JP5255557B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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本発明は、魚釣用スピニングリールに関する。
従来の一般的な魚釣用スピニングリールは、リール本体に回転可能に支持されたロータに釣糸案内部を有するベール支持部材が設けられており、このベール支持部材が釣糸巻取位置から釣糸放出位置へ回転可能に支持された構成となっている。そして、ロータは、ハンドルを回転操作することで、リール本体内に収容された駆動機構を介して回転駆動されるようになっており、また、駆動機構によって往復動されるスプールに対して、釣糸が釣糸案内部を介して巻回されるようになっている。
そして、釣糸放出時には、ベール支持部材を釣糸巻取位置から釣糸放出位置へ反転操作して釣糸を放出し、釣糸放出後には、ベール支持部材を元の釣糸巻取位置に返してハンドルを回転操作することにより釣糸案内部を介してスプールに釣糸が巻回されるようになっている。
そして、駆動機構の一部をなすスプール軸には、スプールとドラグ制動部材が嵌合されており、スプール軸の先端に螺合されたドラグ制動調節用のドラグ調節体で制動部材の締め付け調整を行うことによって、ドラグ制動力が調整されるように構成されている。
ところで、実釣時には、釣糸の張力変化や風等の影響によりスプールに巻回される釣糸が脱落してスプール内に入り込み、スプール軸に絡み付いたりすることがある。このような場合には、スプール軸からスプールを取り外して釣糸の絡み付きを解く必要がある。また、釣糸を交換する場合に、スプールごと取り外して、他の釣糸を巻き付けておいたスプールに交換することがある。これらの場合には、前記したドラグ調節体の締め付けを緩めて、ドラグ調節体をスプール軸の先端から取り外す必要があるが、その際に、誤ってドラグ調節体を落下させるおそれがあり、紛失する可能性があった。例えば、海中に落として回収が困難になってしまうと、そのスピニングリールで釣行を続けることが不可能となる。
そこで、従来では、ドラグ調節体に脱落防止のための機構を設けてドラグ調節体の落下の防止を図っていた(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1では、ばねを利用して、ばねにドラグ調節体が引っ掛かるように構成して脱落防止を図り、ドラグ調節体を強く引くことによってドラグ調節体の引っ掛かりを解除してドラグ調節体をスプール軸から取り外せるように構成している。
一方、特許文献2では、ドラグ調節体にワッシャーを設け、スプール軸に対するドラグ調節体の螺合が解除された後もワッシャーがスプール軸のねじに螺合するように構成して脱落防止を図り、さらにワッシャーの螺合を解除することでドラグ調節体をスプール軸から取り外せるように構成している。
実公昭46−15643号公報 実開昭63−122076号公報
通常、魚釣用スピニングリールは、使用環境の厳しい場所で使用されるため、実釣時に、スプールとドラグ調節体との隙間等を介して海水や異物等がドラグ機構に向けて侵入し易いという問題がある。
しかしながら、特許文献1,2では、このような侵入に対して工夫がなされていなかった。
そこで、公知のドラグ機構の防水技術を特許文献1,2に記載の脱落防止技術に組み合わせることが考えられる。しかしながら、そのようにすると、部品点数の増加や設計構造の観点からの制約が多くなってしまい、実現には至っていない。
本発明は、前記問題を解決するためになされたものであり、ドラグ調節体の脱落を好適に防止することができるとともに、ドラグ機構をなす制動部材の防塵、防水を図ることができる魚釣用スピニングリールを提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明の魚釣用スピニングリールは、リール本体に前後動可能に支持されたスプール軸に取り付けられ、ドラグ機構をなす制動部材を内側に収容可能な円筒状のスプールと、前記スプール軸の先端に螺合され、螺合による締め付け力により前記制動部材に当接して当該制動部材の摩擦結合力を調整可能とするドラグ調節体と、を備えた魚釣用スピニングリールにおいて、前記スプールまたは前記ドラグ調節体の一方の側から他方の側へ向けて突設され、前記スプールと前記ドラグ調節体との間に形成される空間を塞ぐようにして、先端周部が前記他方の側の対向面に摺接される弾性変形可能な防水シール部材と、前記他方の側の対向面から前記一方の側へ向けて突設され、前記防水シール部材の前記先端周部が係脱可能に係止される係止突部と、を備え、前記防水シール部材の前記先端周部は、前記スプール軸に対する前記ドラグ調節体の螺合を解除した状態で、前記係止突部に係止可能であることを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、弾性変形可能な防水シール部材は、スプールとドラグ調節体との間に形成される空間を塞ぐようにして突設され、先端周部が他方の側の対向面に摺接されるようになっているので、ドラグ調節体の移動を可能としながらスプールとドラグ調節体との間のシール性を確保することができる。
さらに、防水シール部材の先端周部は、スプール軸に対するドラグ調節体の螺合を解除した状態で、係止突部に係脱可能に係止されるので、ドラグ調節体の螺合が解除された後も、スプールに対してドラグ調節体を弾性力の作用で係止させることができる。
また、本発明は、前記防水シール部材は、前記スプール側から前記ドラグ調節体側へ向けて突設されており、前記先端周部が前記ドラグ調節体の対向面に摺接されることを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、防水シール部材の先端周部となる内周部がドラグ調節体の対向面に摺接することとなるので、これとは反対に、ドラグ調節体側からスプール側へ向けて防水シール部材が突設されて、その先端周部となる外周部がスプールの対向面に摺接する場合に比べて、摺接する部分の長さ(円周)を短くすることができる。
