JP5252071B2 - 光拡散フィルム、その積層シート及びその製造方法 - Google Patents

光拡散フィルム、その積層シート及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光拡散フィルム、その積層シート及びその製造方法に関するものである。詳しくは、光の透過度と拡散度の両方の特性が優れた光拡散フィルムであり、例えば、LED光源を用いた照明装置用に用いた場合に、直進性の強いLED光源の光を大面積に拡散させて、かつ強い光の光源スポットを見えなくした上で、更に、その光線の透過率度の低下度が抑制された少ないLED光源数で広い面積を均質な光量分布で、かつ高い照度や輝度を得ることができる光拡散フィルム、その積層シート及びその製造方法に関するものである。
近年、LED(発光ダイオード)は消費エネルギーが少なく、かつ寿命が長い等の特徴を有しており省エネルギーの観点より注目されており、室内照明、車内照明、外灯、広告灯及び表示装置等の照明用の光源として広く使用されてきている。しかしながら、LED光源より発せられる光は直進性(指向性)が高いためにスポット状の狭い範囲の照明には効率的な照明ができるが、上記のような大面積の照明に使用する場合は多数の光源を用いる必要があり、省エネルギーであるという特長を有効に活用できない上に、均質な明るさを得にくいという課題を有する。
広い面で均一光量分布を得るためには、種々の工夫が必要とされている。
例えば、少なくとも一つの一次光源と、この一次光源から発せられる光を導光し且つ前記一次光源から発せられた光が入射する光入射端面及び導光される光が出射する光出射面を有する板状の導光体とを備えており、前記導光体が、前記光出射面及びその反対側の裏面の双方又は一方に光出射機構を備え、且つ前記光出射面及び前記裏面の双方又は一方に少なくとも一つの局所的レンズ列形成部を備え、この局所的レンズ列形成部のそれぞれは少なくとも一つの局所的レンズ列を含み、この局所的レンズ列が前記一次光源から発せられ前記光入射端面に入射した光のうちの最大強度光の入射位置での輝度分布におけるピーク光の方向と異なる方向に形成されているもので、これによって輝度不均一を解消する方法が開示されている(特許文献1参照)。
また、一端に開口部が形成され、その内側壁が光の反射面である光源収容部を有するランプハウジングと、光源収容部に設けられた発光ダイオードと、開口部の前面に設けられた表示板とを備え、発光ダイオードからの光を拡散反射して均一にする技術が開示されている(特許文献2参照)。
更に、光を放射する光源と、該光源からの光を伝搬してその放射方向の所定位置に放射面を有する光学的に透明な導光体と、該導光体の前記放射面以外の面を閉鎖する無蓋のケーシングと、該ケーシングと前記導光体の間の全体に設けられた内側反射手段と、前記放射面に設けられ、前記光源からの光を所定の割合で反射させる放射側反射手段と、を具備する面照明光源が開示されている(特許文献3参照)。
上記特許文献1〜3に開示されている方法は光源の構造複雑であり経済性に劣るという課題を有する。また、面状の照明には対応できるが、例えば、蛍光灯のような管状の照明体としての対応は困難であるという課題を有する。
一方、蛍光灯を光源とした照明装置において、均質な光量分布を得る方法として、各種方法で得られた光拡散フィルムを用いる方法が開示されている。
例えば、微粒子等よりなる拡散性物質とバインダー樹脂との混合物を塗布により積層する方法(例えば、特許文献4等参照)、非相溶の熱可塑性樹脂を溶融押し出して製膜する方法(例えば、特許文献5、特許文献7等参照)及びフィルム表面にエンボス加工等の賦型処理をして表面形状を制御する方法(特許文献6等参照)や等が開示されている。
しかしながら、従来公知の光拡散フィルムは、LED光源を用いた照明装置用に用いた場合は、その拡散性が不足しており市場の要求を十分に満足するレベルに到達していない。特に、LED光源は光の指向性が強いために光源のスポットが消失することなく光源周辺の光量が高くなる(以下、スポット消失性と称することもある)という課題を有している。該課題を抑制しようとすると全光線透過率が低下して照明装置全体の光量(以下、全光量と称することがある)が低下するとい課題を有していた。
本発明者等は上記の二律背反を解決する方法について鋭意研究を進め、スポット消失性を高めるには、平行光線透過率を低減することが、全体の光量を高めるには全光線透過率を高める等が有効であることを見出した。
例えば、特許文献5の比較例において、平行光線透過率が低い事例が開示されているが、全光線透過率が低いので全光量が低いという課題を有する。一方、該特許文献6の実施例には、全光線透過率が改善された例が開示されているが、平行光線透過率が高くなるのでスポット消失性が満足しないことが示されている。
また、特許文献7には、全光線透過率及び拡散透過率が記載されており、該数値より平行光線透過率を求めると、実施例1及び実施例2はそれぞれ4.6及び2.1%となり、特許文献4の実施例と同様に平行光線透過率が高くスポット消失性が劣るという課題を有している。
一方、液晶表示装置(LCD)は、薄型、軽量、低消費電力等の特徴を活かしてフラットパネルディスプレイとして多用され、その用途は携帯電話、携帯情報端末(PDA)、パーソナルコンピュータ、テレビなどの情報用表示デバイスとして年々拡大している。
液晶表示装置には、光源からパネルに至る光伝達路でのロスを抑え、パネル上の輝度を向上させるために、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。中でも、液晶層を背面から照らして発光させるものが広く普及しているが、光源の配置の仕方により、大別してサイド型と直下型がある。
近年、バックライトユニットは、液晶表示装置のみでなく灯具や電飾看板等の広い分野に使用されてきている。
該バックライトユニットには、バックライトとレンズフィルム、光拡散フィルム及び輝度向上フィルム等の各種の光学フィルムや拡散板等の光学部材が組み合わされてパネル上の輝度の向上や輝度の均一性向上が図られている。普通は2〜4枚の部材が使用されている(例えば、非特許文献1等参照)。
例えば、輝度を向上させるためのレンズフィルムが開示されている(例えば、特許文献8等参照)。
該方法は、レンズによる集光効果を利用して輝度向上が図られているため、正面より眺めた時の輝度を向上することはできるが、斜めより眺めた時の輝度が正面より眺めた時の輝度に比べて大きく低下する。また、高価である。
上記の斜めより眺めた時の輝度が正面より眺めた時の輝度に比べて大きく低下する課題解決をする方法として、レンズフィルムに加えて2枚の異方性光拡散フィルムを併用する技術が開示されている(例えば、特許文献9参照)
また、上記レンズフィルム一枚では、輝度の均一性が不十分で、該レンズフィルムと異方性の光拡散フィルムとを組み合わせる技術が開示させている(特許文献10参照)。
また、上記レンズフィルムにさらに輝度向上フィルムを併用する方法が開示されている(例えば、特許文献11等参照)が、輝度の角度依存性の低減には有効ではない。
近年、バックライト装置の性能向上により高い輝度が発現されてきていることと、大型TVやカーナビゲーション用途では正面輝度の高さよりも輝度の角度依存性の改善が強く求められている。
また、部材の減少等によるロスやコスト低減及び装置の薄型化等が強く求められている。
そこで、単一の基材フィルム自体に光拡散性を付与する試みも検討されている。(例えば、特許文献12参照。)
しかしながら、特許文献12に記載のフィルムは拡散度が小さく、面内輝度均質性やパターン隠蔽性等が不十分であることが示唆されている。
特開2003−186427号公報 特開2003−186427号公報 特開2008−027886号公報 特開2001−166114号公報 特開平10−111402号公報 特開2007−140477号公報 特開平09−80208号公報 特開2004−4970号公報 特開2008−256797号公報 特開2006−251395号公報 特表平09−506985号公報 特開2007−10798号公報
内田龍男監修「図解 電子ディスプレイのすべて」(工業調査会刊)P47〜48
拡散度算出方法の補助図。 変曲度算出方法の補助図。
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点を解決するものであり、光の透過度と拡散度の両方の特性が優れた光拡散フィルムであり、例えば、LED光源を用いた照明装置用に用いた場合に、直進性の強いLED光源の光を大面積に拡散させて、かつ強い光の光源スポットを見えなくした上で、更に、その光線の透過率度の低下度が抑制された少ないLED光源数で広い面積を均質な光量分布で、かつ高い照度や輝度を得ることができる光拡散フィルム及びその積層シートを提供することにある。
本発明は、上記のような状況に鑑みなされたものであって、上記の課題を解決することができた光拡散フィルムおよびその積層シートとは、以下の構成よりなる。
1. 少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物よりなり、以下の(1)〜(4)の特性を同時に満たすことを特徴とする光拡散フィルム。
(1)全光線透過率が66%以上であること。
(2)ヘーズが96%以上であること。
(3)平行光線透過率が2.0%以下であること。
(4)明細書中に記載した変角光度計にて入射角0度で測定した透過光の拡散度比(DH/DL)が2.0以下であること。
(ただし、DH及びDLは、自動変角光度計で測定した透過光の変角光度曲線のピークの高さの半分の高さにおける角度の幅(半値幅)を光拡散フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向に固定して測定して、半値幅の大きい方をDH、小さい方をDLとする。)
2. 前記DHが30度以上であることを特徴する前記1に記載の光拡散フィルム。
3. 明細書中で記載した方法により、光拡散フィルムの巻き方向が試料固定台の上下方向と平行方向及び水平方向に固定して測定することにより得られた、主拡散方向の光の変曲度が4〜100%であること特徴とする前記1又は2に記載の光拡散フィルム。。
4. 前記の少なくとも2種のポリオレフィン系樹脂の混合物が、少なくとも1種がポリオレフィン系樹脂よりなることを特徴とする前記1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルム。
5. 前記の少なくとも2種のポリオレフィン系樹脂の混合物が、2種以上のポリオレフィン系樹脂よりなることを特徴とする前記4に記載の光拡散フィルム。
6. 前記の少なくとも2種のポリオレフィン系樹脂の混合物が、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含んでなることを特徴とする前記5に記載の光拡散フィルム。
7. 前記環状ポリオレフィン系樹脂の230℃で測定したメルトフローレートが0.1〜1.5未満であり、前記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートが5〜100であることを特徴とする前記6に記載の光拡散フィルム。
8. 前記の少なくとも2種の非相溶の熱可塑性樹脂の混合物よりなる光拡散フィルムの少なくとも片面に、主としてポリオレフィン系樹脂よりなる表面層が積層されてなることを特徴とする前記5〜7のいずれかに記載の光拡散フィルム。
9. 前記表面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、極性基を含有したポリオレフィン樹脂よりなることを特徴とする請求項8に記載の光拡散フィルム。
10. 極性基を含有したポリオレフィン樹脂が少なくともカルボキシル基を含むことを特徴とする前記9に記載の光拡散フィルム。
