JP5251053B2 - 操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、操舵部材の回転操作に応じたピニオン軸の回転を、ラック軸の軸長方向の移動に変換して操舵を行わせるラックピニオン式の操舵装置に関する。
車両の操舵を行う操舵装置は、運転者によるステアリングホイール等の操舵部材の操作を舵取機構に伝え、該舵取機構を動作させるよう構成されている。このような操舵装置には、操舵部材の回転操作に応じたピニオン軸の回転を、該ピニオン軸に噛合するラック軸の軸長方向の移動に変換し、ラック軸の両端に連結された左右の前輪を操舵するラックピニオン式の舵取機構が広く採用されている。多くのラックピニオン式の舵取機構において、ピニオン軸に形成されたピニオンとラック軸に形成されたラックとは、大容量の負荷伝達を可能とすべく、かみあい率が大きいはす歯に夫々形成してある。
また近年においては、操舵部材を操作する運転者の負担を軽減すべく、操舵部材に加えられる操舵トルクをトルクセンサにより検出して、検出された操舵トルクに基づいて操舵補助用のモータを駆動して舵取機構に補助力を加える電動パワーステアリング装置として構成された操舵装置が普及している(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の電動パワーステアリング装置において、トルクセンサは、操舵部材の操作を舵取機構に伝えるステアリング軸の中途に配してあり、操舵トルクの作用によりステアリング軸に生じる捩れを検出対象として構成されている。このトルクセンサは、前記捩れを大きくして操舵トルクの検出精度を高めることを目的として、ステアリング軸の中途に、操舵部材側の入力軸と舵取機構側の出力軸とをトーションバーにより連結してなる連結部を設け、この連結部において前記トーションバーの捩れを適宜の手段により検出するようにしてある。
特開2003−11833号公報
このようなトルクセンサを備える操舵装置においては、トーションバーがダンパーの働きをし、路面状態が操舵部材に伝わりにくいという状況が生じたり、操舵部材を操作するときに若干の時間遅れを伴ってピニオン軸が反応したりというような状況が生じ、操舵感が悪化するという問題があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、トーションバーを用いずに操舵部材に加えられる操舵トルクを求めることにより、操舵感を向上することができる操舵装置を提供することを目的とする。
第1発明に係る操舵装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクに応じて回転するピニオン軸と、該ピニオン軸に噛合し、前記ピニオン軸の回転を軸長方向の移動に変換するラック軸と、前記操舵トルクを検出するトルク検出手段とを備える操舵装置において、前記ピニオン軸及びラック軸は、はす歯に形成されたピニオン及びラックを夫々有しており、前記トルク検出手段は、円筒部と、該円筒部の一端に周方向の複数箇所から軸長方向に突出する突出部とを有しており、前記ピニオン軸を支持する軸受の軸長方向一側に前記突出部を当接させてある受圧体と、該受圧体の前記突出部に対応する周方向位置に装着された検出体と、該検出体の検出結果に基づいて前記操舵トルクを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
発明に係る操舵装置は、操舵部材に加えられる操舵トルクに応じて回転するピニオン軸と、該ピニオン軸に噛合し、前記ピニオン軸の回転を軸長方向の移動に変換するラック軸と、前記操舵トルクを検出するトルク検出手段とを備える操舵装置において、前記トルク検出手段は、円筒部と、該円筒部の内面に周方向の複数箇所から径方向に突出する突出部とを有しており、前記ピニオン軸を支持する軸受の外面に前記突出部を当接させてある受圧体と、該受圧体の前記突出部に対応する周方向位置に装着された検出体と、該検出体の検出結果に基づいて前記操舵トルクを算出する算出手段とを備えることを特徴とする。
発明によれば、円筒部の一端に周方向の複数個所から軸長方向に突出する突出部を形成して受圧体を構成して、ピニオン軸を支持する軸受の軸長方向一側に突出部を当接させてあるから、ピニオン軸に加わる力が、受圧体の突出部に直接的に集中して加わり、この突出部と周方向位置を合わせて装着した検出体に効率的に伝達されることとなり、ピニオン軸に加わる力を高精度に検出し、操舵トルクを高精度に求めることができる。またステアリング軸を剛性の高い中空材又は中実材により構成することにより操舵感を向上することができる。