また、本発明は、前記スプール軸に前記ドラグ調節体を螺合した状態において、前記スプール軸と前記ドラグ調節体との螺合可能な長さをLnとし、前記他方の側の対向面における前記先端周部の当接位置から前記係止突部までの長さをLとしたときに、Ln<Lを満足することを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、スプール軸とドラグ調節体との螺合可能な長さLnよりも、他方の側の対向面における先端周部の当接位置から係止突部までの長さLが長くされているので、ドラグ調節体を緩めて螺合状態が解除され始めた状態において、防水シール部材の先端周部を他方の側の対向面上に位置させることができる。
また、本発明は、前記防水シール部材が、前記ドラグ調節体の締め付けを緩めて前記スプール軸から前記ドラグ調節体を取り外す際に、前記先端周部が前記係止突部に係止した状態で前記ドラグ調節体の取り外し方向に傾斜可能であり、前記スプール軸と前記ドラグ調節体との螺合可能な長さをLnとし、前記ドラグ調節体を最大に締め付けた位置から、前記ドラグ調節体の締め付けを緩めて前記先端周部に前記係止突部が当接する位置まで前記ドラグ調節体が移動する長さをLとし、前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り外し方向に傾斜する際の当該防水シール部材の傾斜可動する部分の長さをLとし、前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り外し方向に傾斜する際の前記傾斜可動する部分の傾斜角度をθとし、前記係止突部における前記他方の側の対向面からの突出高さをLとしたときに、Ln>L、sinθ=(Ln−L)/L、L>L(1−cosθ)の各式を全て満足することを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、前記各式を満たすことで、スプール軸とドラグ調節体との螺合が解除された状態において、防水シール部材は、先端周部が係止突部に係止した状態を維持しながらドラグ調節体の取り外し方向に傾斜する状態となり、スプールにドラグ調節体が保持されることとなる。
また、本発明は、前記先端周部および前記係止突部の少なくとも一方に、当該先端周部と当該係止突部との係止を保持するための保持手段が設けられていることを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、保持手段によって先端周部と係止突部との係止が好適に保持されるようになり、スプールとドラグ調節体との係止状態が維持され易くなる。
また、本発明は、前記防水シール部材は、前記スプール軸に前記ドラグ調節体を螺合して取り付ける際に、前記ドラグ調節体の取り付け方向に移動する前記係止突部に前記先端周部が押圧されて、前記ドラグ調節体の取り付け方向に傾斜可能であり、その傾斜角度は、前記ドラグ調節体を取り外す際に傾斜する際の傾斜角度に比べて小さくなるように設定されていることを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、スプール軸にドラグ調節体を螺合して取り付ける際の防水シール部材の傾斜角度が、ドラグ調節体を取り外す際に傾斜する際の傾斜角度に比べて小さくなるように設定されているので、ドラグ調節体を取り外す際には、傾斜角度が大きくなり、その分、取り外し方向に係止状態が比較的長く維持されるようになる。また、ドラグ調節体を取り付ける際には、傾斜角度が小さくされている分、先端周部が係止突部を乗り越え易くなり、押圧による係止状態が比較的短くなる。
また、本発明は、前記防水シール部材は、前記スプール軸に前記ドラグ調節体を螺合して取り付ける際に、ドラグ調節体の締め付け方向に移動する前記係止突部に前記先端周部が当接して押圧されて、締め付け方向に傾斜可能であり、前記先端周部に前記係止突部が当接した位置から、締め付け方向にさらに前記ドラグ調節体が締め付けられて、前記先端周部が前記係止突部を乗り越えるようにして係止状態が解除される位置までの前記ドラグ調節体の移動する長さをLとし、前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り付け方向に傾斜する際の当該防水シール部材の傾斜可動する部分の長さをL21とし、前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り付け方向に傾斜する際の前記傾斜可動する部分の傾斜角度をθとし、前記係止突部における前記他方の側の対向面からの突出高さをLとしたときに、sinθ=L/L21、L<L21(1−cosθ)を満足することを特徴とする。
この魚釣用スピニングリールによれば、前記式を満たすことで、防水シール部材は、ドラグ調節体の取り付け方向に移動する係止突部に先端周部が押圧されて、取り付け方向に傾斜する状態となり、さらにドラグ調節体が締め付けられることで、先端周部が係止突部を乗り越えて押圧状態が解除されることとなる。
本発明によれば、防水シール部材により、ドラグ調節体の移動を可能としながらスプールとドラグ調節体との間のシール性を確保することができるので、ドラグ機構をなす制動部材の防塵、防水を図ることができる。
また、ドラグ調節体の螺合が解除され始めた後も、防水シール部材を介して、スプールにドラグ調節体を弾性力の作用で係止させることができるので、ドラグ調節体の脱落を好適に防止することができる。これにより、誤ってドラグ調節体を落下させてしまうことがなくなり、スプール交換時等の取り扱いが容易になる。
また、先端周部と係止突部との係止状態を解除することによりスプールからドラグ調節体を取り外すことができるので、ドラグ調節体の脱落を好適に防止することができる構成でありながら、スプールの交換やメンテナンス等も簡単に行うことができる。
また、防水シール部材が、スプール側からドラグ調節体側へ向けて突設された構成では、ドラグ調節体側からスプール側へ向けて防水シール部材が突設された場合に比べて、摺接する部分の長さ(円周長さ)を短くすることができるので、ドラグ機構を介してスプールが回転する際に防水シール部材を介して生じる抵抗を可及的に小さくすることができ、魚等の引きによる釣糸の繰り出しがスムーズになる。したがって、ドラグ機構を介したスプールの回転フィーリング性が向上する。
