JP3729548B2 - 昇降装置の動作異常診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は走行機構の異常診断を行うエレベーター等の昇降装置の動作異常診断装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
エレベーター等の昇降装置は使用劣化や不良部品あるいは異物の混入等により走行異常や動作異常が起こることがある。昇降装置にかかる異常が発生して走行不能になると、多くの利用者に不便を掛けるので、異常が発生した場合はできだけ早期に異常を検知し、速やかに復旧処置を講じなければならない。この異常の検知ために、従来は異常が発生し易い箇所や重要箇所に多数の動作検知センサーを設置して、該センサーの検知出力を監視する監視装置が異常を検出して発した異常通報を遠隔地に設けられた監視センターに伝送したり、監視員が動作検知センサーの検知出力を調べて昇降装置に異常が発生したことを確認したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の従来技術においては、昇降装置の制御動作が複雑かつ高度になるに従って、動作検知センサーに要求される機能が多様化すると共に高度化し、さらに、設置個数も増大し、動作検知センサーの設置、維持および更新費用が高額になる。また、動作検知センサーの検知出力から昇降装置の異常を判定する場合には、監視員が複数の検知出力の動作タイミングを調べて、それが正常動作時のものか異常動作時のものか判定しなければならないが、それぞれの検知信号の間の関係が重要な判断点となるので、動作検知センサーの検知出力を見て昇降装置の異常を診断できるようになるためには多くの経験と知識が必要であった。従って、監視員の習熟度等によって昇降装置の異常診断結果にばらつきが生じる虞があり、診断結果の信頼性が乏しいという問題点があった。
本発明は従来技術におけるかかる課題に鑑みて為されたものであり、多数の動作検知センサーの設置を必要とせず、経験の乏しい監視員であっても容易に昇降装置のあらゆる走行機構の正確な異常診断ができる安価な昇降装置の動作異常診断装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、電動機により駆動される昇降装置の動作を監視して、その走行機構の異常を診断する昇降装置の動作異常診断装置において、前記電動機の回転速度に基づいて前記昇降装置の走行速度を検出して、該走行速度の交流成分の中の1つまたは複数の周波数の帯域成分を抽出し、該帯域成分の振幅の最大値と予め記憶した前記帯域成分の正常値とを比較し、前記帯域成分の振幅の最大値と前記帯域成分の正常値との差の絶対値と前記正常値との比を演算して帯域成分偏差とし、該帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値を越えていたならば、前記帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所は動作異常と診断し、該帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値以下で、所定の第1の基準値を越えていた場合は、帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所の重要度が高いならば動作異常と診断するとともに制御装置へ運転停止信号を出力してエレベーターの運転を停止させ、重要度が低いならば要点検と診断するとともにエレベーターの運転は続行するようにしたものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
図1は本発明の典型的な実施の形態を示すブロック図である。同図において、1は昇降装置の駆動源である電動機、2は電動機1を制御する制御装置、3は昇降装置の異常を診断する異常診断装置、4は電動機1に連結され、電動機1の回転速度を検出して昇降装置の走行速度信号に変換し、制御装置2に出力する速度検出装置、21は昇降装置の走行を制御する昇降制御部、22は昇降制御部21からの指令に基づいて電動機1に供給される電流を制御する電流制御部、31は昇降制御部21からの指令を検出してその内容を判定する昇降指令検出部、32は昇降指令検出部31が判定した昇降制御部21からの指令内容および速度検出装置4が出力した走行速度信号に基づいて昇降装置の動作異常の有無を診断する異常診断部、33は異常診断部32の診断結果の信号を通信回線を介して外部の例えば、監視センター等に伝送したり、制御装置2に帰還させる転送部である。