発明によれば、円筒部の内面の周方向の複数個所に径方向に突出する突出部を形成して受圧体を構成して、ピニオン軸を支持する軸受の外面に突出部を当接させてあるから、ピニオン軸に加わる力が、受圧体の突出部に直接的に集中して加わり、この突出部と周方向位置を合わせて装着した検出体に効率的に伝達されることとなり、ピニオン軸に加わる力を高精度に検出、操舵トルクを高精度に求めることができる。またピニオン軸とラック軸に形成されたラック歯とのなす角度が0°である場合にもピニオン軸に加わる力を検出することができ、ラック歯の設計自由度が増す。更に、第1発明と同様に、ステアリング軸を剛性の高い中空材又は中実材により構成することにより操舵感を向上することができる。
以下、本発明をその実施の形態を示す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る操舵装置の構成を示す模式図である。本発明に係る操舵装置は、図示しない車体の左右方向に延設されたラックハウジング11の内部に軸長方向への移動自在に支持されたラック軸10と、ラックハウジング11の中途に交叉するピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されたピニオン軸2とを有するラックピニオン式の舵取機構1を備えている。
ラックハウジング11の両側から外部に突出するラック軸10の両端は、各別のタイロッド12,12を介して操舵用車輪としての左右の前輪13,13に連結されている。またピニオンハウジング20の一側から外部に突出するピニオン軸2の上端は、ステアリング軸3を介して操舵部材としてのステアリングホイール30に連結されている。
ステアリング軸3は、筒形をなすハウジング31の内部に回転自在に支持され、該ハウジング31を介して、図示しない車室の内部に前方を下とした傾斜姿勢を保って取付けてあり、ハウジング31の下方へのステアリング軸3の突出端にピニオン軸2が連結され、同じく上方への突出端にステアリングホイール30が固設されている。
図2は、ピニオンハウジング20及びラックハウジング11の交叉部周辺を略示する縦断面図である。ピニオン軸2は、図示のように、下半部を拡径して形成されたピニオン21を備えており、このピニオン21の上下両側に位置する一対のアンギュラ玉軸受22,23により、ピニオンハウジング20の内部に回転自在に支持されている。
ピニオンハウジング20の下半部の一側には、前述したように、円筒形をなすラックハウジング11が、軸心を交叉させて連設されている。このラックハウジング11の内部に支持されているラック軸10は、ピニオンハウジング20との連通部を臨む側に、軸長方向の適長に亘って一体形成されたラック14を備えており、このラック14はピニオン21に噛合させてある。
ラックハウジング11及びピニオンハウジング20の交叉部には、これら夫々と略直交する向きに円筒形のヨークハウジング40が突設されている。ヨークハウジング40の内部には、円形断面を有するサポートヨーク4が軸長方向への摺動自在に保持されている。
ラックハウジング11の内側に臨むサポートヨーク4の一端は、ラック14及びピニオン21の噛合部の逆側からラック軸10の外周面に滑り板41を介して摺接させてあり、サポートヨーク4は、ヨークハウジング40の開口部にねじ込まれた支持キャップ42とサポートヨーク4の他端との間に介装された押しばね43のバネ力によりラック軸10に向けて付勢され、該ラック軸10に弾接させてある。
このように取付けられたサポートヨーク4は、ラック軸10をピニオン軸2に押し付けてラック14とピニオン21とをバックラッシなしに良好に噛合させる作用をなす。
以上の構成により、操舵のためにステアリングホイール30が回転操作された場合、この回転がステアリング軸3を介してピニオン軸2に伝達され、該ピニオン軸2の回転が、ピニオン21とラック14との噛合部においてラック軸10の軸長方向の移動に変換されることとなり、このようなラック軸10の移動により左右の前輪13,13が操舵される。
ラックハウジング11の中途部外側には、操舵補助用のモータ5が取付けてある。このモータ5の出力軸は、ラックハウジング11の内部に延設され、ボールねじ機構等の運動変換機構を介してラック軸10の中途に伝動構成されている。モータ5は、後述するように求められる操舵トルクに基づいて駆動され、この駆動により発生した回転を、前記運動変換機構を介してラック軸10に伝えることにより、前述の如く行われる操舵を補助している。
