JP5255241B2 - 伝熱管 - Google Patents

伝熱管 Download PDF

Info

Publication number
JP5255241B2
JP5255241B2 JP2007196901A JP2007196901A JP5255241B2 JP 5255241 B2 JP5255241 B2 JP 5255241B2 JP 2007196901 A JP2007196901 A JP 2007196901A JP 2007196901 A JP2007196901 A JP 2007196901A JP 5255241 B2 JP5255241 B2 JP 5255241B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat transfer
tube
fin
transfer tube
range
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007196901A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009030913A (ja
Inventor
将寛 柴田
弘太郎 釣
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Original Assignee
THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD. filed Critical THE FURUKAW ELECTRIC CO., LTD.
Priority to JP2007196901A priority Critical patent/JP5255241B2/ja
Publication of JP2009030913A publication Critical patent/JP2009030913A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5255241B2 publication Critical patent/JP5255241B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Description

本発明は、例えば、ビルの冷房等に用いられる吸収式冷凍機や空調用吸収ヒートポンプなどの蒸発器に使用される伝熱管に関する。
ビルの冷房等に用いられる吸収式冷凍機や空調用吸収ヒートポンプなどを用いた冷却システムでは、蒸発器や吸収器の内部で、伝熱管を多列状かつ上下方向へ多段になるように水平に設置し、上下方向に隣り合う伝熱管相互の端部を連通させ、蒸発器内を5mmHg程度の減圧状態に保ち、伝熱管内に12℃程度の水を流しながら当該伝熱管に対して上方の凝縮器から供給される冷媒(水)を滴下ないし散布する。
そして、冷媒が伝熱管群の表面を流下して蒸発する際の潜熱により、伝熱管内の流水を7℃程度まで冷却するように構成されている。
他方吸収器では、伝熱管を多列状かつ上下方向へ多段になるように水平に設置し、上下方向に隣り合う伝熱管相互の端部を連通させ、伝熱管内に冷却媒体(水)を流しながら、当該伝熱管に対して再生器から冷却用の熱交換器を経て供給される吸収液(臭化リチュウム水溶液)が滴下ないし散布される。
そして、吸収液は、伝熱管群の表面を流下する際に蒸発器で蒸発した冷媒蒸気を吸収した後、再生器へ送られる。吸収器の伝熱管内の冷却媒体は、冷媒蒸気の吸収により温度上昇する吸収液を冷却した後、凝縮器の伝熱管へ送られるように構成されている。
この種の伝熱管は、蒸発器、及び、吸収器において、従来より、管外熱伝達率を向上させるためにフィンを管外周面に螺旋状に形成した螺旋フィン付管が使用されている。
さらに、伝熱管の中には、管外周面の蒸発面積の拡大を図り、より一層、伝熱性能(管外熱伝達率)を向上させるため、フィンの高さを高くしたり、管軸方向のフィンの枚数を増やした伝熱管も存在する。
ところで、蒸発器における伝熱管内の冷却媒体は、上述したように、凝縮器により伝熱管に滴下した水が蒸発する際の潜熱を利用して冷却されるため、伝熱管に滴下した水が管外周面全体に薄く広がることが必要である。
ところが、上述したように管外周面にフィンを積極的に形成すると、螺旋状のフィンが管軸方向の水の移動を妨げることになってしまう事態が生じてしまう。
このような事態に対して、下記特許文献1において「蒸発器用伝熱管およびその製造方法」が開示されている。
特許文献1によれば、螺旋状のフィン(1)に、そのフィン形成方向に沿って断続的に押圧部(2)を形成した「蒸発器用伝熱管およびその製造方法」が開示されている。
特許文献1における「蒸発器用伝熱管」は、伝熱管に滴下した水が前記押圧部(2)を通じて管軸方向へ移動可能に構成している。
前記構成により、特許文献1における「蒸発器用伝熱管」は、フィンに押圧部を全く構成していない構成の伝熱管と比較して、確かに、管軸方向への水が拡散し易くなるといえる。
