JP2010170076A - 異方性光拡散フィルム及び異方性光拡散積層体並びに異方性光反射積層体 - Google Patents

異方性光拡散フィルム及び異方性光拡散積層体並びに異方性光反射積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】光の透過度と拡散度の両方の特性が優れた異方性光拡散フィルム、異方性光拡散積層体、異方性光反射積層体、及びこれらを使用して光拡散度や輝度に優れ、かつ経済性などにも優れた照明器具や表示装置を提供すること。
【解決手段】少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型してなり、フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、光沢度が10〜70%あり、かつ透過光の拡散度の水平方向と垂直方向の比が1.3〜6.0である異方性光拡散フィルム、及び光反射体の少なくとも片面に上記異方性光拡散フィルム積層した反射光の拡散度比、反射度及び拡散度が特定範囲を満たす異方性光反射積層体。
【選択図】なし

Description

本発明は、異方性光拡散フィルム及びその用途に関するものである。詳しくは、光の透過度と拡散度の両方の特性が優れた異方性光拡散フィルム及びそれとプラスチックシートとを積層した積層体、金属層を含む光反射体とを積層した異方性光反射積層体及びこれらを用いた照明器具並びに表示装置に関するものである。
液晶表示装置は、液晶層を背面から照らして発光させるバックライト方式が普及し、液晶層の下面側にバックライトユニットが装備されている。かかるバックライトユニットにはエッジライト型方式や直下型方式のものがあるが、いずれの方式を採用しても出射される光線の輝度分布は線状のランプと垂直方向を基準にして見た場合と平行方向を基準にして見た場合とでは異なり、一般的にはランプと垂直方向の輝度分布が強いピークを示し、ランプと平行方向の輝度分布が相対的に左右対称かつ均一であり、特定の方向にピークを示すことが少ない。
一方、ビーズ塗工タイプやエンボスタイプの光拡散フィルムでは、その拡散能が全方向に均一な等方性を有するため、上述のような出射された光線の前後方向の輝度分布と左右方向の輝度分布との違いをなくすよう制御することはできない。
かかる輝度分布の不均一性を是正するためには、前後方向の光拡散能と左右方向の光拡散能とが異なる光異方性拡散フィルムが求められており、各種技術が開示されている。
該開示技術の多くは、拡散性(あるいは散乱性、以下、本発明においては、拡散性で統一して述べる)が重視されており、光異方性拡散フィルムはヘーズが高い領域、あるいは平行光線透過率の低い領域に限定されている。
例えば、特許請求範囲や実施例において、85%以上の高ヘーズ領域に限定されている開示技術としては特許文献1〜3等が知られている。
また、特許請求範囲や実施例において、平行光線透過率が低い範囲に限定されている開示技術としては特許文献4〜5等が知られている。
一方、逆に、実施例において15%以下の低ヘーズ領域に限定されている開示技術としては特許文献6が知られている。
実施例において中間のヘーズ領域に限定されている技術として特許文献7〜8が開示されている。しかしながら、特許文献7で開示されている技術においては、溶液製膜において製造されており、経済性及び環境負荷において不利である。
また、特許文献8で開示されている技術においては、分散相として球状シリカ粒子が使用されているので、製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰りが増大するのでファインなフィルターの使用が困難であり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
また、特許文献9で開示されている技術においては、エンボス加工により光異方性が付与されており、上記技術と同様に経済性において不利である。
実施例において中間の光沢度領域に限定されている技術として特許文献10が開示されている。しかしながら、特許文献10で開示されている技術においては、連続相樹脂として非晶質樹脂であるアクリル系樹脂が使用されており、得られる光異方性フィルムは耐溶剤性に劣るという課題を有している。さらに、分散相としてシリコーン系架橋ビーズが使用されているので、製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰りが増大するのでファインなフィルターの使用が困難であり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
また、ヘーズや平行光線透過率という一般的な光学特性が明示されていない技術が多数開示されている(例えば、特許文献11〜14)
該開示技術は、前記の拡散性が重視された特許と類似した技術に基づいており、その多くは、高いヘーズ領域の光異方性フィルムが得られるものと推察される。
さらに、例えば、特許文献11で開示されている技術においては、溶液製膜において製造されており、経済性及び環境負荷において不利である。
また、特許文献12で開示されている技術においては、分散相として多孔アクリル系粒子が使用されているので、製膜工程におけるポリマーフィルターの目詰りが増大するのでファインなフィルターの使用が困難であり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
また、特許文献13で開示されている技術においては、連続相を形成する樹脂として、超低密度ポリエチレン樹脂、非晶共重合ポリエステル樹脂及びポリスチレン樹脂等の非晶質樹脂が使用されており、得られる光異方性フィルムは耐溶剤性に劣るという課題を有している。
また、特許文献14において開示されている技術においては、反応性の高いエポキシ基含有の相溶化剤が使用されているので製膜工程において架橋反応が起こり、得られる光異方性フィルムの清澄度が低くなるという課題を有している。
また、室内などの照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などにおいて、光源の光量を有効に活し上記照明における照度や輝度を高めるために、光反射シートや光反射板(以下、単に光反射体と称すことがある)が用いられている。
光反射体としては、例えば、白色PETフィルムよりなる拡散反射部材が多く用いられている。該拡散反射部材は拡散性に重きをなした特性を有しており正反射性は低い。そのために均質性の高い反射が付与されるが反射度が低いという課題を有している。
また、アルミニウムや銀などの金属の光沢を利用した正反射性の高い光反射体が開発されている。しかしながら、該方法は反射度を高めることができるが、反射の指向性が強いので、例えば、室内や社内の照明においては、特定方向に強い反射が起こるので、方向による均質性に欠け、かつ、特定方向においては眩しさが強くなるという問題点を有する。また、内照式電飾パネルにおける照明や液晶ディスプレイの照明においては輝度の均質性が悪化するという問題点がある。さらに、該反射の指向性が強いために光反射体に部分的に皺やそりが発生した場合にさらに反射の均一性が低下するという問題点を有している。
上記課題を解決する方法として、金属光沢を利用した光反射体の表層に光の拡散性を制御する拡散層を積層して反射の拡散性を制御する方法が提案されている。
しかしながら、該提案技術は、拡散層の光線透過率が高いものと、逆に低いものとの両極端な領域に限定されている。
例えば、光線透過率の高い領域に限定された方法として、例えば、特許文献15が知られている。
上記特許文献において開示されている方法は、単に金属光沢を利用した光反射体よりは拡散性が改善されているが、まだ指向性が強く金属光沢を利用した反射シートの有する課題が解決されてはいない。
一方、光線透過率の低い領域に限定された方法として、例えば、特許文献16が知られている。
上記特許文献において開示されている方法は、拡散性が大幅に改善されているが、正反射性が大幅に低下しており、白色反射フィルムよりなる光反射体と同様の課題を有する。
一方、金属層を含む光反射体と光拡散層とからなる光反射積層体に光反射の異方性(以下、単に異方性と称することもある)を付与する方法として、金属層表面にヘアーライン加工する方法が開示されている(特許文献17参照)。
上記方法は、異方性が充分でない場合がある。また、均一な加工が困難であるので均質な製品が得にくいという課題を有している。
また、異方性付与する他の方法としてレンズシートやプリズムシートと金属層を含む光反射体とを複合する方法が開示されている(例えば、特許文献18参照)。
上記特許文献で開示されている方法は、レンズシートやプリズムシートが高価であり経済的に不利である。
また、特許文献18においては、本文中では金属層を含む光反射体を複合する方法について言及されているが、実施例において例示はされていない。該特許文献の方法は光拡散層が白色反射フィルムよりなっており、金属層を含む光反射体と複合しても反射度の向上は少ないと推察される。
また、特許文献19においては異方性の効果に関しての言及がされていない。
また、白色反射フィルムにおいて、ヘアーライン加工で異方性を付与する方法が開示されている(特許文献20参照)。
該方法は、経済性や光学特性の品質安定化において不利であるという課題を有する。
特開2002−192608号公報 特開2004−131728号公報 特開2004−219438号公報 WO03−34103公報 特開2007−192861号公報 特開2002−197909号公報 特開2004−302071公報 特開2002−197909公報 特開2006−78743号公報 WO04−90587号公報 特開2004−361656号公報 特開2003−43258公報 特開2007−10798号公報 特開2006−251395号公報 特開2007−157566号公報 特開2005−11477号公報 特開平11−23111号公報 特開2006−318724号公報 特開2005−173546号公報 特開2004−219437号公報
本発明の目的は、上記の従来技術における問題点を解決するものであり、光の透過度と拡散度の両方の特性が優れ、かつ経済性、耐溶剤性及び清澄性等の光学特性以外の特性にも優れた異方性光拡散フィルム、異方性光拡散積層体、異方性光反射積層体、及びこれらを使用して光拡散度や輝度に優れ、かつ経済性などにも優れた照明器具や表示装置を提供することにある。
すなわち、本発明は、以下の構成よりなる。
1.少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散フィルムであって、前記異方性光拡散フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、光沢度が10〜70%あり、かつ前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が水平方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角60度で測定した透過光の拡散度(DTh)に対する分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した透過光の拡散度(DTv)の比である透過光の拡散度比(DTv/DTh)が1.3〜6.0であることを特徴とする異方性光拡散フィルム。
2.前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して測定される透過度(T%v)と前記DTvとが、下記(1)式又は(2)式を満たすことを特徴とする前記1に記載の異方性光拡散フィルム。
60<DTv≦120、 10≦T%v≦90・・・(1)
35≦DTv≦60、 −3.2×DTv+203≦T%v≦90 (2)
3.前記熱可塑性樹脂の一種が結晶性樹脂であることを特徴とする前記1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
4.前記結晶性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂よりなることを特徴とする前記3に記載の異方性光拡散フィルム。
5.前記結晶性樹脂が、ポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする前記3に記載の異方性光拡散フィルム。
6.前記結晶性樹脂以外の熱可塑性樹脂の一種が、エチレン及び/又はブテンが含まれたポリオレフィン樹脂よりなることを特徴とする前記3〜5のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
