JP2001165530A - 吸収器 - Google Patents

吸収器

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JP2001165530A
JP2001165530A JP34697599A JP34697599A JP2001165530A JP 2001165530 A JP2001165530 A JP 2001165530A JP 34697599 A JP34697599 A JP 34697599A JP 34697599 A JP34697599 A JP 34697599A JP 2001165530 A JP2001165530 A JP 2001165530A
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JP
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heat transfer
absorber
transfer tube
tube
transfer tubes
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JP34697599A
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English (en)
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Kotaro Tsuri
弘太郎 釣
Hidemitsu Kameoka
秀光 亀岡
Toshikuni Ohashi
俊邦 大橋
Akio Chikasawa
明夫 近沢
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Furukawa Electric Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
Osaka Gas Co Ltd
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
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    • Y02A30/27Relating to heating, ventilation or air conditioning [HVAC] technologies
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B30/00Energy efficient heating, ventilation or air conditioning [HVAC]
    • Y02B30/62Absorption based systems

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  • Heat-Exchange Devices With Radiators And Conduit Assemblies (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 より小型化されかつ伝熱性能をより向上させ
ることができる吸収器を提供することにある。 【解決手段】多列状かつ多段状に多数の伝熱管1を水平
に設置し、垂直方向に隣合う伝熱管1の断面中心部相互
の間隔L1を当該伝熱管1の外径Rの1.2〜1.3倍
に設定したことを特徴とする。さらに、水平方向に隣合
う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L2を当該伝熱管1
の外径Rの1.2〜1.3倍に設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は吸収器に関するもの
であり、さらに具体的には、吸収式冷凍機や空調用吸収
ヒートポンプなどに使用される吸収器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば吸収式冷凍機は吸収器,再生器,
凝縮器及び蒸発器を備え、吸収器内には、多列状かつ多
段状に多数の伝熱管が水平に設置され、伝熱管群の上方
には吸収液の散布装置が設置されている。そして、吸収
器の伝熱管内に冷却水を流しながら、当該伝熱管に対し
て再生器から冷却用の熱交換器を経て供給される吸収液
(臭化リチウム水溶液)を前記散布装置より滴下ないし
散布する。吸収液は、伝熱管群の表面を流下する際に管
内を流れる冷却水で冷却されて飽和温度よりも低く保た
れ、減圧状態の(ほぼ真空の)蒸発器で蒸発した冷媒蒸
気を吸収し、蒸気の吸収により希釈化された後再生器へ
送られる。吸収器の伝熱管内の冷却水は、冷媒蒸気の吸
収により温度上昇する吸収液を冷却した後、凝縮器の伝
熱管へ送られるように構成されている。前述のような吸
収器は、吸収式冷凍機や空調用吸収ヒートポンプ内で占
める容積比率が大きく、吸収式冷凍機や空調用吸収ヒー
トポンプの小型化の要請に伴ってその小型化が強く求め
られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】吸収器の小型化には、
伝熱管の高性能化による小型化と伝熱管の配列間隔を小
さくすることによる小型化が考えられる。従来は、伝熱
管の高性能化による吸収器の小型化は種々試みられてい
るが、伝熱管の配列間隔を考慮した小型化については厳
密に考慮されることがなく、隣合う伝熱管の断面中心部
