以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態について説明する。
<浴室システムの全体>
図1は、実施の形態としての浴室システムを示している。この浴室システム1は、霧状にした温水(ミスト)を浴室101内に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房、換気等を行う浴室空調装置3と、ミスト発生装置2、浴室101等に温水を給湯するヒートポンプ給湯装置4とを備えている。ミスト発生装置2および浴室空調装置3はそれぞれ浴室101の天井に配設され、またヒートポンプ給湯装置4は、屋外に配置されている。
ここで、ミスト発生装置2は温水噴出装置を構成しており、このミスト発生装置2で使用する温水としてヒートポンプ給湯装置4より排出される温水が利用される。浴室空調装置3の熱源として、当該浴室空調装置3に内蔵した電気ヒータが利用される。
ミスト発生装置2は、電磁弁ユニット2A、この電磁弁ユニット2Aを駆動する電源部ユニット2Bおよびミストを噴出するノズルを備えたノズルユニット2Cとからなっている。電磁弁ユニット2Aは、浴室101の天井裏に置かれるが、浴室101の天井に有する点検口101aの近傍に配設される。この電磁弁ユニット2Aには、後述するように銀イオンユニット(図1には図示せず)が含まれている。電磁弁ユニット2Aを点検口101aの近傍に配設することで、銀イオンユニットの交換を簡単に行うことができ、メンテナンスが容易となる。
電磁弁ユニット2Aには、ヒートポンプ給湯装置4から排出される温水の供給を受けるための給水配管2aと、ノズルユニット2Cに温水を供給するためのノズル配管2bと、温水を排水するためのドレン配管2cとが接続されている。ドレン配管2cの開放端は、浴槽101bの下面に配置されたドレンパン101cに対向するようにされている。ここで、給水配管2aは第1の温水路を構成し、ノズル配管2bは第2の温水路を構成し、ドレン配管2cは第3の温水路を構成している。
ミスト発生装置2および浴室空調装置3は、主操作部6およびミスト操作部7の操作に基づいて動作する。主操作部6は、浴室空調装置3に内蔵された制御部(図1には図示せず)に電気ケーブル6aで接続されたリモートコントロール装置である。この主操作部6(以下、「空調リモコン」という)は、洗面脱衣所102の壁に取り付けられている。ミスト操作部7は、電源部ユニット2Bに内蔵された制御部(図1には図示せず)に電気ケーブル7aで接続されたリモートコントロール装置である。このミスト操作部7(以下、「ミストリモコン」という)は、浴室101の壁に取り付けられている。
また、浴室101内、例えば浴室空調装置3のフロントパネル26に、人体検出センサ69Aが取り付けられている。この人体検出センサ69Aは、例えば赤外線センサを用いて構成されたものである(例えば特開平10−142351号公報参照)。
<電磁弁ユニット>
図2は、電磁弁ユニット2Aの構成を示している。この図2は、電磁弁ユニット2Aの筐体2A′の一側面を開放した状態を示している。
電磁弁ユニット2Aは、筐体2A′に、上述した給水配管2aを接続するための接続部2a′と、上述したノズル配管2bを接続するための接続部2b′と、上述したドレン配管2cを接続するための接続部2c′とが固定されている。
この電磁弁ユニット2Aの内部には、電磁弁2d,2e,2f、銀イオンユニット2gおよび温度検出センサ2hが配されている。ここで、電磁弁2e,2fは流路切替器を構成している。
ここで、銀イオンユニット2gは後述するように陽極側の銀電極から水中に銀イオンを溶出させるものであり、ある程度使用すると銀電極が小さくなって交換することが必要となる。したがって、この銀イオンユニット2gは、電磁弁ユニット2A内に交換可能に配されている。
接続部2a′に電磁弁2dの一端が接続され、この電磁弁2dの他端は配管2iを介して銀イオンユニット2gの入力端に接続されている。また、この銀イオンユニット2gの出力端は配管2jを介して電磁弁2eの一端に接続され、この電磁弁2eの他端は接続部2b′に接続されている。さらに、銀イオンユニット2gの出力端は配管2kを介して電磁弁2fの一端に接続され、この電磁弁2fの他端は接続部2c′に接続されている。温度検出センサ2hは、配管2hに取り付けられており、この配管2hを流れる水(温水)の温度を検出する。
銀イオンユニット2gは、金属イオン発生器を構成しており、配管2iからの水に抗菌作用のある銀イオンを溶出し、この銀イオンが溶出された水を配管2j,2kに供給する。この銀イオンユニット2gにおける基本的な構成は以下の通りである。すなわち、陰極側の電極と陽極側の銀からなる電極とが水に浸された状態で対向して配置され、これらの電極間に電圧が印加されることで、陽極側の電極から水中に銀イオンが溶出される。この場合、陽極側で、Ag→Ag++e-の反応が起こる。この銀イオンは、5ppb〜10ppb程度の濃度で強い抗菌の効果を示し、人体に対して影響のないことで知られている。
ここで、電極間に印加される電圧の値、あるいは電極間に間欠的に電圧を印加する場合の印加時間の割合を制御することで陽極側の電極から水中に溶出される銀イオンの量を制御できる。
図2に示す電磁弁ユニット2Aの動作を説明する。電磁弁2dが開くことで、給水配管2a(図1参照)からの温水が接続部2a′から電磁弁2dおよび配管2iを通じて銀イオンユニット2gに供給される。そして、電磁弁2eを開くことで、銀イオンユニット2gで銀イオンが溶出された温水が配管2j、電磁弁2eおよび接続部2b′を通じてノズル配管2b(図1参照)に供給される。また、電磁弁2eの代わりに電磁弁2fを開くことで、銀イオンユニット2gで銀イオンが溶出された温水が配管2k、電磁弁2fおよび接続部2c′を通じてドレン配管2c(図1参照)に供給される。
<ノズルユニット>
図3A〜Cは、ノズルユニット2Cの構成を示している。図3Aは、ノズルユニット2Cの正面図、図3Bはノズルユニット2Cの下側から見た平面図、図3Cはノズルユニット2Cの側面図を示している。
このノズルユニット2Cは、ミストを噴出するためのノズル2mを長手方向の下部に複数個、ここでは3個直列に配置しており、全体として直方体状の可動部2Caと、この可動部2Caの長手方向の両側にそれぞれ配置された固定部2Cb1,2Cb2とからなっている。固定部2Cb1,2Cb2は、浴室101の天井に固定され、可動部2Caを回動可能に軸支している。
固定部2Cb1は、図示せずも可動部2Caを回動駆動するための、モータ、減速機構等を備えた駆動機構を備えている。この駆動機構により、可動部2Caを回動させ、ノズル2mが所定方向に向くように制御することが可能となっている。
固定部2Cb2はノズル配管2b(図1参照)を接続するための接続部2nを備えている。この接続部2nにノズル配管2bから供給される温水は、図示しない固定部2Cb2内の配管および可動部2Ca内の配管を通じて各ノズル2mに供給され、ミストとして噴出される。
<浴室空調装置>
図4、図5は、浴室空調装置3の構成を示している。図4は、浴室空調装置3の内部構成を示す断面図であり、図5は浴室空調装置3の分解斜視図である。
浴室空調装置3は、ファン部32と、熱源としてのヒータ部33とを備える。ファン部32は、本体ケース34に取り付けられている。ファン部32は、回転駆動される多翼のファン35と、このファン35を回転駆動するファンモータ36と、このファンモータ36が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース37とを備えている。
ファン35は縦向きに配置されている。ファンケース37のファン35の軸方向に沿った下面が開口し、吸込口38とされている。また、ファンケース37のファン35の軸方向とは直交する方向に沿った一の側面が開口し、この開口部に風路切換部39が備えられている。
風路切換部39は風路を切り換えるダンパ40を備える。ダンパ40は後述するダンパモータの駆動力がカム40aを介して伝達され、軸40bを支点に回転して開閉動作を行う。ファンケース37は、風路切換部39と連通して下面に吹出口41を備えると共に、風路切換部39と連通して一の側面に排気口42を備えている。この場合、ダンパ40の位置によって、吸込口38から吹出口41へ連通した風路、あるいは吸込口38から排気口42へ連通した風路が形成される。
図6Aは、ダンパ40を全閉にした状態を示す。ダンパ40を全閉にすると、排気口42への風路が遮断され、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aが形成される。このため、ダンパ40が全閉となる位置をダンパ40の循環位置と称する。
図6Bは、ダンパ40を全開にした状態を示す。ダンパ40を全開にすると、吹出口41への風路が遮断され、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bが形成される。このため、ダンパ40が全開となる位置をダンパ40の換気位置と称する。
図6Cは、ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にした状態を示す。ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸気口38から吹出口41へ連通した循環風路43aと、吸気口38から排気口42へ連通した換気風路43bの双方が形成される。この中間位置を循環換気位置と称する。
ファンケース37は、ヒータ部33の上流側にイオン発生器44を備える。イオン発生器44はイオン発生手段の一例で、ダンパ40を循環位置あるいは循環換気位置とすることで形成される循環風路43aにイオン放出面が露出する。
イオン発生器44は、正イオンと負イオンの両方あるいは負イオンを発生する。正イオンと負イオンの発生の原理は、誘電体が介在するように対向させた一対の電極間に家庭用交流電源等から取った交流電圧を昇圧して印加することにより、コロナ放電を起こし、空気中の酸素ないしは水分が電離によりエネルギーを受けてイオン化し、H+(H2O)m(mは任意の自然数)と、O2 -(H2O)n(nは任意の自然数)が主体のイオンを放出するものである。
これらH+(H2O)mおよびO2 -(H2O)nは、浮遊菌の表面に付着し、化学反応して活性種であるH2O2または・OHを生成する。H2O2または・OHは、極めて強力な活性を示すため、これらにより、空気中の浮遊細菌を取り囲んで不活化することができる。ここで、・OHは活性種の1種であり、ラジカルのOHを示している。
これにより、ファン部32の運転と連動させて略同数の正イオンと負イオンを発生させ、略同数の正イオンと負イオンを含む空気を送風することで、循環する空気に含まれる浮遊細菌と、図1に示す浴室101の空気中の浮遊細菌の双方を不活化して、カビの発生等を抑えることができる。