7.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mm、全光線透過率が80〜100%のプラスチックシートとを積層してなることを特徴とする異方性光拡散積層体。
8.金属層を含む光反射体の少なくとも片面に少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散層を積層した異方性光反射積層体であって、前記異方性光拡散層の分散相又は共連続相の配向方向が水平横方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角15度で測定した反射光の拡散度(DRh)に対する分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した反射光の拡散度(DRv)の比(DRv/DRh)が1.3〜10であり、かつ異方性光反射積層体の異方性光拡散層側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることを特徴とする異方性光反射積層体。
9.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムを金属層を含む光反射体の表面に被覆してなることを特徴とする前記8に記載の異方性光反射積層体。
10.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする照明器具。
11.1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする表示装置。
本発明の異方性光拡散フィルム及び該異方性光拡散積層体は、光の透過度と拡散度の両方が高いので、照明、ディスプレイ、広告灯の導光板などの拡散フィルムとして用いた場合に、高照度や高輝度で、かつ均質な照度や輝度を得ることができる。
また、本発明における異方性光拡散フィルム及び該異方性光拡散積層体は異方性光拡散を有するので、例えば、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの拡散の広がりの大きい方向が直行する方向になるように異方性光拡散フィルムを設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
また、本発明の異方性光反射積層体は、光反射において、反射度と拡散度の両方が高いので、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などの各種照明において光源の光量を有効に活し、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、反射度と拡散度の両方が高いので金属光沢を有した光反射体のような強い反射度と白色反射フィルムの有する穏やかな反射とを兼ね揃えた特性を併せ持った優れた反射特性を有するといえる。そのため、高い照度や輝度を維持し、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明等において求められる眩しさが抑制された穏やかな照明が可能となる。すなわち、現在市場で求められている省エネルギーと感性の充足を両立することが可能となる。
また、本発明の異方性光反射積層体は、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイの光反射体として好適である。
また、本発明の異方性光反射積層体は、その反射光が異方性を有しており、特定方向に反射光を集光する機能を有しているので、光源の形状に合わせた位置関係で設置することで、反射光の反射度や反射度の均一性を向上させることができるという特長を有する。
従って、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイ等の表示装置における照明などの各種照明において光源の光量を有効に反射することができるので、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、本発明における異方性光拡散フィルムを光反射体表面に被覆してなる上記積層体は、その光反射光が異方拡散性を有するので、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの異方性の方向がなるように設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
さらに、本発明における異方性光拡散フィルムは、2種の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し製膜により製造されるので、経済性が高い。また、公知技術で使用されている非溶融の光拡散性付与剤である微粒子を配合しないので得られるフィルムの清澄度が高い。また、該樹脂の特性の最適化をすることにより、上記した光学特性を安定して生産することが出来、かつ光学特性以外に、耐溶剤性などの他の特性も優れ、経済性も高い。
自動変角光度計の入射角60°における測定カーブと透過度、拡散度の関係。 請求項2に係る発明の透過度(T%v)と上記主拡散方向の拡散度DTvの範囲。 異方性光拡散フィルム(積層体)の透過度と拡散度との関係。 自動変角光度計の入射角15°における測定カーブと反射度、拡散度の関係。 反射型液晶装置を有した携帯電話の液晶ディスプレイ部の分解図である。 光反射積層体の反射度と拡散度の関係。
(異方性光拡散フィルム)
本発明の異方性光拡散フィルムは、少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなるフィルムである。熱可塑性樹脂の少なくとも1種は結晶性の熱可塑性樹脂であり、連続相又は共連続相を形成することが好ましい。本発明の異方性光拡散フィルムは、連続相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)と分散相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)に非相溶な熱可塑性樹脂(B)を含む混合物を溶融押し出し成型してなることが好ましい。本発明の異方性光拡散フィルムは、溶融押し出し成型により製膜されるので経済性が高い。また、前記した公知技術である非溶融性微粒子を光拡散性付与剤として配合せずに、連続相及び分散相、又は共連続相の両方共に熱可塑性樹脂を用いるので、製膜工程におけるう溶融樹脂の濾過フィルタにおける目詰まりが低減でき、生産性が優れるとともに得られるフィルムの清澄度も高い。また、前述の溶融製膜法による異方性光拡散フィルムの公知技術の多くは、連続相として非晶性樹脂が使用されており、耐溶剤性が低い等の課題を有していた。本発明における好ましい態様としては、連続相又は共連続相として結晶性の樹脂を使用することによって、該課題が解決できる。
本発明においては溶融押し出し成型法を採用する。溶融押し出し成型法であれば特に制限されず、例えば、製膜方法は、Tダイ法及びインフレーション法のいずれでもよい。また、未延伸フィルムでもよいが、溶融押し出し成型中又は成型後に80〜160℃の温度範囲内で、少なくとも一方向に延伸されてなることが好ましい実施態様である。該延伸操作により得られるフィルムの耐熱性や光学特性の向上を図ることができる。
本発明の異方性光拡散フィルムは単層であってもよいし、2層以上の多層構成であっても構わない。多層構成の場合は、少なくとも一層が上記の構成よりなる異方性光拡散性を有する層であれば、他の層は、異方性光拡散性を有しない単なる透明層であってもよいし、等方性光拡散層であってもよい。また、全層が異方性光拡散層の構成であっても良い。異方性光拡散層以外の層が含まれる場合は、異方性光拡散層が最表層になるように構成するのが好ましい。上記多層構成の場合は、多層共押出し法で製造してもよいし、押出しラミネート法やドライラミネート法で実施してもよい。
本発明で用いる連続相又は共連続相を構成する熱可塑性樹脂(A)としては、ポリスチレン系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリサルフォン樹脂などの非晶性樹脂でも構わないが、結晶性樹脂が好ましい。結晶性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びポリフェニレンサルファイド樹脂等が挙げられる。中でも、コストパフォーマンスと機械的特性や耐熱性がともに優れることから、ポリプロピレン系樹脂又はポリエステル系樹脂の使用が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂としては、ホモポリプロピレン樹脂及び/又は他のオレフィンモノマーを共重合した共重合体が挙げられる。ホモポリプロピレン樹脂及び/又は共重合成分の含有量が5質量%以下のポリプロピレン系樹脂の使用が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキセンジメチレンテレフタレート及びこれらの共重合体及びこれらの混合物が挙げられる。
上記結晶性樹脂としては、示差走査熱量計(DSC)による融解熱が20J/g以上である樹脂であることが好ましい。25J/g以上がより好ましい。さらに、詳しくは、ポリプロピレン系樹脂の場合は、65J/g以上が好ましい。また、ポリエステル系樹脂の場合は、ポリエチレンテレフタレート系樹脂においては、20J/g以上が、ポリプロピレテレフタレート系樹脂においては、30j/g以上が、ポリブチレンテレフタレート系樹脂においては32j/g以上が、ポリエチレンナフタレート系樹脂においては28j/g以上がより好ましい。上限は上記樹脂のそれぞれのホモポリマーの融解熱である。
本発明における分散相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(B)は、上記の連続相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)と非相溶の熱可塑性樹脂であれば特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂(A)より融点や軟化点が低く、かつ上記熱可塑性樹脂(A)樹脂より曲げ弾性率が低い樹脂を使用することが好ましい。さらに詳しくは、融点あるいは軟化点が50〜160℃で、かつ曲げ弾性率が50〜1400MPaである樹脂がより好ましい。中でも、エチレン及び/又はブテンが含まれたポリオレフィン系樹脂の使用が好ましい。
エチレン及び/又はブテンが含まれたポリオレフィン系樹脂としては、ホモポリエチレン樹脂、ホモポリブテン樹脂及びこれらの樹脂の他のオレフィン系モノマーとの共重合体、アクリル酸やメタクリル酸及びこれらのエステル誘導体との共重合体等が挙げられる。他のオレフィン系モノマーとの共重合体の場合は、ランダム、ブロック及びグラフト共重合のいずれでもよい。また、EPラバー等の分散体でも構わない。
上記の熱可塑性樹脂の構成により、本発明の光学特性が安定して得られ、かつその変動を抑制することが可能となる。一方、上記の軟化点、曲げ弾性率の範囲外の場合は、例えば、製膜工程における熱セット温度等により後述する光学特性が大きく変化することがあり、安定した品質のフィルムが得られないことがある。該理由は明確ではないが、上記の軟化点、曲げ弾性率の範囲を満たすことにより製膜工程における延伸や熱セット温度による熱可塑性樹脂(B)の形状変化が安定するためであると推察される。一方、上記の軟化点、曲げ弾性率の範囲外の場合は、延伸や熱セット温度による熱可塑性樹脂(B)の形状変化が大きくなる、すなわち、上記範囲を満たした場合は、熱可塑性樹脂(B)は上記工程において弾性率が極めて低くなっているので、該工程の温度が変動したとしてもその形状変化は小さいが、該範囲の上限を超えた場合は、該工程の温度変化により熱可塑性樹脂(B)の弾性率の変化が大きくなるので、熱可塑性樹脂(B)の形状変化の度合いが変動するために、後述の光学特性の変動に繋がるものと推察される。
本発明における上記の連続相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)と分散相又は共連続相を形成する樹脂(B)の混合比は特に限定されないが、熱可塑性樹脂(A)量が全樹脂100質量部に対して50質量部以上であることが好ましく、55質量部以上がより好ましい。上限は98質量部が好ましく、95質量部がより好ましい。
