JP2004307730A - 多孔性樹脂シート、反射体、それを用いた照明装置および表示装置 - Google Patents

多孔性樹脂シート、反射体、それを用いた照明装置および表示装置 Download PDF

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Yuji Nagao
祐司 長尾
Shogo Shimonishi
昭吾 下西
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Abstract

【課題】例えば高輝度の照明装置や表示装置を実現することを目的として、高反射率を示すと共に高い耐熱性、放熱性を有する多孔質樹脂シートを提供し、且つ同反射体を用いた照明装置および表示装置を提供することにある。
【解決手段】ポリオレフィン樹脂と無機充填剤とが特定の組成を有する樹脂シートを好ましくは延伸して得られる多孔質樹脂シートを反射体とする。、これをランプリフレクター等の用途に応じて加工して、照明装置や表示装置に用いる。
【効果】上記の多孔性樹脂シートは、高い透気性を有し、放熱性に優れた構造を有しているので、高出力の光源と組み合わせて用いたり、高温環境下でも使用することが出来る。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、極めて多孔性で反射率が高い樹脂シート、それを用いた反射体、照明装置および表示装置及びランプリフレクターに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、反射体は様々な分野で用いられてきており、特に、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶表示装置の主要部品として数多く使用されている。液晶表示装置は、薄型化、省電力化できるものであることが重要である。また、液晶表示装置の大面積化、表示品位の向上も望まれており、この為には大容量の光を液晶部分に供給することが必要とされる。以上の要求を満たす為には、光源から供給する光量を多くすることが必要であり、反射体の反射効率が高く、高輝度が得られる反射体が求められている。
【0003】
液晶表示装置のバックライトユニットには、光源を直接液晶部の下部に置く方式と、光源を透明な導光板の横に置く方式がある。反射体としては前者の方式では液晶部の下部にランプの光を反射するように配置され、後者の方式ではランプを覆うように導光板横、及び導光板の光を反射するように導光板下に配置される。これらの反射体はいずれも高反射効率もさることながら、生産性も考慮に入れて優れた打抜き性、曲げ加工性も要求される。
【0004】
従来、この反射体の素材としては、アルミニウム等の金属板の表面に銀を主成分とする金属薄膜層を有する反射シートを貼り合わせた反射体、または、特開平2−13925号公報(特許文献1)に記載されるような白色顔料を塗工したアルミニウム等の金属板、特開昭59−8782号公報(特許文献2)に記載されるような白色ポリエチレンテレフタレートシート(以下、白色PETシートと略す)が反射体として用いられている。また、PET以外にポリオレフィン系の反射体も報告されている。(実開昭57−060119号公報(特許文献3)) しかし、近年、製品の高輝度化の要求がますます高まっており、より反射性能の高い反射体が求められていた。そこで、本発明者らは特開平7−230004号公報(特許文献4)に開示されるような優れた反射率を持った多孔性樹脂シートからなる反射体を創出した。該反射体は、特定量のポリオレフィン系樹脂と無機充填剤を含む多孔性シートであるために、シート表面及びその内部に反射層を多数含有しており優れた光線反射率を有する。
【0005】
しかしながら、近年、電化製品の薄型化や高輝度化に伴い、反射体等の材料に対する熱の負荷が大きくなっており、反射体には高い反射率だけでなく、耐熱性や高い放熱性が求められている。
【0006】
【特許文献1】特開平2−13925号公報
【特許文献2】特開昭59−8782号公報
【特許文献3】実開昭57−060119号公報
【特許文献4】特開平7−230004号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明者らの課題は反射率が高いだけでなく、耐熱性、放熱性も高い反射体材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、特定の量比のポリオレフィン樹脂と無機充填剤とからなる多孔性樹脂シートが、極めて多孔質で透気性に優れ、放熱性に有利な構造を有していることを見出し、本発明に到った。すなわち、本発明は、