また、スプール軸とドラグ調節体との螺合可能な長さLnよりも、他方の側の対向面における先端周部の当接位置から係止突部までの長さLが長くされた構成では、ドラグ調節体を緩めて螺合状態が解除され始めた状態において、防水シール部材の先端周部を他方の側の対向面上に位置させることができるので、ドラグ調節体の脱落を確実に防止することができる。
そして、Ln<Lを満足する範囲においては、螺合状態を解除した後に防水シール部材が傾斜することなく係止突部に係止されることとなるので、防水シール部材が傾斜した状態で係止突部に係止される場合に比べて、係止突部の対向面からの突出高さを低くすることができるようになり、設計の自由度が高まる。
また、前記した各式、Ln>L、sinθ=(Ln−L)/L、L>L(1−cosθ)を全て満足する構成では、防水シール部材の先端周部が傾斜した状態で係止突部に係止されるようになり、ドラグ調節体の脱落を好適に防止することができる。
また、傾斜した状態で先端周部と係止突部との係止状態が維持されることとなるので、スプール周りの各寸法の設計の自由度が高まる。
さらに、防水シール部材は、傾斜しながらその先端周部が係止突部に係止されるようになっているので、前記した長さLを可及的に短くすることができ、その分、ドラグ機構をなす制動部材の制動板やライニング材の数を増やすことができる。これにより、ドラグ機構の高性能化に対応可能な魚釣用スピニングリールが得られる。
また、先端周部および係止突部の少なくとも一方に保持手段が設けられている構成では、スプールとドラグ調節体との係止状態が維持され易くなるので、ドラグ調節体の脱落をより一層好適に防止することができる。
さらに、スプール軸にドラグ調節体を螺合して取り付ける際の防水シール部材の傾斜角度が、ドラグ調節体を取り外す際に傾斜する際の傾斜角度に比べて小さくなるように設定されている構成では、ドラグ調節体を取り外す際の係止状態が比較的長く維持されるので、ドラグ調節体が脱落するのを好適に防止することができ、また、ドラグ調節体を取り付ける際の押圧による係止状態が比較的短くなるので、ドラグ調節体の取り付けをスムーズに行うことができる。
また、前記した各式、sinθ=L/L21、L<L21(1−cosθ)を満足する構成では、防水シール部材の先端周部が、ドラグ調節体の取り付け方向に移動する係止突部に押圧されて、取り付け方向に傾斜する状態となり、さらにドラグ調節体が締め付けられることで、先端周部が係止突部を乗り越えて押圧状態が解除されることとなるので、ドラグ調節体の取り付け時に先端周部と係止突部との押圧状態を確実に解除することができ、ドラグ調節体の取り付けをスムーズに行うことができる。
(a)は本発明の第1実施形態に係る魚釣用スピニングリールの全体構成を示す一部断面図、(b)は要部の構成を示す拡大断面図である。 (a)はドラグ調節体を締め付けた状態を示す要部の拡大断面図、(b)は図2(a)における防水シール部材の当接状態を示す模式図である。 (a)はドラグ調節体とスプール軸との螺合が解除され始めた状態を示す要部の拡大断面図、(b)は図3(a)における防水シール部材の当接状態を示す模式図である。 (a)はドラグ調節体を取り付ける際に防水シール部材の先端周部が係止突部を乗り越えた状態を示す要部の拡大断面図、(b)は図4(a)における防水シール部材の当接状態を示す模式図である。 (a)は本発明の第2実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部の構成を示す拡大断面図、(b)は図5(a)における防水シール部材が傾斜した際の様子を示す模式図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部の構成を示す拡大断面図、(b)は図6(a)における防水シール部材が傾斜した際の様子を示す模式図である。 (a)は本発明の第4実施形態に係る魚釣用スピニングリールの要部の構成を示す拡大断面図、(b)は図7(a)における防水シール部材が傾斜した際の様子を示す模式図である。 本発明の魚釣用スピニングリールの変形例を示す要部の拡大断面図である。
以下、本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について図面を参照しながら説明する。各実施形態において、同一の部分には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の説明において、「前後」を言うときは、図1に示した方向を基準とする。
(第1実施形態)
図1に示すように、主として、魚釣用スピニングリールは、図示しない釣竿に装着するための脚部1Aが形成されたリール本体1と、リール本体1の前方に回転可能に設けられたロータ2と、このロータ2の回転運動と同期して前後方向移動可能に設けられたスプール3とを有して構成される。
リール本体1には、図示しない軸受を介してハンドル軸4が回転可能に支持されており、その図示しない突出端部には、巻き取り操作されるハンドル5が取り付けられている。ハンドル軸4には、図示しない軸筒が、回り止めされて固定されている。この軸筒には、ロータ2を巻き取り駆動するための内歯が形成されたドライブギヤ6が一体的に形成されている。このドライブギヤ6は、ハンドル軸4と直交する方向に延出するとともに内部に軸方向に延出する空洞部を有する駆動軸筒8のピニオンギヤ8aに噛合している。
駆動軸筒8は、軸受を介して回転可能に支持されており、その空洞部には、ハンドル軸4と直交する方向に延出し、先端側にスプール3が取り付けられるスプール軸9が、軸方向に移動可能に挿通され、支持されている。
スプール軸9の後端部には、スプール軸9を前後動させるためのオシレーティング機構が設けられている。オシレーティング機構は、少なくとも、ドライブギヤ6の歯車6aに噛合する連動歯車6bに設けられた偏芯突部7aと、スプール軸9の後端部に取り付けられた摺動子7と、この摺動子7に設けられ、偏芯突部7aと係合する案内溝7bと、摺動子7と係合して摺動子7の往復動を案内する図示しないガイドと、を含んで構成されている。
