以下、図面を参照しながら、本発明の湯水噴出空調システムの実施例としての浴室空調システムについて説明する。図1は、本発明の実施例としての浴室空調システム1の構成例を示す断面の概念図である。
<浴室空調システムの全体>
図1は本実施の形態の浴室空調システム1の一例を示す構成図である。本実施の形態の浴室空調システム1は、温水を霧状のミストにして浴室101内に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房や換気等を行う浴室空調装置3を備える。
浴室空調システム1は、ミスト発生装置2に対する温水HWの供給元として、例えば自然冷媒(CO2)を利用したヒートポンプ方式の給湯装置4と組み合わせて使用される。
ミスト発生装置2は、ミスト生成する電磁弁ユニット2Dと、給湯装置4から供給される温水(水)を、電磁弁ユニット2Dに供給するか排水するかを切り替える電源部ユニット2Bを備える。ここで、ミストとは、霧や靄、さらにはシャワー等の状態を含むものである。
浴室空調システム1は、浴室101に設置されたミスト操作部(ミストリモコン)7と、浴室101に隣接した洗面脱衣所102に設置された主操作部(空調リモコン)6が操作されることで、ミスト発生装置2と浴室空調装置3で実行される運転モードが選択される。
ミスト操作部7では、主に暖房に関する運転モードについての操作が行われ、入浴中等に暖房に関する操作が可能である。また、主操作部6では、暖房を含めた全般の運転モードについての操作が行われ、浴室101に入室することなく、暖房、換気や乾燥等に関する操作が可能である。
浴室空調システム1は、ミスト発生装置2に備えたミスト制御部2Bcと、浴室空調装置3に備えた主制御部5Aに制御される。ミスト制御部2Bcは、ミスト発生装置2の電源部ユニット2Bに備えられ、ミストMの噴出の有無を切り替える制御等を行う。また、主制御部5Aは、浴室空調装置3を駆動して、浴室101から空気Aを吸い込み、温風HAあるいは送風として吹き出す制御、及び浴室101から吸い込んだ空気Aを屋外へ排気する制御等を行う。
そして、浴室空調システム1は、ミスト操作部7あるいは主操作部6が操作されることで選択された運転モードに応じて、ミスト制御部2Bcと主制御部5Aとの間で通信が行われ、浴室空調装置3単独あるいはミスト発生装置2と浴室空調装置3を連動させた制御が実行される。
ミスト操作部7あるいは主操作部6が操作されることで選択され、浴室空調システム1で実行される運転モードとして、例えば、ミスト発生装置2によるミストMの噴出と、浴室空調装置3による温風HAの吹き出しを連動させて、浴室101内を中温高湿のミストサウナ状態とするミストモードを備える。
ミストモードでは、浴室空調装置3により温風HAを吹き出して浴室101内の温度を上昇させてから、ミスト発生装置2で所定の温度に達したミストMの噴出を行うことで、入浴者(利用者)に冷感を与えないようにする。
そして、ミストモードでは、浴室101内の温度及びミストMとして噴出させる温水HWの温度を検出し、浴室101内の状態が入浴に適した状態となったか否かを判断して、ミスト操作部7及び主操作部6より入浴者等に報知する。
<第1のミスト発生装置の構成例及び動作例>
まず、第1のミスト発生装置2Aの構成例について説明する。図2は第1のミスト発生装置2Aの構成を示す説明図である。図2(a)は電磁弁ユニット2Dを二つ備えたミスト発生装置2A1を示し、図2(b)は電磁弁ユニット2Dを一つ備えたミスト発生装置2A2を示す。
図2(a)に示すようにミスト発生装置2A1は2組の後述するノズルユニット2C(2C1・2C2)、及び2組の後述する電磁弁ユニット2D(2D1・2D2)を備えて構成される。ノズルユニット2C1は通常の粒径のミスト(通常ミスト)を噴出し、ノズルユニット2C2は通常ミストより粒径の小さいミスト(微細ミスト)を噴出する。ノズルユニット2C1は電磁弁ユニット2D1と接続され、ノズルユニット2C2は電磁弁ユニット2D2と接続された状態となる。
図3はミスト発生装置2Aを構成するノズルユニット2Cの一例を示す構成図で、図3(a)はノズルユニット2Cを下側から見た平面図、図3(b)は図3(a)に示すノズルユニット2CのA−A断面図、図3(c)は図3(a)に示すノズルユニット2CのB−B断面図である。
ノズルユニット2Cは湯水噴出装置の一例で、ミストを生成する複数のミストノズル11が、各ミストノズル11に温水(水)を供給する供給配管12を介して本体部13の内部に取り付けられる。
各ミストノズル11は、1本の供給配管12に接続されて、一列に並べて配置される。本例では、3個のミストノズル11を所定の間隔を開けて配置して、各ミストノズル11が供給配管12と接続され、供給配管12に温水が供給されると、各ミストノズル11に温水が分配されて、各ミストノズル11からミストが噴出する。
ノズルユニット2Cは、図1に示す浴室101の天井パネルに形成された開口に本体部13が挿入され、本体部13の下部開口を覆うフロントパネル14が取り付けられて、浴室101の天井パネルに設置される。
フロントパネル14は、ミストノズル11の配置に合わせて穴部14aが形成され、穴部14aからミストノズル11が露出している。
図4はミスト発生装置2Aを構成する電磁弁ユニット2Dの一例を示す構成図である。電磁弁ユニット2Dは、図1に示す給湯装置4からの給水配管2aが接続される給湯配管接続部2a’と、ノズルユニット2Dへの配管2bが接続される供給配管接続部2b’と、ドレン配管2cが接続されるドレン配管接続部2c’を備える。
電磁弁ユニット2Dは、給湯配管接続部16aと供給配管接続部16bとの間が供給配管2jで接続され、給湯装置4とノズルユニット2Cとの間を接続している。また、電磁弁ユニット2Dは、供給配管2jから分岐した排水配管2kがドレン配管接続部2c’と接続され、給湯装置4とドレン配管2cとの間を接続している。
電磁弁ユニット2Dは、排水配管2kとの分岐部より上流側の供給配管2jに、給湯の有無を切り替える給湯用電磁弁2dを備えると共に、分岐部より下流側の供給配管2jに、温水または水の供給先を電磁弁ユニット2Dに切り替えるミスト用電磁弁2eを備える。
更に、電磁弁ユニット2Dは、温水または水の供給先をドレン配管2cに切り替える排水用電磁弁2fを、排水配管2kに備える。
また、電磁弁ユニット2Dは、給湯用電磁弁2dと分岐部との間の供給配管2jに、供給配管2jを流れる温水または水の温度を検出する水温検出センサ2hを備える。
ここで、供給配管2jに設ける給湯用電磁弁2d及びミスト用電磁弁2eの設置高さより、排水配管2kに設ける排水用電磁弁2fの設置高さが低くなるように、供給配管2jと排水配管2kの流路を構成することで、流路中に残水が滞留しないようにしている。