(1)ポリオレフィン樹脂(A)と無機充填剤(B)とからなる多孔性樹脂シートであって、
10質量部 ≦ ポリオレフィン樹脂(A)< 25質量部 且つ
75質量部 < 無機充填剤(B) ≦ 90質量部
である多孔性樹脂シートであり、
(2)ポリオレフィン樹脂(A)が融点および/またはガラス転移温度が140℃以上であることを特徴とする多孔性樹脂シートであり、
(3)無機充填剤(B)が硫酸バリウムである多孔性樹脂シートであり、
(4)上記の多孔性樹脂シートを用い、550nmにおける全反射率が95%以上である反射体であり、
(5)上記の反射体を用いた照明装置であり、
(6)上記の反射体を用いた表示装置
である。
【0009】
本発明の多孔性樹脂シートや反射体の特徴は、特定の量比のポリオレフィン樹脂(A)と無機充填剤(B)とからなることであり、驚くべきことに従来の多孔性樹脂シートに比べて非常に高い多孔性を有し、それに伴い極めて高い透気性と反射率を有する事である。透気性が高い構造は放熱性に有利であり、さらに融点やガラス転移温度(Tg)の高いポリオレフィン樹脂を用いると、樹脂の耐熱性が増すことから更に過酷な温度環境下で使用する際に有利である。
【0010】
本発明の照明装置は、上記の反射性、放熱性、耐熱性に優れた反射体を導光板下反射体やランプリフレクターに用いているので、高い出力も光源にも対応出来るので、高い照度と優れた耐久性を有している。
【0011】
本発明の表示装置は、反射性、放熱性、耐熱性に優れた反射体を用いているので、輝度の高い表示装置を実現することが出来る。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の反射体について詳細に説明する。
本発明において反射率はと言う語は拡散反射率、正反射率、全反射率の意味を含むことがある。
【0013】
本発明の反射体は、140℃以上のポリオレフィン樹脂(A)と無機充填剤(B)とからなる樹脂組成物を用いて成形されるシートを好ましくは延伸して得られる。シートの成形法や延伸方法に特に制限はないが、好ましい製法として、上記ポリオレフィン樹脂(A)に無機充填剤を添加、混合して樹脂組成物となし、得られた樹脂組成物から例えば溶融押出成形等により未延伸シートを成形して得られる。好ましくは得られた未延伸シートを一軸または二軸延伸する方法を例示できる。
【0014】
本発明で使用するポリオレフィン樹脂(A)は、ポリエチレンやポリブテンなどの公知の樹脂を使用することが出来る。特には融点およびガラス転移温度のいずれかが140℃以上、好ましくは155℃以上であるものが好ましく使用される。当然のことながら、融点、ガラス転移温度の両方が140℃以上である物も好適である。これらの樹脂として具体例にはポリプロピレン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン重合体、エチレン−テトラシクロドデセン共重合体、テトラシクロドデセン誘導体のメタセシス重合体やその水素添加物等の環状オレフィン(共)重合体などを好ましい例として挙げることが出来る。特に好ましくは価格等とのバランスからとポリプロピレンが挙げられるが、これらの重合体は融点およびガラス転移温度のいずれかが上記の範囲であれば特に制限はない。
【0015】
本発明のポリオレフィン樹脂(A)は、公知の方法によって製造される。具体例としては、重合触媒としてチーグラー・ナッタ触媒に代表されるマルチサイト触媒や、メタロセン触媒のようなシングルサイト触媒を用いた対応するオレフィンの(共)重合によって製造する方法が挙げられる。また、本発明の目的を損なわない範囲で他のオレフィンを共重合しても良い。さらに、ポリマー側鎖の立体規則性も上記の融点の範囲を満たしていれば特に限定はなく、アイソタクティック、シンジオタクティック、アタクティック等のいずれでも構わない。
【0016】
本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)の融点は、ASTM規格D−1525に規定される方法により測定したものである。
【0017】
これらのポリオレフィンは単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても良いが、好ましくは単独で用いる。ポリオレフィン樹脂(A)のメルトインデックス(以下MIという)は一般に0.1〜5g/10分、好ましくは0.2〜3g/10分のものである。MIが5g/10分を越えるものはシートの溶融成形時の形態安定性や延伸時の延伸性が劣ることがある。MIが0.1g/10分未満のものでは、延伸性には優れるが流動性が悪いために生産性に劣ることがある。尚、本発明におけるポリオレフィン樹脂(A)のMIは、ASTM規格D−1238に規定される方法もしくはそれに準じた方法により測定される。