駆動軸筒8はスプール3側に向けて延出しており、その前端部において、ナット2aを介してロータ2が取り付けられている。また、駆動軸筒8には、その中間部分に転がり式の図示しない一方向クラッチが取り付けられており、リール本体1の外部に取り付けられた切換部材1cを回動操作することで、一方向クラッチを作動状態と非作動状態とに切り換えるように構成されている。この場合、切換部材1cを作動状態に切り換えることで、ハンドル5(ロータ2)の逆転方向の回転(釣糸放出方向の回転)が防止されるようになっている。
ロータ2は、スプール3のスカート部3a内に位置する円筒部2bと、一対のアーム部2c,2dを具備している。各アーム部2c,2dの前端部には、ベール支持部材2e,2fが釣糸巻取位置と釣糸放出位置との間で回動自在に支持されており、これらのベール支持部材2e,2f間には、放出状態にある釣糸をピックアップするベール2gが配設されている。ベール2gは、一方の基端部がベール支持部材2eに一体的に設けられた図示しない釣糸案内部に取り付けられており、他方の基端部がベール支持部材2fに取り付けられている。
スプール3は、スカート部3aと前側フランジ3bとの間に図示しない釣糸が巻回される釣糸巻回胴部3cを備えており、スプール軸9にドラグ機構をなす制動部材10を介して摩擦結合され、スプール軸9の先端部に螺合されて取り付けられるドラグ機構をなすドラグ調節体20を回動操作することでスプール3のドラグ力が調節される。
ドラグ機構は、スプール軸9に回転可能に支持されたスプール3に対して所望の制動力、すなわちスプール3に巻回された釣糸が繰り出された際に、スプール3に対して所望の制動力を与えるようになっており、制動部材10と、ドラグ調節体20とを備えて構成されている。
制動部材10は、図1(b)に示すように、スプール3の内側に設けられた円筒状の仕切壁3hに仕切られて形成された収容室3d内に収容されており、スプール軸9に対して軸方向に移動可能で回り止め嵌合された2枚の制動板11a,11cと、収容室3dの内面に設けられた溝部3eに係止される突部を備え、スプール3とともに回転される1枚の制動板11bと、制動板11a,11b間、制動板11b,11c間、制動板11cの側方に、それぞれ配置された3枚のライニング材12とを備えて構成されている。
これらの部材からなる制動部材10は、ドラグ調節体20が締め付けられた際に、図2(a)に示すように、後記する押圧部材25の摺動によるドラグスプリング23の付勢力によりスプール側部材21の後面21d’によって押圧され、スプール3の前端面3fとの間に圧接される。これによって、スプール3に対して所望のドラグ力を生じさせる。
図1(b)に示すように、収容室3dの内面には、リング状の規制部材13が係合されており、この規制部材13は、制動板11bが収容室3dの前端開口に向けて移動するのを規制している。
収容室3dの開口には、弾性変形可能な防水シール部材30が取り付けられている。防水シール部材30は、合成ゴム等の材料(例えば、ブチレンゴム)からなる円環状の部材であり、スプール3側からドラグ調節体20側に向けて突設され、スプール3とドラグ調節体20(スプール側部材21の胴部21b)との間に形成される空間をスプール軸9の軸方向に塞ぐようになっている。
防水シール部材30は、収容室3dの前端開口に取り付けられる断面略コ字形状の取付部31と、取付部31に一体的に設けられた円板状の可動部32とを備え、可動部32の先端周部33(内周部)が対向面となる胴部21bの外周面21cの周方向の全体に摺接されるようになっている。
取付部31は、可動部32よりも肉厚に形成されており、仕切壁3hの前端周部に形成された周溝3gに嵌合する嵌合部31aを備えている。可動部32は、取付部31よりも薄肉に形成され、スプール軸9に向けて直交するように延設されている。可動部32の内周側には、ドラグ調節体20のスプール側部材21が位置するようになっており、その胴部21bの外周面21cに、可動部32の先端周部33が周状に弾力をもって当接するようになっている。
可動部32は、後記するように、ドラグ調節体20の締め付けを緩めてスプール軸9からドラグ調節体20を取り外す際に、先端周部33が外周面21cの後端部に突設された係止突部24に係脱可能に係止するようになっており、係止した状態でドラグ調節体20の取り外し方向(スプール3の前方)に向けて傾斜可能となっている(図3(a)(b)参照)。
つまり、ドラグ調節体20の締め付けを緩めてドラグ調節体20の螺合状態を解除すると、係止突部24が防水シール部材30の先端周部33に当接して係止され、図3(b)に示すように、取り外し方向に移動する係止突部24に先端周部33が引っ張られて、ドラグ調節体20の取り外し方向に係止状態を維持しつつ傾斜する。したがって、ドラグ調節体20とスプール軸9との螺合状態が解除された後も、防水シール部材30を介してスプール3にドラグ調節体20が保持されるようになっている。
また、可動部32は、後記するように、スプール軸9にドラグ調節体20を螺合して取り付ける際に、ドラグ調節体20の取り付け方向に移動する係止突部24により先端周部33が押圧されることで、ドラグ調節体20の取り付け方向に向けて傾斜可能となっている(図4(a)(b)参照)。
つまり、ドラグ調節体20を取り付ける際に締め付けていくと、係止突部24が防水シール部材30の先端周部33に当接し、取り付け方向に移動する係止突部24により、図4(a)に示すように、先端周部33が押圧されてドラグ調節体20の取り付け方向に可動部32が略円錐状に傾斜するようになっている。そして、ドラグ調節体20がさらに締め付けられることによって、先端周部33が係止突部24を乗り越えて、先端周部33と係止突部24との押圧状態(係止状態)が解除されることとなる。
なお、このような可動部32の傾斜の詳細については後記する。
ここで、防水シール部材30は、図2(b)に示すように、前面側に段差32aを形成して取付部31と可動部32との境界部分が形成されている。本実施形態では、段差32aがアール状に形成されているので、この部分に応力が集中することがなく、可動部32の好適な略円錐状の傾斜を実現している。
また、段差32aがアール状に形成されているので、可動部32がドラグ調節体20の取り外し方向(スプールの前方)に向けて略円錐状に傾斜する(折れ曲がる)際に、折れ曲がり部分を仕切壁3hの先端部側に押し付けるように作用し、折れ曲がり部分(取付部31)がバタつくことが抑制されるようになっている。