図5及び図6は電磁弁ユニット2Dの動作説明図である。ミスト噴出時は、図5(a)に示すように、給湯用電磁弁2dとミスト用電磁弁2eは開き、排水用電磁弁2fは閉じる。これにより、図1に示す給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管2jを流れて電磁弁ユニット2Dに供給され、電磁弁ユニット2DでミストMが噴出される。
排水時は、図5(b)に示すように、給湯用電磁弁2dと排水用電磁弁2fは開き、ミスト用電磁弁2eは閉じる。これにより、給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管2j及び排水配管2kを流れてドレン配管2cから排水(EW)される。
排水の停止時は、まず、図6(a)に示すように、排水用電磁弁2fは開けた状態で、給湯用電磁弁2dを閉じた後、ミスト用電磁弁2eを開ける。これにより、供給配管2jの電磁弁ユニット2Dと接続された側が大気に開放された状態となるので、供給配管2j内の残水RWが排水配管2kへと流れてドレン配管2cから排水される。
そして、残水RWの排水に要する時間に応じて設定された所定時間経過後、図6(b)に示すように、給湯用電磁弁2d、ミスト用電磁弁2e及び排水用電磁弁2fの全てを閉じることで、給湯用電磁弁2dより下流側の流路に残水を滞留させない状態とすることができる。
ミスト発生装置2A1においては、ミスト噴出ユニット2C1と2C2は、それぞれ互いに粒径の異なるミストを噴出するノズル11を備えて構成される。図2(a)に示すように、ミスト噴出ユニット2C1及び2C2は、それぞれ別体の電磁弁ユニット2D1及び2D2に接続されて、水又は湯水の供給を受ける。
このためミスト発生装置2A1においては、電磁弁ユニット2D1及び2D2をそれぞれ制御することにより、ミスト噴出ユニット2C1による通常ミストの噴出と、ミスト噴出ユニット2C2による微細ミストの噴出を、それぞれ独立して行うことが可能となる。
また、ミスト発生装置2A2は、2組の後述するノズルユニット2C(2C1・2C2)、及び電磁弁ユニット2D3を備えて構成される。ノズルユニット2C1は通常ミストを噴出し、ノズルユニット2C2は微細ミストを噴出する。ノズルユニット2C1は電磁弁ユニット2D3のミスト用電磁弁2e1と接続され、ノズルユニット2C2は電磁弁ユニット2D3のミスト用電磁弁2e2と接続された状態となる。電磁弁ユニット2D3の構成及び動作は、図4から図6を用いて説明したとおりである。
ミスト発生装置2A2においては、ミスト噴出ユニット2C1と2C2は、それぞれ互いに粒径の異なるミストを噴出するノズル11を備えて構成される。図2(b)に示すように、ミスト噴出ユニット2C1及び2C2は、それぞれ別々のミスト用電磁弁2e1及び2e2に接続されて、水又は湯水の供給を受ける。
このためミスト発生装置2A2においては、ミスト用電磁弁2e1及び2e2をそれぞれ制御することにより、ミスト噴出ユニット2C1による通常ミストの噴出と、ミスト噴出ユニット2C2による微細ミストの噴出を、それぞれ独立して行うことが可能となる。
<第2のミスト発生装置の構成例及び動作例>
次に、第2のミスト発生装置2Eの構成例について説明する。図7は第2のミスト発生装置2Eの構成を示す説明図である。図2に示すようにミスト発生装置2Eは2組の電磁弁ユニット2D、及びノズルユニット2Gを備えて構成される。ノズルユニット2Gはノズル2Pにより、通常の粒径のミスト(通常ミスト)を噴出し、ノズル2o及び図示しないプロペラファンにより通常ミストより粒径の小さいミスト(微細ミスト)を噴出する。ノズルユニット2C1はノズル2Pと接続され、ノズルユニット2C2はノズル2oと接続された状態となる。
図8及び図9は、第2のミスト発生装置2Eを構成するノズルユニット2Gの構成例を示す説明図である。図8Aはノズルユニット2Gを下面側から見た平面図、図8Bは図8AのC−C線断面図である。また、図9Aは図8AのD−D線断面図、図9Bは図8AのE−E線断面図である。
ノズルユニット2Gは湯水噴出手段の一例で、ミストを生成するノズル2oと、ノズル2Pを備える。またノズルユニット2Gは、ノズル2oで生成したミストを細霧化して吹き出す軸流ファン部2pと、軸流ファン部2pにより細霧化されたミストの噴出を行うための風路を形成する本体ケース2qを備える。
軸流ファン部2pは拡散手段の一例で、ファンモータ2rと、ファンモータ2rに回転駆動されるプロペラファン2sを備える。ファンモータ2rは駆動手段の一例で、軸2raが縦向きに配置される。
プロペラファン2sは羽根車の一例で、複数枚の羽根2saが所定の取り付け角で取り付けられる。軸流ファン部2pは、プロペラファン2sがファンモータ2rの軸2raに取り付けられ、プロペラファン2sがファンモータ2rによって回転駆動されることで、ミストを含む空気がプロペラファン2sに対して軸方向から流入し、軸方向へ流出する。
ノズル2oは、接続部2Nを介して、電磁弁ユニット2D2に接続されたノズル配管2b2に接続され、温水または水等の供給を受け、霧状にして噴出する。ノズル2oは、プロペラファン2sの羽根2saに向けてミストを噴出する。
ノズル2oは、本実施の形態では例えばプロペラファン2sの羽根2saの枚数と同じ個数が、プロペラファン2sの羽根2saの回転軌跡に沿って等間隔で配置される。これにより、ノズル2oは、プロペラファン2sの各羽根2saの間隔と同間隔で円周上に並んで配置される。
本体ケース2qは、例えば直方体形状の外形を有して構成される。本体ケース2qは、第1の吹出風路2uを備えると共に、第2の吹出風路2vと吸込風路2zを備える。
本体ケース2qは、第1の吹出風路2uに軸流ファン部2pが取り付けられる。すなわち、本体ケース2qは、第1の吹出風路2uの天井部分の上面に軸流ファン部2pのファンモータ2rが取り付けられる。ファンモータ2rの軸2raは、第1の吹出風路2uの天井部分を貫通して垂直方向に突出し、軸2raにプロペラファン2sが取り付けられる。プロペラファン2sは、第1の吹出風路2u内で回転自在な構成である。
また、本体ケース2qは、第1の吹出風路2uの天井部分の下面で、ファンモータ2rの軸2raの周囲にノズル取付け部2wを備え、ノズル取付け部2wに上述した所定の配置でノズル2oが取り付けられる。
各吸込風路2zと第1の吹出風路2uは、風路形成壁部2tに形成された吸込風路連絡口2yを介して連通する。吸込風路連絡口2yは、プロペラファン2sの取付け位置より高い風路形成壁部2tの上部を貫通して形成される。
また、第1の吹出風路2uと第2の吹出風路2vは、風路形成壁部2tに形成された吹出風路連絡口2Kを介して連通する。吹出風路連絡口2Kは、プロペラファン2sの取付け位置と同等の高さ付近の風路形成壁部2tを貫通して形成され、網状板部2Kaが取り付けられる。網状板部2Kaは、例えば目の細かい金網で構成され、吹出風路連絡口2Kを通るミストを細霧化する。
