JP5252758B2 - 塗料用樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料用硬化性樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、例えば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系基材、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの塗装に好適に使用しうる上塗り塗料用硬化性樹脂組成物および、当該上塗り塗料用硬化性樹脂組成物を塗装した塗装物に関する。
従来、窯業系基材、コンクリートや鉄鋼などからなる建築物、建材などの産業製品などの表面を、例えば、フッ素樹脂塗料、アクリルウレタン樹脂塗料、アクリルシリコン樹脂塗料などの塗料で被覆することによって建築物などの外観をよくしたり、防食性や耐候性等を向上させたりしている。
さらに近年では、有機塗料にシリコン化合物及びその縮合物を配合して耐汚染性を改善することが行なわれている。
例えば、特開平2−17825、特開平4−136022では、アクリル樹脂にトリメトキシシランを塩酸で加水分解したシロキサン化合物を配合して塗料として用いることが記載されている。
しかしながら、この方法ではシリコン化合物及びその縮合物を有機塗料に配合した直後やシリコン化合物及びその縮合物を長期に保存し、有機塗料に配合した場合に濁度が生じたり、硬化塗膜が不透明になることがあり問題となっていた。
特開平4−136022では、シロキサンの合成がされているが、これは塩酸を加えて加水分解中にメタノールを留去させながら反応を行なっているので、塩酸も留去されていた。
また、特開平2−73825では、トリアルコキシシランに塩酸を加えて縮合物を得、これをアクリル樹脂に配合して塗料としているが、得られたトリアルコキシシラン縮合物のpHも必ずしも一定のpHが得られているものではなかった。
発明が解決しようとする課題
本発明は、良好な耐汚染性を維持しつつ、樹脂の長期保存後も濁度がなく安定で、透明性の良好な硬化塗膜を与えることを目的とする。すなわち本願は、アルコキシシラン化合物の縮合物のpHが6未満であることを確認し、そうでない場合は、pHを6以下に調整して塗料組成物に配合することで、得られる塗膜の透明性が安定的に得られることを見出したものである。
課題を解決するための手段
本発明者らは、前記のごとき実状に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、有機塗料用樹脂(A)に測定したpHが6未満およびまたは6未満に調整されたシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)と有機溶剤(C)を配合した塗料用樹脂組成物が長期の保存安定性に優れ、濁りを生じ難く、また、硬化触媒を配合して塗布した硬化塗膜は、良好な耐汚染性を保持したまま、透明性に優れた塗膜であることを見出した。
すなわち本願発明は、有機塗料用樹脂(A)100重量部に対して、測定したpHが4.8以下およびまたは4.8以下に調整された一般式(I)で表されるシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)2〜100重量部、有機溶剤(C)を配合してなることを特徴とする塗料用樹脂組成物(ただし、有機塗料用樹脂(A)は含フッ素共重合体以外の有機塗料用樹脂である)であり、また前記組成物に硬化触媒(D)が配合されてなる塗料用硬化性組成物を塗布してなる塗装物でり、さらに測定したpHが4.8以下およびまたは4.8以下に調整された下記一般式(I)で表されるシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)2〜100重量部を保存した後に、有機塗料用樹脂(A)100重量部、有機溶剤(C)を配合することを特徴とする塗料用樹脂組成物の製造方法(ただし、有機塗料用樹脂(A)は含フッ素共重合体以外の有機塗料用樹脂である)。
本発明の塗料用樹脂組成物は、有機塗料用樹脂(A)100重量部に対して、測定したpHが6未満およびまたは6未満に調整された下記一般式(I)
(R1O)4-a−Si−R2 a (I)
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)2〜100重量部、有機溶剤(C)を配合してなる。
上記有機塗料用樹脂(A)は、樹脂成分(ベース樹脂成分)として有機樹脂を使用する塗料組成物である限り特に限定はないが、耐候性、耐汚染性等の点から、反応性硬化型有機樹脂を樹脂成分として含有するのが好ましい。また、アクリル系樹脂を樹脂成分として含有するものであってもよい。
反応性硬化型有機樹脂
上記反応性硬化型有機樹脂としては、樹脂自体が反応硬化して架橋塗膜構造を形成することができるものである限り使用することができ、市販品を使用することもできる。また、使用する有機溶剤は、強溶剤であってもよいし、弱溶剤であってもよい。
上記反応性硬化型有機樹脂の例としては、ウレタン架橋を行なう反応性硬化型アクリル樹脂、反応性硬化型変性シリコン樹脂、反応性硬化型フッ素樹脂等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
シロキサン架橋を行なうアクリル系樹脂
上記反応性硬化型有機樹脂としては、シロキサン架橋を形成するアクリル系樹脂を使用することができ、塗膜形成過程においてシロキサン架橋を形成して、優れた耐候性のある塗膜を得ることができる。