相互の間隔が当該伝熱管の外径の1.4倍以上になるよ
うに設定されている。その理由は、吸収器において垂直
方向及び水平方向に隣合う伝熱管相互の間隔を前述の設
定値より小さくすると、蒸発器から供給される冷媒蒸気
の吸収器内での流れを阻害して伝熱性能を低下させると
考えられていたことによる。また、吸収器内に伝熱管を
水平に取り付けるには、例えば図9で示すように、吸収
器内の対の管板(隔壁を兼ねた支持板)20に伝熱管1
の端部(この端部の外周面は平滑である)の外径よりも
やや大きな径の孔20aを形成し、伝熱管1の端部を孔
20aに挿通した後に拡管することにより、伝熱管1を
管板20へ固定しているが、伝熱管1相互の間隔が極端
に狭いと、伝熱管1の管板20への取付けや取替え作業
(メンテナンス作業)が困難になるおそれがある。
【0004】発明者等は以上のような現状を踏まえ、吸
収器の一層の小型化のため、吸収器における伝熱管相互
の間隔の変化と、伝熱性能の変化及び器内の圧力損失変
化並びに伝熱管の取付け作業性との関係を詳細に検討し
た。その結果、吸収器内において伝熱管の垂直方向の間
隔を小さくした場合には当該間隔が大きい場合よりも伝
熱性能は向上し、伝熱管の水平方向の間隔を小さくした
場合には当該間隔が大きい場合と比較して伝熱性能に変
化がほとんどないこと、及び、吸収器内の伝熱管の間隔
を一定限度まで小さくしても伝熱管の取付け作業性や取
替え作業性を損なわないことを見出し、本発明を完成す
るに至ったものである。すなわち、本発明の目的は、よ
り小型化されかつ伝熱性能をより向上させることができ
る吸収器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る吸収器は、
前述の課題を解決するため以下のように構成したもので
ある。すなわち、請求項1に記載の吸収器は、多列状か
つ多段状に多数の伝熱管1を水平に設置し、垂直方向に
隣合う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L1を当該伝熱
管1の外径Rの1.2〜1.3倍に設定したことを特徴
としている。
【0006】請求項2に記載の吸収器は、請求項1に記
載の吸収器において、水平方向に隣合う伝熱管1の断面
中心部相互の間隔L2を当該伝熱管1の外径Rの1.2
〜1.3倍に設定したことを特徴としている。
【0007】請求項3に記載の吸収器は、請求項1又は
2に記載の吸収器において、伝熱管1の外周面に、高さ
hが0.2〜0.5mmのフィン10を螺旋状に、かつ
管長さ方向に25.4mm当たり35〜50枚のピッチ
で形成し、前記フィン10には当該フィン10の長さ方
向に沿って幅wが0.3mm以下,深さdが0.1〜
0.45mmで、かつフィンの高さh未満の切欠状部1
1を当該伝熱管1の周方向へ0.5〜0.9mmのピッ
チL3で形成したことを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】以下図面を参照しながら本発明に
係る吸収器の好ましい実施形態を説明する。図1は本発
明に係る吸収器の1実施形態を示す部分概略断面図、図
2は図1の吸収器における伝熱管の部分拡大正面図、図
3は図2の伝熱管の矢印A−Aに沿う部分拡大展開断面
図である。
【0009】吸収器2の内部には、垂直方向に10段,
水平方向に10列になるように均一な外径Rを有する多
数の伝熱管1が水平に設置されている。伝熱管1の取付
構造は、図9で説明した伝熱管1の固定構造と同じであ
る。吸収器2の一側壁面には、図示しない蒸発器との連
通部21が形成されており、この連通部21を通じて蒸
発器から冷媒蒸気が流入するようになっている。吸収器
2内において、垂直方向に隣接する伝熱管1相互の端部
は連通されていて蛇行状を呈するように配管され、伝熱
管群の上方には吸収液(臭化リチュウム水溶液)の散布
装置22が設けられている。図示しない再生器で再生さ
れた濃度の高い吸収液は、熱交換器で冷却された後各散
布装置22へほぼ均等に分配されつつ流れ、散布ノズル
23を通じて各列の最上位の伝熱管1に散布ないし滴下
される。最上位の伝熱管1に散布ないし滴下された吸収
液は、順次下段の伝熱管1の表面を流下し、この間に伝
熱管1内の冷却水で冷却されてその飽和温度よりも低い
温度に保たれ、蒸発器から流れ込む冷媒蒸気を持続的に
吸収し、希釈化する。冷媒蒸気の吸収により希釈化した
吸収液は、吸収器2の内底の溜まり部24に溜まり、底
部の配管25を経て図示しないポンプにより熱交換器を
通過した後再生器へ供給され再生される。伝熱管1内を
流れる冷却水は、図示しない凝縮器内の伝熱管へ供給さ
れる。
【0010】この実施形態において、垂直方向に隣合う
伝熱管1の断面中心部相互の間隔(距離)L1は均一で
あり、また、水平方向に隣合う伝熱管の断面中心部相互
の間隔L2も均一である。垂直方向に隣合う伝熱管1の
断面中心部相互の間隔L1、及び水平方向に隣合う伝熱
管1の断面中心部相互の間隔L2は、それらの伝熱管1
の外径Rの1.2〜1.3倍になるようにそれぞれ設定
されている。ここで伝熱管1の外径Rとは、当該伝熱管
1が外周面にフィンを有する場合は、断面において当該
フィンの頂部が形成する円を言う。
【0011】図2及び図3で示すように、各伝熱管1の
外周面には、管軸に対して所定のねじれ角θを有するフ
ィン10が、管の長さ方向に25.4mm当たり35〜
50枚(管軸と平行な断面において25.4mm当たり
35〜50個)のピッチで形成されている。フィン10
は、高さhが0.2〜0.5mmであり、このフィン1
0には、その長さ方向に沿って幅(又は長さ)wが0.
