JP5254185B2 - エアベルト及びエアベルト装置 - Google Patents

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Description

本発明はエアベルト及びエアベルト装置に係り、本発明は、車両等に装備され、衝突時等に乗員の胸部および側頭部を拘束するエアベルト装置のためのエアベルトに関し、通常装着時に装着感に優れ、ガス発生装置(インフレータ)からの発生ガスによって効率よく所定形状に膨張するようにしたエアベルト及びエアベルト装置に関する。
従来のシートベルト装置は、乗員を拘束するベルトを構成するウェビングの幅が約50mmであるため、乗員はウェビングにより拘束されたとき比較的大きな荷重を局部的に受けるようになる。
このウェビングを袋状に形成し、通常時にはこの袋状のウェビングを帯状に保形して一般的なシートベルトとして機能させ、緊急時にガス発生手段から噴出するガスをこの袋状のウェビングに導入することによりウェビングを膨張させ、その膨張させたウェビングにより乗員を受け止めるようにしたエアベルトを備えたインフレータブルシートベルト装置(エアベルト装置)が種々提案されている(特許文献1)。
特許文献1に開示されたインフレータブルシートベルト装置のエアベルトによれば、ウェビングが乗員の運動エネルギーをより広い面積で受けるようになる。これにより荷重が分散されるので、乗員が受ける荷重は比較的小さなものとなり、乗員はより一層効果的に保護される。また、乗員がエアベルト機能を有するシートベルトを装着した状態で、エアベルトの一部が膨張する。これにより、シートベルトがたて方向(ベルト長手方向)に短縮する。これは、シートベルト端を所定量だけ巻取装置に引き込むプリテンショナと同様の作用となるため、乗員の初期拘束力が得られるという利点もある。
特開平6−135293号公報
しかし、特許文献1に開示したインフレータブルシートベルト装置では、エアベルトがベルト方向に長い範囲で膨張するため、たとえばエアベルトを蛇腹状に折り畳むような方法では、折り畳まれたエアベルトはその長手方向に長くなり、エアベルトをウェビング2の筒状部内の長手方向に沿って比較的長い領域にわたって収容しなければならない。
また、エアベルトは折り畳むと、幅、厚みともに増すため、従来のウェビングに比べ、エアベルトを収容した部分が太く、厚くなる。このためシートベルトの装着、装着解除動作のため、シートベルトの引き出し、巻き取りを行う際、エアベルト部分がスルーアンカーのスリット部分をスムースに通過しにくく、スルーアンカー通過時フィーリングが良くないという問題がある。そこで、本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、常時の装着時におけるスルーアンカー通過時フィーリング感に優れ、衝突時においては、適正なタイミングで所定形状に膨張し、乗員の側頭部から胸部を確実に拘束できるエアベルト装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は折り畳まれた状態から膨張し、乗員を拘束する拘束バッグ部と、該拘束バッグ部へのガス供給路となるガス導入ベルト部とが一体的に形成された第1のエアベルトと、前記ガス導入ベルト部内に折り畳んだ状態で挿入され、一部に開裂可能な弱部が形成され、開口端からガスが導入される第2のエアベルトとからなり、前記第2のエアベルトが、開口端から導入されたガスにより、前記ガス導入ベルト部から前記拘束バッグ部にわたって筒状に膨張、伸長し、前記拘束バッグ部の折り畳みを解くとともに、前記弱部が開裂し、前記第2のエアベルトから前記拘束バッグ部にガスが噴出し、前記拘束バッグ部を膨張させることを特徴とする。
前記第2のエアベルトは、筒状に膨張、伸長して前記第1のエアベルトの一部を押し出すようにして前記第1のエアベルトの折り畳みを解くようにすることが好ましい。これにより、前記第1のエアベルトを迅速に展開、膨張させることができる。
前記第2のエアベルトは、ほぼ全長が膨張した後に開裂する弱部を、先端部に形成することが好ましい。これにより、第2のエアベルトによって前記第1のエアベルトの折り畳みを解き、さらに前記拘束バッグ部の膨張を確実に行うことができる。
前記第1のエアベルトは、前記拘束バッグ部が前記ガス導入ベルト部の外側で、前記ガス導入ベルト部の幅にほぼ等しくなるように折り畳むことが好ましい。これにより、ベルト装着時の違和感が軽減される。
