JP2020082943A - ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリング装置の操舵感を向上させる。【解決手段】ステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操舵に応じて回転する出力軸4と、出力軸4と共に回転するピニオンギヤ11と、ピニオンギヤ11に噛み合うラックギヤ12aを有し車輪6を転舵するラック軸12と、ラック軸12をピニオンギヤ11に向けて付勢する付勢機構20と、付勢機構20を収容するラックケース15と、を備え、付勢機構20は、ラックケース15に形成される収容孔15aに収容されラック軸12に当接するプレッシャパッド2120と、プレッシャパッド21を傾動自在に支持するジョイント部材30と、ジョイント部材30を介してプレッシャパッド21をラック軸12に向けて付勢するスプリング40と、スプリング40の付勢方向に沿ったジョイント部材30の移動を案内する円筒部51と、を有する。【選択図】図2
Description
本発明は、ステアリング装置に関するものである。
特許文献1には、ステアリングホイール等の操舵部材に連結しているステアリングシャフトと、ステアリングシャフトに自在継手を介して連結された中間軸と、中間軸に自在継手を介して連結されたピニオン軸と、ピニオン軸の端部近傍に設けられたピニオンに噛み合うラックを有して自動車の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸と、を有するラックアンドピニオン式のステアリング装置が開示されている。
このステアリング装置は、ハウジングの収容部内にラック軸側に向かって進退可能に収容され且つラック軸の背面を摺動可能に支持するラックガイドと、収容部においてラック軸側とは反対側に設けられた外部開口端に固定された封止部材と、ラックガイドと封止部材との間に介在しラックガイドをラック軸側へ付勢する圧縮コイルばねと、ラックガイドの一部を摺動可能に支持する支持孔を有し、ハウジングに支持されたラックガイド支持部材と、を有するラック軸支持構造を備えている。
このようなステアリング装置では、ラックガイドを介してラック軸をピニオンギヤに向けて押し付けることで、ラックギヤとピニオンギヤとの間のバックラッシが抑制される。
ここで、例えば、ラック軸には、公差の範囲内において、わずかに反りが生じることがある。このようなラック軸が中心軸方向に移動する際、ラックガイドは、コイルばねが伸縮することで、反りに追従するようにラック軸に対して進退する。
しかしながら、ラック軸に反りが生じる場合、ラック軸の移動に伴い、ラックガイドには、コイルばねの付勢方向に対して傾斜する方向の力、言い換えれば、ラックガイドが付勢方向に対して傾くような力が作用することがある。付勢方向に傾斜した力がラックガイドに作用する場合、ラックガイドの傾きが規制されていると、ラック軸から受ける力をコイルばねの付勢力で吸収することができず、その分ラックギヤとピニオンギヤとの摩擦力が大きくなる。
特許文献1のステアリング装置では、ハウジングに支持されたラックガイド支持部材の支持孔にラックガイドが摺動可能に支持されることで、ラックガイドの移動がコイルばねの付勢方向に向けて案内される。このステアリング装置では、ラックガイドがコイルばねの付勢方向に傾斜した方向の力をラック軸から受けると、ラックガイドとラックガイド支持部材とが干渉するおそれがある。このため、ラックガイドの傾きが許容されず、ラックギヤとピニオンギヤとの摩擦が大きくなり、操舵感が悪化するおそれがある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ステアリング装置の操舵感を向上させることを目的とする。
本発明は、ステアリング装置であって、運転者によるステアリング部材の操舵に応じて回転するシャフト部材と、シャフト部材と共に回転するピニオンギヤと、ピニオンギヤに噛み合うラックギヤを有し車輪を転舵するラック軸と、ラック軸をピニオンギヤに向けて付勢する付勢機構と、付勢機構を収容するケース部材と、を備え、付勢機構は、ケース部材に形成される収容孔に収容されラック軸に当接する当接部と、当接部を傾動自在に支持する支持部と、支持部を介して当接部をラック軸に向けて付勢する付勢部材と、付勢部材の付勢方向に沿った支持部の移動を案内する案内部と、を有することを特徴とする。