本体ケース2qは、第1の吹出風路2uの下部が開口した第1の吹出口2uaと、各第2の吹出風路2vの下部が開口した第2の吹出口2vaが形成される。更に、各吸込風路2zの下部が開口して吸込口2zaが形成される。
これにより、各吸込口2za、各吸込風路2z、吸込風路連絡口2yを介して第1の吹出風路2uと繋がり第1の吹出口2uaへ至る風路が形成される。また、第1の吹出風路2uから吹出風路連絡口2Kを介して第2の吹出風路2vと繋がり、第2の吹出口2vaへ至る風路が形成される。
本体ケース2qは、風路形成壁部2tの下部にドレン部材であるドレンパン2Lを備え、風路形成壁部2tの内周面及び外周面を伝わって落ちる水滴を受ける。ドレンパン2Lは、円周方向の1箇所にドレンホース口2Laを備え、風路形成壁部2tから受けた水をドレンホース口2Laから排水できる構成である。
本体ケース2qは、下部にフック部2qa等により着脱自在なフロントパネル2Mを備える。フロントパネル2Mは、第1の吹出口2ua及び第2の吹出口2vaと連通し、細霧化されたミストを吹き出す吹出グリル2Maと吸込グリル2Mbを備える。
上述した構成を備えることにより、以下のような動作により、ノズルユニット2Gより通常よりも粒径の小さいミスト(微細ミスト)及び通常ミストの噴出が行われる。ここで電磁弁ユニット2D1・2D2の動作は、図5及び図6で示したものと同様である。
まず、微細ミストの噴出について説明する。ファンモータ2rにより、プロペラファン2sが所定の回転数で、図8B及び図9Aの矢印aで示す方向に回転駆動される。これにより、ノズルユニット2G内の図8B及び図9Aの2点鎖線矢印に示す方向に、空気の流れが形成される。
プロペラファン2sの回転駆動後、接続部2Nに接続された電磁弁ユニット2Dより水又は湯水の供給が行われ、ノズル2oより通常の粒径のミストがプロペラファン2sに対して噴出される。ノズル2oより噴出されたミストは、プロペラファン2sの羽根2saに衝突して拡散され、水滴径が更に細かくなって細霧化される。
プロペラファン2sの羽根2saに衝突して細霧化されたミスト(微細ミスト)は、プロペラファン2sが回転することによって発生した空気の流れにより、プロペラファン2sの軸方向に形成された第1の吹出口2uaから、フロントパネル2Mの2Maを介して浴室101内に吹出される。
プロペラファン2sの羽根2saに衝突したミストの一部は、プロペラファン2sの放射方向に拡散する。放射方向に拡散したミストは、プロペラファン2sの取付け位置に合わせて風路形成壁部2tの外周の一部に形成された吹出風路連絡口2Kから第2の吹出風路2vに入る。吹出風路連絡口2Kは、目の細かい金網で構成された網状板部2Kaを備えているので、吹出風路連絡口2Kの網状板部2Kaを通るミストは、水滴径が更に細かくなって細霧化される。そして、吹出風路連絡口2Kの網状板部2Kaを通って細霧化されたミスト(微細ミスト)は、第2の吹出口2vaからフロントパネル2Mの吹出グリル2Maを介して浴室101内に吹き出される。
次に、通常ミストの噴出について説明する。ノズルユニット2Gでは、ノズル2Pが第2の吹出口2vaに備えられる。ノズル2Pは管路2Paを通じて本体ケース2q上部に備えられた接続部2Oに接続される。接続部2Oは、前述した電磁弁ユニット2Dに接続されたノズル配管2bに接続される。これにより、ノズル2Pは温水または水等の供給を受けて霧状にして、通常の粒径のミスト(通常ミスト)を浴室101内に噴出する。
上述ように、ノズルユニット2Gでは、ノズル2oより噴出されたミストはプロペラファン2sに衝突することにより細霧化され、粒径の小さい微細ミストとして浴室101内に噴出される。また、ノズル2Pより噴出されたミストは、そのまま通常の粒径の通常ミストとして浴室101内に噴出される。ノズル2o及びノズル2Pに対しては、図7に示すように、それぞれ別体の電磁ユニット2D1・2D2が接続されて、水又は湯水の供給が行われる。
このため本発明の浴室空調システム1では、後述するように、電磁弁ユニット2D1・2D2をそれぞれ制御することにより、ノズル2Pによる通常ミストの噴出と、ノズル2pによる微細ミストの噴出を、それぞれ独立して行うことが可能となる。
<浴室空調装置>
図10及び図11は、浴室空調装置3の構成例を示す図である。図10Aは浴室空調装置3の構成を示す断面図であり、図10Bは図10Aのa−a断面図であり、図11は浴室空調装置1の分解斜視図である。
図10に示す浴室空調装置3は、送風手段の一例であるファン部32と、加熱手段一例である熱源としてのヒータ部33とを備えている。ファン部32は、本体ケース34に取り付けられている。ファン部32は、回転駆動される多翼のファン35と、このファン35を回転駆動するファンモータ36と、このファンモータ36が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース37とを備えている。
ファン35は縦向きに配置されている。ファンケース37のファン35の軸方向に沿った下面が開口し、吸込口38とされている。吸込口38には、浴室101の温度を検出する温度検出センサ69及び湿度センサ69aが取り付けられる。温度検出センサ69にはサーミスタが使用される。また、ファンケース37のファン35の軸方向とは直交する方向に沿った一の側面が開口し、この開口部に風路切換部39が備えられている。
風路切換部39は風路を切換えるダンパ40を備える。ダンパ40は後述するダンパモータ40cの駆動力がカム40aを介して伝達され、軸40bを支点に回転して開閉動作を行う。ファンケース37は、風路切換部39と連通して下面に吹出口41を備えると共に、風路切換部39と連通して一の側面に排気口42を備えている。この場合、ダンパ40の位置によって、吸込口38から吹出口41へ連通した風路、あるいは吸込口38から排気口42へ連通した風路が形成される。
上述の吹出口41の所定の位置には、排出する空気を加熱するヒータ部33が取り付けられる。ヒータ部33には、電気ヒータが使用される。吹出口41から浴室内へ温風を送風することで、ミストの温度低下を防止して、浴室内を暖房する。
また図10に示すように、送風方向切換手段の一例であるルーバ44が、吹出口41にて、上述したヒータ部33の下部に備えられる。ルーバ44は、例えば次に示すような構成となる。図10Bに示すように、ルーバモータ44a(44b)、アームA44c、アームB44d、複数の羽根44e及び羽根軸44fを備えた組を、二組備えてルーバ44は構成される。
それぞれのルーバモータ44a(44b)は、吹出口41の縁部近傍にて本体ケース34に固定されている。また各羽根軸44fは、吹出口41の各ルーバモータ44a(44b)の内側に位置するように、本体ケース34に所定の間隔で固定されている。
各羽根44eは各羽根軸44fに回転自在に取り付けられている。また各羽根44eは上端部にて、アームA44cに所定の間隔で回転自在に取り付けられている。アームA44cは、吹出口41の縁部側に位置する端部にてアームB44dに回転自在に取り付けられている。アームB44dは、本体ケース34に固定されたルーバモータ44a(44b)に取り付けられている。