なお、段差32aを形成する位置は、防水シール部材30の径方向において任意に設定することができ、折れ曲がる位置を変更することによって可動部32の長さ(折れ曲がりの長さ)を変更することができる。
本実施形態においては、ドラグ調節体20の取り外し方向に可動部32が傾斜する長さLと、取り付け方向に可動部32が傾斜する長さL21とが同じ長さ(L=L21)となるように設定されている(図3(a)(b)、図4(a)(b)参照)。
図1(b)を参照して、ドラグ調節体20は、スプール3の回転を制動するドラグ力の強弱の調節を行うとともに、スプール軸9に螺合された状態でスプール3の抜け止めを果たす役割をなすものであり、スプール3側に設けられるスプール側部材21と、このスプール側部材21に対して回動可能に、かつスプール軸9の軸方向に移動が規制されて係止された調節操作部材22とを備えて構成される。
スプール側部材21は、前側に開口する中空部21aを備えた断面略ハット状を呈しており、その中空部21aに、ドラグスプリング23が収容されるようになっている。スプール側部材21の後部21dには、スプール軸9が挿通される挿通孔21eが形成されており、スプール側部材21は、この挿通孔21eを介し、スプール軸9に対して、その軸方向に移動可能にかつ回り止め嵌合されている。そして、スプール軸9にドラグ調節体20が取り付けられて締め付けられた状態(図2(a)参照)で、スプール側部材21の後部21dは、収容室3d内に配置され、その後面21d’で制動部材10の制動板11aを押圧するようになっている。この状態で、スプール側部材21の円筒状の胴部21bの外周面21cには、防水シール部材30の先端周部33が当接するように(摺接可能に)なっている。
胴部21bの後端外周部には、図2(b)に示すように、外周面21cからスプール3側へ向けて断面略半球状の係止突部24が突設されている。この係止突部24には、ドラグ調節体20の取り付け取り外し時に、防水シール部材30の先端周部33が係脱可能に係止されるようになっている。係止突部24と先端周部33との係止についての詳細は後記する。
図1(b)を参照して、調節操作部材22は、堤状に突出形成された操作部(摘み部)22aを備え、スプール側部材21の前面側に取り付け固定されている。そして、調節操作部材22は、スプール側部材21の中空部21aに連通する凹部22bを後側に有しており、その凹部22bに、スプール軸9の先端部に形成された雄ねじ部9aに螺合可能な雌ねじ部25aを有する筒状の押圧部材25が配置されている。押圧部材25の後面にはドラグスプリング23の前端部が付勢力をもって当接するようになっている。
本実施形態では、凹部22bが六角形等の角穴中空とされており、押圧部材25は、この角穴中空に対応する外形状を備えて構成されて、凹部22bに対して軸方向に移動可能に、かつ回り止め嵌合されて配置されている。
これによって、調節操作部材22を回動操作すると、押圧部材25は、スプール軸9に沿って回動しながら、図2(a)に示すように、凹部22b内を移動することとなり、その移動に伴って、ドラグスプリング23の付勢力を調節して、所望の制動力を制動部材10に与えるようになっている。
次に、防水シール部材30とドラグ調節体20の係止突部24との関係について説明する。
本実施形態では、スプール軸9とドラグ調節体20の押圧部材25との螺合可能な長さをLn(図1(a)参照)とし、ドラグ調節体20を略最大に締め付けた位置(略最大のドラグ力が得られるように絞め付けた位置)からドラグ調節体20の締め付けを緩めて先端周部33に係止突部24が当接する位置までドラグ調節体20(スプール側部材21)が移動する長さをLとしたときに(図2(b)参照)、Ln>Lとなるように設定されている。
つまり、ドラグ調節体20の締め付けを緩めていくと、押圧部材25の雌ねじ部25aとスプール軸9の雄ねじ部9aとの螺合が解除される前に、先端周部33に係止突部24が当接するように設定されている。したがって、押圧部材25とスプール軸9との螺合が解除され始めた時点で、防水シール部材30の可動部32は、ドラグ調節体20の取り外し方向に傾斜した状態となる。
そこで、押圧部材25とスプール軸9との螺合が解除され始めた状態において、係止突部24に先端周部33が係止されるように、本実施形態では、各部の関係を次のように設定している。
すなわち、図3(b)に示すように、防水シール部材30において傾斜可動する部分となる可動部32の長さをLとし、防水シール部材30の可動部32がドラグ調節体20の取り外し方向に傾斜する際の傾斜角度をθとし、係止突部24における外周面21cからの突出高さをLとし、先端周部33が係止突部24に係止しているときの高さをLaとしたときに、次式(1)〜(3)を満足するように設定している。
La = L−Lcosθ = L(1−cosθ)・・・(1)
sinθ = (Ln−L)/L ・・・(2)
>L(1−cosθ) ・・・(3)
ここで、0°<θ<45°
つまり、先端周部33が係止突部24に係止しているときの高さLaが、係止突部24の突出高さLよりも小さくなるように設定されているので、押圧部材25とスプール軸9との螺合が解除され始めた時点では、係止突部24と先端周部33との係止状態が維持されていることとなり、スプール3にドラグ調節体20が確実に保持されるようになっている。
なお、この状態からドラグ調節体20をさらに取り外し方向に引っ張ると、係止突部24が取り外し方向にさらに移動し、先端周部33が係止突部24を乗り越えて、これらの係止状態が解除され、ドラグ調節体20の取り外しが可能となる。これによって、スプール3の取り外しも可能となる。
一方、ドラグ調節体20を取り付ける際に締め付けていくと、前記したように、Ln>Lとなるように設定されているので、締め付けの途中で係止突部24が先端周部33に当接し、さらに締め付けることによって、係止突部24が先端周部33を押圧して防水シール部材30の可動部32がドラグ調節体20の取り付け方向に傾斜する状態となる。
