JP2010170076A - 異方性光拡散フィルム及び異方性光拡散積層体並びに異方性光反射積層体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型してなり、フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、光沢度が10〜70%あり、かつ透過光の拡散度の水平方向と垂直方向の比が1.3〜6.0である異方性光拡散フィルム、及び光反射体の少なくとも片面に上記異方性光拡散フィルム積層した反射光の拡散度比、反射度及び拡散度が特定範囲を満たす異方性光反射積層体。
【選択図】なし
Description
かかる輝度分布の不均一性を是正するためには、前後方向の光拡散能と左右方向の光拡散能とが異なる光異方性拡散フィルムが求められており、各種技術が開示されている。
該開示技術の多くは、拡散性(あるいは散乱性、以下、本発明においては、拡散性で統一して述べる)が重視されており、光異方性拡散フィルムはヘーズが高い領域、あるいは平行光線透過率の低い領域に限定されている。
例えば、特許請求範囲や実施例において、85%以上の高ヘーズ領域に限定されている開示技術としては特許文献1〜3等が知られている。
一方、逆に、実施例において15%以下の低ヘーズ領域に限定されている開示技術としては特許文献6が知られている。
また、特許文献8で開示されている技術においては、分散相として球状シリカ粒子が使用されているので、製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰りが増大するのでファインなフィルターの使用が困難であり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
また、特許文献9で開示されている技術においては、エンボス加工により光異方性が付与されており、上記技術と同様に経済性において不利である。
該開示技術は、前記の拡散性が重視された特許と類似した技術に基づいており、その多くは、高いヘーズ領域の光異方性フィルムが得られるものと推察される。
さらに、例えば、特許文献11で開示されている技術においては、溶液製膜において製造されており、経済性及び環境負荷において不利である。
また、特許文献12で開示されている技術においては、分散相として多孔アクリル系粒子が使用されているので、製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰りが増大するのでファインなフィルターの使用が困難であり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
また、特許文献13で開示されている技術においては、連続相を形成する樹脂として、超低密度ポリエチレン樹脂、非晶共重合ポリエステル樹脂及びポリスチレン樹脂等の非晶質樹脂が使用されており、得られる光異方性フィルムは耐溶剤性に劣るという課題を有している。
また、特許文献14において開示されている技術においては、反応性の高いエポキシ基含有の相溶化剤が使用されているので製膜工程において架橋反応が起こり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
例えば、光線透過率の高い領域に限定された方法として、例えば、特許文献15が知られている。
また、特許文献18においては、本文中では金属層を含む光反射体を複合する方法について言及されているが、実施例において例示はされていない。該特許文献の方法は光拡散層が白色反射フィルムよりなっており、金属層を含む光反射体と複合しても反射度の向上は少ないと推察される。
また、特許文献19においては異方性の効果に関しての言及がされていない。
該方法は、経済性や光学特性の品質安定化において不利であるという課題を有する。
1.少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散フィルムであって、前記異方性光拡散フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、光沢度が10〜70%あり、かつ前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が水平方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角60度で測定した透過光の拡散度(DTh)に対する分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した透過光の拡散度(DTv)の比である透過光の拡散度比(DTv/DTh)が1.3〜6.0であることを特徴とする異方性光拡散フィルム。
2.前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して測定される透過度(T%v)と前記DTvとが、下記(1)式又は(2)式を満たすことを特徴とする前記1に記載の異方性光拡散フィルム。
60<DTv≦120、 10≦T%v≦90・・・(1)
35≦DTv≦60、 −3.2×DTv+203≦T%v≦90 (2)
3.前記熱可塑性樹脂の一種が結晶性樹脂であることを特徴とする前記1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
4.前記結晶性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂よりなることを特徴とする前記3に記載の異方性光拡散フィルム。
5.前記結晶性樹脂が、ポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする前記3に記載の異方性光拡散フィルム。
6.前記結晶性樹脂以外の熱可塑性樹脂の一種が、エチレン及び/又はブテンが含まれたポリオレフィン樹脂よりなることを特徴とする前記3〜5のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
7.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mm、全光線透過率が80〜100%のプラスチックシートとを積層してなることを特徴とする異方性光拡散積層体。
8.金属層を含む光反射体の少なくとも片面に少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散層を積層した異方性光反射積層体であって、前記異方性光拡散層の分散相又は共連続相の配向方向が水平横方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角15度で測定した反射光の拡散度(DRh)に対する分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した反射光の拡散度(DRv)の比(DRv/DRh)が1.3〜10であり、かつ異方性光反射積層体の異方性光拡散層側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることを特徴とする異方性光反射積層体。
9.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムを金属層を含む光反射体の表面に被覆してなることを特徴とする前記8に記載の異方性光反射積層体。
10.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする照明器具。
11.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする表示装置。
