JP5251012B2 - 湯水噴出空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、温水または水である湯水を噴出して、浴室やシャワー室等の室内の加湿暖房を行う湯水噴出空調システムに関する。
従来より、温水をミストとして浴室内へ噴出する湯水噴出装置と、浴室内の暖房を行う空調装置とを備えたミストサウナ装置等と称される装置が提案されている。一般的なミストサウナ装置では、ミストを噴霧するノズルはノズルユニット本体に固定されて取り付けられる。そのため、ミストの噴霧方向を変える場合には、空調装置に設けられたルーバの方向を調節して温風の風向きを変えることにより、ミストの噴霧方向を調節している。
しかし、この従来のミストサウナ装置では、ミストの噴出方向が、湯水噴出装置と一定の距離を隔てた位置に設置された空調装置からの温風によって間接的に調節されることになるので、ミストの噴霧方向を正確に制御できなかった。そのため、浴室内におけるミストを噴出したい(浴びる)領域とミストを噴出したくない(浴びない)領域とを正確に切り換えられないという問題がある。
そこで、ミストの噴霧方向を正確に制御するようにした湯水噴出装置が提案されている(特許文献1参照)。この湯水噴出装置は、装置本体部の本体ケーシング内に設けられた温風手段と、装置本体部の側面部に設けられた噴出手段とを備えており、噴出手段の周辺に温風手段を配設することで、通風手段から吹き出される温風により、湯水噴出手段から噴出されるミストの通風方向を一定の方向に調整するものである。
特開2002−336155号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載される湯水噴出装置では、温風手段は、噴出手段の周辺に配設されているものの、装置本体部の本体ケーシングの内部と外部とで一定の距離を有して配設されており、正確にミストの噴出方向を制御することができないという問題がある。すなわち、温風手段から吹き出される温風と当たる(接触する)まで一定の距離があるため、噴出手段から噴出されるミストが温風に当たるまでの間に飛散してしまい、浴室内の噴出したくない領域に噴霧されてしまう場合がある。
また、温風手段と噴出手段とは離間した位置にそれぞれ独立に設置されるため、湯水噴出装置内部にそれぞれを設置するためのスペースを確保しなければならず、湯水噴出装置全体の小型化を図ることができないという問題がある。
本願発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、湯水の噴出方向を正確に制御すると共に、装置全体の小型化を図った湯水噴出空調システムを提供することにある。
本願発明に係る湯水噴出空調システムは、上記課題を解決するために、給水源から供給される温水または水である湯水を噴出するノズルと、室内に空気を吹き出す吹出部と、空気を通過させる開口部が形成された湾曲形状からなる本体と前記本体の前記開口部に形成された複数の羽板とを有し、前記吹出部に回動可能に設けられ、前記吹出部から吹き出される前記空気の流れる方向を制御する風向切換部と、前記風向切換部に設けられ、前記ノズルの先端部を収容するノズル収容部とを備え、前記ノズルおよび前記風向切換部のそれぞれは前記吹出部に設けられ、前記ノズルから前記室内に噴出される前記湯水の噴出方向は、前記風向切換部と連動して制御されることを特徴とするものである。
また、湯水噴出空調システムは、同一の吹出部から、ノズルからの湯水を室内に噴出すると共に風向切換部からの空気(温風)を室内に吹き出すものである。
本願発明では、ノズルおよび風向切換部のそれぞれは吹出部に設けられるため、湯水が飛散等する前の段階において風向切換部からの空気に当たることになるので、ノズルから噴出される湯水は風向切換部から吹き出される空気の流れに乗って、空気の流れ方向と同一方向に誘導される。なお、本願発明において湯水とはお湯または水を含むものである。
また本願発明の湯水噴出空調システムは、前記ノズルおよび前記風向切換部の少なくとも一方を回動可能に駆動させる駆動手段と、前記ノズルと前記風向切換部とを連結する連結手段とをさらに備え、前記ノズルおよび前記風向切換部は、前記連結手段を介して一体化されて構成され、前記駆動手段は、前記ノズルおよび前記風向切換部の少なくとも一方を回動させることで、前記ノズルおよび前記風向切換部を連動させて回動させることを特徴とするものである。
ノズルと風向切換部とを連結手段を介して一体化して構成するため、常に、湯水の噴出方向と風向切換部から吹き出す空気の風向とを同一とすることができる。また、ノズルおよび風向切換部の一方を駆動させることにより、ノズルの噴出方向と風向切換部の吹き出し方向との双方を制御できる。
また本願発明の湯水噴出空調システムは、前記ノズルを回動可能に駆動させる第1の駆動手段と、前記風向切換部を回動可能に駆動させる第2の駆動手段とをさらに備え、前記第1および第2の駆動手段の少なくとも一方は、前記ノズルおよび前記風向切換部の少なくとも一方を回動させることで、前記ノズルおよび前記風向切換部のそれぞれを独立して回動させることも好ましい。
このように、風向切換部とノズルを独立に回動させた場合でも、ノズルの噴出方向と、風向切換部の吹き出し方向とを同一方向とすることで、ノズルから噴出される湯水の噴出方向を制御できる。
本願発明によれば、ノズルおよび風向切換部を吹出部にそれぞれ設けるため、ノズルから噴出される湯水の流れ方向を正確に制御することができ、湯水の噴出領域と非噴出領域とを明確に切り換えることができる。
また、本願発明によれば、ノズルおよび風向切換部を連結手段を介して一体的に構成するため、ノズルおよび風向切換部を別々に設置する場合と比較して省スペース化を図ることができ、湯水噴出空調装置全体の小型化を図ることができる。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照して説明する。
<湯水噴出空調システム>
図1(A)は本発明の一実施形態に係る湯水噴出空調システム1Aの構成を示す図であり、図1(B)はその変形例を示す。この湯水噴出空調システム1Aは、図1(A)に示すように、霧状にした温水(ミスト)を温風に乗せて噴霧するミストサウナ装置7と、ミストサウナ装置7および浴室101等に温水を給湯する給湯装置4とを備えている。
ミストサウナ装置7は、浴室101内に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房、換気等を行う浴室空調装置(空調装置)3とを有する。ミスト発生装置2および浴室空調装置3はそれぞれ浴室101の天井に配設され、また給湯装置4は、屋外に配置されている。なお、ミスト発生装置2と浴室空調装置3とは、図1(B)に示すように、一体化した構成としても良く、浴室空調装置3内部にミスト発生装置2を内蔵させても良い。
ミスト発生装置2は、このミスト発生装置2で使用する温水として給湯装置4より排出される温水が利用される。またミスト発生装置2は、電磁弁ユニット2Bと、この電磁弁ユニット2Bを駆動する電源部ユニット2Cと、ミストを噴出するノズルを備えたノズルユニット2Aとから構成される。電磁弁ユニット2Bは、浴室101の天井裏に設置される。