上記シロキサン架橋を形成するアクリル系樹脂は、架橋点として反応性シリル基を有し、架橋によりシロキサン結合を生成するアクリルシリコン樹脂がある。また、架橋にアルコキシシリル基、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基を用いるものや、アクリル樹脂中にアミノ基、カルボキシル基を有し、エポキシ化合物又はエポキシシランとの反応で架橋させるものもある。塗布後架橋することにより塗膜物性が向上するため、上記アクリルシリコン樹脂の中でも、水酸基のような反応性基を有し、イソシアネートやメラミンにより架橋するタイプ、及びエポキシ基又は水酸基のような反応性基を有し、カルボキシル基により架橋するタイプが好ましい。
また、上記アクリルシリコン樹脂の代表的な合成法としては、反応性シリル基を含有するビニル系単量体(a)とその他の共重合可能な単量体(b)を共重合する方法が挙げられる。また、例えばイソシアネート基含有(メタ)アクリル酸エステルと水酸基含有オルガノポリシロキサンとを反応させる方法、グリシジル(メタ)アクリレートとアミノ基含有オルガノポリシロキサンとを反応させる方法等が挙げられる。
上記反応性シリル基を含有するビニル系単量体の具体例としては、例えば、
Figure 0005252758
などの一般式(II)
Figure 0005252758
(式中、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、または、炭素数7〜10のアラルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R5は炭素数1〜10のアルキル基を表し、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。bは、0〜2の整数を表す。)で表される化合物;
Figure 0005252758
などの一般式(III)
Figure 0005252758
(式中、R3、R4、R5、bは前記と同じ、nは1〜12の整数を示す。)で表される化合物;
Figure 0005252758
などの一般式(IV):
Figure 0005252758
(式中、R3,R4,R5,b、nは前記と同じ)で表される化合物化合物;
Figure 0005252758
などの一般式(V):
Figure 0005252758
(式中、R3、R4、R5およびbは前記と同じ、mは1〜14の整数を示す)で表される化合物
Figure 0005252758
などの一般式(VI)
Figure 0005252758
(式中、R3、R4、R5およびbは前記と同じ、Pは0〜22の整数を示す)で表される化合物や、炭素原子に結合した反応性シリル基をウレタン結合またはシロキサン結合を介して末端に有する(メタ)アクリレートなどがあげられる。これらの中では、共重合性および重合安定性、ならびに得られる組成物の硬化性および保存安定性が優れるという点から、前記一般式(III)で表される化合物が好ましい。
これらの単量体(a)は単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。前記単量体(a)は、前記のように、得られるビニル系共重合体(A)中に反応性シリル基を含有する単量体が1〜90%、さらには3〜70%、とくには3〜50%含有されるように使用するのが好ましい。
また、前記その他の共重合可能な単量体(b)の具体例としては、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、α−エチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド(メタ)アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2ーヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、アロニクスM−5700、マクロモノマーであるAS−6、AN−6、AA−6、AB−6、AK−5などの化合物(以上、東亜合成化学工業(株)製)、Placcel FA−1、Placcel FA−4、Placcel FM−1、Placcel FM−4、HEAC−1(以上、ダイセル化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル類とリン酸またはリン酸エステル類との縮合生成物などのリン酸エステル基含有(メタ)アクリル系化合物、ウレタン結合やシロキサン結合を含む(メタ)アクリレートやスチレン、αーメチルスチレン、クロロスチレン、スチレンスルホン酸、4ーヒドロキシスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族炭化水素系ビニル化合物;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などの塩;無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の酸無水物、これら酸無水物と炭素数1〜20の直鎖状または分岐鎖を有するアルコールまたはアミンとのジエステルまたはハーフエステルなどの不飽和カルボン酸のエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ジアリルフタレートなどのビニルエステルやアリル化合物;ビニルピリジン、アミノエチルビニルエーテルなどのアミノ基含有ビニル系化合物;イタコン酸ジアミド、クロトン酸アミド、マレイン酸ジアミド、フマル酸ジアミド、N−ビニルピロリドンなどのアミド基含有ビニル系化合物;2ー ヒドロキシエチルビニルエーテル、メチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン、フルオロオレフィンマレイミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルスルホン酸などのその他ビニル系化合物などが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
