JP2004301440A - 流下液膜式蒸発器用伝熱管 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】伝熱管1において、銅からなる管本体2を設け、管本体2の外面に螺旋状に配列された複数個の四角台錐形状の突起3を形成する。管外面における管周方向と突起3の配列方向とのなす角度θ1を0乃至19°とし、管軸を含む断面において、溝部4aの最小幅を突起3の根元の幅以上とし、管軸直交断面において、溝部4bの両側面のなす角度を15乃至50°とし、溝部4bの最小幅を0.10乃至0.30mmとする。また、管内面に螺旋状のリブ5を形成し、管軸方向に対するリブ5のねじれ角を38乃至47°とし、リブ5の高さを0.20乃至0.35mmとする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、管外面に冷媒を流下して管外面に液膜を形成し、この冷媒を蒸発させることにより管内を流通する流体との間で熱交換を行う流下液膜式蒸発器用伝熱管に関する。
【0002】
【従来の技術】
吸収式冷温水機等の流下液膜式蒸発器においては、伝熱管の外周面に冷媒、例えば水等を流下させ低圧力下で蒸発させると共に、この伝熱管の内部に流体、例えば水を流すことにより、冷媒が伝熱管から蒸発熱を奪って伝熱管を冷却し、この伝熱管を介して内部を流れる流体を冷却している。
【0003】
このような伝熱管は、その外表面が冷媒の蒸発を促進するために冷媒が均一に濡れ広がるような特性を持ち、内表面は流体が効果的に熱交換されるように流体が乱流となるような特性を持つことが好ましい。伝熱管にこのような特性を付与するために、従来より種々の形状の伝熱管が開発されている。
【0004】
例えば、本発明者等は、内面に螺旋状に延びるリブが形成され、外面に螺旋状に配列された複数個の突起が形成され、更に、内面のリブに整合する位置に螺旋状に延びる帯状の凹部が形成された伝熱管を開発した。これにより、この伝熱管の外面に流下された冷媒を広い範囲に濡れ広げることができる(特許文献1参照。)。
【0005】
また、冷媒の濡れ面積を増大させて伝熱性能を向上させることを目的として、伝熱管の外面に螺旋状のフィンを形成し、このフィンに、その長手方向に沿って凹部と凸部とを交互に形成し、凸部の頂部と凹部の底部との間に少なくとも1つの段差を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−257888号公報(図1)
【特許文献2】
特開2000−283678号
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の従来の技術には、以下に示すような問題点がある。前述の特許文献1に記載された技術については、冷媒の濡れ広がり性は良好であるものの、伝熱管の外面において液膜が厚い部分が形成されてしまい、これが熱抵抗となって伝熱性能が低くなるという問題点がある。また、前述の特許文献2に記載された技術においては、凸部の下部における濡れ性が低く、冷媒の流下量が少ないときに、凸部の下部がドライアウト、即ち、乾いてしまうという問題点がある。
【0008】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、外面における冷媒の濡れ拡がり性が良好であり、ドライアウトを抑制しつつ液膜を薄く形成することができる流下液膜式蒸発器用伝熱管を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る流下液膜式蒸発器用伝熱管は、管外に流下された液体が形成する液膜と管内を流れる液体との間の熱交換を行う流下液膜式蒸発器用伝熱管において、管本体と、この管本体の外面に形成され螺旋状又は環状に配列された複数個の突起と、を有し、前記管本体の外表面における管周方向と前記突起の配列方向とのなす角度が0乃至19°であり、管軸を含む断面において、隣り合う前記突起間の溝部の最小幅が前記突起の根元の幅以上であり、管軸直交断面において、隣り合う前記突起間の溝部の両側面のなす角度が15乃至50°であり、管軸直交断面において、前記溝部の最小幅が0.10乃至0.30mmであることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、管周方向と突起の配列方向とがなす角度(θ1)を0乃至19°としているため、溝部が延びる方向が垂直に近くなり、流下された冷媒が伝熱管下部に位置する突起に再付着することを抑制でき、冷媒の液膜を薄くすることができる。また、管軸を含む断面において、溝部の最小幅(GW1)を突起の根元の幅(PW1)以上としているため、溝部に冷媒が停滞することを防止でき、冷媒の液膜を薄くすることができる。