3mm以下,深さdが0.1〜0.45mmでかつフィ
ンの高さh未満の切欠状部11が当該伝熱管1の周方向
へ0.5〜0.9mmのピッチL3で形成されていて、
ほぼ鋸歯状ないし歯車状になっている。各伝熱管1の端
部は、それらの端部を図9のように管板20へ拡管固定
するため、外周面が平滑に形成されるとともにその外径
はフィン10を形成した部分と同じ(平滑部分の外径
は、フィン10の頂部が形成する円の径と同じ)に形成
されている。
【0012】前記実施形態の吸収器によれば、垂直方向
に隣合う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L1が伝熱管
1の外径Rの1.2〜1.3倍になるように設定されて
いるので、内部を流れる冷媒蒸気の圧力損失をほとんど
減じないで伝熱性能を向上させることができるともに、
その小型化を図ることができる。また、水平方向に隣合
う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L2は、それらの伝
熱管1の外径Rの1.2〜1.3倍になるように設定さ
れているので、伝熱性能をほとんど減じないで吸収器の
小型化を図ることができる。
【0013】また、前記実施形態の吸収器によれば、各
伝熱管1の外周面には、高さhが0.2〜0.5mmの
ように低いフィン10が、管の長さ方向に25.4mm
当たり35〜50枚(管軸と平行な断面において25.
4mm当たり35〜50個)のピッチで螺旋状に形成さ
れているので、吸収液が外周面を伝って流下する際に表
面に渇き面が生じ難いほか、伝熱面積が拡大される。ま
た、当該フィン10には、その長さ方向に沿って幅wが
0.3mm以下,深さdが0.1〜0.45mmで、か
つフィンの高さh未満の切欠状部11が当該伝熱管1の
周方向へ0.5〜0.9mmのピッチL3で形成されて
いるので、伝熱管1の外周面を流下する吸収液膜は、フ
ィン10相互の間を伝って管の周方向への移動が促進さ
れるとともに、切欠状部11により管の長さ方向(管軸
方向)への移動が促進され、その吸収性能の向上により
伝熱性能が高められる。
【0014】前記実施形態の吸収器において、垂直方向
に隣合う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L1を伝熱管
1の外径Rの1.2倍未満に設定すると、図9の要領で
伝熱管1を管板20へ取り付ける際の取付け(及び取替
えの際の取付け取外し)が困難になり、間隔L1を伝熱
管1の外径Rの1.3倍を超えるように設定すると、吸
収器2の小型化の程度が十分でないとともに吸収器の伝
熱性能も低下する。水平方向に隣合う伝熱管1の断面中
心部相互の間隔L2を伝熱管1の外径Rの1.2倍未満
にすると、同様に伝熱管1の管板への取付け取外しが困
難になる。他方、間隔L2が伝熱管1の外径Rの1.3
倍を超えると吸収器2の小型化の程度が十分でなくな
る。
【0015】前記吸収器において、伝熱管1のフィン1
0の高さhが0.2mm未満では伝熱面積(表面積)が
十分に拡大されず、他方、フィン10の高さhが0.5
mmを超えると吸収液膜の管軸方向への移動が緩慢にな
る。フィン10の形成ピッチが管の長さ方向へ25.4
mm当たり35枚未満では伝熱面積が十分に拡大され
ず、他方、フィン10の形成ピッチが管の長さ方向へ2
5.4mm当たり50枚を超えると、フィンの厚みが小
さくなりすぎてフィン加工が困難になる。フィン10の
長さ方向に断続的に形成される切欠状部11の幅wが
0.3mmを超えると、フィン10自体の表面積の減少
して十分な効果が得られなくなる。切欠状部11の深さ