しかし、特許文献1によれば、「蒸発器用伝熱管およびその製造方法」は、押圧部(2)形成によるフィン面積の減少を最小限に留めるため、押圧部(2)の巾をフィンの長さ方向に0.3mm以下という短い長さに限定して構成されている。
このため、管軸方向へ水が拡散し、管外熱伝達率の向上を図ることができるというフィンに押圧部(2)を形成することによる効果を十分に発揮できているか否かについては、さらなる検討が必要であった。
特開平11−118382号公報
そこで本発明は、フィン面積は減少するが、その分、水が管軸方向へ広がり易くなり、管外周面全体を濡らすことも可能となり、結果的に、従来の伝熱管よりも格段に、管外熱伝達率を向上させることができる伝熱管の提供を目的とする。
本発明の伝熱管は、管外周面から螺旋状に突き出したフィンを形成し、該フィンに、フィンの長さ方向に沿って凸部と凹部とが正逆状に繰り返し形成された伝熱管であって、前記凸部の長さを、前記凹部の長さ以下で形成し、隣り合う前記凸部同士の間隔を、1.0mmから10mmの範囲内で形成し、前記凹部に対する前記凸部の長さの比率を、0.25から1の範囲内で形成し、前記凸部と前記凹部との、前記フィンの長さ方向に沿う繰り返しのピッチを、1.0mmから10mmの範囲内で形成し、前記管外周面に対するフィンの前記凸部の高さを、0.2mmから0.95mmの範囲内で形成し、フィン頂部に対する前記凹部を、0.1mmから0.8mmの範囲内の深さで形成するとともに、少なくとも前記管外周面以上の高さで形成し、前記フィンは、当該伝熱管を管軸方向に沿って切断した断面で1インチあたり19枚から50枚の範囲内で形成し、前記フィンを、管軸に対するねじれ角度を70〜85度で形成したことを特徴とする。
なお、該フィンには、その長さ方向に沿って凸部と凹部とが正逆状に繰り返し形成され、凹部も含まれるため、当該伝熱管を管軸方向に沿って切断した断面に凹部が現れる場合もあるが、この凹部ついてもフィンの一部として数えるものとする。
前記凹部は、例えば、加工ロールや歯車状円板工具などの特殊な工具によりフィンを断続的に押圧することにより形成することのできる切り欠き状の部分であり、フィンに、その長さ方向に沿って前記凹部と前記凸部とを繰り返したとき、隣り合う前記凸部同士の間隔の範囲内で管外周面に対する高さが最も低い部分を示す。
一方、前記凸部は、フィンの頂部(フィンの上端部)を示すが、その他にも、前記凹部よりも高さが高くなるようフィン頂部を切り欠いた形状の段状部分、すなわち、フィンにおける隣り合う前記頂部同士の間隔において少なくとも前記凹部よりも高い部分を含む。
また、前記隣り合う凸部同士の間隔とは、凸部と凹部とが正逆状に繰り返し形成されたフィンにおける所定の隣り合う凸部同士の間隔を示し、この隣り合う各凸部のフィンの長さ方向の中間部分同士の間隔を示す。
本発明は、フィン面積は減少するが、その分、管軸方向の水の広がり易くなり、管全面が濡らすことも可能となり、結果的に、従来の伝熱管よりも格段に、管外熱伝達率を向上させることができる。
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態における伝熱管11は、図1に示すように、管外周面から螺旋状に高さ(H)が0.3mmで突き出したフィン12を形成し、該フィン12に、その長さ方向に沿って凸部13と凹部14とが形成され、前記凸部13の長さを、前記凹部14の長さ以下で形成し、隣り合う凸部13同士の間隔を、1.0mmから10mmの範囲内で形成している。
なお、図1は、第1実施形態における伝熱管11の部分拡大正面図である。
前記伝熱管11は、図2(a),(b)に示すように、前記凹部14の長さ(Lb)に対する前記凸部13の長さ(La)の比率(La/Lb)を、0.25から1の範囲内である0.75で形成し、前記凹部14と前記凸部13とを、フィン12の長さ方向に沿って正逆状に繰り返し形成し、フィン12の長さ方向に沿って前記凹部14と前記凸部13との繰り返しのピッチ(P)を、1.0mmから10mmの範囲内である7mmで形成している。
なお、図2(a),(b)は、それぞれ第1実施形態における伝熱管11の外周部の一部を展開して示した斜視図であり、フィン12部分の拡大斜視図である。
また、前記伝熱管11は、管外周面に対するフィン12の前記凸部13の高さ(H)を、0.2mmから0.95mmの範囲内である0.3mmで形成している。
また、フィン頂部12Tに対する前記凹部14を、0.1mmから0.8mmの範囲内の深さ(d)である0.25mmの深さ(d)で形成するとともに、少なくとも前記管外周面以上の高さで形成している。
さらにフィン12は、伝熱管11を管軸方向Yに沿って切断した断面で1インチあたり19枚から50枚の範囲内である40枚/インチで形成している。
さらにまた、前記凹部14は、上述したように高さが0.3mmのフィン12に対して深さ(d)が0.25mmで形成しているため、管外周面に対する高さ(h)が0.05mmである。
そして、前記伝熱管11は、上述したとおり、前記凹部14に対する前記凸部13の長さの比率(La/Lb)が0.75であり、さらに、フィンの長さ方向のピッチ(P)が7mmであるため、凹部14のフィンの長さ方向の長さ(Lb)は4mmで形成しているとともに、凸部13のフィンの長さ方向の長さ(La)は3mmで形成している。