電磁弁ユニット2Bには、給湯装置4から排出される温水の供給を受けるための給水配管15aと、ノズルユニット2Aに温水を供給するためのノズル配管15bと、温水を排水するためのドレン配管15cとが接続されている。
浴室空調装置3は、その熱源として当該浴室空調装置3に内蔵した電気ヒータが利用される。浴室空調装置3の側面部には排気ダクト9が連結され、屋外に貫通した排気ダクト9の先端部には排気グリル9aが連結される。
ミスト発生装置2および浴室空調装置3は、ミスト操作部5あるいは主操作部6で操作により選択された運転モードに応じて、浴室空調装置3単独あるいはミスト発生装置2と浴室空調装置3を連動させた制御を行う。
主操作部6は、浴室空調装置3に内蔵された制御部8に電気ケーブル6aで接続されたリモートコントロール装置である。この主操作部6は、洗面脱衣所105の壁に取り付けられている。ミスト操作部5は、電源部ユニット2Cに内蔵された制御部(図1には図示せず)に電気ケーブル5aで接続されたリモートコントロール装置である。このミスト操作部5は、浴室101の壁に取り付けられている。
<ミストサウナ装置>
次に、ミストサウナ装置7の構成について説明する。図2は、ミストサウナ装置の構成を示す断面図である。図3(A)はミストサウナ装置7の構成を示す側断面図であり、図3(B)はミストノズル11とノズル駆動モータ100との接続部を示す拡大図である。図4は、ミストサウナ装置の構成を示す分解斜視図である。
<浴室空調装置>
まず、ミストサウナ装置7を構成する浴室空調装置3について説明する。
浴室空調装置3は、図2に示すように、ファン部32と、熱源としてのヒータ部33とを備える。ファン部32は、本体ケース34に取り付けられている。ファン部32は、回転駆動される多翼のファン35と、このファン35を回転駆動するファンモータ36と、このファンモータ36が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース37とを備えている。
ファン35は縦向きに配置されている。ファンケース37のファン35の軸方向に沿った下面が開口し、吸込口(吸込部)38とされている。また、ファンケース37のファン35の軸方向とは直交する方向に沿った一の側面が開口し、この開口部に風路切換部39が備えられている。
風路切換部39は風路を切り換えるダンパ40を備える。ダンパ40は後述するダンパモータの駆動力がカム40aを介して伝達され、軸40bを支点に回転して開閉動作を行う。ファンケース37は、風路切換部39と連通して下面に吹出口(吹出部)41を備えると共に、風路切換部39と連通して一の側面に排気口42を備えている。この場合、ダンパ40の位置によって、吸込口38から吹出口41へ連通した風路、あるいは吸込口38から排気口42へ連通した風路が形成される。
ここで、図2において、ダンパ40を全閉にしたときのダンパ40の位置を循環位置Aとする。ダンパ40を全閉にすると、排気口42への風路が遮断され、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aが形成される。
また、図2において、ダンパ40を全開にしたときのダンパ40の位置を換気位置Bとする。ダンパ40を全開にすると、吹出口41への風路が遮断され、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bが形成される。
さらに、図2においてダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にしたときのダンパ40の位置を循環換気位置Cとする。ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aと、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bの双方が形成される。
ファンケース37は、ヒータ部33の上流側にイオン発生器44を備える。これにより、ファン部32の運転と連動させて略同数の正イオンと負イオンを発生させ、略同数の正イオンと負イオンを含む空気を送風することで、循環する空気に含まれる浮遊細菌と、図1に示す浴室101の空気中の浮遊細菌の双方を不活化して、カビの発生等を抑えることができる。
ヒータ部33は、例えば電気ヒータで構成され、上述した吹出口41に備えられる。ダンパ40の位置を循環位置Aにし、ファンモータ36によりファン35を回転駆動すると、空気が吸込口38から吸い込まれ、循環風路43aを通り吹出口41から吹き出す。ヒータ部33に通電すると、ヒータ部33が加熱することで吹出口41を通る空気が温められ、温風が吹出口41から吹き出す。ここで、ヒータ部33としては例えばPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを使用できる。
ファンケース37の吸込口38に対応した部分に、温度検出センサ69が取り付けられている。この温度検出センサ69は、浴室101の温度を検出するためのものである。
本体ケース34は、図2に示すように、下面が開口し、ファン部32の吸込口38と吹出口41が露出するようにされている。この本体ケース34の下面開口部に、フロントパネル26が取り付けられる。
フロントパネル26は、本体ケース34に着脱できるように構成されている。このフロントパネル26は、ファン部32の吸込口38と対向した位置に吸込グリル45を備えると共に、ファン部32の吹出口41および後述するノズルユニット2Aと対向した位置に吹出グリル46を備える。なお、フロントパネル26の吸込グリル45の裏側に、図示しないフィルタを交換可能に取り付けても良い。
<ミスト発生装置>
次に、ミスト発生装置2の構成について説明する。ミスト発生装置2は、上述したように、ノズルユニット2Aと、電磁弁ユニット2Bと、電源部ユニット2Cとから構成される。
図5は、ノズルユニット2Aの構成を示す図である。図6は、ノズルユニット2Aの構成を示す分解斜視図である。
ノズルユニット2Aは、図2〜図6に示すように、浴室空調装置3の内部の吹出口41に回動可能に取り付けられており、ノズル配管15bに連結された供給配管12と、給湯装置4から電磁弁ユニット2Bを介して供給された湯水を霧状にして浴室101内に噴出するミストノズル11と、ミストノズル11から噴出されるミストやファン部32から吹き出される温風等の風向きを調整するルーバ106とを有する。
浴室空調装置3の吹出口41の上方側の両側壁部には軸受け部118が設けられており、水平方向に延びる供給配管12の両端部がこれらの軸受け部118によって回動可能に軸支(係合)される。
ミストノズル11は、ファンケース37の下面に形成された吹出口41に設けられ、供給配管12の下部に固着されたノズル本体11aと、ノズル本体11aの先端部に設けられたノズル吹出部11bとを有する。本例ではノズル本体11aは、略直方体状をなし、供給配管12の長手方向に沿って3個のノズル本体11aが等間隔に取り付けられる。このように、ミストノズル11は、供給配管12を軸として本体ケース34に回動可能に取り付けられる。