dが0.1mm未満では吸収液膜の管軸方向への移動が
不十分になり、他方その深さdが0.45mmを超える
とフィン10の表面積が減少して伝熱面積拡大の効果が
十分に得られない。また、前記深さdがフィン高さhを
超えると切欠状部11での吸収液膜が厚くなりすぎて伝
熱性能が低下するおそれがある。切欠状部11の形成ピ
ッチが管1の周方向へ0.5mm未満ではフィン10の
表面積が小さくなって伝熱面積拡大の効果が十分に得ら
れず、0.9mmを超えると冷媒液膜の管軸方向への移
動が緩慢になる。
【0016】実施例 以下のような実施例の吸収器サンプルEx−1〜Ex−
4と、比較例の吸収器サンプルEx−5,6を製造し
た。 吸収器サンプルEx−1(請求項1に対応) 使用伝熱管 外径φ15.88mm、肉厚0.75mmで外面平滑な
リン脱酸銅管 伝熱管の配列 図4に準じ、2列10段で計20本を配列 各伝熱管有効長さ:760mm、上下方向の伝熱管端部
を連通 垂直方向の間隔L1=20mm(L1≒1.26R) 水平方向の間隔L2=35mm(L2≒2.20R)
【0017】吸収器サンプルEx−2(請求項1を引用
した請求項3に対応) 使用伝熱管 素管:外径φ15.88mm、肉厚0.75mmのリン
脱酸銅管 外面構造:図2及び図3に準ずる フィン高さh=0.35mm フィンピッチ=管長さ25.4mm当たり40枚 切欠状部深さd=0.2mm 切欠状部ピッチL3=0.75mm 伝熱管の配列 Ex−1と同じ
【0018】吸収器サンプルEx−3(請求項2に対
応) 使用伝熱管 Ex−1と同じ 伝熱管の配列 図5に準じ、4列5段で計20本を配列 各伝熱管有効長さ:760mm、上下方向の伝熱管端部
を連通 垂直方向の間隔L1=20mm(L1≒1.26R) 水平方向の間隔L2=20mm(L2≒1.26R)
【0019】吸収器サンプルEx−4(請求項2を引用
した請求項3に対応) 使用伝熱管 Ex−2と同じ 伝熱管の配列 Ex−3と同じ
【0020】吸収器サンプルEx−5(比較例) 使用伝熱管 Ex−1と同じ 伝熱管の配列 図4に準じ、2列10段で計20本を配列 各伝熱管有効長さ:760mm、上下方向の伝熱管端部
を連通 垂直方向の間隔L1=23mm(L1≒1.45R) 水平方向の間隔L2=35mm(L2≒2.20R)
【0021】吸収器サンプルEx−6(比較例) 使用伝熱管 Ex−2と同じ 伝熱管の配列 Ex−5と同じ
【0022】伝熱性能試験 図8の試験装置を使用し、吸収器内の吸収液濃度、吸収
液温度、冷却水流量及び冷却水の入口,出口温度を測定
することにより、以上の各吸収器サンプルについて伝熱
性能試験を行った。伝熱性能は、伝熱管の熱通過率:K
〔kW/(m2 ・K)〕で比較し、次式で求めた。 K=Qabs /Δt・Aabs ただし Qabs :吸収器での冷却水熱交換量(kW) Δt:吸収器と冷却水との対数平均温度差(K) Aabs :吸収器用伝熱管の外表面総面積(m2
【0023】図8において、2は設置された吸収器のサ
ンプル、3は蒸発器である。蒸発器3の内部には1列5
段の伝熱管30(有効長さ760mm)を水平に設置
し、上下方向の伝熱管30の端部は互いに連通して蛇行
状を呈するように配管した。蒸発器3内は減圧し、伝熱
管30内に矢印方向へ水を流通させるとともに、伝熱管
30には上方の散布装置31より冷媒を散布して蒸発さ
せた。一方、吸収器2の伝熱管1には、内部に矢印方向
へ冷却水を流すとともに、上方に設置された散布装置2
2より吸収液(臭化リチウム水溶液)を散布した。蒸発
器3内の冷媒蒸気を吸収器2の伝熱管1に散布される吸
収液に吸収させ、冷媒蒸気を吸収して希釈された吸収液
は希釈溶液槽4に溜め、その希釈吸収液を濃溶液槽5へ