また、前記螺旋状のフィン12は、図1に示したように、管軸に対するねじれ角度θを大きく(70〜85度)形成している。
前述した伝熱管11は、図3(a)に示すように、常法で製造した伝熱素管11’の管外周面に、フィン成形円板工具群15によりフィン12を螺旋状に形成し、次いでフィン12を形成した伝熱素管11’の管外周面に配した歯車状円板工具16によりフィン12を断続的に押圧していき、フィン12に凸部13と凹部14を形成することにより製造される。
具体的には、図3(b)に示すように、伝熱素管11’の周方向へ等分配角度間隔に複数の歯車状円板工具16を配置し、伝熱素管11’の内部へ図示しないが回転自在なマンドレルを挿入し、そのマンドレル側へ歯車状円板工具16を押し付けた状態で同一方向へ回転させる。
歯車状円板工具16の管外周面16aには、伝熱管11における凸部13と凹部14とが繰り返し形成されたフィン12とは対称的な凹凸形状を有し、これら歯車状円板工具16は、その軸線が伝熱素管11’の管軸方向に対して伝熱管11におけるフィン12の前記ねじれ角度θに対応する角度だけ傾いている。
従って、歯車状円板工具16を伝熱素管11’へ押し付けた状態で同一方向へ回転させると、伝熱素管11’は歯車状円板工具16に押圧されて移動する過程で、素管表面に螺旋状のフィン12が連続的に加工され、フィン12には、該フィン12の長さ方向に沿って凸部13と凹部14とを交互に、かつ、連続的に加工することができる。
なお、フィン12の凸部13は、フィン12の長さ方向における前記歯車状円板工具16により押圧されなかった部分に相当する。
上述したように、前記フィン12および凹部14の形成は、連続して行うことにより、極めて高い生産性が得られる。
なお、図3(a),(b)は、それぞれ第1実施形態における伝熱管11の製造方法の例を示す工程説明図であり、フィン21に凸部13と凹部14とを形成する工程の例を示す説明図である。
前述したように第1実施形態の伝熱管11によれば、
管外周面から螺旋状に突き出したフィン12を形成し、該フィン12に、該フィン12の長さ方向に沿って凸部13と凹部14とが形成され、前記凸部13の長さを、前記凹部14の長さ以下で形成し、隣り合う前記凸部同士の間隔を、1.0mmから10mmの範囲内で形成している。
このため、例えば、冷却システムにおける蒸発器に組み込まれて使用される際、管外周面に滴下された水がフィン12によって管軸方向Yへ拡散することを阻害されることなく、フィン12に形成した前記凹部14を通じてスムーズに管軸方向Yへ拡散させることができ、濡れ面積増大により伝熱性能を高めることができる。
なお、このような冷却システムは、代表的なものとして上述したようにオフィスビル等の冷房で広く用いられ、さらにコンビニエンスストアのような小規模なシステムもあれば、地下街や複合施設のような大規模なシステムもある。
具体的には、前述したように第1実施形態の伝熱管11によれば、前記凹部14に対する前記凸部13の長さの比率(La/Lb)を、0.25から1の範囲内で形成している。
このように、前記凹部14に対する前記凸部13の長さの比率(La/Lb)を、0.25から1の範囲内で形成する理由は、この比率(La/Lb)が0.25未満である場合、すなわち、凸部13に対する凹部14のフィン12の長さ方向の長さを極端に長く形成した場合、フィン12面積が小さすぎて伝熱効果(放熱効果)が十分に得られないためである。
逆に、前記比率(La/Lb)が1を超えた場合、凸部13に対する凹部14のフィン12の長さ方向の長さが短くなり、滴下した水を管軸方向Yへ十分に拡散させることができないためである。
前述したように第1実施形態の伝熱管11によれば、前記凹部14と前記凸部13とを、フィン12の長さ方向に沿って正逆状に繰り返し形成し、前記凹部14と前記凸部13との、フィン12の長さ方向に沿う繰り返しのピッチ(P)を、1.0mmから10mmの範囲内で形成している。
前記構成により、フィン12の長さ方向に沿って複数の凹部14が管周方向Xにおいてバランスよく配設されるため、滴下された水は、管周方向Xに拡散するとともに、凹部14を通じて管軸方向Yへ拡散するため、管全体に均等な冷媒液膜を形成することができる。
前記凹部14と前記凸部13との繰り返しのピッチ(P)を、1.0mmから10mmの範囲内で形成する理由は、このピッチ(P)が1.0mm未満である場合、滴下した水が凹部14を通過し難くなり、管軸方向Yへ十分に拡散させることができないためである。
逆に、前記ピッチ(P)が10mmを超えた場合、滴下した水は、凹部14においては管軸方向Yへ拡散するが、凸部13においては管軸方向Yへ拡散し難くなるといった事態が生じ、管周方向Xにおいて水が均等に管軸方向Yへ拡散し難くなるためである。
また、前述したように第1実施形態の伝熱管11によれば、管外周面に対するフィン12の前記凸部13の高さ(H)を、0.2mmから0.95mmの範囲内で形成している。