この発明では、支持部によって当接部が傾動自在に支持されると共に、案内部によって支持部の移動が案内される。つまり、ケース部材の収容孔によって当接部の移動を案内する構成ではなく、案内部によって支持部を案内することで当接部を付勢方向に沿って移動させるように構成される。このため、付勢部材の付勢方向に沿って当接部の移動を案内しつつ、当接部と収容孔のクリアランスを確保して当接部の傾動を許容することができる。
また、本発明は、付勢機構が、支持部に対する当接部の傾動に抗する付勢力を発揮する補助付勢部材をさらに有することを特徴とする。
この発明では、当接部の傾動を補助付勢部材の付勢力によって制御することができる。
また、本発明は、補助付勢部材が、当接部と支持部との間に設けられ、当接部は、球面状の凹部を有し、支持部は、凹部に傾動自在に連結される球状の端子部と、補助付勢部材が着座する着座部と、を有し、当接部と支持部とは、凹部と端子部とによって構成されるボールジョイント構造によって、互いに一体的に連結されることを特徴とする。
この発明では、ラック軸をピニオンギヤに押し付ける力は付勢部材の付勢力に起因し、当接部の傾動に抗する力は補助付勢部材の付勢力に起因する。つまり、ピニオンギヤにラック軸を押し付ける力は、補助付勢部材の付勢力に影響されず、付勢部材の付勢力に起因するため、付勢部材の付勢力を調整することで、ピニオンギヤとラックギヤとの摩擦力を容易に調整できる。
また、本発明は、付勢機構が、収容孔の開口を塞ぐキャップ部材をさらに有し、案内部は、支持部が摺動する摺動孔を有してキャップ部材に形成される円筒部であり、付勢部材の一端部は、キャップ部材に着座すると共に円筒部によって内周が支持されることを特徴とする。
この発明では、円筒部が案内部としての機能と付勢部材を支持する機能との両方を発揮するため、付勢部材を支持する構成を別途設ける場合と比較して、ステアリング装置の省スペース化や低コスト化することができる。
本発明によれば、ステアリング装置の操舵感が向上する。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るステアリング装置100について説明する。
ステアリング装置100は、車両に搭載され、運転者がステアリング部材としてのステアリングホイール1に加える操舵トルクを変換して車輪6を転舵する装置である。
図1に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングホイール1から入力される操舵トルクによって回転するステアリングシャフト2と、ステアリングシャフト2の回転を変換しタイロッド(図示省略)を介して車輪6を転舵するラックアンドピニオン機構10と、操舵トルクを補助する回転トルクをステアリングシャフト2に付与する電動モータ60と、電動モータ60の回転をステアリングシャフト2に減速して伝達する減速部70と、を備える。
ステアリングシャフト2は、ステアリングホイール1に連係して操舵トルクが伝達される入力軸3と、下端がラックアンドピニオン機構10に連係するシャフト部材としての出力軸4と、入力軸3と出力軸4を連結するトーションバー5と、を有する。
ラックアンドピニオン機構10は、図2に示すように、出力軸4に設けられ出力軸4の回転に伴って回転するピニオンギヤ11と、ピニオンギヤ11に噛み合うラックギヤ12aを有し車輪6を転舵するラック軸12と、ラック軸12を収容するケース部材としてのラックケース15と、を有する。
ピニオンギヤ11は、出力軸4に直接形成される。言い換えれば、ピニオンギヤ11は、出力軸4と一体に形成される。なお、ピニオンギヤ11は、出力軸4とは別体に形成され、出力軸4に取り付けられて出力軸4と共に回転するものでもよい。
出力軸4は、一対の軸受16a,16bによりラックケース15に回転自在に支持される。出力軸4は、運転者の操作によってステアリングホイール1に入力される操舵トルクが入力軸3及びトーションバー5を介して出力軸4に伝達されることにより、回転する。ラック軸12のラックギヤ12aに噛み合うピニオンギヤ11が出力軸4の回転に伴って回転することにより、ラック軸12がその中心軸に沿って直線運動する。ラック軸12が直線運動することにより、タイロッドが移動して車輪6が転舵される。このように、出力軸4の回転がラックアンドピニオン機構10によって直線運動に変換されて、車輪6が転舵される。