図2に示すように、ピニオンハウジング20の下端には開口部が設けてあり、この開口部は、ねじ込み式の下蓋24により閉止してある。図3は、ピニオンハウジング20の下端部の部分拡大図である。図3に示すように、アンギュラ玉軸受23の外輪下面には、環状の荷重受座25が当接させてあり、この荷重受座25と下蓋24との間には、ロードセル6が挟持してある。一方、アンギュラ玉軸受23の内輪上面は、ピニオン21の下端に当接させてある。
図4は、ロードセル6を略示する外観斜視図である。ロードセル6は、受圧体61と、該受圧体61に貼着された複数(図において3つ)の歪みゲージ62,62…とを備えてなる。受圧体61は、円筒部61aと、該円筒部61aの一端部外周に周設された環状の鍔部61bと、円筒部61aの他端周縁から軸長方向に突出する複数(図において3つ)の突出部61c,61c…とを備えている。歪みゲージ62,62…は、円筒部61aに突出部61c,61c…と周方向に整合させて貼着してある。
このような受圧体61に軸長方向両側から圧縮力を加えたとき、加えられた力は突出部61c,61c…と同じ周方向位置に集中する。この周方向位置に歪みゲージ62,62…を貼着することにより、効率的に受圧体61に作用する力を検出することが可能となる。なお、歪みゲージ62,62…は、突出部61c,61c…と周方向に整合する位置に貼着してあればよく、突出部61c,61c…の夫々又は鍔部61bの一面に貼着してもよい。
この受圧体61は、鍔部61bにて下蓋24の上面に当接させ、突出部61c,61c…の端部にて荷重受座25の下面に当接させて、ピニオンハウジング20への下蓋24のねじ込みに応じて鍔部61bに加えられた力により、所定の予圧を付与された状態にて、前述の如く下蓋24と荷重受座25との間に装着してある。なお荷重受座25は、軸長方向の力をロードセル6に安定して作用させるために設けてある。
一方、ピニオンハウジング20の上端には、ピニオン軸2を突出させるための開口部が設けてあり、この開口部には、オイルシール28を保持するホルダ27がねじ込み固定されており、ホルダ27の下部は、ピニオンハウジング20の内部に延長されている。図5は、ピニオンハウジング20の上端部の部分拡大図である。図5に示すように、ホルダ27の延長端は上側のアンギュラ玉軸受22の外輪上面に対向している。アンギュラ玉軸受22の外輪上面には、環状の荷重受座26が当接させてあり、この荷重受座26と前記延長端との間には、ロードセル7が挟持されている。一方、アンギュラ玉軸受22の内輪下面は、ピニオン21の上端に当接させてある。なお、ホルダ27に保持されたオイルシール28はピニオン軸2の外周をシールしており、これによりピニオンハウジング20の上端の開口部が閉止されている。
図6は、ロードセル7を略示する外観斜視図である。ロードセル7は、受圧体71と、該受圧体71に装着された複数(図において3つ)の歪みゲージ72,72…とを備えてなる。受圧体71は、円筒部71aと、円筒部71aの一端の周縁から軸長方向に突出する複数(図において3つ)の突出部71b,71b…とを備えている。歪みゲージ72,72…は、円筒部71aに突出部71b,71b…と周方向に整合させて貼着してある。
このような受圧体71に軸長方向両側から圧縮力を加えたとき、加えられた力は突出部71b,71b…と同じ周方向位置に集中する。この周方向位置に歪みゲージ72,72…を貼着することにより、効率的に受圧体71に作用する力を検出することが可能となる。なお、歪みゲージ72,72…は、突出部71b,71b…と周方向に整合する位置に貼着してあればよく、突出部71b,71b…の夫々に貼着してもよい。
この受圧体71は、円筒部71aの他端にて荷重受座26の上面に当接させ、突出部71b,71b…の端部にてホルダ27の延長端に当接させて、ピニオンハウジング20へのホルダ27のねじ込みに応じて円筒部71aの他端に加えられた力により、所定の予圧を付与された状態にて、前述の如くホルダ27と荷重受座26との間に装着してある。なお荷重受座26は、軸長方向の力をロードセル7に安定して作用させるために設けてある。