また、本発明における異方性光拡散フィルム及び該異方性光拡散積層体は異方性光拡散を有するので、例えば、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの拡散の広がりの大きい方向が直行する方向になるように異方性光拡散フィルムを設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
また、本発明の異方性光反射積層体は、光反射において、反射度と拡散度の両方が高いので、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などの各種照明において光源の光量を有効に活し、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、反射度と拡散度の両方が高いので金属光沢を有した光反射体のような強い反射度と白色反射フィルムの有する穏やかな反射とを兼ね揃えた特性を併せ持った優れた反射特性を有するといえる。そのため、高い照度や輝度を維持し、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明等において求められる眩しさが抑制された穏やかな照明が可能となる。すなわち、現在市場で求められている省エネルギーと感性の充足を両立することが可能となる。
また、本発明の異方性光反射積層体は、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイの光反射体として好適である。
また、本発明の異方性光反射積層体は、その反射光が異方性を有しており、特定方向に反射光を集光する機能を有しているので、光源の形状に合わせた位置関係で設置することで、反射光の反射度や反射度の均一性を向上させることができるという特長を有する。
従って、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイ等の表示装置における照明などの各種照明において光源の光量を有効に反射することができるので、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、本発明における異方性光拡散フィルムを光反射体表面に被覆してなる上記積層体は、その光反射光が異方拡散性を有するので、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの異方性の方向がなるように設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
さらに、本発明における異方性光拡散フィルムは、2種の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し製膜により製造されるので、経済性が高い。また、公知技術で使用されている非溶融の光拡散性付与剤である微粒子を配合しないので得られるフィルムの清澄度が高い。また、該樹脂の特性の最適化をすることにより、上記した光学特性を安定して生産することが出来、かつ光学特性以外に、耐溶剤性などの他の特性も優れ、経済性も高い。
本発明の異方性光拡散フィルムは、少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなるフィルムである。熱可塑性樹脂の少なくとも1種は結晶性の熱可塑性樹脂であり、連続相又は共連続相を形成することが好ましい。本発明の異方性光拡散フィルムは、連続相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)と分散相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)に非相溶な熱可塑性樹脂(B)を含む混合物を溶融押し出し成型してなることが好ましい。本発明の異方性光拡散フィルムは、溶融押し出し成型により製膜されるので経済性が高い。また、前記した公知技術である非溶融性微粒子を光拡散性付与剤として配合せずに、連続相及び分散相、又は共連続相の両方共に熱可塑性樹脂を用いるので、製膜工程におけるう溶融樹脂の濾過フィルタにおける目詰まりが低減でき、生産性が優れるとともに得られるフィルムの清澄度も高い。また、前述の溶融製膜法による異方性光拡散フィルムの公知技術の多くは、連続相として非晶性樹脂が使用されており、耐溶剤性が低い等の課題を有していた。本発明における好ましい態様としては、連続相又は共連続相として結晶性の樹脂を使用することによって、該課題が解決できる。
耐熱性等の点より、上記記述構成の方が好ましい実施態様である。
本発明の異方性光拡散フィルムのヘーズは15〜75%であることがより好ましい。ヘーズが10%未満では透過光の拡散度が低下するので好ましくない。逆に、80%を超えた場合は、光透過度が低下するので好ましくない。
上記特性を満足することにより、後述の透過度や透過光の拡散度が好ましい範囲になる。理由は定かでないが、平行光線透過率が反射度に、ヘーズが拡散度により大きく寄与しており、両特性の最適化により光透過度や透過光の拡散度が好ましい範囲になるものと推察される。すなわち、透過度は、平行に透過されてくる透過光の影響を大きく受けると推察される。例えば、従来技術で開示されている全光線透過率は散乱光を含めた光線透過率であるので、透過光の拡散性の尺度としては有効であるが、光透過度と透過光の拡散度の両立を目指す本発明においては、必ずしも有効な特性とは言い難い面がある。実際に、本発明においては、全光線透過率は85〜97%という狭い範囲に設定するのが好ましい。全光線透過87〜95%がより好ましい。全光線透過率が85%未満では光透過度が低下するので好ましくない。逆に、97%を超えた場合は、透過光の拡散度が低下するので好ましくない。
本発明の異方性光拡散フィルムの上記拡散度比は1.4〜6がより好ましく、1.5〜6が更に好ましい。拡散度比が1.3未満では、異方性付与による効果が低下する。一方、上限は高い方が好ましいが、本発明においては、経済的な方法で達成できる上限は6程度である。
以下、上記拡散度(DTv)を主拡散度と称することもある。また、該主拡散度を示す方向を主拡散方向と称することもある。
上記拡散度比を満たす方法は特に限定されないが、前記した連続相中の分散相又は共連続相の配向を高めることにより達成する方法が好ましい。分散相又は共連続相の配向方向の直行方向が主拡散方向となり、一般には分散相又は共連続相の配向度が高まるに従い拡散度比が高くなる。
上記分散相又は共連続相の配向度を高める方法は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の組成、これらの樹脂の流動特性、押し出し製膜時のドラフト比及び延伸条件等の最適化が挙げられる。例えば、樹脂組成の場合は、熱可塑性樹脂(A)より柔らかい熱可塑性樹脂(B)を用いるのが好ましい。また、押し出し製膜時のドラフト比は高く設定するのが好ましい。また、延伸は一方向の倍率を高くするのが好ましい。分散相又は共連続相の配向度を高めるには一軸延伸が最も好ましいが、市場要求や他の物性とのバランスより適宜設定するのがよい。
なお、上記透過度(T%v)は、実施例において記載された拡散度比の測定方法で得られた主拡散方向における変角光度計測定チャートのピークトップのフルスケールに対する割合を%で表示した値である(図1参照)。
60<DTv≦120、 10≦T%v≦90・・・(1)
35≦DTv≦60、 −3.2×DTv+203≦T%v≦90 (2)
上記の好ましい範囲を図2に示す範囲である。該範囲を満たすことにより、光の透過度と拡散度の両方の特性がより有効に発現することができる。
上述の方法により得られた異方性光拡散フィルムは、上記のごとく優れた光学特性を有するが、ある用途においては光学特性以外などの特性、例えば、耐熱性、耐熱寸法安定性、剛性等の機械的特性、あるいは難燃性等の特性を満たすことができない場合がある。透明なプラスチックシートと本発明の異方性光拡散フィルムとを積層することにより、光学特性以外の特性を補完をして市場要求の総合特性を満たすことができる。