11. 前記のもう一種の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂よりなることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の光拡散フィルムフィルム。
12. 前記のもう一種の熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする前記1〜4のいずれかに記載の光拡散フィルムフィルム。
13. 一方向に2倍以上延伸されてなることを特徴とする前記12に記載の光拡散フィルム。
14. 少なくとも片面が賦型処理により粗面化されてなることを特徴とする前記1〜13のいずれかに記載の光拡散フィルム。
15. 上記明細書中に記載した変角光度計にて入射角0度で測定した透過光の拡散度比(DH/DL)が2.0を超えた光拡散フィルムの少なくとも2枚が、主拡散方向が直交する方向で重ね合わせてなることを特徴とする前記1〜14に記載の光拡散フィルム。
16. 前記1〜15のいずれかに記載の光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mm、全光線透過率が70〜100%のプラスチックシートを積層してなることを特徴とする光拡散フィルム積層シート。
17. LED光源よりなる照明装置に用いてなる事を特徴とする前記1〜15のいずれかに記載の光拡散フィルム。
18. LED光源よりなる照明装置に用いてなる事を特徴とする前記16に記載の光拡散フィルム積層シート。
19. 前記1〜15のいずれかに記載の光拡散フィルムを、LED光源を用いた照明装置の出光部の外面または内面に取り付けてなることを特徴とするLED光源を用いた照明装置。
20. 前記16に記載の光拡散フィルム積層シートを、LED光源を用いた照明装置の出光部の外面または内面に取り付けてなることを特徴とするLED光源を用いた照明装置。
21. 前記1〜15のいずれかに記載の光拡散フィルムをバックライトユニットの出射光面上に設置してなることを特徴とするバックライト装置。
22. 前記16に記載の光拡散フィルム積層シートをバックライトユニットの出射光面上に設置してなることを特徴とするバックライト装置
23. 少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型されてなることを特徴とする前記1〜15のいずれかに記載の光拡散フィルムの製造方法。
24. 押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出してし、該シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ冷却固化させて製膜されてなることを前記22に記載の光拡散フィルムの製造方法。
本発明の光拡散フィルム及びその積層シートは、光の透過度と拡散度の両方の特性が優れた光拡散フィルムであり、例えば、LED光源を用いた照明装置用に用いた場合に、直進性の強いLED光源の光を大面積に拡散させて、かつ強い光の光源スポットを見えなくした上で、更に、その光線の透過率度の低下度が抑制されているので、単位面積あたりのLED光源の数を少なくしても均質で、かつ高い光量を得ることができる。従って、LED光源の光は直進性が高いため引き起こされスポット状の狭い範囲しかできないというLED光源を用いた照明装置の欠点を抑制し、かつ少エネルギーであるというLED光源の特徴が維持できるという特長を有する。
また、従来公知の光拡散フィルムに比べて拡散性が大幅に改善されているので、例えば、蛍光灯を光源とした照明装置に用いた場合は、蛍光灯と光拡散フィルムや光拡散フィルム積層シートとの距離を近づけても高度な光拡散性が発現されるので、照明装置の厚み低減や、蛍光灯の本数低減等の効果が発現される。さらに、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置の光拡散フィルムとして使用した場合に、表示パネルの厚み低減ができ、かつ輝度向上のために使用されている輝度向上フィルムや光拡散フィルム等の光学機能調整用フィルムの枚数を低減することができる。
また、本発明の光拡散フィルム及びそれを用いた積層シートは、上記した光学特性を維持した上で、例えば、耐熱性等の非光学特性を向上させることができる。
従って、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイ等の表示装置における照明などの各種照明において有効に使用することができる。
また、本発明の光拡散フィルム及びそれを用いた積層シートは、バックライト装置の光学部材として用いた場合は、一枚の使用で高い輝度、輝度の角度依存性の低減、面内輝度均質性及びパターン隠蔽性等のバックライト装置用の光学部材として具備する必要のある光学特性を付与することができるので、バックライト装置の経済性を高めることができる。特に、高価なレンズフィルムを使用しなくても良く、かつ斜めより眺めた時の輝度が低下するという該レンズフィルム使用の課題が解消されるという大きな利点を付与することができる。
また、本発明のバックライト装置は、レンズフィルムを使用したバックライト装置に近い高度な正面輝度を有しており、かつレンズフィルムを使用したバックライト装置の課題である輝度の角度依存性が低減されているので、例えば、大型TVに使用した場合は、斜めより見た時の画面の明るさ低下が抑制されるという利点を有している。
また、該特長より、例えば、カーナビゲーションのように斜めから眺めることの多いディスプレイのバックライト装置として有用である。
また、室内や社内照明用の灯具のバックライト装置と使用した場合は、レンズフィルムを用いたバックライト装置に比べて広い範囲にわたり均一な照度がえられるという利点を有する。
更に、本発明のバックライト装置は、一枚の部材の使用で、上記の全ての特性を付与することができるので経済性が著しく高いという利点を有する。
従って、本発明のバックライト装置は、液晶表示装置、室内の照明、内照式電飾パネル等において有効に使用することができる。
また、本発明の光拡散フィルム製造方法によると、上記特性を有した本発明の光拡散フィルムを経済的に、かつ安定して製造することができる。
(光学特性)
本発明の光拡散フィルムは、下記特性を同時に満たす必要がある。
(1)全光線透過率が66%以上であること。
(2)ヘーズが96%以上であること。
(3)平行光線透過率が2.0%以下であること。
(4)以下の方法で測定される光拡散フィルムの変角光度計にて入射角0度で測定した透過光の拡散度比(DH/DL)が2.0以下であること。
(ただし、DH及びDLは、自動変角光度計で測定した透過光の変角光度曲線のピークの高さの半分の高さにおける角度の幅(半値幅)を光拡散フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向に固定して測定して、半値幅の大きい方をDH、小さい方をDLとする。)
以下、DHの方向を主拡散方向と称することもある。
上記全光線透過率は68%以上がより好ましく、70%以上が更に好ましい。特に80%以上、さらに90%以上が好ましい。100%が最も好ましい。なお、100%超であることは原理上ないので100%が上限である。全光線透過率が66%未満では、LED光源より発せられる光線の透過率が低下し、照明として用いた時の光量が低下して照明装置の照度や輝度が低下するので好ましくない。
上記ヘーズは97%以上がより好ましく、98%以上が更に好ましい。100%が最も好ましい。なお、100%超であることは原理上ないので100%が上限である。ヘーズが96%に未満では、光の拡散性が低下し、均質な照明ができなくなるので好ましくない。均質な照明をするためにはLED光源の数を増やす必要があり経済的に不利になる。
上記平行光線透過率は1.7%以下がより好ましく、1.5%以下が更に好ましく、1.2%以下がより更に好ましい。0〜1.0%が特に好ましい。0%が最も好ましい。なお、0%未満であることは原理上ないので0%が下限である。平行光線透過率が2.0%を超えた場合は、スポット消失性が悪化し、光源の強い光によるスポットが明確に見えるようになり、均質な照明が得られなくなるので好ましくない。
透過光の拡散度比(DH/DL)(以下、単に拡散度比と称することもある)は、1.8以下であることが好ましい。1.6以下がより好ましく、0.7〜1.3が特に好ましい。
拡散度比(DH/DL)が2.0を超えた場合は、光の拡散の異方性が高くなり、特定方向に光が拡散することになるので、面としての光量、すなわち、照度や輝度の均質性が低下するので好ましくない。
なお、上記拡散度比は下記方法で測定して求めたものである。
<透過光の拡散度比の測定方法>
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
透過測定モード、光線入射角:0°(試料面に対して上下、左右共に直角になる角度)、受光角度:−90°〜90°(赤道線面上の角度)、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し、透過光のピークトップが、チャートの40〜90%になるようにSENSITIVITYやHIGH VOLTONの設定を変更して測定することにより得た透過光の変角光度曲線のピークの高さの半分の高さにおける角度の幅(半値幅)を求めた。
上記測定を光拡散フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向に固定して行い求められた半値幅の大きい方をDH、小さい方をDLとして、拡散度比(DH/DL)を求めた(図1参照)。
上記測定は光拡散フィルムの表面粗さに差がある場合は、表面粗の粗い方の面を受光側に固定して測定した。
なお、受光器を移動させる面を赤道面と定義した。
本発明の光拡散フィルムは、上記特性を同時に満たすことで本発明の効果を十分に発揮できるが、更に上記DHが30度以上であることが好ましい。35度以上がより好ましく、40度以上が更に好ましい。DHが30度未満では、光の拡散性が低下し、均質な照明が得られにくくなるので好ましくない。均質な照明をするためにはLED光源の数を増やす必要があり経済的に不利となる。
(光の変曲度)
本発明における光の変曲度は、以下の方法で測定して求めたものである。
<光の変曲度の測定方法>
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
透過測定モード、光線入射角:0°(試料面に対して上下、左右共に直角の角度)、受光角度:−90°〜90°(赤道線面上の角度)、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し、透過光のピークトップが、チャートの40〜90%になるようにSENSITIVITYやHIGH VOLTONの設定を変更して測定することにより得た透過光のピークの高さ(H0)と、光線入射角を60°(赤道線面上の角度)に変更する以外は、上記条件と同じ条件で測定した時の透過光のピークの角度0度における高さ(H60)を求める。該方法で求めたH60とH0を用いて下記式で変曲度を求める。
光の変曲度=H60/H0×100(%) (1)
図2参照。
なお、受光器を移動させる面を赤道面と定義する。
該光の変曲度は、主拡散方向において測定して求める。
上記測定はバックライト装置用光拡散フィルムの表面粗さに差がある場合は、実際にバックライト装置に用いる時と同じ方向に光が通過するような方向で固定して測定する。
上記光の変曲度は、6〜100%がより好ましく、8〜100%が更に好ましい。
光の変曲度が、4%未満では、前述した本発明の効果を十分に発現することが出来なくなるので好ましくない。