上記シロキサン架橋を形成するアクリル系樹脂の数平均分子量は、2000〜30000が好ましい。より好ましくは、3000〜25000である。数平均分子量が2000未満であると、硬化性、耐候性が低下する傾向にあり、30000を超えると外観性、作業性が低下する傾向がある。
上記シロキサン架橋を形成するアクリル系樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ウレタン架橋を行なうアクリル系樹脂
上記反応性硬化型有機樹脂が、塗膜形成過程において、水酸基含有アクリル樹脂と架橋剤としてのポリイソジアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物とから構成されるウレタン架橋を行なう反応性硬化型アクリル系樹脂である場合には、優れた耐久性のある塗膜が形成される。
上記水酸基含有アクリル樹脂は、例えば水酸基含有ビニル系単量体(c)と上記その他の共重合可能な単量体(b)との共重合により得ることができる。
上記水酸基含有ビニル系モノマー(c)としては特に限定されず、例えば、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシエチルビニルエーテル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、4―ヒドロキシスチレン、東亜合成化学工業社製のアロニクス5700(商品名)、日本触媒化学工業社製のHE−10、HE―20、HP−10及びHP―20(いずれも商品名)(以上、いずれも末端に水酸基を有するアクリル酸エステルオリゴマー)、日本油脂社製のブレンマーPPシリーズ(ポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーPEシリーズ(ポリエチレングリコールモノメタクリレート)、ブレンマーPEPシリーズ(ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールメタクリレート)、ブレンマーAP400(ポリプロピレングリコールモノアクリレート)、ブレンマーAE350(ポリエチレングリコールモノアクリレート)、及びブレンマーGLM(グリセロールモノメタクリレート)(いずれも商品名)、水酸基含有ビニル系化合物とε―カプロラクトンとの反応によるε―カプロラクトン変性ヒドロキシアルキルビニル系共重合性化合物、ダイセル化学工業社製HEAC−1(商品名)等のポリカーボネート含有ビニル系化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中では、塗膜に優れた耐酸性及び耐水性を付与することができる点から、2―ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2―ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましい。
また、その他の共重合可能な単量体としては、例えば、上記その他の共重合可能な単量体(b)と同様の単量体等が挙げられる。
上記水酸基含有アクリル樹脂は、上記水酸基含有ビニル系単量体(c)を5〜80重量%含有することが好ましい。より好ましくは、上記水酸基含有ビニル系単量体(c)が10〜60重量%である。
上記水酸基含有ビニル系単量体(c)の量が5重量%未満であると、硬化性が低下する傾向にあり、80重量%を超えると、耐水性、耐候性が低下する傾向がある。
上記水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量は、1000〜30000が好ましく、より好ましくは、2000〜25000である。数平均分子量が1000未満であると、耐水性や耐候性が低下する傾向があり、30000を超えると配合物の相溶性が低下する場合がある。
上記水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、20〜1000が好ましく、より好ましくは50〜750である。水酸基価が20未満であると、塗膜の耐久性が低下する場合があり、1000を超えると、塗膜の耐久性、耐水性が低下する場合がある。
上記水酸基含有アクリル樹脂は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記ポリイソシアネート化合物としては、1分子中に2個以上のイソシアネート基を有する化合物を挙げることができ、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系;水素添加キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート等の脂環族系;トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等の芳香族系等のものが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記ブロックポリイソシアネート化合物としては、上記ポリイソシアネート化合物を、例えばε―カプロラクタム等のラクタム系ブロック化剤;エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール系ブロック化剤;アセトキシム等のオキシム系ブロック化剤等でブロックしたもの等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記水酸基含有アクリル樹脂と上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物との配合割合は、上記水酸基含有アクリル樹脂の水酸基に対し、上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物のイソシアネート基が0.5〜1.5当量になるようにするのが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.2当量である。0.5当量未満であると、塗膜の耐候性、耐水性等が低下し、1.5当量を超えると、外観性、耐候性等が低下する傾向にある。