また、ミストノズル11は、第1のギア102および第2のギア103を介してミストノズル11を回動させるためのノズル駆動モータ100を有する。ノズル駆動モータ100は、駆動手段の一例であり、浴室空調装置3の軸受け部118の上方の側壁部に設けられたモータ収容部104内に設置される。第1のギア102は、図3(B)に示すように、略扇状をなし、ミストノズル11および供給配管12に固着されている。一方、第2のギア103は、平面視円形状をなし、ノズル駆動モータ100の回動軸100aの先端部に第1のギア102と噛み合うようにして取り付けられる。これにより、ノズル駆動モータ100を駆動させることで第1および第2のギア102,103を介してミストノズル11が所定方向に回動するようになっている。
ルーバ106は、風向切換部の一例であり、ファンケース37の下面に形成された吹出口41に回動可能に取り付けられる。このルーバ106は、温風を浴室101内に通過させる開口部112が形成された弓なり状に湾曲したルーバ本体113と、この開口部112に格子状に形成された複数の羽板(整流板)114とを有する。本例では、羽板114によって区画された開口部が空気の通過する通過孔となる。
ルーバ本体113および羽板114には、ノズル吹出部11bを収容するためのノズル収容部108が設けられる。ノズル収容部108は、浴室101側および浴室空調装置3側の両端側が開口された円筒形状であって、その開口形状は少なくともノズル吹出部11bの外形よりも大きく選定されると共に、その内径はミストノズル11のノズル本体11aの径と略同一となるように選定される。本例ではノズル収容部108は、ルーバ106の長手方向のそれぞれの両端部と中央部の3箇所に等間隔で設けられる。
またルーバ106は、ミストノズル11の先端部を所定位置に固定するための一対の固定部材110を有する。一対の固定部材110は、連結手段の一例であって、ノズル収容部108の上端面から上方に延びる平板部材により構成され、ノズル収容部108の上端面の周方向の対向した位置にそれぞれ設けられる。一対の固定部材110の間隔は、ノズル本体11aの径と略同一に選定される。これにより、ミストノズル11のノズル本体11aを一対の固定部材110間に装着させることで、ノズル本体11aの両側面が一対の固定部材110によって狭持された状態でルーバ106に固定される。つまり、ミストノズル11は、弓なり状に湾曲したルーバ本体113の裏面側の空間部に取り付け、固定される。このように、本例では、ミストノズル11とルーバ106とが固定部材110を介して一体的に構成され、ミストノズル11を回動させたときに、これに連動してルーバ106も回動するようになっている。
次に、ノズルユニット2Aの動作について説明する。図7(A)および図7(B)はノズルユニット2Aの動作を示す図である。
図7(A)に示すように、ノズル駆動モータ100の駆動により、第2のギア103が時計周りAに回動すると、第1のギア102が反時計周りBに回動する。一体形成されたミストノズル11およびルーバ106は第1のギア102に固着されているため、第1のギア102の回動に伴って反時計周りCに回動する。
一方、図7(B)に示すように、ノズル駆動モータ100の駆動を反転させて、第2のギア103が反時計周りDに回動させると、第1のギア102は時計周りEに回動する。ミストノズル11およびルーバ106も第1のギア102の回動に伴って時計周りFに回動する。
このように、ミストノズル11およびルーバ106を一体的に構成することで、ミストノズル11およびルーバ106が一体で動作することになるため、ミストノズル11からのミストМの噴出方向とルーバ106から吹き出される温風HAの風向(羽板114の平面方向)とは常に同一方向となる。これにより、ミストMを温風HAの流れに乗せることができ、ミストMの流れ方向を正確に制御できる。
次に、電磁弁ユニット2Bについて説明する。図8は、電磁弁ユニット2Bの構成を示す図である。
電磁弁ユニット2Bは、図8に示すように、給湯装置4(図1参照)から延びる給水配管15aが接続される給湯配管接続部16aと、ノズルユニット2Aに延びるノズル配管15bが接続される供給配管接続部16bと、ドレン配管15cが接続されるドレン配管接続部16cを備える。
電磁弁ユニット2Bは、給湯配管接続部16aと供給配管接続部16bとの間が供給配管17で接続され、給湯装置4とノズルユニット2Aとの間を接続している。また、電磁弁ユニット2Bは、供給配管17から分岐した排水配管18がドレン配管接続部16cと接続され、給湯装置4とドレン配管15cとの間を接続している。
電磁弁ユニット2Bは、排水配管18との分岐部17aより上流側の供給配管17に、給湯の有無を切り替える電磁弁19aを備えると共に、分岐部17aより下流側の供給配管17に、温水または水の供給先をノズルユニット2Aに切り替える電磁弁19bを備える。
さらに、電磁弁ユニット2Bは、温水または水の供給先をドレン配管15cに切り替える電磁弁19cを、排水配管18に備える。
また、電磁弁ユニット2Bは、電磁弁19aと分岐部17aとの間の供給配管17に、供給配管17を流れる温水または水の温度を検出する水温検出センサ20を備える。
ここで、供給配管17に設ける電磁弁19aおよび電磁弁19bの設置高さより、排水配管18に設ける電磁弁19cの設置高さが低くなるように、供給配管17と排水配管18の流路を構成することで、流路中に残水が滞留しないようにしている。
図9および図10は、電磁弁ユニット2Bの動作を示す図である。ミスト噴出時は、図9(A)に示すように、電磁弁19aと電磁弁19bは開き、電磁弁19cは閉じる。これにより、図1に示す給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管17を流れてノズルユニット2Aに供給され、ノズルユニット2AでミストMが噴出される。
排水時は、図9(B)に示すように、電磁弁19aと電磁弁19cは開き、電磁弁19bは閉じる。これにより、給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管17および排水配管18を流れてドレン配管15cから排水(EW)される。
排水の停止時は、まず、図10(A)に示すように、電磁弁19cは開けた状態で、電磁弁19aを閉じた後、電磁弁19bを開ける。これにより、供給配管17のノズルユニット2Aと接続された側が大気に開放された状態となるので、供給配管17内の残水RWが排水配管18へと流れてドレン配管15cから排水される。
そして、残水RWの排水に要する時間に応じて設定された所定時間経過後、図10(B)に示すように、電磁弁19a、電磁弁19bおよび電磁弁19cの全てを閉じることで、電磁弁19aより下流側の流路に残水を滞留させない状態とすることができる。
図11はミスト操作部5の一例を示す構成図である。ミスト操作部5は、運転モードを選択する操作ボタンとして、ミストモードの運転および運転停止を選択するミスト運転選択ボタン71を備える。また、暖房運転モードの開始および運転停止と、暖房の強弱を選択する暖房運転選択ボタン72を備える。さらに、ミスト操作部5は、ミストモードの運転時に、ミストの噴出方向および温風の風向を調節するためのノズル/ルーバボタン73を備える。
