以下、図面を参照しながら、本発明の湯水噴出空調システムの実施の形態としての浴室空調システムについて説明する。
<浴室空調システムの全体>
図1は本実施の形態の浴室空調システム1の一例を示す構成図であり、図1では、本発明の実施の形態としての浴室空調システム1の構成例を断面の概念図で示す。本実施の形態の浴室空調システム1は、温水を霧状のミストにして浴室101内に噴出するミスト発生装置2と、浴室101の暖房や換気等を行う浴室空調装置3を備える。
浴室空調システム1は、ミスト発生装置2に対する温水HWの供給元として、例えば自然冷媒(CO2)を利用したヒートポンプ方式の給湯装置4と組み合わせて使用される。
ミスト発生装置2は、ミスト生成する電磁弁ユニット2Aと、給湯装置4から供給される温水(水)を、電磁弁ユニット2Aに供給するか排水するかを切り替える電源部ユニット2Bを備える。ここで、ミストとは、霧や靄、さらにはシャワー等の状態を含むものである。
浴室空調システム1は、浴室101に設置されたミスト操作部(ミストリモコン)7と、浴室101に隣接した洗面脱衣所102に設置された主操作部(空調リモコン)6が操作されることで、ミスト発生装置2と浴室空調装置3で実行される運転モードが選択される。
ミスト操作部5では、主に暖房に関する運転モードについての操作が行われ、入浴中等に暖房に関する操作が可能である。また、主操作部6では、暖房を含めた全般の運転モードについての操作が行われ、浴室101に入室することなく、暖房、換気や乾燥等に関する操作が可能である。
浴室空調システム1は、ミスト発生装置2に備えたミスト制御部2Bcと、浴室空調装置3に備えた主制御部5Aに制御される。ミスト制御部2Bcは、ミスト発生装置2の電源部ユニット2Bに備えられ、ミストMの噴出の有無を切り替える制御等を行う。また、主制御部5Aは、浴室空調装置3を駆動して、浴室101から空気Aを吸い込み、温風HAあるいは送風として吹き出す制御、及び浴室101から吸い込んだ空気Aを屋外へ排気する制御等を行う。
そして、浴室空調システム1は、ミスト操作部5あるいは主操作部6が操作されることで選択された運転モードに応じて、ミスト制御部2Bcと主制御部5Aとの間で通信が行われ、浴室空調装置3単独あるいはミスト発生装置2と浴室空調装置3を連動させた制御が実行される。
ミスト操作部5あるいは主操作部6が操作されることで選択され、浴室空調システム1で実行される運転モードとして、例えば、ミスト発生装置2によるミストMの噴出と、浴室空調装置3による温風HAの吹き出しを連動させて、浴室101内を中温高湿のミストサウナ状態とするミストモードを備える。
ミストモードでは、浴室空調装置3により温風HAを吹き出して浴室101内の温度を上昇させてから、ミスト発生装置2で所定の温度に達したミストMの噴出を行うことで、入浴者(利用者)に冷感を与えないようにする。
そして、ミストモードでは、浴室101内の温度及びミストMとして噴出させる温水HWの温度を検出し、浴室101内の状態が入浴に適した状態となったか否かを判断して、ミスト操作部5及び主操作部6より入浴者等に報知する。
<ミスト発生装置の構成例及び動作例>
図2はミスト発生装置2を構成するノズルユニット2Cの一例を示す構成図で、図2(a)はノズルユニット2Cを下側から見た平面図、図2(b)は図2(a)に示すノズルユニット2CのA−A断面図、図2(c)は図2(a)に示すノズルユニット2CのB−B断面図である。
ノズルユニット2Cは湯水噴出装置の一例で、ミストを生成する複数のミストノズル11が、各ミストノズル11に温水(水)を供給する供給配管12を介して本体部13の内部に取り付けられる。
各ミストノズル11は、1本の供給配管12に接続されて、一列に並べて配置される。本例では、3個のミストノズル11を所定の間隔を開けて配置して、各ミストノズル11が供給配管12と接続され、供給配管12に温水が供給されると、各ミストノズル11に温水が分配されて、各ミストノズル11からミストが噴出する。
ノズルユニット2Cは、図1に示す浴室101の天井パネルに形成された開口に本体部13が挿入され、本体部13の下部開口を覆うフロントパネル14が取り付けられて、浴室101の天井パネルに設置される。
フロントパネル14は、ミストノズル11の配置に合わせて穴部14aが形成され、穴部14aからミストノズル11が露出している。
ここで、フロントパネル14を固定する図示しないネジが挿入される長穴14bを備えて、フロントパネル14の取り付け位置を、ミストノズル11の並ぶ方向に対して直交する方向に移動できる構成とすることで、フロントパネル14の穴部14aの位置に応じて各ミストノズル11が供給配管12を軸に回転するようにして、ノズルユニット2Cの設置時に、ミストの噴出方向を選択できるようにしても良い。
例えば、ノズルユニット2Cは、ミストノズル11の並ぶ方向を、図1に示す浴室101において浴槽101bと洗い場101eの並ぶ方向に対して直交する向きとして設置されるので、ミストMの噴出方向を浴槽101b側と洗い場101e側との間で選択可能となっている。
図3はミスト発生装置2を構成する電磁弁ユニット2Aの一例を示す構成図である。電磁弁ユニット2Aは、図1に示す給湯装置4からの給水配管2aが接続される給湯配管接続部2a’と、電磁弁ユニット2Aへの配管2bが接続される供給配管接続部2b’と、ドレン配管2cが接続されるドレン配管接続部2c’を備える。
電磁弁ユニット2Aは、給湯配管接続部16aと供給配管接続部16bとの間が供給配管2jで接続され、給湯装置4とノズルユニット2Cとの間を接続している。また、電磁弁ユニット2Aは、供給配管2jから分岐した排水配管2kがドレン配管接続部2c’と接続され、給湯装置4とドレン配管2cとの間を接続している。