更に、管軸直交断面において、溝部の両側面のなす角度(θ2)を15乃至50°とし、溝部の最小幅(GW2)を0.10乃至0.30mmとしているため、冷媒をドライアウトさせずに、管外面に均一に濡れ広げることができる。この結果、冷媒の液膜が厚くなって熱抵抗となることを抑制すると共に、冷媒の流下量が少ない場合でも冷媒を広い領域に濡れ広げることができ、伝熱性能が優れた伝熱管を得ることができる。なお、前記突起の形状は四角錐台形であることが好ましい。また、本発明においては、各部の長さ、例えば管軸直交断面における溝部の最小幅(GW2)等は、全て周長ではなく直線距離である。
【0011】
また、管軸を含む断面における前記突起の配列周期が1.15乃至2.54mmであることが好ましい。これにより、溝部における冷媒の流れを適切に制御して、管外面がドライアウトすることなく、冷媒の薄い液膜を形成することができる。
【0012】
更に、管軸を含む断面における前記突起の配列周期が0.60乃至1.50mmであることが好ましい。これにより、突起先端部がドライアウトすることを抑制すると共に、突起先端部の液膜が厚くなることを防止できる。
【0013】
更にまた、本発明に係る流下液膜式蒸発器用伝熱管は前記管本体の内面に形成され螺旋状に延びるリブを有し、この内面における管軸に平行な直線と前記リブが延びる方向とのなす角度が38乃至47°であり、前記リブの高さが0.20乃至0.35mmであることが好ましい。これにより、管内の圧力損失の抑制しつつ、管内を流れる流体を適度に乱流とし、この流体と伝熱管との間の伝熱性能を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本実施形態に係る伝熱管を示す部分斜視図であり、図2はこの伝熱管を示す管軸を含む管軸平行断面図であり、図3はこの伝熱管を示す管軸直交断面図であり、図4はこの伝熱管の外面を示す展開図である。
【0015】
本実施形態に係る伝熱管は、吸収式冷温水機等の流下液膜式蒸発器に組み込まれる流下液膜式蒸発器用伝熱管である。図1に示すように、本実施形態に係る伝熱管1においては、管本体2が設けられており、管本体2の外面には、螺旋状に配列された複数個の四角錐台形状の突起3が形成されている。突起3の配列方向に直交する方向における隣り合う突起3間は溝部4aとなっており、突起3の配列方向における隣り合う突起3間は溝部4bとなっている。また、管本体2の内面には、螺旋状に延びるリブ5が設けられている。伝熱管1は、例えば銅又は銅合金からなり、例えばJIS H3300 C1201Ts−1/2Hにより規定される低りん脱酸銅管である。また、伝熱管1の外径は例えば約16mmであり、肉厚は例えば約0.7mmである。管本体2の外面において、突起3が配列する方向に延びる線6と管周方向に延びる線7とがなす角度θ1は0乃至19°である。この角度θ1が0°である場合は、突起3が環状に配列される場合である。
【0016】
図2に示すように、管軸を含む断面(以下、管軸平行断面という)において、溝部4aの最小幅、即ち底部の幅GW1は、突起3の根元の幅PW1以上である。また、突起3の配列周期(ピッチ)PFは例えば1.15乃至2.54mmとなっている。なお、溝部4aの底部の幅GW1と突起3の根元の幅PW1との和が、突起3の配列周期PFとなっている。更に、突起3の高さh1は例えば約0.4mmである。
【0017】
図3に示すように、管軸直交断面において、溝部4bのひらき角、即ち、溝部4bの両側面のなす角度θ2は15乃至50°である。また、溝部4bの底部の幅GW2は0.10乃至0.30mmである。更に、管軸直交断面における突起3の配列周期PRは、例えば0.60乃至1.50mmである。なお、溝部4bの底部の幅GW2及び突起3の配列周期PRは、いずれも円弧長さではなく直線長さである。
【0018】
また、図2に示すように、管本体2の内面における管軸に平行な直線8とリブ5が延びる方向とのなす角度θ3は、例えば38乃至47°であり、リブ5の高さh2、即ち、管本体2の内面とリブ5の頂部との間の距離は、例えば0.20乃至0.35mmである。
【0019】
更に、図4に示すように、伝熱管1の外面において、突起3は格子状に配列されている。なお、図4は、角度θ1が0°である場合を示している。
【0020】
以下、本発明の各構成要件における数値限定理由について説明する。
【0021】
管周方向と突起の配列方向とがなす角度(θ 1 ):0乃至19°