本発明に用いる透明なプラスチックシートの厚みは0.5〜3mmがより好ましい。0.1mm未満では補強効果あるいは補完効果が不足する。また、5mm以上は経済的に不利となる場合や柔軟性が損なわれる場合がある。
本発明に用いる透明なプラスチックシートの全光線透過率は85〜100%がより好ましい。90〜100%がより好ましい。80%未満では、前述の異方性光拡散フィルムの特性を有効に活かすことができない。出来るだけ全光線透過率が高く非拡散性のものが好ましい。また、該プラスチックシートとして拡散性を有したものを用いて複合効果を発現させる方法も好ましい。
粘着剤や接着剤で貼り合わせる方法の場合の一例を記述する。上記の粘着剤は、具体的に例示するとゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニル系粘着剤等である。本発明の光反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な粘着剤が好ましい。中でもアクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられる。どの粘着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
スチックシートあるいは異方性光拡散フィルムのいずれかに接着剤をコーティング、乾燥後に相手材料とローラーによるラミネートにより積層される。
本発明のもう一つの発明は、上記の異方性光拡散フィルム又は異方性光拡散積層体を光拡散フィルムとして用いてなる照明器具である。
また、本発明のもう一つの発明は、上記の異方性光拡散フィルムを光拡散フィルムとして用いてなる表示装置である。
照明器具や表示装置においては、光源の光の均一性を高めるために光拡散フィルムが広く使用されている。前述のごとく従来公知の光拡散フィルムは、光の透過度と拡散度との両立において課題を有していた。また、光源の異方性を相殺する機能についても市場要求を満たすことができない場合があった。さらに、経済性や光学特性以外の特性においても課題が残されていた。
本発明の異方性光拡散フィルムはこれらの課題が解決されており、照明器具や表示装置の光拡散フィルムとして好適に用いることができる。
また、本発明における表示器具とは、LCD表示装置で代表されるフラットパネル型表示装置のみに限定されるものではない。例えば、内照式電飾パネル等の光の照明機能を利用したあらゆる表示装置を対象としている。
以上の方法により、例えば、ディスプレイの拡散フィルムとして用いた場合において単数使用に比べて大幅に輝度が向上する場合があるので推奨される方法である。特に、ビーズコート法の等方性光拡散フィルムであって拡散性能の高いフィルムとの重ね合わせが推奨される。
本発明に用いる金属層を含む光反射体としては、光反射機能を有した金属層を含むものであればその素材、形態及びその構成等は特に限定されない。例えば、金属板や金属箔であってもよいし、プラスチックフィルムやプラスチックシート(以下単に基材フィルムと称することもある)と金属との積層体であってもよい。また、後述の異方性光拡散層の片面に金属層を直接形成しても良い。
金属板や金属箔の場合は、例えば、鉄、各種ステンレス、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、錫合金、鋼板、ニッケル、亜鉛などの各種金属を挙げることができる。金属板や金属箔の厚みは0.05〜0.8mmが一応の目安であるが、このような厚みに限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
該材質や厚みは、光反射体の用途やその用途に対する要求特性により適宜選択される。
また、該金属薄膜層の厚みは10〜500nmが好ましく、コストパフォーマンスより50〜200nmがより好ましい。更に好ましくは80〜150nmである。
該金属薄膜層を基材フィルムの表面に形成する際に、高分子フィルム表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、表面化学処理、粗面化処理等を行い両者の密着性を向上することも好ましい実施態様である。
本発明の異方性光反射積層体は、たとえば前述した異方性光拡散フィルムと上記の金属層を含む光反射体とを積層することにより得られる。また、上記異方性光拡散フィルムの片面に金属層を直接形成しても良い。
上記異方性光拡散フィルムの片面に金属層を直接形成する方法の場合は、前述の基材フィルムに金属薄膜層を形成する方法と同様の方法が適される。
は異方性光拡散フィルムのいずれかに接着剤をコーティング、乾燥後に相手材料とローラーによるラミネートにより積層される。
上記拡散度比は1.4〜10がより好ましく、1.5〜10が更に好ましい。
拡散度比が1.3未満では、反射度の向上効果が低下する。一方、上限は高い方が好ましいが、本発明においては、経済的な方法で達成できる上限は10程度である。
上記異方性光拡散側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることが重要である。
反射度は0.7〜8がより好ましく、0.9〜8がさらに好ましい。反射度が0.5未満では光の反射度が低く反射シートとして用いた場合に照明器具の照度あるいは輝度が低くなるので好ましくない。上限は高い方が好ましいが、本発明方法においては8がほぼ限界と思われる。
また、拡散度は、11〜30がより好ましく、12〜30がさらに好ましい。10未満の場合は反射光の拡散性が低く、指向性が強くなり照明器具の照度あるいは輝度の均一性が悪化するので好ましくない。また、反射光の眩しさが増大するので、例えば、室内照明等において求められる穏やかな反射が阻害されるので好ましくない。上限は高い方が好ましいが、本発明方法においては10がほぼ限界と思われる。
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
透過測定モード、光線入射角:60°、受光角度:−90°〜90°、SENSITIVITY:150、HIGH VOLTON:500、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し得られる透過ピークの立ち上がりの開始角度より立下りの終了角度までの角度幅(度)及びピーク高さを求める。角度幅が拡散度であり、ピーク高さが透過度である(図1参照)。
上記測定は、分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向及び水平方向になるように試料固定部に固定して測定する。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するものとして測定をする。
分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向に、あるいは、巻きの縦方向を垂直方向に固定して測定された透過光の拡散度をDTvとし、分散相又は共連続相の配向方向を水平方向に、又は、巻きの縦方向を水平方向に固定して測定された透過光の拡散度をDThとして、拡散度比であるDTv/DTh求める。
なお、分散相又は共連続相の配向方向の確認は共焦点レーザ顕微鏡観察等により行った。
上記の拡散度比測定方法で得られた主拡散方向における変角光度計測定チャートのピークトップのフルスケールに対する割合(%)を透過度(T%v)とした。
日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−2000」を用いて、JIS K 7105−1981に準拠して測定した。