電磁弁ユニット2Aは、排水配管2kとの分岐部より上流側の供給配管2jに、給湯の有無を切り替える給湯用電磁弁2dを備えると共に、分岐部より下流側の供給配管2jに、温水または水の供給先を電磁弁ユニット2Aに切り替えるミスト用電磁弁2eを備える。
更に、電磁弁ユニット2Aは、温水または水の供給先をドレン配管2cに切り替える排水用電磁弁2fを、排水配管2kに備える。
また、電磁弁ユニット2Aは、給湯用電磁弁2dと分岐部との間の供給配管2jに、供給配管2jを流れる温水または水の温度を検出する水温検出センサ2hを備える。
ここで、供給配管2jに設ける給湯用電磁弁2d及びミスト用電磁弁2eの設置高さより、排水配管2kに設ける排水用電磁弁2fの設置高さが低くなるように、供給配管2jと排水配管2kの流路を構成することで、流路中に残水が滞留しないようにしている。
図4及び図5は電磁弁ユニット2Aの動作説明図である。ミスト噴出時は、図4(a)に示すように、給湯用電磁弁2dとミスト用電磁弁2eは開き、排水用電磁弁2fは閉じる。これにより、図1に示す給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管2jを流れて電磁弁ユニット2Aに供給され、電磁弁ユニット2AでミストMが噴出される。
排水時は、図4(b)に示すように、給湯用電磁弁2dと排水用電磁弁2fは開き、ミスト用電磁弁2eは閉じる。これにより、給湯装置4から供給された温水HWが、供給配管2j及び排水配管2kを流れてドレン配管2cから排水(EW)される。
排水の停止時は、まず、図5(a)に示すように、排水用電磁弁2fは開けた状態で、給湯用電磁弁2dを閉じた後、ミスト用電磁弁2eを開ける。これにより、供給配管2jの電磁弁ユニット2Aと接続された側が大気に開放された状態となるので、供給配管2j内の残水RWが排水配管2kへと流れてドレン配管2cから排水される。
そして、残水RWの排水に要する時間に応じて設定された所定時間経過後、図5(b)に示すように、給湯用電磁弁2d、ミスト用電磁弁2e及び排水用電磁弁2fの全てを閉じることで、給湯用電磁弁2dより下流側の流路に残水を滞留させない状態とすることができる。
<浴室空調装置>
図6及び図7は、浴室空調装置3の構成例を示す図である。図6(A)は浴室空調装置3の構成を示す断面図であり、図6(B)は図6(A)のa−a断面図である。
図6(A)に示す浴室空調装置3は、送風手段の一例であるファン部32と、加熱手段一例である熱源としてのヒータ部33とを備えている。ファン部32は、本体ケース34に取り付けられている。ファン部32は、回転駆動される多翼のファン35と、このファン35を回転駆動するファンモータ36と、このファンモータ36が取り付けられると共に、風路を形成するファンケース37とを備えている。
ファン35は縦向きに配置されている。ファンケース37のファン35の軸方向に沿った下面が開口し、吸込口38とされている。吸込口38には、浴室101の温度を検出する温度検出センサ69が取り付けられる。温度検出センサ69にはサーミスタが使用される。また、ファンケース37のファン35の軸方向とは直交する方向に沿った一の側面が開口し、この開口部に風路切換部39が備えられている。
風路切換部39は風路を切換えるダンパ40を備える。ダンパ40は後述するダンパモータ40cの駆動力がカム40aを介して伝達され、軸40bを支点に回転して開閉動作を行う。ファンケース37は、風路切換部39と連通して下面に吹出口41を備えると共に、風路切換部39と連通して一の側面に排気口42を備えている。この場合、ダンパ40の位置によって、吸込口38から吹出口41へ連通した風路、あるいは吸込口38から排気口42へ連通した風路が形成される。
上述の吹出口41の所定の位置には、排出する空気を加熱するヒータ部33が取り付けられる。ヒータ部33には、電気ヒータが使用される。吹出口41から浴室内へ温風を送風することで、ミストの温度低下を防止して、浴室内を暖房する。
また図6(A)に示すように、送風方向切換手段の一例であるルーバ44が、吹出口41にて、上述したヒータ部33の下部に備えられる。ルーバ44は、例えば次に示すような構成となる。図6(B)に示すように、ルーバモータ44a(44b)、アームA44c、アームB44d、複数の羽根44e及び羽根軸44fを備えた組を、二組備えてルーバ44は構成される。
それぞれのルーバモータ44a(44b)は、吹出口41の縁部近傍にて本体ケース34に固定されている。また各羽根軸44fは、吹出口41の各ルーバモータ44a(44b)の内側に位置するように、本体ケース34に所定の間隔で固定されている。
各羽根44eは各羽根軸44fに回転自在に取り付けられている。また各羽根44eは上端部にて、アームA44cに所定の間隔で回転自在に取り付けられている。アームA44cは、吹出口41の縁部側に位置する端部にてアームB44dに回転自在に取り付けられている。アームB44dは、本体ケース34に固定されたルーバモータ44a(44b)に取り付けられている。
このような構成により、ルーバモータ44a(44b)の駆動により、アームB44d及びアームA44cが回転し、アームA44cに取り付けられた各羽根44eが回転する。またアームA44cに取り付けられた各羽根44eは、全て同じ角度に回転し、この回転角度はルーバモータ44a(44b)の駆動により制御が可能となる。このようにルーバ44の各羽根44eの回転角度を制御することにより、吹出口41から吹出される吹出風47の送風方向を制御することが可能となる。
図7は浴室空調装置3の分解例を示す斜視図である。図7に示す浴室空調装置3は、本体ケース34からフロントパネル26が取外し(分解)可能な構造となされている。