伝熱管を水平に保持して、この伝熱管の上方から伝熱管に冷媒を流下したときに、冷媒は、主として突起間の溝部を伝わって伝熱管上部から伝熱管下部へと流れる。前記角度θ1が19°を超えると、溝部が延びる方向が水平に近くなり、伝熱管上部から流れてきた冷媒が伝熱管下部に位置する突起に再付着してしまい、冷媒の液膜が厚くなる。この結果、伝熱管の伝熱性能が低下する。このため、管周方向と突起の配列方向とがなす角度(θ1)は0乃至19°とする。
【0022】
管軸平行断面において、溝部の最小幅(GW 1 ):突起の根元の幅(PW 1 )以上
溝部の最小幅(GW1)が突起の根元の幅(PW1)未満であると、溝部が細くなり過ぎて溝部に冷媒が停滞しやすくなり、冷媒の液膜が厚くなる。このため、この液膜が熱抵抗となり、伝熱管の伝熱性能が低下する。従って、管軸平行断面において、溝部の最小幅(GW1)は突起の根元の幅(PW1)以上とする。
【0023】
管軸直交断面において、溝部の両側面のなす角度(θ 2 ):15乃至50°
溝部の両側面のなす角度θ2が15°未満であると、突起間の溝部の断面積が小さくなり、管軸方向における冷媒の濡れ拡がり性が低下するため、伝熱管外面においてドライアウトする面積が増大してしまい、伝熱管の伝熱性能が低下する。一方、前記角度θ2が50°よりも大きいと、突起の先端部が冷媒の液膜で覆われやすくなり、突起先端部における液膜が厚くなり、伝熱性能が低下する。従って、管軸直交断面において、溝部の両側面のなす角度(θ2)は15乃至50°とする。
【0024】
管軸直交断面において、溝部の最小幅(GW 2 ):0.10乃至0.30mm
溝部の最小幅(GW2)が0.10mm未満であると、溝部の断面積が小さくなり、冷媒が溝部に保持されやすくなり、管軸方向に冷媒の濡れ拡がり難くなる。このため、伝熱管外面においてドライアウトする部分が増加して、伝熱管の伝熱性能が低下する。一方、溝部の最小幅(GW2)が0.30mmよりも大きいと、溝部の両側面のなす角度(θ2)が一定である場合に、突起の先端部の幅が小さくなる。このため、突起先端部が冷媒の液膜で覆われやすくなり、その結果、突起先端部における液膜が厚くなり、伝熱性能が低下する。従って、管軸直交断面において、溝部の最小幅(GW2)は0.10乃至0.30mmとする。
【0025】
管軸平行断面における突起の配列周期(PF):1.15乃至2.54mm
管軸平行断面における突起の配列周期(PF)が1.15mm未満であると、溝部が細くなり過ぎて溝部に冷媒が停滞しやすくなり、冷媒の液膜が厚くなる。このため、この液膜が熱抵抗となり、伝熱管の伝熱性能が低下する。一方、突起の配列周期(PF)が2.54mmよりも大きいと、溝部の冷媒がすぐに流れ落ちてしまい、ドライアウトする部分が増大し、やはり伝熱性能が低下する。従って、管軸平行断面における突起の配列周期(PF)は1.15乃至2.54mmであることが好ましい。
【0026】
管軸直交断面における突起の配列周期(PR):0.60乃至1.50mm
管軸直交断面における突起の配列周期(PR)が0.60mm未満であると、突起の先端部が冷媒で覆われやすくなり、突起先端部における冷媒液膜が厚くなり、伝熱性能が低下する。一方、突起の配列周期(PR)が1.50mmよりも大きいと、突起の先端部に冷媒が濡れ広がり難くなり、突起先端部がドライアウトする。このため、伝熱管の伝熱性能が低下する。従って、管軸直交断面における突起の配列周期(PR)は0.60乃至1.50mmであることが好ましい。
【0027】
管軸に平行な直線とリブが延びる方向とのなす角度(θ 3 ):38乃至47°
管軸に平行な直線とリブが延びる方向とのなす角度(θ3)が38°未満であると、管内を流れる流体を乱流にする効果が小さくなり、この流体と伝熱管との間の伝熱性能が低下する。この結果、伝熱管に流体から効率よく熱が供給されなくなり、管外面における冷媒の蒸発が促進されなくなり、冷媒の液膜が厚くなる。このため、伝熱管の伝熱性能が更に低下する。一方、前記角度(θ3)が47°よりも大きいと、管内の圧力損失が増大すると共に、管内の流体から伝熱管に過剰に熱が供給されるようになり、管外面においてドライアウトが発生して、かえって伝熱性能が低下する。従って、管軸に平行な直線とリブが延びる方向とのなす角度(θ3)は38乃至47°であることが好ましい。
【0028】
リブの高さ(h 2 ):0.20乃至0.35mm
リブの高さ(h2)が0.20mm未満であると、管内を流れる流体を乱流にする効果が小さくなり、この流体と伝熱管との間の伝熱性能が低下する。この結果、伝熱管に流体から効率よく熱が供給されなくなり、管外面における冷媒の蒸発が促進されなくなり、冷媒の液膜が厚くなる。このため、伝熱管の伝熱性能が更に低下する。一方、リブの高さ(h2)が0.35mmよりも大きいと、管内の圧力損失が増大すると共に、管内の流体から伝熱管に過剰に熱が供給されるようになり、管外面においてドライアウトが発生して、かえって伝熱性能が低下する。従って、リブの高さ(h2)は0.20乃至0.35mmであることが好ましい。