上述のエアベルトを用いたエアベルト装置として、前記エアベルトは、一端がガス導入経路を有するトングに接続され、その全体が筒状のメッシュウェビング内に収容され、前記メッシュウェビングの周囲が織布カバーで覆われ、ベルト装着時に、前記トングが前記ガス導入経路にガスを供給可能なインフレータを有するバックル装置に定着され、衝突時に前記バックル装置のインフレータで発生したガスが前記トング内のガス導入経路を介して、前記エアベルト内に供給されることを特徴とする。
以上に述べたように、本発明によれば、通常装着時において、エアベルト収容部分のスルーアンカー通過時フィーリング感が向上し、衝突時においては、エアベルトが適正なタイミングで所定形状に膨張し、乗員の側頭部から胸部を確実に拘束できるという効果を奏する。
本発明のエアベルトを備えたショルダーベルト部を有するエアベルト装置が車両に装備された状態を示した斜視図。 拘束エアベルトの折り畳み前の平面図および折り畳み手順を示した説明図。 展開推進ベルトの折り畳み前の平面図および折り畳み手順を示した説明図。 拘束エアベルトと展開推進ベルトとをユニット化したエアベルトを示した説明図。 図4に示したエアベルトの展開、膨張動作を模式的に断面で示した説明図。 エアベルト装置のショルダーベルト部の内部構成を示した説明図。 図6に示したエアベルト装置の膨張動作状態を示した説明図。
以下、本発明のエアベルト及びエアベルト装置の実施するための形態として、以下の実施例について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明のエアベルトを備えたエアベルト装置10を座席1に装備した状態を示した斜視図である。同図に示したように、エアベルト装置10は、内部に本発明のエアベルト20を収容したメッシュウェビング40と、このメッシュウェビング40の端部が定着されたウェビング16と、メッシュウェビング40とウェビング16の一部16aとを被覆したカバー45とからなるショルダーベルト部10Aを有する。ショルダーベルト部10Aの一端にはトング13が取り付けられている。さらにエアベルト装置10としては、トング13を介してラップベルト部10Bが一体的に接続されている。ショルダーベルト部10A内にはエアベルト12にガスを供給するガス供給部(図示せず)が形成され、その先端はトング13に導かれている。
エアベルト装置10を装着するには、通常のシートベルト装置と同様に、座席1の内側部に装備されたバックル装置14にトングプレート13aを係止する。このときトング13まで導かれたガス供給管が、バックル装置14側に設けられたガス噴出孔に気密性を保持して連結される。バックル装置14内にはインフレータ15が内蔵されている。このインフレータ15は、所定の衝突形態を検知して送られた点火信号を受けて作動してガスを発生させる。ガスはバックル装置14内部のガス経路を介してガス噴出孔14bから噴出され、エアベルト装置10側のガス供給管12を通じてショルダーベルト部10Aのエアベルト20に供給される。これにより、エアベルト装置10のエアベルト20は所定のタイミングで膨張し、乗員の胸部から側頭部を確実に拘束する。
ショルダーベルト部10Aのトング13と反対側は、Bピラー2に取り付けられたスルーアンカー3のスリット3aを通過し、車体内部の下部に装備されたシートベルト巻取装置(ELR)4に巻き取られている。一方、ラップベルト部10Bのバックル側と反対側端は、プリテンショナが装備されたシートベルト巻取装置(ELR)5に巻き取られている。ショルダーベルト部10Aのエアベルト20を収容した部分は、非装着時(図1参照)には、バックル装置14とスルーアンカー3との間に位置している。メッシュウェビング40のみが収容され、ウェビング16のカバー45で覆われた部分16aは、スルーアンカー3を通過し、Bピラー2に沿ってスルーアンカー3とシートベルト巻取装置4との中間位置まで延在している。このため、シートベルトの引き出し、巻き取り時には、比較的薄い、メッシュウェビング40のみが収容されカバー45で覆われたウェビング部分16aがスルーアンカー3のスリット3aを通過する。このため、引き出し巻き取り時における、スルーアンカー3の通過フィーリングは、従来のエアベルト装置に比べ、向上している。なお、図1に示したように、シートベルト巻取装置(ELR)4には通常幅のウェビング16のみが巻き取られる。
以下、エアベルト20の構成と、その膨張態様と、エアベルト20を収容したエアベルト装置10の構成について、添付図面を参照して説明する。