図1に示すように、電動モータ60は、運転者によるステアリングホイール1の操舵を補助する回転トルクを付与するための動力源である。電動モータ60が回転軸(図示省略)から出力する回転トルクは、運転者のステアリングホイール1の操作によってねじれるトーションバー5のねじれ量から操舵トルクをトルクセンサ(図示省略)により検出し、検出された操舵トルクに基づいてコントローラ(図示省略)により演算される。電動モータ60が出力する回転トルクは、減速部70によって減速されてステアリングシャフト2の出力軸4にアシスト力として伝達される。このように、ステアリングホイール1から入力される操舵トルクを検出するトルクセンサの検出結果に基づいて電動モータ60が駆動され、電動モータ60はステアリングシャフト2を介してラックアンドピニオン機構10のラック軸12に回転トルクを付与する。よって、電動モータ60により運転者によるステアリングホイール1の操舵が補助される。
減速部70は、公知の構成を採用できるため、詳細な説明を省略するが、例えば、ウォームホイール71と、ウォームホイール71と噛み合うウォーム軸72と、を有するウォームギヤ機構である。電動モータ60が駆動してウォーム軸72が回転すると、ウォームホイール71は、ウォーム軸72の歯数とウォームホイール71の歯数とに応じた減速比により減速されて回転する。よって、電動モータ60の回転は、ウォーム軸72の歯数とウォームホイール71の歯数とに応じた減速比により減速されて出力軸4に伝達される。
ステアリング装置100は、図2に示すように、ラックケース15に収容されラック軸12をピニオンギヤ11に向けて付勢する付勢機構20をさらに備える。付勢機構20は、ラック軸12の中心軸に垂直な方向に付勢力を発揮する。
付勢機構20は、ラック軸12に対して垂直にラックケース15に形成される収容孔15aに収容されラック軸12に当接する当接部としてのプレッシャパッド21と、プレッシャパッド21を傾動自在に支持する支持部としてのジョイント部材30と、ジョイント部材30を介してプレッシャパッド21をラック軸12に向けて付勢する付勢部材としてのコイルスプリング(以下、単に「スプリング40」と称する。)と、プレッシャパッド21とジョイント部材30との間に設けられる補助付勢部材としての皿ばね45と、ラックケース15の収容孔15aの開口を塞ぐキャップ部材としてのアジャスタカバー50と、を有する。
プレッシャパッド21は、円柱状に形成され、ラックケース15の収容孔15aの内周面との間に所定のクリアランスをもって収容孔15aに収容される。プレッシャパッド21においてラック軸12に面する端面(符示省略)には、ラック軸12の移動方向(ラック軸12の中心軸方向)に沿って略半円形断面のスリット21aが形成される。スリット21aには、ラック軸12が摺動可能に収容される。また、ラック軸12とは反対側のプレッシャパッド21の端面21bには、球面状の内周面を有する凹部22が形成される。
ジョイント部材30は、コイルスプリング40が着座する着座部としての円盤状のフランジ部31と、フランジ部31の一端面31aから軸方向に突出する軸部32と、軸部32の先端に設けられ、プレッシャパッド21の凹部22に摺動自在に収容される球状の端子部33と、フランジ部31の他端面31bから軸方向に突出するガイド軸部34と、を有する。フランジ部31、軸部32、端子部33、及びガイド軸部34は、互いに同軸上に形成される。
フランジ部31の外径は、プレッシャパッド21の外径と同一又はプレッシャパッド21の外径よりも小さく形成される。
端子部33は、プレッシャパッド21の凹部22の内周面の形状に対応する球面状の外周面を有する。端子部33は、外周面が凹部22の内周面に摺接して、凹部22内に収容される。よって、プレッシャパッド21は、端子部33の中心に対して、傾動可能に構成される。より具体的には、プレッシャパッド21は、端子部33の中心を通る直交3軸のそれぞれに対して、軸回りに回転可能に構成される。
皿ばね45は、ジョイント部材30の軸部32の外周であって、プレッシャパッド21の端面21bとジョイント部材30のフランジ部31の一端面31aとの間に設けられる。皿ばね45は、ジョイント部材30に対するプレッシャパッド21の傾動に抗する付勢力を発揮する。
プレッシャパッド21は、ジョイント部材30の端子部33が凹部22に収容された状態で、端部(端面21bに対する凹部22の開口部)がかしめられる。よって、ジョイント部材30の端子部33が凹部22から抜け出ることが規制される。このように、プレッシャパッド21の凹部22とジョイント部材30の端子部33とによって、ボールジョイント構造が構成され、ボールジョイント構造により、プレッシャパッド21、ジョイント部材30、及び皿ばね45が一体化される。つまり、プレッシャパッド21とジョイント部材30とは、相対的な傾動が許容されると共に、皿ばね45の付勢力によって分離しないように互いに連結される。