【0029】
なお、本発明においては、伝熱管1の突起3が形成されている部分の外径が8乃至30mm程度であり、管軸平行断面における溝部4aの最小幅(GW1)が0.3乃至20mm程度であれば、伝熱管1の各部の形状が上述の本発明の範囲にある場合に、良好な伝熱性能を確保することが容易である。
【0030】
次に、本実施形態に係る伝熱管1の製造方法について説明する。先ず、素管を用意する。この素管は、例えば、外径が16mm、肉厚が7mm、長さが1乃至10mであり、JIS H3300 C1201Ts−1/2Hにより規定される低リン脱酸銅管である。そして、この素管に対して、両端部を除く中央部に転造加工を施し、螺旋状又は環状のフィンを管軸方向に一定のピッチで形成する。このとき、フィン間が溝部4aとなる。なお、フィンの形成は、上述の転造加工による方法以外の方法でもよく、例えば、切削加工による方法でも可能である。次に、このフィンの頂部に歯車ディスクを転接させて、フィンの頂部を管周方向に一定のピッチで押し込み、独立した突起3を形成する。このとき、突起3間が溝部4bになる。なお、両端部の未加工部の長さは夫々例えば50乃至100mmとする。一方、管内面には、螺旋状の溝が成形されたマンドレルを配置し、管外面における前記フィンの形成と同時に管内面に螺旋状のリブ5を形成する。次に、低温焼鈍を施し、管の疲労強度を向上させる。
【0031】
次に、前述の如く構成された本実施形態に係る伝熱管の動作について説明する。本実施形態の伝熱管1を、例えば、吸収式冷温水機等の流下液膜式蒸発器に組み込む。そして、圧力を0.8kPa程度の真空とした密閉容器内に、管軸方向を水平にして上下方向に多段に設置する。
【0032】
この状態で、最上段の伝熱管の上方から冷媒、例えば、水を流下する。このとき、冷媒が伝熱管の最上部から最下部まで主として溝部4aを通過して流れ落ちようとするが、溝部4bに案内されて管軸方向にも濡れ広がっていく。また、突起3の頂部にも濡れ広がる。この結果、冷媒は伝熱管外面において薄い液膜を形成し、この液膜が真空雰囲気下で蒸発することにより、伝熱管から蒸発熱を奪う。
【0033】
一方、伝熱管1の管内には、流体、例えば入口温度が12乃至15℃の水を、最大10kgf/cm2程度の圧力で流通させる。このとき、流体は管内においてリブ5に撹拌されて乱流を形成し、伝熱管との間で熱交換を行う。これにより、冷媒と流体との間で熱交換が行われ、冷媒の蒸発熱により流体が冷却される。
【0034】
そして、最上段の伝熱管の外面において蒸発しなかった冷媒は、この最上段の伝熱管の最下部から滴下し、次段の伝熱管の最上部に供給される。これを繰り返すことにより、冷媒が最上段の伝熱管から最下段の伝熱管に向かって移動していき、流下液膜式蒸発器全体として効率よく熱交換が行われる。
【0035】
本実施形態においては、管本体2の外面に螺旋状又は環状に配列された複数個の突起3を形成し、管本体2の内面に螺旋状に延びるリブ5を形成し、突起3の配列方向、配列周期及び形状並びにリブ5の配列方向及び形状を上述の如く規定することにより、流下された冷媒を薄く濡れ広げ、蒸発させやすくすることができ、伝熱管の伝熱性能を向上させることができる。
【0036】
即ち、管周方向と突起3の配列方向とがなす角度(θ1)を0乃至19°としているため、溝部4aが延びる方向が垂直に近くなり、流下された冷媒が伝熱管下部に位置する突起3に再付着することを抑制でき、また、管軸平行断面において、溝部4aの最小幅(GW1)を突起3の根元の幅(PW1)以上としているため、溝部4aに冷媒が停滞することを防止でき、更に、管軸直交断面において、溝部4bの両側面のなす角度(θ2)を15乃至50°とし、溝部4bの最小幅(GW2)を0.10乃至0.30mmとしているため、冷媒をドライアウトさせずに、管外面に均一に濡れ広げることができる。この結果、冷媒の液膜が厚く形成されることを抑制し、液膜が熱抵抗となることを防止すると共に、冷媒の流下量が少ない場合でも広い領域に濡れ広げることができ、伝熱管1の伝熱性能を向上させることができる。
【0037】
更にまた、管軸平行断面における突起3の配列周期を1.15乃至2.54mmとすることにより、溝部4aにおける冷媒の流れを適切に制御して、ドライアウト及び厚い液膜が形成されることを抑制し、薄く均一な液膜を形成することができる。更にまた、管軸直交断面における突起3の配列周期を0.60乃至1.50mmとすることにより、突起3の先端部がドライアウトすることを抑制すると共に、突起3の先端部の液膜が厚くなることを防止できる。更にまた、管軸に平行な直線とリブ5が延びる方向とのなす角度を38乃至47°とし、リブ5の高さを0.20乃至0.35mmとすることにより、管内の圧力損失の抑制しつつ、管内を流れる流体を適度に乱流とし、この流体と伝熱管1との間の伝熱性能を向上させることができる。