この例で、温度検出センサ69は、本体ケース34の吸込口38に対応した部分に取り付けられ、浴室101の温度を検出する。図7において、本体ケース34は、下面が開口し、吸込口38と吹出口41が露出した状態となる。この本体ケース34の下面開口部に、フロントパネル26が取り付けられる。フロントパネル26は、本体ケース34に着脱可能なように構成されている。
このフロントパネル26は、ファン部32の吸込口38と対向して吸込グリル45を備えると共に、ファン部32の吹出口41と対向して吹出グリル46を備える。また、フロントパネル26の吸込グリル45の裏側に、図7に示したフィルタ29が交換可能に取り付けられる。例えば、フロントパネル26の側面には、フィルタ着脱用の挿入口28が開口され、この挿入口28に二点鎖線に示すフィルタ29が取り付けられる。本体ケース34は、ファン部32の排気口42と連通する排気ダクト接続部48を一の側面に備える。この排気ダクト接続部48に、図1に示したような排気ダクト8が接続される。
図8(A)〜(C)は、浴室空調装置3の動作例を示す図である。図8(A)は、ダンパ40を全閉にした状態例を示す断面図である。この例では、浴室空調装置3のダンパ40を全閉にすると、排気口42への風路が遮断され、吸込口38から吹出口41へ連通した循環風路43aが形成される。このため、ダンパ40が全閉となる位置をダンパ40の循環位置と称する。
また、図8(A)に示すように、ダンパ40の位置を循環位置にし、ファンモータ36によりファン35を回転駆動すると、空気が吸込口38から吸い込まれ、循環風路43aを通り吹出口41から吹き出す。ファンモータ36は、主制御部5Aから供給される駆動電圧V36により駆動される。このとき、ヒータ部33に通電すると、ヒータ部33が加熱することで吹出口41を通る空気が温められ、温風が吹出口41から吹き出す。ここで、ヒータ部33としては例えばPTCヒータを使用できる。
図8(B)は、ダンパ40を全開にした状態例を示す断面図である。図8(B)に示す浴室空調装置3によれば、そのダンパ40を全開にすると、吹出口41への風路が遮断され、吸込口38から排気口42へ連通した換気風路43bが形成される。このため、ダンパ40が全開となる位置をダンパ40の換気位置と称する。
図8(C)は、ダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にした状態例を示す断面図である。図8(C)に示す浴室空調装置3によれば、そのダンパ40を循環位置と換気位置の中間位置にすると、吸気口38から吹出口41へ連通した循環風路43aと、吸気口38から排気口42へ連通した換気風路43bの双方が形成される。この中間位置を循環換気位置と称する。
続いて、浴室空調装置3の動作例について説明をする。この浴室空調装置3では、例えば、ファンモータ36が回転駆動されると、ファン部32のファン35が回転する。ファン35が回転すると、フロントパネル26の吸込グリル45を介して、ファン部32の吸込口38から浴室101の空気が吸い込まれる。
ダンパ40の位置が図8(A)に示す循環位置にあると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43aが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出される。
ヒータ部33は循環風路43aの吹出口41に配置されるので、ヒータ部33が駆動されることで、循環風路43aを通る空気は、このヒータ部33で温められて吹出グリル46から吹き出す。これにより、ダンパ40を循環位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内に温風を吹き出させることができる。
ダンパ40の位置が図8(B)に示す換気位置にあると、ファン部32において吸込口38から排気口42への換気風路43bが形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、換気風路43b及び排気口42を通り、さらに、図1に示した排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される。これにより、ダンパ40を換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、浴室101内の湯気や湿気が排気される。
ダンパ40の位置が図8(C)に示す循環換気位置にあると、ファン部32において吸込口38から吹出口41への循環風路43a及び吸込口38から排気口42への換気風路43bの双方が形成されるので、吸込口38から吸い込まれた空気は、一部は循環風路43aを通り吹出口41からフロントパネル26の吹出グリル46を介して浴室101内に吹き出され、その他は換気風路43b及び排気口42を通り、さらに、図1に示した排気ダクト8を通って排気グリル8aから屋外へ排気される。
これにより、ダンパ40を循環換気位置として、ファンモータ36が回転駆動されると、ヒータ部33が非駆動の場合は、浴室101内の空気を循環させながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。また、ヒータ部33を駆動した場合は、浴室101内の空気を循環させてこの浴室101内に温風を吹き出しながら、浴室101内の湯気や湿気が排気される。浴室空調装置3は電気式のみでなく、温水式であってもよい。
<ヒートポンプ式の給湯装置>
図9は、ヒートポンプ式の給湯装置4の構成例を示すブロック図である。図9に示す給湯装置4は、図1に示したミスト発生装置2、浴室101、洗面脱衣所102、台所103等に温水Iを供給するものである。