そこで、ドラグ調節体20が略最大に締め付けられる位置まで移動した際(好ましくは、ドラグ調節体20のスプール側部材21の後面21d’が制動部材10に当接する位置まで移動した際)に、係止突部24から先端周部33が外れるようにする必要がある。そのため、本実施形態では、各部の関係を次のように設定している。
すなわち、図4(b)に示すように、防水シール部材30の可動部32がドラグ調節体20の取り外し方向に傾斜する際の傾斜角度をθとし、先端周部33が係止突部24から外れるときの高さをLa’とし、ドラグ調節体20の取り付け方向に可動部32が傾斜する長さをL21としたときに、次式(4)〜(6)を満足するように設定している。なお、本実施形態では、前記したように、可動部32の傾斜する長さL21と長さLとが同じ長さであるため、長さL21を長さLに置き換えて説明する。
La’= L−Lcosθ = L(1−cosθ)・・・(4)
sinθ = L/L ・・・(5)
<L(1−cosθ) ・・・(6)
つまり、先端周部33が係止突部24から外れるときの高さLa’が、係止突部24の突出高さLよりも大きくなっているので、ドラグ調節体20を略最大に締め付けた位置では、係止突部24と先端周部33との係合状態(押圧状態)が確実に解除されることとなり、先端周部33が係止突部24を乗り越えて可動部32の傾斜状態が解除される。
これによって、先端周部33がスプール側部材21の胴部21bの外周面21cに当接し、スプール3とドラグ調節体20との間が防水シール部材30によって塞がれる状態となる(図2(a)参照)。
以上説明した本実施形態の魚釣用スピニングリールによれば、弾性変形可能な防水シール部材30は、スプール3とドラグ調節体20との間に形成される空間を塞ぐようにして突設され、先端周部33がドラグ調節体20のスプール側部材21における胴部21bの外周面21cに摺接されるようになっているので、ドラグ調節体20の移動を可能としながらスプール3とドラグ調節体20との間のシール性を確保することができ、ドラグ機構をなす制動部材10の防塵、防水を図ることができる。
さらに、防水シール部材30の先端周部33は、スプール軸9に対するドラグ調節体20の螺合を解除した状態で、係止突部24に係脱可能に係止されるので、ドラグ調節体20の螺合が解除された後も、スプール3に対してドラグ調節体20を弾性力の作用で係止させることができ、引き続き、制動部材10の防塵、防水を図ることができる。
また、ドラグ調節体20の螺合が解除された後も、防水シール部材30を介して、スプール3にドラグ調節体20を係止させることができるので、ドラグ調節体20の脱落を好適に防止することができる。これにより、誤ってドラグ調節体20を落下させてしまうことがなくなり、スプール3の交換時等の取り扱いが容易になる。
また、先端周部33と係止突部24との係止状態を解除することによりスプール3からドラグ調節体20を取り外すことができるので、ドラグ調節体20の脱落を好適に防止することができる構成でありながら、スプール3の交換やメンテナンス等も簡単に行うことができる。
また、防水シール部材30の先端周部33となる内周部がドラグ調節体20の対向面となる外周面21cに摺接することとなるので、これとは反対に、ドラグ調節体20側からスプール3側へ向けて防水シール部材30が突設されて、その先端周部となる外周部がスプール3の対向面に対して摺接する場合に比べて、摺接する部分の長さ(円周長さ)を短くすることができる。
したがって、ドラグ機構を介してスプール3が回転する際に防水シール部材30を介して生じる抵抗を可及的に小さくすることができ、魚等の引きによる釣糸の繰り出しがスムーズになる。したがって、ドラグ機構を介したスプール3の回転フィーリング性が向上する。
また、前記(1)〜(3)の式を満たすことで、スプール軸9とドラグ調節体20との螺合が解除された状態において、防水シール部材30は、先端周部33が係止突部24に係止した状態を維持しながらドラグ調節体20の取り外し方向に傾斜する状態となり、スプール3にドラグ調節体20が保持されることとなるので、ドラグ調節体20の脱落を好適に防止することができる。
また、傾斜した状態で先端周部33と係止突部24との係止状態が維持されることとなるので、スプール3の周りの各寸法の設計の自由度が高まる。
さらに、防水シール部材30は、傾斜しながらその先端周部33が係止突部24に係止されるようになっているので、前記した長さLを可及的に短くすることができ、その分、ドラグ機構をなす制動部材10の制動板11a〜11cやライニング材12の数を増やすことができる。これにより、ドラグ機構の高性能化に対応可能な魚釣用スピニングリールが得られる。
また、前記式(4)〜(6)を満たすことで、防水シール部材30の先端周部33が、ドラグ調節体20の取り付け方向に移動する係止突部24に押圧されて傾斜する状態となり、さらにドラグ調節体20が締め付けられることで、先端周部33が係止突部24を乗り越えて押圧状態が解除されることとなるので、ドラグ調節体20の取り付け時に先端周部33と係止突部24との押圧状態を確実に解除することができる。これによって、ドラグ調節体20の取り付けをスムーズに行うことができる。
(第2実施形態)
本実施形態が前記第1実施形態と異なるところは、防水シール部材30の先端周部33に保持手段を設けた点にある。
図5(a)(b)に示すように、防水シール部材30の先端周部33には、係止突部24aに当接する側となる後側に保持手段として機能する突起部33aが形成されている。この突起部33aは、断面半球状とされており、図5(b)に示すように、係止突部24aの対向面24bに対して引っ掛かり易く係止状態が維持され易い形状とされている。また、係止突部24aの対向面24bは、平らに形成されており、第1実施形態で示した係止突部24に比べて突起部33aが引っ掛かり易くなっている。
また、先端周部33の前部33bは、アール状に面取りされており、係止突部24aとの係止状態が解除され易い形状とされている。また、係止突部24aは、対向面24bから続く後部24cがアール状に面取りされており、先端周部33の前部33bとの係止状態が解除され易い形状とされている。