ヒータ部33は電気ヒータで構成される加熱手段の一例で、上述した吹出口41に備えられる。図6Aに示すように、ダンパ40の位置を循環位置にし、ファンモータ36によりファン35を回転駆動すると、空気が吸込口38から吸い込まれ、循環風路43aを通り吹出口41から吹き出す。ヒータ部33に通電すると、ヒータ部33が加熱することで吹出口41を通る空気が温められ、温風が吹出口41から吹き出す。ここで、ヒータ部33としては例えばPTC(Positive Temperature Coefficient)ヒータを使用できる。
ファンケース37の吸込口38に対応した部分に、温度検出センサ69が取り付けられている。この温度検出センサ69は、浴室101の温度を検出するためのものである。
本体ケース34は、図5に示すように、下面が開口し、ファン部32の吸込口38と吹出口41が露出するようにされている。この本体ケース34の下面開口部に、フロントパネル26が取り付けられる。
フロントパネル26は、本体ケース34に着脱できるように構成されている。このフロントパネル26は、ファン部32の吸込口38と対向して吸込グリル45を備えると共に、ファン部32の吹出口41と対向して吹出グリル46を備える。また、フロントパネル26の吸込グリル45の裏側に、フィルタ47が交換可能に取り付けられる。
本体ケース34は、ファン部32の排気口42と連通する排気ダクト接続部48を一の側面に備える。この排気ダクト接続部48に、図1に示すように、排気ダクト8が接続される。
浴室空調装置3の動作を説明する。ファンモータ36が回転駆動されると、ファン部32のファン35が回転する。ファン35が回転すると、フロントパネル26の吸込グリル45を介して、ファン部32の吸込口38から浴室101の空気が吸い込まれる。
ダンパ40の位置が図6Aに示す循環位置にあると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
ヒータ部33は循環風路43aの吹出口41に配置されるので、ヒータ部33が駆動されることで、循環風路43aを通る空気は、このヒータ部33で温められて吹出グリル46から吹き出す。これにより、ダンパ40を循環位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内に温風を吹き出させることができる。
ダンパ40の位置が図6Bに示す換気位置にあると、ファン部32において吸込口38から排気口42への換気風路43bが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される。これにより、ダンパ40を換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
ダンパ40の位置が図6Cに示す循環換気位置にあると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される。
これにより、ダンパ40を循環換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33が非駆動の場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。また、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させてこの浴室101内に温風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
<ヒートポンプ給湯システム>
図7は、ヒートポンプ給湯装置4の構成を示している。このヒートポンプ給湯装置4は、図1に示すミスト発生装置2、浴室101、洗面脱衣所102等に温水を供給するヒートポンプ給湯器51Aと、ミスト発生装置2に供給する温水の温度および給湯圧を制御する温圧制御装置52Aとを備える。
ヒートポンプ給湯器51Aは、大気と冷媒との間の熱交換および冷媒と水との間の熱交換で温水を生成するヒートポンプユニット53と、ヒートポンプユニット53で生成された温水を貯水する貯湯タンクユニット54とを備える。
ヒートポンプユニット53は、大気と冷媒との間で熱交換を行って、冷媒の温度を上昇させる空気熱交換器55と、冷媒と水との間で熱交換を行って、水の温度を上昇させる水熱交換器56を備える。
また、ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55に大気を供給するファン55aと、空気熱交換器55と水熱交換器56との間を接続して、空気熱交換器55と水熱交換器56との間で冷媒を循環させる冷媒配管57を備える。
さらに、ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間で空気熱交換器55の下流側に、空気熱交換器55で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒を圧縮して、温度を更に上昇させる圧縮機58を備える。また、ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間で水熱交換器56の下流側に、水熱交換器56で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒を膨張させて、温度を低下させる膨張弁59を備える。
貯湯タンクユニット54は、ヒートポンプユニット53で生成された温水を貯水するタンク60を備える。タンク60は、下部側に水が供給されると共に、上部側に温水が供給されて、下部側に比べて上部側の温度が高くなる層化した状態で温水を貯水する。
ヒートポンプユニット53と貯湯タンクユニット54は、水熱交換器56とタンク60の間が温水配管61aおよび冷水配管61bで接続され、冷水配管61bにポンプ61cが備えられている。
温水配管61aは、水熱交換器56の流出側と、タンク60の上部側に設けられる流入口60aとの間を接続する。また、冷水配管61bは、水熱交換器56の流入側と、タンク60の下部側に設けられる流出口60bの間を接続する。
ポンプ61cは、冷水配管61bを介してタンク60の流出口60bから水を吸い込んで水熱交換器56に供給し、水熱交換器56を通過して生成された温水を、温水配管61aを介して流入口60aからタンク60に供給する。
また、タンク60に貯水された温水を取水する取水配管62と、タンク60に給水を行う給水配管63とが、それぞれ、タンク60に接続されている。取水配管62は、流入口60aと独立してタンク60の上部に設けられる高温部取水口60cと接続される高温部取水配管62aと、高温部取水口60cより下側に設けられる中温部取水口60dに接続される中温部取水配管62bを備えている。
また、取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bの合流箇所に切換弁62cを備え、タンク60における取水元が、高温部取水口60cか中温部取水口60dに切り替えられる。
給水配管63は、流出口60bと独立してタンク60の下部に設けられる給水口60eと接続されると共に、タンク60の手前で分岐した分岐給水配管63aを備える。
さらに、貯湯タンクユニット54は、取水配管62から供給される温水と、分岐給水配管63aから供給される水を混合させる給湯混合弁64を備える。給湯混合弁64は、取水配管62と分岐給水配管63aの合流箇所に備えられ、取水配管62から供給される温水と、分岐給水配管63aから供給される水の混合比を切り替えて、給湯配管65から供給される温水の温度を調整する。
給湯配管65は、図1に示す浴室101のシャワー101aや浴槽101b、洗面脱衣所102の蛇口102aおよび図示しない台所の蛇口等と接続され、温水を供給する。
また、浴室101に接続される給湯配管65からミスト給湯配管65aを分岐させ、ミスト給湯配管65aに温圧制御装置52Aが接続される。温圧制御装置52Aは、ヒートポンプ給湯器51Aから供給される温水の給湯圧を上昇させる加圧装置66と、給湯圧を上昇させた温水の温度を上昇させる加熱装置67を備える。
加圧装置66は、ミスト給湯配管65aに備えられる例えば加圧ポンプで、送水量を増加させる等によって給湯圧を上昇させる。加熱装置67は、例えばミスト給湯配管65aの周囲に配置される図示しない配管に温水を循環させて、ミスト給湯配管65aを流れる温水を加熱する温水循環型の加熱装置である。
また、温圧制御装置52Aは、ミスト給湯配管65aから供給される温水と、給水配管63から分岐したミスト給水配管63bから供給される水を混合させる混合弁68を備える。混合弁68は、加熱装置67の下流側のミスト給湯配管65aと、ミスト給水配管63bの合流箇所に備えられ、加熱装置67で温度を上昇させた温水と、ミスト給水配管63bから供給される水の混合比を切り替える。
ミスト発生装置2は、混合弁68の下流側に接続される。すなわち、ミスト発生装置2の電磁弁ユニット2Aは混合弁68の下流側の給水配管2aに接続される(図1参照)。加熱装置67で温度を上昇させた温水と、ミスト給水配管63bから供給される水の混合比が混合弁68で切り替えられることで、ミスト発生装置2に供給される温水の温度が調整される。
次に、ヒートポンプ給湯装置4の動作を説明する。
貯湯タンクユニット54のタンク60に、給水配管63から水が供給される。タンク60に供給された水は、冷水配管61bによりヒートポンプユニット53の水熱交換器56に供給される。
ヒートポンプユニット53では、ファン55aにより空気熱交換器55に大気が供給され、冷媒配管57を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、冷媒の温度が上昇する。空気熱交換器55で熱交換が行われた冷媒は、圧縮機58で圧縮されることで、温度がさらに上昇する。
そして、圧縮機58で圧縮されて温度を上昇させた冷媒は、水熱交換器56に供給される。これにより、水熱交換器56においては、大気との熱交換および圧縮により温度が上昇した冷媒と、貯湯タンクユニット54から供給された水との間で熱交換が行われ、温水が生成される。この水熱交換器56で熱交換された冷媒は、膨張弁59で膨張されて温度が低下し、再度空気熱交換器55に供給される。
また、水熱交換器56で熱交換されて生成された温水は、温水配管61aによりタンク60に戻される。これにより、タンク60は、上部側が温度が高く、下部側が温度の低い層化した状態で温水と水が貯水される。タンク60に貯水された温水は、取水配管62により取水される。ここで、切替弁62cにより、供給温水の温度が高い場合は高温部取水配管62aから温水が取られ、供給温水の温度が低い場合は中温部取水配管62bから温水を取られる。
取水配管62により取水された温水は、分岐給水配管63bから供給される水と給湯混合弁64で混合される。給湯混合弁64で温水と水の混合比を切り替えることで、給湯配管65から供給される温水の温度が調整される。そして、給湯配管65から供給される温水は、浴室101、洗面脱衣所102および台所103に分配される。