給湯装置4は、ヒートポンプユニット53及び貯湯タンクユニット54を有して構成される。ヒートポンプユニット53は、大気と冷媒ガスとの間の熱交換及び冷媒ガスと水との間の熱交換で温水Iを生成する。貯湯タンクユニット54は、ヒートポンプユニット53で生成された温水Iを貯水する。例えば、貯湯タンクユニット54は、300乃至500リットルの蓄湯容量を有している。
ヒートポンプユニット53は、空気熱交換器55及び水熱交換器56を有して構成される。空気熱交換器55は、大気と冷媒ガスとの間で熱交換を行って、冷媒ガスの温度を上昇させるものである。水熱交換器56は、冷媒ガスと水との間で熱交換を行って、水の温度を上昇させるものである。
ヒートポンプユニット53には、ファン55a及び冷媒配管57が設けられる。ファン55aは、空気熱交換器55に大気を供給するように使用される。冷媒配管57は、空気熱交換器55と水熱交換器56との間に接続され、空気熱交換器55と水熱交換器56との間で冷媒ガスを循環するように使用される。
また、ヒートポンプユニット53には、ファン55a及び冷媒配管57の他に圧縮機58が備えられる。圧縮機58は、空気熱交換器55と水熱交換器56の間であって、空気熱交換器55の下流側に配置され、空気熱交換器55で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒ガスを圧縮して温度をさらに上昇させるように使用される。
また、ヒートポンプユニット53には、空気熱交換器55と水熱交換器56の間であって、水熱交換器56の下流側には膨張弁59が備えられる。膨張弁59は、水熱交換器56で熱交換されて冷媒配管57を流れる冷媒ガスを膨張させて温度を低下させるように使用される。
ヒートポンプユニット53には貯湯タンクユニット54が接続され、当該ヒートポンプユニット53で生成された温水Iを貯水するタンク60を備える。タンク60は、下部側に水が供給されると共に、上部側に温水Iが供給されて、下部側に比べて上部側の温度が高くなる段層化した状態で温水Iを貯水する。
ヒートポンプユニット53と貯湯タンクユニット54とは、水熱交換器56とタンク60の間が温水配管61a及び冷水配管61bで接続されている。例えば、温水配管61aは、水熱交換器56の流出側と、タンク60の上部側に設けられる流入口60aとの間を接続する。また、冷水配管61bは、水熱交換器56の流入側と、タンク60の下部側に設けられる流出口60bの間を接続する。
この冷水配管61bにはポンプ61cが取り付けられている。ポンプ61cは、冷水配管61bを介してタンク60の流出口60bから水を吸い込んで水熱交換器56に供給し、水熱交換器56を通過して生成された温水Iを、温水配管61aを介して流入口60aからタンク60に供給する。
また、タンク60には取水配管62と給水配管63とがそれぞれ接続されている。取水配管62は、タンク60に貯水された温水Iを取水するために使用される。取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bを備えている。高温部取水配管62aは、流入口60aと独立してタンク60の上部に設けられる高温部取水口60cと接続される。中温部取水配管62bは、高温部取水口60cより下側に設けられる中温部取水口60dに接続される。
取水配管62は、高温部取水配管62aと中温部取水配管62bの合流箇所に切換弁62cを備え、タンク60における取水元が、高温部取水口60cか中温部取水口60dに切換えられる。
給水配管63は、タンク60に給水を行うために使用される。給水配管63は、例えば、流出口60bと独立してタンク60の下部に設けられる給水口60eと接続されると共に、タンク60の手前で分岐した分岐給水配管63aを備える。
さらに、貯湯タンクユニット54は、取水配管62から供給される温水Iと、分岐給水配管63aから供給される水を混合させる給湯混合弁64を備える。給湯混合弁64は、取水配管62と分岐給水配管63aの合流箇所に備えられ、取水配管62から供給される温水Iと、分岐給水配管63aから供給される水の混合比を切換えて、給湯配管65から供給される温水Iの温度を調整する。常温の水を排出することもできる。
給湯配管65は、図1に示した浴室101のシャワー101aや浴槽101b、洗面脱衣所102の蛇口102a及び図示しない台所103の蛇口等と接続され、温水I又は水を供給する。また、浴室101に接続される給湯配管65には、ミスト給湯配管65aが接続される。ここに分岐されたミスト給湯配管65aには、ミスト発生装置2が接続される。
次に、ヒートポンプ式の給湯装置4の動作例について説明する。給湯装置4では、まず、貯湯タンクユニット54のタンク60に、給水配管63から水が供給される。タンク60に供給された水は、冷水配管61bによりヒートポンプユニット53の水熱交換器56に供給される。
ヒートポンプユニット53では、ファン55aにより空気熱交換器55に大気が供給され、冷媒配管57を流れる冷媒ガスとの間で熱交換が行われ、冷媒ガスの温度が上昇する。空気熱交換器55で熱交換が行われた冷媒ガスは、圧縮機58で圧縮されることで、温度がさらに上昇する。
そして、圧縮機58で圧縮されて温度を上昇させた冷媒ガスは、水熱交換器56に供給される。これにより、水熱交換器56においては、大気との熱交換及び圧縮により温度が上昇した冷媒ガスと、貯湯タンクユニット54から供給された水との間で熱交換が行われ、温水Iが生成される。この水熱交換器56で熱交換された冷媒ガスは、膨張弁59で膨張されて温度が低下し、再度空気熱交換器55に供給される。
また、水熱交換器56で熱交換されて生成された温水Iは、温水配管61aによりタンク60に戻される。これにより、タンク60は、上部側の温度が高く、下部側が温度の低い二層化した状態で温水Iと水が貯水される。タンク60に貯水された温水Iは、取水配管62により取水される。ここで、切換弁62cにより、供給水の温度が高い場合は高温部取水配管62aから温水Iが取られ、供給水の温度が低い場合は中温部取水配管62bから温水Iを取られる。