【0038】
なお、本実施形態においては、伝熱管1の材料としてJIS H3300 C1201Ts−1/2Hにより規定される低りん脱酸銅管を使用したが、本発明はこれに限定されず、例えば、前記低りん脱酸銅管を硬質に調質したものでもよく、また、JISH3300 C1220又はC1020により規定される銅管でもよく、更に、キュプロニッケル(cupro nickel)等の銅合金であってもよい。更にまた、伝熱管を銅及び銅合金以外の金属又は合金により形成してもよい。
【0039】
次に、本実施形態の変形例について説明する。図5は、本変形例に係る伝熱管の外面を示す展開図である。なお、図5は角度θ1が0°である場合を示している。図5に示すように、本変形例の伝熱管においては、突起3が千鳥状に配列されている。即ち、相互に隣り合う突起3の列間において、突起3の配列方向(図5では管周方向)における突起3の位置が相互にずれている。本変形例における上記以外の構成は、前述の実施形態と同様である。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の実施例の効果について、その特許請求の範囲から外れる比較例と比較して具体的に説明する。前述の本発明の実施形態と同様な方法により、各種の伝熱管を作製し、供試管とした。即ち、先ず、JIS H3300 C1201Ts−1/2Hにより規定されるリン脱酸銅管であり、外径が16mm、肉厚が7mm、長さが1300mmの素管を用意した。次に、この素管の両端部を除く中央部に転造加工を施し、螺旋状又は環状のフィンを管軸方向に一定のピッチで形成した。このとき、両端部の長さを夫々150mmとし、中央部の長さを1000mmとした。なお、この中央部には、転造加工により加工を行ったときに、加工開始側及び加工終了側、即ち、中央部の両端部に、形成される突起の形状が不完全になる「不完全部」が形成された。この不完全部は、加工開始側及び加工終了側の合計で100乃至150mm程度の長さになった。
【0041】
次に、このフィンの頂部に歯車ディスクを転接させて、フィンの頂部を管周方向に一定のピッチで押し込み、突起を形成した。このとき、一部の供試管については、管の内面には特別な加工を施さず、平滑なままとした。これを試験例1とする。一方、残りの供試管については、管内面に螺旋状の溝が成形されたマンドレルを配置し、管外面にフィンを形成するのと同時に管内面に螺旋状のリブを形成した。これを試験例2とする。次に、転造加工後の試験例1及び2の供試管を350℃の温度に加熱して、残留応力を除去すると共に、管表面の残油を加熱脱脂した。
【0042】
次に、上述の如く作製した各供試管について、引張強さを測定した。この結果、加熱脱脂後の供試管の引張強さは、平均277N/mm2であった。また、各供試管の管外面の残渣量、即ち、残油及び付着物の合計量を測定した。なお、付着物とは例えば、ごみ及び管の加工時に付着した金属粉等である。測定の結果、管外面の残渣量は平均0.016g/m2であった。更に、各供試管の残留炭素量を測定した。この結果、供試管の残留炭素量は平均4.1mgであった。更にまた、各供試管の形状を測定した。試験例1(内面リブ無し)の供試管の形状測定結果を表1に示し、試験例2(内面リブ有り)の供試管の形状測定結果を表2に示す。なお、表1及び表2に示す「管外径Df」とは、供試管の最大外径、即ち、突起の先端を結ぶ仮想的な円筒の直径である。また、「高さh1」とは管外面における突起の高さである。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
次に、表1及び表2に示す各供試管の伝熱性能を評価した。図6は、供試管の伝熱性能の評価に使用した吸収式伝熱性能試験装置を示す概略図である。図6に示すように、吸収式伝熱性能試験装置11は一重効用の吸収式冷温水機と略同じサイクル構成となっている。即ち、試験装置11においては、2つのチャンバ12及び13が設けられており、チャンバ12の内部は仕切板12aにより蒸発器14及び吸収器15に分けられており、チャンバ13の内部は再生器16及び凝縮器17に分けられている。そして、蒸発器14の上部と吸収器15の上部とは、仕切板12aの上部に設けられた通気口12bにより、冷媒の蒸気が通流するように連通されている。また、再生器16の上部と凝縮器17の上部も相互に連通しており、冷媒の蒸気が通流するようになっている。また、試験装置11には溶液熱交換器18が設けられている。