本発明に係る操舵装置においては、以上のように設けられたロードセル6,7を用いてピニオン21に作用する力を検出し、検出された力からピニオン軸2に加えられるトルク、即ち操舵トルクを求めている。まず、ピニオン21に作用する力とピニオン軸2に加えられるトルクとの関係について、舵取機構1に作用する力の説明図である図7を参照して、以下に説明する。
図7に示すように、ラック14は、はす歯に形成された複数のラック歯14a,14a…を備えており、これらのラック歯14a,14a…は、ピニオン21の外周に、はす歯に形成されたピニオン歯21a,21a…に噛合させてある。ピニオン軸2にトルクTが加えられたときに、ピニオン21とラック14との噛合部においてラック14には、ピニオン歯21a,21a…及びラック歯14a,14a…の歯面に直交する力Nが作用する。ピニオン21には、作用反作用の関係により作用力Nの反力N’が作用する。ピニオン21のピニオン歯21a,21a…及びラック14のラック歯14a,14a…が、夫々はす歯に形成されているため、ピニオン21に作用する反力N’は、径方向の分力Pvと軸長方向の分力Paとの合力となり、ラック14に作用する力Nは、軸長方向の分力Naと軸長方向及びサポートヨーク4の軸心の夫々に直交する方向(図において上下方向)の分力Nvとの合力となる。
ピニオン軸2に加えられるトルクTと、このトルクTによりラック14に作用する力Nの軸長方向の分力Naとの関係は次式のように表される。
T=Na・S/(2π) … (1)
ここで、Sはピニオン軸2が1回転する間にラック軸10が移動する移動長さを表すラックストロークレシオである。
図7に示すように、はす歯として形成されたラック歯14a,14a…のねじれ角がθ°である場合、ラック14に作用する力N及び軸長方向の分力Naの関係は、次式により表される。
Na=N・cosθ … (2)
また、図7に示す面内において、ピニオン軸2がラック軸10の軸長方向と直交する方向に対してなす角度がθp°である場合、作用反作用の関係からN’=Nであるから、ラック14に作用する力NとPaとの関係は、次式により表される。
N=Pa/sin(θ+θp) … (3)
(2)式及び(3)式を(1)式に代入して、次式が得られる。
T=S・Pa・cosθ/(2π・sin(θ+θp)) … (4)
以上より、ピニオン21に作用する反力N’の軸長方向の分力Paを検出して、検出したPaの値を(4)式に適用してピニオン軸2に加えられるトルクTを求めることができる。
ピニオン21に作用する反力N’の軸長方向の分力Paは、ピニオン21の下側及び上側に夫々設けられたロードセル6,7により検出される力がSl,Suであるとき、以下の式により表される。
Pa=Su−Sl … (5)
以上の構成により、例えば、ステアリングホイール30が左方向に回転操作される場合、この回転操作に伴う操舵トルクがステアリングホイール30に加えられ、該操舵トルクに応じて生じるピニオン21からラック14への作用力の反作用により、ピニオン21の軸長方向に下向きの力が作用する。この作用力により、下部のロードセル6が下蓋24に押し付けられてロードセル6による検出値Slが増加する一方、上部のロードセル7へのホルダ27の押し付け力が減少してロードセル7による検出値Suが減少し、ロードセル6,7により検出される力の差であるPaの値は負となる。逆に、ステアリングホイール30が右方向に回転操作される場合、ピニオン21に上向きの力が作用し、ロードセル6,7により検出される力の差であるPaの値は正となる。
なお、ロードセル6,7への予圧の大きさは、操舵時に想定されるピニオン2の軸長方向への作用力の最大値よりも大きい値になるように、下蓋24及びホルダ27のねじ込み量の増減により適正に調整されている。
ロードセル6,7による検出結果は、図1に示すようにアシスト制御部8へ夫々与えられる。アシスト制御部8は、ロードセル6,7により検出された力Sl,Suを(5)式に適用してピニオン21に作用する反力N’の軸長方向の分力Paを求め、求めたPaを(4)式に適用してピニオン軸2に加えられるトルクTを演算する。演算により得られたピニオン軸2に加えられるトルクTは、ステアリングホイール30に加わる操舵トルクThと等しくなる。
アシスト制御部8は、このようにして求められた操舵トルクThに基づいて操舵補助用のモータ5に制御指令を発し、該モータ5の駆動電流を増減制御するアシスト制御動作を行う。またアシスト制御部8には、操舵補助用のモータ5の電流を検出するモータ電流センサ50による検出結果も与えられる。モータ電流センサ50により検出された電流は、操舵補助用のモータ5を駆動制御するためのフィードバック信号として用いられている。