異方性光拡散層の分散相又は共連続相が特定方向に配向している測定試料の場合は、配向方向が上下方向に平行になるように試料固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いた。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして測定をする。
日本電色工業社製の光沢計VG2000を用いて、JIS Z 8741に準拠して測定した。
異方性光拡散層の分散相又は共連続相が特定方向に配向している測定試料の場合は、配向方向が測定器の前後方向と平行になるように試料を固定して測定することにより得た測定値を用いた。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして測定をする。
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
反射モード、光線入射角:15°、受光角度:−90°〜90°、SENSITIVITY:150、HIGH VOLTON:500、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し得られる反射ピークの立ち上がりの開始角度より立下りの終了角度までの角度幅(度)及びピーク高さを求める。角度幅が拡散度であり、ピーク高さが反射度である(図4参照)。 反射度は主拡散方向の測定値である。
上記測定を又は共連続相の配向方向が水平方向及び垂直方向になるように試料固定部に試料を固定して測定する。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして測定をする。
同じ条件で光沢度測定標準板(日本電色工業(株)社製G−16732 角度20度の光沢度82.0%)の反射ピークの測定を行い、それぞれ、該測定値との相対値で表示する。上記測定は異方性光拡散層側を測定面として測定した。
分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向に、あるいは、フィルム又はシートの長尺方向を垂直方向に固定して測定された反射光の拡散度をDRvとし、分散相又は共連続相の配向方向を水平方向に、又は、フィルム又はシートの長尺方向を水平方向に固定して測定された反射光の拡散度をDRhとして、拡散度比であるDRv/DRhを求める。
点灯した蛍光灯直下2mの位置に光反射積層体を水平に置き、光反射積層体の上部より目視観察をして、反射性、反射のひろがりおよび蛍光灯の管影の写り込み状況を官能評価した。
反射性および反射のひろがりは比較例24の光反射積層体を基準として、以下の基準で判定した。
比較例24の光反射積層体より優れているもの:○
比較例24の光反射積層体と同等のもの:△
比較例24の光反射積層体より劣るもの:×
また、管影の写り込み性は、以下の基準で判定した。
管影の写り込みの見えない場合:○
僅かに管影の写り込みの見える場合:△
管影の写り込みがはっきり見える場合:×
なお、上記評価においては、異方性を有した光反射積層体の場合は、蛍光灯の長さ方向に主拡散方向が平行になる方向に設置して評価した。等方性の光反射積層体については、光反射積層体の長手方向が蛍光灯の長さ方向と平行する方向で設置して評価をした。
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)53質量部にエチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A1085S)47質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの異方性光拡散フィルムを得た。該異方性光拡散フィルムは連続相と分散相を含む構造からなり、実質的に空洞が含まれていなかった。得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)100質量部を溶融して基層Aとし、第2の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)17質量部とプロピレン・エチレン共重合体(日本ポリプロ社製 HF3101C)83質量部を、溶融混合して異方性光拡散層Bとした、ダイス内にてA/Bとなるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度120℃で4.8倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、165℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に9倍延伸する。ついで166℃で熱固定を行って、A/B構成の厚みがそれぞれ順に22.2μm、2.8μmである異方性光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において基層A表面にコロナ処理を行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは拡散度比及び透過度が低く低品質であった。
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、延伸温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、厚み75μmの異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは透過度及、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており高品質であった。
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度115℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら温度210℃で4秒間の熱処理を行い厚み25μmの異方性光拡散フィルムを得た。該異方性光拡散フィルムは実質的に空洞が含まれていなかった。 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光拡散フィルムは実施例2で得られた異方性光拡散フィルムより透過度及、拡散度及び拡散度比のいずれもが低く低品質であった。
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にポリスチレン系ポリマービーズとアクリル系樹脂よりなる拡散層を塗工法で積層することにより異方性光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光拡散フィルムはいずれもが拡散度比が低く、かつ透過度と拡散度のバランスが良くなかった。