このような構成とされた魚釣用スピニングリールにおいても、ドラグ調節体20の締め付けを緩めてドラグ調節体20を取り外す際に、係止突部24aの対向面24bが防水シール部材30の先端周部33の突起部33aに当接して係止されることとなる。ここで、突起部33aは半球状に形成されており、また、係止突部24aの対向面24bは平らに形成されているので、ドラグ調節体20を取り外す際にこれらが相互に引っ掛かり易くなる。
したがって、このような突起部33aや対向面24bが形成されていない場合に比べて、これらの間の係止状態が好適に維持されるようになり、ドラグ調節体20の脱落をより一層好適に防止することができるようになる。
また、ドラグ調節体20をスプール軸9に螺合してドラグ調節体20を取り付ける際には、係止突部24aの後部24cが先端周部33の前部33bに当接してこれを押圧するので、第1実施形態と同様に防水シール部材30の可動部32がドラグ調節体20の取り付け方向に略円錐状に傾斜することとなるが、押圧時の対向面同士がアール状に形成されているので、先端周部33が係止突部24aを乗り越え易くなる。
したがって、このように押圧時の対向面同士がアール状に形成されていない場合に比べて、係止突部24aと先端周部33との係止状態が解除され易くなり、ドラグ調節体20のスムーズな取り付けが実現される。
また、前記したように、ドラグ調節体20の取り外し方向に係止突部24aと先端周部33との係止状態が維持され易く、また、これとは反対側となるドラグ調節体20の取り付け方向に係止突部24aと先端周部33との係止状態が解除され易くなるので、第1実施形態に示したものに比べて、図5(b)に示すように、取り外し方向の傾斜角度θと、取り付け方向の傾斜角度θとを異ならせることができ、これによって、各部の設計の自由度を高めることができるようになる。
(第3実施形態)
本実施形態が前記第1,第2実施形態と異なるところは、防水シール部材30の可動部分となる可動部32の長さ(折れ曲がり長さ)が、ドラグ調節体20の取り外し方向と取り付け方向とで異なるように設けた点にある。
そのための構成として、本実施形態では、スプール3の仕切壁3hの前端内側に可動部32の折れ曲がり位置を変更するための当接部34を設けている。
このような当接部34を設けることによって、ドラグ調節体20が取り外し方向に向けて傾斜する際の可動部32の長さLよりも、ドラグ調節体20が取り付け方向に向けて傾斜する際の可動部32の長さL’が短くなる。
つまり、このような構成とされた魚釣用スピニングリールでは、ドラグ調節体20の締め付けを緩めてドラグ調節体20を取り外す際に、長さLを備えて可動部32が取り外し方向に略円錐状に傾斜するようになり、長さLを有効に利用した係止突部24と先端周部33との係止状態が実現される。したがって、ドラグ調節体20の脱落を好適に防止することができる。
一方、ドラグ調節体20を取り付ける際には、可動部32が当接部34に当接して前記した長さLよりも短い長さL’を備えて可動部32が取り付け方向に略円錐状に傾斜するようになり、傾斜時の回転半径が小さくなって、係止突部24と先端周部33との押圧状態が解除され易くなる。
したがって、前記第1実施形態で示した例に比べて、係止突部24を先端周部33が乗り越えやすくなり、ドラグ調節体20のスムーズな取り付けを実現することができる。
(第4実施形態)
本実施形態が前記第1〜第3実施形態と異なるところは、ドラグ調節体20側からスプール3側に向けて防水シール部材30Aが突設されており、先端周部(外周部)33Aの対向面となるスプール3の内周面35に先端周部33Aが摺接するように構成されている点である。
なお、図7(b)では、簡単のため、ドラグ調節体20に対して相対的にスプール3側が移動するように示してある。
防水シール部材30Aは、取付部31Aがスプール側部材21の胴部21bの外周面21cに取り付けられており、可動部32Aは、長さLを有して、ドラグ調節体20の取り外し時に、先端周部33Aが係止突部36に係止して、ドラグ調節体20を取り外す方向と逆の方向に略円錐状に傾斜するようになっている。
また、可動部32Aは、ドラグ調節体20の取り付け時に、先端周部33Aが係止突部36に当接して、ドラグ調節体20を取り付ける方向と逆の方向に同様に傾斜するようになっている。
そして、ドラグ調節体20の取り付け時には、調節操作部材22の円筒部の後端部22cに可動部32Aの中央部から径方向の取付部31A側となる部位が当接し、この当接した部分から変則的に可動部32Aが折れ曲がって傾斜することとなる。このとき、変則的に折れ曲がる部分の可動部32Aの長さL’は、長さLよりも短くなっているので、傾斜時の回転半径が小さくなり、押圧状態が解除され易くなる。
したがって、このような変則的な折れ曲がりが生じない場合に比べて、本実施形態では、係止突部24と先端周部33Aとの押圧状態が解除され易くなり、ドラグ調節体20のスムーズな取り付けを実現することができる。
図8は本実施形態の魚釣用スピニングリールの変形例を示す図である。図8に示すように、この変形例では、制動部材10が1組の制動板11aとライニング材12とからなっており、その分、スプール側部材21の胴部21bが制動部材10側に長く延設されている。
この魚釣用スピニングリールでは、スプール軸9にドラグ調節体20を螺合した状態において、スプール軸9とドラグ調節体20との螺合可能な長さをLnとし、スプール側部材21の胴部21bの外周面21cにおける先端周部33の当接位置から係止突部24までの長さをLとしたときに、Ln<Lとなるように設定されている。
つまり、この魚釣用スピニングリールでは、前記のようにLn<Lとなるように設定されているので、ドラグ調節体20を緩めて螺合状態が解除され始めた状態において、防水シール部材30の先端周部33を外周面21c上に位置させることができる。
したがって、ドラグ調節体20の脱落を確実に防止することができる。
そして、Ln<Lを満足する範囲においては、螺合状態を解除した後に防水シール部材30が傾斜することなく係止突部24に係止されることとなるので、防水シール部材30が傾斜した状態で係止突部24に係止される場合に比べて、係止突部24の外周面21cからの突出高さを低くすることができるようになり、設計の自由度が高まる。