取水配管62により取水された温水Iは、分岐給水配管63bから供給される水と給湯混合弁64で混合される。給湯混合弁64で温水Iと水の混合比を切換えることで、給湯配管65から供給される温水Iの温度が調整される。もちろん、常温の水を給湯配管65に送出することもできる。給湯配管65から供給される温水I又は水は、浴室101、洗面脱衣所102及び台所103に分配される。これにより、給湯配管65から分岐されたミスト給湯配管65aにより温水I又は水をミスト発生装置2に供給するようになされる。給湯装置4は自然冷媒を利用したヒートポンプ式でなくても、ヒートポンプ式でない通常の電気温水器であってもよく、ガスを熱源にした給湯装置でも他の熱源のものであってもよい。
<空調リモコン、ミストリモコン>
図10は、第1操作部の一例であるミストリモコン(ミスト操作部)7の操作面の構成例を示す正面図である。ミストリモコン7は、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3を操作するための各種操作ボタン等を備える。ミストリモコン7は操作ボタンとして、例えば、ミスト運転を実行するミストボタン7b、ルーバ44の角度を変更するルーバーボタン7c、暖房運転モードを実行する暖房ボタン7d、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3を全停止させる停止ボタン7eを備える。また、ミストリモコン7はミスト発生装置2等の状態を表示するLEDとして、例えば、ミストLED7f、暖房LED7g及びエラーLED7hを備える。ミスト運転実行時の各操作ボタン及びLEDの動作の詳細については後述する。
図11は、第2操作部の一例である空調リモコン(主操作部)6の操作面の構成例を示す正面図である。空調リモコン6は、表示部6b及び、浴室空調装置3及びミスト発生装置2を操作するための各種操作ボタン等を備える。空調リモコン6は操作ボタンとして、例えば、乾燥運転モードを実行する乾燥モードボタン6c、涼風運転モードを実行する涼風モードボタン6d、暖房運転モードを実行する暖房モードボタン6e、換気運転モードを実行する換気モードボタン6fを備える。また、空調リモコン6は、操作ボタンとしてタイマの時間設定等を行うための変更ボタン6g、及び停止ボタン6h、ルーバ44の角度を変更するルーバーボタン6oを備える。
更に空調リモコン6は、浴室空調装置3等の状態を表示するLEDとして、例えば、乾燥モードLED6i、涼風モードLED6j、ミストLED6k、暖房モードLED6l、及び換気モードLED6mを備える。ミスト運転実行時の各操作ボタン及びLEDの詳細については後述する。
<浴室空調装置及びミスト発生装置の制御系>
図12は、浴室空調装置3及びミスト発生装置2の制御系の構成例を示すブロック図である。
図12に示す浴室空調装置3は、図1に示したミスト発生装置2によって水又は温水Iが噴出される浴室101内の温度を調整する。浴室空調装置3は、浴室101内の温度を検出して得られる温度検出情報に基づいて当該浴室101内の温度を制御するためのCPU(Central Processing Unit)を有する主制御部5Aを備えている。主制御部5Aは送風制御手段の一例である。上述した空調リモコン6は、通信ケーブル6aを介して、この浴室空調装置3の主制御部5Aに接続されている。この例で、空調リモコン6から主制御部5Aには、通信ケーブル6aを介して、操作信号S6が出力される。
主制御部5Aには温度検出センサ69が接続される。温度検出センサ69は、図6(A)又は図7に示した吸込口38に取り付けられ、浴室101内の温度を検出して得た温度検出信号S69を主制御部5Aへ出力される。主制御部5Aは、温度検知センサ69から温度検出信号S69を入力し、当該温度検出信号S69をデジタル処理した温度検出情報と温度設定情報とを比較した結果に基づいて温度制御を実行する。
例えば、主制御部5Aは、浴室101内の上限温度と下限温度とが設定されると、ヒータ33に駆動電圧V33を出力して浴室101内の空気を加熱すると共に当該浴室101内の温度を温度検出センサ69を通じて検出する。主制御部5Aは、浴室101内の温度が上限温度に到達すると加熱処理を停止し、その後、浴室101内の温度を検出すると共に当該浴室101内の温度が下限温度に到達すると加熱処理を開始する。
更に、この主制御部5Aには、浴室照明スイッチ69Bから、このスイッチがオンされたか否かを示す信号S69bが供給される。この主制御部5Aから、ファンモータ36、ダンパモータ40c、ヒータ部33を動作させるための駆動電圧V36、V40c、V33、及び、ルーバ44の動作を制御するための制御信号S44が各々供給される。
図12に示すミスト噴出制御手段の一例である電源部ユニット2Bは、電源部2Baと、電磁弁駆動部2Bbと、CPUを有するミスト制御部2Bcとを備えている。電源部2Baは、家庭用交流電源、例えばAC100Vから、電磁弁を駆動するために使用する24Vの直流電圧、ノズルユニット2のモータ73や84等を駆動するための直流電圧等を生成する。
電源部2Baには電磁弁駆動部2Bb及びミスト制御部2Bcが接続され、ミスト制御部2Bcによる制御の下、電源部2Baで生成される24Vの直流電圧を用いて、電磁弁ユニット2Aを構成する電磁弁2d,2e,2fを駆動する。この場合、電磁弁2d,2e,2fは、それぞれ、DC24[V]の駆動電圧V2d,V2e,V2fが印加されることでバルブが開状態となされる。駆動電圧V2d=0[V]で電磁弁2dのバルブが閉状態となされ、駆動電圧V2e=0[V]で電磁弁2eのバルブが閉状態となされ、駆動電圧V2f=0[V]で電磁弁2fの各々のバルブが閉状態となされる。