このような構成により、ルーバモータ44a(44b)の駆動により、アームB44d及びアームA44cが回転し、アームA44cに取り付けられた各羽根44eが回転する。またアームA44cに取り付けられた各羽根44eは、全て同じ角度に回転し、この回転角度はルーバモータ44a(44b)の駆動により制御が可能となる。このようにルーバ44の各羽根44eの回転角度を制御することにより、吹出口41から吹出される吹出風47の送風方向を制御することが可能となる。
図11は浴室空調装置3の分解例を示す斜視図である。図11に示す浴室空調装置3は、本体ケース34からフロントパネル2Mが取外し(分解)可能な構造となされている。
この例で、温度検出センサ69は、本体ケース34の吸込口38に対応した部分に取り付けられ、浴室101の温度を検出する。図10において、本体ケース34は、下面が開口し、吸込口38と吹出口41が露出した状態となる。この本体ケース34の下面開口部に、フロントパネル2Mが取り付けられる。フロントパネル2Mは、本体ケース34に着脱可能なように構成されている。
このフロントパネル2Mは、ファン部32の吸込口38と対向して吸込グリル45を備えると共に、ファン部32の吹出口41と対向して吹出グリル46を備える。また、フロントパネル2Mの吸込グリル45の裏側に、図11に示したフィルタ29が交換可能に取り付けられる。例えば、フロントパネル2Mの側面には、フィルタ着脱用の挿入口28が開口され、この挿入口28に二点鎖線に示すフィルタ29が取り付けられる。本体ケース34は、ファン部32の排気口42と連通する排気ダクト接続部48を一の側面に備える。
図12A〜Cは、浴室空調装置3の動作例を示す図である。図12Aは、ダンパ40を全閉にした状態例を示す断面図である。この例では、浴室空調装置3のダンパ40を全閉にすると、排気口42への風路が遮断され、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aが形成される。このため、ダンパ40が全閉となる位置をダンパ40の循環位置と称する。
また、図12Aに示すように、ダンパ40の位置を循環位置にし、ファンモータ36によりファン35を回転駆動すると、空気が吸込口38から吸い込まれ、循環風路43aを通り吹出口41から吹き出す。ファンモータ36は、主制御部5Aから供給される駆動電圧V36により駆動される。このとき、ヒータ部33に通電すると、ヒータ部33が加熱することで吹出口41を通る空気が温められ、温風が吹出口41から吹き出す。ここで、ヒータ部33としては例えばPTCヒータを使用できる。
図12Bは、ダンパ40を全開にした状態例を示す断面図である。図12Bに示す浴室空調装置3によれば、そのダンパ40を全開にすると、吹出口41への風路が遮断され、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bが形成される。このため、ダンパ40が全開となる位置をダンパ40の換気位置と称する。
図12Cは、ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にした状態例を示す断面図である。図12Cに示す浴室空調装置3によれば、そのダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸気口38から吹出口41へ連通した循環風路43aと、吸気口38から排気口42へ連通した換気風路43bの双方が形成される。この中間位置を循環換気位置と称する。
続いて、浴室空調装置3の動作例について説明をする。この浴室空調装置3では、例えば、ファンモータ36が回転駆動されると、ファン部32のファン35が回転する。ファン35が回転すると、フロントパネル2Mの吸込グリル45を介して、ファン部32の吸込口38から浴室101の空気が吸い込まれる。
ダンパ40の位置が図12Aに示す循環位置にあると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル2Mの吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
ヒータ部33は循環風路43aの吹出口41に配置されるので、ヒータ部33が駆動されることで、循環風路43aを通る空気は、このヒータ部33で温められて吹出グリル46から吹き出す。これにより、ダンパ40を循環位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内に温風を吹き出させることができる。
ダンパ40の位置が図11Bに示す換気位置にあると、ファン部32において吸込口38から排気口42への換気風路43bが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、換気風路43b及び排気口42を通り、さらに、図1に示した排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される。これにより、ダンパ40を換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
ダンパ40の位置が図12Cに示す循環換気位置にあると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43a及び吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル2Mの吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43b及び排気口42を通り、排気ダクトを通って排気グリルから屋外へ排気される。
これにより、ダンパ40を循環換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33が非駆動の場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。また、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させてこの浴室101内に温風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。浴室空調装置3は電気式のみでなく、温水式であってもよい。
<ヒートポンプ式の浴室空調システム1>
図13は、ヒートポンプ式の給湯装置4の構成例を示すブロック図である。図13に示す給湯装置4は、図1に示したミスト発生装置2、浴室101、洗面脱衣所102、台所103等に温水Iを供給するものである。