【0006】
異常診断部32は昇降指令検出部31が判定した昇降制御部21からの指令内容に従って昇降装置の走行状態を認識すると共に、速度検出装置4が出力した走行速度信号の交流成分を取り出して所定の帯域毎の帯域成分を抽出し、その振幅BWi を予め記憶しておいた正常値BWi0と比較し、その差の絶対値|BWi −BWi0|の正常値BWi0に対する比、即ち、帯域成分偏差Di =|BWi −BWi0|/BWi0の行程内の最大値が第1基準値S1 以下ならば正常、第1基準値S1 を越えて第2基準値S2 以下であり、かつ、判定対象部位が重要度の低い部位ならば要点検、第1基準値S1 を越えており、かつ、判定対象部位が重要度の高い部位の場合、あるいは、判定対象部位が重要度の低い部位であって、第2基準値S2 を越えている場合は昇降装置は異常と診断する。
【0007】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を詳細に説明する。
本実施例は本発明を昇降装置の1つであるエレベーターの異常診断に適用した具体例である。図2は本実施例の異常診断部32の構成を示すブロック図である。同図において、5は制御装置2から受信した走行指令の指令内容に従ってエレベーターの走行状態を認識すると共に、エレベーターの走行速度v信号から取り出された交流成分の所定の帯域Bi 毎の帯域成分bi の振幅BWi を正常値BWi0と比較し、その異常診断を行うCPU、6は速度検出装置4が出力した走行速度v信号を制御装置2を介して受信し、その所定の帯域Bi 毎の帯域成分bi を抽出する濾波回路、7は濾波回路6が抽出したエレベーターの走行速度v信号の交流成分の所定の帯域Bi 毎の帯域成分bi を整流する整流回路、8は整流回路7から出力された走行速度v信号の所定の帯域成分bi を整流した脈流を積分して平滑化する積分回路、9は走行速度v信号の帯域成分bi の振幅の正常値BWi0および帯域成分偏差Di を記憶するメモリである。なお、メモリ9にはエレベーターの走行過程毎に設定された3つの帯域カウンター、即ち、定速帯域カウンターA、加速帯域カウンターBおよび減速帯域カウンターCの値も記憶される。
【0008】
図6は巻上機の平面図、図7はエレベーターの異常診断部位Pと部位Pに対応する走行速度v信号の帯域Bi の関係を示す表図である。図6において、41は第1ピニオン、42は第1ピニオン41に歯合する第1ギヤ、43は第1ギヤ42と同軸に連結された第2ピニオン、44は第2ピニオン43に歯合する第2ギヤである。これらの第1、第2ピニオン41,43および第1、第2ギヤ42,44は螺旋歯車が用いられており、第1ピニオン41から第2ギヤ44まで連続的に駆動力が伝達される。図7において、行には故障診断対象部位が、列には走行速度v信号の帯域Bi の番号iが配列され、これらの交叉位置の○印が両者の関連有りを示している。例えば、電動機1は帯域B1 およびB2 に、巻上機の第2ギヤ44は帯域B2 およびB3 に関連している。
【0009】
ところで、例えば、第1ピニオン41の1つの歯が欠けた場合には、第1ピニオン41が1回転する間に1回だけ第2ギヤ42に駆動力を伝達できなくなる。従って、反作用により第1ピニオン41が1回転する間に1回だけ回転に乱れが生じる。このため、電動機1の回転にも1回転に付き1回の回転の乱れが生じるから、エレベーターの走行速度v信号には電動機1の回転数と同一の周波数の乱れが生じる。このことから、エレベーターの走行速度v信号の帯域B2 を電動機1の回転数と同一の周波数の近傍に設定することにより、第1ピニオン41の異常に関連した知見を得ることができ、第1ピニオン41の異常を診断できることが判る。同様に、他の第2ピニオン43および第1、第2ギヤ42,44に付いても、電動機1の回転数と各歯車毎の減速比に基づいた周波数帯域Bi をこれらの異常の診断に関連して用い得ることが判る。
【0010】