ミスト制御部2Bcには、上述したように、電磁弁ユニット2Aに取り付けられた温度検出センサ2hが接続される。この例で、温度検出センサ2hからミスト制御部2Bcには温度検出信号S2hが出力される。上述したミストリモコン7は、通信ケーブル7aを介して、この電源部ユニット2Bのミスト制御部2Bcに接続されている。ミストリモコン7からミスト制御部2Bcには通信ケーブル7aを介して操作信号S7aが出力される。このミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbの動作を制御し、また電源部2Baで生成される直流電圧を用いて、ノズルユニット2のノズル2m1,2m2,2m3の方向を制御する。
また、浴室空調装置3の主制御部5Aと電源部ユニット2Bのミスト制御部2Bcとは互いに接続され、浴室空調装置3とミスト発生装置2との連係動作が可能となっている。例えば、主制御部5Aからミスト制御部2Bcへ通信制御信号S5aを出力して、空調リモコン6で指定された内容に基づいてミスト運転を実行する。反対に、ミスト制御部2Bcから主制御部5Aへ通信制御信号S5aを出力して、ミストリモコン7で指定された内容に基づいて空調運転を実行するようにしてもよい。
<浴室空調システム1の動作例>
次に、浴室空調システム1のミスト運転の動作例について説明する。ここでミスト運転はミストモードの一例である。浴室空調システム1がミスト運転を実行することにより、浴室空調装置3の吹出口41より浴室101内へ温風が送風され、ミスト発生装置2のミスト発生装置2のノズルユニット2Cより浴室101内に温水によるミストが噴出される。これにより、浴室101内にミストサウナ環境がつくられる。
まずミスト運転の開始について説明する。図13から図15は、ミスト運転開始時の動作例を示すフローチャートである。図16は、ミスト発生装置2及び浴室空調装置3の停止時のルーバ44の位置を示す説明図である。図17は、ミスト運転開始時のルーバ44の位置を示す説明図である。図18は、ミスト運転時のルーバ44の位置を示す説明図である。
浴室空調システム1においては、以下のようなフローでミスト運転が開始される。ミスト発生装置2及び浴室空調装置3が停止している状態においては、浴室空調装置3のルーバ44は、例えば図16の矢印に示すように、浴槽側の壁方向を向いた位置となっている。
ミスト発生装置2及び浴室空調装置3が停止している状態において、使用者は、まずミストリモコン7のミストボタン7b又は空調リモコン6の暖房モードボタン6eを押下する(図13のステップST21)。これにより、空調リモコン6のミストLED6k及びミストリモコン7のミストLED7fが点滅する(ステップST22)。
これにより、ミストリモコン7より、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcを介して浴室空調装置3の主制御部5Aへ、「ルーバ位置変更コマンド」が送信される(ステップ23)。これにより、例えば図17に示すように、送風方向が浴槽101b方向となるように、主制御部5Aによりルーバ44のルーバモータ44a・44bが制御される。この結果、洗い場101eにいる使用者に対して送風されず、且つ浴室101内の暖房をすることが可能となる。
その後、空調リモコン6の暖房モードLED6lの「強」及びミストリモコン7の暖房モードLED7gの「強」が点灯する(ステップST24)。その後、浴室空調装置3がヒータ部33の出力を「強」にした状態で暖房運転を開始する(ステップST25)。
その後、ミストリモコン7より、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcを介して浴室空調装置3の主制御部5Aへ、「ミスト運転開始コマンド」を送信する(ステップ26)。この「ミスト運転開始コマンド」を受け、浴室空調装置3の主制御部5Aは、温度検出センサ69により浴室内の温度を検出し、浴室内の温度が所定の温度(例えば30℃)以上であるか否かを判別する(ステップST27)。ここで浴室内の温度が所定の温度未満である場合、浴室空調装置3の主制御部5Aより、ミストリモコン7に対して「ミスト運転不可コマンド」を送信する(ステップST28)。その後所定時間(例えば5秒間)待機し(ステップST29)、再度、ミストリモコン7より、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcを介して浴室空調装置3の主制御部5Aへ、「ミスト運転開始コマンド」を送信する(ステップ26)。
ステップST27で浴室内の温度が所定の温度以上であると判別された場合、浴室空調装置3の主制御部5Aより、ミストリモコン7に対して「ミスト運転許可コマンド」を送信する(ステップST30)。その後所定時間(例えば4秒間)待機し(ステップST31)、空調リモコン6のミストLED6kを点滅させると共に、ミストリモコン7のミストLED7fを点灯させる(図14のステップST32)。
その後、ミスト制御部2Bcは電磁弁駆動部2Bbにより、給湯用電磁弁2dを開状態にし(ステップST33)、排水用電磁弁2fを開状態にする(ステップST34)。これにより、給水配管2aから配管2kを介してドレン配管2cより、温水Iが排水された状態となる。
その後、ミスト発生装置2のミスト制御部2Bcにより、タイマt3がリセットされ(ステップST35)、温度検出センサ2hにより温水Iが所定の温度(例えば30℃)以上であるか否かを判別する(ステップST36)。温水Iの温度が所定の温度未満である場合、タイマt3のリセットから所定時間(例えば5分)以上経過しているか否かが判別される(ステップST37)。