図2各図はエアベルト20の縫製後のパネル平面図および折り畳み時のパネル平面図、折り畳み時の概略断面図を示している。
図2(a)は、同形の2枚のパネル21の外周縁を縫い合わせて完成した拘束エアベルト22のパネル21の平面図である。拘束エアベルト22は、衝突時に、ガス導入ベルト22Bから導入されたガスにより膨張し、エアベルト20を装着した乗員の胸部から側頭部にかけてを拘束する部材である。その全長は約1000mmで、その1/2がウェビング16と同程度の幅のガス導入ベルト22Bと、その先に一体的に形成され、たとえば最大直径が150〜180mm程度の紡錘形状に膨張する拘束バッグ22Aとからなる。ガス導入ベルト22Bは、拘束バッグ22Aを膨張させるための筒状のガス経路で、その内部には後述する展開推進ベルト30が折り畳まれた状態でほぼ全長にわたり収容される。なお、図2(a)には、以下に説明する拘束エアベルト22Aの折り畳み手順に沿って折り畳まれる際の輪状の折り返し線22aが模式的に楕円形状で、拘束バッグ22Aの折り畳み方向が矢印線で(実線側から破線側に矢印方向に折り込まれる。)示されている。
本明細書では、エアベルト20を構成するために所定形状に切り出された基布を、パネル21と呼ぶ。基布の素材としては、たとえばポリアミド繊維糸の平織物に薄膜樹脂コーティングを施したものが使用されている。2枚重ねされたパネル21間の縫合箇所にはシールが施され、そのシール箇所に沿って縫製されている。これにより膨張時の縫合箇所ないし縫合線23からのガス漏洩が防止されている。
以下、拘束エアベルト22のパネル21の折り畳み手順の一例について、図2(b)〜(d)を参照して説明する。まず、図2(b)に示したように、拘束バッグ22Aの先端側が、長手方向のほぼ1/2で、全周が輪状の折り返し線となるように袋状に折り込み、その輪状の折り返し線の内部に拘束バッグ22Aの根元側の半分を、ガス導入ベルト22Bが先端側22bに達するように挿入する。同図の下半には、袋状となった先端側22b内に根元部22c側が挿入された状態のパネル21が断面で示されている。
図2(c)には、拘束バッグ22Aを折り畳むための折り目線(2点鎖線:谷折り線、1点鎖線:山折り線)が説明のために示されている。この折り目線に沿って蛇腹状に折り畳むことにより、図2(d),(f)に示したような、通常のウェビング16と同程度の幅の折り畳み状態の拘束エアベルト22ができあがる。
図2(e)は図2(d)に示した折り畳み図のうち、折り返しの状態を模式的に示した断面図である。同図に示したように、拘束エアベルト22は、図2(a)の全長に対して約1/2の長さに短縮される。図2(f)は図2(c)に記された折り畳み例により、拘束バッグ22Aが蛇腹状に折り畳まれた状態を示した模式断面図である。
次に、ガス導入ベルト22B内に収容される展開推進ベルト30の構成と折り畳み状態について、図3各図を参照して説明する。
図3(a)は、同形の2枚のパネル21の外周縁を縫い合わせて完成した展開推進ベルト30のパネル21の平面図である。この展開推進ベルト30は、衝突時に、ガス供給孔31から導入されたガスにより、約1/2の長さの折り畳み状態から図3(a)に示した全長の細長筒状になるまで膨張する。この展開推進ベルト30は、初期膨張段階では、拘束エアベルト22を迅速に展開させるための「押し出し棒」として機能する(図5(c)参照)する。これにより、ウェビング16幅程度まで細く折り畳まれた拘束バッグ22Aは、ベルト長手方向に、その折り畳み状態が解かれる。そして、展開推進ベルト30は、完全膨張した後に先端部30aが破断し、ガスが拘束エアベルト22の拘束バッグ22A内に一挙に噴出する。これにより、拘束バッグ22Aは短時間で所定の紡錘形状まで膨張できる(図5(d)参照)。
この展開推進ベルト30のパネルにも拘束バッグ22Aと同等の基布が使用されている。図3(a)の平面図で示されたパネルの2枚重ねの縫合箇所には、パネル間にシール32が施され、そのシール32の位置で縫製されている。これにより膨張時の縫合線33からのガス漏洩が防止されている。また、展開推進ベルト30の先端部30aは、ガス導入された細長棒状に膨張した直後にガス圧によって容易に破断するような工夫がなされている。