この外、給油器の油切れ等による案内装置やガイドレールの固渋が生じた場合にも、これの固渋に特有の上下振動が発生するから、これらの固有の振動の周波数を異常診断の帯域Bi に設定すれば、これらの帯域Bi の帯域成分bi の振幅の最大値BWiMを調べることにより、案内装置やガイドレールの動作異常を診断することができる。また、ガイドレールが部分的にずれた場合には、衝撃振動と固有周波数の上下振動が発生するから、これらの振動に固有の周波数帯域を異常の診断の帯域Bi に用いることにより、上記異常を正確に診断することができる。このように、エレベーターの走行速度v信号の交流成分の1つまたは複数の特有の帯域Bi の振幅の最大値BWiMの大きさを調べることにより、エレベーターの走行系の全ての動作異常を診断することができる。
【0011】
図8はエレベーターが動き始めてから停止するまでの走行速度vと走行速度指令の具体例を示したグラフである。同図において、実線は走行速度指令、破線は走行速度vを示す。このように、走行速度vは走行速度指令に応じて変化するものの、実際には各走行過程で振動成分が加味される。図9(a)は定速走行中のある期間Tの間の走行速度vと走行速度指令のグラフを拡大して示したものであり、(b)は走行速度v信号の帯域B1 の帯域成分b1 、(c)は走行速度v信号の帯域B2 の帯域成分b2 を抽出した信号のグラフをそれぞれ拡大して示したものである。このように、この具体例では走行速度v信号の帯域B1 の帯域成分b1 および帯域B2 の帯域成分b2 の振幅がやや大きいことから、図7を参照すると、電動機1またはブレーキに異常が生じた可能性がある。
【0012】
図3〜図5はエレベーターの異常診断処理の流れ図である。これらの図を参照して本実施例の動作を説明する。まず、各帯域カウンターA,B,Cの値を初期値、即ち、0に設定する(S1)。次に、帯域Bi 毎の帯域成分bi の振幅BWi の正常値BWi0の少なくとも1つの記憶が終了しているか否かを判断する(S2)。その判断結果が否ならば、エレベーターの部位P毎の重要度VP 、帯域Bi の総数nおよび診断項目mの総数Mの入力を行う(S3)。手順S2の判断結果が然りならば、手順S3を省略する。そして、エレベーターは走行中か否かを判断し(S4)、その判断結果が否ならば手順S2に戻り、その判断結果が然りならば、エレベーターは加速走行中か否かを判断する(S5)。その判断結果が否ならば、エレベーターは減速走行中か否かを判断する(S6)。手順S5の判断結果が然りならば、加速帯域カウンターCの値を1つ歩進させ(S7)、手順S6の判断結果が然りならば、減速帯域カウンターBの値を1つ歩進させる(S8)。手順S6の判断結果が否ならば定速走行中と判断して定速帯域カウンターAの値を1つ歩進させる(S9)。
【0013】
次に、図4に移って、制御装置2を介してエレベーターの走行速度v信号を受信して取り込む(S10)。そして、走行速度v信号の交流成分の帯域カウンターの設定値に対応した帯域Bi の帯域成分bi を濾波回路6の出力から取り込み(S11)、整流回路7で整流させた後、積分回路8で積分させて帯域成分bi の振幅BWi を求め、その行程内の最大値BWiMを取り込む(S12)。次に、当該走行過程での当該帯域Bi の帯域成分bi の正常値BWi0が既に記憶されているか否かを判断して(S13)、その判断結果が否ならば、手順S12で求めた当該帯域Bi の帯域成分bi の行程内の振幅の最大値BWiMを帯域カウンターの当該設定値に対応した正常値BWi0として記憶する(S14)。そして、帯域カウンターA,B,Cの値が全てnとなっているか否かを判断して(S15)、その判断結果が否ならば、手順S4に戻って手順S14に到るまでの当該走行過程での帯域Bi の正常値BWi0の記憶のための処理を繰り返し、手順S15の判断結果が然りならば最初の手順S1に戻る。
【0014】
手順S13の判断結果が然りならば、全ての帯域カウンターの設定値に対応した帯域Bi の正常値BWi0の記憶は終了していると判断して、当該正常値BWi0をメモリ9から読み出して当該帯域Bi の帯域成分bi の帯域成分偏差Di =|BWi −BWi0|/BWi0を演算する(S16)。そして、この値が10%以下か否かを判断する、行程内の振幅の最大値BWiMと当該正常値BWi0とを比較する第1の比較のための処理を行い(S17)、その判断結果が然りならば、帯域成分偏差Di をメモリ9に記憶させる(S18)。そして、帯域カウンターA,B,Cの値が全てnとなっているか否かを判断して(S19)、その判断結果が否ならば、手順S4に戻って手順S18に到るまでの当該走行過程での帯域Bi の帯域成分bi の振幅の最大値BWiMを正常値BWi0と比較するための処理を繰り返し、手順S19の判断結果が然りならば、図5の手順S20に移る。手順S17の判断結果が否ならば誤検出と判断して、最初の手順S1に戻り、帯域Bi の帯域成分bi の行程内の振幅の最大値BWiMと正常値BWi0の比較ための処理を繰り返す。