本発明においては、上記の熱可塑性樹脂(B)と熱可塑性樹脂(A)との馴染み性向上のための相溶化剤や分散径調整剤等の添加剤を併用しても構わない。ただし、エポキシ基のように、熱可塑性樹脂(A)や熱可塑性樹脂(B)と反応性を有する化合物の配合は、当該樹脂の架橋を引き起こし得られるフィルムの清澄度を低下させるので避けた方がよい。
上記の熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性樹脂(B)を構成する樹脂には、酸化防止剤や紫外線吸収剤等の安定剤や帯電防止剤等の添加剤を配合しても良い。また、前記特性を阻害しない範囲であれば、無機粒子やポリマービーズ等の微粒子を添加してもよい。
本発明においては、上記の連続相又は共連続相を形成する熱可塑性樹脂(A)と分散相又は共連続相を形成する樹脂(B)が、それぞれ上記記述の樹脂が入れ替わっても良い。
耐熱性等の点より、上記記述構成の方が好ましい実施態様である。
本発明においては、上記方法で調製される異方性光拡散フィルムは、光拡散層中における熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の界面に空洞が存在しないことが好ましい。該界面に空洞が存在する場合、その界面での屈折や反射によって、本願発明の拡散特性及び反射特性の発現にとって好ましくない場合がある。
本発明の異方性光拡散フィルムは、異方性光拡散フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、そして光沢度が10〜70%あり、かつ下記方法で測定される上記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が水平横方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角60度で測定した透過光の拡散度(DTh)に対する分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して上記と同様の方法で測定した透過光の拡散度(DTv)の比である透過光の拡散度比(DTv/DTh)が1.3〜6.0であることが重要である。
本発明の異方性光拡散フィルムの平行光線透過率は、25〜82%がより好ましい。平行光線透過率が20%未満では光透過度が低下するので好ましくない。逆に、85%を超えた場合は、透過光の拡散度が低下するので好ましくない。
本発明の異方性光拡散フィルムのヘーズは15〜75%であることがより好ましい。ヘーズが10%未満では透過光の拡散度が低下するので好ましくない。逆に、80%を超えた場合は、光透過度が低下するので好ましくない。
上記特性を満足することにより、後述の透過度や透過光の拡散度が好ましい範囲になる。理由は定かでないが、平行光線透過率が反射度に、ヘーズが拡散度により大きく寄与しており、両特性の最適化により光透過度や透過光の拡散度が好ましい範囲になるものと推察される。すなわち、透過度は、平行に透過されてくる透過光の影響を大きく受けると推察される。例えば、従来技術で開示されている全光線透過率は散乱光を含めた光線透過率であるので、透過光の拡散性の尺度としては有効であるが、光透過度と透過光の拡散度の両立を目指す本発明においては、必ずしも有効な特性とは言い難い面がある。実際に、本発明においては、全光線透過率は85〜97%という狭い範囲に設定するのが好ましい。全光線透過87〜95%がより好ましい。全光線透過率が85%未満では光透過度が低下するので好ましくない。逆に、97%を超えた場合は、透過光の拡散度が低下するので好ましくない。
本発明の異方性光拡散フィルムの光沢度は15〜65%がより好ましい。光沢度が10%未満では透過度が低下するので好ましくない。逆に、70%を超えた場合は、透過光の拡散度が低下するので好ましくない。
本発明においては、上記光学特性の測定方法は実施例で詳細に説明するが、本発明の異方性光拡散フィルムは分散相又は共連続相が特定方向に配向しているので、以下に示す方向に測定試料を固定して測定した測定値を用いる。すなわち、全光線透過率、平行光線透過率及びヘーズの測定においては、配向方向が上下方向に平行になるように試料を固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いる。また、光沢度の場合は、配向方向が測定器の前後方向と平行になるように試料を固定して測定することにより得た測定値を用いる。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして試料を固定して測定をする。
本発明の異方性光拡散フィルムは、上記特性を満たすと共に、実施例に記載の測定方法によって測定される上記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が水平方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角60度で測定した透過光の拡散度(DTh)に対する分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように固定して上記と同様の方法で測定した透過光の拡散度(DTv)の比である透過光の拡散度比(DTv/DTh)が1.3〜6.0である。以下、上記透過光の拡散度比を単に拡散度比と称することがある。上記拡散度比は透過光の異方性の尺度であり、数値が大きくなるに従い異方性が高くなる。該異方性の付与により特定方向に透過光が集光され、該集光効果により、特定方向に対する透過度が高くなるものと推察される。
本発明の異方性光拡散フィルムの上記拡散度比は1.4〜6がより好ましく、1.5〜6が更に好ましい。拡散度比が1.3未満では、異方性付与による効果が低下する。一方、上限は高い方が好ましいが、本発明においては、経済的な方法で達成できる上限は6程度である。
なお、分散相又は共連続相の配向方向の確認は、例えば、共焦点レーザ顕微鏡観察等により行うことができる。
以下、上記拡散度(DTv)を主拡散度と称することもある。また、該主拡散度を示す方向を主拡散方向と称することもある。
上記拡散度比を満たす方法は特に限定されないが、前記した連続相中の分散相又は共連続相の配向を高めることにより達成する方法が好ましい。分散相又は共連続相の配向方向の直行方向が主拡散方向となり、一般には分散相又は共連続相の配向度が高まるに従い拡散度比が高くなる。
上記分散相又は共連続相の配向度を高める方法は特に限定されないが、例えば、熱可塑性樹脂(A)と熱可塑性樹脂(B)の組成、これらの樹脂の流動特性、押し出し製膜時のドラフト比及び延伸条件等の最適化が挙げられる。例えば、樹脂組成の場合は、熱可塑性樹脂(A)より柔らかい熱可塑性樹脂(B)を用いるのが好ましい。また、押し出し製膜時のドラフト比は高く設定するのが好ましい。また、延伸は一方向の倍率を高くするのが好ましい。分散相又は共連続相の配向度を高めるには一軸延伸が最も好ましいが、市場要求や他の物性とのバランスより適宜設定するのがよい。
本発明の異方性光拡散フィルムの主拡散方向における拡散度は、50度以上であることが好ましい。55度以上がより好ましい。一方、上限は高い方が好ましいが、本発明においては、経済的な方法で達成できる上限は120度程度である。 該拡散度が50度未満では、光拡散フィルムとして用いた場合の拡散度が低くなるために、照度や輝度の均一性が低下し、光源の管影やスポットが見えるようになるので好ましくない。
本発明の異方性光拡散フィルムの主拡散方向における透過度(T%v)は、5%以上であることが好ましい。8%以上がより好ましい。10%以上がさらに好ましい。一方、上限は高い方が好ましいが、本発明においては、経済的な方法で達成できる上限は90%程度である。該光透過度が5%未満では、光拡散フィルムとして用いた場合の照度や輝度が低くなるので好ましくない。
なお、上記透過度(T%v)は、実施例において記載された拡散度比の測定方法で得られた主拡散方向における変角光度計測定チャートのピークトップのフルスケールに対する割合を%で表示した値である(図1参照)。
本発明の異方性光拡散フィルムは、さらに、前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して測定される透過度(T%v)と前記DTvとが、下記(1)式又は(2)式を満たすことことがより好ましい態様である。
60<DTv≦120、 10≦T%v≦90・・・(1)
35≦DTv≦60、 −3.2×DTv+203≦T%v≦90 (2)
上記の好ましい範囲を図2に示す範囲である。該範囲を満たすことにより、光の透過度と拡散度の両方の特性がより有効に発現することができる。
本発明の異方性光拡散フィルムの厚みは特に限定されないが、5〜350μmである。10〜250μmがより好ましい。
本発明のもう一つの発明は、上述の方法により得られた異方性光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mmで全光線透過率が80〜100%のプラスチックシートを積層してなる異方性光拡散積層体である。
上述の方法により得られた異方性光拡散フィルムは、上記のごとく優れた光学特性を有するが、ある用途においては光学特性以外などの特性、例えば、耐熱性、耐熱寸法安定性、剛性等の機械的特性、あるいは難燃性等の特性を満たすことができない場合がある。透明なプラスチックシートと本発明の異方性光拡散フィルムとを積層することにより、光学特性以外の特性を補完をして市場要求の総合特性を満たすことができる。
本発明に用いる透明なプラチックシートは、上記の厚みと全光線透過率の特性を満たせば、樹脂の種類や層構成などは制限を受けない。
本発明に用いる透明なプラスチックシートの厚みは0.5〜3mmがより好ましい。0.1mm未満では補強効果あるいは補完効果が不足する。また、5mm以上は経済的に不利となる場合や柔軟性が損なわれる場合がある。
本発明に用いる透明なプラスチックシートの全光線透過率は85〜100%がより好ましい。90〜100%がより好ましい。80%未満では、前述の異方性光拡散フィルムの特性を有効に活かすことができない。出来るだけ全光線透過率が高く非拡散性のものが好ましい。また、該プラスチックシートとして拡散性を有したものを用いて複合効果を発現させる方法も好ましい。
該プラスチックシートに用いられる樹脂としては、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂及びポリカーボネート樹脂等の光学に用いられている樹脂の使用が好ましいが特に限定されるものではない。
上記異方性光拡散積層体の調製方法は特に限定されない。異方性光拡散フィルムとプラスチックシートと貼り合わせる方法が挙げられる。
粘着剤や接着剤で貼り合わせる方法の場合の一例を記述する。上記の粘着剤は、具体的に例示するとゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニル系粘着剤等である。本発明の光反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な粘着剤が好ましい。中でもアクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられる。どの粘着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
上記の接着剤は、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤であり、具体的には、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができるが、本発明の積層体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的な積層体作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、積層体作製に特に好適である。これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型あるいはホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
上記のプラスチックシートと異方性光拡散フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせる方法は、ラミネーターを用いたロールトゥロールやロールトゥーシートプロセスなどで貼り合わせ、ロール形状や枚葉形状の製品が得られる。 例えば接着剤を用いる場合、プラ