管外周面に対するフィン12の前記凸部13の高さ(H)を、0.2mmから0.95mmの範囲内で形成する理由は、フィン12の前記凸部13の高さ(H)が0.2mm未満の場合は、フィン12面積が減少しすぎて伝熱効果が十分に得られないためである。逆に、フィン12の前記凸部13の高さ(H)が0.95mmを超えると、フィン12の加工が困難になるためである。
また、前述したように第1実施形態の伝熱管11によれば、フィン頂部12Tに対する前記凹部14を、0.1mmから0.8mmの範囲内の深さ(d)で形成するとともに、少なくとも前記管外周面以上の高さで形成している。
フィン頂部12Tに対する前記凹部14の深さ(d)を、0.1mmから0.8mmの範囲内で形成する理由は、前記凹部14の深さ(d)が0.1mm未満である場合、滴下した水が凹部14を越え難くなり、該水を管軸方向Yへ十分に拡散させることができないためである。
逆に前記凹部14の深さ(d)が0.8mmを超える場合、フィン12の面積が減少して伝熱効果が十分に得られないためである。また、滴下した水が管軸方向Yのフィン12同士の間に僅かな量も留めておくことが困難になり、冷媒液膜が形成され難くなるためである。
また、フィン頂部12Tに対する前記凹部14の深さ(d)を、少なくとも前記管外周面以上の高さで形成する理由は、管外周面を超える深さを超えてしまうと、凹部14での冷媒液膜の厚さが厚くなりすぎて伝熱性能が低下するためである。
また、前述したように第1実施形態の伝熱管11によれば、前記フィン12は、当該伝熱管11を管軸方向Yに沿って切断した断面で1インチあたり19枚から50枚の範囲内で形成している。
フィン12の枚数を、管軸方向Yに1インチあたり19枚から50枚の範囲内で形成している理由は、フィン12の枚数が管軸方向Yに1インチあたり19枚未満である場合、フィン12面積が減少しすぎて伝熱効果が十分に得られないためである。逆に、フィン12の枚数が管軸方向Yに1インチあたり50枚を超えるとフィン12加工が困難になるためである。
(実施例)
本実施例で用いる本発明の伝熱管11は、第1実施形態の伝熱管11と同様な構成であり、外径φ15.88mm、肉厚0.8mmのリン脱酸銅素管11’を用いて構成している。
第1実施形態の伝熱管11の比較例として用いる伝熱管101は、図8(a),(b)に示すような構成をしている。すなわち、比較例で用いた伝熱管101は、フィン102に、該フィン102の長さ方向に沿って凸部103と凹部104とを形成しているが、凸部103の長さ(La’)を、凹部104の長さ(Lb’)よりも長くなるよう形成した構成を採る従来の伝熱管である。
また、比較例で用いた伝熱管101は、第1実施形態の伝熱管11と同様に、外径φ15.88mm、肉厚0.8mmのリン脱酸銅素管を用いて構成している。
なお、図8(a),(b)は、比較例で用いた従来の伝熱管101のそれぞれ部分正面図、外周部の一部を展開して示した斜視図である。
第1実施形態の伝熱管11、及び、比較例で用いた伝熱管101のそれぞれについて表1に示した試験条件の下、図4に示す試験装置24を用いて管外熱伝達率を測定し、比較を行った。
なお、図4は、本実施例で用いた試験装置24の概略図である。
Figure 0005255241
前記試験装置24は、図4に示すように、減圧された蒸発器25内部に蒸発器用伝熱管26が1列5段に2列配されている。各列の伝熱管26は相互に連通されている。伝熱管26の上方に配された冷媒水滴下トレー27から冷媒水(純水)が滴下され、この冷媒水の蒸発潜熱により伝熱管26内の水が冷却される。
一方、減圧された吸収器28内部には吸収器用伝熱管29が1列5段に1列配されている。各伝熱管29は相互に連通されている。伝熱管29表面には散布パイプ35より吸収液(臭化リチウム水溶液)が散布され、この吸収液に蒸発器25で発生した蒸気が吸収される。吸収器用伝熱管29内部には冷却水を流して吸収液を冷却し、その蒸気の吸収効率を高めるようにする。
蒸気を吸収して希釈された吸収液は吸収液貯留タンク36から吸収液調整タンク37に移され、ここで濃度調整されたのち、ポンプ38により散布パイプ35に循環可能に構成している。
前記試験装置24における蒸発器用伝熱管26として、第1実施形態の伝熱管11と比較例で用いた伝熱管101とを、別々に組み込んで冷媒流量が1.0リットル/m・minのときのそれぞれの管外熱伝達率を測定した結果を表2に示す。
Figure 0005255241
なお、表2にはフィン12および凹部14の寸法などを併記した。第1実施形態の伝熱管11の管外熱伝達率は、比較例として用いた伝熱管101の管外熱伝達率を100としたときの比率で表した。
さらに、第1実施形態の伝熱管11と比較例で用いた伝熱管101について、冷媒流量を0.6〜2.8リットル/m・min.の範囲で種々に変化させたときの管外熱伝達率を求めた結果を図5に示す。
表2、及び、図5から明らかなように、第1実施形態の伝熱管11は、比較例で用いた伝熱管101に比べて冷媒流量が1.5リットル/m・min.をはじめとして全冷媒水流量において高い管外熱伝達率を示し、本実施例により第1実施形態の伝熱管11の有効性が明らかとなった。
また、本発明の伝熱管は、上述した第1実施形態の伝熱管11の形態に限定せず、他の実施形態により構成することができる。