ここでタイマt3のリセットから5分以上経過している場合、給湯装置4等に障害が発生していると判断し、図15に示すフローが実行される。まずミストリモコン7のエラーLED7hが点灯する(図15のステップST44)。その後ミストリモコン7のブザーを3秒間鳴らした後(ステップST45)、ミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbにより給湯用電磁弁2dを閉状態にし(ステップST46)、ミスト用電磁弁2eを開状態にする(ステップST47)。これにより、接続管2b′からの残水が、配管2j及び2kを通じて電磁弁2fに至りドレン配管2cに排水される。これにより、接続管2b′、電磁弁2e、配管2j及び2k内の残水を電磁弁2fを通じて浴室外部へ排出することができる。
その後所定時間(例えば3秒間)待機し(ステップST48)、ミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbによりミスト用電磁弁2eを閉状態にし(ステップST49)、排水用電磁弁2fを閉状態にする(ステップST50)。その後、浴室空調装置3の暖房運転及びルーバ44を停止させる(ステップST51)。この時、ルーバ44は、例えば図16の矢印に示すように、浴槽側の壁方向を向いた位置となる。
ここで、使用者が、ミストリモコン7の停止ボタン7e又は空調リモコン6の停止ボタン6hを押下することによりエラー状態が解除され(ステップST53)、ミストリモコン7のエラーLED7hが消灯する(ステップST53)。
図14に戻り、ステップST37において、タイマt3のリセットより所定時間以上経過しておらず、ステップST36において温水Iが所定の温度以上であると判別された場合は、以下のようなフローが実行される。タイマt3のリセットから所定時間(例えば5秒)以上経過しているか否かが判別される(ステップST38)。タイマt3のリセットから5秒以上経過していない場合、再びタイマt3がリセットされ(ステップST39)、所定時間(例えば5秒間)待機する(ステップST40)。
ステップST38において、タイマt3のリセットから5秒以上経過していると判別された場合、あるいはステップST40において5秒間待機した後、ミストLED6kとミストLED7fを点灯させる(ステップST41)。その後、ミストリモコン7のブザーを1秒間鳴らす(ステップST42)。
その後、ミスト制御部2Bcは、電磁弁駆動部2Bbによりミスト用電磁弁2eを開状態にし(ステップST43)、その後、排水用電磁弁2fを閉状態にする(ステップST44)。これにより、ミスト発生装置2のノズルユニット2Cより、浴室101内にミストが噴出され、浴室空調装置3の吹出口41より浴室101内に温風が送風されるミスト運転状態となる。
また、本実施の形態の浴室空調システム1においては、ミスト運転時において、ミストリモコン7のルーバーボタン7cにより浴室空調装置3のルーバ44の角度を変更することが可能である。ルーバーボタン7cにより、ルーバ44の角度は、例えば次のように変更される。
まず、ルーバ44の角度を所定の一方向へ変更する方法について説明する。図18において、一点鎖線Lで示す方向へ吹出口41より送風されるルーバ44の角度を−10°、一点鎖線Mで示す方向へ吹出口41より送風されるルーバ44の角度を40°とする。またここで、図17の矢印で示す方向へ吹出口41より送風されるルーバ44の角度は0°である。
ルーバ44の角度を所定の一方向へ変更する方法においては、例えば、ミストリモコン7のルーバーボタン7c、又は空調リモコン6のルーバーボタン6oを押下するごとに、0°、−10°、0°、10°・・・40°、30°・・・10°、0°の様に、ルーバ44の角度が変更される。これにより、使用者の好みに応じた方向へ温風の送風方向を変更することが可能となる。
次に、ルーバ44を所定の範囲で連続的又は段階的に変更させて動作させる際の変更方法について説明する。この場合、ルーバーボタン7c又はルーバーボタン6oを、例えば2秒以上長押しすることにより変更する。これにより、例えば図18の一点鎖線Lで示す方向(ルーバ44角度:−10°)から、一点鎖線Mで示す方向(ルーバ44角度:40°)の範囲で送風方向が変化するように、ルーバ44の角度が連続的又は段階的に変更される。これにより、浴室101内の広い範囲に温風を送風し、浴室101内を満遍なく暖房することが可能となる。
次に、ミストサウナ運転停止時の動作例について説明する。図19はミストサウナ運転停止時の動作例を示すフローチャートである。図13から17で示す方法によりミストサウナ運転中の浴室空調システム1において、ユーザがミストリモコン7のミストボタン7b又は空調リモコン6の暖房モードボタン6eを押下する(図19のステップST60)ことにより、ミストサウナ運転の停止フローが開始する。
ステップ60の後、ミストリモコン7のミストLED7fと空調リモコン6のミストLED6kを消灯させる(ステップST61)。その後、ミスト制御部2Bcは電磁弁駆動部2Bbにより排水用電磁弁2fを開状態にし(ステップST62)、ミスト用電磁弁2e閉状態として(ステップST63)、所定時間(例えば2秒間)待機する(ステップST64)。この間、給水配管2aから配管2kを介してドレン配管2cより、温水Iが排水された状態となる。
その後、ミスト制御部2Bcは電磁弁駆動部2Bbにより給湯用電磁弁2dを閉状態とし(ステップST65)、ミスト用電磁弁2eを開状態とし(ステップST66)、所定時間(例えば3秒間)待機する(ステップST67)。この間、接続管2b′からの残水が、配管2j及び2kを通じて電磁弁2fに至りドレン配管2cに排水される。これにより、接続管2b′、電磁弁2e、配管2j及び2k内の残水を電磁弁2fを通じて浴室外部へ排出することができる。