その構成について、図3(d),(e)を参照して説明する。図3(d)に示した展開推進ベルト30の先端部30aでは、先端部30aとその近傍にシール33が施されておらず、縫合のみで先端部30aが閉じられている。このため、展開推進ベルト30が棒状に完全膨張し、ベルト内が過圧状態になると、接合強度がシール33が施された縫合部分より弱い先端部30aにガス圧が作用し、先端部30aが一気に破断する。これにより、展開推進ベルト30は細長棒状に膨張した直後に先端部30aが裂けてガスが拘束バッグ22A内に噴出する。そのガス量は、拘束バッグ22Aを完全膨張させるのに十分な容量に設定されている。図3(e)に示したように、先端部30aの縫合糸34を細目糸に変えたり、縫い目ピッチを粗くして弱部となるようにすることも好ましい。この先端部30aの弱部としての構成は、まず展開推進ベルト30が細長棒状に完全膨張でき、膨張後に直ちに先端ないしは先端から所定の範囲が一気に破断して噴出したガスが急激に拘束バッグ22Aを膨張させるような作用を果たすものであれば、種々の手段で弱部を形成することができる。
ここで、展開推進ベルト30のパネル21の折り畳み手順の一例について、図3(b),(c)を参照して説明する。展開推進ベルト30の全長は、図3(a),図5(c)に示したように、拘束エアベルト22よりわずかに短く設定されている。この展開推進ベルト30を図2(d),(c)に示した折り畳み状態の拘束エアベルト22のガス導入ベルト22B内に挿入される。そのために展開推進ベルト30の全長の長手方向のほぼ1/2になるように、折り返し線30bまで先端部30aを根元部32Bにかけて折り返すように押し込み、その筒状の根元部32B(ガス導入孔近傍)に展開推進ベルト30の先端側32Aが達するように挿入する。図3(c)は図3(b)に示した展開推進ベルト30の折り畳みの状態の断面を、模式的に示した断面図である。同図に示したように、展開推進ベルト30は、図3(a)の全長に対して約1/2の長さに短縮される。
以下、展開推進ベルト30と拘束エアベルト22とをユニット化したエアベルト20の構成と、このエアベルト20における展開推進ベルト30と拘束エアベルト22の展開、膨張の動作について、図4各図、図5各図を参照して説明する。図4(a)は、上述した拘束エアベルト22のガス導入ベルト22B内に展開推進ベルト30を挿入し、トング13を取り付けてユニット化した状態を示したエアベルト20の平面図、図4(b)は、その側断面図(ガス供給管12のみ図示)を示している。
図4(a)に示したように、図3(b)に示した展開推進ベルト30の幅、厚さは、拘束エアベルト22のガス導入ベルト22Bの空間内に収まる程度に折り畳まれ、図2(d)に示したように、拘束バッグ22Aが折り畳まれた状態の拘束エアベルト22のガス導入ベルト22B内に挿入される。このとき、ガス導入ベルト22Bの開孔端は、挿入された展開推進ベルト30の端部近傍の外周面24に気密性を保持して接合されている。さらに展開推進ベルト30の端部には、ガス供給管12が一体化されたトング13が装着されている。このトング13は、図1に示したものと同一構成からなり、図1に示したように、座席1の側部に固定されたバックル装置14のトングプレート挿入孔14aにトングプレート13aを挿入すると、それと同時にガス供給管12がバックル装置14のガス噴出孔14bに気密性を保持して装着される。図4(b)は、図4(a)の側断面図であるが、同図から、発生ガスは、まずガス供給管12から展開推進ベルト30内にのみ供給されることが理解できる。
次に、図4(a)に示したユニット化されたエアベルト20の膨張、展開動作について、図5(a)〜(d)を参照して説明する。なお、図の簡単化のために、ガス供給管12は示していないが、エアベルト20に供給されるガス供給経路は白矢印で示し、エアベルト20内のガス経路は黒太矢印で示してある。図5(a)は、図4(b)と同一の初期状態である。なお、エアベルト20は、実際には図1,図6,図7に示したように、全体がメッシュウェビング40内に収容され、さらにその外周は織布からなるカバー45で覆われているが、それらの構成は後述し、図5各図では、エアベルト20の膨張動作について模式的に示して説明する。