一方、給湯配管65から供給される温水は、温圧制御装置52Aで温度と給湯圧が制御されて、ミスト給湯配管65a(給水配管2a)によりミスト発生装置2に供給される。すなわち、温圧制御装置52Aは、ミスト給湯配管65aに供給された温水の給湯圧を加圧装置66で上昇させる。これにより、ヒートポンプ給湯器51Aから給湯される温水を、ミスト発生装置2でのミストの発生に適した給湯圧に上昇させる。
また、ミスト給湯配管65aに供給され、加圧装置66で給湯圧を上昇させた温水を、加熱装置67で加熱して温度を上昇させる。ヒートポンプ給湯器51Aから給湯される温水は、浴室101等で設定されている給湯温度に制限されるが、温圧制御装置52Aの加熱装置67で温度を上昇させることで、ヒートポンプ給湯器51A側での給湯温度の制限によらず、ミスト発生装置2に供給する温水の温度が制御される。
例えば、ヒートポンプ給湯器51Aから給湯される温水の給湯温度より、ミスト発生装置2に供給する温水の温度を上げることができる。また、ミスト給湯配管65aから給湯される温圧が制御された温水と、ミスト給水配管63bから供給される水を混合弁68で混合させることで、温水と水の混合比を切り替えて、ミスト発生装置2に給湯する温水の温度を制御できる。例えば、水のみを供給することも可能である。
なお、加圧装置66、加熱装置67、混合弁68を設けずに、ミスト給湯配管65aからの温水をそのままミスト発生装置2に供給するようにしてもよい。
<空調リモコン、ミストリモコン>
図8は、ミストリモコン(ミスト操作部)7の操作面を示している。
このミストリモコン7は、入浴ミストモードの運転および運転停止を選択する入浴ミストボタン7bと、銀イオンミストモードにするか否かを選択する銀イオンミストボタン7cとを備えている。これらのボタン7b,7cに対応して、それぞれのモードの選択時に発光制御されるLED(Light Emitting Diode)等の発光素子7b′,7c′が設けられている。
また、このミストリモコン7は、入浴ミストモードの運転を停止する運転停止ボタン7dと、電磁弁ユニット2A内に配設されている銀イオンユニット2gの交換時期を発光で知らせるLED等の発光素子7eと、その交換時期をブザー音で知らせるブザー7fとを備えている。この場合、発光素子7eは、銀イオンユニット2gの交換時期がくると連続発光あるいは点滅発光するように制御される。これに対して、ブザー7fは、例えば、銀イオンユニット2gの交換時期がきた後、銀イオンユニット2gから温水または水に銀イオンを溶出する運転モードが選択された場合にブザー音が出るように制御される。
図9は、空調リモコン(主操作部)6の操作面を示している。
この空調リモコン6は、入浴ミストモードの運転および運転停止を選択する入浴ミストボタン6bと、銀イオンミストモードにするか否かを選択する銀イオンミストボタン6cとを有している。入浴ミストボタン6b、銀イオンミストボタン6cは、それぞれ、上記したミストリモコン7の入浴ミストボタン7b、銀イオンミストボタン7cに対応したボタンである。これらのボタン6b,6cに対応して、それぞれのモードの選択時に発光制御されるLED(Light Emitting Diode)等の発光素子6b′,6c′が設けられている。
また、空調リモコン6は、衣類乾燥モードの運転および運転停止を選択する衣類乾燥ボタン6dと、涼風モードの運転および運転停止を選択する涼風ボタン6eと、暖房モードの運転および運転停止を選択する暖房ボタン6fと、標準換気モードの運転、浴室乾燥モードの運転およびそれらの運転停止を選択する換気ボタン6gとを備えている。これらのボタン6d〜6gに対応して、例えば運転時に発光制御されるLED等の発光素子6d′,6e′,6f′,6g1′,6g2′が設けられている。
また、空調リモコン6は、電磁弁ユニット2A内に配設されている銀イオンユニット2gの交換時期を発光で知らせるLED等の発光素子6hと、時刻、浴室温度、運転モード等を表示する例えばLCD(Liquid Crystal Display)等で構成される表示素子6iと、タイマーの時間設定等を行うためのアップダウンキー6jとを備えている。発光素子6hは、上述したミストリモコン7に備えられている発光素子7eに対応したものである。
<浴室空調装置およびミスト発生装置の制御系>
図10は、浴室空調装置3およびミスト発生装置2の制御系の構成を示している。
浴室空調装置3は、CPU(Central Processing Unit)を有する制御部5Aを備えている。上述した空調リモコン6は、電気ケーブル6aを介して、この浴室空調装置3の制御部5Aに接続されている。この制御部5Aには、上述したように、吸込口38に対応して取り付けられた、浴室101内の温度を検出するための温度検出センサ69が接続される。また、この制御部5Aには、上述したように、浴室空調装置3のフロントパネル26に取り付けられた人体検出センサ69Aが接続される。また、この制御部5Aには、浴室照明スイッチ69Bから、このスイッチがオンされたか否かを示す信号が供給される。この制御部5Aから、ファンモータ33、ダンパモータ40c、ヒータ部33およびイオン発生器44に、動作を制御するための制御信号が供給される。
また、電源部ユニット2Bは、電源部2Baと、電磁弁駆動部2Bbと、CPUを有する制御部2Bcとを備えている。電源部2Baは、家庭用交流電源、例えばAC100Vから、電磁弁を駆動するために使用する24Vの直流電圧、さらには銀イオンユニット2gに印加するための直流電圧、ノズルユニット2のモータを駆動するための直流電圧等を生成する。
電磁弁駆動部2Bbは、制御部2Bcによる制御の下、電源部2Baで生成される24Vの直流電圧を用いて、電磁弁ユニット2Aを構成する電磁弁2d,2e,2fを駆動する。この場合、電磁弁2d,2e,2fは、それぞれ、24Vの直流電圧が印加されることで開状態とされる。
制御部2Bcには、上述したように、電磁弁ユニット2Aに取り付けられた温度検出センサ2hが接続される。上述したミストリモコン7は、電気ケーブル7aを介して、この電源部ユニット2Bの制御部2Bcに接続されている。この制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbの動作を制御し、また電源部2Baで生成される直流電圧を用いて、銀イオンユニット2gの銀イオン発生の動作を制御する。さらに、この制御部2Bcは、ノズルユニット2のノズル2mの方向を制御する。
また、浴室空調装置3の制御部5Aと電源部ユニット2Bの制御部2Bcとは互いに接続され、浴室空調装置3とミスト発生装置2との連係動作が可能となされている。
<入浴ミスト(銀イオンミストオン)モードの動作>
ミストリモコン7で、銀イオンミストボタン7cが押されて銀イオンミストオンとされ、その後に入浴ミストボタン7bが押されて入浴ミストオンとされるとき、あるいは空調リモコン6で、銀イオンミストボタン6cが押されて銀イオンミストオンとされ、その後に入浴ミストボタン6bが押されて入浴ミストオンとされるとき、入浴ミスト(銀イオンミストオン)モードとなり、このモードの動作が開始される。
図11は、この入浴ミスト(銀イオンミストオン)モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST1では、銀イオンミストオンとされ、その後に入浴ミストオンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST2で、浴室空調装置3のヒータ部33に通電され、このヒータ部33が加熱される。また、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は全閉、つまり循環位置(図6A参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り、ヒータ部33で暖められて、吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
次に、ステップST3で、ノズルユニット2Cが制御され、ノズル2mが浴槽101b側に向くように回動される。これにより、人の頭にミストがかからないようにされる。
次に、ステップST4で、排水処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2d(電磁弁1)および電磁弁2f(電磁弁3)が開かれる(図2参照)。ヒートポンプ給湯装置4から給水配管2aで供給される温水は、電磁弁2d、銀イオンユニット2gおよび電磁弁2fを介して、ドレン配管2cに供給される(図1、図2参照)。
次に、ステップST5で、銀イオンユニット2gに通電され、この銀イオンユニット2gから温水に銀イオンが溶出される。この場合、銀イオン濃度は、印加電圧の値、あるいは間欠的に電圧を印加する場合の印加時間の割合を制御することで、高濃度、例えば300ppbに制御される。
これにより、ドレン配管2cに供給される温水は高濃度の銀イオンが含まれたものとなり、ドレン管2cやドレンパン101cの抗菌が行われ、これらにおけるカビ菌等の菌の繁殖が効果的に防止される。
次に、ステップST6で、電磁弁ユニット2A内に配設された温度検出センサ2hの検出出力に基づいて、給水配管2aを介して電磁弁ユニット2Aに供給される温水の温度が所定値以上、例えば35゜以上となったか否か判定される。温度が所定値以上となった後に、ステップST7に進む。
このステップST7では、ミスト発生処理が行われる。このように、電磁弁ユニット2Aに供給される温水の温度が所定値以上となった後にミスト発生処理が行われるようにすることで、浴室101中に存在する人が、ミストによって肌寒さを感じないようにされる。
この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2f(電磁弁3)は閉じられ、電磁弁2e(電磁弁2)が開かれる(図2参照)。この場合、ヒートポンプ給湯装置4から給水配管2aで供給される温水は、電磁弁2d、銀イオンユニット2gおよび電磁弁2eを介して、ノズル配管2bに供給される(図1、図2参照)。
そして、ステップST8で、銀イオンユニット2gの印加電圧の値等が変更され、この銀イオンユニット2gから温水に溶出される銀イオンの濃度が、人体に影響のない濃度で、かつ抗菌作用のある低濃度、例えば100ppbに制御される。
これにより、ノズル配管2bからノズルユニット2Cの各ノズル2mに温水が供給され、浴室101内にミストとして噴出される。そして、この温水には銀イオンが含まれているので、浴室101の内壁、床面、さらには浴室空調装置3の風路の抗菌が行われ、これらにおけるカビ菌等の菌の繁殖が効果的に防止される。
次に、ステップST9で、入浴ミストボタン7bまたは6bが押されて入浴ミストオフとなったか、あるいは運転停止ボタン7dが押されて停止が指示されたか否かが判定される。入浴ミストオフとなったか、あるいは停止が指示されたときは、ステップST10に進む。このステップST10では、浴室空調装置3の動作が停止される。すなわち、浴室空調装置3のヒータ部33およびファンモータ36への通電が止められる。