図2に示すように、プレッシャパッド21が傾動していない状態(プレッシャパッド21の中心軸がジョイント部材30の軸と一致する状態)では、皿ばね45は、プレッシャパッド21の端面21bとフランジ部31の端面31aとによりわずかに圧縮される。このため、皿ばね45は、端子部33が凹部22から抜け出る方向(プレッシャパッド21とジョイント部材30とが離間する方向)に、わずかに付勢力を発揮する。これにより、プレッシャパッド21とジョイント部材30とが離間する方向のガタ(端子部33と凹部22とのクリアランス)をなくすことができる。なお、これに限らず、プレッシャパッド21が傾動していない状態では、皿ばね45は、プレッシャパッド21とフランジ部31とによって圧縮されていなくてもよい。
アジャスタカバー50は、ラックケース15の収容孔15aに形成される雌ねじ(図示省略)に螺合してラックケース15に取り付けられる。スプリング40は、一端がアジャスタカバー50に着座し、他端がフランジ部31の他端面31bに着座して、アジャスタカバー50とフランジ部31とに圧縮された状態で設けられる。アジャスタカバー50の螺合位置を変更することによりスプリング40のセット荷重が調整されて、ラック軸12への付勢力が調整される。
アジャスタカバー50の端面には、ジョイント部材30のガイド軸部34が摺動自在に挿入される摺動孔51aを有する案内部としての円筒部51が形成される。円筒部51及び円筒部51に形成される摺動孔51aは、中心軸がラック軸12の中心軸に直交するように形成される。ジョイント部材30のガイド軸部34が円筒部51の摺動孔51aの内周面に沿って摺動することで、一体化されたプレッシャパッド21及びジョイント部材30がスプリング40の付勢方向(図2中左右方向)に沿って案内される。なお、ジョイント部材30(ガイド軸部34)とアジャスタカバー50とは、それぞれ両者の間の摩擦力(摺動抵抗)が小さくなるような材質で形成されることが望ましい。
また、ガイド軸部34の外周面と摺動孔51aの内周面との間のクリアランス(摺動隙間)は、プレッシャパッド21の外周面と収容孔15aの内周面との間のクリアランス及びフランジ部31の外周面と収容孔15aの内周面との間のクリアランスよりも小さく形成される。これにより、付勢方向に垂直な方向におけるジョイント部材30及びプレッシャパッド21の移動が、円筒部51によって規制される。
また、円筒部51は、その外周面によって、スプリング40の内周を支持する。これにより、スプリング40が安定した姿勢で支持される。このように、円筒部51は、ジョイント部材30の移動を案内する機能に加え、スプリング40を内周支持する機能も発揮する。
次に、本実施形態の作用について説明する。
付勢機構20によってラック軸12がピニオンギヤ11に向けて付勢されることにより、ラック軸12とピニオンギヤ11との間のバックラッシュが低減される。これにより、ピニオンギヤ11が回転してラック軸12が移動する際の歯打ち音が低減される。
ここで、一般に、ラック軸は、公差の範囲内において、外周形状が軸方向に沿って不均一であったり、反りなどが生じたりすることがある。このようなラック軸が中心軸方向へ移動すると、ラック軸に当接するプレッシャパッドには、スプリングの付勢方向に加え、付勢方向に傾斜する方向の反力が作用する。よって、プレッシャパッドは、収容孔内での傾きや、付勢方向に垂直な平面上で移動するような反力をラック軸から受ける。
プレッシャパッドが収容孔内で傾くことができないような場合には、ラック軸からの反力がスプリングの付勢力で吸収できず、その分ピニオンギヤとラックギヤの摩擦力が増加する。つまり、付勢方向に対して傾斜するような方向の反力が吸収されないため、ピニオンギヤとラックギヤとが滑らかに噛み合わなくなる。よって、ステアリングホールの操舵感が急激に変化するおそれがある。
また、プレッシャパッドとラックケースとが接触すると、両者の間の摩擦力が増加するため、付勢方向に沿ったプレッシャパッドの移動も阻害される。したがって、付勢方向に沿ったラック軸の反力も充分に吸収することができず、ラックギヤとピニオンギヤとの間の摩擦力が増加し、ステアリングホイールの操舵感が重くなる。