実施例1の方法において、延伸前の未延伸フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1で調製した一軸延伸フィルムを、さらにテンター式延伸機により158℃で加熱後、145℃の延伸温度で横方向に3.5倍に延伸することにより異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とプロピレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー P0280)35質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9807.15)35質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9107.10)35質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン S2011DG3)及び高密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ハイゼックス 2208J)それぞれ50質量部づつを混合した配合物に切り替える以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部と低密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、エンボリュー SP1540)35質量部に切り替える以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部と低密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ウルトゼックス 4020L)35質量部に切り替える以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例7で得られた異方性光拡散フィルムをそれぞれ2枚及び4枚重ねて光学特性を測定した。
特性を表2に示す。
これらの実施例の異方性光拡散フィルムは、実施例7で得られた異方性光拡散フィルムよりも拡散度がより向上した。
実施例9で調製した一軸延伸フィルムを、さらにテンター式延伸機により167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に4.5倍に延伸することにより異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
実施例10で調製した一軸延伸フィルムを、さらにテンター式延伸機により167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に4.5倍に延伸することにより異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
本願の異方性光拡散フィルムは、等方性(拡散度が1.3未満)の光拡散フィルムに比べて拡散度が高く、かつ透過度も高いという拡散度と透過度の両立を達成することができる臨界的な範囲であることが理解できる。
それぞれ実施例1及び7で得られた異方性光拡散フィルムを厚さ2mmの全光線透過率が93%のアクリル板に光学両面粘着シートで貼り合わせことにより異方性光拡散積層体を得た。
得られた異方性光拡散積層体を蛍光灯の拡散板として用いた。この場合、蛍光灯の長さ方向に異方性光拡散フィルムの主拡散方向が平行になる方向に設置した。
明るさが高く、かつ拡散性が良好であるため蛍光灯の管映が見えなかった。
実施例15及び16の方法において、異方性光拡散フィルムを比較例1で得た異方性光拡散フィルムに替える以外は、実施例15及び16と同様にして蛍光灯の拡散板として用いた。
実施例15及び16と同様に拡散性に優れており蛍光灯の管映は見えなかったが、該実施例に比べて透過度が劣るので明るさが大幅に低下した。
実施例15及び16の方法において、異方性光拡散フィルムを比較例4で得た光散性フィルムに替える以外は、実施例15及び16と同様にして蛍光灯の拡散板として用いた。
実施例15及び16と同様に透過性が良好であり明るさは良好であったが、拡散性が劣るので蛍光灯の管映が見えた。
実施例15及び16の方法において、異方性光拡散フィルムを比較例7で得た異方性光拡散フィルムに替える以外は、実施例15及び16と同様にして蛍光灯の拡散板として用いた。
実施例15及び16と同様に拡散性に優れているので蛍光灯の管映は見えなかったが、該実施例に比べて透過度が劣るので明るさが大幅に低下した。
エッジライトが蛍光灯1本で白色反射板を用いたドットタイプ導光板の上に、実施例1で得られた異方性光拡散フィルムを異方性光拡散フィルムの主拡散方向が蛍光灯の長さ方向と平行になる方向に光学の両面テープで貼り付けて、輝度を測定した。
該輝度は(株)トプコンテクノハウス社製のトプコン分光放射計SR−3Aを用いて、導光板表面との距離40cmで導光板が直下になる位置で測定した。
輝度は1.7Cd/m2×102であった。一方、上記の異方性光拡散フィルムを貼り付けない場合は、0.3Cd/m2×102であった。
実施例17の方法において、それぞれ比較例1及び比較例6で得た光拡散フィルムを貼り付けるように変更する以外は、実施例17と同様にして輝度を測定した。
それぞれ0.6及び0.8Cd/m2×102であった。実施例17に比べて輝度向上効果が著しく劣っていた。
実施例17の方法で、異方性光拡散フィルムを主拡散方向が蛍光灯の長さ方向と直行する方向で貼り付ける以外は、実施例17と同様の方法で輝度を測定した。輝度は0.6Cd/m2×102であり、実施例17に比べて輝度向上効果が著しく劣っていた。
実施例17の方法において、実施例1で得られた異方性光拡散フィルム2枚を実施例17と同様の方向に重ね合わせて貼り付ける以外は、実施例17と同様の方法で輝度を測定した。輝度は2.5Cd/m2×102であり、実施例17に比べてさらに輝度が向上した。
一方、実施例17の方法において、比較例12で得た光拡散フィルムを2枚重ねて貼り合わせ場合の輝度は0.9Cd/m2×102であり、重ね合わせて貼る効果が殆どなかった。
実施例17の方法において、それぞれ実施例5及び6で得られた異方性光拡散フィルム実施例17と同様の方向に貼り付ける以外は、実施例17と同様の方法で輝度を測定した。
輝度はそれぞれ1.7及び2.0Cd/m2×102であり、実施例1で得られた異方性光拡散フィルムと同様に輝度向上が大きかった。
〔異方性光拡散フィルムの調製〕
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)53質量部にエチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A1085S)47質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの一軸延伸フィルムを得た。該異方性光拡散フィルムは連続相と分散相を含む構造からなり、実質的に空洞が含まれていなかった。
〔金属層を含む光反射体〕
東洋紡績(株)社製の二軸延伸ポリエステルフィルム(A4300、100μm)に金属アルミニウムを80nmの厚みで蒸着したアルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムを準備した。
〔異方性光反射積層体の調製〕
上記アルミニウム金属蒸着フィルムのアルミニウム蒸着面に上記方法で調製した異方性光拡散フィルムを光学両面粘着シートで張り合わせた。異方性光反射積層体の拡散度比は5.7であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
アルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムのみの特性を表3に示す。
反射度は極めて高いが拡散度が低く、蛍光灯の管影の写り込み性が悪かった。
(比較例15)
実施例21における異方性光拡散フィルムのみの反射特性を表3に示す。
反射度が著しく低かった。
(比較例16)
実施例21の異方性光拡散フィルムの代わりとして東洋紡績(株)社製の透明タイプの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(P2241、25μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表3に示す。拡散度比は1.0でああり、異方性は見られなかった。本比較例で得られた光反射積層体は反射度が良好であったが、拡散度が低く、蛍光灯の管影の写り込み性が悪かった。