次に、ステップST11で、銀イオンユニット2gへの通電が止められ、銀イオンユニット2gから温水への銀イオンの溶出が停止される。そして、ステップST12で、水抜き処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2d(電磁弁1)が閉じられ、電磁弁2f(電磁弁3)が開かれる(図2参照)。これにより、ノズル配管2bに残っている温水は、電磁弁2eおよび2fを介して、ドレン配管2cに供給される(図1、図2参照)。
そして、ステップST13で、水抜き処理に必要な所定時間、例えば3秒が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したときは、ステップST14に進む。このステップST14では、停止処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2e(電磁弁2)および電磁弁2f(電磁弁3)が閉じられる(図2参照)。なおこのとき、ノズルユニット2Cも制御され、ノズル2mの向きが元の位置に戻される。
この停止処理の後に、ステップST15で、入浴ミスト(銀イオンミストオン)モードの一連の動作が終了する。
<入浴ミスト(銀イオンミストオン)モードの他の動作>
図11のフローチャートでは、入浴ミストオフとなったか、あるいは停止が指示されたときは、ミスト発生装置2に関しては、直ちに水抜き処理を行うものであるが、高濃度の銀イオンが含まれた温水をドレン管2cに流す排水処理を行ってから、水抜き処理に行うようにしてもよい。
図12のフローチャートは、排水処理を行ってから水抜き処理を行うようにしたものである。この図12において、図11と対応するステップには同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
ステップST10で浴室空調装置3の動作を停止させた後に、ステップST16に進む。このステップST16では、排水処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2e(電磁弁2)が閉じられ、電磁弁2f(電磁弁3)が開かれる(図2参照)。ヒートポンプ給湯装置4から給水配管2aで供給される温水は、電磁弁2d、銀イオンユニット2gおよび電磁弁2fを介して、ドレン配管2cに供給される(図1、図2参照)。
次に、ステップST17で、銀イオンユニット2gの印加電圧の値等が変更され、この銀イオンユニット2gから温水に溶出される銀イオンの濃度が、再び高濃度である、例えば300ppbに制御される。
これにより、ドレン配管2cに供給される温水は高濃度の銀イオンが含まれたものとなり、ドレン配管2cやドレンパン101cの抗菌が再び行われ、これらにおけるカビ菌等の菌の繁殖が効果的に防止される。
次に、ステップST18で、抗菌のための排水処理に必要な所定時間、例えば5秒が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したときは、ステップST11に進み、銀イオンの発生が停止され、その後ステップST12′で、水抜き処理が行われる。
なお、このステップST12′では、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2d(電磁弁1)が閉じられ、電磁弁2e(電磁弁2)が開かれ、図11のフローチャートのステップST12と異なる電磁弁制御となるが、結果的には電磁弁2e(電磁弁2)および電磁弁2f(電磁弁3)の双方が開かれた状態となり、ノズル配管2bに残っている温水が、電磁弁2eおよび2fを介して、ドレン配管2cに供給される(図1、図2参照)。
<入浴ミストモードの動作>
ミストリモコン7で入浴ミストボタン7bが押されて入浴ミストオンとされるとき、あるいは空調リモコン6で入浴ミストボタン6bが押されて入浴ミストオンとされるとき、入浴ミストモードとなり、このモードの動作が開始される。
図13は、この入浴ミストモードの動作を示すフローチャートである。
ステップST21では、入浴ミストオンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST22で、浴室空調装置3のヒータ部33に通電され、このヒータ部33が加熱される。また、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は全閉、つまり循環位置(図6A参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り、ヒータ部33で暖められて、吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
次に、ステップST23で、ノズルユニット2Cが制御され、ノズル2mが浴槽101b側に向くように回動される。これにより、人の頭にミストがかからないようにされる。
次に、ステップST24で、排水処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2d(電磁弁1)および電磁弁2f(電磁弁3)が開かれる(図2参照)。ヒートポンプ給湯装置4から給水配管2aで供給される温水は、電磁弁2d、銀イオンユニット2gおよび電磁弁2fを介して、ドレン配管2cに供給される(図1、図2参照)。
次に、ステップST25で、電磁弁ユニット2A内に配設された温度検出センサ2hの検出出力に基づいて、給水配管2aを介して電磁弁ユニット2Aに供給される温水の温度が所定値以上、例えば35゜以上となったか否か判定される。温度が所定値以上となった後に、ステップST26に進む。
このステップST26では、ミスト発生処理が行われる。このように、電磁弁ユニット2Aに供給される温水の温度が所定値以上となった後にミスト発生処理が行われるようにすることで、浴室101中に存在する人が、ミストによって肌寒さを感じないようにされる。
この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2f(電磁弁3)は閉じられ、電磁弁2e(電磁弁2)が開かれる(図2参照)。この場合、ヒートポンプ給湯装置4から給水配管2aで供給される温水は、電磁弁2d、銀イオンユニット2gおよび電磁弁2eを介して、ノズル配管2bに供給される(図1、図2参照)。これにより、ノズル配管2bからノズルユニット2Cの各ノズル2mに温水が供給され、浴室101内にミストとして噴出される。
次に、ステップST27で、入浴ミストボタン7bまたは6bが押されて入浴ミストオフとなったか、あるいは運転停止ボタン7dが押されて停止が指示されたか否かが判定される。入浴ミストオフとなったか、あるいは停止が指示されたときは、ステップST28に進む。このステップST28では、浴室空調装置3の動作が停止される。すなわち、浴室空調装置3のヒータ部33およびファンモータ36への通電が止められる。
次に、ステップST29で、水抜き処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2d(電磁弁1)が閉じられ、電磁弁2f(電磁弁3)が開かれる(図2参照)。これにより、ノズル配管2bに残っている温水は、電磁弁2eおよび2fを介して、ドレン配管2cに供給される(図1、図2参照)
次に、ステップST30で、水抜き処理に必要な所定時間、例えば3秒が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したときは、ステップST31に進む。このステップST31では、停止処理が行われる。この場合、電磁弁ユニット2Aにおいて、電磁弁2e(電磁弁2)および電磁弁2f(電磁弁3)が閉じられる(図2参照)。なおこのとき、ノズルユニット2Cも制御され、ノズル2mの向きが元の位置に戻される。
この停止処理の後に、ステップST32で、入浴ミストモードの一連の動作が終了する。
なお、ステップST23でノズルユニット2Cが制御され、ノズル2mが浴槽101b側に回動するようにしたが、ノズル2mが洗い場101e側に回動するようにして、入浴者が直接ミストを浴びるようにしてもよい。さらに、図示しない操作ボタンにより、入浴者が浴槽101b側と洗い場101e側とを選択できるようにしてもよい。
<換気標準(銀イオンミストオン)モードの動作>
空調リモコン6で、銀イオンミストボタン6cが押されて銀イオンミストオンとされ、その後に換気ボタン6gが押されて換気標準オンとされるとき、換気標準(銀イオンミストオン)モードとなり、このモードの動作が開始される。このモードは第1の運転モードを構成する。
図14は、換気標準(銀イオンミストオン)モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST41では、銀イオンミストオンとされ、その後に換気標準オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST42で、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40を全開、つまり換気位置(図6B参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から排気口42への換気風路43bが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(換気運転)。これにより、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
次に、ステップST43で、ミスト発生装置2において、銀イオンが溶出された温水がノズルユニット2Cの各ノズル2mに供給され、浴室101内にミストとして噴出される。この場合、銀イオン濃度は、印加電圧の値、あるいは間欠的に電圧を印加する場合の印加時間の割合を制御することで、人体に影響のない濃度で、かつ抗菌作用のある低濃度、例えば100ppbに制御される。
このステップST43でミストを噴出するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST3からステップST8までの動作に対応している。
このように、換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが噴出される。この場合、このミストが換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気されるため、換気経路の抗菌が行われ、これらにおけるカビ菌等の菌の繁殖が効果的に防止される。
次に、ステップST44で、所定時間が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したときは、ステップST45に進む。このステップST45では、ミスト発生装置2におけるミスト噴出が停止される。このステップST45でミストの噴出を停止するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST11からステップST14までの動作に対応している。