給湯装置4は、ヒートポンプユニット53及び貯湯タンクユニット54を有して構成される。ヒートポンプユニット53は、大気と冷媒ガスとの間の熱交換及び冷媒ガスと水との間の熱交換で温水Iを生成する。貯湯タンクユニット54は、ヒートポンプユニット53で生成された温水Iを貯水する。例えば、貯湯タンクユニット54は、300乃至500リットルの蓄湯容量を有している。
ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55及び水熱交換器56を有して構成される。空気熱交換器55は、大気と冷媒ガスとの間で熱交換を行って、冷媒ガスの温度を上昇させるものである。水熱交換器56は、冷媒ガスと水との間で熱交換を行って、水の温度を上昇させるものである。
ヒートポンプユニット53には、ファン55a及び冷媒配管57が設けられる。ファン55aは、空気熱交換器55に大気を供給するように使用される。冷媒配管57は、空気熱交換器55と水熱交換器56との間に接続され、空気熱交換器55と水熱交換器56との間で冷媒ガスを循環するように使用される。
また、ヒートポンプユニット53には、ファン55a及び冷媒配管57の他に圧縮機58が備えられる。圧縮機58は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間であって、空気熱交換器55の下流側に配置され、空気熱交換器55で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒ガスを圧縮して温度をさらに上昇させるように使用される。
また、ヒートポンプユニット53には、空気熱交換器55と水熱交換器56の間であって、水熱交換器56の下流側には膨張弁59が備えられる。膨張弁59は、水熱交換器56で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒ガスを膨張させて温度を低下させるように使用される。
ヒートポンプユニット53には貯湯タンクユニット54が接続され、当該ヒートポンプユニット53で生成された温水Iを貯水するタンク60を備える。タンク60は、下部側に水が供給されると共に、上部側に温水Iが供給されて、下部側に比べて上部側の温度が高くなる段層化した状態で温水Iを貯水する。
ヒートポンプユニット53と貯湯タンクユニット54とは、水熱交換器56とタンク60の間が温水配管61a及び冷水配管61bで接続されている。例えば、温水配管61aは、水熱交換器56の流出側と、タンク60の上部側に設けられる流入口60aとの間を接続する。また、冷水配管61bは、水熱交換器56の流入側と、タンク60の下部側に設けられる流出口60bの間を接続する。
この冷水配管61bにはポンプ61cが取り付けられている。ポンプ61cは、冷水配管61bを介してタンク60の流出口60bから水を吸い込んで水熱交換器56に供給し、水熱交換器56を通過して生成された温水Iを、温水配管61aを介して流入口60aからタンク60に供給する。
また、タンク60には取水配管62と給水配管63とがそれぞれ接続されている。取水配管62は、タンク60に貯水された温水Iを取水するために使用される。取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bを備えている。高温部取水配管62aは、流入口60aと独立してタンク60の上部に設けられる高温部取水口60cと接続される。中温部取水配管62bは、高温部取水口60cより下側に設けられる中温部取水口60dに接続される。
取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bの合流箇所に切換弁62cを備え、タンク60における取水元が、高温部取水口60cか中温部取水口60dに切換えられる。
給水配管63は、タンク60に給水を行うために使用される。給水配管63は、例えば、流出口60bと独立してタンク60の下部に設けられる給水口60eと接続されると共に、タンク60の手前で分岐した分岐給水配管63aを備える。
さらに、貯湯タンクユニット54は、取水配管62から供給される温水Iと、分岐給水配管63aから供給される水を混合させる給湯混合弁64を備える。給湯混合弁64は、取水配管62と分岐給水配管63aの合流箇所に備えられ、取水配管62から供給される温水Iと、分岐給水配管63aから供給される水の混合比を切換えて、給湯配管65から供給される温水Iの温度を調整する。常温の水を排出することもできる。
給湯配管65は、図1に示した浴室101の浴槽101b、洗面脱衣所102の蛇口及び図示しない台所の蛇口等と接続され、温水I又は水を供給する。また、浴室101に接続される給湯配管65には、ミスト給湯配管65aが接続される。ここに分岐されたミスト給湯配管65aには、ミスト発生装置2が接続される。
次に、ヒートポンプ式の給湯装置4の動作例について説明する。給湯装置4では、まず、貯湯タンクユニット54のタンク60に、給水配管63から水が供給される。タンク60に供給された水は、冷水配管61bによりヒートポンプユニット53の水熱交換器56に供給される。
ヒートポンプユニット53では、ファン55aにより空気熱交換器55に大気が供給され、冷媒配管57を流れる冷媒ガスとの間で熱交換が行われ、冷媒ガスの温度が上昇する。空気熱交換器55で熱交換が行われた冷媒ガスは、圧縮機58で圧縮されることで、温度がさらに上昇する。
そして、圧縮機58で圧縮されて温度を上昇させた冷媒ガスは、水熱交換器56に供給される。これにより、水熱交換器56においては、大気との熱交換及び圧縮により温度が上昇した冷媒ガスと、貯湯タンクユニット54から供給された水との間で熱交換が行われ、温水Iが生成される。この水熱交換器56で熱交換された冷媒ガスは、膨張弁59で膨張されて温度が低下し、再度空気熱交換器55に供給される。
また、水熱交換器56で熱交換されて生成された温水Iは、温水配管61aによりタンク60に戻される。これにより、タンク60は、上部側の温度が高く、下部側が温度の低い二層化した状態で温水Iと水が貯水される。タンク60に貯水された温水Iは、取水配管62により取水される。ここで、切換弁62cにより、供給水の温度が高い場合は高温部取水配管62aから温水Iが取られ、供給水の温度が低い場合は中温部取水配管62bから温水Iを取られる。
取水配管62により取水された温水Iは、分岐給水配管63bから供給される水と給湯混合弁64で混合される。給湯混合弁64で温水Iと水の混合比を切換えることで、給湯配管65から供給される温水Iの温度が調整される。もちろん、常温の水を給湯配管65に送出することもできる。給湯配管65から供給される温水I又は水は、浴室101、洗面脱衣所102及び台所103に分配される。これにより、給湯配管65から分岐されたミスト給湯配管65aにより温水I又は水をミスト発生装置2に供給するようになされる。給湯装置4は自然冷媒を利用したヒートポンプ式でなくても、ヒートポンプ式でない通常の電気温水器であってもよく、ガスを熱源にした給湯装置でも他の熱源のものであってもよい。