該特性は、例えば、バックライト装置用光拡散フィルムに光を入光した時に、フィルム中での光の変曲効果の度合い、すなわち、高角度で入光した光が正面に向かって出光する度合いを示す尺度である。ある意味で集光効果を示す尺度とも見なせる。本発明の光拡散フィルムは、従来公知の光拡散フィルムやレンズフィルムより大きな変曲効果を有する。そのために、本発明の効果を効率的に発現できるものと推察される。
例えば、液晶ディスプレイ用のバックライト装置に用いた場合は、従来公知のレンズフィルムフィルム、光拡散フィルム(シート)及び光拡散板それぞれ一枚の部材使用においても上記特性のいずれかを満たすことができるが、全ての特性を同時に満たすことができるという理想的な特性が付与できたのは本発明が初めて成し得たものである。
該理想的な特性が付与できた理由は定かでないが、上記した複数の光学を同時に満たすことで達成できたと推察している。例えば、光の変曲度が高い事が輝度の角度依存性に対して、拡散度が高いことが面内輝度均質性やパターン隠蔽性に対する寄与が大きいと推察している。
(光拡散フィルム表面の表面粗度)
本発明の光拡散フィルムは、少なくとも片方の表面の表面粗度は等方的であることが好ましい。すなわち、光拡散フィルムの巻き方向と該方向と直行する方向の平均表面粗度を測定して得られるそれぞれの平均表面粗度であるRaVとRaHの比である表面粗度比(RaV/RaH)が0.83〜1.20であることが好ましい。該範囲を外れた場合は、例えば、光拡散の異方性、すなわち、前述の拡散度比(DH/DL)が高くなり、光量すなわち、照度や輝度の均質性が低下するので好ましくない。上記表面粗度比は0.91〜1.1がより好ましい。
(光拡散フィルムの構成)
本発明の光拡散フィルムは、少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物よりなる。
上記少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物の存在形態は、連続相及び分散相としてそれぞれの樹脂が独立して存在するいわゆる海/島構造であってもよいし、両樹脂が共連続相を形成した構造であってもよい。樹脂の界面における光の屈折や散乱により上記特性は付与される。
本発明の光拡散フィルムのフィルム厚みは限定されないが、通常10〜1000μmが好ましい。30〜500μmがより好ましい。
(少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物)
本発明において少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物に用いる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリポロピレン系樹脂、ポリブテン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリメチルペンテン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、フッ素系樹脂及びこれらの共重合体等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂より非相溶性(お互いの溶け合わない)の熱可塑性樹脂の少なくとも二種類を選択すればよいが、上記特性を安定して発現させることができること及び経済性の点より、少なくとも1種がポリオレフィン系樹脂よりなることが好ましい。
2種類の樹脂のもう一方の樹脂としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂及びフッ素系樹脂等が好適である。光学特性以外の要求特性や経済性等を勘案して適宜選択される。
特に、耐光性や経済性の点より二種類ともにポリオレフィン系樹脂を使用することが好ましい。二種類ともにポリオレフィン系樹脂を使用する場合は、その組み合わせは特に限定されないが、二種類のポリオレフィン系樹脂の屈折率差を0.003〜0.07の範囲にするのが好ましい。0.005〜0.05の範囲がより好ましく、0.01〜0.02がさらに好ましい。この屈折率差を範囲にすることで、前記した光学特性の光拡散フィルムをより安定して得ることができる。例えば、屈折率差が0.07を超えた場合は、ヘーズや平行光線透過率を前記範囲とするのには有利であるが、全光線透過率のバランスが取れにくくなる。一方、0.003未満になると全光線透過率は達成し易くなるが、ヘーズや平行光線透過率とのバランスが取りにくくなる。
従って、上記範囲において、初めて前述した種々の光学特性を同時に満足することができる。上記範囲を外れた場合は、前述の混合比やメルトフローレート要件を満たしたとしても、全特性を満すことができなくなる。
上記屈折率差が満たされれば2種のポリオレフィン系樹脂の種類は限定されないが、環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の組み合わせが上記特性を満たし、かつ経済性に優れているので好ましい。
環状ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、ノルボルネンやテトラシクロドデセン等環状のポリオレフィン構造を有したものが挙げられる。
例えば、(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体を、必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジエン付加のごときポリマー変性を行なった後に、水素添加した樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを付加型重合させた樹脂、(3)ノルボルネン系モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン系モノマーと付加型共重合させた樹脂などが挙げることができる。重合方法及び水素添加方法は、常法により行なうことができる。
ポリエチレン系樹脂としては、単一重合体であってもよいし、共重合体であってもよい。共重合体の場合は50モル%以上がエチレン成分であるのが好ましい。
該樹脂の密度や重合方法等も限定されないが、密度が0.909以下の共重合体の使用が好ましい。例えば、プロピレン、ブテン、ヘキセン及びオクテン等との共重合体が挙げられる。重合方法はメタロセン触媒法及び非メタロセン触媒法のいずれでも構わない。
特に、高拡散性が安定に付与できる点で、エチレンとオクテンのブロック共重合体の使用が好ましい。例えば、該樹脂としては、ダウケミカル社製のINFUSE(TM)が挙げられる。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂として用いる熱可塑性樹脂のメルトフローレートは、それぞれの熱可塑性樹脂のメルトフローレートに差を付けるのが好ましい。該対応により前記の光学特性をより安定して付与することができる。
例えば、上記の2種類ともにポリオレフィン系樹脂を用いる場合はメルトフローレートの低い方の熱可塑性樹脂として、230℃で測定したメルトフローレートが0.1〜1.5未満であることが好ましい。0.1〜1.2がより好ましく、0.1〜1.0が更に好ましい。0.1未満では製膜の安定性が低下するので好ましくない。逆に、1.5以上になると、例えば、前記した表面粗度比や光拡散度比が高くなり、光拡散の異方性が高くなる等の光学特性が悪化するので好ましくない。
もう一方のメルトフローレートが高い方の熱可塑性樹脂は、230℃で測定したメルトフローレートが5〜100であることが好ましい。10〜100がより好ましく、15〜100が更に好ましい。5未満では、例えば、光拡散の異方性が高くなる等の光学特性が悪化するので好ましくない。逆に、100を超えた場合は、製膜の安定性が低下するので好ましくない。
少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物として上記の環状ポリオレフィン系樹脂とポリエチレン系樹脂の混合物を用いる場合は、上記したメルトフローレートの低い方の樹脂として、環状ポリオレフィン系樹脂を、もう一方のメルトフローレートの高い方の樹脂としてポリエチレン系樹脂を用いることが好ましい。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の配合割合は、それぞれ質量比で10/90〜90/10であることが好ましく、20/80〜80/20がより好ましく、30/70〜70/30の割合が更に好ましい。
上記範囲において、初めて前述した種々の光学特性を同時に満足することができる。上記範囲を外れた場合は、以下に述べる内容を満たしたとしても、全特性あるいは一部の特性を満足することができなくなる。
上記樹脂は、一般に市販されている汎用性の高い樹脂より選択すれば良いが、より安定した生産ができる等の対応のために特注品を使用しても良い。
(ポリオレフィン樹脂よりなる層の積層)
本発明においては、前記の少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物として、二種類ともにポリオレフィン系樹脂を使用する場合において、少なくとも2種のポリオレフィン系樹脂の混合物よりなる層の、少なくとも片面に主としてポリオレフィン系樹脂よりなる表面層が積層されてなることが好ましい実施態様である。以下、少なくとも2種のポリオレフィン系樹脂の混合物よりなる層を光拡散層と称することもある。
上記の表面層の形成により、溶融押し出し製膜時に、ダイスの出口に発生する、例えば、「目やに」と称されるダイスの出口に発生する樹脂劣化物による付着物の発生が抑制されるので、長時間に渡り安定した連続製膜ができるので好ましい。また、エチレンとオクテンのブロック共重合体等の柔軟性ポリオレフィン系樹脂を使用した場合に発生する光拡散フィルムのブロッキング性が抑制されるので好ましい。
上記表層の形成に用いられるポリオレフィン系樹脂は、ブロッキング性の抑制等の効果を発現させる事等より、結晶性の樹脂を使用するのが好ましい。
上記表層の形成に用いられるポリオレフィン系樹脂として、極性基を含有したポリオレフィン樹脂の使用が好ましい実施態様である。該対応により、光拡散フィルムの他素材との接着性を向上させることができるので好ましい。例えば、後述の光拡散フィルム積層シートの製造において、プラスチックシートとの接着性の向上が図られるので好ましい。また、光学用の材料として広く使用されている、アクリル系樹脂やポリカーボネート系樹脂との熱接着性が付与できるので好ましい。
上記極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、その骨格としてエチレン、プロピレン、ブテン、ヘキセン、オクテン、メチルペンテンおよび環状オレフィンのうち少なくとも1種のモノマーを含んでいること好ましい。
上記モノマーを一種類用いたホモポリマーであっても二種以上モノマーを用いた共重合体であっても構わない。
本発明における上記極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、少なくとも1種類の極性基を含有していることが好ましい。極性基としては、カルボン酸基、スルホン酸基、ホスホン酸基、水酸基、グリシジル基、イソシアネート基、アミノ基、イミド基、オキサゾリン基、エステル基、エーテル基、カルボン酸金属塩基、スルホン酸金属塩基、ホスホン酸金属塩基、3級アミン塩基または4級アミン塩基等があげられる。該極性基は一種であってもよいし、二種以上を含んでもよい。
光拡散層を構成するポリオレフィン系樹脂の組成や密着対象の部材の種類や必要とする密着力等により適宜選択すれば良い少なくともカルボキシル基を含むことが、好ましい実施態様である。