このように構成された本発明に係る操舵装置においては、ロードセル6,7により検出された力Sl,Suを用いてステアリングホイール30に加えられる操舵トルクThを求めているから、ステアリング軸3を剛性の高い中空材又は中実材により構成することにより操舵感を向上することができる。またピニオン21に軸長方向に作用する力Paは、ロードセル6,7の受圧体61,71に夫々形成された突出部61c,61c…,71b,71b…に前述した如く直接的に集中して作用し、これら突出部61c,61c…,71b,71b…に対応する円筒部61a,71aに装着された歪みゲージ62,62…,72,72…に効率的に伝達されるから、ピニオン21に加わる力を高精度に検出することができ、操舵トルクThを高精度に求めることができる。
図8は、本発明の他の実施の形態に係る操舵装置の要部の断面図である。本図には、ピニオン21の下側に設けられたアンギュラ玉軸受周辺を示してある。図示のように、アンギュラ玉軸受23の外側には、アンギュラ玉軸受23の外輪を内輪として、該外輪よりも大きい内径を有する円筒部28aを外輪とする玉軸受28が、アンギュラ玉軸受23と同軸をなして一体化して設けてある。この一体化された軸受23,28は、円筒部28aの上面及び外周面をピニオンハウジング20の内面に当接させてある。アンギュラ玉軸受23の外輪の外周面及び円筒部28aの内周面には、環状の溝28b,28bが夫々形成してある。これらの溝28b,28b間には、球状の複数の転動体28c,28c…が転動可能に保持してある。溝28b,28bにより形成される軌道面と転動体28c,28c…との間には、上下方向に僅かなギャップが設けてある。
また、アンギュラ玉軸受23の外輪の下面には、環状の荷重受座25aが当接させてあり、この荷重受座25aと下蓋24との間には、ロードセル6が挟持してある。その他の構成は、図3に示す実施の形態と同様であるため、対応する構成部材に図3と同一の参照符号を付して、その構成及び動作の詳細な説明を省略する。なおピニオン21の上側に設けられたアンギュラ玉軸受22周辺についても同様に構成してある。
このように構成された操舵装置においては、ステアリングホイール30が回転操作され、ピニオン21に軸長方向及び径方向の分力が作用するとき、転動体28c,28c…が溝28b,28bにより形成される軌道面の上下方向のギャップの範囲内にて上下方向に変位することができる。このとき、アンギュラ玉軸受22,23の外輪の外周面と該外周面に接触する転動体28c,28c…との間の抵抗は小さいから、ピニオン21に加わる力を安定して高精度に検出することができ、操舵トルクThを高精度に求めることができる。
図9は、本発明の他の実施の形態に係る操舵装置の要部の断面図である。本図には、ピニオン21の下側に設けられたアンギュラ玉軸受周辺を示してある。図示のように、ピニオンハウジング20の下端の開口部を閉止する下蓋24の上面とピニオン21の下端との間には、アンギュラ玉軸受23aが介装してある。アンギュラ玉軸受23aの外輪には、下端面から周方向に等配をなして軸長方向に突出する複数の突出部63,63…が形成してあり、突出部63,63…の端部は、下蓋24の上面に当接させてある。本実施の形態においては、アンギュラ玉軸受23aの外輪が受圧体の円筒部を兼ねており、外輪及び突出部63,63…により受圧体を構成している。一方、アンギュラ玉軸受23aの内輪上面は、ピニオン21の下端に当接させてある。これら突出部63,63…の外面には、複数の歪みゲージ64,64…が貼着してあり、これらアンギュラ玉軸受23aの外輪、突出部63,63…及び歪みゲージ64,64…によりロードセル6aを構成している。なおピニオン21の上側に設けられたアンギュラ玉軸受22についても同様に構成してある。
このように構成された操舵装置においては、アンギュラ玉軸受23aの外輪と受圧体が一体的に形成してあるから、アンギュラ玉軸受23aとロードセル6aとを常に同軸上に位置させることができ、ピニオン21に加わる力を安定して高精度に検出することができる。また、部品点数を削減することができ、操舵装置の組み付け工数を削減することができる。
図10は、図9の変形例を示す操舵装置の要部の断面図である。図示のように、アンギュラ玉軸受23bの外輪の下端面から軸長方向に延び、延長端から径方向及び軸長方向に屈曲させて略S字形をなし、屈曲端が下蓋24の上面に当接するように突出部65,65…を形成し、突出部65,65の屈曲端側に歪みゲージ66,66…を貼着してある。なおピニオン21の上側に設けられたアンギュラ玉軸受22についても同様に構成してもよい。