<空調リモコン、ミストリモコン>
図14は、ミストリモコン(ミスト操作部)7の操作面の構成例を示す正面図である。ミストリモコン7は、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3を操作するための各種操作ボタン等を備える。ミストリモコン7は操作ボタンとして、例えば、ミスト運転を実行するミストボタン7b、ルーバ44の角度を設定するルーバーボタン7c、暖房運転モードを実行する暖房ボタン7d、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3を全停止させる停止ボタン7eを備える。また、ミストリモコン7はミスト発生装置2等の状態を表示するLEDとして、例えば、ミストLED7f、暖房LED7g及びエラーLED7hを備える。ミスト運転実行時の各操作ボタン及びLEDの動作の詳細については後述する。
図15は、空調リモコン(主操作部)6の操作面の構成例を示す正面図である。空調リモコン6は、表示部6b及び、浴室空調装置3及びミスト発生装置2を操作するための各種操作ボタン等を備える。空調リモコン6は操作ボタンとして、例えば、乾燥運転モードを実行する乾燥モードボタン6c、涼風運転モードを実行する涼風モードボタン6d、暖房運転モードを実行する暖房モードボタン6e、換気運転モードを実行する換気モードボタン6f、ルーバ44の角度を設定するルーバーボタン6oを備える。また、空調リモコン6は、操作ボタンとしてタイマの時間設定等を行うための変更ボタン6g、及び停止ボタン6hを備える。
更に空調リモコン6は、浴室空調装置3等の状態を表示するLEDとして、例えば、乾燥モードLED6i、涼風モードLED6j、ミストLED6k、暖房モードLED6l、及び換気モードLED6mを備える。ミスト運転実行時の各操作ボタン及びLEDの詳細については後述する。
<浴室空調装置及びミスト発生装置の制御系>
図16は、浴室空調装置3及びミスト発生装置2の制御系の構成例を示すブロック図である。
図16に示す浴室空調装置3は、図1に示したミスト発生装置2によって水又は温水Iが噴出される浴室101内の温度を調整する。浴室空調装置3は、浴室101内の温度を検出して得られる温度検出情報に基づいて当該浴室101内の温度を制御するためのCPU(Central Processing Unit)を有する主制御部5Aを備えている。主制御部5Aは送風制御手段の一例である。上述した空調リモコン6は、通信ケーブル6aを介して、この浴室空調装置3の主制御部5Aに接続されている。この例で、空調リモコン6から主制御部5Aには、通信ケーブル6aを介して、操作信号S6が出力される。
主制御部5Aには温度検出センサ69が接続される。温度検出センサ69は、図10又は図11に示した吸込口38に取り付けられ、浴室101内の温度を検出して得た温度検出信号S69を主制御部5Aへ出力さする。主制御部5Aは、温度検知センサ69から温度検出信号S69を入力し、当該温度検出信号S69をデジタル処理した温度検出情報と温度設定情報とを比較した結果に基づいて温度制御を実行する。
例えば、主制御部5Aは、浴室101内の上限温度と下限温度とが設定されると、ヒータ33に駆動電圧V33を出力して浴室101内の空気を加熱すると共に当該浴室101内の温度を温度検出センサ69を通じて検出する。主制御部5Aは、浴室101内の温度が上限温度に到達すると加熱処理を停止し、その後、浴室101内の温度を検出すると共に当該浴室101内の温度が下限温度に到達すると加熱処理を開始する。
また、主制御部5Aには湿度検出センサ69aが接続される。湿度検出センサ69aは、図10又は図11に示した吸込口38に取り付けられ、浴室101内の湿度を検出して得た湿度検出信号S69aを主制御部5Aへ出力する。
更に、この主制御部5Aには、浴室照明スイッチ69Bから、このスイッチがオンされたか否かを示す信号S69bが供給される。この主制御部5Aから、ファンモータ36、ダンパモータ40c、ヒータ部33を動作させるための駆動電圧V36、V40c、V33、及び、ルーバ44の動作を制御するための制御信号S44が各々供給される。
また、図16に示すミスト発生装置2は、電源部ユニット2Bと、二つの電磁弁ユニット2D1、2A2を備える。更に図16に示すミスト発生装置2は、第1のミスト噴出装置2Aを備える場合においては、二つのミスト噴出ユニット2C(2C1、2C2)を備える。第2のミスト噴出装置2Bを備える場合においては、ノズルユニット2Gを備える。
ミスト噴出制御手段の一例である電源部ユニット2Bは、電源部2Baと、電磁弁駆動部2Bbと、CPUを有するミスト制御部2Bcとを備えている。電源部2Baは、家庭用交流電源、例えばAC100Vから、電磁弁を駆動するために使用する24Vの直流電圧、ノズルユニット2のモータ73や84等を駆動するための直流電圧等を生成する。
電源部2Baには電磁弁駆動部2Bb及びミスト制御部2Bcが接続され、ミスト制御部2Bcによる制御の下、電源部2Baで生成される24Vの直流電圧を用いて、電磁弁ユニット2D1・2A2をそれぞれ構成する電磁弁2d1,2e1,2f1,2d2,2e2,2f2を駆動する。この場合、各電磁弁2d,2e,2fは、それぞれ、DC24[V]の駆動電圧V2d,V2e,V2fが印加されることでバルブが開状態となる。駆動電圧V2d=0[V]で電磁弁2dのバルブが閉状態となり、駆動電圧V2e=0[V]で電磁弁2eのバルブが閉状態となり、駆動電圧V2f=0[V]で電磁弁2fの各々のバルブが閉状態となる。
ミスト制御部2Bcには、上述したように、電磁弁ユニット2D1・2A2にそれぞれ取り付けられた温度検出センサ2h1・2h2が接続される。この例で、温度検出センサ2hからミスト制御部2Bcには温度検出信号S2hが出力される。上述したミストリモコン7は、通信ケーブル7aを介して、この電源部ユニット2Bのミスト制御部2Bcに接続されている。ミストリモコン7からミスト制御部2Bcには通信ケーブル7aを介して操作信号S7aが出力される。このミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbの動作を制御する。
また、浴室空調装置3の主制御部5Aと電源部ユニット2Bのミスト制御部2Bcとは互いに接続され、浴室空調装置3とミスト発生装置2との連係動作が可能となっている。例えば、主制御部5Aからミスト制御部2Bcへ通信制御信号S5aを出力して、空調リモコン6で指定された内容に基づいてミスト運転を実行する。反対に、ミスト制御部2Bcから主制御部5Aへ通信制御信号S5aを出力して、ミストリモコン7で指定された内容に基づいて空調運転を実行するようにしてもよい。
また、ミスト制御部2Bcは、ミスト噴出ユニット2C1・2C2又はノズルユニット2Gに接続され、ノズル11の方向制御、又はファンモータ2rの制御等を行う。
<浴室空調システム1の動作例>