【0046】
蒸発器14は冷媒としての水Wを蒸発させて熱交換を行うものであり、吸収器15は蒸発器14から流入した水蒸気を吸収液としての臭化リチウム水溶液LBに吸収させるものである。また、再生器16は吸収器15において水を吸収した臭化リチウム水溶液から水を蒸発させて取り出し、水蒸気(冷媒蒸気)と臭化リチウム水溶液(吸収液)とを分離するものである。更に、凝縮器17は再生器16から流入した水蒸気を凝縮させて水Wとし、この水Wを冷媒として蒸発器14に供給するものである。更にまた、溶液熱交換器18は再生器16に残留した臭化リチウム水溶液を冷却して、吸収液として吸収器15に供給するものである。
【0047】
蒸発器14においては、供試管である伝熱管1が4本設けられている。各伝熱管1は管軸方向が水平になり、且つ、24mmのピッチで垂直方向に1列に配列されるように設置されている。4本の伝熱管1は相互に直列に連結されている。各伝熱管1の有効長は1050mmであり、両端部はOリングによりシールされている。そして、この4本の伝熱管1からなる水路には、水路19を介して冷水が供給され、水路20を介して排出されるようになっている。また、最上段の伝熱管1の上方には、冷媒(水W)を散布するための散布トレー22が設けられており、この散布トレー22には、蒸発器14の底部に溜まった冷媒がポンプ23により汲み上げられて供給されるようになっている。更に、蒸発器14の上部には、蒸発圧力を測定するための絶対圧力変換器37が取り付けられている。更にまた、散布トレー22からの冷媒の散布量を測定するためのコリオリ式質量流量計24が設けられている。更にまた、水路19及び20には、冷水の出入口温度を測定するためのクオーツ温度計(図示せず)が設けられており、冷水流量を測定するための容積式流量計21が設けられている。
【0048】
吸収器15においては、蒸発器14に設けた伝熱管1と同じ伝熱管1が垂直方向に24mmのピッチで1列6段配列されており、相互に直列に連結されている。この6本の伝熱管1からなる水路には、水路25を介して冷却水が供給され、水路26を介して排出されるようになっている。また、最上段の伝熱管1の上方には、吸収液(臭化リチウム水溶液LB)を散布するための散布トレー28が設けられている。
【0049】
再生器16においては、吸収器15の底部に溜まった液体がポンプ29により再生器16の底部に供給されるようになっており、この液体を加熱するための電気ヒータ30が設けられている。
【0050】
凝縮器17においては、冷却水が通流する冷却コイル31が設けられており、この冷却コイル31により水蒸気を凝縮して水Wとするようになっている。そして、この凝縮した水が凝縮器17の底部に溜まり、ポンプ32により蒸発器14の底部に供給されるようになっている。
【0051】
また、再生器16の底部に残留した吸収液を吸収器15の散布トレー28に供給する水路33が設けられており、この水路33に沿って、再生器16から吸収液を汲み出すポンプ34、汲み出された吸収液と冷却水との間で熱交換を行い、吸収液を冷却する溶液熱交換器18、吸収液の流量を測定する流量計36がこの順に設けられている。
【0052】
更に、チャンバ12の蒸発器14側及び吸収器15側の側面には夫々、冷媒及び吸収液の滴下挙動が伝熱管全長にわたって観察できるように、観察窓(図示せず)が設けられている。なお、試験装置11の本体は、臭化リチウム水溶液による腐食を抑制するために、ステンレス鋼SUS304及びSUS316により形成されている。
【0053】
次に、試験装置11による伝熱性能の試験方法について説明する。先ず、水路19及び20を介して、蒸発器14の伝熱管1内に一定流量の冷水を流通させる。また、ポンプ23により、冷媒である水Wを蒸発器14内において循環させる。このとき、冷媒は散布トレー22から最上段の伝熱管1の最上部に向けて、伝熱管1の管軸方向に10mmのピッチで滴下される。そして、この冷媒の一部が、伝熱管1の表面で蒸発して伝熱管1内を流れる冷水を冷却し、残部が最上段の伝熱管1から、2段目、3段目、4段目の伝熱管1に順次滴下し、その後、蒸発器14の底部に落下する。蒸発器14の底部に溜まった冷媒(水W)は、ポンプ23により再び散布トレー22に供給される。
【0054】
また、伝熱管1の表面において蒸発した冷媒蒸気(水蒸気)は、仕切板12aの通気口12bを通過して吸収器15に供給される。吸収器15においては、水路25及び26を介して伝熱管1内に冷却水を通流させる。また、散布トレー28に吸収液(臭化リチウム水溶液LB)が供給され、この吸収液が1列6段に配置された伝熱管1の外面を伝いながら落下する。この過程において、吸収液は伝熱管1の表面にて水蒸気を吸収し、吸収器15の底部に到達する。