この構成により、突出部65,65…の略S字形に屈曲された部分が、皿ばねと同様の機能を果たすから、ステアリングホイール30の回転操作に伴いピニオン21に力が加えられるとき、突出部65,65…の変形量を均一化することができ、ピニオン21に加わる力を安定して高精度に検出することができる
図11は、本発明の他の実施の形態に係る操舵装置のピニオンハウジング20及びラックハウジング11の交叉部周辺を略示する縦断面図である。図に示すように、ピニオンハウジング20の下端には開口部が設けてあり、この開口部は、ねじ込み式の下蓋24cにより閉止してある。図12は、ピニオンハウジング20の下端部の部分拡大図である。図12に示すように、下蓋24cの上面とピニオン21の下端との間には、環状の荷重受座25を介してアンギュラ玉軸受23が挟持してある。下蓋24cの上部は、ピニオンハウジング20の内部に延長されており、この延長端は荷重受座25の下面に当接してある。
図13は、図12のXIII‐XIII線による断面図である。アンギュラ玉軸受23の外輪及びピニオンハウジング20間には、環状の受圧体67が同軸をなして介装してある。受圧体67は、周方向に等配をなして径方向内向きに突出する複数(図において、4つ)の突出部67a,67a…を備えており、これらの突出部67a,67a…がアンギュラ玉軸受23の外面に当接させてある。
図13に示すように、ピニオンハウジング20の内面には、突出部67a,67a…に対応する周方向位置に複数(図において、4つ)の凹部が形成してあり、夫々の凹部には、検出体68,68…が収容してある。検出体68,68は、受圧部に加えられる荷重を検出するそれ自体公知の荷重検出器であり、受圧部の側を受圧体67の外周面に当接させてある。その他の構成は、図2に示す実施の形態と同様であるため、対応する構成部材に図2と同一の参照符号を付して、その構成及び動作の詳細な説明を省略する。なおピニオン21の上側に設けられたアンギュラ玉軸受22周辺についても同様に構成してある。
このように構成された操舵装置においては、ステアリングホイール30が回転操作され、ピニオン21に力が加えられるとき、該力の径方向の分力が、アンギュラ玉軸受22,23を介して突出部67a,67a…に直接的に集中して作用し、これら突出部67a,67a…に対応する周方向位置にて受圧体67,67…に当接する検出体68,68…に効率的に伝達されるから、ピニオン21に加わる力を高精度に検出することができる。また、ピニオン軸2とラック14に形成されたラック歯14a,14a…とのなす角度が0°である場合にもピニオン21に加わる力を検出することができ、ラック歯14a,14a…の設計自由度を確保しつつ、ピニオン21に加わる力を高精度に検出することができる。なお、この場合、ピニオン21の上下に設けられた検出体68,68…による検出値Su’,Sl’を加算することにより、ピニオン21に加わる力の径方向の分力Pvが求められ、ピニオン軸2に加えられるトルクT、即ち操舵トルクThは、以下の式により求めることができる。
Th=(Su’+Sl’)・cos(θ+θp) … (6)
図14は、操舵トルクThの別の算出方法の説明図である。なお、ピニオンハウジング20及びラックハウジング11の交叉部周辺の構成は、図11に示す実施の形態と同様であるため、その構成及び動作の詳細な説明を省略する。参照符号は、説明の便宜上省略している。
ピニオン軸2に加えられるトルクTと、ピニオン21とラック14との噛合部においてラック14からピニオン21に作用する押付力Fとの関係は次式のように表される。
T=r・F … (7)
ここで、rはピニオン21のピニオン歯21a,21a…のピッチ円半径である。
ピニオン21にラック14から押付力Fが作用するとき、ピニオン軸2には、ピニオン軸2の上下に設けられたアンギュラ玉軸受22,23からの反力F1,F2が夫々作用する。アンギュラ玉軸受22周りのモーメントの釣り合いの式を次に示す。
F・L1=F2・L … (8)
ここで、L1は、ピニオン21に作用するアンギュラ玉軸受22からの反力F1の作用点とピニオン21に作用する押付力Fの作用点との距離であり、Lは、ピニオン21に作用するアンギュラ玉軸受22からの反力F1の作用点とアンギュラ玉軸受23からの反力F2の作用点との距離である。
(8)式を(7)式に代入して、次式が得られる。