【0015】
図5の手順S20では、診断項目mの値を1つ歩進させる。そして、診断項目(m−1)の部位Pに対応する帯域Bi の帯域成分偏差Di をメモリ9から読み出して(S21)、帯域成分偏差Di は第1基準値S1 =3%以上か否かを判断する(S22)。その判断結果が否ならば、診断項目(m−1)の部位Pに対応する次の帯域Bi+1 は無いか否かを判断して(S23)、その判断結果が否ならば、部位Pに対応する次の帯域Bi+1 に移った後(S24)、手順S21に戻り、帯域成分偏差Di+1 と正常値BWi+1,0 との第2の比較のための処理を繰り返す。手順S23の判断結果が然りならば、即ち、診断項目(m−1)の部位Pに対応する全ての帯域Bi の帯域成分偏差Di の第1基準値S1 に対する第2の比較のための処理が終了したならば、診断項目mはその総数Mに達したか否かを判断して(S25)、その判断結果が否ならば、手順S20に戻って、診断項目mの値を1つ歩進させ、次の診断項目mの部位Pに対応する帯域Bi の帯域成分偏差Di の第2の比較のための処理を継続する。そして、診断項目mが総数Mに等しくなった、即ち、全ての診断項目mについて部位Pに対応する帯域Bi の帯域成分偏差Di の第2の比較のための処理が全て終了したならば、運転続行の信号を制御装置2に出力して(S26)、エレベーターの運転をそのまま継続させる。
【0016】
手順S22の判断結果が然りならば、即ち、ある部位Pに対応する帯域Bi の帯域成分偏差Di が第1基準値S1 以上であった時は、当該部位Pの重要度VP をメモリ9から読み出して、それが低いか否かを判断する(S27)。その判断結果が然りならば、当該帯域Bi の帯域成分偏差Di は第2基準値S2 =5%以下か否かを判断する(S28)。手順S27あるいは手順S28の何れかの判断結果が否、即ち、当該部位Pの重要度VP が高い場合、あるいは、当該帯域Bi の帯域成分偏差Di が第2基準値S2 を越えていた場合は、早急な対策が必要と判断して、異常信号と共に運転停止の信号を制御装置2に出力して(S29)、エレベーターの運転を停止させる。制御装置2は運転停止の信号を受信すると、エレベーターの乗りかごを最寄り階まで移動させて、そこで停止させる。なお、停止信号、当該部位Pおよび当該帯域Bi の帯域成分偏差Di は転送部33より通信回線を介して監視センター等に伝送される。手順S28の判断結果が然り、即ち、当該部位Pの重要度VP が低く、当該帯域Bi の帯域成分偏差Di は第2基準値S2 =5%以下ならば、要点検信号と共に運転続行の信号を制御装置2に出力して(S30)、エレベーターの運転をそのまま継続させる。なお、この場合も要点検信号、当該部位Pおよび当該帯域Bi の帯域成分偏差Di は転送部33より通信回線を介して監視センター等に伝送される。
【0017】
そして、当該部位Pに対応する次の帯域Bi+1 は無いか否かを判断して(S31)、その判断結果が否ならば、手順S21に戻り、上述の手順S30に到るエレベーターの異常診断のための処理を繰り返す。手順S31の判断結果が然りならば、即ち、当該部位Pに対するエレベーターの異常診断のための処理が終了したならば、診断項目mはその総数Mに達したか否かを判断して(S32)、その判断結果が否ならば、手順S20に戻って、次の部位Pに対するエレベーターの異常診断のための処理を繰り返し、手順S32の判断でm=M、即ち、全ての診断項目mについて部位Pに対応するエレベーターの異常診断のための処理が終了したならば、このエレベーターの異常診断処理のルーチンを終了する。
【0018】