スチックシートあるいは異方性光拡散フィルムのいずれかに接着剤をコーティング、乾燥後に相手材料とローラーによるラミネートにより積層される。
接着剤のコーティング方法は、基材や接着剤の種類によって多くの方法があるが、広く使用されているのは、グラビアコーター方式、コンマコーター方式、及び、リバースコーター方式である。グラビアコーター方式では、接着剤に一部浸されているグラビアロールを回転させ、バックアップロールによって送られるフィルムを接着剤の付着したグラビアロールに接触させることによりコーティングする。コーティング量はロールの回転数、接着剤の粘度を制御することで調整できる。リバースコーター方式も、グラビアコーター方式に類似した方法だが、コーティングロールに付着する接着剤の量を、それに接して設置されているメタリングロールによって調整する。
上記の貼り合わせる際に必要に応じて加温することもできる。また、必要な接着強度を得るためにラミネート後に熱処理することもできる。
粘着剤で貼り合わせる場合は、両面粘着シートを用いてもよい。該方法の場合は、光学の高透明タイプの粘着剤を用いるのが好ましい実施態様であるが、特に限定されない。例えば、光拡散性や異方性を有した粘着シートを用いても良い。該粘着シートの場合は、粘着層に光拡散性や異方性を付与しても良い。
(照明器具及び表示装置)
本発明のもう一つの発明は、上記の異方性光拡散フィルム又は異方性光拡散積層体を光拡散フィルムとして用いてなる照明器具である。
また、本発明のもう一つの発明は、上記の異方性光拡散フィルムを光拡散フィルムとして用いてなる表示装置である。
照明器具や表示装置においては、光源の光の均一性を高めるために光拡散フィルムが広く使用されている。前述のごとく従来公知の光拡散フィルムは、光の透過度と拡散度との両立において課題を有していた。また、光源の異方性を相殺する機能についても市場要求を満たすことができない場合があった。さらに、経済性や光学特性以外の特性においても課題が残されていた。
本発明の異方性光拡散フィルムはこれらの課題が解決されており、照明器具や表示装置の光拡散フィルムとして好適に用いることができる。
特に、本発明の異方性光拡散フィルムは光拡散性に異方性を有しているので、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの異方性の方向がなるように設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。例えば、蛍光灯の場合、異方性光拡散フィルムを蛍光灯の長さ方向に主拡散方向が平行になる方向に設置して使用するのが好ましい。
一方、LED光源の場合は、スポット状である。従って、異方性光拡散フィルムの設置方向は、求められる拡散方向により異方性光拡散フィルムの設置方向を設定するのが良い。例えば、複数のLED光源が直列方向に並ぶので、異方性光拡散フィルムの主拡散方向が、該直列方向と直行方向に設置して使用するのが好ましい。また、等方的な拡散が求められる場合は、異方性光拡散フィルム2枚をそれぞれの主拡散方向が直行した方向で重ね合わせた形で設置して両方向に拡散をさせて均一性の向上を図るのが好ましい。
本発明における照明器具とは、室内や車内等の生活空間の照明に使用される照明器具のみには限定されない。例えば、検査器や複写機における照射や照明等に使われる照明器具等いわゆる光照明の機能を有したあらゆる照明器具を対象としている。
また、本発明における表示器具とは、LCD表示装置で代表されるフラットパネル型表示装置のみに限定されるものではない。例えば、内照式電飾パネル等の光の照明機能を利用したあらゆる表示装置を対象としている。
上記使用方法においては、前述した異方性光拡散フィルムあるいは異方性光拡散積層体のいずれの形態で用いてもよい。また、それぞれ複数枚を重ね合わせて使用してもよい。該使用方法においては単に重ね合わせて使用してもよいし、貼り合わせ使用してもよい。さらに、本発明以外により得られた光拡散フィルムを用いてもよい。
以上の方法により、例えば、ディスプレイの拡散フィルムとして用いた場合において単数使用に比べて大幅に輝度が向上する場合があるので推奨される方法である。特に、ビーズコート法の等方性光拡散フィルムであって拡散性能の高いフィルムとの重ね合わせが推奨される。
本発明におけるさらにもう一つの発明は、金属層を含む光反射体の少なくとも片面に少なくとも2種の非相溶性の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散層を積層した異方性光反射積層体であって、前記異方性光拡散層の分散相又は共連続相の配向方向が水平横方向になるようにして変角光度計にて入射角15度で測定した反射光の拡散度(DRh)に対する分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向になるようにして前記と同様の方法で測定した反射光の拡散度(DRv)の比(DRv/DRh)が1.3〜10であり、かつ異方性光反射積層体の異方性光拡散層側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30である異方性光反射積層体である。上記異方性光反射積層体は、前述した異方性光拡散フィルムを金属層を含む光反射体の表面に被覆してなることが好ましい。
(金属層を含む光反射体)
本発明に用いる金属層を含む光反射体としては、光反射機能を有した金属層を含むものであればその素材、形態及びその構成等は特に限定されない。例えば、金属板や金属箔であってもよいし、プラスチックフィルムやプラスチックシート(以下単に基材フィルムと称することもある)と金属との積層体であってもよい。また、後述の異方性光拡散層の片面に金属層を直接形成しても良い。
金属板や金属箔の場合は、例えば、鉄、各種ステンレス、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金、錫合金、鋼板、ニッケル、亜鉛などの各種金属を挙げることができる。金属板や金属箔の厚みは0.05〜0.8mmが一応の目安であるが、このような厚みに限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
該金属板や金属箔の表面には、単層めっき、複層めっき又は合金めっきが施されていてもよいし、また、浸漬クロム酸処理、リン酸クロム酸処理が施されていてもよい。また、後述の異方性光拡散層との密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等によるカップリング剤処理、酸処理、アルカリ処理、オゾン処理、イオン処理等の化学処理、プラズマ処理、グロー放電処理、アーク放電処理、コロナ処理等の放電処理、紫外線処理、X線処理、ガンマ線処理、レーザー処理等の電磁波照射処理、その他火炎処理等の表面処理やプライマー処理等の各種表面処理が施されていてもよい。
金属としては、アルミニウム、銅又はこれらの合金が好ましい。これらは熱伝導率が高いので、光源からの局部的な発熱を基体全面に拡散して放熱することができるので好ましい実施態様である。
基材フィルムと金属との積層体の場合に用いられる基材フィルムとしては、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアレリート、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどのホモポリマー又は、コポリマー等よりなるものが挙げられる。基材フィルムの厚みは、ハンドリング性及び、形状保持性を考慮し、好ましくは、5〜2000μmであり、より好ましくは10〜1500μm以下である。
該材質や厚みは、光反射体の用途やその用途に対する要求特性により適宜選択される。
本発明に用いる金属層を含む光反射体が基材フィルムと金属との積層体の場合は、金属層としては、上記の金属板や箔であっても構わないが、蒸着などで得られる薄膜金属層を用いるのが好ましい実施態様である。該金属薄膜層を形成する金属の種類は金属光沢を有するものであれば特に限定されないが、銀もしくは、アルミニウム、あるいはそれらを主成分とする合金の薄膜層を用いることがと好ましい。この金属薄膜層に、他の微量の金属化合物を含有することやこの金属薄膜層と他の金属薄膜層や金属酸化物層などを2層以上積層することは本発明の目的を損なわない範囲において可能である。また、金属薄膜層の最外層にTi、Ni、Crやそれらの金属酸化物などの防蝕性のある金属薄膜層を形成することも可能である。
該金属薄膜層は基材フィルムの一方、もしくは両方の主面上形成されてなるものである。この際、当該基材フィルムの主面側から見て、全体に金属薄膜層が視認できることが好ましい。例えば、一方の主面上には面積比で50%金属薄膜層が形成されており、他方には80%で金属薄膜層が形成されていた場合であっても、一方の主面上から見ると、全面に金属薄膜層が視認できるものも含まれる。
上記基材フィルムに金属薄膜層を形成する方法としては、メッキ法、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオン化蒸着法、イオンクラスタービーム蒸着法等、公知の方法を制限無く用いることが出来る。
また、該金属薄膜層の厚みは10〜500nmが好ましく、コストパフォーマンスより50〜200nmがより好ましい。更に好ましくは80〜150nmである。
該金属薄膜層を基材フィルムの表面に形成する際に、高分子フィルム表面に、コロナ放電処理、グロー放電処理、表面化学処理、粗面化処理等を行い両者の密着性を向上することも好ましい実施態様である。
(異方性光反射積層体)
本発明の異方性光反射積層体は、たとえば前述した異方性光拡散フィルムと上記の金属層を含む光反射体とを積層することにより得られる。また、上記異方性光拡散フィルムの片面に金属層を直接形成しても良い。
上記異方性光拡散フィルムの片面に金属層を直接形成する方法の場合は、前述の基材フィルムに金属薄膜層を形成する方法と同様の方法が適される。
前述した異方性光拡散フィルムと前記の金属層を含む光反射体とを積層する方法は特に限定されない。例えば、金属板、金属箔及び基材フィルムと金属との積層体と異方性光拡散フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせる方法、金属板、金属箔及び基材フィルムと金属との積層体の表面に異方性光拡散フィルムを押出して、押出しラミネート法で積層する方法等が挙げられる。また、金属板、金属箔及び基材フィルムと金属との積層体と異方性光拡散フィルムとを、単に重ね合わせて使用してもよい。接着剤や粘着剤で貼り合わせる場合の、接着剤や粘着剤の種類などは特に限定されないが、透明性の優れた光学の銘柄を使用するのが好ましい。
例えば、金属板、金属箔及び基材フィルムと金属との積層体と異方性光拡散フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせる方法の場合の一例を記述する。
上記の粘着剤は、具体的に例示するとゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニル系粘着剤等である。本発明の光反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な粘着剤が好ましい。中でもアクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられる。どの粘着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
上記の接着剤は、熱又は触媒の助けにより接着される接着剤であり、具体的には、シリコーン系接着剤、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができるが、本発明の積層体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。これらの中で、エポキシ系接着剤は強度、耐熱性に優れているため、好適に利用できる。シアノアクリレート系接着剤は、即効性と強度に優れているため、効率的な積層体作製に利用できる。ポリエステル系接着剤は、強度、加工性に優れているため、積層体作製に特に好適である。これらの接着剤は、接着方法によって熱硬化型、ホットメルト型、2液混合型に大別されるが、好ましくは連続生産が可能な熱硬化型あるいはホットメルト型が使用される。どの接着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5〜50μmが好ましい。