また、本発明における極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、極性基がポリオレフィン樹脂の高分子鎖中に直接導入されていても、また、他の樹脂に導入し、添加、混合されている状態であっても構わない。また、場合により本発明のポリオレフィン樹脂は、分子鎖の末端や内部に導入された、例えば、カルボン酸基や水酸基にこれらと反応しえる化合物を反応させて変性して使用することも可能である。
本発明においては、上記極性基を含有ポリオレフィン樹脂は、一種の単独使用であってもよいし、二種以上を配合した配合組成物であってもよい。また、極性基を含有しないポリオレフィン樹脂や他の種類の樹脂を配合した配合組成物であってもよい。該配合組成物の場合は、上記の極性基を含有したポリオレフィン樹脂は10質量%以上で含まれてなることが好ましい。さらに好ましくは30質量%以上である。
上記の極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、結晶性の樹脂よりなることが好ましい。
融点が100〜180℃のものの使用が好ましい。
上記の極性基を含有したポリオレフィン樹脂は、上記特性を有すれば限定されないが、例えば、接着性ポリオレフィン系樹脂として市販されている樹脂が好適に用いることができる。例えば、アドマー樹脂(TM、三井化学社製)、モディック樹脂(TM、三菱化学社製)やアドテックス樹脂(TM,日本ポリエチレン社性)及びボンドファスト樹脂(TM,住友化学社製)が挙げられるが限定はされない。
上記の光拡散層に極性基を含有したポリオレフィン樹脂よりなる層を積層することにより、光拡散層のみの単層よりなる光拡散フィルムに比べて、他素材との接着性を向上させる事ができる。また、フィルムの耐ブロッキング性や滑り性が改善され、光拡散フィルムの取り扱い性等が改善される場合がある。また、各種素材との熱接着性を付与することができる。
(賦型処理による粗面化)
本発明の光拡散フィルムは、以上のような方法で得られたフィルムの少なくとも片面が賦型処理により粗面化されてなることが好ましい。
該粗面化処理としては、上記方法で得られた光拡散フィルムの表面に凹凸を形成して粗面化できる限り特に限定されず、マット加工又はエンボス加工などであってもよい。粗面化処理は、例えば、凹凸(格子状の凹凸、ランダム状の凹凸など)が形成されたロール間に光拡散フィルムを通したり、凹凸部が形成されたロールでシート状素材を押圧することにより行うことができる。
上記粗面化処理により形成される表面凹凸の形状や深さ等は限定されないが、賦型された表面凹凸が特定方向に配向してないランダムな方向性の形状が好ましい。すなわち、一般に、マット加工とか梨地加工といわれている加工方法の適用で十分である。勿論、特殊な形状の表面凹凸を賦型して粗面化する方法も排除されない。
上記粗面化処理はフィルムの製膜工程で行うインライン処理方法であっても別工程で行うオフライン処理方法であってもよい。
また、後述の光拡散フィルム積層シートを賦型して粗面化してもよい。
上記の賦型処理による粗面化により、フィルムの耐ブロッキング性や滑り性が改善され、光拡散フィルムの取り扱い性等が改善される。また、光の拡散度を向上ができる。また、拡散度比を下げることができ、光の拡散性の異方性を下げることができる。
本発明の光拡散フィルムのフィルム厚みは限定されないが、通常10〜1000μmが好ましい。30〜500μmがより好ましい。
本発明の光拡散フィルムは、一枚で用いても良いし、二枚以上を重ねて用いても良い。二枚以上重ねて用いる場合は、単に重ねて用いても良いし、接着剤や粘着剤で貼り合わせて用いても良い。
二枚以上を重ねて用いる場合は、各々のフィルムでは、前述した本発明の特性を満たさない光拡散フィルムを用いて、重ね合わせることにより、前述した本発明の特性を満たすことも本発明に含まれる。例えば、異方性が高いフィルム同士をそれぞれの主拡散方向が直交する方向で重ね合わせて拡散度比を下げ、かつ他の光学特性を満たす方法が好ましい実施態様の一つである。
該方法により、異方性の度合いを広い範囲で制御することが可能となるので好ましい実施態様の一つであるといえる。
また、本発明の光拡散フィルムと他の特性を有した光拡散フィルムやレンズフィルム等の他の工学フィルムと重ね合わせて使用しても良い。該使用方法の場合は、単に重ねて用いても良いし、接着剤や粘着剤で貼り合わせて用いても良い。
(光拡散フィルムの製造方法)
本発明の光拡散フィルムの製造方法も上記の光学特性を満たせば特に限定されないが、経済性の点で溶融押し出し成型により製膜する方法が好ましい。
本発明においては、光拡散性を付与するために、非溶融性微粒子を含有させる必要がないので、溶融押し出し成型法で実施しても、製膜工程における溶融樹脂の濾過フィルタの目詰まりが低減でき、生産性が優れるとともに得られるフィルムの清澄度も高いという特長を有する。
上記溶融押し出し成型法による製膜方法としては、特に制限されず、例えば、Tダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、未延伸のままのフィルムでもよく、延伸処理を行ってもよい。
本発明においては、押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出してし、該シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ冷却固化させて製膜されてなることが好ましい実施態様である。
冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させるということを満たせばその内容は、限定されない。例えば、一般的に実施されている冷却ロールに比べて径の細い押し圧ロールで圧接しても良いし、径の同じ2個の冷却ロールの間にシートを押し出して冷却ロール同士で圧接しても良い。
また、この方法において、該押し圧ロール及び/または冷却ロール表面を粗面化処理したロールを用いて、前記した賦型処理による粗面化を同時に行っても良い。
上記対応により、光拡散フィルムの光拡散特性の等方性が高くことがある。
本発明の光拡散フィルムの特性の一つに、全方向に等方的に光拡することが必要である。即ち、等方性の光拡散フィルムであるので、無延伸で製造するのが好ましいが限定されない。例えば、光拡散層にポリエステル系樹脂を用いた場合は、一軸延伸をするのが好ましい。該対応により、島相が延伸方向に引き伸ばされ細長い構造になり、該島相の配向方向と直行した方向の光拡散性が著しく向上をして本発明の目指す高拡散性が確保できる。ただし、該方法で得られた光拡散フィルムは、異方性が高くなり、拡散度比が、本発明の範囲を超えることが多くなる。従って、前述したように、二枚以上のフィルムを主拡散方向が直交するように重ね合わせて使用するのが好ましい実施態様である。
また、本発明の光拡散フィルムは単層であってもよいし、2層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が上記の構成よりなる光拡散フィルムからなる層であれば、他の層は、光拡散性を有しない単なる透明層であってもよい。また、全層が光拡散層の構成であってもよい。
上記多層構成の場合は、多層共押出し法で製造してもよいし、押出しラミネート法やドライラミネート法で実施してもよい。
上記の少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物は、それぞれの熱可塑性樹脂を製膜工程の押出し機などで配合してもよいし、予め混練法等で事前に混合物とした形で用いてもよい。
(作用機構)
以上、本発明において、前記した全光線透過率、平行光線透過率、ヘーズ、拡散度及び拡散度比という多数の光学特性を同時に満たす必要がある。これらの特性を同時に満たすことで初めて、従来公知の光拡散フィルムでは達成できない高度な特性を達成することができる。その事により、例えば、LED光源用の照明装置やバックライト装置用等として好適に使用できる高機能な光拡散フィルムを得る事ができた。
上記特性は、それぞれ二律背反的挙動を示す特性が含まれている。例えば、全光線透過率とその他の特性とは、二律背反挙動を示す。一方、平行光線透過率、ヘーズ及び拡散度とは、巨視的には比例的の挙動を示す特性値であるが、微視的には比例関係にあるとは言えない。従って、個々の特性に対するそれぞれの要因の寄与を明確に示すことは困難であるが、前述した非相溶の樹脂の屈折率差やメルトフローレート等の樹脂特性や、それぞれの樹脂の種類や混合比等を前記範囲にすることにより、安定して達成できるようになった。
さらに、上記特性の一つである拡散度比は、用いる製造装置の違い等により大きく変化することがあったが、鋭意検討した結果、前記した溶融製膜方法において、押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出してし、該シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ冷却固化させて製膜されてなることで、より安定して製造できることを見出した。
上記拡散度比は、光拡散層における二種の非相溶樹脂により形成される相構造の影響の支配を大きく受ける。例えば、海/島構造の場合では、島形状の異方度の支配を受ける。該島形状の異方度と比例して拡散度比が高くなる。すなわち、島形状の異方度を小さくすること、すなわち、島形状の等方性を高めることが重要である。
上記製造方法をとる事で、島形状の等方性が高められる機構は明確ではないが、以下のごとく推察している。
溶融押し出し法で押し出されるシート中の島成分の形状は、ダイ内でシェアーを受けることにより、押し出し方向に配向した形で細くなる。さらに、ダイから押し出しだされた後に溶融状態で該シートにドラフトが掛かり、さらに島形状は押し出し方向に細くなり、この状態で冷却個化されるので、一般的には押し出し方向に細長く配向した形で形状となり固定化されるので、光拡散フィルムの拡散度比が高くなる。
しかし、上記製造方法によると、冷却ロールに押し圧ロールで圧接させる時に該圧接部の入り口部分のシートは、まだ未個化状態であるために、圧接部の入り口部分に一種の液溜りゾーン(バンクと称されることもある)が形成され、該ゾーンにおいて、未個化状態の樹脂が滞留することになり、押し出し方向に細くなっていた島成分は表面張力により、本来の形状である等方的液滴に戻ろうとする力が働き、異方度が緩和し、より等方性的な形状に変形し、その変形した形状で冷却個化されるので、島形状の等方性が高まり、その結果、光拡散度も等方性が増し、拡散度比が前記した範囲で安定化されると推察している。
(光拡散フィルム積層シート)
本発明のもう一つの発明は、上述の方法により得られた光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mmで全光線透過率が70〜100%のプラスチックシートを積層してなる光異方拡散性フィルム積層シートである。
上述の方法により得られた光拡散フィルムは、前述のごとく優れた光学特性を有し、かつ経済的に製造することが出来るが、ある用途においては光学特性以外などの特性、例えば、耐熱性、耐熱寸法安定性、剛性等の機械的特性、あるいは難燃性等の特性を満たすことができない場合がある。透明なプラスチックシートと本発明の光拡散フィルムとを積層することにより、光学特性以外の特性を補完して市場要求の総合特性を満たすことができる。
本発明に用いる透明なプラチックシートは、上記の厚みと全光線透過率の特性を満たせば、樹脂の種類や層構成などは制限を受けない。
本発明に用いる透明なプラスチックシートの厚みは0.5〜3mmがより好ましい。0.1mm未満では補強効果あるいは補完効果が不足する。また、5mm以上は経済的に不利となる場合や柔軟性が損なわれる場合がある。