また、ミスト操作部5は、ミスト発生装置2および浴室空調装置3の運転状態と、浴室101内の状態等を入浴者等に報知する報知手段として、ミスト運転選択ボタン71と対応させたミスト運転ランプ75を備える。また、全ての制御を停止させる停止ボタン74を備える。
また、暖房運転選択ボタン72と対応させた暖房運転ランプ76を備える。暖房運転ランプ76は、選択できる暖房の強弱の度合に応じて、例えば、強暖房運転ランプ76aと、弱暖房運転ランプ76bを備える。さらに、浴室空調システム1Aの何れかで障害が生じた場合にこれを報知するエラーランプ77を備える。
図12は主操作部6の一例を示す構成図である。主操作部6は、運転モードを選択する操作ボタンとして、浴室空調装置3単体での暖房運転モードの開始および運転停止と、ミスト発生装置2を連動させたミストモードの運転および運転停止を選択する暖房運転選択ボタン81を備える。また、換気運転モードの開始および運転停止を選択する換気運転選択ボタン82と、乾燥運転モードの開始および運転停止を選択する乾燥運転選択ボタン83と、涼風運転モードの開始および運転停止を選択する涼風運転選択ボタン84を備える。さらに、所定の換気風量で常時換気を行う24時間換気運転モードを選択する24時間換気運転選択ボタン85と、全ての制御を停止させる停止ボタン86を備える。そして、上述した各モードの運転時に、温風等の風向を調節するためのノズル/ルーバボタン87を備える。
また、主操作部6は、各操作ボタンで選択された運転モードおよび各運転モードで設定される風量、さらに、浴室101内の状態等を入浴者等に報知する報知手段として、暖房運転選択ボタン81と対応させたミスト運転ランプ81aと、選択できる暖房の強弱の度合に応じて、例えば強暖房運転ランプ81bと弱暖房運転ランプ81cを備える。
また、換気運転選択ボタン82と対応させた換気運転ランプ82aと、乾燥運転選択ボタン83と対応させた乾燥運転ランプ83aと、涼風運転選択ボタン84と対応させた涼風運転ランプ84aと、24時間換気運転選択ボタン85と対応させた24時間換気運転ランプ85aと、イオン運転ランプ88を備える。
なお、各運転モードで風量等が選択できる場合は、選択できる風量の強弱等に応じて、各操作ボタンに対応させて複数の運転ランプを備える。さらに、主操作部6は、現在時刻等が表示される表示部89を備える。
なお、ミスト操作部5の暖房運転選択ボタン72で選択できる暖房の強弱は、「強」、「弱」の2段階でなく、「強」、「中」、「弱」といった3段階でも良く、それ以上の段階であっても良い。
また、選択できる暖房の強弱に応じて、暖房運転ランプ76として、例えば中暖房運転ランプを備えても良い。
同様に、主操作部6の暖房運転選択ボタン81で選択できる暖房の強弱も、「強」、「中」、「弱」といった3段階でも良く、それ以上の段階であっても良い。また、選択できる暖房の強弱に応じて、暖房運転ランプとして、例えば中暖房運転ランプを備えても良い。
なお、暖房運転の強弱の切り替えは、例えばファン風量を切り替えることで行っているが、ファン風量の切り替えだけでなく、ヒータ部33におけるヒータの発熱量およびヒータの通電時間や、ヒータ通電を入切する温度を変更するようにしたものであっても良い。
<浴室空調装置およびミスト発生装置の制御系>
図13は、浴室空調装置3およびミスト発生装置2の制御系の構成を示している。
浴室空調装置3は、CPU(Central Processing Unit)を有する制御部8を備えている。上述した主操作部6は、電気ケーブル6aを介して、この浴室空調装置3の制御部8に接続されている。この制御部8には、上述したように、吸込口38に対応して取り付けられた、浴室101内の温度を検出するための温度検出センサ69が接続される。また、この制御部8には、浴室照明スイッチ69Bから、このスイッチがオンされたか否かを示す信号が供給される。この制御部8から、ファンモータ36、ダンパモータ40c、ヒータ部33およびイオン発生器44に、動作を制御するための制御信号が供給される。
また、電源部ユニット2Cは、電源部2Baと、電磁弁駆動部2Bbと、CPUを有する制御部2Bcとを備えている。電源部2Baは、家庭用交流電源、例えばAC100Vから、電磁弁を駆動するために使用する24Vの直流電圧、さらにはノズル駆動モータ100を駆動するための直流電圧等を生成する。
電磁弁駆動部2Bbは、制御部2Bcによる制御の下、電源部2Baで生成される24Vの直流電圧を用いて、電磁弁ユニット2Bを構成する電磁弁19a,19b,19cを駆動する。この場合、電磁弁19a,19b,19cは、それぞれ、24Vの直流電圧が印加されることで開状態とされる。
制御部2Bcには、上述したように、電磁弁ユニット2Bに取り付けられた温度検出センサ20が接続される。上述したミスト操作部5は、電気ケーブル5aを介して、この電源部ユニット2Cの制御部2Bcに接続されている。
また、制御部2Bcにはミストノズル11を回動駆動するためのノズル駆動モータ100が接続される。ノズル駆動モータ100は制御部2Bcから供給される直流電圧(駆動信号)に基づいてミストノズル11を所定方向に回動させてミストの噴霧方向および送風方向を制御する。
また、浴室空調装置3の制御部8と電源部ユニット2Cの制御部2Bcとは互いに接続され、浴室空調装置3とミスト発生装置2との連係動作が可能となされている。なお、ノズル駆動モータ100は、浴室空調装置3の制御部8により制御を行っても良い。
次に、湯水噴出空調システム1Aの動作について説明する。
ユーザによってミスト操作部5のミスト運転選択ボタン71が押されると、ミスト運転モードが開始される。ミスト運転モードでは、浴室空調装置3のヒータ部33に通電され、このヒータ部33が加熱される。また、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。ファン35の回転により、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り、ヒータ部33で暖められて、吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
また、ミスト運転モードでは、電磁弁ユニット2Bの排水処理が所定時間行われる(図9および図10参照)。排水処理の後、電磁弁ユニット2B内に配設された温度検出センサ20の検出出力に基づいて、給水配管15aを介して電磁弁ユニット2Bに供給される温水の温度が所定値以上、例えば35゜以上となったか否か判定され、温度が所定値以上となった後にミスト発生処理が行われる(図8参照)。このように、電磁弁ユニット2Bに供給される温水の温度が所定値以上となった後にミスト発生処理が行われるようにすることで、浴室101中に存在する人が、ミストによって肌寒さを感じないようにされる。
ミスト発生処理では、給湯装置4から給水配管15aに供給される温水が、電磁弁ユニット2Bを介して供給配管12に供給される。これにより、供給配管12からノズルユニット2Aの各ミストノズル11に温水が供給され、浴室101内にミストとして噴出される。