T=r・F2・L/L1 … (9)
以上により、ピニオン21に作用するアンギュラ玉軸受23からの反力F2を検出して、検出したF2の値を(9)式に適用してピニオン軸2に加えられるトルクTを求めることができる。
なお、以上の実施の形態においては、ピニオン21に作用する力を検出する検出手段としてロードセルを用いているが、これに限定されず、ピニオン21に作用する力を検出可能な検出手段であればよい。例えば、本願出願人による特開2006−258793号公報に記載されたように超音波センサを検出手段として用いてもよい。
また、以上の実施の形態においては、ラックアシスト型の電動パワーステアリング装置として構成された操舵装置を例にして説明したが、これに限定されず、ハウジング31の外側に操舵補助用のモータを取付け、ステアリング軸3に伝動構成してなるコラムアシスト型の電動パワーステアリング装置として構成された操舵装置においても、適用可能である。コラムアシスト型の電動パワーステアリング装置として構成された操舵装置において、ピニオン軸2に加えられるトルクTから操舵補助用のモータによるアシストトルク分を減ずることによりステアリングホイール30に加えられる操舵トルクThを求めることができる。
本発明は、その他、特許請求の範囲に記載した事項の範囲内において種々変更した形態にて実施することが可能である。
本発明に係る操舵装置の構成を示す模式図である。 ピニオンハウジング及びラックハウジングの交叉部周辺を略示する縦断面図である。 ピニオンハウジングの下端部の部分拡大図である。 ロードセルを略示する外観斜視図である。 ピニオンハウジングの上端部の部分拡大図である。 ロードセルを略示する外観斜視図である。 舵取機構に作用する力の説明図である。 本発明の他の実施の形態に係る操舵装置の要部の断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る操舵装置の要部の断面図である。 図9の変形例を示す操舵装置の要部の断面図である。 本発明の他の実施の形態に係る操舵装置のピニオンハウジング及びラックハウジングの交叉部周辺を略示する縦断面図である。 ピニオンハウジングの下端部の部分拡大図である。 図12のXIII‐XIII線による断面図である。 操舵トルクの別の算出方法の説明図である。
符号の説明
1 舵取機構、2 ピニオン軸、21 ピニオン、3 ステアリング軸、4 サポートヨーク、6,6a,6b ロードセル(トルク検出手段)、61,63,65 受圧体、61a 円筒部、61c 突出部、62,64,66 歪みゲージ(検出体)、68 検出体、7 ロードセル(トルク検出手段)、71 受圧体、71a 円筒部、71b 突出部、72 歪みゲージ(検出体)、8 アシスト制御部(算出手段)、10 ラック軸、14 ラック、30 ステアリングホイール(操舵部材)

Claims (2)

  1. 操舵部材に加えられる操舵トルクに応じて回転するピニオン軸と、該ピニオン軸に噛合し、前記ピニオン軸の回転を軸長方向の移動に変換するラック軸と、前記操舵トルクを検出するトルク検出手段とを備える操舵装置において、
    前記ピニオン軸及びラック軸は、はす歯に形成されたピニオン及びラックを夫々有しており、
    前記トルク検出手段は、
    円筒部と、該円筒部の一端に周方向の複数箇所から軸長方向に突出する突出部とを有しており、前記ピニオン軸を支持する軸受の軸長方向一側に前記突出部を当接させてある受圧体と、該受圧体の前記突出部に対応する周方向位置に装着された検出体と、
    該検出体の検出結果に基づいて前記操舵トルクを算出する算出手段とを備えることを特徴とする操舵装置。
  2. 操舵部材に加えられる操舵トルクに応じて回転するピニオン軸と、該ピニオン軸に噛合し、前記ピニオン軸の回転を軸長方向の移動に変換するラック軸と、前記操舵トルクを検出するトルク検出手段とを備える操舵装置において、
    前記トルク検出手段は、
    円筒部と、該円筒部の内面に周方向の複数箇所から径方向に突出する突出部とを有しており、前記ピニオン軸を支持する軸受の外面に前記突出部を当接させてある受圧体と、
    受圧体の前記突出部に対応する周方向位置に装着された検出体と、
    該検出体の検出結果に基づいて前記操舵トルクを算出する算出手段とを備えることを特徴とする操舵装置。
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