反応性硬化型フッ素樹脂
上記反応性硬化型フッ素樹脂を樹脂成分の主体として用いる場合には、耐候性の優れた塗料組成物を得ることができる。
上記反応性硬化型フッ素樹脂の例としては、水酸基含有フッ素樹脂と、例えばアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロックポリイソシアネート化合物等の反応性硬化剤とを組み合わせたもの等が挙げられる。
上記水酸基含有フッ素樹脂は、例えば、上記水酸基含有ビニル系単量体(c)、フルオロ才レフィン(d)及び必要に応じて上記その他の共重合可能な単量体(b)を共重合させて得ることができる。
上記フルオロオレフィン(d)としては、一般式(VII);
Figure 0005252758
(式中、R6、R7、及びR8は、いずれもH、F又はClを表す。R6、R7及びR8は、同一であっても異なっていてもよい。)で表される化合物が使用できる。具体的には、例えば、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン等が挙げられる。これらの中でも、耐久性、耐水性に優れた塗膜が得られる点から、四フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレンが好ましい。
上記水酸基含有フッ素樹脂は、カルボキシル基を有することができる。該カルボキシル基は、例えば、水酸基含有フッ素樹脂中の水酸基の一部と、例えば無水イタコン酸、無水コハク酸等の多塩基酸無水物とを付加反応させることによって導入できる。
上記水酸基含有フッ素樹脂は、上記水酸基含有ビニル系単量体(c)を10〜60重量%、上記フルオロオレフィン(d)を5〜50重量%、及び、上記その他の共重合可能な単量体(b)を20〜80重量%共重合させて得られるものが好ましい。より好ましくは、上記水酸基含有ビニル系単量体(c)を15〜50重量%、上記フルオロオレフィン(d)を10〜30重量%、及び、その他の共重合可能な単量体(b)を30〜70重量%である。上記水酸基含有ビニル系単量体(c)の量が10重量%未満であると、硬化性が低下する傾向にあり、60重量%を超えると、耐水性が低下する傾向にある。また、上記フルオロオレフィン(d)の量が5重量%未満であると、高耐候性が望めない傾向があり、50重量%を超えると、上記シリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)との相溶性が低下する傾向にある。
これら以外にも、上記水酸基含有フッ素樹脂としては、上記フルオロオレフィン(d)の代わりにパーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基を一端に有し、多端にエチレン性二重結合を有する単量体(e)を共重合させて得られる重合体も使用できる。
上記パーフルオロアルキル基又はパーフルオロアルケニル基を一端に有し、多端にエチレン性二重結合を有する単量体(e)としては、例えば、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロイソノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記水酸基含有フッ素樹脂の数平均分子量は、2000〜100000が好ましく、より好ましくは、5000〜80000である。上記数平均分子量が2000未満であると、塗膜の耐久性が低下し、100000を超えると、上記シリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)との相溶性が低下する傾向がある。
また、上記水酸基含有フッ素樹脂の水酸基価は、20〜200が好ましく、より好ましくは、50〜150である。上記水酸基価が20未満であると、塗膜の耐久性が低下し、200を超えると、塗膜の耐久性と耐水性が低下する傾向にある。
上記反応性硬化剤としてのアミノ樹脂としては特に限定されず、例えば、メラミン、尿素、ベンゾグアナミン、アセトグアナミン、ステログアナミン、スピログアナミン、ジシアンジアミド等のアミノ成分とアルデヒドとの反応によるメラミン樹脂、メチロール化アミノ樹脂等が挙げられる。上記アルデヒドとしては特に限定されず、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。また、上記メチロール化アミノ樹脂を適当なアルコールによってエーテル化したものも使用できる。エーテル化に使用されるアルコールは特に限定されず使用できる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記水酸基含有フッ素樹脂と上記アミノ樹脂との混合割合は、両者の総合計量に対して、上記水酸基含有フッ素樹脂90〜40重量%、上記アミノ樹脂10〜60重量%が好ましい。上記の範囲をはずれると、塗膜の耐水性、耐候性等が低下する。
また、上記水酸基含有フッ素樹脂と上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物との混合割合は、上記水酸基含有フッ素樹脂の水酸基に対して、上記ポリイソシアネート化合物又はブロックポリイソシアネート化合物のイソシアネート基を0.5〜1.5当量の範囲とすることが好ましく、より好ましくは、0.8〜1.2当量である。0.5当量未満であると、塗膜の耐候性、耐水性等が低下し、1.5当量を超えると塗膜の耐候性が低下する傾向にある。
