JPH07305917A - 吸収器用伝熱管 - Google Patents

吸収器用伝熱管

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JPH07305917A
JPH07305917A JP9838594A JP9838594A JPH07305917A JP H07305917 A JPH07305917 A JP H07305917A JP 9838594 A JP9838594 A JP 9838594A JP 9838594 A JP9838594 A JP 9838594A JP H07305917 A JPH07305917 A JP H07305917A
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pipe
transfer tube
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直栄 佐々木
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    • F28F1/00Tubular elements; Assemblies of tubular elements
    • F28F1/10Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses
    • F28F1/40Tubular elements and assemblies thereof with means for increasing heat-transfer area, e.g. with fins, with projections, with recesses the means being only inside the tubular element

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 管内を吸収液が流下せしめられる空冷式吸収
器用の伝熱管であって、大きな有効伝熱面積が確保され
て伝熱性能が向上された伝熱管を提供すること。 【構成】 伝熱管10の内周面に、湾曲断面形状の凹部
と、実質的な不連続部を断面上の頂部に有する凸部と
を、管周方向において交互に位置するように、それぞれ
5〜75°のリード角(α)で螺旋状に形成すると共
に、かかる凹部および凸部の管周方向でのピッチを1.
0〜5.0mmとし、且つ該凸部の凹部に対する突出高さ
を0.2〜0.6mmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、吸収式冷凍器や吸収式ヒートポ
ンプ等の吸収器内に配管される伝熱管であって、特に、
略鉛直方向に配管されて管内周面に沿って吸収液が流下
せしめられる一方、管外周面に複数の冷却フィンが装着
されて冷却空気が接触せしめられる空冷式の吸収器に用
いられる伝熱管に関するものである。
【0002】
【背景技術】吸収式冷凍器や吸収式ヒートポンプ等の吸
収器としては、従来から、一般に、管内に冷却水を流通
せしめて、管外表面を流下せしめられる吸収液を冷却す
るようにした水冷式のものが採用されているが、近年、
小型化を図るために空冷式の吸収器が研究されており、
家庭用の小型冷房機等への適用も検討されている。
【0003】ところで、空冷式の吸収器においては、冷
却効率や吸収液の流通性の確保等の観点から、複数本の
伝熱管を略鉛直方向に配管して、その管内に吸収液を流
下させる一方、管外周面に複数の冷却フィンを装着して
冷却空気を接触せしめる構造が、好適に採用される。
【0004】ところが、かくの如き空冷式の吸収器にお
いては、従来の水冷式の吸収器に用いられている内外面
が平滑な円形断面の平滑管を伝熱管として採用すると、
吸収液が直線的に流下してしまい液膜が充分に広がら
ず、液膜の滞留時間も短くなるために充分な伝熱性能を