上記の光反射体と異方性光拡散フィルムとを接着剤や粘着剤で貼り合わせる方法は、ラミネーターを用いたロールトゥロールやロールトゥーシートプロセスなどで貼り合わせ、ロール形状や枚葉形状の製品が得られる。 例えば接着剤を用いる場合、光反射体あるい
は異方性光拡散フィルムのいずれかに接着剤をコーティング、乾燥後に相手材料とローラーによるラミネートにより積層される。
接着剤のコーティング方法は、基材や接着剤の種類によって多くの方法があるが、広く使用されているのは、グラビアコーター方式、コンマコーター方式、及び、リバースコーター方式である。グラビアコーター方式では、接着剤に一部浸されているグラビアロールを回転させ、バックアップロールによって送られるフィルムを接着剤の付着したグラビアロールに接触させることによりコーティングする。コーティング量はロールの回転数、接着剤の粘度を制御することで調整できる。リバースコーター方式も、グラビアコーター方式に類似した方法だが、コーティングロールに付着する接着剤の量を、それに接して設置されているメタリングロールによって調整する。
上記の貼り合わせる際に必要に応じて加温することもできる。また、必要な接着強度を得るためにラミネート後に熱処理することもできる。
粘着剤で貼り合わせる場合は、両面粘着シートを用いてもよい。該方法の場合は、光学の高透明タイプの粘着剤を用いるのが好ましい実施態様であるが、これのみには限定されない。例えば、光拡散性や異方性を有した粘着シートを用いても良い。該粘着シートの場合は、粘着層に光拡散性や異方性を付与しても良い。
本発明の異方性光反射積層体は、実施例で詳細に説明する測定方法により測定される上記異方性光拡散層の分散相又は共連続相の配向方向が水平方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角15度で測定した反射光の拡散度(DRh)に対する分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向になるように試料を固定して上記と同様の方法で測定した反射光の拡散度(DRv)の比(DRv/DRh)(拡散度比)が1.3〜10であり、かつ実施例に詳細を記載した測定方法で測定される異方性光反射積層体の異方性光拡散側の反射度及び拡散度(DRv)がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることが重要である。
上記拡散度比は光反射の異方性の度合いの尺度であり、数値が大きくなるに従い異方性が高くなる。実施例において詳細に説明をするが、該異方性を高めることにより、異方性光反射積層体の反射度が高められ、高い拡散度を維持しながら高い反射度が付与できる。該理由は不明であるが、異方性の付与により特定方向に反射光が集光され、該集光効果により、特定方向に対する反射度が高くなるものと推察される。
上記拡散度比は1.4〜10がより好ましく、1.5〜10が更に好ましい。
拡散度比が1.3未満では、反射度の向上効果が低下する。一方、上限は高い方が好ましいが、本発明においては、経済的な方法で達成できる上限は10程度である。
反射度は主拡散方向の測定値である。なお、分散相又は共連続相の配向方向の確認は、例えば、共焦点レーザ顕微鏡観察等により行うことができる。
上記異方性光拡散側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることが重要である。
反射度は0.7〜8がより好ましく、0.9〜8がさらに好ましい。反射度が0.5未満では光の反射度が低く反射シートとして用いた場合に照明器具の照度あるいは輝度が低くなるので好ましくない。上限は高い方が好ましいが、本発明方法においては8がほぼ限界と思われる。
また、拡散度は、11〜30がより好ましく、12〜30がさらに好ましい。10未満の場合は反射光の拡散性が低く、指向性が強くなり照明器具の照度あるいは輝度の均一性が悪化するので好ましくない。また、反射光の眩しさが増大するので、例えば、室内照明等において求められる穏やかな反射が阻害されるので好ましくない。上限は高い方が好ましいが、本発明方法においては10がほぼ限界と思われる。
上記両特性を同時に満たすことにより反射度及び拡散度の両方が高くなるので、反射度が高いにも関わらず反射の均一性が保たれる。すなわち、照明器具の照度あるいは輝度の均一性を落とすことなく照度あるいは輝度を高めることができる。また、穏やかで高い照度や輝度を付与することができる。
本発明の方法で得られる上記異方性光反射積層体は、照明器具や表示装置の光反射体として好適に使用できる。該使用においては、前述の異方性光拡散フィルムや異方性光拡散積層体の使用の場合と同様に光拡散の異方性を有効に活用できるような配慮をして使用するのが好ましい。
本発明においては、上記異方性光反射積層体と前述の異方性光拡散フィルムや異方性光拡散積層体を組み合わせて使用することも含まれる。該使用により、本発明の効果をさらに高めることができるので好ましい実施態様の一つである。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって制限を受けるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲で適宜変更を加えて実施することも可能であり、それらは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれる。なお、実施例で採用した測定・評価方法は次の通りである。また、実施例中で「部」とあるのは断りのない限り「質量部」を意味し、「%」とあるのは断りのない限り「質量%」を意味する。
1.透過光の拡散度及び拡散度比の測定
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
透過測定モード、光線入射角:60°、受光角度:−90°〜90°、SENSITIVITY:150、HIGH VOLTON:500、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し得られる透過ピークの立ち上がりの開始角度より立下りの終了角度までの角度幅(度)及びピーク高さを求める。角度幅が拡散度であり、ピーク高さが透過度である(図1参照)。
上記測定は、分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向及び水平方向になるように試料固定部に固定して測定する。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するものとして測定をする。
分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向に、あるいは、巻きの縦方向を垂直方向に固定して測定された透過光の拡散度をDTvとし、分散相又は共連続相の配向方向を水平方向に、又は、巻きの縦方向を水平方向に固定して測定された透過光の拡散度をDThとして、拡散度比であるDTv/DTh求める。
なお、分散相又は共連続相の配向方向の確認は共焦点レーザ顕微鏡観察等により行った。
2.透過光の透過度(T%v)の測定
上記の拡散度比測定方法で得られた主拡散方向における変角光度計測定チャートのピークトップのフルスケールに対する割合(%)を透過度(T%v)とした。
3.全光線透過率、平行光線透過率及びヘーズ
日本電色工業株式会社製ヘーズ測定器「NDH−2000」を用いて、JIS K 7105−1981に準拠して測定した。
異方性光拡散層の分散相又は共連続相が特定方向に配向している測定試料の場合は、配向方向が上下方向に平行になるように試料固定部に固定して測定することにより得た測定値を用いた。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして測定をする。
4.光沢度
日本電色工業社製の光沢計VG2000を用いて、JIS Z 8741に準拠して測定した。
異方性光拡散層の分散相又は共連続相が特定方向に配向している測定試料の場合は、配向方向が測定器の前後方向と平行になるように試料を固定して測定することにより得た測定値を用いた。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして測定をする。
5.反射光の拡散度比及び反射度の測定
自動変角光度計(GP−200:株式会社村上色彩研究所製)を用いて測定を行う。
反射モード、光線入射角:15°、受光角度:−90°〜90°、SENSITIVITY:150、HIGH VOLTON:500、フィルター:ND10使用、光束絞り:10.5mm(VS−1 3.0)、受光絞り:9.1mm(VS−3 4.0)及び変角間隔0.1度の条件で測定し得られる反射ピークの立ち上がりの開始角度より立下りの終了角度までの角度幅(度)及びピーク高さを求める。角度幅が拡散度であり、ピーク高さが反射度である(図4参照)。 反射度は主拡散方向の測定値である。
上記測定を又は共連続相の配向方向が水平方向及び垂直方向になるように試料固定部に試料を固定して測定する。また、異方性のない等方性の試料については、フィルム又はシートの長尺方向が異方性試料の配向に相当するとして測定をする。
同じ条件で光沢度測定標準板(日本電色工業(株)社製G−16732 角度20度の光沢度82.0%)の反射ピークの測定を行い、それぞれ、該測定値との相対値で表示する。上記測定は異方性光拡散層側を測定面として測定した。
分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向に、あるいは、フィルム又はシートの長尺方向を垂直方向に固定して測定された反射光の拡散度をDRvとし、分散相又は共連続相の配向方向を水平方向に、又は、フィルム又はシートの長尺方向を水平方向に固定して測定された反射光の拡散度をDRhとして、拡散度比であるDRv/DRhを求める。
6.蛍光灯の反射に対する反射特性の目視評価
点灯した蛍光灯直下2mの位置に光反射積層体を水平に置き、光反射積層体の上部より目視観察をして、反射性、反射のひろがりおよび蛍光灯の管影の写り込み状況を官能評価した。
反射性および反射のひろがりは比較例24の光反射積層体を基準として、以下の基準で判定した。
比較例24の光反射積層体より優れているもの:○
比較例24の光反射積層体と同等のもの:△
比較例24の光反射積層体より劣るもの:×
また、管影の写り込み性は、以下の基準で判定した。
管影の写り込みの見えない場合:○
僅かに管影の写り込みの見える場合:△
管影の写り込みがはっきり見える場合:×
なお、上記評価においては、異方性を有した光反射積層体の場合は、蛍光灯の長さ方向に主拡散方向が平行になる方向に設置して評価した。等方性の光反射積層体については、光反射積層体の長手方向が蛍光灯の長さ方向と平行する方向で設置して評価をした。
(実施例1)
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)53質量部にエチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A1085S)47質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの異方性光拡散フィルムを得た。該異方性光拡散フィルムは連続相と分散相を含む構造からなり、実質的に空洞が含まれていなかった。得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(比較例1)
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)100質量部を溶融して基層Aとし、第2の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)17質量部とプロピレン・エチレン共重合体(日本ポリプロ社製 HF3101C)83質量部を、溶融混合して異方性光拡散層Bとした、ダイス内にてA/Bとなるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度120℃で4.8倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、165℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に9倍延伸する。ついで166℃で熱固定を行って、A/B構成の厚みがそれぞれ順に22.2μm、2.8μmである異方性光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において基層A表面にコロナ処理を行った。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。本比較例で得られた光拡散フィルムは拡散度比及び透過度が低く低品質であった。