上記有機塗料用樹脂(A)の例としては、上記反応性硬化型有機樹脂を含み、更に顔料、レベリング剤、タレ防止剤等の塗料添加剤、紫外線吸収剤、光安定剤等を含む硬化性樹脂組成物を有機溶剤に溶解させたものが挙げられる。また、ニトロセルロース、セルロースアセテートブチレートなどの繊維素;エポキシ樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂、塩素化ポリプロピレン、塩化ゴム、ポリビニルブチラール、ポリシロキサンなどの樹脂などを適宜加えてもよい。
上記顔料、塗料添加剤、紫外線吸収剤、光安定剤としては特に限定されず、公知のものを使用することができる。
また、上記有機塗料用樹脂(A)に含有される樹脂成分としては、これまで詳述してきたいかなる樹脂成分とも、2種以上組み合わせることが可能である。
本発明に用いられるpHを6未満に調整した下記一般式(I)
(R1O)4-a−Si−R2 a (I)
(式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)(以後、シリコン化合物(B)という)は、塗膜の耐汚染性を向上させることを主たる目的に配合される成分であり、上記有機塗料用樹脂(A)100重量部に対して、2〜100重量部配合することが好ましく、より好ましくは、5〜80重量部、更に好ましくは10〜50重量部である。
上記シリコン化合物(B)の配合量が2重量%未満であると、塗膜の耐汚染性が低下し、100重量部を超えると、クラックが発生したり、塗膜が脆くなったり、硬化性が低下する傾向がある。
前記一般式(I)において、R1は炭素数1〜10、好ましくはたとえばメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基などの炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはたとえばフェニル基などの炭素数6〜9のアリール基、好ましくはたとえばベンジル基などの炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基である。
前記アルキル基の炭素数が10を超える場合には、シリコン化合物類(B)の反応性が低下するようになる。また、R1が前記アルキル基、アリール基、アラルキル基以外の場合にも反応性が低下するようになる。
また、前記一般式(I)において、R2は炭素数1〜10、好ましくはR1と同様の炭素数1〜4のアルキル基、好ましくはR1と同様の炭素数6〜9のアリール基、好ましくはR1と同様の炭素数7〜9のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素である。
前記一般式(I)において、(R1O)4-aは4−aが3以上になるように、すなわちaが0または1になるように選ばれるが、本発明の組成物から形成される塗膜の硬化性が向上するという点からは、aが0であるのが好ましい。
一般式(I)中に存在する(R1O)4-aの数が2個以上の場合、2個以上含まれるR1は同じであってもよく、異なっていてもよい。
前記シリコン化合物(B)の具体例としては、たとえばテトラメチルシリケート、テトラエチルシリケート、テトラn−プロピルシリケート、テトラi−プロピルシリケート、テトラn−ブチルシリケート、テトラi−ブチルシリケートなどのテトラアルキルシリケート;メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、3ーグリシドキシプロピルトリメトキシシラン、メチルトリsec−オクチルオキシシラン、メチルトリフェノキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン等のシランカップリング剤などが挙げられる。
また、前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物(B)の具体例としては、たとえば通常の方法で前記テトラアルキルシリケートやトリアルコキシシランに水を添加し、縮合させて得られるものがあげられ、たとえばMSi51、MSi53、ESi28、ESi40、HAS−1、HAS−10、EMS30/70やEMS40/60等のEMSシリーズ、EPSiシリーズ(以上、コルコート(株)製)、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(以上、三菱化学(株)製)、シリケート40、シリケート45、シリケート48、FR−3(以上、多摩化学(株)製)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物や、たとえばAFP−1(信越化学工業(株)製)などのトリアルコキシシランの部分加水分解分解縮合物などが挙げられる。
前記シリコン化合物(B)のうちでは、有機塗料用樹脂(A)とを用いて形成される塗膜の汚染物質の付着を制御するという点から、MSi51、MS51、MS56、MS51B15、MS56S、MS56SB5(テトラメトキシシランの部分加水分解分解縮合物)やESi40、シリケート40、シリケート45、シリケート48、ESi48(テトラエトキシシランの部分加水分解縮合物)、FR−3、EMSシリーズ(テトラメトキシシランとテトラエトキシシランの共部分加水分解縮合物)などのテトラアルキルシリケートの部分加水分解分解縮合物を用いるのが好ましい。
さらに、前記シリコン化合物の部分加水分解縮合物(B)のなかでは、縮合度の高いMS56やMS56S、シリケート45、シリケート48ESi48、FR−3、EMSシリーズなどが初期から接触角を低下させるという点から好ましい。