【0018】
本発明に用いる無機充填剤(B)としては、公知の無機充填剤を使用することが出来る。得られる多孔性樹脂シートの反射率を勘案すれば、硫酸バリウム、酸化チタンもしくは炭酸カルシウムが好適に使用出来る。更に好ましくは硫酸バリウムである。硫酸バリウムは、ポリオレフィン樹脂(A)の分散性、混合性がよい沈降性硫酸バリウムが好ましい。硫酸バリウムは、粒径が小さく、粒径分布が優れたものが得られ易く、反射率を高める効果が高い。また、無機充填剤(B)の粒度は得られる多孔性樹脂シートの表面状態、反射率、生産性、機械強度に影響を及ぼすので、0.1〜7μm程度の平均粒子径を有するものが好ましい。更に好ましくは、0.3〜5μm程度の平均粒子径である。
【0019】
ポリオレフィン樹脂(A)及び無機充填剤(B)の組成は、得られる多孔性シートの光線反射率に影響を及ぼす。無機充填剤(B)の添加量が少ないと得られる多孔性シートの開孔率が低くなり、逆に多いと開孔率が高くなる。開孔率が低い多孔性シートは、樹脂層と空気層との界面における光の反射量が減り、高い光線反射率を有する多孔性シートが得られない。また、無機充填剤(B)の添加量がある範囲に達すると、光線反射率の向上効果が少なくなる一方、シートの生産性や強度が低下する事がある。しかしながら、本発明者らは、
10質量部 ≦ ポリオレフィン樹脂(A ) < 25質量部 且つ
75質量部 < 無機充填剤(B) ≦ 90質量部
の範囲にある多孔性樹脂シートが、高い反射率、強度、生産性を維持しつつ、極めて優れた透気性を示し、すなわち放熱性に優れた構造を有することを見出した。本発明において、ポリオレフィン樹脂(A)は、好ましくは15質量部以上、より好ましくは18質量部以上の量で用いられる。無機充填剤(B)は、好ましくは85質量部以下、より好ましくは82質量部以下である。
【0020】
本発明の多孔性樹脂シートや反射体に用いられる樹脂組成物には、本発明の目的を妨げない範囲内で、延伸助剤、光安定剤、酸化防止剤、熱安定剤、滑剤、分散剤、白色顔料、蛍光増白剤等の他の添加剤を添加しても良い。中でも延伸助剤を添加すると樹脂組成物の延伸性を高め、生産性を高めることが出来、また、シート位置による反射率のばらつきを抑えることができるので好ましい。具体的には、脂肪酸とグリセリンとのエステルが挙げられる。脂肪酸としては、オクタデカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカエン酸、オクタデカジエン酸、ヒドロキシオクタデカン酸、ヒドロキシヘキサデカン酸等が好ましい。これら脂肪酸とグリセリンとのエステルにはモノエステル、ジエステル及びトリエステルがあるが、これらの単独物であっても、混合物であってもよい。より好ましくはトリエステルであって、中でも、オクタデカジエン酸トリグリセライドを主成分とする脱水ヒマシ油及びヒドロキシオクタデカン酸トリグリセライドを主成分とした硬化ヒマシ油が特にブリーディングしにくいため、好ましい。これらの延伸助剤は単独で使用しても良いし、混合して使用しても良い。
【0021】
延伸助剤の添加量は、ポリオレフィン樹脂(A)及び無機充填剤(B)の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部であることが好ましい。添加量が0.01質量部よりも少ないと多孔性樹脂シートの反射率のばらつきが大きくなり、生産性が低下することがある。添加量が10質量部を越えると、シート成形時に延伸助剤の一部過剰成分が熱劣化を起こしたり、多孔性樹脂シートを得た後に経時的に表面に浮き出してくることがある。
【0022】
ポリオレフィン樹脂(A)と無機充填剤(B)、必要に応じて他の添加剤とを混合し、樹脂組成物を製造する方法に特に制限はない。例えば、リボンブレンダー、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、タンブラーミキサー等を用いて室温またはその近傍の温度において混合する方法が挙げられる。また、混合した後、ストランドダイが装着された一軸または二軸スクリュー型押出機を用いて、用いるポリオレフィン樹脂(A)の融点以上の温度、好ましくは融点より20℃以上高い温度、ポリオレフィン樹脂(A)の熱分解温度未満の温度範囲において混練、溶融押出して、溶融ストランドとし、冷却した後、切断してペレット状に成形する方法も挙げられる。ポリオレフィン樹脂(A)に無機充填剤(B)を均一に分散、混合するためにはペレット状に成形する方法が好ましい。
【0023】