本発明に用いる透明なプラスチックシートの全光線透過率は、80〜100%がより好ましい。85〜100%が更に好ましい。70%未満では、前述の光拡散フィルムの特性を有効に活かすことができない。出来るだけ全光線透過率が高く非拡散性のものが好ましい。また、該プラスチックシートとして拡散性を有したものを用いて積層効果を発現させる方法も好ましい。
該プラスチックシートに用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、環状ポリオレフィン系樹脂、及びポリカーボネート樹脂等の光学用途に用いられている樹脂の使用が好ましいが特に限定されるものではない。
上記光拡散フィルム積層シートの製造方法は特に限定されない。光拡散フィルムとプラスチックシートと貼り合わせる方法が挙げられる。
粘着剤や接着剤などを用いて貼り合わせる方法の場合、粘着剤としては、具体的には、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニル系粘着剤等が挙げられる。本発明の光拡散フィルム積層シートは高温で使用する可能性があるため、常温〜120
℃でも安定な粘着剤が好ましい。中でもアクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられる。どの粘着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
接着剤としては、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤が挙げられる。具体的には、シリコン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤などを用いることができる。本発明の光拡散フィルム積層シートは高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的な積層シート作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、積層シート作製に特に好適である。これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型あるいはホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
上記のプラスチックシートと光拡散フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせる方法は、ラミネーターを用いたロールトゥロールやロールトゥーシートプロセスなどで貼り合わせ、ロール形状や枚葉形状の製品が得られる。 例えば接着剤を用いる場合、プラスチッ
クシートあるいは光拡散フィルムのいずれかに接着剤をコーティング、乾燥後に相手材料とローラーによるラミネートにより積層される。
接着剤のコーティング方法は、基材や接着剤の種類によって多くの方法があるが、広く使用されているのは、グラビアコーター方式、コンマコーター方式、及び、リバースコーター方式である。グラビアコーター方式では、接着剤に一部浸されているグラビアロールを回転させ、バックアップロールによって送られるフィルムを接着剤の付着したグラビアロールに接触させることによりコーティングする。コーティング量はロールの回転数、接着剤の粘度を制御することで調整できる。リバースコーター方式も、グラビアコーター方式に類似した方法だが、コーティングロールに付着する接着剤の量を、それに接して設置されているメタリングロールによって調整する。
上記の貼り合わせる際に必要に応じて加温することもできる。また、必要な接着強度を得るためにラミネート後に熱処理することもできる。
粘着剤で貼り合わせる場合は、両面粘着シートを用いてもよい。該方法の場合は、光学の高透明タイプの粘着剤を用いるのが好ましい実施態様であるが、特に限定されない。例えば、光拡散性を有した粘着シートを用いてもよい。該粘着シートの場合は、粘着層に光拡散性を付与してもよい。
本発明においては、上記の光拡散フィルムの製造と上記の光拡散フィルム積層シートの製造を一体化した方法で実施してもよい。
すなわち、例えば、前記した透明なプラチックシート表面に、前記した光拡散フィルムを構成する熱可塑性樹脂配合物を溶融し押し出して直接ラミネートする、いわゆる押し出しラミネート法で製造してもよい。また、該溶融押し出しラミネート法の工程内で前記した粗面化処理を同時に行ってもよい。
該押し出しラミネート法で実施する場合は、光拡散フィルムと透明なプラチックシートとの接着性や接着耐久性を向上させるために、アンカーコート処理をしたり、易接着処理をした透明なプラチックシートを用いる等の手段を取り入れることは好ましい実施態様の一つである。
本発明の光拡散フィルム又は光拡散フィルム積層シートは、前述のような優れた光学特性を有するので、LED光源を用いた照明装置の光拡散フィルムとして用いるのが好ましい。しかし、限定されるものでなく、例えば、蛍光灯等のLED光源以外の光源を用いた照明装置に用いても有効である。例えば、蛍光灯光源の照明装置に用いた場合は、蛍光灯と光拡散フィルムや光拡散フィルム積層シートとの距離を近づけても高度な光拡散性が発現されるので、照明装置の厚み低減や、蛍光灯の本数低減等の効果が発現される。
また、本発明の光拡散フィルムや光拡散フィルム積層シートは、従来公知の光拡散フィルムに比べて拡散性が大幅に改善されているので、蛍光灯を光源としたLCDの輝度向上に使用した場合、光拡散フィルム等の光学機能調整用フィルムの枚数を低減することができる。
(LED光源を用いた照明装置)
本発明のもう一つの発明は、上記記載の光拡散フィルム又は上記記載の光拡散フィルム積層シートを、LED光源を用いた照明装置の出光部の外面または内面に取り付けてなるLED光源を用いた照明装置である。
従来公知の光拡散フィルムは、一般に導光板の出光部の外面や内面に取り付けられて使用されている。本発明の光拡散フィルムやその積層シートは、LED光源よりできるだけ離して用いた方が前記した光拡散性やスポット消失性の性能が高くなる。従って、上記方法でLED光源を用いた照明装置に組み込んで用いるのが好ましい。
光拡散フィルムやその積層シートの取り付け方法は限定されない。例えば、出光部の外板の外面や内面に粘着剤や接着剤で貼り付けての良いし、単に被せて取り付けても良い。貼り付ける場合は、全面に粘着剤や接着剤を用いて固定しても良いし、部分的な使用で固定しても良い。また、蛍光灯様の管状の照明装置の場合はその外管の内面に光拡散フィルムやその積層シートを、該外管の内側に沿うような形で挿入して取り付けても良い。
また、外板を無くして本発明の光拡散フィルムやその積層シートのみを取り付けても良い。
(バックライト装置用としての使用方法)
本発明の光拡散フィルム又は光拡散フィルム積層シートは、前述のような優れた光学特性を有するので、バックライト装置の輝度や照度の向上用部材として好適に用いることができる。
上記の本発明の光拡散フィルム又は光拡散フィルム積層シートをバックライトユニットの出光面上に設置してなることが重要である。この場合、光拡散フィルム又は光拡散フィルム積層シートの設置方法は限定されない。単に重ね合わせて設置しても良いし、接着剤や粘着剤で固定しても良い。また、両面粘着テープで固定しても良い。
また、バックライト装置の上面に設置される液晶パネルの最下面に設置しても良い。
該対応により、上記した本発明の効果を発現することができる。
(バックライトユニット)
本発明の光拡散フィルム又は光拡散フィルム積層シートが用いられるバックライトユニットは、少なくとも片面に出射光面を有したユニットであればその構造等は何ら制限を受けない。エッジライト方式であっても直下方式であってもかまわない。エッジライト方式の場合の導光板の構造とも制限を受けない。
バックライトユニットに用いられる反射フィルムや反射板の種類も制限されない。白色反射タイプ、金属反射タイプ及びその他のタイプのいずれでも良い。
バックライトユニットに用いられる光源も制限を受けない。例えば、電球、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネッセンスパネル(EL)、冷陰極管(CCFL)及び熱陰極管(HCFL)のいずれでも良いしこれらを組み合わせたものあるいはその他の光源でも良い。
本発明の光拡散フィルム又は光拡散フィルム積層シートは、これらの部材一枚だけの使用でも、高い輝度、輝度の角度依存性の低減、面内輝度均質性及びパターン隠蔽性等のバックライト装置が具備する必要のある光学特性を付与することができるので、一枚での使用が重要であるが、二枚以上を併用してもよいし、従来公知のレンズフィルムや光拡散フィルム等と併用しても良い。また、他の光拡散シートや光拡散板を併用しても良い。この場合、複数種の光学部材を併用しても良い。市場要求特性や経済性等により、適宜選択して使用するのが良い。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
<全光線透過率、平行光線透過率及びヘーズ>
日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−2000」を用いて、JIS K 7136に準拠して測定した。
該測定は、光拡散フィルムの巻き方向が垂直方向になるように試料固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いた。また、光拡散フィルムの表面粗さに差がある場合は、表面粗の粗い方の面を受光側に固定して測定した。例えば、片面のみに粗面化処理した光拡散フィルムの場合は、実際に使用する場合に光が通過する方向で固定して測定をした。
<透過光の拡散度比>
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
透過測定モード、光線入射角:0°(試料面に対して上下、左右共に直角になる角度)、受光角度:−90°〜90°(赤道線面上の角度)、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し、透過光のピークトップが、チャートの40〜90%になるようにSENSITIVITYやHIGH VOLTONの設定を変更して測定することにより得た透過光の変角光度曲線のピークの高さの半分の高さにおける角度の幅(半値幅)を求めた。
上記測定を光拡散フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向に固定して行い求められた半値幅の大きい方をDH、小さい方をDLとして、拡散度比(DH/DL)を求めた(図1参照)。
上記測定は光拡散フィルムの表面粗さに差がある場合は、実際に使用する場合に光が通過する方向で固定して測定した。
<光の変曲度>
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行った。
透過測定モード、光線入射角:0°(試料面に対して上下、左右共に直角の角度)、受光角度:−90°〜90°(赤道線面上の角度)、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し、透過光のピークトップが、チャートの40〜90%になるようにSENSITIVITYやHIGH VOLTONの設定を変更して測定することにより得た透過光のピークの高さ(H0)と、光線入射角を60°(赤道線面上の角度)に変更する以外は、上記条件と同じ条件で測定した時の透過光のピークの角度0度における高さ(H60)を求める。該方法で求めたH60とH0を用いて下記式で変曲度を求めた。
光の変曲度=H60/H0×100(%) (1)
図2参照。
なお、受光器を移動させる面を赤道面と定義した。
該光の変曲度は、主拡散方向において測定して求める。
上記測定は光拡散フィルムの表面粗さに差がある場合は、実際に用いる時と同じ方向に光が通過するような方向で固定して測定した。