これに対し、本実施形態では、プレッシャパッド21は、ジョイント部材30によって傾動自在に支持される。また、ジョイント部材30は、円筒部51によってスプリング40の付勢方向の移動が案内される。このように、円筒部51によってジョイント部材30を案内することで、付勢方向に沿ったプレッシャパッド21の移動が案内されるため、プレッシャパッド21と収容孔15aとの間のクリアランスを確保して、プレッシャパッド21とラックケース15との接触(干渉)を抑制することができる。つまり、プレッシャパッド21にある程度の傾きが許容されるため、プレッシャパッド21とラックケース15の干渉によるピニオンギヤ11とラックギヤ12aの摩擦力の増加を抑制し、ステアリングホイール1の操舵感の悪化を抑制することができる。
また、本実施形態では、ジョイント部材30のガイド軸部34が円筒部51の摺動孔51aに摺動することで、付勢方向に沿った移動が案内される。よって、ジョイント部材30は、円筒部51によって、付勢方向に垂直な方向への移動が規制される。これにより、プレッシャパッド21が収容孔15aの中心に対して径方向に偏ることがなく、プレッシャパッド21と収容孔15aとの間のクリアランスを保つことができる。よって、プレッシャパッド21とラックケース15との干渉をより一層抑制することができ、操舵感の悪化を抑制することができる。また、プレッシャパッド21とラックケース15との干渉による異音の発生も抑制することができる。
また、一般に、プレッシャパッドは、ピニオンギヤとラックギヤとの摩擦が増加しないようにある程度の傾きが許容されることが望ましいが、プレッシャパッドの傾きに対する抵抗が小さすぎると、ピニオンギヤとラックギヤとの摩擦が小さくなりすぎてしまう。これにより、ピニオンギヤの回転に対するラック軸の移動の追従性が低下するおそれがある。つまり、プレッシャパッドの傾きは、操舵感が重くならず、ラック軸の追従性が低下しないような所望の範囲で制御されることが望ましい。
これに対し、本実施形態では、付勢機構20は、ジョイント部材30に対するプレッシャパッド21の傾動に抗して付勢力を発揮する皿ばね45を備える。このため、皿ばね45の付勢力により、プレッシャパッド21の傾きを抑制して、ピニオンギヤ11とラックギヤ12aの摩擦の低下を抑制できる。言い換えれば、プレッシャパッド21が傾くように作用するラック軸12の反力を皿ばね45の付勢力によって吸収できる。さらに、皿ばね45の付勢力を調整することで、プレッシャパッド21の傾きやすさを調整できるため、操舵感の向上とラック軸12の追従性の向上とを両立させやすくなる。
また、本実施形態では、スプリング40は、ジョイント部材30に着座し、ジョイント部材30及びプレッシャパッド21を介して、ラック軸12をピニオンギヤ11に向けて付勢する。プレッシャパッド21とジョイント部材30は一体化され、プレッシャパッド21とジョイント部材30の間に皿ばね45が設けられる。このような構成とすることで、ラック軸12をピニオンギヤ11に押し付ける付勢力は、主としてスプリング40の付勢力に起因し、プレッシャパッド21の傾きを抑制する付勢力は、主として皿ばね45の付勢力に起因する。つまり、ピニオンギヤ11にラック軸12を押し付ける力は、皿ばね45の付勢力にほとんど影響されない。よって、スプリング40の付勢力を調整することで、ラック軸12をピニオンギヤ11に押し付ける付勢力を調整できるため、ステアリングホイール1の操舵感を容易に調整することができる。
次に、上記実施形態の変形例について、説明する。
上記実施形態では、ステアリング装置100は、電動モータ60によってアシスト力を付与する電動式のものであり、1つのピニオンを備えるものである。これに対し、ステアリング装置100は、機械式、デュアルピニオン式、ステアバイワイヤ方式など、種々のステアリング装置に適用可能なものである。
また、上記実施形態では、ジョイント部材30は、球状の端子部33を有し、ボールジョイント構造を構成してプレッシャパッド21を傾動自在に支持する。これに対し、プレッシャパッド21を傾動自在に支持する構成である限り、支持部の構成は上記実施形態に限られない。また、ジョイント部材30は、プレッシャパッド21に連結されて一体化されるが、これに限られない。例えば、支持部は、自在継手構造によってプレッシャパッドを傾動自在に支持するものでもよい。また、支持部は、プレッシャパッド21とは一体化されず、半球状の球面座によってプレッシャパッドを傾動自在に支持するものでもよい。
また、上記実施形態では、付勢部材は、コイルスプリング(スプリング40)であり、補助付勢部材は、皿ばね45である。これに対し、付勢部材及び補助付勢部材は、それぞれ付勢力を発揮できる限り、その他のものでもよい。付勢部材及び補助付勢部材は、スプリング以外の構成(例えば、ゴムなどの弾性部材)であってもよい。