上記のようにして得られたポリオレフィン樹脂組成物からシートを成形する方法にも特に制限はない。例えば、Tダイが装着された一軸または二軸スクリュー型押出機を用いる押出成形法、円形ダイが装着された押出機を用いるインフレーション成形法、カレンダー成形法等の公知の方法が挙げられる。シートの成形温度は、用いるポリオレフィン樹脂(A)により異なるが、通常、融点もしくはガラス転移温度以上の温度、好ましくは、融点より20℃以上高い温度、熱分解温度未満の温度範囲である。
【0024】
得られた未延伸樹脂シートは、本発明においてはそれ自身でも高い反射率を有しているが、ロール法、テンター法等の公知の方法で少なくとも一軸方向に延伸されることが好ましい。延伸は一段で行ってもよいし、多段階に分けて行っても良い。また、二軸方向に延伸しても良い。さらに、延伸後必要に応じて、得られた開孔の形態を安定させるために熱固定処理を行っても良い。
【0025】
延伸中のシートの切断を防止し、且つ均一な延伸を行い、好ましい開孔率を有する多孔性シートを得るためには、延伸温度は、ビカット軟化点(JIS規格−K−6760に規定される方法で測定した値)未満であることが好ましい。また本発明において延伸倍率は、特に多孔性樹脂シートの反射率のバラツキに影響を及ぼす。延伸倍率が高い方が、バラツキが少なくなるので好ましいが、延伸倍率が高すぎると光の透過が起こり、反射率が低下する事がある。また、延伸倍率が高い場合、シートの延伸限界に達し、延伸中にシートが切断することがある。かかる観点から、一軸延伸の場合には8倍以下が好ましく、より好ましくは4倍〜7倍であり、二軸延伸の場合には一軸方向に7倍以下が好ましく、より好ましくは3〜6倍であり、その方向と直角方向に1.1〜3倍、より好ましくは1.5〜2.5倍であることが好ましい。
【0026】
多孔性樹脂シートの厚みが薄いと光の透過率が高くなり後述する反射体に用いる場合に反射率が低下する傾向にある。また、厚いと反射率は向上するが、シートの生産性が低下する。また後述する透気性にも影響する。従って、本発明の多孔性樹脂シートの厚みは、下限は30μm、好ましくは50μmであり、上限は300μm、好ましくは270μmである。
【0027】
本発明の多孔性樹脂シートは、極めて優れた透気性を有する。透気性は厚みによって変わるため一概には規定できないが、例えば厚さ180μmにおける透気度値は3000秒/100ml以下、好ましくは2000〜100秒/100ml、より好ましくは2000〜200秒/100mlである。ここで透気度値はJIS P 8117に準じ、フィルムを王研式平滑度透気度試験器によって測定される値であり、上記規格の条件下、100mlの空気が通過する時間で表される。従って数字の小さい方が、透気性が高いことを示す。
【0028】
また本発明の多孔性樹脂シートの孔は無機充填剤(B)周辺に沿って形成されている。その大きさは充填剤のサイズや形状によって異なるが、通常、長径が0.3〜20μm、好ましくは0.5〜15μmであり、短径が0.1〜10μm、好ましくは0.3〜7μmの範囲にある。
【0029】
本発明の多孔性樹脂シートはそれ単独で用いることもできるが、主に剛性を高める目的で上記多孔性樹脂シートを黄銅、真鍮、ステンレス、アルミニウム、アルミニウム合金等の金属やプラスチック等の板やシートを支持体と積層させて用いることもできる。
【0030】
多孔性樹脂シートと支持体とを積層する好ましい方法としては、接着剤や粘着剤を用いて貼合する方法がある。支持体がプラスチックの場合、熱融着する方法もある。一般にポリオレフィンは接着性に劣るとされているが、本発明では多孔質性樹脂シートを用いているために、接着剤や粘着剤が孔の一部に進入し、アンカー効果を発現するため、接着性に優れている。
【0031】
上記の粘着剤は、具体的に例示するとゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニル系粘着剤等である。本発明の反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な粘着剤が好ましい。中でもアクリル系粘着剤は、安価であるために広く用いられる。どの粘着剤を使用した場合でもその厚みは、0.5μm〜50μmが好ましい。
【0032】
上記の接着剤は、熱または触媒の助けにより接着される接着剤であり、具体的には、シリコン系接着剤、ポリエステル系接着剤、エポキシ系接着剤、シアノアクリレート系接着剤、アクリル系接着剤など一般的な接着剤を用いることができるが、本発明の反射体は高温で使用する可能性があるため、常温〜120℃でも安定な接着剤が好ましい。接着剤層の厚みは、0.5μm〜50μmが好ましい。
【0033】