次に、ステップST46で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST47で、浴室空調装置3のファン換気運転の動作が停止され、その後に、ステップST48で、換気標準(銀イオンミストオン)モードの一連の動作が終了する。
<換気標準モードの動作>
空調リモコン6で、換気ボタン6gが押されて換気標準オンとされるとき、換気標準モードとなり、このモードの動作が開始される。
図15は、換気標準モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST51では、換気標準オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST52で、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40を全開、つまり換気位置(図6B参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から排気口42への換気風路43bが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(換気運転)。これにより、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
次に、ステップST53で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST54で、浴室空調装置3のファン換気運転の動作が停止され、その後に、ステップST55で、換気標準モードの一連の動作が終了する。
<浴室乾燥(銀イオンミストオン)モードの動作>
空調リモコン6で、銀イオンミストボタン6cが押されて銀イオンミストオンとされ、その後に換気ボタン6gが押されて浴室乾燥オンとされるとき、浴室乾燥(銀イオンミストオン)モードとなり、このモードの動作が開始される。このモードは第4の運転モードを構成する。
図16は、浴室乾燥(銀イオンミストオン)モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST61では、銀イオンミストオンとされ、その後に浴室乾燥オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST62で、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は、循環位置と換気位置の中間位置、つまり循環換気位置(図6C参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(循環換気運転)。これにより、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
次に、ステップST63で、ミスト発生装置2において、銀イオンが溶出された温水がノズルユニット2Cの各ノズル2mに供給され、浴室101内にミストとして噴出される。この場合、銀イオン濃度は、印加電圧の値、あるいは間欠的に電圧を印加する場合の印加時間の割合を制御することで、高濃度、例えば300ppbに制御される。
このステップST63でミストを噴出するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST5およびステップST7の動作に対応している。
このように、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが噴出される。この場合、このミストにより、浴室101の内壁、床面の抗菌が行われ、これらにおけるカビ菌等の菌の繁殖が効果的に防止される。
次に、ステップST64で、浴室照明スイッチ69Bがオンとされたか否かが判定され、ステップST65で、人体検出センサ69Aにより人体が検出されたか否かが判定される。浴室照明スイッチ69Bがオンとされておらず、また人体検出センサ69Aにより人体が検出されていないときは、ステップST66に進む。
ステップST64で浴室照明スイッチ69Bがオンとされているとき、あるいはステップST65で人体が検出されたとき、ステップST67に進む。このステップST67では、銀イオンユニット2gの印加電圧の値等が変更され、この銀イオンユニット2gから温水に溶出される銀イオンの濃度が、人体に影響のない濃度で、かつ抗菌作用のある低濃度、例えば100ppbに制御される。
そして、このステップST67の処理の後、ステップST68で、浴室照明スイッチ69Bがオンとされたか否かが判定され、ステップST69で、人体検出センサ69Aにより人体が検出されたか否かが判定される。少なくとも、浴室照明スイッチ69Bがオンとされているか、あるいは人体検出センサ69Aにより人体が検出されているときは、ステップST68に戻り、これらの判定が繰り返し行われる。
しかし、浴室照明スイッチ69Bがオンとされておらず、また人体検出センサ69Aにより人体が検出されていないときは、ステップST63に戻り、銀イオンユニット2gの印加電圧の値等が変更され、この銀イオンユニット2gから温水に溶出される銀イオンの濃度が、再び高濃度、例えば300ppbに制御される。
このように、浴室照明スイッチ69Bがオンとされ、浴室101内に人がいるおそれがあるとき、あるいは人体検出センサ69Aで人体が検出され、浴室101内に人がいるとき、ミストとして噴出される温水における銀イオンの濃度が300ppbから100ppbとされるので、浴室101内にいる人の人体に影響を与えることを防止でき、また浴室101内に人がいないときは銀イオン濃度を高いままとしているので、浴室101の内壁、床面の抗菌作用を充分に高めることができる。
ステップST66では、所定時間が経過したか否かが判定される。所定時間が経過していないときは、ステップST64に戻り、一方所定期間が経過したときは、ステップST70に進む。このステップST70では、ミスト発生装置2におけるミスト噴出が停止される。このステップST70でミストの噴出を停止するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST11からステップST14までの動作に対応している。
次に、ステップST71で、浴室空調装置3が、循環換気運転を行うと共に、イオン発生器44から前述の正イオンと負イオンが発生される。このように、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に正イオンと負イオンが放出されるので、浴室101の内壁、床面のカビの発生を抑制する効果が増すことになる。
次に、ステップST72で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST73で、浴室空調装置3の循環換気運転、イオン発生の動作が停止され、その後に、ステップST74で、浴室乾燥(銀イオンミストオン)モードの一連の動作が終了する。
なお、人検出手段による人の検出は、ステップST68の浴室照明スイッチ69およびステップST69の人体検出センサ69Aの双方を用いて行っているが、浴室照明スイッチ69、人体検出センサ69Aのどちらか片方のみを用いて行ってもよい。また、人検出手段は、人が入っていることを直接的もしくは間接的に検出できるものであれば、浴室ドアの開閉を検知するドア開閉センサ等でもよく、浴室照明スイッチ69や人体検出センサ69Aに限られるものではない。
また、ステップST71およびステップST62でダンパ40を循環換気位置(図6C参照)としたが、ステップST71のみを循環位置(図6A参照)としてもよい。さらに、ステップST62を設けずに、浴室空調装置3のファン部32を駆動せずに、ステップST63でミスト発生装置2から銀イオンを含むミストを噴出するようにしてもよい。
<浴室乾燥モードの動作>
空調リモコン6で、換気ボタン6gが押されて浴室乾燥オンとされるとき、浴室乾燥モードとなり、このモードの動作が開始される。
図17は、浴室乾燥モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST81では、浴室乾燥オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST82で、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は、循環位置と換気位置の中間位置、つまり循環換気位置(図6C参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(循環換気運転)。これにより、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
また、このステップST82で、イオン発生器44から前述の正イオンと負イオンが発生される。このように、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に正イオンと負イオンが放出されるので、浴室101の内壁、床面のカビの発生を抑制できる。
次に、ステップST83で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST84で、浴室空調装置3の循環換気運転、イオン発生の動作が停止され、その後に、ステップST85で、浴室乾燥モードの一連の動作が終了する。
<暖房モードの動作>
空調リモコン6で、暖房ボタン6fが押されて暖房オンとされるとき、暖房モードとなり、このモードの動作が開始される。
図18は、暖房モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST91では、暖房オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST92で、浴室空調装置3のヒータ部33に通電され、このヒータ部33が加熱される。また、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は全閉、つまり循環位置(図6A参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り、ヒータ部33で暖められて、吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される(循環運転)。これにより、浴室101内が暖められる。
次に、ステップST93で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST94で、浴室空調装置3の動作が停止される。すなわち、浴室空調装置3のヒータ部33およびファンモータ36への通電が止められる。その後に、ステップST95で、暖房モードの一連の動作が終了する。
なお、詳細説明は省略するが、銀イオンミストオンとした後に、暖房オンとするとき、上述した換気標準(銀イオンミストオン)モード等と同様に、浴室101内に、銀イオンが含まれた温水によるミストが噴出されるようにしてもよい。これにより、浴室101内の抗菌効果が得られる。