このとき、ユーザによってミスト操作部5のノズル/ルーバボタン73または主操作部6のノズル/ルーバボタン87が押されると、一体化されたミストノズル11およびルーバ106は所定方向に回動する。ミストノズル11およびルーバ106の傾きは、例えば、ノズル/ルーバボタン73の押す時間に応じて自由に調節できる。ユーザによりノズル/ルーバボタン73が押されてミストノズル11およびルーバ106が浴槽101a側に向けられると、ミストMは温風HAに乗って浴槽101a側に噴出される。また、ノズル/ルーバボタン73が押されてミストノズル11およびルーバ106が洗い場101b側に向けられると、ミストMは洗い場101b側に切り換えられて噴出される。このように、本実施の形態では、ミストノズル11およびルーバ106を一体で同一方向に回動させることができるため、ミストMの噴出する領域を正確に切り換えることができ、入浴者が直接ミストを浴びるようにしたり、浴びないようにしたりできる。
そして、ユーザによって、ミスト操作部5の停止ボタン74または主操作部6の停止ボタン86が押されると、ミスト運転モードが停止し、一連の動作が終了する。
また、湯水噴出空調システム1Aは、さらに、浴室101から空気Aを吸い込み、温風HAあるいは送風として吹き出す暖房、涼風モードや浴室101から吸い込んだ空気Aを屋外へ排気する排気モードを備えている。
以上説明したように、本実施の形態では、ミストサウナ装置7のミストノズル11およびルーバ106が、浴室空調装置3の吹出口41に一体化されて設けられ、同一の吹出口41から同一方向に、ミストが噴出されると共にルーバ106からの温風HAが吹き出される。そのため、ミストノズル11から噴出されたミストMは、飛散等する前段階においてルーバ106からの空気に当たることになるので、ルーバ106から吹き出される温風HAの流れに乗って、ルーバ106により制御される温風HAの風向と同一方向に誘導される。
従って、本実施の形態によれば、ミストノズル11から噴出されるミストMの流れ方向を正確に制御することができ、ミストMの浴室101内における噴出領域と非噴出領域とを正確に切り換えることができる。
また、本実施の形態によれば、ミストノズル11およびルーバ106を固定部材110を介して一体的に構成するため、ミストノズル11およびルーバ106を省スペースで設置でき、ミストサウナ装置7全体の小型化を図ることができる。特に、本例では、湾曲したルーバ106の裏面側の空間部にミストノズル11を取り付けるため、より省スペース化を図ることができる。
さらに、本実施の形態では、ミストノズル11とルーバ106とを一体化することで、1個のノズル駆動モータ100によってミストノズル11およびルーバ106の双方を回動させることができ、それぞれに駆動源を設けた場合と比較して低コスト化を図ることができる。さらには、装置全体の部品数を削減することができ、構造の簡略化も図ることができる。
<ミストノズル/ルーバの固着防止の動作例>
長期間、ミスト運転を行わずにミストノズル11を回動させていない場合に、ちりやほこりがミストノズル11の回動軸等に付着したり、浴室101内には入浴により蒸気が充満するが、この蒸気には湯に溶けた入浴剤も含まれ、入浴剤を含む蒸気が浴室空調装置3に付着して乾燥すると、ちりやほこり、入浴剤などがミストノズル11の回動軸118(図3参照)等で固着してしまい、ミストノズル11が円滑に動作しないおそれがある。
そこで、本実施の形態では、上述した浴室空調装置3の内部に回動可能に取り付けられたミストノズル11およびルーバ106(ノズルユニット2A)を回動させることで、上述したミストノズル11の回動部等での固着防止を図る。以下に、ミストノズル11の固着を防止する浴室空調装置3の動作について説明する。
(定期的に固着防止運転する場合)
まず、毎日定期的な時刻にミストノズル11/ルーバ106をスイング動作させる場合について説明する。図14は、湯水噴出空調システム1Aの動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS10で、ユーザによってミストノズル11/ルーバ106のスイング動作を開始させる時刻が主操作部6から入力されると、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは入力されたタイマー設定時刻を制御部2Bcの内部に設けられたタイマーに設定(記憶)する(図13参照)。タイマー設定時刻は、主操作部6のアップダウンキー90によりユーザが任意に設定できる。本例では、タイマー設定時刻として、一般的なユーザの入浴時間帯を考慮し、例えば午前0時(AM12:00)にミストノズル11/ルーバ106がスイング動作するようにタイマー設定する。
ステップS20で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、現在時刻を検出(監視)し、タイマー設定時刻になったか否かを判断する。本例では、時刻が午前0時になったか否かを判断する。時刻が午前0時になったと判断したときにはステップS30に進む。一方、時刻が午前0時になっていないと判断したときには、再度現在時刻を検出する。
ステップS40で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、湯水噴出空調システム1Aの運転動作を検出し、ミスト、乾燥、涼風、暖房および換気の何れの運転も停止しているか否かを判断する。これらの運転中の場合には、ルーバ106が回動し、このルーバ106の回動に伴ってルーバ106と一体的に構成されたミストノズル11も回動するため、改めてミストノズル11をスイング運動させる必要がないためである。従って、24時間換気運転の場合にはミストノズル11は停止しているため除かれる。電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミスト運転等が停止されていると判断したときにはステップS50に進む。一方、ミスト運転等が停止されていない(運転中)であると判断したときには、ミスト運転等が停止されるまで運転状態の監視を行う。つまり、ミスト運転の停止時刻がタイマー設定時刻を経過したとしても、ミスト運転等が停止した後にミストノズル11/ルーバ106のスイング運動を行う。
ステップS50で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100に駆動信号(直流電圧)を供給してノズル駆動モータ100を駆動させ、ミストノズル11をスイング(回動)運転させる。これにより、ミストノズル11のスイングと共にルーバ106も同一方向にスイングする。
ステップS60で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミストノズル11のスイング時間が所定時間、例えば10秒経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS70に進み、所定時間経過していないと判断したときにはステップS60に戻り所定時間経過するまで待機する。
ステップS70で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100への駆動信号の供給を停止することで、ミストノズル11/ルーバ106のスイングを停止させて、ミストノズル11の固着防止の一連の動作が終了する。