得ることが難しい。そこで、特開平4−151473号
公報に記載されているように平滑管の内表面を切削工具
等で切り起こして局部的な突起を形成したり、管内表面
に濡れ性向上のための表面処理を施したりすることが提
案されているが、未だ、管周方向への広がりを充分に得
ることができず、吸収液の滞留時間や管内表面の濡れ面
積を確保することも難しいために、満足できる伝熱性能
を得ることが困難であった。
【0005】また、管内にコイル部材を挿入して管内周
面に密接配置したり、平滑管の内表面を切削工具で切り
起こして管軸方向に連続して螺旋状に延びる突起を形成
すること等によって、管内表面に螺旋状に延びる溝部を
形成することも考えられるが、このような構造のものに
あっては、吸収液が螺旋状の溝部に沿って管周方向に案
内されて広げられるものの、管内周面とコイル部材の当
接部位や切り起こしによって形成された突起の基部が鋭
角的な角部となるために、溝部内における液膜の厚さに
偏りが生じて溝部内の幅方向への液膜の広がりが充分で
なくなり、厚膜部での熱伝導の低下等の不具合が避けら
れないのであり、そのために、コイル部材の配設や螺旋
状の突起の形成によって管内表面積が増大されるにも拘
わらず、全体としての伝熱性能の向上は余り望めなかっ
たのである。
【0006】しかも、管内にコイル部材を配設するに
は、伝熱管とは別途コイル部材を準備し、それを伝熱管
内に挿入した後、かかるコイル部材を管内表面に密接さ
せる加工をしなければならないために、製造が極めて面
倒であるという問題もあった。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、略鉛直方向に配管した場合でも、管内を流
下される吸収液の滞留時間を充分に得ることができると
共に、管内表面において液膜の著しい偏りを生ずること
なく有効な濡れ面積を確保することができ、有効伝熱面
積が増加されて伝熱性能の向上が達成され得る吸収器用
伝熱管を提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明は、略鉛直方向に配管されて管内を吸収液が流通せ
しめられる一方、管外周面に複数の冷却フィンが装着さ
れて冷却空気が接触せしめられる空冷式の吸収器用伝熱
管において、5〜50°のリード角で管内面を管長手方
向に延びる凹部と凸部を、管周方向で交互に位置するよ
うに、それぞれ管周方向で1.0〜5.0mmのピッチで
形成すると共に、該凸部の該凹部に対する突出高さを
0.2〜0.6mmとする一方、かかる凹部の底面を湾曲
断面形状とし、且つ凸部の頂部を実質的な不連続部を有
する断面形状としたことを、特徴とする。
【0009】そこにおいて、凹部の断面形状としては、
半円形状や半楕円形状,放物線形状等が何れも採用され
得るが、その開口幅を、0.8〜4.0mmに設定するこ
とが望ましい。
【0010】また、凸部は、管軸方向一方の側に傾斜し
て立設せしめるようにしても良い。
【0011】更にまた、凹部および凸部のリード角より
も小さなリード角を有するコイル部材を管内に挿入し、
該コイル部材を管内周面に密接させて配設することも可
能である。
【0012】
【発明の具体的構成】先ず、図1〜3には、本発明に従
う構造とされた吸収器用伝熱管の一具体例が示されてい
る。かかる伝熱管10は、全体として円形断面の直管形
状を有しており、図4に示されているように、適当な長
さに切断されて複数本が互いに所定距離を隔てて配管さ
れると共に、それらの外周面にプレートフィン12が装
着されて一体的に組み付けられることにより、空冷式の
吸収器を構成するようになっている。そして、各伝熱管
10の軸心が略鉛直方向に延びる状態で吸収器内に配設
され、管内面に吸収液14が流下されることにより、管
内に導かれた冷媒蒸気が吸収液に吸収されるようにする
一方、管外周面およびプレートフィン12に冷却空気が
接触せしめられて、冷媒の吸収液への溶解によって生ず