<涼風(銀イオンミストオン)モードの動作>
空調リモコン6で、銀イオンミストボタン6cが押されて銀イオンミストオンとされ、その後に涼風ボタン6eが押されて涼風オンとされるとき、涼風(銀イオンミストオン)モードとなり、このモードの動作が開始される。このモードは第2の運転モードを構成している。
図19は、涼風(銀イオンミストオン)モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST101では、銀イオンミストオンとされ、その後に涼風オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST102で、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は、循環位置と換気位置の中間位置、つまり循環換気位置(図6C参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(循環換気運転)。これにより、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
次に、ステップST103で、ミスト発生装置2においては、銀イオンが溶出された温水がノズルユニット2Cの各ノズル2mに供給され、浴室101内にミストとして噴出される。この場合、銀イオン濃度は、印加電圧の値、あるいは間欠的に電圧を印加する場合の印加時間の割合を制御することで、人体に影響のない濃度で、かつ抗菌作用のある低濃度、例えば100ppbに制御される。
このステップST43でミストを噴出するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST3からステップST8までの動作に対応している。
このように、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが噴出される。この場合、このミストが循環風路43aおよび換気風路43bを通るため、これらの風路の抗菌が行われる。
次に、ステップST104で、所定時間が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したときは、ステップST105に進む。このステップST105では、ミスト発生装置2におけるミスト噴出が停止される。このステップST105でミストの噴出を停止するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST11からステップST14までの動作に対応している。
次に、ステップST106で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST107で、浴室空調装置3の循環換気運転の動作が停止され、その後に、ステップST108で、涼風(銀イオンミストオン)モードの一連の動作が終了する。
なお、ステップST102でダンパ40を循環換気位置(図6C参照)としたが、循環位置(図6A参照)としてもよい。さらに、浴室空調装置3のファン部32を駆動せずに、ステップST105のミスト噴霧停止後、またはミスト噴霧途中に、ファン循環換気運転またはファン循環運転を行うようにしてもよい。
<涼風モードの動作>
空調リモコン6で、涼風ボタン6eが押されて涼風オンとされるとき、涼風モードとなり、このモードの動作が開始される。
図20は、涼風モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST111では、銀イオンミストオンとされ、その後に涼風オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST112で、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は、循環位置と換気位置の中間位置、つまり循環換気位置(図6C参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(循環換気運転)。これにより、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
次に、ステップST113で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST114で、浴室空調装置3の循環換気運転の動作が停止され、その後に、ステップST115で、涼風モードの一連の動作が終了する。
<衣類乾燥(銀イオンミストオン)モードの動作>
空調リモコン6で、銀イオンミストボタン6cが押されて銀イオンミストオンとされ、その後に衣類乾燥ボタン6dが押されて衣類乾燥オンとされるとき、衣類乾燥(銀イオンミストオン)モードとなり、このモードの動作が開始される。このモードは第3の運転モードを構成している。
図21は、衣類乾燥(銀イオンミストオン)モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST121では、銀イオンミストオンとされ、その後に衣類乾燥オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST122で、浴室空調装置3のヒータ部33に通電され、このヒータ部33が加熱される。また、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は、循環位置と換気位置の中間位置、つまり循環換気位置(図6C参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成される。吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り、ヒータ部33で暖められて、吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(循環換気運転)。これにより、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湿気が排気され、衣類の乾燥が行われる。
次に、ステップST123で、ミスト発生装置2において、銀イオンが溶出された温水がノズルユニット2Cの各ノズル2mに供給され、浴室101内にミストとして噴出される。この場合、銀イオン濃度は、印加電圧の値、あるいは間欠的に電圧を印加する場合の印加時間の割合を制御することで、高濃度、例えば300ppbに制御される。なおこの場合、ミストが衣類にかかるように、ノズル2mの向きが衣類に向くように、ノズルユニット2Cの回動制御が行われる。
このステップST43でミストを噴出するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST5およびステップST7の動作に対応している。
このように、ヒータオン、かつ循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが噴出される。これにより、衣類に銀イオンが含まれたミストがかかり、これらの衣類の防菌がなされ、着衣時の臭いの発生が抑えられる。
次に、ステップST124で、所定時間が経過したか否かが判定される。所定時間が経過したときは、ステップST125に進む。このステップST125では、ミスト発生装置2におけるミスト噴出が停止される。このステップST125でミストの噴出を停止するまでの動作は、例えば図11に示す入浴ミストモードのステップST11からステップST14までの動作に対応している。
次に、ステップST126で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST127で、浴室空調装置3の循環換気運転の動作が停止され、その後に、ステップST128で、衣類乾燥(銀イオンミストオン)モードの一連の動作が終了する。
なお、ステップST122でダンパ40を循環換気位置(図6C参照)としたが、循環位置(図6A参照)としてもよい。さらに、浴室空調装置3のファン部32を駆動せずに、ステップST125のミスト噴霧停止後またはミスト噴霧途中にファン循環換気運転またはファン循環運転を行うようにしてもよい。
<衣類乾燥モードの動作>
空調リモコン6で、衣類乾燥ボタン6dが押されて衣類乾燥オンとされるとき、衣類乾燥モードとなり、このモードの動作が開始される。
図22は、衣類乾燥モードの動作を示すフローチャートである。
ステップST131では、衣類乾燥オンとされることで、動作が開始される。
次に、ステップST132で、浴室空調装置3のヒータ部33に通電され、このヒータ部33が加熱される。また、浴室空調装置3のファンモータ36に通電され、ファン35が回転される。この場合、ダンパ40は、循環位置と換気位置の中間位置、つまり循環換気位置(図6C参照)とされる。
この場合、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aおよび吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成される。吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り、ヒータ部33で暖められて、吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43bおよび排気口42を通り、さらに、図1に示す排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される(循環換気運転)。これにより、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湿気が排気され、衣類の乾燥が行われる。
次に、ステップST133で、タイマー設定時間が経過したか否かが判定される。このタイマー設定時間は、例えば空調リモコン6のアップダウンキー6jによりユーザが任意に設定できる。設定時間が経過したときは、ステップST134で、浴室空調装置3の循環換気運転の動作が停止され、その後に、ステップST135で、衣類乾燥モードの一連の動作が終了する。
<銀イオンユニットの交換時期の報知動作>
上述したように、ミストリモコン7の発光素子7eおよびブザー7f、さらに空調リモコン6の発光素子6hにより、電磁弁ユニット2A内に配された銀イオンユニット2gの交換時期が使用者に報知される。空調リモコン6が接続される浴室空調装置3の制御部5Aと、ミストリモコン7が接続される電源部ユニット2Bとは接続されている。例えば浴室空調装置3の制御部5Aで、銀イオンユニット2gの取り付け時からの動作累積時間が管理されている。この制御部5Aは、動作累積時間が、交換時期に相当する所定時間に達したか否かを常に判定し、動作累積時間が所定時間を越えるとき、交換時期であると判定する。