実施例21の異方性光拡散フィルムの代わりとして東洋紡績(株)社製の発泡タイプの白色二軸延伸ポリプロピレンフィルム(P4835、厚さ39μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表3に示す。拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。本比較例で得られた光反射積層体は拡散度が良好であったが、反射度が著しく低かった。
実施例21の方法において、下記方法で調製した異方性光拡散フィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光拡散フィルムを得た。拡散度比は1.2であり、異方性が低かった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本比較例で得られた光反射積層体は反射度が低かった。
(異方性光拡散フィルムの調整)
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)100質量部を溶融して基層Aとし、第2の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)17質量部とプロピレン・エチレン共重合体(日本ポリプロ社製 HF3101C)83質量部を、溶融混合して異方性光拡散層Bとした、ダイス内にてA/Bとなるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度120℃で4.8倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、165℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に9倍延伸する。ついで166℃で熱固定を行って、A/B構成の厚みがそれぞれ順に22.2μm、2.8μmである光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において基層A表面にコロナ処理を行った。
実施例21の方法において、金属層を含む光反射体として、アルメコ社製の増反射タイプのアルミニウム反射板(V95−110)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は5.8であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は、実施例21で得られた異方性光反射積層体より優れた反射特性を有しており高品質であった。
実施例21の方法において、光反射体として、東洋紡績(株)社製の二軸延伸ポリエステルフィルム(A4300、100μm)に銀金属をスッパタリング法で150nmの厚みで積層したポリエステルフィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は5.9であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は、実施例21で得られた異方性光反射積層体より優れた反射特性を有しており高品質であった。
実施例21の方法において調製した異方性光拡散フィルムの片面に金属アルミニウムを150nmの厚みで蒸着することにより、異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は5.7であった。
得られた異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は、実施例21で得られた光反射積層体と同等の反射特性を有しており高品質であった。
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルムとして下記方法で調製した異方性光拡散フィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は4.8であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
〔異方性光拡散フィルムの調製〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、厚み75μmの異方性光拡散フィルムを得た。
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに下記方法で調製した光拡散フィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本比較例で得られた異方性光反射積層体は、反射度が劣っていた。
〔光拡散フィルムの調製〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度115℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら温度210℃で4秒間の熱処理を行い厚み25μmの光拡散フィルムを得た。該光拡散フィルムには実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに東洋紡績(株)社製の二軸延伸ポリエステルフィルム(E5100、125μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表3に示す。本比較例で得られた光反射積層体は反射度が良好であったが、拡散度が低く、蛍光灯の管影の写り込み性が悪かった。
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にポリスチレン系ポリマービーズとアクリル系樹脂よりなる拡散層を塗工法で積層することにより得たそれぞれ表3に示す光学特性を有したポリエステル系の光拡散フィルムと重ね合わせることにより光反射積層体を得た。該重ね合わせは光拡散フィルムの拡散層の反対側と光反射体のアルミニウム蒸着面とが接するように行った。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
得られた光反射積層体の特性を表3、4に示す。比較例20〜23で得られた光反射積層体は拡散度が低かった。また、比較例24及び25で得られた光反射積層体は反射度が低かった。さらに、これらの比較例で得られた光反射積層体は、いずれもが拡散度比が著しく劣っており、異方光拡散性が求められる用途には不向きであった。
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに下記方法で調製した白色ポリエステルフィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。本光反射積層体の拡散度比は1.0であり異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表4に示す。
本比較例で得られた光反射積層体は拡散度が良好であったが、反射度が著しく低かった。
〔光拡散フィルムの調製〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂70質量部と酸化チタン50質量部と上記ポリエチレンテレフタレート樹脂50質量部を混練りすることにより得た酸化チタン含有マスターペレット30質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度115℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら温度210℃で4秒間の熱処理を行い厚み100μmの白色ポリエステルフィルムを得た。