<耐光性>
サンシャインウェザメーター(スガ試験機社製、S300)を用いて、試料面放射照度:78W/m2、波長範囲:300〜400nm、連続照射、降雨あり(60分中12分間降雨)にて、63℃×50%RHの雰囲気で400時間曝して、色差変化(△*ab)を評価した。
<平均表面粗さ比>
株式会社小坂研究所製 万能表面形状測定器 MODEL SE−3Cを用い、縦倍率:2000〜10000、カットオフ:0.25mm、測定長:8mm、測定速度:0.5mm/分の条件で測定した。
上記測定は、光拡散フィルムの巻き方向と該方向と直行する方向の平均表面粗さを測定して得られるそれぞれの平均表面粗さであるRaVとRaHの比である表面粗さ比(RaV/RaH)で表示した。該測定はそれぞれ5回づつ行い、その平均値を用いた。
<熱可塑性樹脂のメルトフローレート>
JIS K 7210 A法に準拠して、230℃、2.16kgfの条件で測定した。
一部樹脂は、実施例に記載の条件で測定した。
<LED光源を用いた照明装置に用いた場合の光拡散性の評価>
モモ・アライアンス社製の40W昼白色クリアカバー仕様の蛍光灯型LED照明灯(MLT−40KC)を用いて、該クリアカバー表面に光拡散フィルムあるいは光拡散フィルム積層シートを貼り付けて、真上5cmより、デジタルカメラ(KONICA MINOLTA製 ディマージュA700、撮影条件:マニュアルモード、シャッター速度1/1000秒、絞り値6.3)で照明灯部分の写真を撮り、下記基準で各性能評価をした。
(1)明るさ
実施例1で得られた光拡散フィルムの明るさを基準として、該明るさより明るいものを:◎、同程度の明るさのものを:○、明るさの劣るものを:×として表示した。明るさは写真の白度で判定した。
(2)スポット消失性
上記写真で以下の判定をした。
光源のスポットが見えないもの:◎
光源のスポットがわずかに見えるもの:○
光源のスポットがはっきり見えるもの:×
(3)明るさの広がり
上記写真で以下の判定をした。
蛍光灯型LED照明灯の外管の90%超が光って見えるもの:◎
蛍光灯型LED照明灯の外管の70〜90%が光って見えるもの:○
蛍光灯型LED照明灯の外管の50〜69%が光って見えるもの:△
蛍光灯型LED照明灯の外管の50%以下が光って見えないもの:×
〔実施例1〕
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃、2.16kgf))50質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃、2.16kgf))50質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、梨地加工した冷却ロール(Ra=0.55)で冷却することにより厚み400μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却ロールの反対面は鏡面の押さえロールを用いた。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた光拡散フィルムは全ての光学特性に優れており、LED光源等の各種光源を用いた照明装置用の光拡散フィルムとして高品質であった。
また、耐光性試験による色差は、1.0であり耐光性にも優れていた。
〔実施例2〕
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃、2.16kgf))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9807.15 メルトフローレート:29(230℃、2.16kgf))65質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み300μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光拡散フィルムは、実施例1で得られた光拡散フィルムよりスポット消失性がやや劣るが、明るさでは勝っており、光拡散フィルムとして高品質であった。LED光源を用いた照明装置用の光拡散フィルムをして高品質であった。
また、耐光性試験による色差は、1.0であり耐光性にも優れていた。
〔実施例3〕
実施例2の方法で、フィルム厚みを150μmにする以外は、実施例2と同様の方法で光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光拡散フィルムは、実施例1で得られた光拡散フィルムより明るさの広がりはやや劣るが、明るさでは勝っており、光拡散フィルムとして高品質であった。
〔実施例4〕
実施例2の方法で、フィルム厚みを200μmにする以外は、実施例2と同様の方法で光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた光拡散フィルムは、実施例3で得られた光拡散フィルムと同等の特性を有しており、光拡散フィルムとして高品質であった。
〔実施例5〕
実施例1の方法において、光拡散フィルムの厚みを200μmにする以外は、実施例2と同様の方法で光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた光拡散フィルムは、実施例1で得られた光拡散フィルムよりスポット消失性や明るさの広がりはやや劣るが、明るさでは勝っており、光拡散フィルムとして高品質であった。
〔実施例6〕
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃、2.16kgf))35質量部とエチレンとオクテンよりなるランダム共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 ENGAGE(TM) 8137 メルトフローレート:30(190℃、2.16kgf))65質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み300μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた光拡散フィルムは、実施例3で得られた光拡散フィルムと同等の特性を有しており、光拡散フィルムとして高品質であった。
〔実施例7〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂85質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)15質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に5.0倍延伸し、厚み100μmの光拡散フィルムの原反を得た。得られた光拡散フィルムの原反は、拡散度比は2.5であった。
光拡散フィルムの原反2枚を主拡散方向が直交する向きで光学用接着剤にて貼り合わせて光拡散フィルムを得た。接着剤層の厚みは10μmとした。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散フィルムとして高品質であった。ただし、耐光性試験による色差変化が3.7であり、実施例1や2で得られた光拡散フィルムに比べて耐光性がやや劣っていた。
[実施例8]
フッ素系樹脂(Kynar 720(PVDF) アルケマ社製 メルトフローレート:10(230℃、5kgf))50質量部とポリメチルペンテン系樹脂(TPX(TM)DX820 三井化学社製、メルトフローレート:110(260℃、5kgf))50質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み100μmの光拡散フィルムの原反を得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。また、片面にコロナ処理を施した。得られた光拡散フィルムの原反は、拡散度比は12.7であった。
光拡散フィルムの原反2枚を主拡散方向が直交する向きで光学用粘着剤にて貼り合わせて光拡散フィルムを得た。粘着剤層の厚みは10μmとした。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散フィルムとして高品質であった。
[実施例9]
フッ素系樹脂(Kynar 720(PVDF) アルケマ社製 メルトフローレート:10(230℃、5kgf))50質量部と環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.1(230℃、2.16kgf))50質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み70μmの光拡散フィルムの原反を得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。また、片面にコロナ処理を施した。得られた光拡散フィルムの原反は、拡散度比は11.2であった。
光拡散フィルムの原反2枚を主拡散方向が直交する向きで光学用粘着剤にて貼り合わせて光拡散フィルムを得た。粘着剤層の厚みは10μmとした。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた光拡散フィルムは、光拡散フィルムとして高品質であった。
〔比較例1〕
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃、2.16kgf))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃、2.16kgf))65質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み400μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは、実施例1で得られた光拡散フィルムより明るさでは勝るが、光拡散の異方性が高く明るさの広がりが劣っており、光拡散フィルムとして均質な光量を得るという点で劣っていた。
〔比較例2〕
厚み250μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、平均粒径が3μmの真球状のアクリル樹脂粒子(東洋紡績社製 タフチック(TM)FHーS300)50質量部とポリウレタン樹脂50質量部の混合部が乾燥後厚みで25μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは、実施例1で得られた光拡散フィルムより明るさでは勝るが、スポット消失性や明るさの広がりが劣っており、光拡散フィルムとして低品質であった。
〔比較例3〕
厚み250μmの高透明性ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)の片面に、厚みがナノサイズの極薄片状のシリカ粒子(AGCエスアイテック社製 サンブラリー(TM)LFS HN050)を、バインダー樹脂を混ぜることなく乾燥後厚みで30μmになるように、塗工機を用いて、塗布および乾燥をすることにより光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは、スポット消失性や明るさの広がりにおいては、実施例4で得られた光拡散フィルムと同等の特性を有するが、全光線透過率が低く、明るさが劣っており、光拡散フィルムとして低
品質であった。
〔比較例4〕
