、特に給油器への潤滑油の給油要否を検出することができる。
また、乗りかご内の負荷を検出するかご内負荷検出手段により乗りかご内が無負荷である場合に、起動電流記憶手段による起動電流計測手段が計測した起動電流実測値の記憶、及び、給油要否判定手段による給油器への潤滑油の給油要否についての判定を行うようにすることで、かご内負荷という起動電流実測値に影響を与える要因の一つを固定し、より正確かつ効率的に給油要否判断を行うことができる。
さらに、乗場呼び登録に対する応答時や、所定時間以上利用者の操作による呼び登録がなされなかった場合に制御盤により自動的に行われる所定の呼び登録に対する応答時に、起動電流実測値の記憶や給油要否判断を行うようにすると、かご内が無負荷である可能性が非常に高く、効率的に給油要否判断を行うことが可能である。
加えて、給油時期判定手段により、起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、前記ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油を行うべき時期について判定を行うことで、簡潔かつ特別な保守点検作業が不要な構成により、自動的に給油器への潤滑油の給油時期を知ることができる
そして、既設のエレベータに対して、乗りかごの起動時に巻上機が必要とする起動電流を計測する起動電流計測手段と、起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を、乗りかごの起動位置及び起動方向に対応付けて記憶する起動電流記憶手段と、起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、給油器への潤滑油の給油要否について判定を行う給油要否判定手段と、を追加して設けるという、プログラムのソフトウェア的な追加であって非常に簡便な改修方法により、既設のエレベータに対して改修によりガイドシューとガイドレールの部分の給油状態に関する異常、特に給油器への給油要否、を検出する機能を追加して設ける際における改修作業を、当該エレベータの運転を停止することなく容易に行うことが可能である。
1 乗りかご
2 ガイドレール
2a レール頭部
2b レール基部
3 ガイドシュー
3a ガイドシュー組立
4 給油器
4a 容器部
4b 油芯
5 釣合い重り
6 制御盤
7 巻上機
8 主ロープ
9a かご側綱止め
9b 重り側綱止め
10a かご吊り車
10b 重り吊り車
11a かご側返し車
11b 重り側返し車

Claims (7)

  1. エレベータの昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、
    前記昇降路内に立設されたガイドレールと、
    前記乗りかごに設けられ、前記ガイドレールと摺動自在に係合して前記乗りかごの昇降を案内するガイドシューと、
    前記乗りかごに設けられ、前記ガイドシューと前記ガイドレールとの間の摩擦を軽減する潤滑油を前記ガイドレールに供給する給油器と、
    前記乗りかごの昇降を駆動する巻上機と、
    前記乗りかごの起動時に前記巻上機が必要とする起動電流を計測する起動電流計測手段と、
    前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を、前記乗りかごの起動位置及び起動方向に対応付けて記憶する起動電流記憶手段と、
    前記起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、前記起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、前記ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行う給油要否判定手段と、を備えたことを特徴とするエレベータの検査装置。
  2. 前記乗りかご内の負荷を検出するかご内負荷検出手段を備え、
    前記起動電流記憶手段は、前記かご内負荷検出手段により前記乗りかご内の負荷がないことが検出された場合に、前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を記憶し、
    前記給油要否判定手段は、前記かご内負荷検出手段により前記乗りかご内の負荷がないことが検出された場合に、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のエレベータの検査装置。
  3. 当該エレベータの乗場に設けられ、利用者の操作により乗場呼び登録がなされる乗場呼びボタンを備え、
    前記起動電流記憶手段は、前記乗場呼び登録に応答する際に、前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を記憶し、
    前記給油要否判定手段は、前記乗場呼び登録に応答する際に、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のエレベータの検査装置。
  4. 所定時間以上、利用者の操作による呼び登録がなされなかった場合に、自動的に所定の呼び登録を行う制御盤をさらに備え、
    前記起動電流記憶手段は、前記制御盤により登録された前記所定の呼び登録に応答する際に、前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を記憶し、
    前記給油要否判定手段は、前記制御盤により登録された前記所定の呼び登録に応答する際に、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行うことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のエレベータの検査装置。
  5. 前記起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、前記起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、前記ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油を行うべき時期について判定を行う給油時期判定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のエレベータの検査装置。
  6. 前記給油時期判定手段が判定した前記給油器への前記潤滑油の給油を行うべき時期が、所定の期間以内である場合に、その旨を報知するアラーム手段をさらに備えたことを特徴とする請求項5に記載のエレベータの検査装置。
  7. エレベータの昇降路内に昇降自在に配置された乗りかごと、
    前記昇降路内に立設されたガイドレールと、
    前記乗りかごに設けられ、前記ガイドレールと摺動自在に係合して前記乗りかごの昇降を案内するガイドシューと、
    前記乗りかごに設けられ、前記ガイドシューと前記ガイドレールとの間の摩擦を軽減する潤滑油を前記ガイドレールに供給する給油器と、
    前記乗りかごの昇降を駆動する巻上機と、を備えた既設のエレベータにおいて、
    前記乗りかごの起動時に前記巻上機が必要とする起動電流を計測する起動電流計測手段と、
    前記起動電流計測手段が計測した起動電流実測値を、前記乗りかごの起動位置及び起動方向に対応付けて記憶する起動電流記憶手段と、
    前記起動電流計測手段が計測した今回の起動電流実測値と、前記起動電流記憶手段に記憶された起動電流実測値のうち、前記ガイドレールへの給油状態が正常である、今回以前の起動時における、今回の起動時と同じ起動位置及び起動方向に対応付けられた起動電流実測値と、の比較に基づいて、前記給油器への前記潤滑油の給油要否について判定を行う給油要否判定手段と、を追加して設けることを特徴とするエレベータの検査装置の改修方法。
JP2009090717A 2009-04-03 2009-04-03 エレベータの検査装置及びその改修方法 Active JP5257208B2 (ja)

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