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに東洋紡績(株)社製の空洞含有タイプの白色二軸延伸ポリエステルフィルム(クリスパー(登録商標)G1211、38μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表4に示す。本比較例で得られた光反射積層体は拡散度が良好であったが、反射度が著しく低かった。
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに実施例21の異方性光拡散フィルムの延伸前の未延伸フィルムを用いる以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は3.9であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに実施例21で調製した一軸延伸フィルムを、さらに横方向に延伸した二軸延伸フィルムを用いる以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は2.3であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
なお、異方性光拡散フィルムは以下の方法で調製した。
〔異方性光拡散フィルムの調製〕
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)53質量部にエチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A1085S)47質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って厚みが50μmの異方性光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において片面にコロナ処理を行った。該異方性光拡散フィルムは連続相と分散相を含む構造からなり、実質的に空洞が含まれていなかった。
実施例27の方法において、金属層を含む光反射体として、アルメコ社製の増反射タイプのアルミニウム反射板(V95−110)を用いる以外は、実施例27と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。拡散度比は3.4であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた光反射積層体は、実施例27で得られた異方性光反射積層体より優れた反射特性を有しており高品質であった。
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部と低密度ポリエチレン(SP1540:MFR3.8g/10分、融点Tm113℃、密度0.913g/cm3)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は6.9であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とプロピレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー P0280)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は6.4であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM)
D9807.15)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は4.0であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM)
D9107.10)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は5.3であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン S2011DG3)及び高密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ハイゼックス 2208J)それぞれ50質量部づつを混合した配合物に切り替える以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は4.0であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
実施例25の拡散層フィルムの調製において用いた低密度ポリエチレン樹脂を、ポリプロピレンとポリブテンの混合物よりなるポリプロピレン系樹脂(大日精化(株)社製CAP350)に変更する以外は、実施例25と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は4.4であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
市販のポリエステル系の白色反射フィルム三種類について反射度と拡散度を測定した。
反射特性を表5に示す。いずれの白色反射フィルムも本願の異方性光反射積層体に比べ反射度が低い。
室内照明蛍光灯の反射板部に実施例、比較例及び参考例−2の光反射積層フィルムや反射フィルムを貼り付けて明るさと明るさの斑を官能評価にて判定した。
実施例で得られた光反射積層フィルムはいずれもが、蛍光灯の光の反射光が眩しくなく穏やかな反射であり、反射光の角度依存性が抑制されていた。
一方、比較例14、16及び21で得られた光反射積層体は反射光が眩しく、かつ特定の角度のみ照度が高かった。また、比較例15、19、20及び22で得られた光反射積層体は反射度が低かった。
また、市販の白色反射フィルムも反射度が低かった。
(有)ゼロコア社の全周配光特性評価計測装置(ZERO−FP)を用いて、照度を測定した。また、該測定時の反射光の眩しさを観察した。結果を表6に示す。
本発明の実施例で得た光反射積層体は、比較例22や参考例3の市販白色反射フィルムと同様に穏やかな反射光でありながら、照度が高い。一方、比較例14のアルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムは高い照度を有するがその反射光は眩しいという課題を有する。従って、本発明で得られる光反射積層体は、アルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルム等の金属光沢を有した光反射体のような強い反射度と白色反射フィルムの有する穏やかな反射とを兼ね揃えた特性を併せ持った優れた反射特性を有するといえる。
市販の反射型液晶装置を有した携帯電話の液晶ディスプレイ部を分解した。図5のような構造になっていた。該液晶ディスプレイ部の光反射体を本発明の実施例、比較例及び参考例2〜4の光反射体に置き換えて外光による反射による表示画面の視認性を官能評価した。なお、異方性光反射積層体の場合は、分散相又は共連続相の配向軸の方向を液晶ディスプレイの横方向になるように設置した。本発明の実施例で得られた異方性光反射積層体は、表示が明るく鮮明に見えた。一方、反射度の低い比較例や参考例の白色反射フィルムは明るさが不十分で、表示が見えにくかった。また、比較例14のアルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムを用いた場合は入射角の依存性が高く外光入射の方向により明るさが不十分で、表示が見えにくい所があった。
本願の異方性光反射積層体は、等方性(拡散度が1.3未満)の光反射体に比べて拡散度が高く、かつ反射度も高いという拡散度と反射度の両立を達成することができる臨界的な範囲であることが理解できる。