(ミスト運転後に固着防止運転する場合)
次に、ミスト運転が一定時間行われてミスト運転が停止した後に、ミストノズル11/ルーバ106をスイング動作させる場合について説明する。図15は、湯水噴出空調システム1Aの動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS100で、ユーザによって、ミストノズル11/ルーバ106のスイングを開始させる時間が主操作部6から入力されると、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは入力されたタイマー設定時刻を制御部2Bcの内部に設けられたタイマーに設定(記憶)する(図13参照)。タイマー設定時間は、主操作部6のアップダウンキー90によりユーザが任意に設定できる。本例では、タイマー設定時間としては、例えば、ミスト運転の停止後、3時間経過した後にミストノズル11のスイング運転が開始するように設定する。これは、ミスト運転停止直後にミストノズル11をスイング運転させたのでは、入浴剤等がまだ濡れた状態で固着(乾燥)していないため、ミストノズル11をスイングさせても顕著な効果を得ることができないからである。従って、ミスト運転を停止して、付着物がミストノズル11の回動部等で乾燥して固着するまでの時間に設定することが好ましい。
ステップS110で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミスト運転が停止したか否かを判断する。例えば、ミスト操作部5から、ユーザによりミスト運転選択ボタン71が押されたときに生成される操作信号に基づいて判断する。ミスト運転が停止したと判断したときにはステップS120に進み、ミスト運転が停止したと判断されないときにはミスト運転の運転状態を監視する。
ステップS120で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、タイマー設定時間、例えば3時間経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS130に進み、所定時間経過していないと判断したときには所定時間経過するまで待機する。
ステップS130で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、浴室空調装置3の運転動作を検出し、ミスト、乾燥、涼風、暖房および換気の何れの運転も停止しているか否かを判断する。ステップS110においてミスト運転が停止した直後であっても、ユーザによって再度ミスト運転等が選択される場合があるためである。なお、24時間換気運転の場合については除かれる。電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミスト運転等が停止されていると判断したときにはステップS140に進む。一方、ミスト運転等が停止されていない(運転中)であると判断したときには、ミスト運転等が停止されるまで運転状態の監視を行う。
ステップS140で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100に駆動信号を供給してノズル駆動モータ100を駆動させ、ミストノズル11をスイング(回動)運転させる。これにより、ミストノズル11のスイングと共にルーバ106も同一方向にスイングする。
ステップS150で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミストノズル11のスイング時間が所定時間、例えば10秒経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS160に進み、所定時間経過していないと判断したときには所定時間経過するまで待機する。
ステップS160で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100への駆動信号の供給を停止することで、ミストノズル11のスイングを停止させて、ノズル固着防止モードの一連の動作が終了する。
(浴室乾燥運転後に固着防止運転する場合)
次に、ミスト運転→浴室洗浄運転→浴室乾燥運転の順番で運転を行い、浴室乾燥運転終了後に、ミストノズル11/ルーバ106をスイングさせる場合について説明する。図16は、湯水噴出空調システム1Aの動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS200で、ユーザによって、ミストノズル11のスイングを開始させる時間が主操作部6から入力されると、電源部ユニット2Cの制御部2Bcはその内部にタイマーに入力されたタイマー設定時間を設定(記憶)する(図13参照)。タイマー設定時間は、主操作部6のアップダウンキー90によりユーザが任意に設定できる。本例では、浴室乾燥後に固着防止運転が行われるため、ミストノズル11等に付着した付着物は乾燥運転により既に固着しているので、タイマー設定時間としては例えば10秒に設定する。
ステップS205では、ユーザにより、ミスト操作部5のミスト運転選択ボタン71が押されると、所定時間ミスト運転を行い停止された後、制御部8が例えば浴室照明スイッチ69Bがオフになったことを検出すると、浴室洗浄運転を行う。そして、浴室洗浄運転で例えば銀イオンなどの噴霧が所定時間行われた後、浴室乾燥運転が行われる。
ステップS210で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、浴室乾燥運転が停止したか否かを判断する。浴室乾燥運転が停止したと判断したときにはステップS220に進み、停止していないと判断したときには浴室乾燥装置が停止するまで監視を行う。
ステップS220で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、浴室乾燥運転の停止後から所定時間、例えば10秒経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS230に進み、所定時間経過していないと判断したときには所定時間経過するまで再度カウントを行う。
ステップS230で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、浴室空調装置3の運転動作を検出し、ミスト、乾燥、涼風、暖房および換気の何れの運転も停止しているか否かを判断する。なお、24時間換気運転の場合については除かれる。ミスト運転等が停止されていると判断したときにはステップS240に進む。一方、ミスト運転等が停止されていない(運転中)であると判断したときにはミスト運転等が停止されるまで監視を行う。
ステップS240で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100に駆動信号を供給してノズル駆動モータ100を駆動させ、ミストノズル11をスイング(回動)運転させる。これにより、ミストノズル11のスイングと共にルーバ106も同一方向にスイングする。