このように制御部5Aで交換時期であると判定されるとき、この制御部5Aの制御により、ミストリモコン7の発光素子7eおよび空調リモコン6の発光素子6hが連続発光あるいは点滅発光の状態となり、またミストリモコン7のブザー7fは、銀イオンユニット2gから温水または水に銀イオンを溶出する運転モード、例えば入浴ミスト(銀イオンミストオン)モード、換気標準(銀イオンミストオン)モード、浴室乾燥(銀イオンミストオン)モード、涼風(銀イオンミストオン)モード、衣類乾燥(銀イオンミストオン)モードのいずれかが選択された場合にブザー音を出力する。
なお、上述実施の形態とは異なるが、ミスト発生装置2からの銀イオン等の金属イオンを含むミスト(銀イオンミスト)の噴出動作回数に基づいて、交換時期に達したか否かを判定(決定)してもよい。銀イオンミストの噴出動作回数とは、銀イオンミストボタン6c,7cが押され銀イオンが溶出する運転モードが実行された回数や銀イオンユニット2gに駆動電圧を印加した回数であってもよく、他の方法であってもよい。
<実施の形態の主な効果>
以上説明したように、図1に示す浴室システム1によれば、ヒートポンプ給湯装置4から排出された温水は、給水配管2aを介して電磁弁ユニット2Aに供給される。そして、この電磁弁ユニット2A内に配置されている銀イオンユニット2gにより温水に抗菌作用を有する銀イオンが溶出される。そのため、ノズルユニット2Cの各ノズル2mから噴出されるミストは銀イオンを含んだものとなり、浴室101内に温水であるミストが噴出されるにも拘わらず、この浴室101の内壁、床面の抗菌を行うことができ、カビ菌の繁殖などを良好に防止できる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、ノズルユニット2Cの各ノズル2mから銀イオンを含むミストを噴出する場合、ミスト噴出前、さらにはミスト噴出後に、銀イオン濃度を例えば300ppbとした温水をドレン配管2cに流すようにしているので、ドレン配管2cやドレンパン101cの抗菌を行うことができ、カビ菌の繁殖などを抑制できる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、浴室空調装置3を換気標準(銀イオンミストオン)モードで運転する場合、ミスト発生装置2との連係により、換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが所定時間だけ噴出されるものであり、銀イオンによって換気風路43bの抗菌を行うことができ、カビ菌等の菌の繁殖を効果的に防止できる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、浴室空調装置3を浴室乾燥(銀イオンミストオン)モードで運転する場合、ミスト発生装置2との連係により、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが所定時間だけ噴出されるものであり、銀イオンによって浴室101の内壁、床面の抗菌を行うことができ、が行われ、これらにおけるカビ菌等の菌の繁殖が効果的に防止できる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、浴室空調装置3を涼風(銀イオンミストオン)モードで運転する場合、ミスト発生装置2との連係により、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが所定時間だけ噴出されるものであり、銀イオンを含むミストが循環風路43aおよび換気風路43bを通るため、これらの風路の抗菌を効果的に行うことができる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、浴室空調装置3を衣類乾燥(銀イオンミストオン)モードで運転する場合、ミスト発生装置2との連係により、ヒータオン、かつ循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストが所定時間だけ噴出されるものであり、衣類に銀イオンが含まれたミストがかかることから、これらの衣類の防菌を行うことができ、着衣時の臭いの発生が抑制できる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、浴室空調装置3を浴室乾燥(銀イオンミストオン)モードで運転する場合、ミスト発生装置2との連係により、循環換気運転が行われている状態で、浴室101内に銀イオンが含まれたミストを所定時間だけ噴出するものであるが、浴室照明スイッチ69Bがオンとされ、浴室101内に人がいるおそれがあるとき、あるいは人体検出センサ69Aで人体が検出され、浴室101内に人がいるとき、ミストとして噴出される温水における銀イオンの濃度が300ppbから100ppbとされるので、浴室101内にいる人の人体に影響を与えることを防止でき、また浴室101内に人がいないときは浴室101の内壁、床面の抗菌作用を充分に高めることができる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、電磁弁ユニット2A内に配された銀イオンユニット2gの交換時期を、ミストリモコン7の発光素子7eおよびブザー7f、さらに空調リモコン6の発光素子6hで知らせる構成となっているので、使用者は銀イオンユニット2gの交換時期を容易に知ることができる。
また、図1に示す浴室システム1によれば、電磁弁ユニット2Aは、浴室101の天井に有する点検口101aの近傍に配設されるものであり、この電磁弁ユニット2Aに配設される銀イオンユニット2gの交換を簡単に行うことができ、メンテナンスが容易となる。
<変形例>
なお、上述実施の形態においては、流路切替器は電磁弁ユニット2A(図2参照)で構成されているが、詳細説明は省略するが、その他の構成、例えば三方電磁弁などを用いた構成を採用することもできる。
また、上述実施の形態においては、電磁弁ユニット2Aは図2に示すように構成され、銀イオンユニット2gが当該電磁弁ユニット2A内に取り付けられたものを示した。しかし、図23に示すように、銀イオンユニット2gを電磁弁ユニット2Aaの外部に取り付けることも考えられる。この図23において、図2と対応する部分には、同一符号を付して示している。
電磁弁ユニット2Aaは、電磁弁ユニット2Aから銀イオンユニット2gを除いたとものと同様の構成となる。この場合、銀イオンユニット2gは、接続部2b′に接続されるノズル配管2bに取り付けられる。この場合、ノズル配管2bを流れる温水のみに銀イオンを溶出でき、ノズルユニット2Cの各ノズル2mから噴出されるミストによる抗菌効果を得ることができることは図2の電磁弁ユニット2Aを使用する場合と同じである。また、ここでは接続していないが、接続部2c′に銀イオンユニット2gを接続すれば、ドレン配管2c、ドレンパン101の抗菌効果を得ることができる。
また、上述実施の形態においては、電磁弁ユニット2Aに銀イオンユニット2gを取り付けたものであるが、この銀イオンユニット2gを給湯器側に取り付けることも考えられる。銀イオンユニット2gは、例えば図24に示すように、給湯配管65の給湯混合弁64の近傍に取り付けられる。この図24において、図7と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この場合、ヒートポンプ給湯器51Aから温水が供給される浴室101、洗面脱衣所102、台所103等の全てに銀イオンが溶出された温水を供給でき、この温水を使用した場合に銀イオンにより抗菌効果を得ることができるようになる。
また、上述実施の形態においては、銀イオンが含まれた温水をノズルユニット2Cのノズル2mからミストとして噴出させるものを示したが、このように銀イオンが含まれた温水をシャワーヘッドからシャワーとして噴出させるようにしてもよい。このシャワーにより、浴室101の壁面、床面の抗菌を行うことができる。
また、上述実施の形態においては、抗菌作用のある金属イオンとして銀イオンを用いたものであるが、その他の金属イオン、例えば銅イオン、亜鉛イオン等であってもよい。
また、上述実施の形態においては、温水に抗菌作用のある金属イオン、例えば銀イオンを溶出させるものを示したが、温水から酸性電解水を生成し、この酸性電解水をノズル2mからミストとして噴出させるようにしてもよい。
図25は、電磁弁ユニット2Aaの接続部2b′に電解水生成ユニット2Dを接続したものである。この電解水生成ユニット2Dでは、以下の原理で酸性電解水およびアルカリ電解水が生成される。すなわち、電解槽内の2つ電極(陽極、陰極)間に隔膜を置き、温水(水)に電解補助剤(NaCl)を添加したものを電解槽内に流し、電気分解をする。これにより、陽極側に酸性電解水、陰極側にアルカリ電解水が生成される(有隔膜電解)。
酸性電解水には塩素ガスが溶解しており、この塩素ガスから生成される次亜塩素酸(HClO)の働きで微生物に対する抗菌作用が得られる。一方、アルカリ電解水によりたんぱく質系・脂質系の汚れに洗浄効果のある水酸化ナトリウム(NaOH)が生成される。
ここで、電解水生成ユニット2Dの給水管71は電磁弁ユニット2Aaの接続部2b′に接続され、この電解水生成ユニット2Dには電磁弁2Cを介して温水(水)が供給される。また、この電解水生成ユニット2Dの酸性電解水の排水管72はノズル配管としてノズルユニット2Cの接続部2nに接続される。これにより、ノズルユニット2Cの各ノズル2mから酸性電解水がミストとして、例えば浴室101内に噴出される。さらに、この電解水生成ユニット2Dのアルカリ電解水の排水管73は図示せずもドレン配管2cに接続され、アルカリ電解水はドレン配管2cを介してドレンパン101cに排出される。
なお、電解水生成ユニット2Dで生成される酸性電解水のpHは、この電解水生成ユニット2Dに供給される温水(水)の流量、あるいは電極間に印加される電圧の値を調整することで、調整できる(例えば、特開6−246268号公報参照)。
この電解生成ユニット2Dを用いることで、以下のような効果を得ることができる。例えば、微酸性電解水(pH6程度)をノズル2mからミストとして噴出させる場合、これを人の肌に浴びることで、雑菌から皮膚を守ることができる。また、強酸性電解水(pH2〜3程度)をノズル2mからミストとして噴出させる場合、強力な抗菌効果を得ることができる。また、アルカリ電解水をドレン配管2cに流すことで、このドレン配管2c、ドレンパン101c、排水口等のぬめりを落とすことができる。
なお、電解水生成ユニット2Dを電磁弁ユニット2Aa内に取り付けることも考えられるが、酸性電解水を電磁弁に通すことは耐久上好ましくないことから、図25に示すように電解水生成ユニット2Dを電磁弁ユニット2Aaの外部に取り付けることとしている。
また、上述実施の形態においては、銀イオンユニット2gの交換時期を表示する発光素子6h,7eを空調リモコン6やミストリモコン7に設けたものであるが、その他の場所、例えばノズルユニット2C等に設けるようにしてもよい。
また、上述実施の形態においては、浴室空調装置3として1個のファンとダンパを備えて、浴室101内の空気の循環と排気を行える構成のものを示したが、循環用のファンと排気(換気)用のファンを独立して備える浴室空調装置であってもよい。