次に、浴室空調システム1のミスト運転の動作例について説明する。ここでミスト運転はミストモードの一例である。浴室空調システム1がミスト運転を実行することにより、浴室空調装置3の吹出口41より浴室101内へ温風が送風され、ミスト発生装置2のミスト噴出ユニット2Cより浴室101内に温水によるミストが噴出される。これにより、浴室101内にミストサウナ環境がつくられる。
以下において、ミスト運転の開始について説明する。図17から図20は、ミスト発生装置2A1又はミスト発生装置2Eを備える浴室空調システム1のミスト運転開始時の動作例を示すフローチャートである。図21は、本発明の浴室空調システム1のミスト運転開始時の動作例を示す説明図である。図21Aはミスト運転開始時の温度の時間変化を示し、図21Bは、ミスト運転開始時の湿度の時間変化を示している。図21において、本発明の浴室空調システム1による時間変化をFで示す。また、通常の粒径の通常ミストのみを噴出した場合の時間変化をGで示し、微細ミストのみを噴出した場合の時間変化をHで示す。
浴室空調システム1においては、以下のようなフローでミスト運転が開始される。ミスト発生装置2及び浴室空調装置3が停止している状態において、使用者は、まずミストリモコン7のミストボタン7b又は空調リモコン6の暖房モードボタン6eを押下する(図17のステップST01)。これにより、空調リモコン6のミストLED6k及びミストリモコン7のミストLED7fが点滅する(ステップST02)。
その後、空調リモコン6の暖房モードLED6lの「強」及びミストリモコン7の暖房モードLED7gの「強」が点灯し、浴室空調装置3がヒータ部33の出力を「強」にした状態で暖房運転を開始する(ステップST03)。この時、図21の時間変化のグラフにおいては、図21AのI及び図21BのMで示す箇所である。暖房運転を開始することにより、図21Aに示すように浴室101内の温度は上昇し、図21Bに示すように浴室101内の相対湿度は低下する。
その後、ミストリモコン7より、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcを介して浴室空調装置3の主制御部5Aへ、「ミスト運転開始コマンド」を送信する(ステップ04)。この「ミスト運転開始コマンド」を受け、浴室空調装置3の主制御部5Aは、温度検出センサ69により浴室内の温度を検出し、浴室内の温度が所定の温度(例えば30℃)以上であるか否かを判別する(ステップST05)。ここで浴室内の温度が所定の温度未満である場合、浴室空調装置3の主制御部5Aより、ミストリモコン7に対して「ミスト運転不可コマンド」を送信する(ステップST06)。その後所定時間(例えば5秒間)待機し(ステップST07)、再度、ミストリモコン7より、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcを介して浴室空調装置3の主制御部5Aへ、「ミスト運転開始コマンド」を送信する(ステップ04)。
ステップST05で浴室内の温度が所定の温度以上であると判別された場合、浴室空調装置3の主制御部5Aより、ミストリモコン7に対して「ミスト運転許可コマンド」を送信する(ステップST08)。その後所定時間(例えば4秒間)待機し(ステップST09)、空調リモコン6のミストLED6k及びミストLED7fは点滅のままとなる(ステップST10)。
その後、ミスト制御部2Bcは電磁弁駆動部2Bbにより、給湯用電磁弁2d1・2d2をそれぞれを開状態にし(ステップST11)、排水用電磁弁2f1・2f2をそれぞれ開状態にする(ステップST12)。これにより、給水配管2aから配管2kを介してドレン配管2cより、温水Iが排水された状態となる。
その後、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcにより、タイマt3がリセットされ(図18のステップST13)、温度検出センサ2h1・2h2により温水Iが所定の温度(例えば30℃)以上であるか否かを判別する(ステップST14)。温水Iの温度が所定の温度未満である場合、タイマt3のリセットから所定時間(例えば5分間)以上経過しているか否かが判別される(ステップST15)。
ここでタイマt3のリセットから所定時間(例えば5分間)以上経過している場合、給湯装置4等に障害が発生していると判断し、図20に示すフローが実行される。まずミストリモコン7のエラーLED7hが点灯する(図20のステップST39)。その後、ミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbにより給湯用電磁弁2d1(2d2)を閉状態にし(ステップST40)、ミスト用電磁弁2e1(2e2)を開状態にする(ステップST41)。これにより、接続管2b′からの残水が、配管2j及び2kを通じて電磁弁2fに至りドレン配管2cに排水される。これにより、接続管2b′、電磁弁2e、配管2j及び2k内の残水を電磁弁2fを通じて浴室外部へ排出することができる。
その後所定時間(例えば3秒間)待機し(ステップST42)、ミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbによりミスト用電磁弁2e1(2e2)を閉状態にし(ステップST43)、排水用電磁弁2f1(2f2)を閉状態にする(ステップST44)。その後ミストリモコン7のブザーを3秒間鳴らした後(ステップST45)、浴室空調装置3の暖房運転及びルーバ44を停止させる(ステップST46)。
ここで、使用者が、ミストリモコン7の停止ボタン7e又は空調リモコン6の停止ボタン6hを押下することによりエラー状態が解除され(ステップST47)、ミストリモコン7のエラーLED7hが消灯する(ステップST48)。
図18に戻り、ステップST15において、タイマt3のリセットより所定時間(例えば5分間)以上経過しておらず、ステップST14において温水Iが所定の温度(例えば30℃)以上であると判別された場合は、以下のようなフローが実行される。タイマt3のリセットから所定時間(例えば5秒間)以上経過しているか否かが判別される(ステップST16)。タイマt3のリセットから所定時間(例えば5秒間)以上経過していない場合、再びタイマt3がリセットされ(ステップST17)、所定時間(例えば5秒間)待機する(ステップST18)。
ステップST16において、タイマt3のリセットから所定時間(例えば5秒間)以上経過していると判別された場合、あるいはステップST18において所定時間(例えば5秒間)待機した後、ミストLED6kは点滅のままで、ミストLED7fを点灯させ(ステップST19)、ミストリモコン7のブザーを1秒間鳴らす(ステップST20)。