(実施例2)
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、延伸温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、厚み75μmの異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは透過度及、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており高品質であった。
(比較例2)
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度115℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら温度210℃で4秒間の熱処理を行い厚み25μmの異方性光拡散フィルムを得た。該異方性光拡散フィルムは実質的に空洞が含まれていなかった。 得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光拡散フィルムは実施例2で得られた異方性光拡散フィルムより透過度及、拡散度及び拡散度比のいずれもが低く低品質であった。
(比較例3〜7)
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にポリスチレン系ポリマービーズとアクリル系樹脂よりなる拡散層を塗工法で積層することにより異方性光拡散フィルムを得た。
得られた光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本比較例で得られた光拡散フィルムはいずれもが拡散度比が低く、かつ透過度と拡散度のバランスが良くなかった。
(実施例3)
実施例1の方法において、延伸前の未延伸フィルムを用いる以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例4)
実施例1で調製した一軸延伸フィルムを、さらにテンター式延伸機により158℃で加熱後、145℃の延伸温度で横方向に3.5倍に延伸することにより異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例5)
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とプロピレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー P0280)35質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表1に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例6)
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9807.15)35質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例7)
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM) D9107.10)35質量部に変更する以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例8)
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン S2011DG3)及び高密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ハイゼックス 2208J)それぞれ50質量部づつを混合した配合物に切り替える以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例9)
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部と低密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、エンボリュー SP1540)35質量部に切り替える以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例10)
実施例1の方法において、樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部と低密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ウルトゼックス 4020L)35質量部に切り替える以外は、実施例1と同様にして異方性光拡散フィルムを得た。
得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例11及び12)
実施例7で得られた異方性光拡散フィルムをそれぞれ2枚及び4枚重ねて光学特性を測定した。
特性を表2に示す。
これらの実施例の異方性光拡散フィルムは、実施例7で得られた異方性光拡散フィルムよりも拡散度がより向上した。
(実施例13)
実施例9で調製した一軸延伸フィルムを、さらにテンター式延伸機により167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に4.5倍に延伸することにより異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
(実施例14)
実施例10で調製した一軸延伸フィルムを、さらにテンター式延伸機により167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に4.5倍に延伸することにより異方性光拡散フィルムを得た。 得られた異方性光拡散フィルムの特性を表2に示す。
本実施例で得られた異方性光拡散フィルムは、透過度、拡散度及び拡散度比のいずれも優れており、高品質であった。
以上の実施例及び比較例で得られた異方性光拡散フィルムの透過度と主拡散方向の拡散度(DTv)と透過光度(T%v)の関係を図3に示す。
本願の異方性光拡散フィルムは、等方性(拡散度が1.3未満)の光拡散フィルムに比べて拡散度が高く、かつ透過度も高いという拡散度と透過度の両立を達成することができる臨界的な範囲であることが理解できる。
(実施例15及び16)
それぞれ実施例1及び7で得られた異方性光拡散フィルムを厚さ2mmの全光線透過率が93%のアクリル板に光学両面粘着シートで貼り合わせことにより異方性光拡散積層体を得た。
得られた異方性光拡散積層体を蛍光灯の拡散板として用いた。この場合、蛍光灯の長さ方向に異方性光拡散フィルムの主拡散方向が平行になる方向に設置した。
明るさが高く、かつ拡散性が良好であるため蛍光灯の管映が見えなかった。
(比較例8)
実施例15及び16の方法において、異方性光拡散フィルムを比較例1で得た異方性光拡散フィルムに替える以外は、実施例15及び16と同様にして蛍光灯の拡散板として用いた。
実施例15及び16と同様に拡散性に優れており蛍光灯の管映は見えなかったが、該実施例に比べて透過度が劣るので明るさが大幅に低下した。
(比較例9)
実施例15及び16の方法において、異方性光拡散フィルムを比較例4で得た光散性フィルムに替える以外は、実施例15及び16と同様にして蛍光灯の拡散板として用いた。
実施例15及び16と同様に透過性が良好であり明るさは良好であったが、拡散性が劣るので蛍光灯の管映が見えた。
(比較例10)
実施例15及び16の方法において、異方性光拡散フィルムを比較例7で得た異方性光拡散フィルムに替える以外は、実施例15及び16と同様にして蛍光灯の拡散板として用いた。
実施例15及び16と同様に拡散性に優れているので蛍光灯の管映は見えなかったが、該実施例に比べて透過度が劣るので明るさが大幅に低下した。
(実施例17)
エッジライトが蛍光灯1本で白色反射板を用いたドットタイプ導光板の上に、実施例1で得られた異方性光拡散フィルムを異方性光拡散フィルムの主拡散方向が蛍光灯の長さ方向と平行になる方向に光学の両面テープで貼り付けて、輝度を測定した。
該輝度は(株)トプコンテクノハウス社製のトプコン分光放射計SR−3Aを用いて、導光板表面との距離40cmで導光板が直下になる位置で測定した。
輝度は1.7Cd/m×10であった。一方、上記の異方性光拡散フィルムを貼り付けない場合は、0.3Cd/m×10であった。
(比較例11及び12)
実施例17の方法において、それぞれ比較例1及び比較例6で得た光拡散フィルムを貼り付けるように変更する以外は、実施例17と同様にして輝度を測定した。
それぞれ0.6及び0.8Cd/m×10であった。実施例17に比べて輝度向上効果が著しく劣っていた。
(参考例1)
実施例17の方法で、異方性光拡散フィルムを主拡散方向が蛍光灯の長さ方向と直行する方向で貼り付ける以外は、実施例17と同様の方法で輝度を測定した。輝度は0.6Cd/m×10であり、実施例17に比べて輝度向上効果が著しく劣っていた。
(実施例18及び比較例13)
実施例17の方法において、実施例1で得られた異方性光拡散フィルム2枚を実施例17と同様の方向に重ね合わせて貼り付ける以外は、実施例17と同様の方法で輝度を測定した。輝度は2.5Cd/m×10であり、実施例17に比べてさらに輝度が向上した。
一方、実施例17の方法において、比較例12で得た光拡散フィルムを2枚重ねて貼り合わせ場合の輝度は0.9Cd/m×10であり、重ね合わせて貼る効果が殆どなかった。
以上、異方性光拡散フィルムを用いることによって導光板の輝度を向上させることができた。該理由は定かでないが、異方性付与により特定方向に対して集光する、いわゆるレンズ効果が発現されているものと推察される。
(実施例19及び20)
実施例17の方法において、それぞれ実施例5及び6で得られた異方性光拡散フィルム実施例17と同様の方向に貼り付ける以外は、実施例17と同様の方法で輝度を測定した。
輝度はそれぞれ1.7及び2.0Cd/m×10であり、実施例1で得られた異方性光拡散フィルムと同様に輝度向上が大きかった。
(実施例21)
〔異方性光拡散フィルムの調製〕
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)53質量部にエチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A1085S)47質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続きその片面にコロナ処理をして厚み200μmの一軸延伸フィルムを得た。該異方性光拡散フィルムは連続相と分散相を含む構造からなり、実質的に空洞が含まれていなかった。
〔金属層を含む光反射体〕
東洋紡績(株)社製の二軸延伸ポリエステルフィルム(A4300、100μm)に金属アルミニウムを80nmの厚みで蒸着したアルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムを準備した。
〔異方性光反射積層体の調製〕
上記アルミニウム金属蒸着フィルムのアルミニウム蒸着面に上記方法で調製した異方性光拡散フィルムを光学両面粘着シートで張り合わせた。異方性光反射積層体の拡散度比は5.7であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は反射度及び拡散度の両方に優れており、高品質であった。
(比較例14)
アルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムのみの特性を表3に示す。
反射度は極めて高いが拡散度が低く、蛍光灯の管影の写り込み性が悪かった。
(比較例15)
実施例21における異方性光拡散フィルムのみの反射特性を表3に示す。
反射度が著しく低かった。
(比較例16)
実施例21の異方性光拡散フィルムの代わりとして東洋紡績(株)社製の透明タイプの二軸延伸ポリプロピレンフィルム(P2241、25μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表3に示す。拡散度比は1.0でああり、異方性は見られなかった。本比較例で得られた光反射積層体は反射度が良好であったが、拡散度が低く、蛍光灯の管影の写り込み性が悪かった。