以上の実施形態によれば以下の効果を奏する。
ステアリング装置100では、プレッシャパッド21は、ジョイント部材30によって傾動自在に支持される。また、ジョイント部材30は、円筒部51の摺動孔51aに摺動自在に挿入され、スプリング40の付勢方向への移動が案内される。これにより、プレッシャパッド21は、付勢方向に対する傾きは許容され、付勢方向に垂直な方向への移動は規制される。このため、プレッシャパッド21とラックケース15との干渉が抑制され、ピニオンギヤ11とラックギヤ12aの摩擦力の増加とピニオンギヤ11に対するラック軸12の追従性の低下とが抑制される。したがって、ステアリングホイール1の操舵感が向上する。
また、ステアリング装置100では、付勢機構20は、ジョイント部材30に対するプレッシャパッド21の傾動に抗する付勢力を発揮する皿ばね45を有する。このため、プレッシャパッド21の傾きを制御することができ、操舵感の向上とラック軸12の追従性の向上とを両立させやすくなる。
また、ステアリング装置100では、案内部として機能する円筒部51によって、スプリング40の内周が支持される。このため、スプリング40を支持するための構成を別途備える必要がなく、ステアリング装置100の省スペース化やコスト低減をすることができる。
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果をまとめて説明する。
ステアリング装置100は、運転者によるステアリングホイール1の操舵に応じて回転する出力軸4と、出力軸4と共に回転するピニオンギヤ11と、ピニオンギヤ11に噛み合うラックギヤ12aを有し車輪6を転舵するラック軸12と、ラック軸12をピニオンギヤ11に向けて付勢する付勢機構20と、付勢機構20を収容するラックケース15と、を備え、付勢機構20は、ラックケース15に形成される収容孔15aに収容されラック軸12に当接するプレッシャパッド21と、プレッシャパッド21を傾動自在に支持するジョイント部材30と、ジョイント部材30を介してプレッシャパッド21をラック軸12に向けて付勢するスプリング40と、スプリング40の付勢方向に沿ったジョイント部材30の移動を案内する案内部(円筒部51)と、を有する。
この構成では、ジョイント部材30によってプレッシャパッド21が傾動自在に支持されると共に、案内部(円筒部51)によってジョイント部材30の移動が案内される。このように、ラックケース15の収容孔15aによってプレッシャパッド21の移動を案内する構成ではなく、案内部(円筒部51)によってジョイント部材30を案内することでプレッシャパッド21を付勢方向に沿って移動させるように構成される。このため、スプリング40の付勢方向に沿ってプレッシャパッド21の移動を案内しつつ、プレッシャパッド21と収容孔15aとの間のクリアランスを確保してプレッシャパッド21の傾動を許容することができる。したがって、ステアリング装置100の操舵感が向上する。
また、ステアリング装置100では、付勢機構20は、ジョイント部材30に対するプレッシャパッド21の傾動に抗する付勢力を発揮する皿ばね45をさらに有する。
この構成では、プレッシャパッド21の傾動を皿ばね45の付勢力によって制御できる。このため、ピニオンギヤ11とラックギヤ12aとの摩擦力の低減と、ラックギヤ12aの回転に対するラック軸12の追従性の向上と、を容易に両立できる。
また、ステアリング装置100では、皿ばね45は、プレッシャパッド21とジョイント部材30との間に設けられ、プレッシャパッド21は、球面状の凹部22を有し、ジョイント部材30は、凹部22に傾動自在に連結される球状の端子部33と、皿ばね45が着座するフランジ部31と、を有し、プレッシャパッド21とジョイント部材30とは、凹部22と端子部33とによって構成されるボールジョイント構造によって、互いに一体的に連結される。
この構成では、ラック軸12をピニオンギヤ11に押し付ける力はスプリング40の付勢力に起因し、プレッシャパッド21の傾動に抗する力は皿ばね45に起因する。つまり、ピニオンギヤにラック軸12を押し付ける力は、皿ばね45の付勢力に影響されず、スプリング40の付勢力に起因するため、スプリング40の付勢力を調整することで、ピニオンギヤ11とラックギヤ12aとの摩擦力を容易に調整できる。