その後、フローチャートには図示しないが、ノズルユニット2Gを備える場合においては、ファンモータ2rによりプロペラファン2sを回転させる。ミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbによりミスト用電磁弁2e2を開状態にし(ステップST21)、排水用電磁弁2f2を閉状態にする(ステップST22)。これにより、ミスト発生装置2のノズルユニット2C2(又はノズルユニット2G)より、浴室101内に微細ミストが噴出され、浴室空調装置3の吹出口41より浴室101内に温風が送風されるミスト運転状態となる(この状態は第1状態の一例である)。この時、図21に示す時間変化においては、図21AのJ及び図21BのNに示す箇所である。
本発明の浴室空調システム1においては、このように、まず微細ミストが先に浴室101内に噴出されるため、図21AのFに示すように、通常ミストを噴出した場合のGと比較して、温度の急激な低下を防ぐことが可能となる。
微細ミストの噴出開始後、所定時間(例えば5分間)待機する(ステップST23)。その後、主制御部5Aは温度検出センサ69により、浴室101内の温度が所定値(例えば35℃)以上となったか否かを判別する(ステップST24)。浴室101内の温度が所定値(例えば35℃)以上でない場合、浴室101内の温度が所定値以上となるまで待機する。
ここで、ステップST23及びステップST24において、微細ミストの噴出開始後、所定時間(例えば5分間)待機した後、浴室101内の温度が所定値(例えば35℃)以上となったか否かを判別するとした。
微細ミストの噴出後、所定時間(例えば5分間)が経過し、浴室101内の温度が所定値(例えば35℃)となった後、浴室101内の湿度が所定の値以上の状態であると判断して、ミストLED6kを点灯させた後ミスト用電磁弁2e1を開状態とし(ステップST25)、排水用電磁弁2f1を閉状態とする(ステップST26)。これにより、浴室101内に通常ミストが噴出された状態となる(この状態は第2状態の一例である)。この時、図21に示す時間変化においては、図21AのK及び図21BのOに示す箇所である。
このように、本発明の浴室空調システム1においては、浴室101内の温度が所定以上であり、微細ミストを浴室101内に噴出して所定時間経過した状態で、浴室101内の湿度が所定値以上であると判断して、通常ミストを浴室101内に噴出する。これにより、図21BのFに示すように、微細ミストのみを噴出した場合と比較して浴室101内の湿度を早く上昇させることが可能となる。
また、上述した例においては、微細ミスト噴出から所定時間(例えば5分間)経過して、浴室101内が所定の温度(例えば35℃)であることにより、浴室101内が所定の湿度以上であると判断するとした。しかし、湿度検出センサ69aにより浴室101内が湿度の湿度以上であるか否かを判別するとしてもよく、湿度検出センサ69aと温度検出センサ69の両方の値を検出して、浴室101内の温度と湿度の両方の値により判別するようにしてもよい。
通常ミストの噴出を開始した後、排水用電磁弁2f2を開状態とし(ステップST27)、ミスト用電磁弁2e2を閉状態とし(ステップST28)、給湯用電磁弁2d2を閉状態とする(ステップST29)。これにより、微細ミストの浴室101内への噴出が停止する。その後、フローチャートには示さないが、ノズルユニット2Gを備える場合においては、ファンモータ2rを停止し、プロペラファン2sを停止させる。
ステップST29の後、所定時間(例えば10分間)待機する(ステップST30)。その後、主制御部5Aは湿度検出センサ69aにより、浴室101内の湿度が所定値(例えば95%)以上となったか否かを判別する(ステップST31)。浴室101内の湿度が所定値(例えば95%)以上でない場合、浴室101内の湿度が所定値(例えば95%)以上となるまで待機する。
浴室101内の湿度が所定値以上となった場合、空調リモコン6のミストLED6k及びミストリモコン7のミストLED7fを点灯させる(ステップST32)。その後、給湯用電磁弁2d2を開状態とし(ステップST33)、ミスト用電磁弁2e2を開状態とし(ステップST34)、排水用電磁弁2f2を閉状態とする(ステップST35)。その後、排水用電磁弁2f1を開状態とし(ステップST36)、ミスト用電磁弁2e1を閉状態とし(ステップST37)、給湯用電磁弁2d1を閉状態とする(ステップST38)。これにより、浴室101内への通常ミストの噴出が停止し、微細ミストの噴出が開始された状態となる。この時、図21に示す時間変化においては、図21AのL及び図21BのPに示す箇所である。
その後、空調リモコン6、ミストリモコン7の停止ボタン6h、7eが押されるか、所定時間(例えば1時間)経過するかによって、ミスト発生装置2、浴室空調装置3の運転を停止する。また、湿度検出センサ69aによって、浴室101内の湿度を継続して監視し、浴室101内の湿度が所定湿度(例えば90%)を下回った場合は、ノズルユニットから通常ミストを噴出して、再度、浴室101内の湿度が所定湿度(例えば95%)を上回った場合は、ノズルユニットから微細ミストを噴出することにより、浴室101内の湿度に応じて、通常ミストと微細ミストの噴出を切り換えるようにしてもよい。
このように、本発明の浴室空調システム1においては、浴室101内の湿度が飽和した状態において、通常ミストの噴出を停止して微細ミストの噴出を行う。これにより、浴室101内の湿度を所定以上に保ち、且つ浴室内に噴出されるミストの量を減少させることができ、使用する湯量を削減することが可能となる。
また、上述した例においては、浴室101内の湿度が飽和した状態であると判別するのに、通常ミスト噴出からの時間経過及び浴室101内の温度により判断するとした。しかし、浴室空調システム1が湿度センサを備え、湿度センサにより浴室101内の湿度が飽和した状態であるか否かを判別するとしてもよい。
また、上述した第1のミスト発生装置2Aにおいては、通常のミストを噴出するノズルユニット2C1と、微細ミストを噴出するノズルユニット2C2とを備え、第1状態においてはノズルユニット2C2から微細ミストを噴出し、第2状態においてはノズルユニット2C1から通常のミストを噴出するとした。
しかし、通常のミストを噴出するノズルユニット2C1を2組備え、第1状態においては一方のノズルユニット2C1からミストを噴出し、第2状態においては両方のノズルユニット2C2からミストを噴出するとしてもよい。
1・・・浴室空調システム、2、2A、2E・・・ミスト発生装置、2C、2C1、2C2・・・ノズルユニット、2D,2D1、2D2′・・・電磁弁ユニット、2a・・・給水配管、2b・・・ノズル配管、2c・・・ドレン配管、2a′〜2c′・・・接続部、2d,2e,2f・・・電磁弁、2h・・・温度検出センサ、2j〜2k・・・配管、3・・・浴室空調装置、4・・・給湯装置、5A・・・制御部、6・・・空調リモコン、6a,7a,80a・・・通信ケーブル、7・・・ミストリモコン、7a・・・通信ケーブル、26・・・フロントパネル、44・・・ルーバ、101・・・浴室