(比較例17)
実施例21の異方性光拡散フィルムの代わりとして東洋紡績(株)社製の発泡タイプの白色二軸延伸ポリプロピレンフィルム(P4835、厚さ39μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表3に示す。拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。本比較例で得られた光反射積層体は拡散度が良好であったが、反射度が著しく低かった。
(比較例18)
実施例21の方法において、下記方法で調製した異方性光拡散フィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光拡散フィルムを得た。拡散度比は1.2であり、異方性が低かった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本比較例で得られた光反射積層体は反射度が低かった。
(異方性光拡散フィルムの調整)
2台の溶融押し出し機を用い、第1の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)100質量部を溶融して基層Aとし、第2の押し出し機にてポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン WF836DG3)17質量部とプロピレン・エチレン共重合体(日本ポリプロ社製 HF3101C)83質量部を、溶融混合して異方性光拡散層Bとした、ダイス内にてA/Bとなるように、Tダイ方式にて溶融共押出し後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度120℃で4.8倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、165℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に9倍延伸する。ついで166℃で熱固定を行って、A/B構成の厚みがそれぞれ順に22.2μm、2.8μmである光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において基層A表面にコロナ処理を行った。
(実施例22)
実施例21の方法において、金属層を含む光反射体として、アルメコ社製の増反射タイプのアルミニウム反射板(V95−110)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は5.8であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は、実施例21で得られた異方性光反射積層体より優れた反射特性を有しており高品質であった。
(実施例23)
実施例21の方法において、光反射体として、東洋紡績(株)社製の二軸延伸ポリエステルフィルム(A4300、100μm)に銀金属をスッパタリング法で150nmの厚みで積層したポリエステルフィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は5.9であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は、実施例21で得られた異方性光反射積層体より優れた反射特性を有しており高品質であった。
(実施例24)
実施例21の方法において調製した異方性光拡散フィルムの片面に金属アルミニウムを150nmの厚みで蒸着することにより、異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は5.7であった。
得られた異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本実施例で得られた光反射積層体は、実施例21で得られた光反射積層体と同等の反射特性を有しており高品質であった。
(実施例25)
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルムとして下記方法で調製した異方性光拡散フィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。本異方性光反射積層体の拡散度比は4.8であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
〔異方性光拡散フィルムの調製〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、厚み75μmの異方性光拡散フィルムを得た。
(比較例19)
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに下記方法で調製した光拡散フィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表3に示す。本比較例で得られた異方性光反射積層体は、反射度が劣っていた。
〔光拡散フィルムの調製〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂95質量部とプライムポリマー(株)社製の低密度ポリエチレン樹脂(SP1540)5質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度115℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら温度210℃で4秒間の熱処理を行い厚み25μmの光拡散フィルムを得た。該光拡散フィルムには実質的に空洞が含まれていなかった。
(比較例20)
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに東洋紡績(株)社製の二軸延伸ポリエステルフィルム(E5100、125μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表3に示す。本比較例で得られた光反射積層体は反射度が良好であったが、拡散度が低く、蛍光灯の管影の写り込み性が悪かった。
(比較例21〜25)
厚み100μmのポリエステルフィルムの片面にポリスチレン系ポリマービーズとアクリル系樹脂よりなる拡散層を塗工法で積層することにより得たそれぞれ表3に示す光学特性を有したポリエステル系の光拡散フィルムと重ね合わせることにより光反射積層体を得た。該重ね合わせは光拡散フィルムの拡散層の反対側と光反射体のアルミニウム蒸着面とが接するように行った。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
得られた光反射積層体の特性を表3、4に示す。比較例20〜23で得られた光反射積層体は拡散度が低かった。また、比較例24及び25で得られた光反射積層体は反射度が低かった。さらに、これらの比較例で得られた光反射積層体は、いずれもが拡散度比が著しく劣っており、異方光拡散性が求められる用途には不向きであった。
(比較例26)
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに下記方法で調製した白色ポリエステルフィルムを用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。本光反射積層体の拡散度比は1.0であり異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表4に示す。
本比較例で得られた光反射積層体は拡散度が良好であったが、反射度が著しく低かった。
〔光拡散フィルムの調製〕
真空乾燥機にて180℃3時間乾燥し、水分を十分に除去した実質的に無滑剤のポリエチレンテレフタレート樹脂70質量部と酸化チタン50質量部と上記ポリエチレンテレフタレート樹脂50質量部を混練りすることにより得た酸化チタン含有マスターペレット30質量部の混合物を単軸押出機に供給、280℃で溶融し、フィルター、ギヤポンプを通し、異物の除去、押出量の均整化を行った後、Tダイより25℃に温度制御した冷却ドラム上にシート状に吐出した。その際、直径0.1mmのワイヤー状電極を使用して静電印加し冷却ドラムに密着させ未延伸フィルムを得た。次いで、長手方向へ温度103℃で長手方向に3.0倍延伸し、次いでテンター式横延伸機にて予熱温度95℃、延伸温度115℃で幅方向に3.0倍延伸し、そのままテンター内にて幅方向に6%のリラックスを掛けながら温度210℃で4秒間の熱処理を行い厚み100μmの白色ポリエステルフィルムを得た。
(比較例27)
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに東洋紡績(株)社製の空洞含有タイプの白色二軸延伸ポリエステルフィルム(クリスパー(登録商標)G1211、38μm)を用いる以外は、実施例21と同様の方法で光反射積層体を得た。光反射積層体の拡散度比は1.0であり、異方性は見られなかった。
光拡散フィルムの特性及び光反射積層体の特性を表4に示す。本比較例で得られた光反射積層体は拡散度が良好であったが、反射度が著しく低かった。
(実施例26)
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに実施例21の異方性光拡散フィルムの延伸前の未延伸フィルムを用いる以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は3.9であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(実施例27)
実施例21における異方性光拡散フィルムの代わりに実施例21で調製した一軸延伸フィルムを、さらに横方向に延伸した二軸延伸フィルムを用いる以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は2.3であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
なお、異方性光拡散フィルムは以下の方法で調製した。
〔異方性光拡散フィルムの調製〕
ポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)53質量部にエチレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー A1085S)47質量部を、60mmφ単軸押出機(L/D;22)内で樹脂温度240℃にて溶融混合してTダイで押出した後、20℃のキャスティングロールで冷却することにより未延伸シートを得た。次いでこの未延伸シートを縦延伸機のロール周速差を利用して延伸温度118℃で4.5倍に延伸し、引き続いてテンタ―式延伸機により、167℃で加熱後、155℃の延伸温度で横方向に8倍延伸する。ついで165℃で熱固定を行って厚みが50μmの異方性光拡散フィルムを得た。巻き取り直前において片面にコロナ処理を行った。該異方性光拡散フィルムは連続相と分散相を含む構造からなり、実質的に空洞が含まれていなかった。
(実施例28)
実施例27の方法において、金属層を含む光反射体として、アルメコ社製の増反射タイプのアルミニウム反射板(V95−110)を用いる以外は、実施例27と同様の方法で異方性光反射積層体を得た。拡散度比は3.4であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた光反射積層体は、実施例27で得られた異方性光反射積層体より優れた反射特性を有しており高品質であった。
(実施例29)
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部と低密度ポリエチレン(SP1540:MFR3.8g/10分、融点Tm113℃、密度0.913g/cm)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は6.9であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(実施例30)
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とプロピレン・ブテン共重合体(三井化学社製、タフマー P0280)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は6.4であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(実施例31)