以下では、本発明における他の実施形態の伝熱管について説明するが、第1実施形態の伝熱管11と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。
本発明の伝熱管は、第1実施形態の伝熱管11のようにリン脱酸銅管の素管11’を用いるに限らず、銅や銅合金その他の熱伝導性のよい金属であれば、他の材質の素管を用いて構成してもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態における伝熱管は、第1実施形態における伝熱管11と同様に、フィンに、該フィンの長さ方向に沿って凸部と凹部とを繰り返して形成している。
但し、第2実施形態における凸部は、図示しないが、管外周面に対する高さがフィンの頂部に相当する高さを有する部分と、フィンの頂部よりも低く凹部よりも高い部分とで段状に形成している。
前記構成であっても、フィンの長さ方向に沿った凸部の長さを、凹部の長さ以下で形成しているため、水を管軸方向Yへ拡散させ、管外熱伝達率を向上させることができる。
(第3実施形態)
第3実施形態における伝熱管31は、図6に示すように、管外周面に対する高さ(H1,H2)の異なる2種類のフィン12(12a,12b)が混在するよう螺旋状に形成されている。
なお、図6は、第3実施形態における伝熱管31の部分正面図を示す。
具体的には、第3実施形態における伝熱管31は、管外周面に対する高さが高い側(H1)の一種のフィン12aと、該一種のフィン12aよりも管外周面に対する高さが低い側(H2)の他種のフィン12bとが1:2の割合で管軸方向Yに沿って交互に並ぶよう形成している。
そして、一種のフィン12aのみに、その長さ方向に沿って凸部13と凹部14とを形成している。さらに、前記凸部13と前記凹部14は、第1実施形態の伝熱管11と同様に凸部13の長さを凹部14の長さ以下で形成し、隣り合う前記凸部13同士の間隔を、1.0mmから10mmの範囲内で形成している。
ている。
第3実施形態における伝熱管31は、一種のフィン12aのように管外周面に対する高さを高くに形成している。このため、全てのフィン12を他種のフィン12bで形成する場合と比較してフィン12面積の増加を図ることができるとともに、一種のフィン12aの凹部14を通じて水を管軸方向Yへと拡散させ、管外周面全体を濡らすことができる。
よって、第3実施形態における伝熱管31の管外熱伝達率を向上させることができる。
本発明における伝熱管は、前記構成に限らず、例えば、図示しないが高さの低い側(H2)の他種のフィン12bにも、該フィン12bの長さ方向に沿って凸部13と凹部14とを形成してもよく、また、一種のフィン12aと他種のフィン12bとのそれぞれにおいて、凸部13と凹部14のピッチを、異なる長さで形成することができる。
さらにまた、上述したように、管外周面に高さ(H1,H2)が異なるフィン12a,12bは、2種類で形成するに限らず、高さがそれぞれ異なるフィン12を3種類以上、混在させたり、管軸方向Yに沿って如何なる割合で混在させたりして形成してもよい。
(第4実施形態)
第4実施形態における伝熱管41は、図7(a),(b)に示すように、その内周面に多数の凸状リッジ43(線状突起部)が螺旋状に形成されている。
なお、図7(a),(b)は、それぞれ第4実施形態における伝熱管11の内面に形成した凸状リッジ43の例を示す横断面図、縦断面図である。
また、前記凸状リッジ43は、素管の管外周面にフィン12を加工する前に転造法により加工され、横断面のリッジ数30、リッジねじれ角46°、リッジ高さ0.2mmで形成している。
Figure 0005255241
このように、第4実施形態における伝熱管41は、内周面に多数の凸状リッジ43を形成したことにより、表3に示すように、内周面に凸状リッジ43を形成していない伝熱管と比較して、管内を流れる冷媒の乱流が促進されるとともに、管内面の伝熱面積が増大して熱通過率Kが向上する。さらに、管外周面に前記凸部13と前記凹部14とを備えたフィン12を形成することにより、より一層、管外熱伝達率を向上させることができる。
なお、表3は、管内リッジの有無による熱通過率Kの違いを示す表であり、第4実施形態の伝熱管41の熱通過率Kは、比較例として用いたリッジなしの伝熱管の熱通過率を100としたときの比率で表した。
ここで、熱通過率Kは、管外熱伝達率と管内熱伝達率の両方の効果を加味した値であり、数値が大きいほど伝熱管の伝熱性能が高くなる。熱通過率Kの定義は、次式で表される。
Figure 0005255241
第1実施形態における伝熱管の構成説明図。 第1実施形態における伝熱管の構成説明図。 第1実施形態における伝熱管の製造方法の例を示す工程説明図。 第1実施形態における伝熱管の伝熱性能の測定に用いた装置の説明図。 冷媒水流量を変化させたときの管外熱伝達率における第1実施形態における伝熱管と従来の伝熱管との比較説明図。 第3実施形態における伝熱管の部分正面図。 第4実施形態における伝熱管の部分正面図。 従来の伝熱管の構成説明図。
11,31,41…伝熱管
12,12a,12b…フィン
13…凸部
14…凹部
12T…フィン頂部