【0055】
蒸発器15の底部に溜まった液体、即ち、冷媒(水)を吸収した吸収液(臭化リチウム水溶液)は、ポンプ29により再生器16に供給される。そして、再生器16において、この液体が電気ヒータ30により加熱され、水が蒸発することにより、冷媒と吸収液とに再分離される。
【0056】
そして、蒸発した水が凝縮器17に供給され、冷却コイル31により冷却されて凝集し、凝縮器17の底部に溜まっていく。そしてこの溜まった水が、ポンプ32により蒸発器14の底部に冷媒として供給される。
【0057】
一方、再生器16の底部に残留した吸収液は、ポンプ34により汲み出され、溶液熱交換器18により冷却され、散布トレー28に供給される。このようにして、試験装置11内において、冷媒(水)及び吸収液(臭化リチウム水溶液)が循環し、冷媒と冷水との間で熱交換を行う。
【0058】
上述の如く試験装置11を運転し、蒸発器14の伝熱管1に一定流量の冷水を流し、冷水出口温度が所定の測定条件になるように冷水入口水温を調節した。一方、吸収器15の伝熱管1には冷却水入口温度を一定にした冷却水を流し、チャンバ12内の圧力が所定の測定条件になるように冷却水流量を調節した。このときの試験条件を表3に示す。なお、表3において、冷水の流量は、伝熱管の加工部の内径を基準とした値である。
【0059】
【表3】
【0060】
試験装置11の運転開始後、定常状態になったことを確認し、チャンバ12内の圧力、冷水の流量及び出入口温度、冷媒散布流量を測定した。そして、各測定器の信号をハイブリットレコーダー(図示せず)に取り込んで数値変換し、コンピューターにて伝熱管の総括伝熱係数を算出した。以下、その算出方法について説明する。
【0061】
(1)冷水伝熱量Q
冷水伝熱量をQ(kW)、冷水流量をGw(kg/時)、冷水の比熱をCp(kJ/kg/K)、冷水入口温度をTin(℃)、冷水出口温度をTout(℃)とすると、冷水伝熱量Qを下記数式1により算出した。
【0062】
【数1】
【0063】
(2)対数平均温度差LMTD
対数平均温度差をLMTD(℃)、冷媒蒸発温度をTe(℃)とするとき、対数平均温度差LMTDを下記数式2により算出する。なお、冷媒蒸発温度Teは、蒸発圧力より予め蒸気表(例えば、伝熱工学資料、(社)日本機械学会 1991年、331頁参照)に基づいて作成した相関式を用いて換算した数値を使用した。
【0064】
【数2】
【0065】
(3)管外表面積Ao
供試管の外表面積をAo(m2)、円周率をπ、供試管の突起部外径、即ち、供試管の最大外径をDo(m)、供試管の伝熱有効長をL(m)、供試管の本数をN(本)とするとき、供試管の外表面積Aoを、突起部外径基準として下記数式3により算出した。
【0066】
【数3】
【0067】
(4)総括伝熱係数Ko(外表面積基準)
外表面積を基準とした総括伝熱係数をKo(kW/m2K)とするとき、上記数式1乃至3にて算出した値を用いて、総括伝熱係数Koを下記数式4により算出した。
【0068】
【数4】
【0069】
(5)冷媒散布量Γ
一方、冷媒の散布量(流下量)をΓ(kg/m/分)、冷媒の流量をGref(kg/分)とするとき、冷媒散布量Γを下記数式5により算出した。
【0070】
【数5】
【0071】
次に、前記各供試管の伝熱性能として、各供試管について上述の如く算出した冷媒の散布量(Γ)と総括伝熱係数(Ko)との関係を示す。図7は、横軸に冷媒の散布量(Γ)をとり、縦軸に総括伝熱係数(Ko)をとって、表1に示す試験例1(内面リブ無し)の供試管の伝熱性能を示すグラフ図である。図7に示す線a1乃至a7は夫々、試験例1の実施例1乃至7の伝熱性能評価結果を示し、線b1乃至b11は夫々、試験例1の比較例1乃至11の伝熱性能評価結果を示す。また、図8は、横軸に冷媒の散布量(Γ)をとり、縦軸に総括伝熱係数(Ko)をとって、表2に示す試験例2(内面リブ有り)の供試管の伝熱性能を示すグラフ図である。図8に示す線c1乃至c8は夫々、試験例2の実施例1乃至8の伝熱性能評価結果を示し、線d1は試験例2の比較例1の伝熱性能評価結果を示す。
【0072】
図7に示すように、試験例1の実施例1乃至7(線a1〜a7)は、伝熱管の形状が本発明の規定を満たしているため、本発明の規定を満たしていない比較例1乃至11(線b1〜b11)と比較して、冷媒の散布量(Γ)に対する総括伝熱係数(Ko)が高く、伝熱性能が良好であった。
【0073】