ステップS250で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミストノズル11のスイング時間が所定時間、例えば10秒経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS260に進み、所定時間経過していないと判断したときには所定時間経過するまで再度カウントを行う。
ステップS260で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100への駆動信号の供給を停止することで、ミストノズル11のスイングを停止させて、ノズル固着防止モードの一連の動作が終了する。
(各運転後に固着防止運転を行う場合)
次に、ミスト運転、乾燥運転、涼風運転、暖房運転および換気運転のそれぞれの運転開始直前に、ミストノズル11をスイング動作させる場合について説明する。図17は、湯水噴出空調システム1Aの動作例を示すフローチャートである。
まず、ステップS300で、ユーザによって、ミストノズル11のスイングを開始させる時間が主操作部6から入力されると、電源部ユニット2Cの制御部2Bcはその内部にタイマーに入力されたタイマー設定時間を設定(記憶)する(図13参照)。タイマー設定時間は、主操作部6のアップダウンキー90によりユーザが任意に設定できる。
ステップS305で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ユーザによって、主操作部6またはミスト操作部5のそれぞれに設けられた運転ボタンが押されたか否かを判断する。運転ボタンとしては、例えばミスト操作部5であればミスト運転選択ボタン71、暖房運転選択ボタン72であり、主操作部6であれば乾燥運転選択ボタン83、涼風運転選択ボタン84、暖房運転選択ボタン81または換気運転選択ボタン82である。何れかの運転ボタンが押されたと判断したときにはステップS310に進み、何れの運転ボタンも押されていないと判断したときには何れかの運転ボタンが押されるまで待機する。
ステップS310で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、何れかの運転ボタンが押下されたときから所定時間、例えば3秒経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS320に進み、所定時間経過していないと判断したときには戻り所定時間経過するまでカウントを行う。
ステップS320で、電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100に駆動信号を供給してノズル駆動モータ100を駆動させ、ミストノズル11をスイング(回動)運転させる。これにより、ミストノズル11のスイングと共にルーバ106も同一方向にスイングする。
ステップS330で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ミストノズル11のスイング時間が所定時間、例えば10秒経過したか否かを判断する。所定時間経過したと判断したときにはステップS340に進み、所定時間経過していないと判断したときには所定時間経過するまで再度カウントを行う。
ステップS340で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ノズル駆動モータ100への駆動信号の供給を停止することで、ミストノズル11のスイングを停止させて、ノズル固着防止モードの一連の動作が終了する。
ステップS350で電源部ユニット2Cの制御部2Bcは、ステップS305でユーザによって押された運転ボタンに対応した運転を開始することで、ノズル固着防止モードの一連の動作が終了する。
以上説明したように、ミストサウナ装置7に取り付けられたミストノズル11およびルーバ106(ノズルユニット2A)を上述した所定条件下においてスイング動作させることで、ミストノズル11の回動部の固着防止を図ることができ、ミストMの噴出方向を自由に調節できる。
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態につき、図面を参照して説明する。本実施の形態では、ミストノズル11およびルーバ106のそれぞれが独立に可動する点において上述した第1の実施の形態と異なる。なお、その他のミストサウナ装置7の構成は、上述した第1の実施の形態と同一であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図18は、本発明の一実施形態に係る湯水噴出空調システム1Aの構成を示す図である。図19は、ノズルユニット2Aの構成を示す図である。図20は、ノズルユニット2Aの構成を示す分解斜視図である。
ルーバ106は、ミストノズル11の少なくもノズル吹出部11bを浴室101側に露出させると共に、ルーバ106の湾曲面に沿うようにして回動させるための回動孔120を有する。本例では、回動孔120はルーバ106の長手方向のそれぞれの両端部と中央部との3箇所に形成され、回動孔120の短手方向はミストノズル11の径よりも若干大きく選定され、その長手方向はミストノズル11の回動範囲の距離(長さ)に応じて設定される。
ルーバ106の長手方向の両端部には、回動軸122a,122bが固定して取り付けられる。一方の回動軸122aはフロントパネル26と本体ケース34との間に設置されたルーバ駆動モータ116に回動可能に接続され、他方の回動軸122bは本体ケース34の側壁部34aに設けられた軸受け部によって回動可能に軸支される。これにより、ルーバ106をミストノズル11と独立して回動させることができる。
図21は、湯水噴出空調システム1Aの制御系の一例を示す機能ブロック図である
制御部2Bcには、ミストノズル11を駆動するためのノズル駆動モータ100が接続される。ノズル駆動モータ100は、第1の駆動手段の一例であり、第1制御部2Bcから供給される直流電圧(駆動信号)に基づいてミストノズル11を所定方向に回動させてミストの噴霧方向を制御する。
また、制御部2Bcには、ルーバを駆動するためのルーバ駆動モータ116が接続される。ルーバ駆動モータ116は、第2の駆動手段の一例であり、制御部2Bcから供給される直流電圧(駆動信号)に基づいてルーバ106を所定方向に回動させてミストMの噴霧方向および温風HAの風向を制御する。
このように、本実施の形態では、ルーバ106およびミストノズル11のそれぞれが独立して相対的に回動可能なように構成される。例えば、ルーバ106またはミストノズル11のみを回動させることもできるし、双方を同時に回動させることもできる。そのため、ミストノズル11とルーバ106(羽板)の向きを同一方向に設定することで、ミストノズル11の噴出方向とルーバ106から吹き出される温風HAの風向とを同一方向にでき、ミストMの噴出方向を正確に制御できる。
[第3の実施の形態]
以下、本発明の第3の実施の形態につき、図面を参照して説明する。本実施の形態では、ミストノズル11とルーバ106とを有するノズルユニット2Aが浴室空調装置3とは独立して浴室101の天井面に取り付けられる点において上述した第1および第2の実施の形態と異なる。なお、その他の湯水噴出空調システム1Aの構成は、上述した第1および第2の実施の形態と同一であるため、共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、ノズルユニット2Aは、ミストノズル11とルーバ106とが一体化された構成、あるいは独立した構成の何れの構成を採用しても良い。