る溶解熱乃至は希釈熱や潜熱による温度上昇が抑えられ
ることにより、吸収器として機能せしめられるようにな
っている。
【0013】ここにおいて、伝熱管10の材質は、従来
と同様、使用する冷媒および吸収剤に対する耐蝕性や伝
熱性,加工性等を考慮して選定されることとなり、例え
ば、水を冷媒とし、臭化リチウムを吸収剤とする場合に
は、銅管が好適に採用され得る。また、この伝熱管10
は、図2および図3に図1中のA部の拡大図および横断
面拡大図が示されているように、外周面16が平滑面と
されている一方、内周面に対して、それぞれ管長手方向
に螺旋状に延びる複数条の凹部18と凸部20が、管周
方向で交互に位置して互いに略平行に形成されている。
それによって、凹部18を底部とし、凸部20を隔壁部
とする複数条の螺旋溝が形成されている。
【0014】これら凹部18と凸部20は、図面上に明
示されてはいないが、管周方向におけるピッチ:p(図
3参照)、換言すれば管軸に直角な断面において周方向
で隣接位置する凹部18と凹部18および凸部20と凸
部20の間隔が、何れも1.0〜5.0mmとなるように
設定される。具体的には、例えば、φ19.05mmの銅
管であれば、凹部18および凸部20の数が、それぞ
れ、一周当たり12〜48条となるように設定されるこ
ととなる。
【0015】けだし、かかるピッチ:pが、1.0mmよ
り小さいと、凹部18の幅が小さくなり過ぎて、臭化リ
チウム水溶液等の粘性の高い溶液が凹部18内に充分に
流れ込みにくくなり、凹部18に沿った管周方向への液
膜の広がりが充分に期待できなくなるからであり、一
方、ピッチ:pが、5.0mmより大きいと、管内面に形
成される凹凸が少なくなって有効な伝熱面積の増加が実
現され難くなるからである。即ち、凹部18および凸部
20の管周方向におけるピッチ:pを、1.0〜5.0
mmとすることにより、それら凹部18および凸部20の
形成による管内面の伝熱面積の増加と、凹部18の案内
作用による管周方向への液膜の広がりの促進とが、共に
有利に達成されて、有効伝熱面積の拡大が効果的に図ら
れ得るのである。
【0016】また、これら凹部18と凸部20は、伝熱
管10の全長に渡って一定のリード角で形成されていて
も、或いは部分的にリード角が変化させられていても良
いが、かかるリード角:αが、何れの部位においても5
〜75°の範囲内となるように、好ましくは5〜30°
の範囲内となるように設定される。なお、リード角:α
とは、図1に示されているように、凹部12または凸部
14の接線と、管軸に直角な平面とがなす角度をいう。
【0017】けだし、リード角:αが75°より大きい
と、伝熱管10を吸収器に組み付けた際に、凹部12に
沿う吸収液の流下速度が大きくなって、管内面における
液膜の滞留時間を充分に確保することが難しくなるから
であり、一方、リード角:αが5°より小さいと、伝熱
管10の内周面における凹部12および凸部14の形成
が困難となるからである。即ち、凹部18および凸部2
0のリード角:αを、5〜75°とすることにより、よ
り好ましくは5〜30°とすることにより、製作性の著
しい低下を伴うことなく、管内面を流下せしめられる液
膜が凹部12に沿って管周方向に導かれて液膜の流下速
度が効果的に抑えられると共に、流下距離が実質的に増
大されて、吸収液の滞留時間を有利に確保することがで
きるのである。
【0018】さらに、凸部20は、凹部18の底面から
の突出高さが0.2〜0.6mmとなるように形成され
る。
【0019】けだし、凸部20の突出高さが0.2mmよ
り低いと、臭化リチウム溶液等の比重が大きい吸収液を
凹部18内に有効に保持することが難しく、液膜の管周
方向への広がりが小さくなって、結果的に有効伝熱面積
の充分な確保が困難となるからであり、一方、凸部20
の突出高さが0.6mmより高いと、伝熱管10の内周面
における凹部12および凸部14の形成が困難となるか
らである。即ち、凸部20の突出高さを、0.2〜0.