車両の各所に設けられた衝突検知センサで所定の衝突状態が検知されると、図1に示したように、制御部(図示せず)から、バックル装置14と一体化されたインフレータ15に動作指令信号が送られ、インフレータ15が作動し、ガスが発生する。そのガスはガス噴出孔14bからガス供給管12を介して、図5(b)の白矢印のように、展開推進ベルト30内に供給される。このガス供給により、所定の固さで細長い筒状に膨らんだ展開推進ベルト30は、全長の約半分の長さに折り込まれた先端側部32Aを、わずかなガス量で、黒矢印で示したように先端方向に移動させるように、筒状をなして伸長する。これに伴い、図2(d)のように折り畳まれた拘束エアベルト22は、図5(b)に示したように、膨張過程にある展開推進ベルト30の一部に押し出されるようにして折り畳み状態が解かれていく。そして展開推進ベルト30が全長まで膨張する(図5(c))と、拘束エアベルト22も図2(d)の状態から図2(a)の状態まで、ほぼ折り畳み部分が無くなる程度まで展開される。その後もインフレータ15からはガス噴出されるため、容量以上のガスが展開推進ベルト30内に供給され、展開推進ベルト30内が過圧状態となる。そして、展開推進ベルト30の先端部30aの弱部(図3(d)、(e)参照)が破断し、ガスが一挙に拘束バッグ22A内に噴出する。そして拘束バッグ22Aは図5(d)に示したような略紡錘形状に膨張する。たとえば図1に示した座席1に座った乗員(図示せず)が本発明のエアベルト装置10を装着している場合、この紡錘形状に膨張した部位は、乗員の右胸部〜鎖骨〜右側頭部までの範囲に当接し、衝突(前突、側突)時における乗員の前記部位をソフトに拘束する。
[エアベルト装置の構成と膨張動作]
本発明の一実施例に係るエアベルト装置10のショルダーベルト部10Aの構成と、衝突時におけるエアベルト20の挙動について図6各図、図7を参照して説明する。
エアベルト装置10のショルダーベルト部10Aは、上述したユニット化したエアベルト20と、このエアベルト20全体を収容する編物よりなる筒状のメッシュウェビング40と、このメッシュウェビング40をさらに包む筒状の織布からなるカバー45と、スルーアンカー3での折り返し動作をスムースにさせるためのウェビング16とで構成されている。このウェビング16にはメッシュウェビング40の端部が定着されている。また、メッシュウェビング40全体を覆うカバー45はウェビング16の長手方向に沿ってその端部が縫製により支持されている。エアベルト20の一端には、上述したように、ガス供給可能なトング13(図4(a)参照)が接続されている。通常は、図1に示した座席1に座った乗員(図示せず)の右肩〜左腰部にかけてショルダーベルト部10Aを掛け渡すようにする。このときラップベルト10B(図1)は、乗員の下腹部に沿って掛け渡される。
エアベルト装置10は、図1,図6(a)に示したように、エアベルト20が収容されたショルダーベルト部10Aは、メッシュウェビング40のみがカバー45で被覆されている部分より若干幅が広く、厚みも増しているが、触感がよい織布製のカバー45で覆われているので、乗員の腹部から胸部に接しても圧迫感がない。
エアベルト20を収容するメッシュウェビング40は、加熱延伸加工を施すことにより、ベルト幅方向には柔軟に伸縮するが、長手方向(引張方向)への伸びがほとんど生じない。そこで、その性質を利用して、衝突時に拘束エアベルト22の拘束バッグ22Aが膨張し、周方向の膨張に応じたエアベルト20の短縮化が可能となる。そのため、ベルトテンショナーとしての作用も期待できる。
カバー45は、長手方向のたて糸と幅方向のよこ糸とからなる織布で構成されている。カバー45は、幅方向の織りの強さが長手方向よりも大きいため、ベルト幅が一定に保形されるとともに、ベルト長手方向において柔軟に屈曲しやすくなっている。これにより、カバー45は、図6(a)に示したように、エアベルト20を覆うメッシュウェビング40全体をさらにくるんでも引き出し、巻き取り動作がスムースに行える。
カバー45は、エアベルト20が収容された範囲では、ベルトに沿って長い細長形状の織物を、ベルト側辺で折り返し、反対側の側辺とを縫合して筒状をなしている。さらに、その先端側のメッシュウェビング40のみが収容された範囲では、カバー45の側端部45aがウェビング16の側辺に縫い付けられるとともに、メッシュウェビング40の端部はウェビング16の所定位置に定着されている。カバー45とウェビング16とを縫合する糸は、拘束バッグ22Aが膨張した際に断裂する。これにより、メッシュウェビング40内の拘束バッグ22Aの膨張と、それに伴うメッシュウェビング40の周方向の伸びは、ウェビング16によって拘束されることはない。図6(b)は、図6(a)のエアベルト装置10の側面からみた図である。同図に示したように、メッシュウェビング40内にエアベルト20が収容されている左半部分の厚さは、右半部分(メッシュウェビング40のみを収容し、そのカバー45側端部がウェビング16の側辺に縫い付けた部分)の厚さよりわずかに厚くなっている。また、図6(c)に示した背面図から明らかなように、エアベルト装置10は、エアベルト20が収容されている部位では、カバー45が乗員に接し、後に拘束バッグ22Aが膨張する範囲のメッシュウェビング40のみが収容されているウェビング16の部分16aは、エアベルト20が収容されている部分より薄く、またウェビング16が乗員に接する。よって、乗員がエアベルト装置10を手にした触感や、装着したときの装着感は、エアベルト20が収容された部分に比べ、通常のシートベルトの装着感に近づけることができる。