本実施例ではエレベーターの走行速度v信号の帯域Bi の帯域成分偏差Di が第1基準値S1 以上であっても、故障診断対象部位Pの重要度VP が低く、第2基準値S2 以下ならば、要点検信号を発するものの、エレベーターの運転はそのまま継続されるので、エレベーターの運転効率が優れた異常診断となる。また、帯域Bi の帯域成分偏差Di の大きさを加速、定速および減速の各走行行程毎に調べてエレベーターの動作異常を診断するので、従来の方式と全く異なり、従来は診断できなかった対象項目の部位Pの動作異常をも診断でき、しかも、各走行行程毎に特有の特性を勘案して精密に診断することができる。なお、本実施例では帯域Bi の帯域成分bi の正常値BWi0は初回の走行過程での値としたが、これに限らず、予め所定値を設定するようにしても良いし、走行毎に帯域成分bi の正常値を更新しても良い。後者の方式を採用すれば、エレベーターの正常な経年劣化や使用劣化による特性変化分を補正して異常な特性変化分だけを抽出することができる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電動機の回転速度に基づいた昇降装置の走行速度の交流成分の中の一つまたは複数の周波数の帯域成分の振幅の最大値と予め記憶した前記帯域成分の正常値との差の絶対値と前記正常値との比を演算して、その値が所定の第2の基準値を超えていたならば、前記帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所は動作異常と診断するようにしたので、多数の動作検知センサーの設置を必要とせず、経験の乏しい監視員であっても、昇降装置の従来はできなかった部位を含むあらゆる走行機構の正確な異常診断を容易かつ安価に行うことができる。また、帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値以下で、所定の第1の基準値を超えていた場合は、帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所の重要度が高いならば動作異常、重要度が低いならば要点検と診断するようにしたので、昇降装置の重要度が低く第2の基準値以下ならば、昇降装置の運転はそのまま継続されるから、昇降装置の運転効率が優れた異常診断を行うことができる。更に、昇降装置の加速、定速および減速の各走行工程毎に昇降装置の走行機構の異常を診断するようにしたので、各走行工程毎に特有の特性を勘案した精密な異常診断をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の典型的な実施の形態を示すブロック図
【図2】本実施例の異常診断部の構成を示すブロック図
【図3】エレベーターの異常診断処理の流れ図
【図4】図3に続く異常診断処理の流れ図
【図5】図4に続く異常診断処理の流れ図
【図6】巻上機の平面図
【図7】エレベーターの異常診断部位と対応する走行速度信号の帯域番号の関係を示す表図
【図8】エレベーターの各走行行程における走行速度と走行速度指令の具体例を示した波形図
【図9】定速走行中の走行速度と走行速度指令の拡大波形図、走行速度信号の帯域B1 の帯域成分b1 の拡大波形図および帯域B2 の帯域成分b2 の拡大波形図
【符号の説明】
1 電動機
2 制御装置
3 異常診断装置
4 速度検出装置
5 CPU
6 濾波回路
7 整流回路
8 積分回路
9 メモリ
21 昇降制御部
22 電流制御部
31 昇降指令検出部
32 異常診断部
33 転送部

Claims (2)

  1. 電動機により駆動される昇降装置の動作を監視して、その走行機構の異常を診断する昇降装置の動作異常診断装置において、
    前記電動機の回転速度に基づいて前記昇降装置の走行速度を検出して、該走行速度の交流成分の中の1つまたは複数の周波数の帯域成分を抽出し、該帯域成分の振幅の最大値と予め記憶した前記帯域成分の正常値とを比較し、前記帯域成分の振幅の最大値と前記帯域成分の正常値との差の絶対値と前記正常値との比を演算して帯域成分偏差とし、該帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値を越えていたならば、前記帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所は動作異常と診断し、該帯域成分偏差の値が所定の第2の基準値以下で、所定の第1の基準値を越えていた場合は、帯域成分に関連付けられた昇降装置の箇所の重要度が高いならば動作異常と診断するとともに制御装置へ運転停止信号を出力してエレベーターの運転を停止させ、重要度が低いならば要点検と診断するとともにエレベーターの運転は続行するようにしたことを特徴とする昇降装置の動作異常診断装置。
  2. 昇降装置の加速、定速および減速の各走行行程毎に昇降装置の走行機構の異常を診断するようにしたことを特徴とする請求項1記載の昇降装置の動作異常診断装置。
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