また、本発明における異方性光拡散フィルム及び該異方性光拡散積層体は異方性光拡散を有するので、例えば、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの拡散の広がりの大きい方向が直行する方向になるように異方性光拡散フィルムを設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
また、本発明における異方性光反射積層体は、光反射において、反射度と拡散度の両方が高いので、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などの各種照明において光源の光量を有効に活し、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、反射度と拡散度の両方が高いので金属光沢を有した光反射体のような強い反射度と白色反射フィルムの有する穏やかな反射とを兼ね揃えた特性を併せ持った優れた反射特性を有するといえる。そのため、高い照度や輝度を維持し、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明等において求められる眩しさが抑制された穏やかな照明が可能となる。すなわち、現在市場で求められている省エネルギーと感性の充足を両立することが可能となる。
また、本発明における異方性光反射積層体は、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイの光反射体として好適である。
また、本発明における異方性光反射積層体は、その反射光が異方性を有しており、特定方向に反射光を集光する機能を有しているので、光源の形状に合わせた位置関係で設置することで、反射光の反射度や反射度の均一性を向上させることができるという特長を有する。
従って、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイ等の表示装置における照明などの各種照明において光源の光量を有効に反射することができるので、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、本発明における異方性光拡散フィルムを光反射体表面に被覆してなる上記積層体は、その光反射光が異方拡散性を有するので、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの異方性の方向がなるように設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
さらに、本発明における異方性光拡散フィルムは、2種の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し製膜により製造されるので、経済性が高い。また、公知技術で使用されている非溶融の光拡散性付与剤である微粒子を配合しないので得られるフィルムの清澄度が高い。また、該樹脂の特性の最適化をすることにより、上記した光学特性を安定して生産することが出来、かつ光学特性以外の、耐溶剤性当の優れたフィルムが得られる等、経済性が高く、かつ光学特性以外の特性にも優れている。
従って、産業界への寄与は大きい。
2:ガラス基板
3:透明電極
4:絶縁層
5:配向層
6:液晶層
7:配向層
8:透明電極
9:透明平坦化層
10:カラーフィルター層
11:透明介在層
12:光反射体(供試フイルム)
13:ガラス基板
Claims (11)
- 少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散フィルムであって、前記異方性光拡散フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、光沢度が10〜70%あり、かつ前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が水平方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角60度で測定した透過光の拡散度(DTh)に対する分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した透過光の拡散度(DTv)の比である透過光の拡散度比(DTv/DTh)が1.3〜6.0であることを特徴とする異方性光拡散フィルム。
- 前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して測定される透過度(T%v)と前記DTvとが、下記(1)式又は(2)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の異方性光拡散フィルム。
60<DTv≦120、 10≦T%v≦90・・・(1)
35≦DTv≦60、 −3.2×DTv+203≦T%v≦90 (2) - 前記熱可塑性樹脂の一種が結晶性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
- 前記結晶性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂よりなることを特徴とする請求項3に記載の異方性光拡散フィルム。
- 前記結晶性樹脂が、ポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする請求項3に記載の異方性光拡散フィルム。
- 前記結晶性樹脂以外の熱可塑性樹脂の一種が、エチレン及び/又はブテンが含まれたポリオレフィン樹脂よりなることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mm、全光線透過率が80〜100%のプラスチックシートとを積層してなることを特徴とする異方性光拡散積層体。
- 金属層を含む光反射体の少なくとも片面に少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相又は共連続相を含む異方性光拡散層を積層した異方性光反射積層体であって、前記異方性光拡散層の分散相又は共連続相の配向方向が水平横方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角15度で測定した反射光の拡散度(DRh)に対する分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した反射光の拡散度(DRv)の比(DRv/DRh)が1.3〜10であり、かつ異方性光反射積層体の異方性光拡散層側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることを特徴とする異方性光反射積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムを、金属層を含む光反射体の表面に被覆してなることを特徴とする請求項8に記載の異方性光反射積層体。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、請求項7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は請求項8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする照明器具。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、請求項7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は請求項8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする表示装置。
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