上記の基材と支持体との貼り合わせ方法に特に制限はなく、例えばラミネーターを用いたロールトゥロールやロールトゥーシートプロセスなどの公知方法などで貼り合わせる事が出来る。 接着剤のコーティング方法は、基材や接着剤の種類によって報告されている多くの方法を特に制限無く使用することが出来る。広く使用されているのは、グラビアコーター方式及び、リバースコーター方式である。本発明の多孔性樹脂シートと支持体とを貼り合わせる際に必要に応じて加温することもできる。また、必要な接着強度を得るためにラミネート後に熱処理することもできる。
【0034】
本発明の多孔性樹脂シートと支持体との積層体の接着強度は、90度ピール強度で測定して100g/cm以上である事が好ましい。この接着強度に達しない場合には、後述する折り曲げ加工した際、多孔性樹脂シートが、支持体から剥がれる等、積層体の変形等を引き起こす可能性があるためである。
【0035】
金属製支持体には、アルミニウム、アルミニウム合金、ステンレス鋼、鋼亜鉛合金、鋼等が使用されるが、これらの金属にはそれぞれ長所があり、次のように使い分けることができる。アルミニウムは軽量かつ加工性に優れ、また、熱伝導率が高くそれにかかる熱を効果的に大気中に逃がすことができるため、ランプ発光によって反射体が加熱され易い液晶ディスプレイ用バックライトに好適に利用できる。特に本発明の多孔性樹脂シートは透気性が高い多孔性の構造を有しているため、これらの材料との組合せて使用することが好適である。アルミ合金は軽量かつ機械的強度が強い。ステンレス鋼は機械的強度が強く、耐蝕性に優れている。鋼亜鉛合金すなわち黄銅または真鍮は、機械的強度が強い。鋼は安価なため、コストを抑える必要がある時に好ましく用いられる。また形状記憶合金を用いれば加工性に優れる等の利点がある。
【0036】
また、プラスチック製の支持体としては、上記のポリオレフィン樹脂(A)と同様、融点およびガラス転移温度のいずれかが140℃以上であることが好ましい。具体的には、二軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタラート(PBT)、アクリル樹脂、メタアクリル樹脂、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアレリート、ポリエーテルイミド、ポリイミドなどのホモポリマーまたは、コポリマー等から上記の条件を満たすものが挙げられる。特に好ましくは、2軸延伸ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタラートフィルムであり、該高分子フィルムが最外層である場合には外観上白色もしくは黒色のものが好まれる。これらの材料は一般的に金属板に比べて軽量化が図れる特徴がある。支持体としての厚みは、5μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上200μm以下であり、さらに好ましくは15μm以上100μm以下である。また、後述する折り曲げ加工が困難な場合は、環状オレフィンポリマー等の形状記憶樹脂を用いて解決することもできる。
【0037】
本発明の多孔性樹脂シートは、全反射率が、550nmの波長の光に対して95%以上であり、より好ましくは480〜780nmの範囲で、95%以上である。このため、反射体として好ましく用いられる。本発明の反射体は、例えばサイドライト型バックライト装置の導光板下反射体やランプリフレクターとして用いることが出来る他、後述の照明装置や表示装置に好適に用いられる。
【0038】
本発明の照明装置は、少なくとも光源と上記の反射体とからなる。必要に応じて導光板等も用いられる。本発明の照明装置は、ワードプロセッサー、パーソナルコンピュータ、テレビジョン等の液晶表示装置のバックライトユニット、ストロボ照明器、複写機、プロジェクター方式のディスプレイ、ファクシミリ、電子黒板等に好適に用いられる。
【0039】
上記のランプリフレクターは上記の多孔性樹脂シートと支持体とからなる積層体を反射体として用い、所定の形状に打ち抜き加工し、光源を覆う形状に曲げや絞り加工によって成形される。例えばサイドライト型バックライトに用いる場合、反射体側を内側にしてU字型形状に曲げ加工して冷陰極管を覆うような形状に作製される事が好ましい。また、上記打ち抜き加工を行う場合、事前に好適なサイズに枚葉化しても良い。また必要に応じて穴あけ加工等の工程を加えても良い。
【0040】
曲げ加工後の形状は使用方法によって異なるが、U字型、コの字型などが好ましい。その際の曲率半径は、用いる光源の形状によって決定されるが、5mm以下、好ましくは4mm以下である。
具体的な加工法としてはプレスを用いたV字曲げ、U字曲げや、ダンゼントベンダーを用いた折り畳み曲げ等が挙げられる。
【0041】