さらに、浴室内の空気を循環するのではなく、洗面脱衣所等の他室の空気また外気を浴室内に給気する給気ファンを用い、循環と換気を行う場合に代えて、給気と換気を行うようにしてもよい。
また、上述実施の形態においては、浴室101にノズルユニット2Cから銀イオンが溶出された温水をミストとして噴出するものを示したが、その他の室、例えば図26に示すように、洗面脱衣所102、トイレ103にもミスト発生装置2E,2Eを設け、これらの室にも銀イオンが含まれた温水(水)をミストとして噴出して、抗菌を行うことができる。この図25において、図1と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
この場合、例えば洗面脱衣所102では、暖房機102bの運転と連動させた動作が行われるようにしてもよい。例えば、暖房機102bが涼風モード(ヒータオフ、循環換気運転)で動作させている状態で、ミスト発生装置2Eから銀イオンが含まれたミストを発生させることで、ミストを脱衣洗面所102の全体に行き渡らせることができ、隅々まで抗菌を行うことが可能となる。
この場合、図2に示す電磁弁ユニット2Aに代わって、例えば、図27に示す電磁弁ユニット2Abが使用される。この図27において、図2と対応する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略する。
すなわち、この電磁弁ユニット2Abでは、筐体2A′に、脱衣洗面所102のミスト発生装置2Eへのノズル配管2p1が接続される接続部2p1′と、トイレ103のミスト発生装置2Eへのノズル配管2p2が接続される接続部2p2′とが設けられる。そして、接続部2p1′,2p2′はそれぞれ電磁弁2q1,2q2を介して、銀イオンユニット2gの排出側に接続されている。
洗面脱衣所102、トイレ103に配設されるミスト発生装置2Eとしては、より小さな粒のミストが噴出されるものが使用される。このようにミストの粒が小さくなることで、ミストが空気に混じり易くなり、各部に水滴がつくことを抑制できる。
<細霧化ミスト発生装置>
図28A,B、図29A,Bは、ミスト発生装置2Eの構成を示している。図28Aはミスト発生装置2Eを下面側から見た平面図、図28Bは図28AのA−A線断面図である。また、図29Aは図28AのB−B線断面図、図29Bは図28AのC−C線断面図である。
ミスト発生装置2Eは、ミストを生成するミストノズル11Aと、ミストノズル11Aに対する温水または水の供給を切り替える供給制御弁装置12と、ミストノズル11Aで生成したミストを細霧化して吹き出す軸流ファン部13と、軸流ファン部13により細霧化されたミストの噴出を行うための風路を形成する本体ケース14を備える。
軸流ファン部13は拡散手段の一例で、ファンモータ15と、ファンモータ15に回転駆動されるプロペラファン16を備える。ファンモータ15は駆動手段の一例で、軸15aが縦向きに配置される。
プロペラファン16は羽根車の一例で、複数枚の羽根16aが所定の取り付け角で取り付けられる。プロペラファン16は、例えば4枚の羽根16aを備え、隣接する各羽根16aの端部が軸方向には所定の間隔を有し、回転方向には重なり部16bを有する形態である。これにより、プロペラファン16は、軸方向から見て各羽根16aの間には隙間が形成されない形態である。
軸流ファン部13は、プロペラファン16がファンモータ15の軸15aに取り付けられ、プロペラファン16がファンモータ15によって回転駆動されることで、ミストを含む空気がプロペラファン16に対して軸方向から流入し、軸方向へ流出する。
ミストノズル11Aは、温水または水等の供給を受け、霧状にして噴出する。ミストノズル11Aは、軸流ファン部13のプロペラファン16が回転駆動されることにより発生する空気の流れる方向に対して上流側で、プロペラファン16の羽根16aの回転軌跡に沿った位置に配置され、プロペラファン16の羽根16aに向けてミストを噴出する。
ミストノズル11Aとしては、例えばプロペラファン16の羽根16aの枚数と同じ個数が使用され、各ミストノズル11Aはプロペラファン16の羽根16aの回転軌跡に沿って等間隔で配置される。これにより、ミストノズル11Aは、プロペラファン16の各羽根16aの間隔と同間隔で円周上に並んで配置される。
本体ケース14は、例えば直方体形状の外形を有し、内部が円筒形状の風路形成壁部17で仕切られている。風路形成壁部17は、上端が本体ケース14の天井部分の下面と繋がる。また、風路形成壁部17は、外周面の一部が本体ケース14の対向する一方の2側面と繋がる。更に、風路形成壁部17は、外周面の一部が本体ケース14の対向する他方の2側面と2本ずつの仕切り壁部17aを介して繋がる。これにより、風路形成壁部17は、本体ケース14の対向する一方の2側面と、4枚の仕切り壁部17aによって外周面が支持される。
なお、仕切り壁部17aの間にリブ17bを設けて、更に風路形成壁部17の外周面を支持する構成としても良い。
本体ケース14は、風路形成壁部17の内側に第1の吹出風路18を備えると共に、風路形成壁部17の外側に第2の吹出風路19と吸込風路20を備える。第1の吹出風路18は、外周が風路形成壁部17で仕切られた円筒形状の空間として形成される。また、第2の吹出風路19は、風路形成壁部17の周囲で、例えば第1の吹出風路18を挟んで対向する2箇所に形成される。さらに、吸込風路20は、風路形成壁部17の周囲で、第2の吹出風路19と仕切り壁部17aで仕切られた例えば4箇所に形成される。
本体ケース14は、第1の吹出風路18に軸流ファン部13が取り付けられる。すなわち、本体ケース14は、第1の吹出風路18の天井部分の上面に軸流ファン部13のファンモータ15が取り付けられる。ファンモータ15の軸15aは、第1の吹出風路18の天井部分を貫通して垂直方向に突出し、軸15aにプロペラファン16が取り付けられる。第1の吹出風路18は、プロペラファン16の直径より大きな直径を有しており、プロペラファン16は、第1の吹出風路18内で回転自在な構成である。
また、本体ケース14は、第1の吹出風路18の天井部分の下面で、ファンモータ15の軸15aの周囲にノズル取付部21を備え、ノズル取付部21に上述した所定の配置でミストノズル11Aが取り付けられる。
なお、第1の吹出風路18側からファンモータ15側への漏水を防ぐため、プロペラファン16とノズル取付部21の間の軸15aに遮蔽羽根22を備える。遮蔽羽根22は、例えば下面が波形状となっている円板で、プロペラファン16と共に回転する。
遮蔽羽根22は、ノズル取付部21から突出するファンモータ15の軸15aの根元の部分を覆うことで、プロペラファン16に当たって上方へと拡散したミスト等をはね返して、ファンモータ15側への漏水を防ぐ。また、遮蔽羽根22の下面を波形状とすることで、ミストを拡散して細霧化を促進する。
各吸込風路20と第1の吹出風路18は、風路形成壁部17に形成された吸込風路連絡口23を介して連通する。吸込風路連絡口23は、プロペラファン16の取付位置より高い風路形成壁部17の上部を貫通して形成される。
ここで、吸込風路20から吸込風路連絡口23を通って第1の吹出風路18に空気が流れる際に、乱流が発生しないように、例えば吸込風路20の上部を曲面で構成する。このため、例えば、本体ケース14の上部の4箇所の角部を、径の大きな曲面で構成しても良い。
また、第1の吹出風路18と第2の吹出風路19は、風路形成壁部17に形成された吹出風路連絡口24を介して連通する。吹出風路連絡口24は、プロペラファン16の取付位置と同等の高さ付近の風路形成壁部17を貫通して形成され、網状板部24aが取り付けられる。網状板部24aは、例えば目の細かい金網で構成され、吹出風路連絡口24を通るミストを細霧化する。
本体ケース14は、第1の吹出風路18の下部が開口して第1の吹出口18aが形成されると共に、各第2の吹出風路19の下部が開口して第2の吹出口19aが形成される。さらに、各吸込風路20の下部が開口して吸込口20aが形成される。
これにより、各吸込口20aから各吸込風路20を通り、吸込風路連絡口23を介して第1の吹出風路18と繋がって第1の吹出口18aへ至る風路が形成される。また、第1の吹出風路18から吹出風路連絡口24を介して第2の吹出風路19と繋がって、第2の吹出口19aへ至る風路が形成される。
本体ケース14は、風路形成壁部17の下部にドレン部材であるドレンパン25を備える。ドレンパン25は、風路形成壁部17の形状に合わせたリング形状で、風路形成壁部17の下端が入る溝を有して、風路形成壁部17の内周面及び外周面を伝わって落ちる水滴を受ける。
また、ドレンパン25は、円周方向の1箇所にドレンホース口25aを備え、風路形成壁部17から受けた水をドレンホース口25aから排水できる構成である。このため、ドレンパン25は、ドレンホース口25a側が下がるように傾斜した状態となっている。なお、ドレンパン25を風路形成壁部17等に対して着脱自在な構成として、清掃が行えるようにしても良い。
本体ケース14は、下部にフロントパネル26′を備える。本体ケース14は、フロントパネル26′を固定するフック部14a等を備えて、フロントパネル26が着脱自在に取り付けられる。
フロントパネル26は、第1の吹出口18a及び第2の吹出口19aと連通し、細霧化されたミストを吹き出す吹出グリル26aを備える。また、フロントパネル26は、吸込口20aと連通し、空気を吸い込む吸込グリル26bを備える。
なお、ミスト発生装置2Eでは、例えば第2の吹出口19aに補助ミストノズル27を備え、運転開始段階等で、予備的にミストを吹き出すことができるようにしても良い。補助ミストノズル27としては、例えば、一方の第2の吹出口19aには、ミストの水滴径が細かい補助ミストノズル27aを備え、他方の第2の吹出口19aには、ミストの水滴径が粗い補助ミストノズル27bを備えて、水滴径の異なるミストを必要に応じて吹き出す構成としてもよい。
なお、ミストの細霧化方法は、プロペラファンに代えて、径の細かな網状のものを用いてもよい。
1・・・浴室システム、2・・・ミスト発生装置、2A,2Aa,2Ab・・・電磁弁ユニット、2A′・・・筐体、2B・・・電源部ユニット、2C・・・ノズルユニット、2D・・・電解水生成ユニット、2E・・・ミスト発生装置、2a・・・給水配管、2b・・・ノズル配管、2c・・・ドレン配管、2a′〜2c′・・・接続部、2d〜2f・・・電磁弁、2g・・・銀イオンユニット、2h・・・温度検出センサ、2i〜2k・・・配管、3・・・浴室空調装置、4・・・ヒートポンプ給湯装置、6・・・主操作部(空調リモコン)、6a・・・電気ケーブル、6h・・・交換時期を知らせる発光素子、7・・・ミスト操作部(ミストリモコン)、7a・・・電気ケーブル、7e・・・交換時期を知らせる発光素子、7f・・・交換時期を知らせるブザー、8・・・排気ダクト、26・・・フロントパネル、69・・・温度検出センサ、69A・・・人体検出センサ、69B・・・浴室照明スイッチ、101a・・・点検口、101b・・・浴槽、101c・・・ドレンパン