付勢機構20は、収容孔15aの開口を塞ぐアジャスタカバー50をさらに有し、案内部は、アジャスタカバー50に形成され、内周面にジョイント部材30が摺動する摺動孔51aを有する円筒部51であり、スプリング40の一端部は、アジャスタカバー50に着座すると共に円筒部51によって内周が支持される。
この構成では、円筒部51が案内部としての機能とスプリング40を支持する機能との両方を発揮するため、スプリング40を支持する構成を別途設ける場合と比較して、ステアリング装置100の省スペース化や低コスト化することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
1…ステアリングホイール(ステアリング部材)、4…出力軸(シャフト部材)、6…車輪、11…ピニオンギヤ、12…ラック軸、12a…ラックギヤ、15…ラックケース(ケース部材)、15a…収容孔、20…付勢機構、21…プレッシャパッド(当接部)、30…ジョイント部材(支持部)、31…フランジ部(着座部)、33…端子部、40…コイルスプリング(付勢部材)、45…皿ばね(補助付勢部材)、50…アジャスタカバー(キャップ部材)、51…円筒部(案内部)、51a…摺動孔、100…ステアリング装置
Claims (4)
- 運転者によるステアリング部材の操舵に応じて回転するシャフト部材と、
前記シャフト部材と共に回転するピニオンギヤと、
前記ピニオンギヤに噛み合うラックギヤを有し車輪を転舵するラック軸と、
前記ラック軸を前記ピニオンギヤに向けて付勢する付勢機構と、
前記付勢機構を収容するケース部材と、を備え、
前記付勢機構は、
前記ケース部材に形成される収容孔に収容され前記ラック軸に当接する当接部と、
前記当接部を傾動自在に支持する支持部と、
前記支持部を介して前記当接部を前記ラック軸に向けて付勢する付勢部材と、
前記付勢部材の付勢方向に沿った前記支持部の移動を案内する案内部と、を有することを特徴とするステアリング装置。 - 前記付勢機構は、前記支持部に対する前記当接部の傾動に抗する付勢力を発揮する補助付勢部材をさらに有することを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
- 前記補助付勢部材は、前記当接部と前記支持部との間に設けられ、
前記当接部は、球面状の凹部を有し、
前記支持部は、
前記凹部に摺動自在に収容される球状の端子部と、
前記補助付勢部材が着座する着座部と、を有し、
前記当接部と前記支持部とは、前記凹部と前記端子部とによって構成されるボールジョイント構造によって、互いに一体的に連結されることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。 - 前記付勢機構は、前記収容孔の開口を塞ぐキャップ部材をさらに有し、
前記案内部は、前記支持部が摺動する摺動孔を有して前記キャップ部材に形成される円筒部であり、
前記付勢部材の一端部は、前記キャップ部材に着座すると共に前記円筒部によって内周が支持されることを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018218162A JP2020082943A (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | ステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018218162A JP2020082943A (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | ステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020082943A true JP2020082943A (ja) | 2020-06-04 |
Family
ID=70905854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018218162A Pending JP2020082943A (ja) | 2018-11-21 | 2018-11-21 | ステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020082943A (ja) |
-
2018
- 2018-11-21 JP JP2018218162A patent/JP2020082943A/ja active Pending
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