6mmとすることにより、より好ましくは0.3〜0.4
mmとすることにより、良好なる製作性を確保しつつ、凹
部18に沿った管周方向への液膜の広がりの促進による
有効伝熱面積の拡大が効果的に図られ得るのである。
【0020】また、凹部18は、湾曲断面形状をもって
形成されている。即ち、かかる凹部18の内周面は、そ
の横断面の全体に渡って曲率半径が一定である必要はな
いが、連続しており、例えば、半円形状や半楕円形状,
放物線形状などの断面形状が好適に採用され得る。
【0021】すなわち、凹部18を、このような湾曲断
面形状をもって形成すれば、吸収液が表面張力等の作用
により凹部18の幅方向両側(凹部18の両側に位置す
る凸部20,20側)にまで有利に広げられて、凹部1
8の内周面の広い範囲に渡って、厚さに大きな偏りのな
い略均一な液膜が形成され得るのであり、その結果、濡
れ面積が有利に確保されると共に、液膜厚さの大きな偏
りによる部分的な熱伝導の低下が回避されて、伝熱性能
の向上が図られる得るのである。
【0022】なお、凹部18の横断面における開口部の
幅は、0.8〜4.0mmとすることが望ましい。けだ
し、かかる凹部18の開口幅が0.8mmより小さいと、
凹部18の管周方向におけるピッチ:pが小さい場合と
同様に、臭化リチウム水溶液等の粘性の高い溶液が凹部
18内に充分に流れ込みにくくなって、凹部18に沿っ
た管周方向への液膜の広がりが充分に期待できなくなる
からであり、一方、開口幅が4.0mmより大きいと、ピ
ッチ:pが大きい場合と同様に、有効な伝熱面積の増加
が実現され難くなるからである。
【0023】更にまた、このような凹部18の幅方向両
側に連接される凸部20は、その断面において、実質的
な不連続部22が頂部に形成されている。この不連続部
22は、凸部20の横断面において、共通接線を持たな
い交点で連接された屈曲点状の連接部として形成され、
或いは、曲率半径が1.0mm以下である湾曲面や狭幅の
平坦面の如く、実質的に屈曲点とみなし得る連接部とし
て形成され得る。
【0024】すなわち、このような実質的な不連続部2
2を凸部20の頂部に形成すれば、液膜が凸部20を乗
り越えて管軸方向に直線的に流下することを抑え、液膜
の凹部18に沿った螺旋状の流れを促進することができ
るのであり、その結果、液膜の管周方向への広がりや滞
留時間の延長が一層向上され得て、有効伝熱面積の更な
る向上が達成され得るのである。
【0025】また、凸部20の側面を含む凹部18の底
面を、その全体に渡って、変曲点を有しない断面形状と
すると共に、そのような断面形状をもって形成されて隣
接位置せしめられた2つの凹部18,18の底面を、実
質的な不連続部22によって直接的に接続せしめてなる
断面形状とすることが、より望ましい。即ち、凹部18
および凸部20を、このような断面形状をもって形成す
れば、液膜の凹部18内への保持と凸部20の乗越えの
防止とが、一層効果的に実現され得て、液膜の管周方向
への広がりや滞留時間の延長がより有効に達成され得る
のである。
【0026】なお、凸部20は、図5に示されているよ
うに、管軸方向一方の側に傾斜して形成されていても良
い。即ち、このような傾斜した凸部20を形成し、かか
る凸部20が鉛直上方に向かって傾斜するように伝熱管
10を配管すれば、凹部18を樋状とすることができる
のであり、それ故、液膜の凹部18内への保持や凸部2
0の乗越え防止等による液膜の管周方向への広がりや滞
留時間の延長が、より一層有利に達成され得るのであ
る。
【0027】また、図面上に明示はされていないが、上
述の如き凹部18と凸部20が形成された伝熱管10に
対して、凹部18,凸部20のリード角よりも小さなリ