また、本発明のpHを6未満に調整するとは、シリコン化合物(B)を加水分解縮合させる際に、酸性物質を使用し、目的の縮合物が得られた後の脱酸工程をpH6未満になるように調整したり、あるいは、酸性物質を用いずに縮合し、あるいは、上記脱酸工程でpH6以上となった後に酸性物質を配合してpHを6未満にすることをいう。
特に好ましくは、調整されるpHは3〜6である。
pHが3未満の場合には、得られた塗料用樹脂組成物が増粘したり、塗膜の密着性が低下する場合がある。
上記酸性物質としては、水分を含まないこと以外とくに制限はないが、具体的には、塩酸、硝酸、りん酸、硫酸、亜硫酸等の無機酸;モノメチルホスフェート、モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モノオクチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホスフェート等のりん酸エステル;ぎ酸、酢酸、マレイン酸、アジピン酸,シュウ酸、コハク酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸等のカルボン酸化合物;ドデシルベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、1−ナフタレンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸等のスルホン酸化合物等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、前記シリコン化合物(B)中の水分は1000ppm以下に調整される。とくに、前記シリコン化合物が部分加水分解縮合物(B)の場合には、加水分解縮合時に用いられる水分を脱水工程を経て1000ppm以下に脱水する。
前期有機溶剤(C)としては、非水系のものであれば強溶剤、弱溶剤とも使用可能でとくに制限はなく、例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソ、n−ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素類やミネラルターペン、テレピン油等の弱溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類;メチルエチルケトン、アセト酢酸エチル、アセチルアセトン、メチルイソブチルケトン、アセトン等のケトン類;イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール、ヘキサノール、オクタノール等のアルコール類が挙げられる。
本発明の塗料用樹脂組成物には、必要に応じて硬化触媒(D)が配合される。硬化触媒(D)の具体例としては、例えば、ジブチルスズジラウレート、ジブチルスズジマレエート、ジオクチルスズジラウレート、ジオクチルスズジマレエート、オクチル酸スズ等の有機スズ化合物;エチルアセトアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−ト、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムモノアセチルアセトネ−トビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセチルアセテ−トアルミニウムジイソプロピレ−トなどの有機アルミ化合物;有機チタネート化合物;有機亜鉛化合物等の有機金属化合物が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上併用してもよい。
硬化触媒(D)の具体例としてさらに、有機カルボンと有機アミンの併用物がある。有機カルボン酸の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、フタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸およびこれらの無水物がある。有機アミンの具体例としては、ラウリルアミンなどの一級アミン、トリエチルアミン、ジメチルラウリルアミンなどの三級アミン、モルホリンなどの環状アミンが挙げられる。有機カルボン酸と有機アミンの組み合わせとしては、硬化活性とポットライフのバランスから酢酸/ジメチルラウリルアミン、ヘキサン酸/ラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ジメチルラウリルアミン、2−エチルヘキサン酸/ラウリルアミンの組み合わせが好ましい。更に好ましくは、2−エチルヘキサン酸/ジメチルラウリルアミンと2−エチルヘキサン酸/ラウリルアミンの組み合わせである。有機リン酸エステルの具体例としては、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト、ジ(2−エチルヘキシル)ジホスフェ−トなどがある。硬化活性とポットライフのバランスよりジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−トが好ましく、この有機リン酸エステルは単独でも良く、上記有機アミンと併用しても良い、好ましい組み合わせとしてはジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト/ジメチルラウリルアミン、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト/ラウリルアミンであり、更には、ジ(2−エチルヘキシル)モノホスフェ−ト/ジメチルラウリルアミンが好ましい。上記組み合わせ物質は、1種類でも良く、2種類以上併用してもよい。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば浸漬、吹き付け、刷毛などを用いた塗布などの通常の方法によって被塗物に塗布され、通常、常温でそのまま、または30度程度以上で焼き付けて硬化せしめる。