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6015 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:0.41(230℃、2.16kgf))50質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9100.05 メルトフローレート:2.1(230℃、2.16kgf))50質量部を池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み175μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは、平行光線透過率が高く、かつ拡散度比が高く、スポット消失性や明るさの広がりが劣っており、光拡散フィルムとして低品質であった。
〔比較例5〕
環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.1(230℃))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃))65質量部を、池貝鉄工社製PCM45押出機を用いて樹脂温度250℃にて溶融混合してTダイで押出し、鏡面の冷却ロールで冷却することにより厚み175μmの光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着はバキュームチャンバーを用いて行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは、平行光線透過率が高く、かつ拡散度比が高く、スポット消失性や明るさの広がりが劣っており、光拡散フィルムとして低品質であった。
〔比較例6〕
表面にエンボス加工されたポリカーボネート樹脂よりなる光拡散フィルムの特性を評価した。
結果を表1に示す。
本比較例で得られた光拡散フィルムは、平行光線透過率が高く、かつ拡散度比が高く、スポット消失性や明るさの広がりが劣っており、光拡散フィルムとして低品質であった。
また、色差変化が9.5と高く耐光性に劣っていた。
(光拡散フィルム積層シートの製造)
〔実施例10〕
実施例1〜6で得られた光拡散フィルムを、厚さ250μmで、全光線透過率が92%の高透明ポリエステルフィルム(東洋紡績社製 コスモシャインA4300)と、光学両面粘着シートで貼り合わせことにより光拡散フィルム積層シートを得た。
いずれの積層シートもそれぞれの光拡散フィルムと同等の光学特性を有しており、光拡散材として高品質であった。さらに、得られた光拡散フィルム積層シートは、実施例1〜6で得られた光拡散フィルムに比べて耐熱性や強度等の非光学特性が向上した。
〔実施例11〕
実施例1の方法において、押さえロール側にポリウレタン系のアンカーコート剤で表面処理をした厚みが200μmで、全光線透過率が88%のポリカーボネートシートを通過させることにより、ポリカーボネートシートが積層された光拡散フィルム積層シートを得た。
本実施例で得られた光拡散フィルム積層シートは、実施例1で得られた光拡散フィルムと同等の光学特性を有しており、LED等の各種光源を用いた照明装置用の光拡散材として高品質であった。さらに、実施例1で得られた光拡散フィルムに比べて耐熱性や強度等の非光学特性が向上した。
〔実施例12〕
モモ・アライアンス社製の40W昼白色クリアカバー仕様の蛍光灯型LED照明灯(MLT−40KC)を用いて、該クリアカバー表面に実施例1で得られた光拡散フィルム及び実施例8で得られた光拡散フィルム積層シートを光学用の両面テープで貼り付けた。外管全体に光が広がり、かつLED光源のスポットが見えず蛍光灯様の均一で穏やかな照明光が得られた。
〔比較例7〕
実施例12において、比較例2の光拡散フィルムを貼り付けるように変更した場合は、光拡散性が低く外管全体に光が広がらず、かつLED光源のスポットはっきり見えた。
〔実施例13〕
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にて、環状ポリオレフィン系樹脂(TOPAS(TM)6013S−04 Topas Advanced Polymers社製 メルトフローレート:2.0(230℃、2.16kgf))35質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9817.15 メルトフローレート:26(230℃、2.16kgf))65質量部を光拡散層とし、第2の押し出し機にて、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)QF551 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃、2.16kgf))が両表層(熱密着層)となるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、鏡面の冷却ロールで冷却することにより総厚み400μmの両面が熱密着層で積層された光拡散フィルムを得た。上記冷却時の冷却ロールへのフィルムの密着は実施例1と同様の方法で行った。長時間連続製膜をしても目やにの発生は見られなかった。
得られた光拡散フィルムは、実施例1と同等の光学特性を有し、かつ熱接着性に優れており、基材に熱接着することにより、光拡散フィルムの寸法安定性が向上した。
なお、熱接着性及び寸法安定性は以下の方法で評価した。どちらも○であった。
<熱接着性>
熱プレス機の固定台の上に、厚みが3mmの表面が平滑で透明なアクリル板(三菱レイヨン(株)製:アクリライト)をセットし、そのアクリル板上に試料を置き、さらに、その上に厚みが3mm(硬度HsA50°)のシリコーンゴムシートを敷き、表面温度が180℃に設定された加圧用の圧子により、上記のシリコーンゴムシートの上より押さえ付けて、49N/cm2の圧力で30秒間押し圧をした。加熱圧着後、温度23℃、相対湿度65%の環境下で30分放置し、東洋精機社製「テンシロン」(UTM−IIIL)を用いて、300mm/分の速度で180度剥離した際の抵抗値を密着力とした。
密着力の判定は、以下の基準で実施した。
密着力が0.1N/15mm以上:○
密着力が0.1N/15mm未満:×
<寸法安定性>
上記熱接着性評価法に従って、アクリル板に光拡散フィルムを熱接着したサンプルを80℃に調温したオーブンに240時間静置し、加温処理した後に、光拡散フィルムの縦及び横方向の寸法を測定して、加温処理前のそれぞれの寸法との比較を行い、以下の基準で判定した。
加温処理による寸法変化が、どちらの方向についても0.1%未満の場合:○
加温処理による寸法変化が、少なくともどちらか一方において0.1%以上の場合:×
〔実施例14〕
実施例13の方法において、第2の押し出し機にて押し出す樹脂を、ポリプロピレン系の接着性樹脂(アドマー(TM)QF551 三井化学社製 メルトフローレート:5.7(190℃))に変えて、ポリプロピレン樹脂FS2011DG3(住友化学社製、住友ノーブレン(TM))を用いる以外は、実施例13と同様の方法で、光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムは、光拡散特性に優れているおり、長時間連続製膜をしても目やにの発生は見られなかった。ただし、実施例13で得られた光拡散フィルムに比べて熱接着は劣っていた。
〔実施例15〜18〕
それぞれ実施例1、5、7及び18で得られた光拡散フィルムを用いて、下記方法にて液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の正面輝度、輝度の角度依存性及びパターン隠蔽性を測定した。結果を表2に示す。
どちらの実施例で得られた光拡散フィルムも、それぞれの実施例で述べたごとく優れた光学特性を有し、さらに、光の変曲度が高く、光拡散フィルム一枚の使用で正面輝度が高く、かつ輝度の角度依存性が少なく、さらにパターン隠蔽性に優れており、液晶表示装置用バックライト装置の輝度向上部材として高品質であった。
<液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の正面輝度>
長径側(横方向)の両側に冷陰極管がそれぞれ3本ずつ設けられた19インチの導光板タイプ(白色反射フィルム使用でメッシュタイプ)のバックライトユニットの出射光側のアクリル板上のほぼ中央部に40mm×60mm角(60mm側が横方向)の評価サンプルをセット(単に、重ね合わせて設置、試料がカールしている等で浮きが出る場合は、四隅をテープで固定した。)して、30mm×50mm角(50mm側が横方向)の切り抜き部分を設けた黒色の遮光紙を切り抜き部分の中心が評価サンプルの中心部になるように設置して、暗室で輝度を測定した。黒色の遮光紙はバックライトユニットの全体が覆われる大きさとして固定して光が漏れないようにして測定した。
また、バックライトユニットは水平に設置して測定した。
該輝度は(株)トプコンテクノハウス社製のトプコン分光放射計SR−3Aを用いて、測定角度2度で、バックライトユニット表面との距離が40cmで評価用サンプルの中心が直下になる位置で測定した。
本測定においては、評価用サンプルは主拡散方向が、冷陰極管の長手方向と直交方向になるように設置して行った。
<液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の輝度の角度依存性>
トプコン分光放射計SR−3Aと評価用サンプルの中心との角度がバックライトユニットの表面に対する垂線より35度傾けた位置になるようにトプコン分光放射計SR−3Aを設置する以外は、上記の正面輝度と同様の方法で輝度を測定した。該輝度を上記の正面輝度で除した値を輝度の角度依存性とした。該値が大きい程、輝度の角度依存性は優れていると言える。1.0がベストである。
<液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合のパターン隠蔽性>
上記正面輝度測定における開口部をバックライトが点灯させた状態で肉眼観察をして、以下の判定をした。
導光板のメッシュが全く見えない場合:○
導光板のメッシュがかすかに見える場合:△
導光板のメッシュがはっきり見える場合:×
〔比較例8〕
比較例4で得られた光拡散フィルムを用いて、実施例15〜18と同様の方法で、液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の正面輝度、輝度の角度依存性及びパターン隠蔽性を測定した。結果を表2に示す。
本比較例で得られた光拡散フィルムは、パターン隠蔽性が劣っていた。
〔比較例9〕
市販のマイクロレンズフィルムを用いて、実施例15〜18と同様の方法で、液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の正面輝度、輝度の角度依存性及びパターン隠蔽性を測定した。結果を表2に示す。
該マイクロレンズは、正面輝度は高いが、輝度の角度依存性が劣る。また、該マイクロレンズ一枚のみでの使用では、パターン隠蔽性も劣る。
〔比較例10〕
市販のバックライト装置に使用されているビーズコート法で製造された光拡散フィルムを用いて、実施例15〜18と同様の方法で、液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の正面輝度、輝度の角度依存性及びパターン隠蔽性を測定した。結果を表2に示す。
該光拡散フィルムは、1枚のみの使用では、輝度の角度依存性及びパターン隠蔽性が劣る。
〔比較例11〕
正面輝度及び輝度の角度依存性の測定に用いたバックライトユニットに組み込まれていた上拡散フィルム/プリズムレンズフィルム/下拡散フィルムよりなる光学フィルムセットを用いて実施例11及び12と同様の方法で、液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の正面輝度、輝度の角度依存性及びパターン隠蔽性を測定した。結果を表2に示す。
該フィルムセットは、正面輝度やパターン隠蔽性は優れているが、輝度の角度依存性が劣っていた。また、枚数が多いので経済性が劣る。