ード角を有する螺旋状のコイル部材を挿入し、凸部20
に密接させて配設することも可能である。このようなコ
イル部材を配設することにより、伝熱面積の更なる増大
が図られ得ると共に、吸収液を管周方向に導くことによ
り吸収液の滞留時間の更なる増大が図られ得るのであ
る。
【0028】なお、かかるコイル部材は、伝熱管10と
同様、冷媒や吸収剤に対する耐蝕性等を考慮して材質が
選定されることとなり、例えば、凹部18および凸部2
0が形成された伝熱管10内に挿入された後、拡管プラ
グ等を挿入して、コイル部材を伝熱管10の内周面に圧
接固定すること等によって、伝熱管10に組み付けられ
る。
【0029】ところで、このような伝熱管10は、内外
周面が平滑な素管に対して、目的とする凹部18および
凸部20に対応した螺旋状の凹凸が外周面に付されたプ
ラグを用いた引抜加工を施すこと等によっても製造する
ことができるが、特に、転造加工によって有利に製造さ
れ得る。
【0030】具体的には、例えば、図6〜8に示されて
いるように、内外周面が平滑な素管24の内部に、目的
とする凹部18および凸部20に対応した螺旋状の凹凸
が外周面に付されたプラグ26を挿入配置すると共に、
素管24の外部に3つのロール26を配設せしめて、そ
れらロール26によって素管24の外周面に圧力を加
え、素管24を回転させながら軸方向に移動させて管内
周面に凹凸加工を施すことにより、目的とする伝熱管1
0が製造されることとなる。
【0031】なお、ロール26としては、外周面が平滑
な異径のディスク28の複数枚を軸方向に重ね合わせて
ロッド30に装着したものが好適に用いられ、一般的な
転造加工と同様、ロッド30の軸が管軸に対して所定角
度:βだけ傾斜した状態で配設される。このようなロー
ル26を採用すれば、各種サイズの伝熱管の転造加工
に、容易に対応することができるのである。
【0032】すなわち、上述の如き構造の伝熱管10に
あっては、転造加工等によって容易に製造することがで
きるのであり、それ故、従来の切起し突起を設けた伝熱
管に比べて、製造性およびコスト性が大幅に向上される
といった利点も有しているのである。
【0033】なお、図5に示されているように、凸部2
0が管軸方向一方の側に傾斜して形成された伝熱管10
は、例えば、上述の如き転造可能によって傾斜しない凸
部20を形成した後、軸方向一方の側から管内にプラグ
を挿入してしごき加工を加え、かかる凸部20を傾斜さ
せること等によって、製造することができる。
【0034】そして、上述の如き伝熱管10は、図4に
示されているように、アルミニウム合金等で形成された
多数枚のプレートフィン12の装着孔に挿通固定される
ことにより、それらのプレートフィンが伝熱管10の外
周面に装着されると共に、複数本が並列的に配置された
状態でプレートフィン12によって一体的に組み付けら
れることとなる。なお、かかるプレートフィン12の装
着は、例えば、伝熱管10に多数枚のプレートフィン1
2を挿通せしめた後、伝熱管10内に拡管プラグを挿入
して拡径し、プレートフィン12の装着孔に嵌着せしめ
ることによって行われることとなる。
【0035】以上、本発明の構成について、図面を参照
しつつ詳細に説明したが、本発明は、図示された具体例
や上述の具体的構成例、或いは以下の実施例の記載によ
って限定的に解釈されるものではなく、当業者の知識に
基づいて種々なる変更,修正,改良等を加えた態様にお
いて実施され得るものであり、また、そのような実施態
様が、本発明の趣旨を逸脱しない限り、何れも、本発明
の範囲内に含まれるものであることが、理解されるべき
である。
【0036】
【実施例】JIS H3300の銅管(外径:φ19.