このように構成されたエアベルト装置10において、衝突時にバックル装置14にトングを装着した状態でインフレータ15が作動すると、初期状態である図7(a)の状態から、エアベルト装置10内の展開推進ベルト30が膨張し、次いで、図7(b)に示したように、拘束エアベルト22の拘束バッグ22Aが略紡錘形状に膨張する。この拘束エアベルト22の拘束バッグ22Aの膨張に際し、拘束バッグ22Aの膨張に応じてメッシュウェビング40が周方向に広がるとともに、カバー45の伸びしろを超えた段階で、縫合わせ部(図示せず)の破断糸が切断し、カバー45は縫合わせ部に沿って長手方向に一気に裂ける。これにより、拘束バッグ22Aは制限されることなく供給されたガス量分だけ膨張し、その膨張変化に応じてメッシュウェビング40も周方向に伸長する。なお、この拘束バッグ22Aの膨張による、メッシュウェビング40の周方向の伸びに応じて、メッシュウェビング40は長手方向の長さδだけ短縮される。これにより、エアベルト20によってもテンショナーとしての作用による乗員拘束が果たされるという効果も奏する。
なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 座席
3 スルーアンカー
4,5 シートベルト巻取装置(ELR)
10 エアベルト装置
10A ショルダーベルト部
10B ラップベルト部
12 ガス供給管
13 トング
14 バックル装置
14b ガス噴出孔
15 インフレータ
16 ウェビング
20 エアベルト
22 拘束エアベルト
22A 拘束バッグ
22B ガス導入ベルト
30 展開推進ベルト
30a 先端部
40 メッシュウェビング
45 カバー

Claims (5)

  1. 折り畳まれた状態から膨張し、乗員を拘束する拘束バッグ部と、該拘束バッグ部へのガス供給路となるガス導入ベルト部とが一体的に形成された第1のエアベルトと、前記ガス導入ベルト部内に折り畳んだ状態で挿入され、一部に開裂可能な弱部が形成され、開口端からガスが導入される第2のエアベルトとからなり、
    前記第2のエアベルトが、開口端から導入されたガスにより、前記ガス導入ベルト部から前記拘束バッグ部にわたって筒状に膨張、伸長し、前記拘束バッグ部の折り畳みを解くとともに、前記弱部が開裂し、前記第2のエアベルトから前記拘束バッグ部にガスが噴出し、前記拘束バッグ部を膨張させることを特徴とするエアベルト。
  2. 前記第2のエアベルトは、筒状に膨張、伸長して前記第1のエアベルトの一部を押し出すようにして前記第1のエアベルトの折り畳みを解くことを特徴とする請求項1に記載のエアベルト及びエアベルト装置。
  3. 前記第2のエアベルトは、ほぼ全長が膨張した後に開裂する弱部が、先端部に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のエアベルト及びエアベルト装置。
  4. 前記第1のエアベルトは、前記拘束バッグ部が前記ガス導入ベルト部の外側で、前記ガス導入ベルト部の幅にほぼ等しくなるように折り畳まれたことを特徴とする請求項1記載のエアベルト。
  5. 請求項1に記載されたエアベルトは、一端がガス導入経路を有するトングに接続され、その全体が筒状のメッシュウェビング内に収容され、前記メッシュウェビングの周囲が織布カバーで覆われ、ベルト装着時に、前記トングが前記ガス導入経路にガスを供給可能なインフレータを有するバックル装置に定着され、衝突時に前記バックル装置のインフレータで発生したガスが前記トング内のガス導入経路を介して、前記エアベルト内に供給されることを特徴とするエアベルト装置。
JP2009259934A 2009-11-13 2009-11-13 エアベルト及びエアベルト装置 Expired - Fee Related JP5254185B2 (ja)

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