その後、ミスト制御部2Bcは電磁弁駆動部2Bbにより、ミスト用電磁弁2eを閉状態にし(ステップST68)、所定時間(例えば1秒間)待機した後(ステップST69)、排水用電磁弁2fを閉状態とする(ステップST70)。このようなフローにより、ミスト運転が停止される。
次に、ミストサウナ運転時の全停止時の動作例について説明する。図20はミストサウナ運転時の全停止時の動作例を示すフローチャートである。図13、17で示す方法によりミストサウナ運転中の浴室空調システム1において、ユーザがミストリモコン7の停止ボタン7e又は空調リモコン6の停止ボタン6hを押下する(図20のステップST80)ことにより、ミストサウナ運転時の全停止フローが開始する。
まず、ミストリモコン7のミストLED7f、暖房LED7g、空調リモコン6のミストLED6k、暖房モードLED6lを消灯させる(ステップ81)。 図20のステップST82からステップST90は、図19のステップST62からステップST70と同様である。ステップST90の終了後、浴室空調装置3の暖房運転が停止し、ルーバ44が停止する(ステップST91)。このようなフローにより、ミスト運転時の全停止が行われる。
次に、浴室空調システム1における、ミストモード以外の他の空調モードの動作例について説明する。以下に説明する、ミストモード以外の他の空調モードにおいては、ミスト発生装置2は停止した状態となる。
空調リモコン6の乾燥モードボタン6cを操作することにより乾燥運転モードが実行される。乾燥運転モードにおいては浴室空調装置3のダンパ40は図8(C)に示す循環換気位置に位置する。この状態でファンモータ36及びヒータ部33を動作させることにより、浴室101内の空気を吸込口38より吸い込み、一部を排気口42より浴室101の外へ排気し、一部をヒータ部33で加熱して吹出口41より浴室101内に送風する。これにより、浴室101内の湿気が外部に排出され浴室101内の乾燥が行われる。
空調リモコン6の涼風モードボタン6dを操作することにより、涼風運転モードが実行される。乾燥運転モードにおいては浴室空調装置3のダンパ40は図8(A)に示す循環位置に位置する。この状態でファンモータ36を動作させることにより、浴室101内の空気を吸込口38より吸い込み、吸い込んだ空気を吹出口41より浴室101内へ送風する。これにより、浴室101内へ涼しい風が送風される。
空調リモコン6の暖房モードボタン6e又は、ミストリモコン7の暖房ボタン7dを操作することにより、暖房運転モードが実行される。暖房運転モードにおいては浴室空調装置3のダンパ40は図8(A)に示す循環位置に位置する。この状態でファンモータ36及びヒータ部33を動作させることにより、浴室101内の空気を吸込口38より吸い込み、吸い込んだ空気をヒータ部33で加熱して吐出口41より浴室101内に送風する。これにより、浴室101内の暖房が行われる。
空調リモコン6の換気モードボタン6fを操作することにより、換気運転モードが実行される。換気運転モードにおいては浴室空調装置3のダンパ40は図8(B)に示す換気位置に位置する。この状態でファンモータ36を動作させることにより、浴室101内の空気を吸込口38より吸い込み、吸い込んだ空気を排気口42より浴室101の外へ排気する。これにより、浴室101内の換気が行われる。
上述した乾燥運転モード、涼風運転モード及び暖房運転モードを実行する際には、浴室空調装置3による送風方向は、所定の一方向に固定、若しくは所定の範囲でのスウィング(連続的又は段階的な変化)した状態となる。これらの送風方向は、記憶された設定情報に基づいて適用される。
送風方向(ルーバ44の角度)の変更と記憶は、空調モードである乾燥運転モード、涼風運転モード及び暖房運転モードのそれぞれの運転モード毎に行えるようにしてもよく、また、これらの空調モードの実行時に、図17及び図18に示すようにミストモード時と同様の送風方向となるようにしてもよい。
また、送風方向は、変更ボタン6g等の特定のボタンを所定時間長押しすることにより設定変更が可能となり、変更ボタン6gを押してルーバ44の角度を選択し、その後、ルーバーボタン6oを押すことにより決定される。
また、これらの送風方向は、使用者がミストリモコン7のルーバーボタン7c又は空調リモコン6のルーバーボタン6oを操作することにより変更可能となるとしてもよい。これにより、ミストリモコン7又は空調リモコン6の少なくとも一方を操作することにより、使用者は送風方向の変更が可能となる。
変更された送風方向は、変更時のみ適用される一時的なもの、又は次回の動作時も適用されるものとなる。更にミストモードにおいても、主操作部である空調リモコン6で、他の空調モードと同様に送風方向の変更を記憶できるようにしてもよい。
本発明の浴室空調システム1によれば、使用者が浴室101内に設置されたミストリモコン(ミスト操作部)7を操作することにより、ミスト発生装置2によるミストの噴出と、浴室空調装置3による温風の送風が連動して行われるミスト運転(ミストモード)が実行される。またこの時、浴室空調装置3による温風の送風方向は、ルーバ44により所定の方向へ切り換えられる。
これにより、ミストモードを実行してミストサウナを使用する際に、浴室空調装置3による温風の送風方向を、浴室101内にいる使用者の操作により、使用者にとって好ましい方向へ切り換えることが可能になる。
また、本発明の浴室空調装置1によれば、ミスト運転の実行中に、ミストリモコン7のルーバーボタン7cを操作することにより、ルーバ44の角度を変更し、浴室空調装置3による温風の送風方向を変更することが可能になる。これにより、ミストサウナの使用者の好みに応じて、浴室101内から、浴室空調装置3による温風の送風方向を変更することが可能になる。