なお、前記第1実施形態では、防水シール部材30の可動部32がドラグ調節体20の取り外し方向および取り付け方向のいずれの方向においても長さLとなるように設定したが、これに限られることはなく、適宜異なる長さとして設定することができる。例えば、段差32aの形成位置を防水シール部材30の径方向に移動させて、防水シール部材30の前後で折れ曲がり位置が異なるように設定してもよい。
また、前記第1〜第3実施形態では、スプール3の仕切壁3hに防水シール部材30の取付部31を固定したが、これに限られることはなく、スプール3の内周面35(図7参照)に取付部31を固定してドラグ調節体20のスプール側部材21における胴部21bの外周面21c等に向けて先端周部33を延設してもよい。
1 リール本体
3 スプール
3d 収容室
9 スプール軸
10 制動部材
20 ドラグ調節体
21 スプール側部材
21b 胴部
21c 外周面
22 調節操作部材
24,24a,36 係止突部
30 防水シール部材
30A 防水シール部材
32,32A 可動部
33,33A 先端周部
33a 突起部(保持手段)

Claims (7)

  1. リール本体に前後動可能に支持されたスプール軸に取り付けられ、ドラグ機構をなす制動部材を内側に収容可能な円筒状のスプールと、前記スプール軸の先端に螺合され、螺合による締め付け力により前記制動部材に当接して当該制動部材の摩擦結合力を調整可能とするドラグ調節体と、を備えた魚釣用スピニングリールにおいて、
    前記スプールまたは前記ドラグ調節体の一方の側から他方の側へ向けて突設され、前記スプールと前記ドラグ調節体との間に形成される空間を塞ぐようにして、先端周部が前記他方の側の対向面に摺接される弾性変形可能な防水シール部材と、
    前記他方の側の対向面から前記一方の側へ向けて突設され、前記防水シール部材の前記先端周部が係脱可能に係止される係止突部と、を備え、
    前記防水シール部材の前記先端周部は、前記スプール軸に対する前記ドラグ調節体の螺合を解除した状態で、前記係止突部に係止可能であることを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記防水シール部材は、前記スプール側から前記ドラグ調節体側へ向けて突設されており、前記先端周部が前記ドラグ調節体の対向面に摺接されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記スプール軸に前記ドラグ調節体を螺合した状態において、
    前記スプール軸と前記ドラグ調節体との螺合可能な長さをLnとし、
    前記他方の側の対向面における前記先端周部の当接位置から前記係止突部までの長さをLとしたときに、
    次式を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
    Ln<L
  4. 前記防水シール部材は、前記ドラグ調節体の締め付けを緩めて前記スプール軸から前記ドラグ調節体を取り外す際に、前記先端周部が前記係止突部に係止した状態で前記ドラグ調節体の取り外し方向に傾斜可能であり、
    前記スプール軸と前記ドラグ調節体との螺合可能な長さをLnとし、
    前記ドラグ調節体を最大に締め付けた位置から、前記ドラグ調節体の締め付けを緩めて前記先端周部に前記係止突部が当接する位置まで前記ドラグ調節体が移動する長さをLとし、
    前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り外し方向に傾斜する際の当該防水シール部材の傾斜可動する部分の長さをLとし、
    前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り外し方向に傾斜する際の前記傾斜可動する部分の傾斜角度をθとし、
    前記係止突部における前記他方の側の対向面からの突出高さをLとしたときに、次式、
    Ln>L
    sinθ = (Ln−L)/L
    >L(1−cosθ
    を満足することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の魚釣用スピニングリール。
  5. 前記先端周部および前記係止突部の少なくとも一方には、当該先端周部と当該係止突部との係止を保持するための保持手段が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
  6. 前記防水シール部材は、前記スプール軸に前記ドラグ調節体を螺合して取り付ける際に、前記ドラグ調節体の取り付け方向に移動する前記係止突部に前記先端周部が押圧されて、前記ドラグ調節体の取り付け方向に傾斜可能であり、その傾斜角度は、前記ドラグ調節体を取り外す際に傾斜する際の傾斜角度に比べて小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の魚釣用スピニングリール。
  7. 前記防水シール部材は、前記スプール軸に前記ドラグ調節体を螺合して取り付ける際に、ドラグ調節体の締め付け方向に移動する前記係止突部に前記先端周部が当接して押圧されて、締め付け方向に傾斜可能であり、
    前記先端周部に前記係止突部が当接した位置から、締め付け方向にさらに前記ドラグ調節体が締め付けられて、前記先端周部が前記係止突部を乗り越えるようにして係止状態が解除される位置までの前記ドラグ調節体の移動する長さをLとし、
    前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り付け方向に傾斜する際の当該防水シール部材の傾斜可動する部分の長さをL21とし、
    前記防水シール部材が前記ドラグ調節体の取り付け方向に傾斜する際の前記傾斜可動する部分の傾斜角度をθとし、
    前記係止突部における前記他方の側の対向面からの突出高さをLとしたときに、次式、
    sinθ = L/L21
    <L21(1−cosθ
    を満足することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の魚釣用スピニングリール。
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