05mm,肉厚:0.7mm)を素管として用い、図6〜8
に示されている如き転造加工を施して、管内面に凹部お
よび凸部を形成することにより、図1〜3に示されてい
る如き構造の伝熱管を得た。なお、かかる伝熱管におけ
る凹部および凸部の数はそれぞれ一周当たり24条で、
ピッチ:pは略2.5mmであり、リード角:αは15
°,凹部の底面に対する凸部の高さは略0.3mmであっ
た。また、凸部の傾斜加工や管内へのコイル部材の配設
は行わなかった。
【0037】また、かくの如き本実施例の伝熱管と比較
するために、同一の素管の内周面を切起し加工すること
により、図9に示されているように、管内周面を螺旋条
に連続して延びる切起し突起32を設けた比較例として
の伝熱管34を得た。なお、かかる伝熱管34における
切起し突起32の数(ピッチ)やリード角、突出高さ
は、何れも、上記本実施例の伝熱管における凸部と同一
に設定した。
【0038】そして、これら本実施例および比較例の伝
熱管を各1本用い、それぞれ、管外周面にアルミニウム
フィンを装着せしめて鉛直方向に配管し、濃度:64重
量%,飽和圧力:8.9mmHgの臭化リチウム水溶液
を、管内周面に沿わせて60cc/分の流量で流下させる
一方、入口温度が35℃の冷却空気をアルミニウムフィ
ンに連続的に接触させて冷却せしめつつ、伝熱管内に水
蒸気を導いて水蒸気の吸収能力を測定した。かかる測定
結果を、冷房能力が2.2kW時の発生蒸気を完全に吸
収した場合の吸収能力に対する比率で表した結果が、下
記「表1」に示されている。
【0039】
【0040】かかる比較実験結果からも、本発明に従う
構造とされた伝熱管が、優れた伝熱性能を有しており、
空冷式吸収器に用いた場合に優れた水蒸気の吸収能力を
発揮し得ることが明らかである。
【0041】
【発明の効果】上述の説明から明らかなように、本発明
に従う構造とされた吸収器用伝熱管においては、鉛直方
向に配管された際、管内面を流下せしめられる液膜が凹
部に沿って導かれることにより、管周方向に広げられて
流下距離が長くされると共に、流下速度が抑えられて滞
留時間が有利に確保されるのであり、しかも、凹部の幅
方向にも略均一な膜厚さで広げられることから、液膜が
広い面積で有利に形成されて有効伝熱面積が効果的に確
保され得るのであり、それによって、優れた伝熱性能が
発揮され得るのである。
【0042】更にまた、凸部を管軸方向一方の側に傾斜
させれば、配管時に凹部を樋状に位置せしめることがで
きるのであり、それによって、液膜が凹部内に有利に保
持されて、液膜の管周方向への広がりや滞留時間の延長
が、より効果的に図られ得る。
【0043】また、伝熱管の内部にコイル部材を密接配
置すれば、伝熱面積の更なる増大が図られると共に、吸
収液の滞留時間の更なる延長が図られ得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う構造とされた伝熱管の具体例を示
す一部切欠正面図である。
【図2】図1におけるA部を拡大して示す断面説明図で
ある。
【図3】図1に示された伝熱管の横断面を拡大して示す
説明図である。
【図4】図1に示された伝熱管に対するプレートフィン
の組付状態を示す説明図である。
【図5】本発明に従う構造とされた伝熱管の別の具体例
を示す、図2に対応する断面説明図である。
【図6】図1に示された伝熱管の製造装置の一例を説明
するための縦断面説明図である。
【図7】図6に示された伝熱管の製造装置の正面説明図
であって、図6における VII−VII 断面に相当する図で
ある。
【図8】図6に示された伝熱管の製造装置におけるロー
ルの配設状態を示す説明図である。
【図9】伝熱性能の実験において比較例として用いた伝
熱管を示す、図2に対応する断面説明図である。
【符号の説明】 10 伝熱管 12 プレートフィン 14 吸収液 16 外周面 18 凹部 20 凸部 22 不連続部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略鉛直方向に配管されて管内を吸収液が
    流通せしめられる一方、管外周面に複数の冷却フィンが
    装着されて冷却空気が接触せしめられる空冷式の吸収器
    用伝熱管であって、 5〜75°のリード角で管内面を管長手方向に延びる凹
    部と凸部を、管周方向で交互に位置するように、それぞ
    れ管周方向で1.0〜5.0mmのピッチで形成すると共
    に、該凸部の該凹部に対する突出高さを0.2〜0.6
    mmとする一方、かかる凹部の内面を湾曲断面形状とし、
    且つ前記凸部の頂部を実質的な不連続部を有する断面形
    状としたことを特徴とする吸収器用伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記凸部が、管軸方向一方の側に傾斜し
    て立設されている請求項1に記載の吸収器用伝熱管。
  3. 【請求項3】 前記凹部および凸部のリード角よりも小
    さなリード角を有するコイル部材が管内に挿入されて管
    内周面に密接されている請求項1又は3に記載の吸収器
    用伝熱管。
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