供給して濃度調整するとともに、当該濃溶液槽5で加熱
沸騰させて温度調整を行った。濃度調整後の吸収液をポ
ンプ50により吸収液の散布装置22へ戻すように構成
した。
【0024】試験条件 冷却水・・・・・・入口温度:32℃ 管内流速:1.5m/s 吸収液・・・・・・臭化リチウム水溶液 流量:0.015〜0.035kg/m・sec(単位
長さ当たりの伝熱管に散布される質量流量) 入口濃度:63% 冷媒蒸気圧力・・・0.67kPa(6.5mmHg)
【0025】実施例の吸収器サンプルEx−1,2,
5,6について熱通過率を比較したところ、図6のとお
りであった。また、実施例の吸収器サンプルEx−3,
4,5,6について熱通過率を比較したところ、図7の
とおりであった。
【0026】図6で明らかなように、垂直方向に隣合う
伝熱管1の断面中心部相互の間隔L1を小さく設定した
実施例の吸収器サンプルは、間隔L1を大きく設定した
比較例の吸収器サンプルよりも高い伝熱性能が得られ
た。その理由は必ずしも明確ではないが、上位の伝熱管
からその下段の伝熱管へ吸収液が落下したとき、吸収液
の飛び跳ね(飛び散り)が抑制され、吸収液の流下が円
滑になったことによるものと考えられる。この結果によ
り、伝熱管の垂直方向の間隔を一定限度内で密に設定す
ることにより、垂直方向の寸法の小さい、より小型で高
性能の吸収器を提供することができること、又は伝熱管
の数を減少させることにより伝熱性能を低下させないで
垂直方向の寸法がより一層小さい吸収器を提供すること
ができることが判明した。
【0027】図7で明らかなように、垂直方向及び水平
方向に隣合う伝熱管の断面中心部相互の間隔L1,L2
を一定限度内で共に小さく設定した実施例の伝熱管サン
プルは、両者の縦横の間隔L1,L2を共に大きく設定
した比較例の伝熱管サンプルとほとんど変わらない伝熱
性能が得られた。この結果により、伝熱管の垂直方向及
び水平方向の間隔を一定限度内で密に設定することによ
り、伝熱性能をほとんど低下させることなく、より小型
の吸収器を提供することができることが判明した。ま
た、図6及び図7の結果によれば、図2及び図3で示し
たような表面構造の伝熱管を使用することにより、さら
に小型でより高性能の吸収器を提供することができる。
【0028】圧力損失測定 図8の実験装置を使用した場合の実施例の吸収器サンプ
ルEx−3,4について、図5のa,b,cの位置で右
方向から左方向へ流れる蒸気流圧力を測定し、測定点a
における蒸気流圧力と、測定点b,cにおけるそれぞれ
の蒸気流圧力との圧力差を比較したところ、測定点aに
対する測定点b,cの圧力差はいずれも0.001mm
Hg程度であって、ほとんど蒸気流の圧力損失は認めら
れなかった。すなわち、蒸気流の圧力損失をほとんど損
なうことなく、伝熱管の垂直方向及び水平方向の間隔L
1,L2を一定限度内で密に設定して、より小型の吸収
器を提供できることが判明した。
【0029】その他の実施形態 前記実施形態の吸収器2において、水平方向に隣接する
伝熱管1相互の端部は連通されて蛇行状を呈するように
構成されているが、伝熱管群の両端部は図示しない一又
は複数のヘッダー部へ連通されていて、冷却水が、一方
の端部のヘッダー部から分配されて各伝熱管1内を流
れ、各伝熱管1から他方のヘッダー部へ合流するように
構成することができる。
【0030】
【発明の効果】請求項1の発明に係る吸収器によれば、
垂直方向に隣合う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L1
を、当該伝熱管1の外径Rの1.2〜1.3の範囲に設
定したことにより、伝熱管の取付や取替えの作業をさほ