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM)
D9807.15)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は4.0であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。
本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(実施例32)
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン FS2011DG3)65質量部とエチレンとオクテンよりなるブロック共重合樹脂(ダウ・ケミカル社製 INFUSE(TM)
D9107.10)35質量部に変更する以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は5.3であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(実施例33)
実施例21の方法において、異方性光拡散フィルム調製における樹脂組成物をポリプロピレン樹脂(住友化学社製、住友ノーブレン S2011DG3)及び高密度ポリエチレン樹脂(プライムポリマー社製、ハイゼックス 2208J)それぞれ50質量部づつを混合した配合物に切り替える以外は、実施例21と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は4.0であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(実施例34)
実施例25の拡散層フィルムの調製において用いた低密度ポリエチレン樹脂を、ポリプロピレンとポリブテンの混合物よりなるポリプロピレン系樹脂(大日精化(株)社製CAP350)に変更する以外は、実施例25と同様にして異方性光反射積層体を得た。拡散度比は4.4であった。
異方性光拡散フィルムの特性及び異方性光反射積層体の特性を表4に示す。本実施例で得られた異方性光反射積層体は、反射度及び拡散度の両方が優れていた。
(参考例−2)
市販のポリエステル系の白色反射フィルム三種類について反射度と拡散度を測定した。
反射特性を表5に示す。いずれの白色反射フィルムも本願の異方性光反射積層体に比べ反射度が低い。
(参考例−3)
室内照明蛍光灯の反射板部に実施例、比較例及び参考例−2の光反射積層フィルムや反射フィルムを貼り付けて明るさと明るさの斑を官能評価にて判定した。
実施例で得られた光反射積層フィルムはいずれもが、蛍光灯の光の反射光が眩しくなく穏やかな反射であり、反射光の角度依存性が抑制されていた。
一方、比較例14、16及び21で得られた光反射積層体は反射光が眩しく、かつ特定の角度のみ照度が高かった。また、比較例15、19、20及び22で得られた光反射積層体は反射度が低かった。
また、市販の白色反射フィルムも反射度が低かった。
(参考例−4)
(有)ゼロコア社の全周配光特性評価計測装置(ZERO−FP)を用いて、照度を測定した。また、該測定時の反射光の眩しさを観察した。結果を表6に示す。
本発明の実施例で得た光反射積層体は、比較例22や参考例3の市販白色反射フィルムと同様に穏やかな反射光でありながら、照度が高い。一方、比較例14のアルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムは高い照度を有するがその反射光は眩しいという課題を有する。従って、本発明で得られる光反射積層体は、アルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルム等の金属光沢を有した光反射体のような強い反射度と白色反射フィルムの有する穏やかな反射とを兼ね揃えた特性を併せ持った優れた反射特性を有するといえる。
(参考例−5)
市販の反射型液晶装置を有した携帯電話の液晶ディスプレイ部を分解した。図5のような構造になっていた。該液晶ディスプレイ部の光反射体を本発明の実施例、比較例及び参考例2〜4の光反射体に置き換えて外光による反射による表示画面の視認性を官能評価した。なお、異方性光反射積層体の場合は、分散相又は共連続相の配向軸の方向を液晶ディスプレイの横方向になるように設置した。本発明の実施例で得られた異方性光反射積層体は、表示が明るく鮮明に見えた。一方、反射度の低い比較例や参考例の白色反射フィルムは明るさが不十分で、表示が見えにくかった。また、比較例14のアルミニウム金属蒸着ポリエステルフィルムを用いた場合は入射角の依存性が高く外光入射の方向により明るさが不十分で、表示が見えにくい所があった。
以上の実施例、比較例及び参考例で得られた異方性光反射積層体及び光反射体の拡散度(DRh)と反射度の関係を図6に示す。
本願の異方性光反射積層体は、等方性(拡散度が1.3未満)の光反射体に比べて拡散度が高く、かつ反射度も高いという拡散度と反射度の両立を達成することができる臨界的な範囲であることが理解できる。
本発明における異方性光拡散フィルム及び該異方性光拡散積層体は光の透過度と拡散度の両方が高いので、照明、ディスプレイや広告灯の導光板拡散フィルムとして用いた場合に、高照度や高輝度で、かつ均質な照度や輝度を得ることができる。
また、本発明における異方性光拡散フィルム及び該異方性光拡散積層体は異方性光拡散を有するので、例えば、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの拡散の広がりの大きい方向が直行する方向になるように異方性光拡散フィルムを設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
また、本発明における異方性光反射積層体は、光反射において、反射度と拡散度の両方が高いので、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイにおける照明などの各種照明において光源の光量を有効に活し、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、反射度と拡散度の両方が高いので金属光沢を有した光反射体のような強い反射度と白色反射フィルムの有する穏やかな反射とを兼ね揃えた特性を併せ持った優れた反射特性を有するといえる。そのため、高い照度や輝度を維持し、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明等において求められる眩しさが抑制された穏やかな照明が可能となる。すなわち、現在市場で求められている省エネルギーと感性の充足を両立することが可能となる。
また、本発明における異方性光反射積層体は、低角度で入射する光に対する反射において上記特性を有するので、例えば、反射型液晶ディスプレイの光反射体として好適である。
また、本発明における異方性光反射積層体は、その反射光が異方性を有しており、特定方向に反射光を集光する機能を有しているので、光源の形状に合わせた位置関係で設置することで、反射光の反射度や反射度の均一性を向上させることができるという特長を有する。
従って、室内の照明、内照式電飾パネルにおける照明、複写機における光照射あるいは液晶ディスプレイ等の表示装置における照明などの各種照明において光源の光量を有効に反射することができるので、上記照明における照度や輝度を高めることができる。
また、本発明における異方性光拡散フィルムを光反射体表面に被覆してなる上記積層体は、その光反射光が異方拡散性を有するので、光源の形状による異方性の方向を相殺する方向に異方性光拡散フィルムの異方性の方向がなるように設置して使用することにより、上記効果をより高度に発揮することができる。
さらに、本発明における異方性光拡散フィルムは、2種の熱可塑性樹脂の混合物を溶融押し出し製膜により製造されるので、経済性が高い。また、公知技術で使用されている非溶融の光拡散性付与剤である微粒子を配合しないので得られるフィルムの清澄度が高い。また、該樹脂の特性の最適化をすることにより、上記した光学特性を安定して生産することが出来、かつ光学特性以外の、耐溶剤性当の優れたフィルムが得られる等、経済性が高く、かつ光学特性以外の特性にも優れている。
従って、産業界への寄与は大きい。
1:光学変調層(偏光板・位相差板)
2:ガラス基板
3:透明電極
4:絶縁層
5:配向層
6:液晶層
7:配向層
8:透明電極
9:透明平坦化層
10:カラーフィルター層
11:透明介在層
12:光反射体(供試フイルム)
13:ガラス基板

Claims (11)

  1. 少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相を含む構造及び/又は共連続相構造からなる異方性光拡散フィルムであって、前記異方性光拡散フィルムの平行光線透過率が20〜85%、ヘーズが10〜80%、光沢度が10〜70%あり、かつ前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が水平方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角60度で測定した透過光の拡散度(DTh)に対する分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した透過光の拡散度(DTv)の比である透過光の拡散度比(DTv/DTh)が1.3〜6.0であることを特徴とする異方性光拡散フィルム。
  2. 前記異方性光拡散フィルムの分散相又は共連続相の配向方向が垂直方向になるように試料を固定して測定される透過度(T%v)と前記DTvとが、下記(1)式又は(2)式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の異方性光拡散フィルム。
    60<DTv≦120、 10≦T%v≦90・・・(1)
    35≦DTv≦60、 −3.2×DTv+203≦T%v≦90 (2)
  3. 前記熱可塑性樹脂の一種が結晶性樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の異方性光拡散フィルム。
  4. 前記結晶性樹脂が、ポリプロピレン系樹脂よりなることを特徴とする請求項3に記載の異方性光拡散フィルム。
  5. 前記結晶性樹脂が、ポリエステル系樹脂よりなることを特徴とする請求項3に記載の異方性光拡散フィルム。
  6. 前記結晶性樹脂以外の熱可塑性樹脂の一種が、エチレン及び/又はブテンが含まれたポリオレフィン樹脂よりなることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムと、厚みが0.1〜5mm、全光線透過率が80〜100%のプラスチックシートとを積層してなることを特徴とする異方性光拡散積層体。
  8. 金属層を含む光反射体の少なくとも片面に少なくとも二種の非相溶性の熱可塑性樹脂を含む混合物を溶融押し出し成型してなる連続相と分散相又は共連続相を含む異方性光拡散層を積層した異方性光反射積層体であって、前記異方性光拡散層の分散相又は共連続相の配向方向が水平横方向になるように試料を固定して変角光度計にて入射角15度で測定した反射光の拡散度(DRh)に対する分散相又は共連続相の配向方向を垂直方向になるように試料を固定して前記と同様の方法で測定した反射光の拡散度(DRv)の比(DRv/DRh)が1.3〜10であり、かつ異方性光反射積層体の異方性光拡散層側の反射度及び拡散度がそれぞれ0.5〜8及び10〜30であることを特徴とする異方性光反射積層体。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルムを、金属層を含む光反射体の表面に被覆してなることを特徴とする請求項8に記載の異方性光反射積層体。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、請求項7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は請求項8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする照明器具。
  11. 請求項1〜6のいずれかに記載の異方性光拡散フィルム、請求項7に記載の異方性光拡散積層体、及び/又は請求項8又は9に記載の異方性光反射積層体を用いてなることを特徴とする表示装置。
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