Claims (1)

  1. 管外周面から螺旋状に突き出したフィンを形成し、該フィンに、フィンの長さ方向に沿って凸部と凹部とが正逆状に繰り返し形成された伝熱管であって、
    前記凸部の長さを、
    前記凹部の長さ以下で形成し、
    隣り合う前記凸部同士の間隔を、
    1.0mmから10mmの範囲内で形成し、
    前記凹部に対する前記凸部の長さの比率を、
    0.25から1の範囲内で形成し、
    前記凸部と前記凹部との、前記フィンの長さ方向に沿う繰り返しのピッチを、
    1.0mmから10mmの範囲内で形成し、
    前記管外周面に対するフィンの前記凸部の高さを、
    0.2mmから0.95mmの範囲内で形成し、
    フィン頂部に対する前記凹部を、
    0.1mmから0.8mmの範囲内の深さで形成するとともに、少なくとも前記管外周面以上の高さで形成し、
    前記フィンは、当該伝熱管を管軸方向に沿って切断した断面で1インチあたり19枚から50枚の範囲内で形成し、
    前記フィンを、管軸に対するねじれ角度を70〜85度で形成したことを特徴とする
    伝熱管。
JP2007196901A 2007-07-30 2007-07-30 伝熱管 Active JP5255241B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196901A JP5255241B2 (ja) 2007-07-30 2007-07-30 伝熱管