また、図8に示すように、試験例2の実施例1乃至8(線c1〜c8)は、伝熱管の形状が本発明の規定を満たしているため、本発明の規定を満たしていない比較例1(線d1)と比較して、冷媒の散布量(Γ)に対する総括伝熱係数(Ko)が高く、伝熱性能が良好であった。特に、試験例2の実施例1乃至3(線c1〜c3)は、管の内面に形成されたリブの形状が前述の請求項5の規定を満たしているため、リブの形状が請求項5の規定を満たしていない実施例4乃至8(線c4〜c8)と比較して、伝熱性能が特に優れていた。
【0074】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、伝熱管の外面に複数個の突起を設け、この突起の配列状態及び形状を最適に規定しているため、流下した冷媒をドライアウトを抑制しつつ管外面に均一に濡れ広げることができ、これにより、冷媒の液膜が厚膜化して熱抵抗となることを抑制すると共に、冷媒の流下量が少ない場合でも広い領域に濡れ広げることができ、伝熱性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る伝熱管を示す部分斜視図である。
【図2】この伝熱管を示す管軸平行断面図である。
【図3】この伝熱管を示す管軸直交断面図である。
【図4】この伝熱管の外面を示す展開図である。
【図5】本実施形態の変形例に係る伝熱管の外面を示す展開図である。
【図6】供試管の伝熱性能の評価に使用した吸収式伝熱性能試験装置を示す概略図である。
【図7】横軸に冷媒の散布量(Γ)をとり、縦軸に総括伝熱係数(Ko)をとって、試験例1(内面リブ無し)の供試管の伝熱性能を示すグラフ図である。
【図8】横軸に冷媒の散布量(Γ)をとり、縦軸に総括伝熱係数(Ko)をとって、試験例2(内面リブ有り)の供試管の伝熱性能を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1;伝熱管
2;管本体
3;突起
4a、4b;溝部
5;リブ
6;突起3が配列する方向に延びる線
7;管周方向に延びる線
8;管軸に平行な直線
11;吸収式伝熱性能試験装置
12、13;チャンバ
12a;仕切板
12b;通気口
14;蒸発器
15;吸収器
16;再生器
17;凝縮器
18;溶液熱交換器
19、20、25、26;水路
21、24、27、36;流量計
22、28;散布トレー
23、29、32、34;ポンプ
30;電気ヒータ
31;冷却コイル
33;水路(吸収液)
37;絶対圧力変換器
h1;突起3の高さ
h2;リブ5の高さ
GW1;管軸平行断面における溝部4aの最小幅
GW2;管軸直交断面における溝部4bの最小幅
PW1;管軸平行断面における突起3の根元の幅
PF;管軸平行断面における突起3の配列周期(ピッチ)
PR;管軸直交断面における突起3の配列周期(ピッチ)
θ1;線6と線7とがなす角度
θ2;溝部4bのひらき角
θ3;管軸に平行な直線8とリブ5が延びる方向とのなす角度
LB;臭化リチウム水溶液(吸収液)
W;水(冷媒)
Claims (5)
- 管外に流下された液体が形成する液膜と管内を流れる液体との間の熱交換を行う流下液膜式蒸発器用伝熱管において、管本体と、この管本体の外面に形成され螺旋状又は環状に配列された複数個の突起と、を有し、前記管本体の外表面における管周方向と前記突起の配列方向とのなす角度が0乃至19°であり、管軸を含む断面において、隣り合う前記突起間の溝部の最小幅が前記突起の根元の幅以上であり、管軸直交断面において、隣り合う前記突起間の溝部の両側面のなす角度が15乃至50°であり、管軸直交断面において、前記溝部の最小幅が0.10乃至0.30mmであることを特徴とする流下液膜式蒸発器用伝熱管。
- 前記突起の形状が四角錐台形であることを特徴とする請求項1に記載の流下液膜式蒸発器用伝熱管。
- 管軸を含む断面における前記突起の配列周期が1.15乃至2.54mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の流下液膜式蒸発器用伝熱管。
- 管軸直交断面における前記突起の配列周期が0.60乃至1.50mmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流下液膜式蒸発器用伝熱管。
- 前記管本体の内面に形成され螺旋状に延びるリブを有し、この内面における管軸に平行な直線と前記リブが延びる方向とのなす角度が38乃至47°であり、前記リブの高さが0.20乃至0.35mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の流下液膜式蒸発器用伝熱管。
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