図22は、本発明の一実施形態に係る湯水噴出空調システム1Aの構成を示す図である。この湯水噴出空調システム1Aは、ミストサウナ装置7と図示しない給湯装置4とを備えている。
ミストサウナ装置7は、浴室101内に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房、換気等を行う浴室空調装置3とを有する。ミスト発生装置2および浴室空調装置3のそれぞれは浴室101の天井に配設される。
浴室空調装置3は、吹出口41から吸い込んだ浴室101内の空気をノズルユニット2Aに温風HAとして供給するためのファン部32と、ヒータ部33とを少なくとも有している。
ミスト発生装置2を構成するノズルユニット2Aは、上述した第1および第2の実施の形態では浴室空調装置3に内蔵されていたが、本例ではノズルユニット2Aが浴室空調装置3と離間した、電磁弁ユニット2Bと浴室空調装置3との間に配設される。また、ノズルユニット2Aは、筐体の内部に収容された一体化あるいは独立して構成されたミストノズル11およびルーバ106等を有している。ミストノズル11には図示しない供給配管12を介してノズル配管15bが接続されている。
浴室空調装置3とノズルユニット2Aとは、ダクト管22を介して連結されており、浴室空調装置3からの温風HAがダクト管22を経由してノズルユニット2Aに供給される。ノズルユニット2Aでは、ダンパ52が実線位置に切り換えられると、浴室空調装置3からの温風HAが図示しないルーバを介して浴室101に供給され、ダンパ52が波線位置に切り換えられると、浴室101の空気がダクト9を介して外部に排気される。ダンパ52は、電源部ユニット2Cの制御部2Bcによって制御される。
次に、湯水噴出空調システム1Aの動作について説明する。
ミスト運転モードでは、浴室空調装置3の吸込口38からファン部32により吸い込まれた浴室101の空気が、ヒータ部33によって加熱され、温風HAとしてダクト管22を経由してノズルユニット2Aに供給される。ノズルユニット2Aでは、浴室空調装置3から供給された温風HAをルーバ106から浴室101に吹き出すと共に、図示しない給湯装置4(図1参照)から電磁弁ユニット2Bを介して供給された温水をミストノズル11から浴室101にミストMとして噴出する。ユーザは、ミスト操作部5でノズル/ルーバボタン73を押すことにより(図11参照)、ミストノズル11の噴出方向やルーバ106からの吹き出し方向を制御できる。このようにして、浴室101の加湿暖房が行われる。
本発明の一実施形態に係る湯水噴出空調システムの構成を示す図である。 ミストサウナ装置の構成を示す断面図である。 ミストサウナ装置の構成を示す側断面図である。 ミストサウナ装置の構成を示す分解斜視図である。 ノズルユニットの構成を示す図である。 ノズルユニットの構成を示す分解斜視図である。 ノズルユニットの動作を示す図である。 電磁弁ユニットの構成を示す図である。 電磁弁ユニットの動作を示す図である(その1)。 電磁弁ユニットの動作を示す図である(その2)。 ミスト操作部の構成を示す図である。 主操作部の一例を示す構成図である。 湯水噴出空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図である。 湯水噴出空調システムの動作例を示すフローチャートである(その1)。 湯水噴出空調システムの動作例を示すフローチャートである(その2)。 湯水噴出空調システムの動作例を示すフローチャートである(その2)。 湯水噴出空調システムの動作例を示すフローチャートである(その2)。 本発明の他の実施形態に係る湯水噴出空調システムの構成を示す図である。 ノズルユニットの構成を示す図である。 ノズルユニットの構成を示す分解斜視図である。 湯水噴出空調システムの制御系の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の他の実施形態に係る湯水噴出空調システムの構成を示す図である。
符号の説明
1A…湯水噴出空調システム、 2…ミスト発生装置、 2A…ノズルユニット、 2B…電磁弁ユニット、 2C…電源部ユニット、 3…浴室空調装置、 5…ミスト操作部、 6…主操作部、 7…ミストサウナ装置、 8…制御部、 M…ミスト、 11…ミストノズル、 15a…給水配管、 17…供給配管、 19a,19b,19c…電磁弁、 41…吹出口、 HA…温風、 101…浴室、 100…ノズル駆動モータ、 102…第1のギア、 103…第2のギア、 106…ルーバ、 108…ノズル収容部、 110…固定部材、 112…開口部、 113…ルーバ本体、 114…羽板、 116…ルーバ駆動モータ

Claims (4)

  1. 給水源から供給される温水または水である湯水を噴出するノズルと、
    室内に空気を吹き出す吹出部と、
    空気を通過させる開口部が形成された湾曲形状からなる本体と前記本体の前記開口部に形成された複数の羽板とを有し、前記吹出部に回動可能に設けられ、前記吹出部から吹き出される前記空気の流れる方向を制御する風向切換部と、
    前記風向切換部に設けられ、前記ノズルの先端部を収容するノズル収容部とを備え、
    前記ノズルおよび前記風向切換部のそれぞれは前記吹出部に設けられ、
    前記ノズルから前記室内に噴出される前記湯水の噴出方向は、前記風向切換部と連動して制御される
    ことを特徴とする湯水噴出空調システム。
  2. 前記ノズルは前記吹出部に回動可能に取り付けられ、
    前記ノズルおよび前記風向切換部の少なくとも一方を駆動させる駆動手段と、
    前記ノズルと前記風向切換部とを連結する連結手段とをさらに備え、
    前記ノズルおよび前記風向切換部は、前記連結手段を介して一体化されて構成され、
    前記駆動手段は、前記ノズルおよび前記風向切換部の少なくとも一方を回動させることで、前記ノズルおよび前記風向切換部を連動させて回動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の湯水噴出空調システム。
  3. 前記ノズルを回動可能に駆動させる第1の駆動手段と、
    前記風向切換部を回動可能に駆動させる第2の駆動手段とをさらに備え、
    前記第1および第2の駆動手段の少なくとも一方は、
    前記ノズルおよび前記風向切換部の少なくとも一方を回動させることで、前記ノズルおよび前記風向切換部のそれぞれを独立して回動させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の湯水噴出空調システム。
  4. 前記ノズル収容部は、前記風向切換部の湾曲面に沿うように設けられた孔であり、
    前記ノズルは、先端部が室側に露出するように前記孔に設けられ、前記孔に沿って回動する
    ことを特徴とする請求項3に記載の湯水噴出空調システム。
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