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007196901A JP5255241B2 (ja) 2007-07-30 2007-07-30 伝熱管

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009030913A JP2009030913A (ja) 2009-02-12
JP5255241B2 true JP5255241B2 (ja) 2013-08-07

Family

ID=40401611

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007196901A Active JP5255241B2 (ja) 2007-07-30 2007-07-30 伝熱管

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5255241B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5339362U (ja) * 1976-09-10 1978-04-06
JPS62206356A (ja) * 1986-03-05 1987-09-10 東京瓦斯株式会社 滴下液分散用伝熱管
JPH07111287B2 (ja) * 1987-11-18 1995-11-29 日立電線株式会社 吸収器用伝熱管
JPH11118382A (ja) * 1997-10-14 1999-04-30 Furukawa Electric Co Ltd:The 蒸発器用伝熱管およびその製造方法
JP2001165530A (ja) * 1999-12-06 2001-06-22 Furukawa Electric Co Ltd:The 吸収器
JP2004301440A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Kobe Steel Ltd 流下液膜式蒸発器用伝熱管
JP4517604B2 (ja) * 2003-08-21 2010-08-04 住友金属工業株式会社 外面螺旋フィン付きステンレス管の製造方法および外面螺旋フィン付きステンレス管
CN100451530C (zh) * 2005-12-16 2009-01-14 金龙精密铜管集团股份有限公司 一种溴冷机组冷凝器用铜热交换管
JP2008267625A (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Sumitomo Light Metal Ind Ltd 流下液膜式冷凍機用伝熱管及びその製造法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009030913A (ja) 2009-02-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1502067B1 (en) Heat transfer tubes, including methods of fabrication and use thereof
EP0559599B1 (en) Heat exchanger tube
US4159739A (en) Heat transfer surface and method of manufacture
US20060075772A1 (en) Heat transfer tubes, including methods of fabrication and use thereof
US6457516B2 (en) Heat transfer tube for evaporation with variable pore sizes
JP3947158B2 (ja) 熱交換器
KR20150084761A (ko) 증발 열전달 관
US5933953A (en) Method of manufacturing a heat transfer tube
EP0882939A1 (en) Heating tube for absorber and method of manufacturing same
JP3916114B2 (ja) 吸収式冷凍機及びそれに使用する伝熱管
JP5255241B2 (ja) 伝熱管
JP3480514B2 (ja) 流下液膜式蒸発器用伝熱管
JP3434464B2 (ja) 伝熱管
JP2001153580A (ja) 伝熱管
JPH0441276B2 (ja)
JP4587545B2 (ja) 吸収器用伝熱管
KR940010977B1 (ko) 열교환기용 전열관
JPH11270980A (ja) 蒸発器用伝熱管
JPH11118382A (ja) 蒸発器用伝熱管およびその製造方法
JP3410211B2 (ja) 沸騰伝熱管
JPH06159862A (ja) 冷凍装置用吸収器
JP2006090657A (ja) 熱交換器用伝熱管およびその製造方法
JPH07305917A (ja) 吸収器用伝熱管
JPH07305918A (ja) 吸収器用伝熱管
JP2001066084A (ja) 吸収器用伝熱管

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100701

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111115

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120724

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130402

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130419

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5255241

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160426

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250