〔実施例19及び20〕
実施例1及び5で得られた光拡散フィルムについて、下記方法にて液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の面内輝度均質性を測定した。結果を表3に示す。
どちらの実施例で得られた光拡散フィルムも平均輝度が高く、かつ面内輝度均質性が高くバックライト装置用の光拡散フィルムとして高品質であった。
<液晶表示装置用バックライト装置に用いた場合の面内輝度均質性>
20インチで12本の冷陰極管が設置された直下方式のバックライトユニットの光拡散アクリル板を透明アクリル板に取替え、該透明アクリル板上のほぼ中央部にA−4サイズのサンプルを置き、四隅をテープで固定し、ハイランド社製の高機能輝度&色度計測システム(RISA)を用いて、暗室でバックライトニットを点灯させた状態で、サンプルの中央部を100×220ピクセルの面積の輝度を測定した。輝度は最大輝度、最小輝度、輝度を測定した。面内輝度均質性は上記方法で求められた最小輝度/最大輝度の比で表示した。該値が小さいほど輝度斑が小さい。
上記冷陰極管は冷陰極管の長手方向がバックライトユニットの長手方向(横方向)になるように設定されたものを用いた。輝度測定装置はサンプルのほぼ中心部の真上で、透明アクリル板表面と輝度計入射光面との距離は120cmの位置に設置して測定した。
バックライトユニットは水平に設置して測定した。
本測定においては、評価用サンプルは主拡散方向が、冷陰極管の長手方向と直行する方向になるように設置して行った。
〔比較例12〕
光拡散フィルムを設置することなく面内輝度均質性を測定した。結果を表3に示す。
最大輝度は著しく高いが、面内輝度均質性が著しく大きかった。上記実施例フィルムの光学特性制御効果の大きさが顕著に示される。
〔比較例13〜15〕
それぞれ比較例8〜10に用いた光拡散フィルムについて面内輝度均質性の測定をした。結果を表3に示す。
比較例8用いた光拡散フィルムは、最大輝度は高いが面内輝度均質性が低く、光拡散フィルム1枚のみでは性能不足であった。
比較例9や10で用いたフィルムは、最大輝度は上記実施例の光拡散フィルムに比べて著しく高いが、面内輝度均質性が低く、光拡散フィルム1枚のみでは性能不足であった。
〔比較例16〕
バックライト装置用光拡散フィルムに替えて、面内輝度均質性測定に用いたバックライトユニットに組み込まれていた上拡散フィルム/プリズムレンズフィルム/下拡散フィルムよりなる光学フィルムセットについて、面内輝度均質性を測定した。結果を表3に示す。
最大輝度は高いが面内輝度均質性が劣っていた。また、フィルムの枚数が多く経済性が劣る。
Figure 0005252071
Figure 0005252071
Figure 0005252071
本発明の光拡散フィルム及びその積層シートは、光の透過度と拡散度の両方の特性が優れた光拡散フィルムであり、特に直進する光の透過率が小さいので、例えば、LED光源
を用いた照明装置用に用いた場合に、直進性の強いLED光源の光を大面積に拡散させて、かつ強い光の光源スポットを見えなくした上で、更に、その光線の透過率度の低下度が抑制されているので、単位面積あたりのLED光源の数を少なくしても均質で、かつ高い光量を得ることができる。従って、LED光源の光は直進性が高いため引き起こされスポット状の狭い範囲しか明るくできないというLED光源を用いた照明装置の欠点を抑制し、かつ省エネルギーであるというLED光源の特徴が維持できるという特長を有する。
また、従来公知の光拡散フィルムに比べて拡散性が大幅に改善されているので、例えば、蛍光灯を光源とした照明装置に用いた場合は、蛍光灯と光拡散フィルムや光拡散フィルム積層シートとの距離を近づけても高度な光拡散性が発現されるので、照明装置の厚み低減や、蛍光灯の本数低減等の効果が発現される。さらに、例えば、液晶ディスプレイ等の表示装置の光拡散フィルムとして使用した場合に、表示パネルの厚み低減ができ、かつ輝度向上のために使用されている輝度向上フィルムや光拡散フィルム等の光学機能調整用フィルムの枚数を低減することができる。
また、本発明の光拡散フィルム及びそれを用いた積層シートは、上記した光学特性を維持した上で、例えば、耐熱性等の非光学特性を向上させることができる。
従って、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイ等の表示装置における照明などの各種照明において有効に使用することができる。
また、本発明の光拡散フィルム及びそれを用いた積層シートは、バックライト装置の拡散部材として用いた場合は、一枚の使用で高い輝度、輝度の角度依存性の低減、面内輝度均質性及びパターン隠蔽性等のバックライト装置が具備する必要のある光学特性を付与することができるので、バックライト装置の経済性を高めることができる。特に、高価なレンズフィルムを使用しなくても良く、かつ斜めより眺めた時の輝度が低下するという該レンズフィルム使用の課題が解消されるという大きな利点を付与することができる。
また、本発明のバックライト装置は、レンズフィルムを使用したバックライト装置に近い高度な正面輝度を有しており、かつレンズフィルムを使用したバックライト装置の課題である輝度の角度依存性が低減されているので、例えば、大型TVに使用した場合は、斜めより見た時の画面の明るさ低下が抑制されるという利点を有している。
また、該特長より、例えば、カーナビゲーションのように斜めから眺めることの多いディスプレイのバックライト装置として有用である。
また、室内や社内照明用の灯具のバックライト装置と使用した場合は、レンズフィルムを用いたバックライト装置に比べて広い範囲にわたり均一な照度がえられるという利点を有する。
更に、本発明のバックライト装置は、一枚の部材の使用で、上記の全ての特性を付与することができるので経済性が著しく高いという利点を有する。
従って、本発明のバックライト装置は、液晶表示装置、室内の照明、内照式電飾パネル等において有効に使用することができる。
また、本発明の光拡散フィルム製造方法によると、上記特性を有した本発明の光拡散フィルムを経済的に、かつ安定して製造することができる。
従って、産業界への寄与は大きい。

Claims (23)

  1. 少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物よりなり、かつ前記の少なくとも2種の非相溶の熱可塑性樹脂の混合物のうち、少なくとも1種がポリオレフィン系樹脂よりなり、以下の(1)〜(4)の特性を同時に満たすことを特徴とする光拡散フィルム。
    (1)全光線透過率が66%以上であること。
    (2)ヘーズが96%以上であること。
    (3)平行光線透過率が2.0%以下であること。
    (4)明細書中に記載した変角光度計にて入射角0度で測定した透過光の拡散度比(DH/DL)が2.0以下であること。(ただし、DH及びDLは、自動変角光度計で測定した透過光の変角光度曲線のピークの高さの半分の高さにおける角度の幅(半値幅)を光拡散フィルムの巻き方向を垂直方向及び水平方向に固定して測定して、半値幅の大きい方をDH、小さい方をDLとする。)
  2. 前記DHが30度以上であることを特徴する請求項1に記載の光拡散フィルム。
  3. 明細書中で記載した方法により、光拡散フィルムの巻き方向が試料固定台の上下方向と平行方向及び水平方向に固定して測定することにより得られた、主拡散方向の光の変曲度が4〜100%であること特徴とする請求項1又は2に記載の光拡散フィルム。
  4. 前記の少なくとも2種の非相溶の熱可塑性樹脂の混合物が、2種以上のポリオレフィン系樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜3に記載の光拡散フィルム。
  5. 前記の少なくとも2種のポリオレフィン系樹脂の混合物が、環状ポリオレフィン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を含んでなることを特徴とする請求項に記載の光拡散フィルム。
  6. 前記環状ポリオレフィン系樹脂の230℃で測定したメルトフローレートが0.1〜1.5未満であり、前記ポリエチレン系樹脂のメルトフローレートが5〜100であることを特徴とする請求項に記載の光拡散フィルム。
  7. 前記の少なくとも2種の非相溶の熱可塑性樹脂の混合物よりなる光拡散フィルムの少なくとも片面に、主としてポリオレフィン系樹脂よりなる表面層が積層されてなることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  8. 前記表面層を形成するポリオレフィン系樹脂が、極性基を含有したポリオレフィン樹脂よりなることを特徴とする請求項に記載の光拡散フィルム。
  9. 極性基を含有したポリオレフィン樹脂が少なくともカルボキシル基を含むことを特徴とする請求項に記載の光拡散フィルム。
  10. 前記のもう一種の熱可塑性樹脂がフッ素系樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルムフィルム。
  11. 前記のもう一種の熱可塑性樹脂がポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光拡散フィルムフィルム。
  12. つ一方向に2倍以上延伸されてなることを特徴とする請求項11に記載の光拡散フィルム。
  13. 少なくとも片面が賦型処理により粗面化されてなることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  14. 上記明細書中に記載した変角光度計にて入射角0度で測定した透過光の拡散度比(DH/DL)が2.0を超えた光拡散フィルムの少なくとも2枚が、主拡散方向が直交する方向で重ね合わせてなることを特徴とする請求項1〜13に記載の光拡散フィルム。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mm、全光線透過率が70〜100%のプラスチックシートを積層してなることを特徴とする光拡散フィルム積層シート。
  16. LED光源よりなる照明装置に用いてなる事を特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の光拡散フィルム。
  17. LED光源よりなる照明装置に用いてなる事を特徴とする請求項15に記載の光拡散フィルム積層シート。
  18. 請求項1〜14のいずれかに記載の光拡散フィルムを、LED光源を用いた照明装置の出光部の外面または内面に取り付けてなることを特徴とするLED光源を用いた照明装置。
  19. 請求項15に記載の光拡散フィルム積層シートを、LED光源を用いた照明装置の出光部の外面または内面に取り付けてなることを特徴とするLED光源を用いた照明装置。
  20. 請求項1〜14のいずれかに記載の光拡散フィルムをバックライトユニットの出射光面上に設置してなることを特徴とするバックライト装置。
  21. 請求項15に記載の光拡散フィルム積層シートをバックライトユニットの出射光面上に設置してなることを特徴とするバックライト装置。
  22. 少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型されてなることを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の光拡散フィルムの製造方法。
  23. 押し出し機で溶融した樹脂をダイからシート状に押し出してし、該シートを冷却ロールに押し圧ロールで圧接して密着させ冷却固化させて製膜されてなることを請求項22に記載の光拡散フィルムの製造方法。
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