本発明の反射体は成形性に優れており、上記の様な加工を行っても反射層に皺や浮き上がりが発生しない。このことにより本発明の上記照明装置を液晶表示装置のバックライトユニットに組み込むと、高輝度で輝線の発生しない美しい映像を実現できる。また上記の通り、透気性が高く放熱性の高い構造を有し、反射率も高いので、上記ランプリフレクターを用いた液晶表示装置、複写機、プロジェクター方式のディスプレイ等の表示装置は、明るく鮮明な美しい画像が得られる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
密度0.90g/cm、MIが1.5g/10minのポリプロピレン(三井住友ポリオレフィン(株)製、商品名:FO−200H:以下、PPという)23質量部に、平均粒子径0.94nmの沈降性硫酸バリウム(バライト工業(株)製、商品名:HD:以下、BaSO4↓という)77質量部、硬化ヒマシ油(伊藤精油(株)製、商品名:硬化ヒマシ油)3質量部、ステアリン酸カルシウム1質量部(日東化成(株)製、商品名:Ca−St)をタンブラーミキサーを用いて混合して樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物をベント型二軸押出機によりペレット状に加工した。このペレットをTダイが装着された押出機を用いて、210℃において溶融押出して未延伸シートを得た。得られた未延伸シートを140℃に加熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で6.9倍の延伸倍率で一軸延伸し、厚み178μmを有する多孔性樹脂シートを得た。
この反射体の全反射率を、日立自記分光光度計(型式U―3400)に150φの積分球を設置し、波長550nmにおける値を測定した。得られた反射体の物性は表1の通りである。
実施例2
Tダイより押出される樹脂量を減じ、予熱ロールの温度を135℃、延伸倍率を6.0倍とした以外は、実施例2と同様にして、厚み102μmを有する多孔性樹脂シートを得た。得られた反射体の物性は表1の通りである。
実施例3
PPを14質量部とBaSO4↓を86質量部になるように混合し、予熱ロールの温度を145℃、延伸倍率を6.0倍にした以外は、実施例1と同様にして、厚み180μmを有する多孔性樹脂シートを得た。得られた反射体の物性は表1の通りである。
比較例1
PPを28質量部とBaSO4↓を72質量部になるように混合し、予熱ロールの温度を135℃、延伸倍率を7.0倍にした以外は、実施例1と同様にして、厚み178μmを有する多孔性樹脂シートを得た。得られた反射体の物性は表1の通りである。
比較例2
PPを7質量部とBaSO4↓を93質量部になるように混合し、予熱ロールの温度を150℃、延伸倍率を6.0倍にした以外は、実施例1と同様にしたが、延伸工程において樹脂シートに切れを生じ、反射体は得られなかった。
比較例3
PPを7質量部とBaSO4↓を93質量部になるように混合し、予熱ロールの温度を145℃、延伸倍率を6.0倍にした以外は、実施例3と同様にしたが、延伸工程において樹脂シートに切れを生じ、反射体は得られなかった。
【0043】
上記の様に、ポリオレフィンと無機添加剤とが特定の組成にある場合、極めて高い全反射率はそのままに、透気度が著しく向上する反射体が得られたことが分かる。
【0044】
【表1】
Figure 2004307730
【0045】
【発明の効果】
本発明の反射体は、高い反射率を有すると共に、多孔性であり、高い透気性を有するため、放熱性に有利な構造を有している。しかも、高温での熱安定性に優れる反射体である。本発明の多孔性樹脂シートを反射体として、例えば液晶表示装置のバックライトユニットを形成する反射体として用いると、従来のバックライトユニットより明るい光源との組合せでも問題なく使用出来る。また、ランプリフレクタ−として用いた場合でも、輝度の向上が図られ、しかも、耐熱性が要求される用途においても、高い輝度を維持することができる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン樹脂(A)と無機充填剤(B)とからなる多孔性樹脂シートであって、
    10質量部 ≦ ポリオレフィン樹脂(A) < 25質量部 且つ
    75質量部 < 無機充填剤(B) ≦ 90質量部
    である多孔性樹脂シート
  2. ポリオレフィン樹脂(A)が融点および/またはガラス転移温度が140℃以上であることを特徴とする請求項1記載の多孔性樹脂シート。
  3. 無機充填剤(B)が硫酸バリウムである請求項1記載の多孔性樹脂シート。
  4. 請求項1の多孔性樹脂シートを用い、550nmにおける全反射率が95%以上である反射体。
  5. 請求項4記載の反射体を用いた照明装置。
  6. 請求項5記載の反射体を用いた表示装置。
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