本発明の塗料用硬化性樹脂組成物は、たとえば金属、セラミックス、ガラス、セメント、窯業系成形物、プラスチック、木材、紙、繊維などからなる建築物、家電用品、産業機器などの上塗り用の塗料として好適に使用される。
次に、本発明の塗料用硬化性樹脂組成物を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
製造例1 反応性硬化型有機樹脂の製造
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き110℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分を加えて攪拌した。
得られた加水分解性シリル基含有アクリル樹脂(A−1、A−2)、水酸基含有アクリル樹脂(A−3、A−4)、加水分解性シリル基及び水酸基含有アクリル樹脂(A−5)の各アクリル樹脂溶液の固形分濃度、ポリスチレン換算GPCで測定した数平均分子量を表1に示した。
Figure 0005252758
製造例2 シリコン化合物(B)のpH測定とpH調整
イソプロピルアルコールと脱イオン水を10対3で混合した標準液50mlをpH7に調整し、シリコン化合物(B)10gを攪拌混合した。つぎに、HORIBA F−22(堀場製作所(株)製)を用いてpH測定を行なった。GPCで測定した数平均分子量とともにその結果を表2に示した。
pH6以上のシリコン化合物(B)に表2の酸性成分(オ)を加えてpH調整をおこなった。その結果を表2に示した。
また、表2に示すシリコン化合物(B)100gを、容量120mlのガラス瓶に密閉し、50℃で1ヵ月保存した。保存後、pHを測定した。その結果を併せて表2に示した。
(a)塗料用樹脂組成物の濁度
製造例で得られた反応性硬化型有機樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対して、シリコン化合物(B)と有機溶剤(C)を表3に記載のとおりに配合し、樹脂固形分濃度を55%とした。日本電色工業(株)製Σ80を用いて、キシレンを標準液にして、塗料用樹脂組成物の濁度を測定した。その結果を表3に示した。
(b)塗膜の濁度
製造例で得られた反応性硬化型有機樹脂(A)の樹脂固形分100重量部に対して、シリコン化合物(B)と有機溶剤(C)、硬化触媒(D)を表4に記載のとおりに飼合し、固形分濃度45%の組成物を得た。得られた組成物をガラス板上に、75μもしくは150μのアプリケーターを用いて塗布し、23℃、相対湿度55%の条件下で7日間養生乾燥した。得られた塗装物を日本電色工業(株)製Σ80を用いて、ガラス板を標準として濁度を測定した。その結果を表4に示した。
(c)水接触角
(b)で得られた塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−S150型)で測定した。その結果を表4に示した。
(d)耐汚染性(ΔL値)
アルミ板(A5052P)上に#1000プライマー(エスケー化研(株)製)を塗布し、1日後リリカタイト(エスケー化研(株)製)を塗布した。さらに1日後、表4に示す組成物を膜厚20〜30μになるように塗布し、形成直後の塗膜表面および大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR−300色差計(ミノルタ製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。その結果を表4に示した。
Figure 0005252758
Figure 0005252758
Figure 0005252758
発明の効果
有機塗料用樹脂(A)に測定したpHが6未満およびまたは6未満に調整されたシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)と有機溶剤(C)を配合した塗料用樹脂組成物が、長期の保存安定性に優れ、濁りを生じ難く、また、硬化触媒を配合して塗布した硬化塗膜は、良好な耐汚染性を保持したまま、透明性に優れた塗膜となる。

Claims (1)

  1. 測定したpHが4.8以下およびまたは4.8以下に調整された、保存安定性に優れた下記一般式(I)
    (R1O)4-a−Si−R2 a(I)
    (式中、R1は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R2は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)を保存した後に、有機塗料用樹脂(A)100重量部に対し、前記シリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)2〜100重量部および有機溶剤(C)を配合することを特徴とする塗料用樹脂組成物の製造方法(ただし、有機塗料用樹脂(A)は含フッ素共重合体以外の有機塗料用樹脂である)であって、
    前記有機塗料用樹脂(A)が、シロキサン架橋およびまたはウレタン架橋を形成するアクリル系樹脂を樹脂成分として含有するものであり、
    シリコン化合物およびまたはその部分加水分解縮合物(B)について、その保存安定性が、50℃1ヶ月保存後の同(B)を使用する場合において塗料用樹脂組成物の濁度が5.5(キシレンを標準液として測定)以下であると規定されるものである、
    塗料用樹脂組成物の製造方法。
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