ど困難にすることなく、より伝熱性能が高く、かつより
小型の吸収器を提供することができる。
【0031】請求項2の発明に係る吸収器によれば、垂
直方向に隣合う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L1及
び水平方向に隣合う伝熱管1の断面中心部相互の間隔L
2をともに、当該伝熱管1の外径Rの1.2〜1.3の
範囲に設定したことにより、伝熱管の取付や取替えの作
業をさほど困難にすることなく、また、伝熱性能を低下
させることなく、より小型の吸収器を提供することがで
きる。
【0032】請求項3の発明に係る吸収器によれば、伝
熱管1の外面形状を特殊な形状としたので、請求項1又
は2に記載の吸収器の伝熱性能をさらに向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る吸収器の1実施形態を示す部分概
略断面図である。
【図2】図1の吸収器における伝熱管の部分拡大正面図
である。
【図3】図2の伝熱管の矢印A−Aに沿う部分拡大展開
断面図である。
【図4】実施例の吸収器サンプルを示す概略断面図であ
る。
【図5】他の実施例の吸収器サンプルを示す概略断面図
である。
【図6】実施例の吸収器サンプルと比較例の吸収器サン
プルにおける伝熱管の熱通過率を比較的に示す線図であ
る。
【図7】他の実施例の吸収器サンプルと比較例の吸収器
サンプルにおける伝熱管の熱通過率を比較的に示す線図
である。
【図8】伝熱性能試験で使用した試験装置の概略配管図
である。
【図9】吸収器における伝熱管の端部の固定構造を示す
部分断面図である。
【符号の説明】 1 伝熱管 10 フィン 11 切欠状部 2 吸収器 20 管板(支持板) 20a 孔 21 蒸発器との連通部 22 散布装置 23 散布ノズル 24 溜まり部 25 配管 3 蒸発器 30 伝熱管 31 散布装置 4 希釈溶液槽 5 濃溶液槽 50 ポンプ L1,L2 間隔 L3 ピッチ h フィンの高さ d 深さ w 幅 R 外径 θ ねじれ角
フロントページの続き (72)発明者 亀岡 秀光 東京都千代田区丸の内2丁目6番1号 古 河電気工業株式会社内 (72)発明者 大橋 俊邦 大阪市此花区北港白津1丁目1番3号 大 阪瓦斯株式会社内 (72)発明者 近沢 明夫 大阪市此花区北港白津1丁目1番3号 大 阪瓦斯株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多列状かつ多段状に多数の伝熱管1が水
    平に設置され、垂直方向に隣合う伝熱管1の断面中心部
    相互の間隔L1が当該伝熱管の外径Rの1.2〜1.3
    倍に設定されていることを特徴とする、吸収器。
  2. 【請求項2】 水平方向に隣合う伝熱管1の断面中心部
    相互の間隔L2が当該伝熱管1の外径Rの1.2〜1.
    3倍に設定されていることを特徴とする、請求項1に記
    載の吸収器。
  3. 【請求項3】 前記伝熱管1の外周面には、高さhが
    0.2〜0.5mmのフィン10が螺旋状に、かつ管長
    さ方向に25.4mm当たり35〜50枚のピッチで形
    成され、前記フィン10には当該フィン10の長さ方向
    に沿って幅wが0.3mm以下,深さdが0.1〜0.
    45mmで、かつフィンの高さh未満の切欠状部11が
    当該伝熱管1の周方向へ0.5〜0.9mmのピッチL
    3で形成されていることを特徴とする、請求項1又は2
    に記載の吸収器。
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